JP2848152B2 - 電気車制動制御装置 - Google Patents

電気車制動制御装置

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JP2848152B2 JP25130092A JP25130092A JP2848152B2 JP 2848152 B2 JP2848152 B2 JP 2848152B2 JP 25130092 A JP25130092 A JP 25130092A JP 25130092 A JP25130092 A JP 25130092A JP 2848152 B2 JP2848152 B2 JP 2848152B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回生制動と空気制動
とを併用した電気車の制動制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の電気車制動制御装置を示
すブロック図であり、図において、1は制動力指令回
路、2は制動力指令回路1よりの制動力指令信号を受け
て、主電動機の特性から決定される電流パターンを発生
するパターン発生回路、3は電車線電圧が上昇した時、
即ち電車線につながる回生負荷が減少していった時に出
力を発生する電車線電圧リミッタ回路、4は減算回路
で、パターン発生回路2の出力から電車線電圧リミッタ
回路3の出力を減算し、その結果は定電流制御ループ5
に入力される。定電流制御ループ5は主電動機電流検出
器6からの出力をフィードバックとして受けて、制御量
を制御装置主回路7に送ることによって、主電動機8の
電流を減算回路4の出力に相当する値に制御する。9は
主電動機電流信号をあらかじめ定められた主電動機特性
に従って制動力信号に変換する制動力検出回路である。
10は減算回路で、制動力指令回路1の出力である制動
力指令信号から制動力検出回路9の出力を減算し、結果
を増幅回路11へ入力する。12は電気/空気変換装置
で、増幅回路11の出力に比例した空気圧を出力し、図
示されていない弁を経由して最終的にブレーキシリンダ
ー13の圧力を制御し、空気制動力を発生させる。上記
2から13までは主電動機8に対応した一軸分について
の構成品を表しており、2aから13aまでは、全く同
一機能を有する台車内の他の一軸分の構成品を表してい
る。
【0003】次に動作について説明する。電車線につな
がる回生負荷が十分に存在する場合は、電車線電圧リミ
ッタ回路3,3aは動作せず、パターン発生回路2,2
aの出力に対応した電流で主電動機8,8aが制御され
るので、これら各主電動機8,8aの発生する回生制動
力は制動力指令回路1からの制動力指令と一致し、減算
回路10,10aの出力は0となり、両軸とも空気制動
力の補足は0、即ち必要な制動力は全て回生制動力で負
担されることになる。
【0004】一方、電車線につながる回生負荷が十分に
存在しない時は、回生制動をかけた時に電車線電圧が上
昇し、電車線リミッタ回路3,3aが動作し、リミッタ
の出力分だけパターン発生回路2,2aからの出力が減
算されて定電流制御ループ5,5aへの入力信号となる
ので、主電動機8,8aの電流は制動力指令回路の出力
である制動力指令に相当する値よりも少なくなり、この
結果、減算回路10,10aで所要制動力からの不足分
が演算されて、その出力に応じて補足空気制動力が作用
する。
【0005】以上で説明した電気車制動制御装置は、主
電動機制御装置の制御単位が細分化され、図3で示した
ように、各軸に増幅回路11や電気/空気変換装置12
や図示されていない空気弁類が必要となり、装置の点数
が増えて、寸法や重量の増加とともにコストが上昇する
という問題点があった。
【0006】このような問題点を解消するために従来、
図4に示すような方法が用いられている。図において、
図3と同一符号を付けたものは、図3と全く同一の機能
を有する。14は制動力検出回路9及び9aからの出力
を処理する演算処理回路である。この演算処理回路14
としては、三つの方式があるが、それぞれに長所、短所
がある。
【0007】第1の方法は、二つの入力信号の値の平均
値をとる方法である。制動力指令回路1からの一軸当た
りの制動力指令値をTp,制動力検出回路9及び9aか
らの出力をそれぞれTe1,Te2とする。本来、Te1
=Te2であるべきであるが、特に回生負荷が十分でな
く、電車線電圧リミッタ回路3,3aが動作して回生制
動力が制限されるような場合、これらの動作特性のバラ
ツキ等により両者の出力値が等しくならないことが多
い。
【0008】従って、ここでは 0<Te1<Te2
Tpとすると、演算処理回路14の出力Teは、次式で
表される。 Te=(Te1+Te2)/2 従って、減算回路10からの出力Tbは、 Tb=Tp−Te となり、これが一軸当たりに補足される空気制動力とな
る。従って、それぞれの軸の総合制動力T1,T2は、 T1=Te1+Tb T2=Te2+Tb となり、台車単位(二軸総合)の総合制動力Tは、 T=T1+T2 =Te1+Te2+2Tb =Te1+Te2+2(Tp−(Te1+Te2)/2) =2Tp となって、台車単位での総合制動力は指令値通りとな
る。
【0009】ところが、Te2の回生制動力を発生して
いる主電動機8aに対応する軸(これを第2の軸とし、
もう一方を第1軸と呼ぶ)の総合制動力T2は以下の通
りとなる。 T2=Te2+Tb =Te2+(Tp−(Te1+Te2)/2) =Tp+(Te2−Te1)/2 =Tp+△Te/2 但し、△Te=Te2−Te1 従って第2軸の総合制動力は、指令値Tpよりも△Te
/2だけ大きな値となり、この値が大きくなると車輪と
レール面の状態で決まる粘着係数を越える制動力が作用
することとなり、車輪が滑走して、フラットを生ずると
いう不具合が発生する。
【0010】第2の方法は、二つの入力信号の値の最大
値をとる方法である。制動力検出回路9及び9aからの
出力を同様に、Te1,Te2(0<Te1<Te2<T
p)とすると、演算処理回路14の出力Teは、最大値
検知となるので、 Te=Te2 となる。
【0011】従って、減算回路10からの出力Tbは、 Tb=Tp−Te2 となり、これが一軸当たりに補足される空気制動力とな
るので、各軸の総合制動力T1,T2は、 T1=Te1+Tb =Te1+(Tp−Te2) =Tp−△Te T2=Te2+Tb =Te2+(Tp−Te2) =Tp となり、台車単位の総合制動力Tは、 T=T1+T2 =2Tp−△Te となって、第2軸については指令値通りの値であるが、
第1軸については、指令値よりも△Teだけ小さな値と
なり、台車単位での総合制動力も△Teだけ小さくな
る。即ち、各軸毎に見れば、総合制動力が指令値を上回
って、粘着係数を越える値となって車輪が滑走すること
は無いが総合制動力が△Teだけ不足するという不具合
が生ずる。
【0012】第3の方法は、二つの入力信号の値の最小
値をとる方法である。制動力検出回路9及び9aからの
出力を同様に、Te1,Te2(0<Te1<Te2<T
p)とすると、演算処理回路14の出力Teは、最小値
検知となるので、 Te=Te1 となる。
【0013】従って、減算回路10からの出力Tbは、 Tb=Tp−Te1 となり、これが一軸当たりに補足される空気制動力とな
るので、各軸の総合制動力T1,T2は、 T1=Te1+Tb =Te1+(Tp−Te1) =Tp T2=Te2+Tb =Te2+(Tp−Te1) =Tp+△Te となり、台車単位の総合制動力Tは、 T=T1+T2 =2Tp+△Te となって、第1軸については指令値通りの値であるが、
第2軸ついては、指令値よりも△Teだけ大きな値とな
り、台車単位での総合制動力も△Teだけ大きくなる。
即ち、台車単位での総合制動力が指令値を下回ることは
無いが、第2軸の総合制動力は、指令値Tpよりも△T
eだけ大きな値となり、この値が大きくなると粘着係数
を越える制動力が作用することになり、車輪が滑走し
て、フラットを生ずるという不具合が発生する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】回生制動力を各軸単位
で、空気制動力を各台車単位で制御する従来の電気車制
動制御装置は以上のように構成されており、いずれの方
式も総合制動力の不足、あるいは、一軸当たりの制動力
が粘着係数を越える値となって車輪が滑走し、フラット
を発生させる危険性が存在するという問題点があった。
【0015】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、回生負荷の状況にかかわらず、
各軸とも指令値に合った制動力が過不足なく作用する電
気車制動制御装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係る電気車制
動制御装置は、入力値の最大値を記憶し空気制動力指令
値として出力する最大値保持回路、各軸または各台車単
位の回生制動力の最小値を検出する最小値検出回路、制
動力指令値から上記最大値保持回路の出力を減算し回生
制動力指令値として出力する第1の減算回路、および上
記回生制動力指令値から上記最小値検出回路の出力を減
算し上記最大値保持回路の入力値として出力する第2の
減算回路を備えたものである。
【0017】
【作用】この発明における電気制動力は、回生負荷の状
況にかかわらず、各軸各台車とも同一の値に制御される
ので、補足空気制動力を加えた総合制動力を各軸各台車
とも制動力指令値に等しい値に制御することが可能とな
る。
【0018】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する、図1において、図3と同一符号のもの
は同一の構成部分を表す。15は各軸単位の制動力検出
値の最小値を検出する最小値検出回路、16は第2の減
算回路10の出力の最大値を記憶する最大値保持回路、
17は制動力指令値から最大値保持回路16の出力を減
算する第1の減算回路である。
【0019】次に実施例の動作について説明する。従来
例の説明と同様に、制動力指令回路1からの一軸当たり
の制動力指令値をTp、制動力検出回路9及び9aから
の出力をそれぞれTe1,Te2(0<Te1<Te2<T
p,△Te=Te2−Te1)とすると、最小値検出回路
15の出力はTe1となる。従って第2の減算回路10
の出力Tbは、 Tb=Tp−Te1 となり、最大値保持回路16で記憶される。よって第1
の減算回路17の出力Tp1は、 Tp1=Tp−Tb =Tp−(Tp−Te1) =Te1 となり、制動力指令回路1からの出力Tpにかわって新
たにTp1=Te1が回生制動力指令値となって、パター
ン発生回路2及び2aに送出される。
【0020】この指令値Te1は既に回生負荷の状態が
加味されて求められた値であり、かつ各軸の検出値の最
小値から決められているので、主電動機8及び8aの発
生する回生制動力は、Te1相当の値となるとともに、
制動力検出回路9及び9aの出力はともにTe1とな
る。そうすると、最小値検出回路15への入力は、とも
にTe1となるのでその出力はTe1で変化がないが、第
2の減算回路10の出力は、 Te1−Te1=0 で0となる。しかし、最大値保持回路16の出力は、 Tb=Tp−Te1 のままで保持されている。
【0021】よって、11,12,13,13aを経由
して作用する補足空気制動力は各軸ともTbであるの
で、各軸の総合制動力を見てみると、 T1=Te1+Tb =Te1+(Tp−Te1) =Tp T2=Te1+Tb =Tp となって、各軸の総合制動力は、制動力指令回路1の指令
値Tpと一致している。
【0022】実施例2.なお、上記実施例では、各軸毎
に制御される回生制動力制御装置と台車毎に制御される
空気制動力制御装置とを組み合わせて総合制動力を制御
する例を示したが、図2に示すように、台車毎に制御さ
れる回生制動力制御装置と車両毎に制御される空気制動
力制御装置とを組み合わせて総合制動力を制御する場合
であってもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。図
2において、8,8aは同一台車内の主電動機、8b,
8cは同一車両内のもう一方の台車内の主電動機、1
8,18aは台車中継弁を示す。
【0023】実施例3.更に、この発明は、図示は省略
するが、各軸毎に制御される回生制動力制御装置と車両
毎に制御される空気制動力制御装置とを組み合わせて総
合制動力を制御する場合にも同様の考え方で適用するこ
とができ、同様の効果を奏する。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、各軸
(または各台車)毎に制御される回生制動力制御装置と
台車(または車両)毎に制御される空気制動力制御装置
とを組み合わせて、総合制動力を制御する装置におい
て、回生負荷に応じて相異する各軸(または各台車)毎
の回生制動力が同一となるように制御するよう構成した
ので、安価な装置にて、各軸(または各台車)の総合制
動力を指令値通りとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による電気車制動制御装置
を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施例2による電気車制動制御装置
を示すブロック図である。
【図3】従来の電気車制動制御装置を示すブロック図で
ある。
【図4】図3とは異なる従来の電気車制動制御装置を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1 制動力指令回路 2,2a パターン発生回路 3,3a 電車線電圧リミッタ回路 4,4a 減算回路 5,5a 定電流制御ループ 6,6a 主電動機電流検出器 7,7a 制御装置主回路 8,8a,8b,8c 主電動機 9,9a 制動力検出回路 10 第2の減算回路 11 増幅回路 12 電気/空気変換装置 13,13a ブレーキシリンダー 15 最小値検出回路 16 最大値保持回路 17 第1の減算回路 18,18a 台車中継弁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動力指令値に基づき、回生制動力を各
    軸単位で、回生負荷状態により発生する上記回生制動力
    の不足分を補足する空気制動力を各台車単位で制御する
    電気車制動制御装置において、 入力値の最大値を記憶し空気制動力指令値として出力す
    る最大値保持回路、上記各軸単位の回生制動力の最小値
    を検出する最小値検出回路、上記制動力指令値から上記
    最大値保持回路の出力を減算し回生制動力指令値として
    出力する第1の減算回路、および上記回生制動力指令値
    から上記最小値検出回路の出力を減算し上記最大値保持
    回路の入力値として出力する第2の減算回路を備えたこ
    とを特徴とする電気車制動制御装置。
  2. 【請求項2】 制動力指令値に基づき、回生制動力を各
    台車単位で、回生負荷状態により発生する上記回生制動
    力の不足分を補足する空気制動力を各車両単位で制御す
    る電気車制動制御装置において、 入力値の最大値を記憶し空気制動力指令値として出力す
    る最大値保持回路、上記各台車単位の回生制動力の最小
    値を検出する最小値検出回路、上記制動力指令値から上
    記最大値保持回路の出力を減算し回生制動力指令値とし
    て出力する第1の減算回路、および上記回生制動力指令
    値から上記最小値検出回路の出力を減算し上記最大値保
    持回路の入力値として出力する第2の減算回路を備えた
    ことを特徴とする電気車制動制御装置。
  3. 【請求項3】 制動力指令値に基づき、回生制動力を各
    軸単位で、回生負荷状態により発生する上記回生制動力
    の不足分を補足する空気制動力を各車両単位で制御する
    電気車制動制御装置において、 入力値の最大値を記憶し空気制動力指令値として出力す
    る最大値保持回路、上記各軸単位の回生制動力の最小値
    を検出する最小値検出回路、上記制動力指令値から上記
    最大値保持回路の出力を減算し回生制動力指令値として
    出力する第1の減算回路、および上記回生制動力指令値
    から上記最小値検出回路の出力を減算し上記最大値保持
    回路の入力値として出力する第2の減算回路を備えたこ
    とを特徴とする電気車制動制御装置。
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