JPH11335497A - 接着性樹脂組成物およびその積層体 - Google Patents

接着性樹脂組成物およびその積層体

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JPH11335497A
JPH11335497A JP14764198A JP14764198A JPH11335497A JP H11335497 A JPH11335497 A JP H11335497A JP 14764198 A JP14764198 A JP 14764198A JP 14764198 A JP14764198 A JP 14764198A JP H11335497 A JPH11335497 A JP H11335497A
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JP
Japan
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resin composition
adhesive resin
laminate
adhesive
ethylene
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Application number
JP14764198A
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English (en)
Inventor
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
Norimasa Sekine
徳政 関根
Hiroshi Umeyama
浩 梅山
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない粘着付与剤量で良好なシール性を有し、
高温加工性に優れ、ポリスチレンのような極性基を有し
ない樹脂に対しても良好な接着性を示す接着性樹脂組成
物及びその積層体を提供することを目的とする。 【解決手段】エチレンーαオレフィン共重合体50乃至
99重量%と水素添加された石油樹脂1乃至50%とか
らなる樹脂組成物(A)5乃至99重量%と低密度ポリ
エチレン(B)1乃至95重量%とからなる樹脂組成物
(C)60乃至99重量%と、該樹脂組成物(A)及び
低密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶あるいは
部分非相溶の樹脂(D)1乃至40重量%からなること
を特徴とする接着性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着性樹脂組成物お
よびその接着性樹脂組成物を基材に積層してなる積層体
に係わり、特に接着性樹脂層をシーラント層としてヒー
トシール可能な蓋材として使用する接着性樹脂組成物お
よびその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】加工食品容器として、プラスチックの射
出成形容器やシート成形容器等が多用さている。この様
な成形容器は蓋材をヒートシールすることによって密封
されており、種々のヒートシール技法が適用されてい
る。構成としては基材にシーラント層を持つものが一般
的であり、蓋材の基材としては、アルミニウム箔、ポリ
エステル(PET)/アルミニウム箔、紙/アルミニウ
ム箔等が多く使用されている。
【0003】また、延伸ポリエステル(OPET)、延
伸ポリプロピレン(OPP)、延伸ナイロン(ONy)
等の2軸延伸フィルムも、単体で使用されるか、或いは
ガスバリア性フィルムとラミネートして使用されてい
る。
【0004】また、容器の材質としては、カップラーメ
ンの容器に代表されるような発泡ポリスチレンや、ゼリ
ーやヨーグルトといった食品用のカップ容器に見られる
ようなポリエステルやポリスチレン、ポリプロピレンな
どが挙げられる。また、紙容器の最内層にポリエチレン
がラミネートされている容器もあり、蓋材のシーラント
層としては、容器の材質に適した材料が選択されてい
る。
【0005】一般的に発泡ポリスチレンやポリエステル
等の容器と良好な接着性を有するポリマーがないため、
蓋材のシーラント層としては、接着性を増大させるため
の粘着付与剤の添加が不可欠となる。しかし、粘着付与
剤は低分子量成分であるために、食品用の包材としての
使用において衛生上の制限があり、容器との接着力と衛
生面でのバランスをとることが困難であるという問題点
を持っている。
【0006】蓋材のシーラント層としては、エチレンー
酢酸ビニル共重合体(EVA)にワックスとロジンや石
油系樹脂などの粘着付与剤をブレンドしたホッとメルト
が用いられている。
【0007】また、EVAに粘着付与剤をブレンドした
樹脂を基材に押し出しコーティングしたものや、ブレン
ド樹脂をフィルム化して、基材にドライラミネートした
ものも使用されている。
【0008】さらにシーラントに用いる樹脂として、エ
チレンーα、β不飽和カルボン酸共重合体にエチレンー
酢酸ビニル共重合体及び脂環族系炭化水素樹脂のような
粘着付与剤を配合してなる接着性樹脂組成物が提案され
ているが、ポリスチレンとの良好な接着性が得られてい
ない。
【0009】また、ポリオレフィン系の樹脂に極性基を
導入して接着性の機能を付与させる方法が提案されてい
る。この方法は、アクリル酸基、メタクリル酸基、アク
リル酸エステル基、メタクリル酸メチル基、無水マレイ
ン酸基などの官能基を持つモノマーをエチレン、プロピ
レンなどのαーオレフィンと高圧下で共重合させてラン
ダムコポリマーとするか、あるいはエチレン、プロピレ
ンまたは2種以上のαーオレフィン共重合体に前記官能
基を持つモノマーを触媒重合法等によりグラフトコポリ
マーとして接着性を付与した樹脂が提案されている。
【0010】一般に積層体を形成する加工方法として、
Tダイ法によるラミネート方法があり、基材と良好な接
着性を得るためには高温で押し出し加工できることが望
ましい。しかし、これらの接着性樹脂組成物は高温押し
出し加工が困難であり、かつポリスチレンとの良好な接
着が得られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点を
鑑み、少ない粘着付与剤量で良好なシール性を有し、高
温加工性に優れ、ポリスチレンのような極性基を有しな
い樹脂に対しても良好な接着性を示す接着性樹脂組成物
及びその積層体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべく考案されたものである。
【0013】請求項1記載の発明は、エチレンーαオレ
フィン共重合体50乃至99重量%と水素添加された石
油樹脂1乃至50%とからなる樹脂組成物(A)5乃至
99重量%と低密度ポリエチレン(B)1乃至95重量
%とからなる樹脂組成物(C)60乃至99重量%と、
該樹脂組成物(A)及び低密度ポリエチレン(B)に対
し、完全非相溶あるいは一部相溶の樹脂(D)1乃至4
0重量%からなることを特徴とする接着性樹脂組成物で
ある。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の接
着性樹脂組成物において、前記樹脂(D)が、ポリスチ
レン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
塩化ビニル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミ
ドの樹脂群より選ばれた樹脂であることを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の接着性樹脂組成物において、前記エチレンーαオ
レフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成さ
れたことを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、前記エチレン
ーαオレフィン共重合体が、ブテンー1、ヘキセンー
1、オクテンー1、4ーメチルーペンテン−1から選ば
れたコモノマーとエチレンの共重合体であることを特徴
とする。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、前記エチレン
ーαオレフィン共重合体の密度が0.860g/cm3
以上0.925g/cm3 以下であることを特徴とす
る。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、前記石油樹脂
が、脂環族系石油樹脂であることを特徴とする。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、前記石油樹脂
の水素添加の割合が、10から100%である水素添加
石油樹脂からなることを特徴とする。
【0020】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7記
載の何れかの接着性樹脂組成物前記石油樹脂の軟化点
が、70℃以上150℃ 以下であることを特徴とす
る。
【0021】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8記
載の何れかの接着性樹脂組成物を、押し出し成形法によ
って基材に積層することによって接着性樹脂層を形成す
ることを特徴とする積層体である。
【0022】請求項10記載の発明は、前記積層体の接
着性樹脂層中に粒状に分散する樹脂(D)粒子の平均直
径において、該積層体の接着性樹脂層表面から接着樹脂
層の厚みの1/5の深さに存在する樹脂(D)粒子の平
均直径(Rs)と接着性樹脂層表面から接着樹脂層厚み
の2/5乃至3/5の範囲に存在する樹脂(D)粒子の
平均直径(Rc)との比(Rs/Rc)が、下記式1を
満たすことを特徴とする積層体。
【0023】
【数2】
【0024】請求項11記載の発明は、請求項9または
10記載の積層体において、前記積層体は、該接着性樹
脂組成物を押し出し成形法によって基材に積層したこと
を特徴とする。
【0025】請求項12記載の発明は、請求項9または
10記載の積層体において、前記積層体は、該接着性樹
脂組成物をシート状に成形し、そのシート状接着性樹脂
組成物を基材に貼り合わせて積層したことを特徴とす
る。
【0026】請求項13記載の発明は、請求項9乃至1
2記載の積層体において、前記積層体の接着性樹脂層
を、シーラント層とした蓋材として用いることを特徴と
する。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明において、その実施
の形態を詳細に説明する。本発明の接着性樹脂組成物
は、エチレンーαオレフィン共重合体50乃至99重量
%と水素添加された石油樹脂1乃至50%とからなる樹
脂組成物(A)5乃至99重量%と低密度ポリエチレン
(B)1乃至95重量%とからなる樹脂組成物(C)6
0乃至99重量%と、該樹脂組成物(A)及び低密度ポ
リエチレン(B)に対し、完全非相溶あるいは一部相溶
の樹脂(D)1乃至40重量%からなることを特徴とす
る。
【0028】本発明で用いられる樹脂(D)は、樹脂組
成物(A)及び低密度ポリエチレン(B)に対し、完全
非相溶あるいは一部相溶の樹脂であって、ポリスチレ
ン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミドの
樹脂群から選ばれる。本発明に用いられる樹脂組成物
(A)及び低密度ポリエチレン(B)との相溶性が乏し
いため、エチレンーαオレフィン共重合体、石油樹脂、
低密度ポリエチレンの樹脂組成物に対してドメインを形
成する。これらの樹脂のブレンド量は1〜40重量%、
好ましくは1〜30重量%であり、40重量%を越える
と粒子状のドメインを形成しなくなり、更に多量にブレ
ンドすると樹脂組成物(C)を樹脂(D)で包んでしま
うために良好な接着性が得られなくなる。
【0029】本発明に用いられるエチレンーαオレフィ
ン共重合体とは、チーグラー触媒やシングルサイト系触
媒より合成されるものであり、好ましくはシングルサイ
ト系触媒より合成されるものである。
【0030】上記シングルサイト系触媒は特に限定され
るものではないが、シクロペンタジエニルジルコノセン
誘導体を例とする、Zr,Ti、Hfなどの遷移金属と
シクロペンタジエニル環やインデニル環などの不飽和環
とからなる、いわゆるメタロセン触媒が挙げられる。
【0031】また、シングルサイト系触媒の他の例とし
て、従来型のチーグラーナッタ系触媒を改良してシング
ルサイト化したものであって、その重合体の重量平均分
子量と数平均分子量との比Mw/Mnが2.5以下、好
ましくは2.0以下のものを用いることができる。
【0032】本発明におけるエチレンーαオレフィン共
重合体のコノモマーとしてはブテンー1、ヘキセンー
1、オクテンー1、4ーメチルーペンテン−1などから
選ばれたものならばよく、ブテンー1、ヘキセンー1、
オクテンー1をコモノマーとしたエチレンーαオレフィ
ン共重合体が安価なため好適である。
【0033】本発明におけるエチレンーαオレフィン共
重合体の密度は、0.860g/cm3 以上0.925
g/cm3 以下が好ましく、0.860g/cm3 より
小さいと耐熱性が損なわれ、更に加工性も悪くなる。ま
た、0.925g/cm3 より大きいと接着性が悪くな
る。よって、エチレンーαオレフィン共重合体の密度
は、好ましくは0.880g/cm3 以上、0.920
g/cm以下とするのが好適であり、更に好ましくは
0.890g/cm3 以上、0.910g/cm3以下
である。また、190℃、2160g加重におけるメル
トフローレートが0.1から30g/10minの範囲
にあるものより選択される。
【0034】本発明における石油樹脂としては、脂肪族
系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂
環族系石油樹脂から選ばれたものならばよく、特に、脂
環族系石油樹脂が好適である。また、これらの石油系樹
脂をブレンドして用いてもよい。また、ロジン、重合ロ
ジン、水添ロジン、ロジングリセリンエステル及びその
水添物または重合物、ロジンペンタエリスリトール及び
その水添物または重合物のようなロジン類を目的を損な
わない範囲で添加できるが、石油樹脂に対して0.1〜
10重量%程度が望ましい。
【0035】上記石油樹脂の水素添加割合は、好ましく
は10から100%とするのが好適であり、更に好まし
くは30から100%である。水素添加割合が10%よ
り小さいと分解されやすく、黄変しやすいため好ましく
ない。
【0036】本発明に用いられる低密度ポリエチレン
(B)は、高圧ラジカル重合法による高圧法低密度ポリ
エチレンが好ましく、その密度は、0.910乃至0.
930g/cm3 で、190℃、2160g加重におけ
るメルトフローレートが0.1から30g/10min
の範囲にあるものより選択される。
【0037】本発明における接着性の付与については、
樹脂組成物(C)中に樹脂(D)をブレンドして、ドメ
インを形成することによりマトリックス中の粘着付与剤
濃度を上げることで、少ない粘着付与剤量でも容器等と
の良好な接着性を得ることができる。さらに、シーラン
ト表面のドメイン粒子径を小さくすることで、加工時の
良好な離ロール性、滑り性を維持しながら、容器との接
着に対してマトリックス中の粘着付与剤の効果が効率よ
く得ることができる。
【0038】本発明の接着性樹脂組成物を、押し出し成
形法によって基材に積層することによって接着性樹脂層
を形成し、積層体とすることができる。該接着性樹脂層
中に粒状に分散する樹脂(D)粒子の平均直径におい
て、押し出した接着性樹脂組成物の流れ方向に対して平
行になるように粒子直径を測定し、ランダムに測定した
100個の平均を求めて得られる、積層体の接着性樹脂
層表面から接着樹脂層の厚みの1/5の深さにある樹脂
(D)粒子の平均直径(Rs)と接着性樹脂層表面から
接着樹脂層厚みの2/5乃至3/5の範囲に含まれる樹
脂(D)粒子の平均直径(Rc)との比(Rs/Rc)
が、1/2の値よりも小さいことが必要である。
【0039】樹脂(D)の溶融粘度については、一般的
に加工温度において、樹脂組成物(C)より小さいもの
を選択することで本発明における蓋材の効果を得ること
ができるが、加工機の形態、条件等によって必ずしも上
記条件が当てはまらないため、本発明によっては特に規
定するものではない。
【0040】エチレンーαオレフィン共重合体、石油樹
脂、低密度ポリエチレン、請求項1の樹脂群より選択さ
れた樹脂の混練方法としては、特に制限はないが、ドラ
イブレンドが簡易的である。しかし、物性の安定性を考
慮した場合、単軸押し出し機、2軸押し出し機、ニーダ
ー、熱ロール等を用いて溶融混合させる方がより望まし
い。
【0041】また、エチレンーαオレフィン共重合体と
石油樹脂からなる樹脂組成物(A)を溶融混合したペレ
ットを作製した後、樹脂組成物(A)及び低密度ポリエ
チレン(B)に対し、完全非相溶あるいは一部相溶の本
発明で用いられる樹脂(D)群より選ばれた樹脂とドラ
イブレンドしてもよい。
【0042】本発明における接着性樹脂組成物には、更
に必用に応じて、酸化防止剤、安定剤、滑剤、アンチブ
ロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、粘着調整剤、充填
剤、着色剤などの添加剤を加えることができる。
【0043】本発明の接着性樹脂組成物を、基材上に積
層して積層体とすることができる。基材に積層させる方
法としては、押し出し成形法によって基材に積層する方
法と該接着性樹脂組成物をシート状に成形した後、その
シート状接着性樹脂組成物を基材に貼り合わせて積層す
る方法がある。前者は、Tダイによる押し出しラミネー
ト法がより好ましい。後者の該接着性樹脂組成物をシー
ト状に成形する場合、特に制限はないが、Tダイ法また
はインフレーション法によって製膜した後、接着剤を用
いて基材と積層してもよい。
【0044】上記基材についても特に限定するものでは
ないが、延伸されたポリエステルフィルム、延伸された
ポリプロピレンフィルム、延伸されたナイロンフィル
ム、アルミニウム箔、紙等が一般的である。これらのフ
ィルム同士を積層したものを用いてもよい。特にTダイ
法により300℃以上で押し出しラミネートを行う場合
は、接着剤等の使用の必要がなく好適である。
【0045】本発明の積層体は、基材に積層して形成し
た接着性樹脂層をシーラント層とし、蓋材として用いる
ことができる。本発明の蓋材は、被着体としてポリスチ
レン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、
ポリカーボネート等の材質に対して用いられる。これら
の材質については、発泡体でもよい。いずれの材料に対
しても良好な接着性が得られる。
【0046】<作用>本発明の接着性樹脂組成物の接着
機構は、エチレンーαオレフィン共重合体が、粘着付与
剤と相溶することによって流動しやすくなり、被着体表
面の濡れ性と親和性の向上により接着されると考えられ
る。ただし、粘着付与剤を用いた系において、例えばエ
チレン−αオレフィンと類似した構造をもつものではア
クリル系ポリマーと粘着付与剤を主成分とするものが代
表的であるが、被着体との粘着については官能基の存在
が必要不可欠であり、さらに接着強度を向上させるため
には、粘着付与剤及びエラストマー量を増やす方法がと
られるに対して、本発明の接着性樹脂組成物は、エチレ
ン−αオレフィンのように官能基を有さない場合での接
着挙動については詳細は不明であるが、少ない粘着付与
剤及びエラストマー量でも、これらと相溶しにくい樹脂
をブレンドすることにより、ドメイン構造を形成させ、
マトリックスの部分の粘着付与剤及びエラストマー濃度
を上げ、さらにドメイン粒子径を傾斜させることで良好
な接着性を得ることができる。
【0047】
【実施例】以下に実施例に基づき本発明を具体的に記述
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0048】<実施例1>紙、低密度ポリエチレン、ア
ルミ箔、低密度ポリエチレンが順次積層されたものを基
材とし、上記基材の低密度ポリエチレン側に、エチレン
ーαオレフィン共重合体(密度0.900g/cm3
SC00100 ;三井化学(株)社製)を20重量%と脂環族
系石油樹脂(アルコンP−115;荒川化学工業(株)
製)を20重量%と低密度ポリエチレン(密度0.91
9g/cm3 ;ミラソン14P;三井化学(株)製)を
40重量%とポリスチレン(スタイロン683;旭化
成)を20重量%とを25μmの厚みで320℃で押し
出し積層してシーラント層を形成した。この時のRsの
値は0.13μm、Rcの値は6.2μmであった。
【0049】<比較例1>実施例と同じ基材の低密度ポ
リエチレン側に、エチレンーαオレフィン共重合体(密
度0.900g/cm3 ;SC00100 ;三井化学(株)社
製)を20重量%と脂環族系石油樹脂(アルコンP−1
15;荒川化学工業(株)製)を20重量%と低密度ポ
リエチレン(密度0.919g/cm3 ;ミラソン14
P;三井化学(株)製)を60重量%を25μmの厚み
で320℃で押し出し積層してシーラント層を形成し
た。
【0050】<比較例2>実施例と同じ基材の低密度ポ
リエチレン側に、エチレンーαオレフィン共重合体(密
度0.900g/cm3 ;SC00100 ;三井化学(株)社
製)を25重量%と脂環族系石油樹脂(アルコンP−1
15;荒川化学工業(株)製)を25重量%と低密度ポ
リエチレン(密度0.919g/cm3 ;ミラソン14
P;三井化学(株)製)を50重量%を25μmの厚み
で320℃で押し出し積層してシーラント層を形成し
た。
【0051】上記実施例及び比較例において作製した積
層体を、幅15mmの短冊状に切り出し、発泡倍率12
倍のポリスチレンペーパー(PSP)、及び射出成形し
たポリエステル(ポリエチレンレテフラレート;PE
T)プレートをヒートシールし、ヒートシール強度を測
定したところ表1の結果を得た。この結果から本発明の
樹脂組成物は優れたヒートシール性を示し、特に少ない
粘着付与剤でも高強度を有することが明らかになった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明により、高温加工性に優れ、ポリ
スチレンペーパーやポリスチレンシートとの接着性が極
めて良好な接着性を有し、またポリスチレンのような極
性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても
良好な接着性を有する接着性樹脂組成物及びその積層体
を提供できる。 このことにより、特に食品用の包装材
料として優れた衛生性を保持しつつ、容器との充分な接
着力を発揮できる、例えばカップもしくはトレー容器の
蓋材としての用途等に幅広い活用が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴田 昌由 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンーαオレフィン共重合体50乃至
    99重量%と水素添加された石油樹脂1乃至50%とか
    らなる樹脂組成物(A)5乃至99重量%と低密度ポリ
    エチレン(B)1乃至95重量%とからなる樹脂組成物
    (C)60乃至99重量%と、該樹脂組成物(A)及び
    低密度ポリエチレン(B)に対し、完全非相溶あるいは
    一部相溶の樹脂(D)1乃至40重量%からなることを
    特徴とする接着性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記樹脂(D)が、ポリスチレン、ポリメ
    タクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、
    ポリカーボネート、ニトロセルロース、ポリエチレンテ
    レフタレート、ポリエチレンナフタレート、酢酸セルロ
    ース、ポリアクリロニトリル、ポリアミドの樹脂群より
    選ばれた樹脂であることを特徴とする請求項1記載の接
    着性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記エチレンーαオレフィン共重合体が、
    シングルサイト触媒により合成されたことを特徴とする
    請求項1または2記載の接着性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記エチレンーαオレフィン共重合体が、
    ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1、4ーメチル
    ーペンテン−1から選ばれたコモノマーとエチレンの共
    重合体であることを特徴とする請求項1乃至3記載の何
    れかの接着性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記エチレンーαオレフィン共重合体の密
    度が0.860g/cm3 以上0.925g/cm3
    下であることを特徴とする請求項1乃至4記載の何れか
    の接着性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記石油樹脂が、脂環族系石油樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至5記載の何れかの接着性
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記石油樹脂の水素添加の割合が、10か
    ら100%である水素添加石油樹脂からなることを特徴
    とする請求項1乃至6記載の何れかの接着性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】前記石油樹脂の軟化点が、70℃以上15
    0℃ 以下であることを特徴とする請求項1乃至7記載
    の何れかの接着性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8記載の何れかの接着性樹脂
    組成物を、基材に積層して接着性樹脂層を形成したこと
    を特徴とする積層体。
  10. 【請求項10】前記積層体の接着性樹脂層中に粒状に分
    散する樹脂(D)粒子の平均直径において、該積層体の
    接着性樹脂層表面から接着樹脂層の厚みの1/5の深さ
    に存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rs)と接着性
    樹脂層表面から接着樹脂層厚みの2/5乃至3/5の範
    囲に存在する樹脂(D)粒子の平均直径(Rc)との比
    (Rs/Rc)が、下記式1を満たすことを特徴とする
    積層体。 【数1】
  11. 【請求項11】前記積層体は、該接着性樹脂組成物を押
    し出し成形法によって基材に積層したことを特徴とする
    請求項9または10記載の積層体。
  12. 【請求項12】前記積層体は、該接着性樹脂組成物をシ
    ート状に成形し、そのシート状接着性樹脂組成物を基材
    に貼り合わせて積層したことを特徴とする請求項9また
    は10記載の積層体。
  13. 【請求項13】前記積層体の接着性樹脂層を、シーラン
    ト層とした蓋材として用いることを特徴とする請求項9
    乃至12記載の積層体。
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