JP2843359B2 - ヒートシール可能な容器蓋材 - Google Patents

ヒートシール可能な容器蓋材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、容器蓋材、特に、ポリエステル系の樹脂を
含有する容器の口部をシールするヒートシール可能な容
器蓋材に関する。
〔従来の技術〕 近年、プラスチック容器はガラス瓶、缶などに比べ、
軽くて丈夫で輸送・保管に便利でコストが安価なためそ
の需要は益々拡大している。
このようなプラスチック容器の中で、特に食品用の容
器としては、その安全性、衛生性の観点からポリエチレ
ンテレフタレート(PET)等のポリエステル系の樹脂を
含有する容器が多く用いられている。
この場合、ポリエステル系の樹脂を含有する容器口部
の密封は、通常、スクリューキャップ等によるカシメ方
式によって行われているのが一般的であり、ヒートシー
ル蓋材により容器口部がヒートシールされたものはほと
んどない。これは主としてポリエステル系の樹脂を含有
する容器では適度なピール性(開封性)を保証したヒー
トシールができないからである。
〔発明が解決しようとする課題〕 ポリエステル系の樹脂を含有する容器をブロー成形し
たものについては、容器蓋材を用いてヒートシールでき
なくとも上記カシメ方式による口部の密封は可能であ
る。
しかしながら、例えば、フィルムから真空成形によっ
て深絞りされた容器については、その需要があるにもか
かわらず上記カシメ方式による口部の密封は不可能とも
いえる。
また、特にアルコール飲料水などのように香気を有す
る食品を密封しておくには、耐アルコールバリアーの蓋
材特性が要求される。
このような実情に鑑み、本発明は、上記の問題点を解
消し、ポリエステル系の樹脂を含有する容器の口部開口
端をヒートシールするに、適度なピール性を保証しつつ
ヒートシールでき、しかも、保香性を満足させるバリア
ー性を有する蓋材を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため本発明は、ポリエステル系の
樹脂を含有する容器口部をシールする容器蓋材であり、
当該容器蓋材は、耐熱性樹脂層の上にアルミニウムを含
有する第一層を有し、この第一層の上にポリエステル系
の樹脂を含有する第二層を有し、この第二層の上にエチ
レン酢酸ビニル共重合体を5〜50wt%含有する厚さ40〜
100μmのイージーオープン材層を有する積層体である
ように構成する。
〔作用〕
本発明の容器蓋材は、耐熱性樹脂層の上にアルミニウ
ムを含有する第一層を有し、この第一層の上にポリエス
テル系の樹脂を含有する第二層を有し、この第二層の上
にエチレン酢酸ビニル共重合体を含有するイージーオー
プン材層を有する積層体構造としているので、密封対象
となる容器口部がポリエステル系の樹脂を含有する素材
からなっていても、当該容器の口部開口端を適度なピー
ル性を保証しつつヒートシールでき、しかも、保香性を
満足させるバリアー性をも有する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図および第2図に基づい
て具体的に説明する。
第1図は本発明のヒートシール可能な容器蓋材1の断
面図を示したものである。
当該蓋材1は、第1図に示されるように耐熱性樹脂層
2の上にアルミニウムを含有する第一層3を有し、この
第一層3の上にポリエステル系の樹脂を含む第二層4を
有し、この第二層4の上にエチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)を含むイージーオープン材層5を有する積層体
である。
そして、通常、前記耐熱性樹脂層2と第一層3、第一
層3と第二層4、第二層4とイージーオープン材層5と
の間にはそれぞれドライラミネート剤(図示しない)が
介在される。
このような蓋材1を構成する耐熱性樹脂層2としては
例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、芳香族ポリエステル、ポリアミド等の樹脂フィルム
が用いられる。このような耐熱性が要求される理由は、
蓋材1がヒートシールされる時に熱板が直接この耐熱性
樹脂層2に当接されるからである。また、この耐熱性樹
脂層2は、その表面に所定の文字等を印刷でき、さらに
は後述する第一層3を保護する機能をも果たしている。
このような耐熱性樹脂層2の厚さは、通常、9〜100
μm程度とされる。
このような耐熱性樹脂層2の上にはドライラミネート
剤(図示しない)を介して第一層3が設層される。
この第一層3はアルミニウムを含有しており、通常、
厚さ7〜50μm程度アルミニウム箔が用いられる。この
ようにアルミニウムを含有する第一層3は、主にガス遮
断性、光遮断性の機能を持たせるために設けられる。
このような第一層3の上にはドライラミネート剤(図
示しない)を介して第二層4が設層される。
この第二層4はポリエステル系の樹脂を含有してお
り、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、コポリエステル等の樹脂フィルムが
用いられる。
この第二層4の厚さは、通常、9〜30μm程度とさ
れ、このものは主にアルコール等の香味を遮蔽する機能
およびヒートシール時のショックを緩和するクッション
機能を有する。
このような第二層4の上にはドライラミネート剤(図
示しない)を介してイージーオープン材層5が設層され
る。
このイージーオープン材層5はエチレン酢酸ビニル共
重合体(EVA)を含有するフィルム状のものであり、そ
のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の含有量は、5
〜100wt%、特に5〜50%が好ましい。この含有量が上
記範囲を外れると好適なシール性が安定して得られな
い。
このようなイージーオープン材層5の厚さは、20〜10
0μm、特に40〜80μmとされ、この厚さが20μm未満
となると必要なシール強度が得られず、一方、この値が
100μmを越えるとイージーオープン材層5が溶けて、
容器と溶着するまでに、温度、圧力を上げる必要が出る
ため、アルミニウムのピンホール等他の層に損傷を与え
るという不都合が生じる。
このイージーオープン材層5は、ポリエステル系の樹
脂を含有する、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート、コポリエステル等
の容器10(第2図)の口部の端面に当接し密着・ヒート
シールされる。すなわち、本発明の容器蓋材1が被せら
れヒートシールされる対象容器10(第2図)は、ポリエ
ステル系の樹脂を含有する容器が対象となる。
なお、第1図に示される積層構成に加え、さらに用途
に応じて適宜、種々の中間層を介在させてもよいことは
勿論である。
上述してきた蓋材1の用途について、第2図に基づい
て以下簡単に説明する。
平坦なシート状の蓋材1は、例えば、円筒状の容器10
の口部10aの上端面と当接するように載置される。
しかる後、蓋材1の上面(耐熱性樹脂層2側)に図示
しない熱板が押圧され、蓋材1のイージーオープン材層
5は容器10の口部にシートシール(融着)される。これ
により、容器10の内容物は密封される。
次に、以下の実験列を基に上述してきた本発明をさら
に詳細に説明する。
実験例1 以下の積層体からなるヒートシール可能な蓋材1を作
成した。
サンプル1(本発明) 耐熱性樹脂層 ポリエチレンテレフタレート(PET) フィルム 12μm (商品名;T−4100、東洋紡績社製) 第一層 アルミニウム箔 9μm (汎用品) 第二層 ポリエチレンテレフタレート(PET) フィルム 12μm (商品名;T−4200、東洋紡績社製) イージーオープン材層 エチレン酢酸ビニル共重合体 含有フィルム 50μm (商品名;7601B−1、東レ合成社製) なお、上記各層間はそれぞれドライラミネート剤(商
品名;AD808T,東洋モートン社製)で接着した。
サンプル2 サンプル1のイージーオープン材層をポリエチレン樹
脂とポリプロピレン樹脂をブレンドして製膜したフィル
ムに換えた。それ以外はサンプル1の場合と同様にし
た。
サンプル3 サンプル1の第二層を設けなかった。それ以外はサン
プル1の場合と同様にした。
以上の3種の蓋材サンプルを用いてポリエチレンテレ
フタレート容器10の口部10aを実際にヒートシールし
(ヒートシールテスト)、その後蓋材1の剥離性を確認
した(ピールテスト)。
これらの各サンプルのテスト結果は次のようであっ
た。
すなわち、サンプル1は、ヒートシール性、ピール性
ともに良好であった。これに対し、サンプル2は接着
(溶着)が完全にできず、内容物(水)の漏洩が生じ
た。
また、サンプル3はクッション性が少ないためヒート
シールがあり、ピール時にアルミニウムの根切れが生じ
る結果となった。
なお、サンプル数は、一つのサンプルにつき50個とし
た。
〔発明の効果〕
以上の結果より本発明の効果は明らかである。すなわ
ち、本発明の容器蓋材は、耐熱性樹脂層の上にアルミニ
ウムを含有する第一層を有し、この第一層の上にポリエ
ステル系の樹脂を含む第二層を有し、この第二層の上に
エチレン酢酸ビニル共重合体を含むイージーオープン材
層を有する積層体構造にしているので、密封対象となる
容器口部がポリエステル系の樹脂を含有する素材からな
っていても、当該容器の口部開口端を適度なピール性を
保証しつつヒートシールでき、しかも、保香性を満足さ
せるバリアー性をも有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のヒートシール可能な容器蓋材の断面
図、第2図は本発明の容器蓋材を容器口部に密着・ヒー
トシールした断面図である。 1……容器蓋材、2……耐熱性樹脂層、3……第一層、
4……第二層、5……イージーオープン材層、10……容
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−176527(JP,U) 実公 昭61−2040(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08 B65D 65/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル系の樹脂を含有する容器口部
    をシールする容器蓋材であり、当該容器蓋材は、耐熱性
    樹脂層の上にアルミニウムを含有する第一層を有し、こ
    の第一層の上にポリエステル系の樹脂を含有する第二層
    を有し、この第二層の上にエチレン酢酸ビニル共重合体
    を5〜50wt%含有する厚さ40〜100μmのイージーオー
    プン材層を有する積層体であることを特徴とするヒート
    シール可能な容器蓋材。
JP13556989A 1989-05-29 1989-05-29 ヒートシール可能な容器蓋材 Expired - Lifetime JP2843359B2 (ja)

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