JP4411673B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性樹脂組成物およびそれを基材に積層してなる積層体に関するものであり、さらに詳しくは、接着性樹脂層をシーラント層としてヒートシール可能な蓋材や包装体とし、特に耐熱性を必要とする接着性樹脂組成物およびその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加工食品容器として、プラスチックの射出成形容器やフィルム状包装体(袋)が知られ多用さている。この様な成形容器は蓋材や積層フィルムをヒートシールすることによって密封されており、種々のヒートシール技法が適用されている。その構成としては、基材にシーラント層を持つものが一般的であり、蓋材の基材としては、アルミニウム箔、ポリエステル(PET)/アルミニウム箔、紙/アルミニウム箔等が多く使用されており、積層フィルムの基材としてはポリエステル(PET)やナイロン(Ny)が使用されている。
【0003】
また、容器の材質としては、カップラーメンの容器に代表されるような発泡ポリスチレンや、ゼリーやヨーグルトといった食品用のカップ容器に見られるようなポリエステルやポリスチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。また、紙容器の最内層にポリエチレンがラミネートされている容器もある。近年電子レンジに容器ごと直接かけられるような、例えば紙にポリエステルを積層した容器もある。これら容器に対するシーラント層としては、容器の材質に適した材料が選択されている。
【0004】
一般的に発泡ポリスチレンやポリエステル等を材質とする容器と良好な接着性を有するポリマーがないため、その容器の蓋材のシーラント層としては、接着性を増大させるための粘着付与剤の添加が不可欠となる。しかし、粘着付与剤は低分子量成分であるために、食品用の包材としての使用において衛生上の制限があり、容器との接着力と衛生面でのバランスをとることが困難であるという問題点を持っている。
【0005】
これら容器に対するシーラントとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)にワックスとロジンや石油系樹脂などの粘着付与剤をブレンドしたホットメルト系が用いられている。
【0006】
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に粘着付与剤をブレンドした樹脂を基材に押し出しコーティングしたものや、そのブレンド樹脂をフィルム化して、基材にドライラミネートしたものも使用されている。
【0007】
さらに、シーラントに用いる樹脂として、エチレン−α、β不飽和カルボン酸共重合体にエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)および脂環族系炭化水素樹脂のような粘着付与剤を配合してなる接着性樹脂組成物が提案されているが、ポリスチレンとの良好な接着性が得られていない。
【0008】
また、ポリオレフィン系の樹脂に極性基を導入して接着性の機能を付与させる方法が提案されている。この方法は、アクリル酸基、メタクリル酸基、アクリル酸エステル基、メタクリル酸メチル基、無水マレイン酸基などの官能基を持つモノマーをエチレン、プロピレンなどのα−オレフィンと高圧下で共重合させてランダムコポリマーとするか、あるいはエチレン、プロピレンまたは2種以上のα−オレフィン共重合体に前記官能基を持つモノマーを触媒重合法等によりグラフトコポリマーとして接着性を付与した樹脂が提案されている。
【0009】
しかしながら、一般に積層体を形成する加工方法として、Tダイ法によるラミネート方法があり、基材と良好な接着性を得るためには高温で押し出し加工できることが望ましいが、これら上記の接着性樹脂組成物は耐熱性に乏しいため高温押し出し加工が困難であった。
【0010】
また、容器に蓋材もしくは積層フィルムをヒートシールしたまま電子レンジにかける場合に、シール部に熱がかかり過ぎて剥離してしまうので、特に耐熱性が必要な分野での接着性樹脂組成物について良好なものが得られていないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、少ない粘着付与剤量で良好なシール性を有し、高温加工性に優れ、かつ、ポリスチレンのような極性基を有しない樹脂に対しても良好な接着性を示すとともに、耐熱性に優れる接着性樹脂組成物およびその積層体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、エチレン−αオレフィン共重合体50から99重量%と水素添加された石油樹脂1から50重量%とからなる樹脂組成物(A)5から99重量%と高密度ポリエチレン(B)1から95重量%とからなる樹脂組成物(C)60から99重量%と、該樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶或いは一部相溶の樹脂(D)1から40重量%からなることを特徴とする耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0013】
また、請求項2の発明では、前記樹脂(D)が、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミドの樹脂群より選ばれた樹脂でなることを特徴とする請求項1記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0014】
また、請求項3の発明では、前記エチレン−αオレフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0015】
また、請求項4の発明では、前記エチレン−αオレフィン共重合体が、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1から選ばれたコモノマーとエチレンの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0016】
また、請求項5の発明では、前記エチレン−αオレフィン共重合体の密度が、0.860以上0.925以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0017】
また、請求項6の発明では、前記石油樹脂が脂環族系石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0018】
また、請求項7の発明では、前記水素添加された石油樹脂の水素添加割合が、10から100%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0019】
また、請求項8の発明では、前記石油樹脂の軟化点が、70℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物としたものである。
【0020】
また、請求項9の発明では、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐熱性接着樹脂組成物を、基材に積層して接着性樹脂層を形成してなることを特徴とする積層体としたものである。
【0021】
また、請求項10の発明では、前記接着性樹脂層中に粒状に分散する樹脂(D)粒子の平均直径において、該接着性樹脂層表面から接着性樹脂層の厚みの1/5の深さに存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rs)と接着性樹脂層表面から接着性樹脂層厚みの2/5から3/5の範囲に存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rc)との比(Rs/Rc)が、式:Rs/Rc<1/2を満たすことを特徴とする請求項9記載の積層体としたものである。
【0022】
また、請求項11の発明では、前記接着性樹脂層の形成は、耐熱性接着樹脂組成物を押出し成形法によってなされるこを特徴とする請求項9または10記載の積層体としたものである。
【0023】
さらにまた、請求項12の発明では、前記接着性樹脂層の形成は、耐熱性接着樹脂組成物をフィルム状に成形し、そのフィルムを基材に貼り合せてなることを特徴とする請求項9または10記載の積層体としたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の耐熱性接着樹脂組成物は、エチレン−αオレフィン共重合体50から99重量%と水素添加された石油樹脂1から50重量%とからなる樹脂組成物(A)5から99重量%と高密度ポリエチレン(B)1から95重量%とからなる樹脂組成物(C)60から99重量%と、該樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)に対し完全非相溶或いは一部相溶の樹脂(D)1から40重量%からなることを特徴とするものである。
【0025】
本発明の耐熱性接着樹脂組成物に用いられる上記樹脂(D)は、樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶あるいは一部相溶の樹脂であって、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミドの樹脂群から選ばれるものである。これら樹脂(D)は、本発明に用いている樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)との相溶性が乏しいため、エチレン−αオレフィン共重合体、石油樹脂、低密度ポリエチレンの樹脂組成物に対してドメインを形成するものである。
【0026】
従って、これらの樹脂のブレンド量は1〜40重量%、好ましくは1〜30重量%であり、40重量%を越えると粒子状のドメインを形成しなくなり、更に多量にブレンドすると樹脂組成物(C)を樹脂(D)で包んでしまうために良好な接着性が得られなくなる。
【0027】
また、本発明の耐熱性接着樹脂組成物に用いられる高密度ポリエチレンとは中圧法及び低圧法より重合される高密度ポリエチレンが好ましく、その密度は、0.930から0.970g/cm3で、190℃、2160g加重におけるメルトフローレートが0.1から30g/10min以下とするのが好適であり、更に好ましくは2.0以上30g/10min以下である。
【0028】
また、本発明の耐熱性接着樹脂組成物に用いられるエチレン−αオレフィン共重合体とは、チーグラー触媒やシングルサイト系触媒より合成されるものであり、好ましくはシングルサイト系触媒より合成されるものである。
【0029】
上記シングルサイト系触媒は特に限定されるものではないが、シクロペンタジエニルジルコノセン誘導体を例とする、Zr,Ti、Hfなどの遷移金属とシクロペンタジエニル環やインデニル環などの不飽和環とからなる、いわゆるメタロセン触媒が挙げられる。
【0030】
また、シングルサイト系触媒の他の例として、従来型のチーグラーナッタ系触媒を改良してシングルサイト化したものであって、その重合体の重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnが2.5以下、好ましくは2.0以下のものを用いることができる。
【0031】
本発明の耐熱性接着樹脂組成物におけるエチレン−αオレフィン共重合体のコノモマーとしてはブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1などから選ばれたものならばよく、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1をコモノマーとしたエチレン−αオレフィン共重合体が安価なため好適である。
【0032】
さらに、上記エチレン−αオレフィン共重合体の密度は、0.860以上0.925以下が好ましく、0.860より小さいと耐熱性が損なわれ、更に加工性も悪くなる。また、0.925より大きいと接着性が悪くなる。よって、エチレン−αオレフィン共重合体の密度は、好ましくは0.880以上、0.920以下とするのが好適であり、更に好ましくは0.890以上、0.910以下である。また、190℃、2160g加重におけるメルトフローレートが0.1から30g/10minの範囲にあるものより選択される。
【0033】
また、本発明の耐熱性接着樹脂組成物における石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂から選ばれたものならばよく、特に、脂環族系石油樹脂が好適である。また、これらの石油系樹脂をブレンドして用いてもよい。また、ロジン、重合ロジン、水添ロジン、ロジングリセリンエステル及びその水添物または重合物、ロジンペンタエリスリトール及びその水添物または重合物のようなロジン類を目的を損なわない範囲で添加できるが、石油樹脂に対して0.1〜10重量%程度が望ましい。
【0034】
また、上記水素添加された石油樹脂の水素添加割合は、10から100%とするものであり、好ましくは30から100%としたものてある。その水素添加割合が10%より小さいと分解されやすく、さらに黄変しやすくなるため好ましくない。
【0035】
本発明の耐熱性接着樹脂組成物における接着性の付与は、上記のように、樹脂組成物(A)中に樹脂(B)をブレンドしてドメインを形成することにより、マトリックス中の粘着付与剤濃度を上げることで、少ない粘着付与剤量でも容器等との良好な接着性を得ることができる。さらに、シーラント表面のドメイン粒子径を小さくすることで、加工時の良好な離ロール性、滑り性を維持しながら、容器との接着に対してマトリックス中の粘着付与剤の効果が効率よく得られるものである。
【0036】
また、本発明では、上記のような耐熱性接着樹脂組成物を、図1に示すように、基材(10)に積層してシーラント層となる接着性樹脂層(20)を形成してなる積層体(1)としたもので、この接着性樹脂層(20)中に粒状に分散する樹脂(D)粒子の平均直径において、該接着性樹脂層(20)表面から接着性樹脂層(20)の厚み(20h)の1/5の深さに存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rs)と接着性樹脂層(20)表面から接着性樹脂層(20)の厚み(20h)の2/5から3/5の範囲に存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rc)との比(Rs/Rc)が、式:Rs/Rc<1/2を満たすことを特徴とするものである。
【0037】
上記樹脂(D)粒子の平均直径の測定方法は、押し出した耐熱性接着樹脂組成物の流れ方向に対して平行になるように粒子直径を測定し、ランダムに測定した100個の平均値をそれぞれRsおよびRcとするものである。
【0038】
また、上記接着性樹脂層(20)の形成は、耐熱性接着樹脂組成物を押出し成形法によってなされるもので、このように、押出し成形法には、Tダイによる押し出しラミネート法などがあり、特に、アルミ箔や紙等でなる基材(10)上にTダイ法により300℃以上で押し出しラミネートを行うことにより、接着剤等の使用の必要がなくなるという効果があり好適な成形法である。
【0039】
さらにまた、上記接着性樹脂層(20)の形成は、耐熱性接着樹脂組成物をフィルム状に成形し、そのフィルムを基材(10)に貼り合せてなる積層体(1)とすることもできる。
【0040】
また、上記粒状に分散する樹脂(D)の溶融粘度は、一般的な加工温度において、樹脂組成物(C)より小さいものを選択することで本発明の積層体(1)の例である蓋材としての効果を得ることができるが、加工機の形態、条件等によって必ずしも上記条件が当てはまらないため、本発明によっては特に規定するものではない。
【0041】
上記エチレン−αオレフィン共重合体、石油樹脂、高密度ポリエチレン、請求項2記載のポリスチレン等樹脂群より選択された樹脂の混練方法としては特に制限はないが、ドライブレンドが簡易的である。しかし、物性の安定性を考慮した場合、単軸押し出し機、2軸押し出し機、ニーダー、熱ロール等を用いて溶融混合させる方がより望ましい。
【0042】
また、上記エチレン−αオレフィン共重合体と石油樹脂を溶融混合したペレットを作製した後、高密度ポリエチレン及び請求項2記載のポリスチレン等樹脂群より選ばれた樹脂とドライブレンドしてもよい。
【0043】
本発明の耐熱性接着樹脂組成物には、必用に応じて、酸化防止剤、安定剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着調整剤、充填剤、着色剤などの添加剤を加えることができる。
【0044】
また、上記基材(10)として、特に限定するものではないが、延伸されたポリエステルフィルム、延伸されたポリプロピレンフィルム、延伸されたナイロンフィルム、アルミニウム箔、紙等が一般的である。これらのフィルム同士を積層したものを用いてもよい。特にTダイ法により300℃以上で押し出しラミネートを行う場合は、接着剤等の使用の必要がなく好適である。
【0045】
さらに本発明の耐熱性接着樹脂組成物でなる積層体(例えば蓋材)と接着される材質としては、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの材質については、発泡体でもよい。いずれの材料に対しても良好な接着性が得られる。
【0046】
以上のように、本発明の耐熱性接着樹脂組成物でなる積層体(例えば蓋材)の接着機構は、エチレン−αオレフィン共重合体が、粘着付与剤と相溶することによって流動しやすくなり、被着体表面の濡れ性と親和性の向上により接着されると考えられる。ただし、粘着付与剤を用いた系において、例えばエチレン−αオレフィンと類似した構造をもつものではアクリル系ポリマーと粘着付与剤を主成分とするものが代表的であるが、被着体との粘着については官能基の存在が必要不可欠となっている。但し、本発明の耐熱性接着樹脂組成物を構成する樹脂組成物(A)のエチレン−αオレフィンのように官能基を有さない場合での接着挙動については、詳細は不明である。
【0047】
一般に接着強度を向上させるためには、粘着付与剤及びエラストマー量を増やす方法がとられるが、本発明においては、少ない粘着付与剤及びエラストマー量でも、これらと相溶しにくい樹脂をブレンドすることにより、ドメイン構造を形成させ、マトリックスの部分の粘着付与剤及びエラストマー濃度を上げ、さらにドメイン粒子径を傾斜させることで良好な接着性を得ることができる。
【0048】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。
〈実施例1〉
2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムと高密度ポリエチレンが順次積層されたものを基材(10)とし、上記基材(10)の高密度ポリエチレン側に、エチレン−αオレフィン共重合体(密度0.900g/cm3)SC00100(三井化学社製)20重量%と脂環族系石油樹脂アルコンP−115(荒川化学工業社製)20重量%と高密度ポリエチレン(密度0.941g/cm3)ノバテックHD(日本ポリケム社製)40重量%とポリスチレン:スタイロン683(旭化成工業社製)20重量%とを2軸押し出し機により溶融混練りし、25μmの厚み(20h)で320℃で押し出し積層してシーラント層となる接着性樹脂層(20)を形成し積層体(1)とした。この時のRsの値は0.13μm、Rcの値は6.2μmであった。
【0049】
上記で得られた積層体(1)を、幅15mmの短冊状に切り出し、ポリスチレンシート(PS)、射出成形したポリエチレンテレフタレート(PET)プレートとヒートシールし、その強度を測定し表1に示した。
【0050】
【表1】
Figure 0004411673
【0051】
上記表1から本発明の耐熱性接着樹脂組成物を用いた積層体(1)は、優れたヒートシール強度を有することが明らかになった。
【0052】
さらに、紙とポリエステルが積層されたトレーに水と植物油の混合液を充填した後、上記実施例1で得られた積層体(フィルム)を蓋材としてヒートシールし、空気穴を開けた後、500Wの家庭用電子レンジに6分間かけた。その結果、熱によりフィルムが剥離するという問題がなく、良好なシール状態を保つものであった。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、エチレン−αオレフィン共重合体50から99重量%と水素添加された石油樹脂1から50重量%とからなる樹脂組成物(A)5から99重量%と高密度ポリエチレン(B)1から95重量%とからなる樹脂組成物(C)60から99重量%と、該樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶或いは一部相溶の樹脂(D)1から40重量%からなる耐熱性接着樹脂組成物としたので、それを用いた積層体は、高温加工性と耐熱性に優れ、ポリスチレンシートやポリエチレンテレフタレートとの接着性が極めて良好であり、極性基、反応性官能基を持たない樹脂に対して良好な接着性を有する効果がある。
【0054】
従って本発明は、特に耐熱性を要求される食品用の包装材料として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐熱性接着樹脂組成物を用いた積層体の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥積層体
10‥‥基材
20‥‥接着性樹脂層
20h‥‥接着性樹脂層の厚み

Claims (10)

  1. エチレン−αオレフィン共重合体50から99重量%と水素添加された石油樹脂1から50重量%とからなる樹脂組成物(A)5から99重量%と高密度ポリエチレン(B)1から95重量%とからなる樹脂組成物(C)60から99重量%と、前記樹脂組成物(A)及び高密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶或いは一部相溶の樹脂(D)1から40重量%からなる耐熱性接着樹脂組成物を、基材に積層して接着性樹脂層を形成してなる積層体であって、
    前記接着性樹脂層中に粒状に分散する樹脂(D)粒子の平均直径において、該接着性樹脂層表面から接着性樹脂層の厚みの1/5の深さに存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rs)と接着性樹脂層表面から接着性樹脂層の厚みの2/5から3/5の範囲に存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rc)との比(Rs/Rc)が、式:Rs/Rc<1/2を満たすことを特徴とする積層体
  2. 前記樹脂(D)が、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミドの樹脂群より選ばれた樹脂でなることを特徴とする請求項1記載の積層体
  3. 前記エチレン−αオレフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成されてなることを特徴とする請求項1または2記載の積層体
  4. 前記エチレン−αオレフィン共重合体が、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−ペンテン−1から選ばれたコモノマーとエチレンの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体
  5. 前記エチレン−αオレフィン共重合体の密度が、0.860以上0.925以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体
  6. 前記石油樹脂が脂環族系石油樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体
  7. 前記水素添加された石油樹脂の水素添加割合が、10から100%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体
  8. 前記石油樹脂の軟化点が、70℃以上150℃以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体
  9. 前記接着性樹脂層の形成は、耐熱性接着樹脂組成物を押出し成形法によってなされるこを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記接着性樹脂層の形成は、耐熱性接着樹脂組成物をフィルム状に成形し、そのフィルムを基材に貼り合せてなることを特徴とする1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
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