JP2847553B2 - スチレン系樹脂容器用の蓋材 - Google Patents

スチレン系樹脂容器用の蓋材

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JP2847553B2 JP1650790A JP1650790A JP2847553B2 JP 2847553 B2 JP2847553 B2 JP 2847553B2 JP 1650790 A JP1650790 A JP 1650790A JP 1650790 A JP1650790 A JP 1650790A JP 2847553 B2 JP2847553 B2 JP 2847553B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スチレン系樹脂容器に対して熱接着するた
めの蓋材に関するものである。
[従来の技術] 各種の乳製品,飲料,豆腐等の食品を封入する容器と
して、スチレン系樹脂による容器が汎用されており、前
記容器に対しては、例えば熱溶着性の合成樹脂層による
ヒートシーラント層を積層したAl箔からなる蓋材が利用
されている。
この蓋材における熱溶着性の合成樹脂層からなるヒー
トシーラント層としては、例えば、 1) エチレン・酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体等によって、厚さ10μ以下に形成し、
易開封性の熱接着部が得られるようにしたもの、 2) スチレン系樹脂やエチレン・酢酸ビニル共重合体
樹脂によって、厚さ20μ程度に形成したもの、 3) 低結晶性のエチレン−α・オレフィンランダム共
重合体とスチレン−ブタジエンブロック共重合体との混
合樹脂によって形成したもの[特開昭54−120658号公
報]、 等がある。
[発明が解決しようとする課題] ところで、前述の1)項に説明したヒートシーラント
層を具備する蓋材は、ヒートシーラント層の厚さが、前
記したように10μ以下に形成されているものであるため
に、蓋材を、例えば熱成形容器等によるフランジ部表面
の平滑性の低い容器に適用すると、容器のフランジ部と
蓋材との間にシール不良が発生することがある。
また、前述の2)項に説明したうちのスチレン系樹脂
によるヒートシーラント層を具備する蓋材の場合には、
容器に熱シールした後の蓋材を剥離する際の感触が硬
く、良好なピール感が得られず、しかも容器と蓋材との
間に接着強度の強固な熱シール部が形成されてしまうた
め、易剥離性の接着強度にすることが困難である。
さらにこのエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂による
ヒートシーラント層を具備する蓋材の場合には、ヒート
シーラント層の粘りが強く、蓋材用積層シートから蓋材
を打ち抜き加工する際の打ち抜きの切れが悪く、バリが
発生し易いという欠点を有している。
さらにまた、3)項に記載した混合樹脂によるヒート
シーラント層を具備する蓋材の場合には、前記混合樹脂
の製膜性が悪く、しかもヒートシーラント層にブロッキ
ングが発生し易い等の欠点を有している。
これに対して本発明は、蓋材用積層シートから蓋材に
成形するための打ち抜き加工適性が良好であり、またこ
の蓋材でシールしたスチレン系樹脂容器から蓋材を剥離
するときの剥離が容易であり、しかも蓋材を剥離する際
のピール感が良好であり、かつブロッキングが発生する
ようなことのないヒートシーラント層を有するスチレン
系樹脂容器用の蓋材を提供する。
[課題を解決するための手段] 前記の課題は、以下に記載する構成を具備してなる本
発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材にすることによって
解決することができる。
すなわち本第1の発明は、蓋材用基材とヒートシーラ
ント層とからなるスチレン系樹脂容器用の蓋材であっ
て、該ヒートシーラント層が、密度0.915〜0.940のエチ
レン−α・オレフィン共重合体20〜80重量部と、スチレ
ン50〜90重量%とブタジエン10〜50重量%とのブロック
共重合体80〜20重量部とによる混合樹脂100重量部に対
して、スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%
とのブロック共重合体の水素添加物5〜30重量部を添加
した混合樹脂によって形成されているスチレン系樹脂容
器用の蓋材からなる。
又本第2の発明は、蓋材用基材とヒートシーラント層
とからなるスチレン系樹脂製容器用の蓋材であって、該
ヒートシーラント層が、密度0.915〜0.940のエチレン−
α・オレフィン共重合体20〜80重量部と、スチレン50〜
90重量%とブタジエン10〜50重量%とのブロック共重合
体80〜20重量部とによる混合樹脂100重量部に対して、
スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのブ
ロック共重合体の水素添加物5〜30重量部と、ハイイン
パクトポリスチレン5〜50重量部とを添加した混合樹脂
によって形成されているスチレン系樹脂容器用の蓋材か
らなる。
前記構成からなる本各発明のスチレン系樹脂容器用の
蓋材ヒートシーラント層に使用されるエチレン−α・オ
レフィン共重合体は、エチレンと、例えばブテン,ペン
テン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン,4−メチルペンテ
ン・1等との共重合体等である。
なお、このエチルン−α・オレフィン共重合体の密度
が0.915未満の低密度になると、ヒートシーラント層形
成用の樹脂組成物の製膜性が悪化し、又ヒートシーラン
ト層の耐ブロッキング性が悪化する。
さらに、このエチレン−α・オレフィン共重合体の密
度が0.940を超える高密度になると、同じくヒートシー
ラント層形成用の樹脂組成物の製膜性が悪化し、しかも
ヒートシーラント層の熱接着力が大きくなりすぎて、易
剥離性の熱シール部形成能を有するヒートシーラント層
にならない。
本各発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材のヒートシー
ラント層は、前記の通り、エチレン−α・オレフィン共
重合体と、スチレン50〜90重量%とブタジエン10〜50重
量%とのブロック共重合体とによる混合樹脂に対して、
スチレン10〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのブ
ロック共重合体の水素添加物からなる添加成分、或いは
該ブロック共重合体の水素添加物とハイインパクトポリ
スチレンとの両者からなる添加成分を配合した混合樹脂
によって形成されている。
ヒートシーラント層を形成するための前記エチレン−
α・オレフィン共重合体と、スチレン50〜90重量%とブ
タジエン10〜50重量%とのブロック共重合体とによる混
合樹脂において、エチレン−α・オレフィン共重合体
は、スチレン系樹脂容器に対する離形特性を与え、又ス
チレン・ブタジエンブロック共重合体は、スチレン系樹
脂容器に対する熱シール特性を与える。
エチレン−α・オレフィン共重合体と、スチレン・ブ
タジエンブロック共重合体とによる混合樹脂において、
エチレン−α・オレフィン共重合体の含有量が該混合樹
脂中の20重量%未満になると、ヒートシーラント層の熱
接着力が大きくなりすぎて、易剥離性の熱シール部を形
成し得るヒートシーラント層にならない。またこれが80
重量%を超えると、形成させるヒートシーラント層の熱
接着力が弱くなり過ぎて、消費者に対して信頼感を与え
得る強度の熱シール部を形成することのできるヒートシ
ーラント層が得られなくなる。つまり、密封性を保持す
るのに十分な熱シール部を形成し得るヒートシーラント
層にならなくなる。
更に本各発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材におい
て、ヒートシーラント層を形成するための混合樹脂中の
添加成分であるスチレン・ブタジエンブロク供給共重合
体の水素添加物は、エチレン−α・オレフィン共重合体
と、スチレン・、ブタジエンロック共重合体との間の相
溶性を高める作用を奏するものであって、ヒートシーラ
ント層形成用の樹脂組成物の製膜適性を良好にし、又ヒ
ートシーラント層に柔軟性を付与する作用を奏する。
なお、前述のスチレン10〜50重量%とブタジエン90〜
50重量%とのブロック共重合体の水素添加物は、その添
加量が、エチレン−α・オレフィン共重合体とスチレン
・ブタジエンブロック共重合体とによる混合樹脂100重
量部に対しても5重量部未満の場合には、前述のブロッ
ク共重合体の水素添加物の添加の効果が明瞭でなく、ま
た30重量部を超えるようになると、得られるヒートシー
ラント層の耐ブロッキング性が不十分になる。
さらに、前記添加成分であるスチレン10〜50重量%と
ブダジエン90〜50重量%とのブロック共重合体が、その
水素添加物になっていない場合には、該共重合体はブタ
ジエン成分の高いものであるために酸化され易す、樹脂
組成物の製膜時にゲルが発生し易くなる。このために、
添加成分である前述のスチレン10〜50重量%とブタジエ
ン90〜50重量%とのブロック共重合体は、水素添加物に
したものであることが必要である。
本第2の発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材におい
て、ヒートシーラント層を形成するため混合樹脂中の添
加成分であるハイインパクトポリスチレンは、蓋材を成
形するときの蓋材用積層シートの打ち抜き加工適性をさ
らに高れる作用を奏し、又ヒートラント層に滑性を付与
する作用を果たす。
添加成分としてのハイイパンクトポリスチレンは、そ
の添加量が、エチレン−α・オレフィン共重合体の20〜
80重量部と、スチレン50〜90重量%とブタジエン10〜50
重量%とのブロック共重合体80〜20重量部とによる混合
樹脂100重量部に対して5重量部未満の場合には、ハイ
インパクトポリスチレンの添加の効果が明瞭でなく、又
50重量部を超えるようになると、ヒートシーラント層が
硬くなるためにヒートシーラント層の熱接着力が弱くな
り、密封性を保持するに十分な熱シール部を形成し得る
ようなヒートシーラント層にならなくなる。
本各発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材は、該蓋材に
おけるヒートシーラント層が前記した混合樹脂によって
形成されているものであり、該ヒートシーラント層中に
は、さらに例えば顔料,酸化防止剤,滑剤,紫外線防止
剤等による樹脂に対する通常の添加成分を必要に応じて
配合し得ることは勿論である。
ヒートシーラント層は、各個別の樹脂によるペレット
をヘンシェルミキサー等の混合機で混合した樹脂混合
物、あるいはこの混合物をさらに溶融,混練し、これを
ペレット化した樹脂組成物を、通常の製膜法、例えばT
ダイ法やインフレション法等によって、厚さ5〜100μ
好ましくは、20〜50μ程度に製膜して形成するのが好ま
しい。
[実施例] 以下、本発明のスチレン系樹脂容器用の蓋剤の具体的
な構成を、実施例に基づいて説明する。
実施例1〜6・比較例1〜6 第1表中の所定欄に記載した組成による溶融樹脂組成
物をペレット化し、このペレットによる厚さ30μのヒー
トシーラント層用フィルムを、インフレーション法によ
る製膜法を利用して成形した。
得られたヒートシーラント層用フィルムを厚さ40μの
Al箔からなる蓋材用基材に対して、二液硬化型ウレタン
系接着剤によるドライラミネート法で積層し、蓋材用積
層シートを得た。
なお、第1表中における数字は組成成分の重量部であ
り、利用した各樹脂は以下の通りである。
得られた各蓋材用積層シートを、直径70mmの円板状に
打ち抜き加工することにより、本発明の実施例品及び比
較例品の蓋材を成形した。
これらの各蓋材を、ポリエチレン樹脂の射出成形体か
らなるカップ状容器(内径60mm,フランジ部の幅5mm)の
開放口部に当接し、続いて蓋材のヒートシーラント層と
カップ状容器のフランジ部とを200℃で熱接着すること
により、密閉容器を得た。
各密閉容器における熱シール部の接着強度の測定結果
を、前記蓋材を打ち抜き加工する際の蓋材用積層シート
の打ち抜き加工適性、及びヒートシーラント層の滑り性
と共に第2表にまとめて表示する。
[発明の作用,効果] 本第1の発明及び第2の発明のスチレン系樹脂容器用
の蓋材は、該蓋材におけるヒートシーラント層に対し
て、密度0.915〜0.940のエチレン−α・オレフィン共重
合体が具備するスチレン系樹脂容器に対する離形性能
と、スチレン50〜90重量%とブタジエン10〜50重量%と
のブロック共重合体が具備するスチレン系樹脂容器に対
する良好な熱シール性能とをバランスして具備させてあ
るので、スチレン系樹脂容器との間に、消費者に対して
信頼感を与え得る強度の熱シール部であって、しかも易
剥離性の熱シール部を形成し得るし、又スチレン系樹脂
容器に対してシールされている蓋材を剥離する際のピー
ル感が良好である。
さらに本各発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材は、該
蓋材におけるヒートシーラント層の打ち抜き切れ性が良
好であるために、蓋材用積層シートを打ち抜き加工によ
って蓋材に加工する際の打ち抜き切れ性が良く、しかも
このヒートシーラント層の耐ブロッキング性も良好であ
るために、取り扱い性がよい。
また、第1の本発明及び第2の発明のスチレン系樹脂
容器用の蓋材においては、ヒートシーラント層形成用の
混合樹脂中に配合してあるスチレン10〜50重量%とブタ
ジエン90〜50重量%とのブロック共重合体の水素添加物
が、該樹脂組成物の製膜適性を良好にし、また該樹脂組
成物によって形成されるヒートシーラント層の柔軟性を
高める作用,効果を奏する。
更に本第2の発明のスチレン系樹脂容器用の蓋材にお
いては、ヒートシートラント層形成用の混合樹脂中に配
合されているハイイングパクトポリスチレンを配合して
あるので、これがヒートシーラント層に滑性を付与し、
しかも打ち抜き加工適性をさらに高める作用,効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓋材用基材とヒートシーラント層とからな
    るスチレン系樹脂容器用の蓋材であって、該ヒートシー
    ラント層が、密度0.915〜0.940のエチレン−α・オレフ
    ィン共重合体20〜80重量部と、スチレン50〜90重量%と
    ブタジエン10〜50重量%と、ブロック共重合体80〜20重
    量部とによる混合樹脂100重量部に対して、スチレン10
    〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのブロック共重
    合体の水素添加物5〜30重量部を添加した混合樹脂によ
    って形成されていることを特徴とするスチレン系樹脂容
    器用の蓋材。
  2. 【請求項2】蓋材用基材とヒートシーラント層とからな
    るスチレン系樹脂容器用の蓋材であって、該ヒートシー
    ラント層が、密度0.915〜0.940のエチレン−α・オレフ
    ィン共重合体20〜80重量部と、スチレン50〜90重量%と
    ブダジエン10〜50重量%とのブロック共重合体80〜20重
    量部とによる混合樹脂100重量部に対して、スチレン10
    〜50重量%とブタジエン90〜50重量%とのブロック共重
    合体の水素添加物5〜30重量部と、ハイインパクトポリ
    スチレン5〜50重量部とを添加した混合樹脂によって形
    成されていることを特徴とするスチレン系樹脂容器用の
    蓋材。
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