JP2848002B2

JP2848002B2 - 電子写真用感光体

Info

Publication number: JP2848002B2
Application number: JP7070591A
Authority: JP
Inventors: 昇古庄; 健司川手
Original assignee: Fuji Electric Co Ltd
Current assignee: Fuji Electric Co Ltd
Priority date: 1991-01-08
Filing date: 1991-04-03
Publication date: 1999-01-20
Anticipated expiration: 2014-01-20
Also published as: JPH04270349A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は電子写真用感光体の感
光層に係り、特に感光層の感度向上を図った電子写真用
感光体に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より電子写真用感光体（以下感光体
とも称する）の感光材料としてはセレンまたはセレン合
金などの無機光導電性物質、酸化亜鉛あるいは硫化カド
ミウムなどの無機光導電性物質を樹脂結着剤中に分散さ
せたもの、ポリ−Ｎ−ビニルカルバゾールまたはポリビ
ニルアントラセンなどの有機光導電性物質、フタロシア
ニン化合物あるいはビスアゾ化合物などの有機光導電性
物質を樹脂結着剤中に分散させたものや真空蒸着させた
ものなどが利用されている。

【０００３】また感光体には暗所で表面電荷を保持する
機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を受
容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの層
でこれらの機能をあわせもったいわゆる単層型感光体
と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷
と光受容時の電荷輸送に寄与する層とに機能分離した層
を積層したいわゆる積層型感光体がある。これらの感光
体を用いた電子写真法による画像形成には、例えばカー
ルソン方式が適用される。この方式での画像形成は暗所
での感光体へのコロナ放電による帯電、帯電された感光
体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形成、形
成された静電潜像のトナーによる現像、現像されたトナ
ー像の紙などの支持体への定着により行われ、トナー像
転写後の感光体は除電、残留トナーの除去、光除電など
を行った後、再使用に供される。

【０００４】近年、可とう性，熱安定性，膜形成性など
の利点により、有機材料を用いた電子写真用感光体が実
用化されてきている。例えば、ポリ−Ｎ−ビニルカルバ
ゾールと２，４，７−トリニトロフルオレン−９−オン
とからなる感光体（米国特許第３４８４２３７号明細書
に記載）、有機顔料を主成分とする感光体（特開昭４７
−３７５４３号公報に記載）、染料と樹脂とからなる共
晶錯体を主成分とする感光体（特開昭４７−１０７８５
号公報に記載）などである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機材
料は無機材料にない多くの長所を持つが、また同時に電
子写真感光体に要求されるすべての特性を充分に満足す
るものが得られていないのが現状であり、高感度で繰り
返し特性の優れた感光体が強く望まれている。

【０００６】この発明は上述の点に鑑みてなされ、その
目的は電荷発生物質と電荷輸送物質の新規な組み合わせ
を用いることにより、高感度で繰り返し特性に優れるプ
リンタ用，複写機用の電子写真感光体を提供することに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よれば導電性基体上に感光層を有し、感光層は電荷発生
物質として一般化学式（Ｉ）で示されるビスアゾ化合物
のうち少なくとも一種，一般化学式（ＩＩＩ）で示され
るビスアゾ化合物のうち少なくとも一種，一般化学式
（IV）で示される多環キノン化合物のうち少なくとも一
種，一般化学式（Ｖ）で示されるスクアリリウム化合物
のうち少なくとも一種または一般化学式（VI）で示され
るフタロシアニン化合物のうち少なくとも一種を含有
し、かつ電荷輸送物質として一般化学式（II）で示され
るビフェニルアミン化合物のうち少なくとも一種を含む
ものである（Ｒ₁はハロゲン原子，アルキル基またはア
ルコキシ基、Ｒ₂は置換されても良いアルキル基、Ｒ₃
は水素原子，シアノ基，カルバモイル基，カルボキシル
基，エステル基またはアシル基、Ｒ₄は水素原子，ハロ
ゲン原子，ニトロ基，アルキル基またはアルコキシ基を
表し、Ｒ₅，Ｒ₆はそれぞれ水素原子，ハロゲン原子，
アルコキシ基または置換されても良いアルキル基もしく
はアリール基、Ｒ₇はフッ素原子で置換されたアルキル
基またはアルコキシ基、Ｒ₈は水素原子，ハロゲン原子
または置換されてもよいアルキル基，アルコキシ基を表
し、Ｒ₉はそれぞれ置換されてもよいアルキル基，アリ
ール基または芳香族複素環基を表し、Ｒ₁₀は水素原子，
シアノ基，カルバモイル基，カルボキシル基，エステル
基またはアシル基を表し、Ｒ₁₁およびＲ₁₂はそれぞれ水
素原子，ハロゲン原子，ニトロ基または置換されてもよ
いアルキル基もしくはアルコキシ基、Ｘは水素原子，ハ
ロゲン原子，シアノ基、ｎは０から４の整数、Ｒ₁₃，Ｒ
₁₄，Ｒ₁₅，Ｒ₁₆は、それぞれ置換されてもよいアルキル
基，アリール基，アラルキル基、アルケニル基またはＲ
₁₃，Ｒ₁₄，Ｒ₁₅，Ｒ₁₆で環を形成してもよく、Ｒ₁₇とＲ
₁₈は、水素原子，ハロゲン原子，ヒドロキシ基，アルキ
ル基，アルコキシ基、Ｒ₁₉，Ｒ₂₀はＦ，ＯＹまたはＳＹ
を示し、こここＹは置換されてもよいアルキル基，アリ
ール基，または芳香族複素環基を表す）。

【０００８】

【化１１】

【０００９】

【化１２】

【００１０】一般化学式（Ｉ）で示される電荷発生物質
の具体例が化学式３ないし化学式８に示される。

【００１１】

【化１３】

【００１２】一般化学式（II）で示される電荷輸送物質
の具体例が表１，表２，表３，表４，表５に示される。
化学式としては化学式９から化学式１３６の範囲の物質
である。

【００１３】

【表１】

【００１４】

【表２】

【００１５】

【表３】

【００１６】

【表４】

【００１７】

【表５】

【００１８】一般化学式(III）で示される化合物の具体
例が化学式１３７〜１４６に，一般化学式（IV）で示さ
れる化合物の具体例が化学式１４７〜１５４に，一般化
学式（Ｖ）で示される化合物の具体例が化学式１５５〜
１６５に，一般化学式（VI）で示される化合物の具体例
が化学式１７０〜１７３に示される。

【００１９】

【化１４】

【００２０】

【化１５】

【００２１】

【化１６】

【００２２】

【化１７】

【００２３】

【化１８】

【００２４】

【化１９】

【００２５】

【作用】前記一般化学式（Ｉ），（II），(III），（I
V），（Ｖ），（VI）で示される化合物を感光層に用い
た例は知られていない。本発明者らは、前記目的を達成
するために各種有機材料について鋭意検討するなかで、
これら化合物について数多くの実験を行った結果、その
技術的解明はまだ充分なされてはいないが、一般化学式
（Ｉ），（II），(III），（IV），（Ｖ）または（VI）
で示される電荷発生物質と一般化学式（II）で示される
電荷輸送物質を組み合わせて使用することが、電子写真
特性の向上に極めて有効であることを見出し、高感度で
繰り返し特性の優れた感光体を得るに至ったのである。

【００２６】

【実施例】図１，図２は本発明の実施例に係る電子写真
用感光体を示す断面図である。この図で１は導電性基
体、２は電荷発生層、３は電荷輸送層、４は感光層、５
は表面被覆層であり、感光層は電荷発生層と電荷輸送層
とに分離した機能分離型である。図１の感光層は電荷発
生層、電荷輸送層の順に積層された負帯電タイプであ
り、図２の感光層は図１と逆に電荷輸送層、電荷発生層
の順に積層された正帯電タイプである。

【００２７】導電性基体１は感光体の電極としての役目
と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状，板
状，フィルム状のいずれでも良く、材質的にはアルミニ
ウム，ステンレス鋼，ニッケルなどの金属、あるいはガ
ラス、樹脂などの上に導電処理を施したものでも良い。
電荷発生層２は有機光導電性物質を真空蒸着および有機
光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させた材
料を塗布して形成され、光を受容して電荷を発生する。
また、その電荷発生効率が高いことと同時に発生した電
荷の電荷輸送層３への注入性が重要で電場依存性が少な
く低電場でも注入の良いことが望ましい。

【００２８】電荷発生層は電荷発生機能を有すればよい
ので、その膜厚は電荷発生物質の光吸収係数より決まり
一般的には５μｍ以下であり、好適には１μｍ以下であ
る。電荷発生層は電荷発生物質を主体としてこれに電荷
輸送物質などを添加して使用することも可能である。樹
脂バインダーとしては、ポリカーボネート，ポリエステ
ル，ポリアミド，ポリウレタン，エポキシ，ポリビニル
ブチラール，フェノキシ，シリコン樹脂，メタクリル酸
エステルの重合体および共重合体などを適宜組み合わせ
て使用することが可能である。

【００２９】電荷輸送層３は樹脂バインダー中に有機電
荷輸送物質を分散させた材料からなる塗膜であり、暗所
では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時に
は電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮
する。樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート，ポ
リエステル，エポキシ，シリコン樹脂，ポリスチレン，
メタクリル酸エステルの重合体および共重合体などが用
いられるが、機械的、化学的および電気的安定性、密着
性などのほかに電荷輸送物質との相溶性が重要である。

【００３０】電荷輸送層の膜厚は実用的に有効な表面電
位を維持するためには３〜５０μｍの範囲が好ましく、
より好適には５〜３０μｍである。

【００３１】表面被覆層５は機械的ストレスに対する耐
久性に優れ、さらに化学的に安定な物質で構成され、暗
所ではコロナ放電の電荷を受容して保持する機能を有し
ており、かつ電荷発生層が感応する光を透過する性能を
有し、露光時に光を透過し、電荷発生層に到達させ、発
生した電荷の注入を受けて表面電荷を中和消滅すること
が必要である。また、被覆材料は前述の通り電荷発生物
質の光の吸収極大の波長領域においてできるだけ透明で
あることが望ましい。

【００３２】表面被覆層の被覆材料としては変成シリコ
ン樹脂として、アクリル変成シリコン樹脂，エポキシ変
成シリコン樹脂，アルキッド変成シリコン樹脂，ポリエ
ステル変成シリコン樹脂，ウレタン変成シリコン樹脂
等，また、ハードコート剤としてのシリコン樹脂などが
適用できる。これら変成シリコン樹脂は単独で使用可能
であるが、より耐久性を向上させる目的でＳｉＯ₂，Ｔ
ｉＯ₂，Ｉｎ₂Ｏ₃,ＺｒＯ₂を主成分とする被覆を形成
できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混合材料が好
適である。

【００３３】被覆層自体の膜厚は被覆層の配合組成にも
依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大
するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。

【００３４】実施例１電荷発生物質として前記化学式３で示されるビスアゾ化
合物１重量部、結着剤樹脂としてジアリルフタレート樹
脂（商品名ダップＫ：大阪ソーダ製）１重量部とを、メ
チルエチルケトン１５０重量部と混合し、３時間混合機
により混練を行い塗布液を調整し電荷発生層用の塗液を
作製した。次に、電荷輸送物質として前記化学式９で示
されるビフェニルアミン化合物１重量部、結着剤樹脂と
してポリカーボネート樹脂（商品名パンライトＬ−１２
２５：帝人化成製）１重量部とを、ジクロロメタン６重
量部に溶解し電荷輸送層用の塗液を作製した。次に、ア
ルミニウムを蒸着したポリエステルテレフタレートフィ
ルム上に電荷発生層（１μｍ）、電荷輸送層（２０μ
ｍ）の順にそれぞれ調製した塗液を塗布し負帯電用の感
光体を作製した。

【００３５】実施例２実施例１の電荷輸送物質を前記化学式３３で示されるビ
フェニルアミン化合物に変えて、実施例１と同様に感光
体を作製した。

【００３６】実施例３実施例１の電荷輸送物質を前記化学式３８で示されるビ
フェニルアミン化合物に変えて、実施例１と同様に感光
体を作製した。

【００３７】実施例４実施例１の電荷輸送物質を前記化学式４８で示されるビ
フェニルアミン化合物に変えて、実施例１と同様に感光
体を作製した。

【００３８】実施例５実施例１の電荷輸送物質を前記化学式１０５で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例１と同様に感
光体を作製した。

【００３９】実施例６実施例１の電荷発生物質を前記化学式４で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例１と同様に感光体を作製し
た。

【００４０】実施例７実施例２の電荷発生物質を前記化学式４で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例２と同様に感光体を作製し
た。

【００４１】実施例８実施例３の電荷発生物質を前記化学式４で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例３と同様に感光体を作製し
た。

【００４２】実施例９実施例４の電荷発生物質を前記化学式４で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例４と同様に感光体を作製し
た。

【００４３】実施例１０実施例５の電荷発生物質を前記化学式４で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例５と同様に感光体を作製し
た。

【００４４】実施例１１実施例１の電荷発生物質を前記化学式８で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例１と同様に感光体を作製し
た。

【００４５】実施例１２実施例２の電荷発生物質を前記化学式８で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例２と同様に感光体を作製し
た。

【００４６】実施例１３実施例３の電荷発生物質を前記化学式８で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例３と同様に感光体を作製し
た。

【００４７】実施例１４実施例４の電荷発生物質を前記化学式８で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例４と同様に感光体を作製し
た。

【００４８】実施例１５実施例５の電荷発生物質を前記化学式８で示されるビス
アゾ化合物に変えて、実施例５と同様に感光体を作製し
た。

【００４９】比較例１実施例１の電荷輸送物質を１−フェニル−３−（ｐ−ジ
エチルアミノスチリル）−５−（パラジエチルアミノフ
ェニル）−２−ピラゾリン（ＡＳＰＰ）に変えて実施例
１と同様に感光体を作製した。

【００５０】比較例２実施例１の電荷輸送物質をｐ−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、実施例１と同様に感光体を作製した。

【００５１】比較例３比較例１の電荷発生物質をε型銅フタロシアニンに変え
て、比較例１と同様に感光体を作製した。

【００５２】比較例４比較例３の電荷輸送物質をｐ−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、比較例３と同様に感光体を作製した。

【００５３】このようにして得られた感光体の電子写真
特性を川口電機製静電記録紙試験装置「ＳＰ−４２８」
を用いて測定した。感光体の表面電位Ｖ_s（ボルト）は
暗所で−６．０ｋＶのコロナ放電を１０秒間行って感光
体表面を負帯電せしめたときの初期の表面電位であり、
続いてコロナ放電を中止した状態で２秒間暗所保持した
ときの表面電位Ｖ_d（ボルト）を測定し、さらにつづい
て感光体表面に照度を２ｌｘの白色光照射してＶ_dが半
分になるまでの時間（秒）を求め半減衰露光量Ｅ
_1/2（ｌｘ・ｓ）とした。また、２ｌｘの白色光を１０
秒間感光体表面に照射したときの表面電位を残留電位Ｖ
_r（ボルト）とした。その結果を表６に示す。

【００５４】

【表６】

【００５５】表６に見られるように、実施例１〜１５は
比較例１〜４に比較して表面電位は同等であるが、残留
電位，半減衰露光量では明らかに向上しており本発明の
ビスアゾ化合物とビフェニルアミン化合物とを組み合わ
せることによる優位性は明らかである。

【００５６】実施例１６電荷発生物質として前記化学式３で示されるビスアゾ化
合物１重量部、結着剤樹脂としてジアリルフタレート樹
脂（商品名ダップＫ：大阪ソーダ）２重量部とを、メチ
ルエチルケトン３００重量部と混合し、３時間混合機に
より混練を行い塗布液を調整し電荷発生層用の塗液を作
製した。次に、電荷輸送物質として前記化学式９で示さ
れるビフェニルアミン化合物１重量部、結着剤樹脂とし
てポリアリレート樹脂（商品名ＵポリマーＵ−１００
Ａ：ユニチカ製）１．５重量部とを、ジクロロメタン９
重量部に溶解し電荷輸送層用の塗液を作製した。次に、
アルミニウムを蒸着したポリエステルテレフタレートフ
ィルム上に電荷輸送層（２０μｍ）、電荷発生層（１μ
ｍ）の順にそれぞれ調製した塗液を塗布し正帯電用の感
光体を作製した。

【００５７】実施例１７実施例１６の電荷輸送物質を前記化学式３３で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例１６と同様に
感光体を作製した。

【００５８】実施例１８実施例１６の電荷輸送物質を前記化学式３８で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例１６と同様に
感光体を作製した。

【００５９】実施例１９実施例１６の電荷輸送物質を前記化学式４８で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例１６と同様に
感光体を作製した。

【００６０】実施例２０実施例１６の電荷輸送物質を前記化学式１０５で示され
るビフェニルアミン化合物に変えて、実施例１６と同様
に感光体を作製した。

【００６１】比較例５実施例１６の電荷輸送物質を１−フェニル−３−（ｐ−
ジエチルアミノスチリル）−５−（パラジエチルアミノ
フェニル）−２−ピラゾリン（ＡＳＰＰ）に変えて実施
例１６と同様に感光体を作製した。

【００６２】比較例６実施例１６の電荷輸送物質をｐ−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、実施例１６と同様に感光体を作製した。

【００６３】比較例７比較例５の電荷発生物質をε型銅フタロシアニンに変え
て、比較例５と同様に感光体を作製した。

【００６４】比較例８比較例７の電荷輸送物質をｐ−ジエチルアミノベンズア
ルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、比較例７と同様に感光体を作製した。

【００６５】このようにして得られた感光体の電子写真
特性を川口電機製静電記録紙試験装置「ＳＰ−４２８」
を用いて測定した。感光体の表面電位Ｖ_s（ボルト）は
暗所で＋６．０ｋＶのコロナ放電を１０秒間行って感光
体表面を負帯電せしめたときの初期の表面電位であり、
続いてコロナ放電を中止した状態で２秒間暗所保持した
ときの表面電位Ｖ_d（ボルト）を測定し、さらに続いて
感光体表面に照度２ｌｘの白色光を照射してＶ_dが半分
になるまでの時間（秒）を求め半減衰露光量Ｅ _1/2（ｌ
ｘ・ｓ）とした。また、２ｌｘの白色光を１０秒間感光
体表面に照射したときの表面電位を残留電位Ｖ_r（ボル
ト）とした。その結果を表７に示す。

【００６６】

【表７】

【００６７】表７に見られるように、実施例１６〜２０
は比較例５〜８に比較して表面電位は同等であるが、残
留電位、半減衰露光量では明らかに向上しており本発明
のビスアゾ化合物とビフェニルアミン化合物とを組み合
わせることによる優位性は明らかである。

【００６８】実施例２１電荷発生物質として前記化学式１３７で示されるビスア
ゾ化合物１重量部、結着剤樹脂としてジアリルフタレー
ト樹脂（商品名ダップＫ：大阪ソーダ製）１重量部と
を、メチルエチルケトン１５０重量部と混合し、３時間
混合機により混練を行い塗布液を調整し電荷発生層用の
塗液を作成した。次に、電荷輸送物質として前記化学式
９で示されるビフェニルアミン化合物１重量部、結着剤
樹脂としてポリカーボネート樹脂（商品名パンライトＬ
−１２２５：帝人化成製）１重量部とを、ジクロロメタ
ン６重量部に溶解し電荷輸送層用の塗液を作成した。次
に、アルミニウムを蒸着したポリエステルテレフタレー
トフィルム上に電荷発生層（１μｍ）、電荷輸送層（２
０μｍ）の順にそれぞれ調製した塗液を塗布し負帯電用
の感光体を作成した。

【００６９】実施例２２実施例２１の電荷輸送物質を前記化学式３３で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例２１と同様に
感光体を作成した。

【００７０】実施例２３実施例２１の電荷輸送物質を前記化学式３８で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例２１と同様に
感光体を作成した。

【００７１】実施例２４実施例２１の電荷輸送物質を前記化学式４８で示される
ビフェニルアミン化合物に変えて、実施例２１と同様に
感光体を作成した。

【００７２】実施例２５実施例２１の電荷輸送物質を前記化学式１０５で示され
るビフェニルアミン化合物に変えて、実施例２１と同様
に感光体を作成した。

【００７３】実施例２６実施例２１の電荷発生物質を前記化学式１５０で示され
る多環キノン化合物に変えて実施例２１と同様に感光体
を作成した。

【００７４】実施例２７実施例２２の電荷発生物質を前記化学式１５０で示され
る多環キノン化合物に変えて実施例２２と同様に感光体
を作成した。

【００７５】実施例２８実施例２３の電荷発生物質を前記化学式１５０で示され
る多環キノン化合物に変えて実施例２３と同様に感光体
を作成した。

【００７６】実施例２９実施例２４の電荷発生物質を前記化学式１５０で示され
る多環キノン化合物に変えて実施例２４と同様に感光体
を作成した。

【００７７】実施例３０実施例２５の電荷発生物質を前記化学式１５０で示され
る多環キノン化合物に変えて実施例２５と同様に感光体
を作成した。

【００７８】実施例３１実施例２１の電荷発生物質を前記化学式１６２で示され
るスクアリリウム化合物に変えて実施例２１と同様に感
光体を作成した。

【００７９】実施例３２実施例２２の電荷発生物質を前記化学式１６２で示され
るスクアリリウム化合物に変えて実施例２２と同様に感
光体を作成した。

【００８０】実施例３３実施例２３の電荷発生物質を前記化学式１６２で示され
るスクアリリウム化合物に変えて実施例２３と同様に感
光体を作成した。

【００８１】実施例３４実施例２４の電荷発生物質を前記化学式１６２で示され
るスクアリリウム化合物に変えて実施例２４と同様に感
光体を作成した。

【００８２】実施例３５実施例２５の電荷発生物質を前記化学式１６２で示され
るスクアリリウム化合物に変えて実施例２５と同様に感
光体を作成した。

【００８３】実施例３６実施例２１の電荷発生物質を前記化学式１７０で示され
るフタロシアニン化合物に変えて実施例２１と同様に感
光体を作成した。

【００８４】実施例３７実施例２２の電荷発生物質を前記化学式１７０で示され
るフタロシアニン化合物に変えて実施例２２と同様に感
光体を作成した。

【００８５】実施例３８実施例２３の電荷発生物質を前記化学式１７０で示され
るフタロシアニン化合物に変えて実施例２３と同様に感
光体を作成した。

【００８６】実施例３９実施例２４の電荷発生物質を前記化学式１７０で示され
るフタロシアニン化合物に変えて実施例２４と同様に感
光体を作成した。

【００８７】実施例４０実施例２５の電荷発生物質を前記化学式１７０で示され
るフタロシアニン化合物に変えて実施例２５と同様に感
光体を作成した。

【００８８】比較例９実施例２１の電荷輸送物質を１−フェニル−３−（Ｐ−
ジエチルアミノスチリル）−５−（パラジエチルアミノ
フェニル）−２−ピラゾリン（ＡＳＰＰ）に変えて実施
例２１と同様に感光体を作成した。

【００８９】比較例１０実施例２１の電荷輸送物質をＰ−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、実施例２１と同様に感光体を作成した。

【００９０】比較例１１比較例９の電荷発生物質をε型銅フタロシアニンに変え
て、比較例９と同様に感光体を作成した。

【００９１】比較例１２比較例１１の電荷輸送物質をＰ−ジエチルアミノベンズ
アルデヒド−ジフェニルヒドラゾン（ＡＢＰＨ）に変え
て、比較例１１と同様に感光体を作成した。

【００９２】このようにして得られた感光体の電子写真
用特性を川口電機製静電記録紙試験装置「ＳＰ−４２
８」を用いて測定した。感光体の表面電位Ｖ_s（ボル
ト）は暗所で−６．０ｋＶのコロナ放電を１０秒間行っ
て感光体表面を負帯電せしめたときの初期の表面電位で
あり、続いてコロナ放電を中止した状態で２秒間暗所保
持したときの表面電位Ｖ_d（ボルト）を測定し、さらに
続いて感光体表面に照度を２ｌｘの白色光照射してＶ_d
が半分になるまでの時間（秒）を求め半減衰露光量Ｅ
_1/2（ｌｘ・ｓ）とした。また、２ｌｘの白色光を１０
秒間感光体表面に照射したときの表面電位を残留電位Ｖ
_r（ボルト）とした。その結果を表８に示す。

【００９３】

【表８】

【００９４】表８に見られるように、実施例２１〜４０
は比較例９〜１２に比較して表面電位は同等であるが、
残留電位、半減衰露光量では明らかに向上しており本発
明のビフェニルアミン化合物と各種電荷発生物質とを組
み合わせることによる優位性は明らかである。

【００９５】

【発明の効果】本発明によれば、電荷輸送物質として前
記一般化学式（II）で示されるビフェニルアミン化合物
を用い、電荷発生物質として前記一般化学式（Ｉ），(I
II），（IV），（Ｖ）または（VI）で示される化合物と
を用いることにより、複写機用の電子写真感光体とし
て、高感度でしかも繰り返し特性の優れた感光体を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例に係る負帯電型の電子写真用
感光体を示す断面図

【図２】この発明の実施例に係る正帯電型の電子写真用
感光体を示す断面図

【符号の説明】

１導電性基体２電荷発生層３電荷輸送層４感光層５表面被覆層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＧ０３Ｇ 5/06 ３７７Ｇ０３Ｇ 5/06 ３７７３８４３８４ (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03G 5/06 345 G03G 5/06 312 G03G 5/06 351 G03G 5/06 377 G03G 5/06 372 G03G 5/06 384

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】導電性基体上に感光層を有し、感光層は電
荷発生物質として一般化学式（Ｉ）で示されるビスアゾ
化合物のうち少なくとも一種を含有し、かつ電荷輸送物
質として一般化学式（ＩＩ）で示されるビフェニルアミ
ン化合物のうち少なくとも一種を含むものであることを
特徴とする電子写真用感光体（Ｒ₁はハロゲン原子、ア
ルキル基またはアルコキシ基、Ｒ₂は置換されても良い
アルキル基、Ｒ₃は水素原子、シアノ基、カルバモイル
基、カルボキシル基、エステル基またはアシル基、Ｒ₄
は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル基また
はアルコキシ基を表し、Ｒ₅、Ｒ₆はそれぞれ水素原子、
ハロゲン原子、アルコキシ基または置換されても良いア
ルキル基もしくはアリール基、Ｒ₇はフッ素原子で置換
されたアルキル基またはフッ素原子で置換されたアルコ
キシ基を表す）。
【請求項２】請求項１記載の電子写真用感光体におい
て、感光層は電荷発生物質を含む電荷発生層と電荷輸送
物質を含む電荷輸送層とが積層されるものであることを
特徴とする電子写真用感光体。
【請求項３】請求項１記載の電子写真用感光体におい
て、一般化学式（Ｉ）の電荷発生物質は、Ｒ₁がＣ１原
子，Ｒ₂がＣＨ₃基，Ｒ₃がＣＮ基，Ｒ₄がＨ原子であ
ることを特徴とする電子写真用感光体。
【請求項４】請求項１記載の電子写真用感光体におい
て、一般化学式（Ｉ）で示される電荷発生物質は、Ｒ₁
がＣ１原子，Ｒ₂がＣ₂Ｈ₅基，Ｒ₃がＣＮ基，Ｒ₄が
Ｈ原子であることを特徴とする電子写真用感光体。
【請求項５】請求項１記載の電子写真用感光体におい
て、一般化学式（Ｉ）で示される電荷発生物質は、Ｒ₁
がＯＣＨ₃基，Ｒ₂がＣＨ₃基，Ｒ₃がＣＮ基，Ｒ₄が
Ｈ原子であることを特徴とする電子写真用感光体。
【請求項６】導電性基体上に感光層を有し、感光層は電
荷輸送物質として一般化学式（II）で示されるビフェニ
ルアミン化合物のうち少なくとも一種を含有し、かつ電
荷発生物質として一般化学式(III）で示されるビスアゾ
化合物のうち少なくとも一種を含有するものであること
を特徴とする電子写真用感光体（Ｒ₅，Ｒ₆は、水素原
子，ハロゲン原子，アルコキシ基または置換されてもよ
いアルキル基，アリール基、Ｒ₇はフッ素置換アルキル
基またはフッ素置換アルコキシ基、Ｒ₈は水素原子，ハ
ロゲン原子または置換されてもよいアルキル基，アルコ
キシ基を表し、Ｒ₉は置換されてもよいアルキル基，ア
リール基または芳香族複素環基を表し、Ｒ₁₀水素原子，
シアノ基，カルバモイル基，カルボキシル基，エステル
基またはアシル基を表し、Ｒ₁₁およびＲ₁₂はそれぞれ水
素原子，ハロゲン原子，ニトロ基または置換されてもよ
いアルキル基もしくはアルコキシ基を表す）。【化３】【化４】
【請求項７】請求項６記載の感光体において、一般化学
式(III）の電荷発生物質はＲ₈が水素原子，Ｒ₉がＣＨ
₃基，Ｒ₁₀がＣＮ基，Ｒ₁₁とＲ₁₂がそれぞれ水素原子で
あることを特徴とする電子写真用感光体。
【請求項８】導電性基体上に感光層を有し、感光層は電
荷輸送物質として一般化学式（II）で示されるビフェニ
ルアミン化合物のうち少なくとも一種を含み、電荷発生
物質として一般化学式（IV）で示される多環キノン化合
物のうち少なくとも一種を含有するものであることを特
徴とする電子写真用感光体（Ｘは水素原子，ハロゲン原
子，シアノ基を表し、ｎは０から４の整数、Ｒ₅，Ｒ₆
は、水素原子，ハロゲン原子，アルコキシ基または置換
されてもよいアルキル基，アリール基、Ｒ₇はフッ素置
換アルキル基またはフッ素置換アルコキシ基）。【化５】【化６】
【請求項９】請求項８記載の感光体において、一般化学
式（IV）の電荷発生物質はＸが臭素，ｎが２であること
を特徴とする電子写真用感光体。
【請求項１０】導電性基体上に感光層を有し、感光層は
電荷輸送物質として一般化学式（II）で示されるビフェ
ニルアミン化合物のうち少なくとも一種を含み、電荷発
生物質として一般化学式（Ｖ）で示されるスクアリリウ
ム化合物のうち少なくとも一種を含有するものであるこ
とを特徴とする電子写真用感光体（Ｒ ₅，Ｒ₆は、水素
原子，ハロゲン原子，アルコキシ基または置換されても
よいアルキル基，アリール基、Ｒ₇はフッ素置換アルキ
ル基またはフッ素置換アルコキシ基、Ｒ₁₃，Ｒ₁₄，
Ｒ₁₅，Ｒ₁₆は、それぞれ置換されてもよいアルキル基，
アリール基，アラルキル基、アルケニル基またはＲ₁₃，
Ｒ₁₄，Ｒ₁₅，Ｒ₁₆で環を形成してもよく、Ｒ₁₇とＲ
₁₈は、水素原子，ハロゲン原子，ヒドロキシ基，アルキ
ル基，アルコキシ基を表す）。【化７】【化８】
【請求項１１】請求項１０記載の感光体において、一般
化学式（Ｖ）の電荷発生物質はＲ₁₃，Ｒ₁₄，Ｒ₁₅，Ｒ₁₆
がＣＨ₃基，Ｒ₁₇が水素原子，Ｒ₁₈がＯＨ基であること
を特徴とする電子写真用感光体。
【請求項１２】導電性基体上に感光層を有し、感光層は
電荷輸送物質として一般化学式（II）で示されるビフェ
ニルアミン化合物のうち少なくとも一種を含み、電荷発
生物質として一般化学式（VI）で示されるフタロシアニ
ン化合物のうち少なくとも一種を含有するものであるこ
とを特徴とする電子写真用感光体（Ｒ ₅，Ｒ₆は、水素
原子，ハロゲン原子，アルコキシ基または置換されても
よいアルキル基，アリール基、Ｒ₇はフッ素置換アルキ
ル基またはフッ素置換アルコキシ基、Ｒ₁₉，Ｒ₂₀はＦ，
ＯＹまたはＳＹを示し、こここＹは置換されてもよいア
ルキル基，アリール基，または芳香族複素環基を表
す）。【化９】【化１０】
【請求項１３】請求項１２記載の感光体において、一般
化学式（VI）の電荷発生物質はＲ₁₉，Ｒ₂₀がそれぞれＳ
−Ｃ₆Ｈ₅基であることを特徴とする電子写真用感光
体。
【請求項１４】請求項１，６，８，１０または１２記載
の感光体において、一般化学式（II）の電荷輸送物質
は、Ｒ₅が水素原子，Ｒ₆が４−ＣＨ₃基，Ｒ ₇が３−
ＯＣＨ₂ＣＦ₃基であることを特徴とする電子写真用感
光体。
【請求項１５】請求項１，６，８，１０または１２記載
の感光体において、一般化学式（II）の電荷輸送物質
は、Ｒ₅が４−ＣＨ₃基，Ｒ₆が４−ＣＨ₃基，Ｒ₇が
３−ＯＣＨ₂ＣＦ₃基であることを特徴とする電子写真
用感光体。
【請求項１６】請求項１，６，８，１０または１２記載
の感光体において、一般化学式（II）の電荷輸送物質
は、Ｒ₅が４−ＣＨ₃基，Ｒ₆が４−Ｃ₂Ｈ₅基，Ｒ₇
が４−ＯＣＨ₂ＣＦ₃基であることを特徴とする電子写
真用感光体。
【請求項１７】請求項１，６，８，１０または１２記載
の感光体において、一般化学式（II）の電荷輸送物質
は、Ｒ₅が４−ＣＨ₃基，Ｒ₆が４−Ｃ₆Ｈ₄−ＣＨ₃
（ｐ）基，Ｒ₇が４−ＣＨ₂ＣＦ₃基であることを特徴
とする電子写真用感光体。
【請求項１８】請求項１，６，８，１０または１２記載
の感光体において、一般化学式（II）の電荷輸送物質
は、Ｒ₅が４−Ｃ₂Ｈ₅基，Ｒ₆が４−Ｃ₆Ｈ ₄−Ｃ₂
Ｈ₅（ｐ）基，Ｒ₇が３−ＣＦ₃基であることを特徴と
する電子写真用感光体。