JPH11323038A - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂組成物

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JPH11323038A
JPH11323038A JP13883898A JP13883898A JPH11323038A JP H11323038 A JPH11323038 A JP H11323038A JP 13883898 A JP13883898 A JP 13883898A JP 13883898 A JP13883898 A JP 13883898A JP H11323038 A JPH11323038 A JP H11323038A
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JP
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resin composition
adhesive resin
ethylene
adhesive
composition according
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JP13883898A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
Hiroshi Umeyama
浩 梅山
Norimasa Sekine
徳政 関根
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温加工性に優れ、極性基、反応性官能基を構
造上に持たない樹脂に対しても良好な接着性を有する接
着性樹脂組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】(1)エチレンーαオレフィン共重合体5
0〜99wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt
%からなる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS
K7210に準ずる190℃、2160g荷重における
MIが0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂
組成物である。(2)(1)の接着性樹脂組成物に対し
て低密度ポリエチレンを配合したことを特徴とする接着
性樹脂組成物である。(3)(1)または(2)の接着
性樹脂組成に対して該接着性樹脂と非相溶の高分子化合
物を配合したことを特徴とする接着性樹脂組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マーのような高分子弾性体と粘着付与剤とからなる接着
性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しくは、エ
ラストマーとしてエチレンーαオレフィン共重合体と粘
着付与剤として脂環族系石油樹脂とをからなる接着性樹
脂組成物に関するものである
【0002】
【従来の技術】接着性樹脂は天然高分子、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂、ゴム系樹脂、ホットメルト、など多
岐にわたっている。そして、その性能、使用用途に応じ
て様々な接着性樹脂を選択することが可能であり、異種
材料間を接着させることで、様々な機能を付与した製品
を得ることが可能である。
【0003】例えば、食品包装分野では、カップもしく
はトレー容器の蓋材のシーラントとして、接着性樹脂を
使用している。これらの容器の材質としては、カップラ
ーメンの容器に代表される発砲ポリスチレンや、ゼリ
ー、ヨーグルトといった内容物に対する容器としてポリ
スチレン、ポリプロピレン樹脂が挙げられる。
【0004】一般に、接着性樹脂の接着機構としては粘
着、分子間相互作用(水素結合など)、反応性官能基に
よる反応によって異種材料間を接着させることが挙げら
れる。このような接着性樹脂としては、エチレンー酢酸
ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチ
レンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリ
ル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合
体、エチレンーアクリル酸ー無水マレイン酸共重合体、
エチレンーアクリル酸ーメタクリル酸グリシジルなどの
主鎖共重合タイプや、ポリエチレンやポリプロピレンに
無水マレイン酸をグラフト共重合したタイプなど様々な
種類が挙げられる。
【0005】しかしながら、上述したポリスチレンなど
は、極性基、反応性官能基を構造上に持たないため、上
述した接着性樹脂を用いても良好な接着性を得ることが
困難である。そこで、ポリスチレンのような基材に対し
て良好な接着性を得るために、粘着付与剤を用いた系で
の接着性樹脂の開発が行われてきた。
【0006】これらの例としては、エチレンー酢酸ビニ
ル共重合体中に粘着付与剤を添加した樹脂組成物や、変
成ポリオレフィンにエチレンー酢酸ビニル共重合体およ
び脂肪族系石油樹脂を配合したポリオレフィン組成物、
エチレンーα、β不飽和カルボン酸共重合体に脂環族系
炭化水素樹脂を配合した接着性樹脂が提案されている。
【0007】しかしながら、このような接着性樹脂組成
物はポリスチレンとの良好な接着性を有するとは言い難
く、さらに色相、耐候性にも劣るという課題がある。ま
た、このような接着性樹脂は耐熱性にも問題を抱えてお
り、Tダイ法により押出ラミネート時にも、加工温度を
高く設定できないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を鑑みてなされたものであり、高温加工性に優れ、ポリ
スチレンのような極性基、反応性官能基を構造上に持た
ない樹脂に対しても良好な接着性を有する接着性樹脂組
成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の下
記の手段によって解決できるものである。
【0010】請求項1記載の発明は、エチレンーαオレ
フィン共重合体50〜99wt%と水素添加された石油
樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であって、該樹
脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、21
60g荷重におけるMIが0.1〜70であることを特
徴とする接着性樹脂組成物である。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の接
着性樹脂組成物5〜99wt%に対し、低密度ポリエチ
レン樹脂1〜95wt%配合された樹脂組成物であっ
て、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190
℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜40である
ことを特徴とする接着性樹脂組成物である。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の接着性樹脂組成物100重量部に対し、該接着性
樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶の高分子化
合物1〜50重量部配合された樹脂組成物であって、該
樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190℃、2
160g荷重におけるMIが0.1〜40であることを
特徴とする接着性樹脂組成物である。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項3記載の接
着性樹脂組成物において、請求項1または2記載の接着
性樹脂組成物の溶融粘度とこれらに配合する前記高分子
化合物の溶融粘度との比であるηの値が、温度190〜
300℃、せん断速度10n (1/sec)(0≦n≦
2)の条件で、下記式1を満たすことを特徴とする。
【0014】
【数2】 式1(ただし、η=ηa/ηb、ηaは前記高分子化合
物の溶融粘度を表わし、ηbは前記接着性樹脂組成物の
溶融粘度を表わす。)
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーα
オレフィン共重合体が、シングルサイト触媒により合成
されたことを特徴とする接着性樹脂組成物である。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーα
オレフィン共重合体が、ブテンー1、ヘキセンー1、オ
クテンー1、4−メチルーペンテンー1から選択される
コモノマーとエチレンとの共重合物であることを特徴と
する。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項1乃至6記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、エチレンーα
オレフィン共重合体の密度が0.860〜0.925g
/cm3 であることを特徴とする。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項1乃至7記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂が脂
環族系石油樹脂であることを特徴とする。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8記
載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂の軟
化点温度が70〜150℃であることを特徴とする。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項1乃至9
記載の何れかの接着性樹脂組成物において、石油樹脂の
水素添加の割合が10〜100%であることを特徴とす
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下詳細に説明する。
【0022】本発明の接着性樹脂組成物は、エチレンー
αオレフィン共重合体50〜99wt%と水素添加され
た石油樹脂1〜50wt%からなる樹脂組成物であっ
て、該樹脂組成物のJIS K7210に準ずる190
℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜70である
ことを特徴とする。
【0023】本発明に用いられるエチレンーαオレフィ
ン共重合体は、チグラー触媒やシングルサイト系触媒よ
り合成されるものであり、好ましくはシングルサイト系
触媒より合成されたものが好ましい。また、上記シング
ルサイト系触媒は特に限定されるものではないが、シク
ロペンタジエニルコノセン誘導体を例とする、Zr、T
i、Hfなどの遷移金属とシクロペンタジエニル環やイ
ンデニル環などの不飽和環からなるメタロセン触媒が挙
げられる。
【0024】また、シングルサイト系触媒の他の例とし
て、従来型のチグラー・ナッター系触媒を改良してシン
グルサイト化したもので、その重合体の重量平均分子量
と数平均分子量との比(Mw/Mn)が2.5以下、好
ましくは2.0以下のものも使用することが可能であ
る。
【0025】本発明におけるエチレンーαオレフィン共
重合体のコモノマーとしては、ブテンー1、ヘキセンー
1、オクテンー1、4−メチルーペンテンー1などから
選ばれたものならよく、特に、ブテンー1、ヘキセンー
1、オクテンー1をコモノマーとしたエチレンーαオレ
フィン共重合体が安価なため好ましい。
【0026】本発明におけるエチレンーαオレフィン共
重合体の密度は、0.860〜0.925g/cm3
好ましい。0.860g/cm3 より小さいと耐熱性が
損なわれ、さらに加工性も低下する。また、0.925
g/cm3 以上になると、ポリスチレンなどの基材との
接着性が低下する恐れがある。好ましくは、0.880
〜0.920g/cm3 、さらに好ましくは、0.89
0〜0.910g/cm3 の基範囲から選択した方がよ
い。
【0027】本発明における石油樹脂としては、脂肪族
系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂
環族系石油樹脂から選ばれたものならばよく、特に脂環
族系石油樹脂が好ましい。また、ロジン、重合ロジン、
水素添加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびそ
の水添物または重合物、ロジンペンタエリストールおよ
びその水添物または重合物のようなロジン類を目的を損
なわない範囲で添加することができるが、石油樹脂に対
して0.1〜10wt%程度が好ましい。
【0028】上記石油樹脂の水素添加の割合は、好まし
くは10〜100%とするのが好ましく、さらに好まし
くは、30〜100wt%である。10wt%以下であ
ると分解しやすく、変色を伴うので好ましくない。
【0029】本発明の接着性樹脂組成物は、上記エチレ
ンーαオレフィン共重合体と石油樹脂を配合することで
作成される。一般に、石油樹脂はその分子量が1000
〜5000程度と考えられるため、エチレンーαオレフ
ィン共重合体に低分子量の石油樹脂を添加すると、その
添加量が多くなるにしたがい、接着強度は向上するが、
系全体の分子量が低下する。上述した系における分子量
の低下は、接着性樹脂組成物の加工性の低下、機械的強
度の低下を伴う恐れがあるので、エチレンーαオレフィ
ン共重合体中に配合する石油樹脂の添加量は1〜50w
t%、そしてJIS K7210に準ずる190℃、2
160g荷重におけるMIが0.1〜70が好ましい。
【0030】また、本発明の接着性樹脂組成物は、請求
項1記載の接着性樹脂組成物5〜99wt%に対し、低
密度ポリエチレン樹脂1〜95wt%配合された樹脂組
成物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準
ずる190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜
40であることを特徴とする。
【0031】本発明に用いられる低密度ポリエチレンと
は、高圧ラジカル重合法による高圧法低密度ポリエチレ
ンが好ましく、その密度は0.910〜0.930g/
cm 3 で、JIS K7210に準ずる190℃、21
60g荷重におけるMIが0.1〜30g/10min
の範囲にあるものから選択される。
【0032】さらに、本発明の接着性樹脂組成物は、請
求項1または2記載の接着性樹脂組成物100重量部に
対し、該接着性樹脂組成物と完全非相溶もしくは部分非
相溶の高分子化合物1〜50重量部配合された樹脂組成
物であって、該樹脂組成物のJIS K7210に準ず
る190℃、2160g荷重におけるMIが0.1〜4
0であることを特徴とする。
【0033】上記高分子化合物は、上述した接着性樹脂
組成物と完全非相溶もしくは部分非相溶であるものであ
れば種類は問わない。例を挙げると、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ドなど様々に選択することができるが、できるだけ安価
なものが好ましい。
【0034】上述した接着性樹脂組成物に、該接着性樹
脂組成物と完全非相溶、あるいは部分非相溶の高分子化
合物も添加することが可能である。一般に粘着付与剤で
ある石油樹脂の添加量が多ければ多いほど接着性は向上
するが、上述したように添加量が多すぎると加工性の低
下、機械的強度の低下を引き起こす可能性がある。本発
明の接着性樹脂組成物における低密度ポリエチレン、エ
チレンーαオレフィン共重合体、石油樹脂の系は相溶系
であるため、接着性樹脂組成物中においては、低密度ポ
リエチレン、エチレンーαオレフィン共重合体中に均一
に石油樹脂が分散している。そこで、これらの成分と完
全非相溶あるいは部分非相溶の高分子化合物を添加する
ことで、本発明の接着性樹脂組成物をマトリックス、高
分子化合物をドメインとした海島構造を形成することが
可能である。
【0035】海島構造を形成させることで以下の利点を
得ることが可能である。まず、単位体積あたりの接着性
樹脂組成物に分散している石油系樹脂の濃度と、海島構
造を形成した接着性樹脂組成物の濃度を比較すると、実
際の石油樹脂の濃度には変化はないが、海島構造を形成
することで、見かけ上の石油樹脂の濃度を上げることが
可能である。この内容は、少量の石油樹脂添加量でも、
それ以上の接着強度を得ることが可能であり、石油樹脂
添加量増大に伴う加工性の低下や強度物性の低下を防ぐ
ことができることを意味している。
【0036】上記高分子化合物の溶融粘度と接着性樹脂
組成物の溶融粘度との比η(=ηa/ηb)の値が、温
度が190〜300℃、せん断速度が10n (1/se
c)(0≦n≦2)の条件で、0.5以上で、かつ2以
下の範囲を満たすことを特徴とする。
【0037】上述したような非相溶系のポリマーブレン
ドは、その加工性などは、マトリックスとドメインの溶
融粘度比、マトリックスとドメインの界面接着性などに
影響される。非相溶系のポリマーブレンドの場合、マト
リックスとドメインの溶融粘度比ηが1に近ければ好ま
しいが、それ以上でも以下でも構わない。実際に溶融粘
度は、この接着性樹脂組成物の加工温度とせん断速度
(1/sec)によって変化するが、上記したように、
温度が190〜300℃、せん断速度が10n (0≦n
≦2)において、溶融粘度比ηの値が、0.5以上で、
かつ2以下の範囲を満たせば良い。好ましくは0.7以
上で、かつ1.4以下の範囲が良い。溶融粘度比ηの値
が、0.5より小さく、あるいは2より大きくなると、
加工性が低下する恐れがある。また、マトリックスとド
メインの界面接着性を向上させることも加工性を向上さ
せる方法の一つであるため、必要に応じて相溶化剤を添
加しても構わない。
【0038】この時の混練方法としては、特に制限はな
いが、ドライブレンドが簡易的である。しかし、物性の
安定性を考慮すると、単軸押出機、二軸押出機、ブラベ
ンダータイプの混練機、ニーダー、熱ロールなどを利用
して溶融混合をさせた方が好ましい。
【0039】エチレンーαオレフィン共重合体と石油樹
脂とのブレンド物のMIが40を超える場合、この樹脂
をTダイなどの手法で押出ラミネートを行うと、ドロー
ダウン性の低下など加工性を低下させる可能性がある。
その場合は、上述した接着性樹脂組成物を単独で利用す
るのではなく、この接着性樹脂組成物をマスターバッチ
として、上述した低密度ポリエチレンに配合することも
可能である。その際、この系におけるMIは加工性を考
慮して0.1〜40にした方が好ましい。この系におけ
る加工方法は、前記接着性樹脂組成物と低密度ポリエチ
レン樹脂をドライブレンドしたものを溶融混練を行い、
Tダイにてフィルム状に製膜することが可能である。
【0040】また、加工性、熱安定性などを考慮して、
必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑剤、アンチブロッ
キング剤、帯電防止剤、防雲剤、粘着調整剤、充填剤、
着色剤などの添加剤を加えることも可能である。
【0041】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらの実
施例に限られるものではない。
【0042】<実施例1>ポリエチレンテレフタレート
の二軸延伸フィルム(25μm)上に低密度ポリエチレ
ンを厚さ20μmで押出ラミネートにより積層させたも
のを基材として使用した。エチレンーαオレフィン共重
合体(d=0.902g/cm3、MI=7.5)に、
軟化点温度140℃の脂環族系石油樹脂を配合比15w
t%で二軸押出機により混練を行い、接着性樹脂組成物
を作成した。この時のMIは、11g/10min.で
あった。この接着性樹脂組成物をTダイ法によりフィル
ム状に押出し、上記基材の低密度ポリエチレン側に、厚
さ25μm、加工温度300℃で押し出した。その際、
押し出したフィルムは発泡やサージング、ドローセゾナ
ンスが起こることなく、冷却ロールからの離ロール性に
優れ、良好に基材上に積層ができた。この積層体を発泡
倍率12倍のポリスチレンペーパーおよびポリスチレン
シートとをシール温度130〜150℃でヒートシール
を行った。このヒートシール物を幅15mmの短冊状に
サンプリングし、90度剥離試験を行った。その時の接
着強度を表に示す。
【0043】<実施例2>実施例1において石油樹脂の
配合比を50wt%にしたところ、得られた接着性樹脂
組成物のMIは49g/10min.であった。この接
着性樹脂組成物をマスターバッチとして、低密度ポリエ
チレン(d=0.919g/cm3、MI=5)に配合
比40wt%で添加した。結果的に石油樹脂の濃度は2
0wt%である。この時の接着性樹脂組成物のMIは1
4g/10minであった。この接着性樹脂組成物も加
工性は優れるものである。実施例1と同様に、ポリスチ
レンペーパー、ポリスチレンシートとの接着強度を表に
示す。
【0044】<実施例3>実施例2の構成に、この接着
性樹脂組成物と非相溶性のポリスチレンを、接着性樹脂
組成物100重量部に対しポリスチレンを20重量部添
加した(結果として、低密度ポリエチレン52wt%、
エチレンーαオレフィン共重合体16wt%、ポリスチ
レン16wt%、石油樹脂16wt%)。この構成にお
けるMIは10〜16g/10min.の範囲であっ
た。あらかじめ、実施例2における接着性樹脂組成物と
ポリスチレンの、温度300℃、せん断速度10(1/
sec)における溶融粘度比ηを測定したところ、η=
0.8であった。この接着性樹脂組成物も加工性に優れ
るものである。実施例1、2と共にポリスチレンペーパ
ー、ポリスチレンシートとの接着強度を表に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1の結果から分るように、実施例1〜3
に示す接着性樹脂組成物は、石油樹脂の添加量および接
着性樹脂組成物のMIをコントロールすることで高温加
工性、加工安定性を兼ね備えているだけでなく、ポリス
チレンペーパーやポリスチレンシートとの接着性も極め
て良好である。また、実施例1および2の結果から、石
油樹脂の添加量を増加させることで、ポリスチレンペー
パーやポリスチレンシートの接着強度を向上させること
が可能であることが分かるが、実施例3のように、接着
性樹脂組成物と完全非相溶であるポリスチレンを配合す
ることで、実際の石油樹脂の含有量は、実施例2よりも
少ないが、接着強度は実施例2のものより向上させるこ
とが可能であることが分かる。石油系樹脂は、その価
格、食品物に対する衛生性、加工性などの点を考慮する
と、できるだけ添加量を抑えたいのが現状であるが、実
施例3のような、接着性樹脂組成物と非相溶系で値段も
安価なポリスチレンを添加することで、少ない石油系樹
脂の添加量でも、ポリスチレンペーパーやポリスチレン
シートと十分接着強度が得られていることが分かる。
【0047】
【発明の効果】本発明により、高温加工性に優れ、ポリ
スチレンペーパーやポリスチレンシートとの接着性が極
めて良好な接着性を有し、またポリスチレンのような極
性基、反応性官能基を構造上に持たない樹脂に対しても
良好な接着性を有する接着性樹脂組成物を提供できる。
食品包装分野において、例えばカップもしくはトレー容
器の蓋材のシーラントとしての用途等に幅広い活用が期
待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 徳政 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンーαオレフィン共重合体50〜9
    9wt%と水素添加された石油樹脂1〜50wt%から
    なる樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K7
    210に準ずる190℃、2160g荷重におけるMI
    が0.1〜70であることを特徴とする接着性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の接着性樹脂組成物5〜99
    wt%に対し、低密度ポリエチレン樹脂1〜95wt%
    配合された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS
    K7210に準ずる190℃、2160g荷重におけ
    るMIが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の接着性樹脂組成物
    100重量部に対し、該接着性樹脂組成物と完全非相溶
    もしくは部分非相溶の高分子化合物1〜50重量部配合
    された樹脂組成物であって、該樹脂組成物のJIS K
    7210に準ずる190℃、2160g荷重におけるM
    Iが0.1〜40であることを特徴とする接着性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の接着性樹脂組成物
    の溶融粘度とこれらに配合する前記高分子化合物の溶融
    粘度との比であるηの値が、温度190〜300℃、せ
    ん断速度10n (1/sec)(0≦n≦2)の条件
    で、下記式1を満たすことを特徴とする請求項3記載の
    接着性樹脂組成物。 【数1】 式1(ただし、η=ηa/ηb、ηaは前記高分子化合
    物の溶融粘度を表わし、ηbは前記接着性樹脂組成物の
    溶融粘度を表わす。)
  5. 【請求項5】前記エチレンーαオレフィン共重合体が、
    シングルサイト触媒により合成されたことを特徴とする
    請求項1乃至4記載の何れかの接着性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記エチレンーαオレフィン共重合体が、
    ブテンー1、ヘキセンー1、オクテンー1、4−メチル
    ーペンテンー1から選択されるコモノマーとエチレンと
    の共重合物であることを特徴とする請求項1乃至5記載
    の何れかの接着性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記エチレンーαオレフィン共重合体の密
    度が0.860〜0.925g/cm3 であることを特
    徴とする請求項1乃至6記載の何れかの接着性樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】前記石油樹脂が、脂環族系石油樹脂である
    ことを特徴とする請求項1乃至7記載の何れかの接着性
    樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記石油樹脂の軟化点温度が、70〜15
    0℃であることを特徴とする請求項1乃至8記載の何れ
    かの接着性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記石油樹脂の水素添加の割合が、10
    〜100%であることを特徴とする請求項1乃至9記載
    の何れかの接着性樹脂組成物。
JP13883898A 1998-05-20 1998-05-20 接着性樹脂組成物 Pending JPH11323038A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020046388A (ko) * 2000-12-13 2002-06-21 유현식 압출코팅용 고접착성 수지 조성물
JP2014061672A (ja) * 2012-09-24 2014-04-10 Toray Ind Inc 積層シート
KR20140082579A (ko) * 2012-12-24 2014-07-02 주식회사 엘지화학 봉지재, 봉지재용 수지 조성물 및 광전자 장치
KR102101469B1 (ko) * 2018-10-08 2020-04-16 한국생산기술연구원 폴리에틸렌을 포함하는 핫멜트 조성물

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