JP2841963B2 - 原子炉構造物の残留応力改善方法及びその残留応力改善装置 - Google Patents

原子炉構造物の残留応力改善方法及びその残留応力改善装置

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JP2841963B2
JP2841963B2 JP24167891A JP24167891A JP2841963B2 JP 2841963 B2 JP2841963 B2 JP 2841963B2 JP 24167891 A JP24167891 A JP 24167891A JP 24167891 A JP24167891 A JP 24167891A JP 2841963 B2 JP2841963 B2 JP 2841963B2
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正廣 大高
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    • Y02P10/20Recycling

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉構造物の残留応
力改善方法及びその残留応力改善装置に係り、特に、既
設の沸騰水型原子炉における構造物の残留応力を改善す
るのに好適な原子炉構造物の残留応力改善方法及びその
残留応力改善装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイトステンレス鋼等の金属材
料は高温水中に置かれた場合その溶接部またはその近傍
において応力腐食割れ(以下、IGSCCと略す)が発
生することは、一般的に知られている。IGSCCは発
生要因として材料,応力,環境の因子が重畳した条件下
で生ずるとされている。材料因子としてはCr炭化物が
結晶粒界へ析出してその周囲に耐食性の劣るCr欠乏層
が形成されることに因る鋭敏化、応力因子としては溶接
や加工によって材料内部に残留する引張残留応力、環境
因子としては高温水中の溶存酸素量などが挙げられる。
IGSCCはこれらの3因子が重畳した条件下で発生す
ることから、これらの3因子の中から1つの因子を取り
除くことにより防止することが可能である。
【0003】残留応力改善手段として特開昭62−63614
号公報に記載されている従来技術は、残留応力改善対象
物である熱交換器等の管の内部に高圧液体ジェットを噴
出する回転ノズル部を有する高圧水ショットピーニング
装置を挿入し、ジェットそのものの軸動圧エネルギー
(ジェット噴流の軸方向動圧エネルギー)で前記管内面
をピーニングすることにより、前記管に元々存在してい
た引張残留応力を圧縮残留応力に転化するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、熱交
換器等の管内面の残留応力を改善する方法として有効な
方法ではあるが、この方法は大気中にてノズルから噴出
する液体ジェットを金属部材の表面に当て、この衝撃エ
ネルギーで前記金属表面をピーニングするものであり、
この技術は大気中でウォータージェットの軸動圧を利用
したものであってウォータージェットの噴出圧力のみに
頼った方法であるため、例えば水中でこの技術を利用し
た場合には、周囲水の抵抗があること、ウォータージェ
ットが周囲水と同相であるため拡散が速いこと等のため
噴流軸動圧力は減衰し、ピーニング効果を有効に得るこ
とは難しい。大気中での噴流と同等の軸動圧を得るに
は、超高圧でのウォータージェット噴出が必要となり、
超高圧に耐えるポンプが必要となる。また、上記大気中
雰囲気施工による従来技術を原子炉圧力容器内部構造物
の残留応力改善に利用する場合、原子炉圧力容器内の炉
水位を残留応力改善対象となる原子炉圧力容器内部構造
物以下に下げる必要がある。炉水位の低下は、周囲放射
線量率の上昇につながり、作業者の被爆低減上好ましい
とは、言えない。
【0005】本発明の第1の目的は、原子炉の構造物
面の残留応力を改善でき、かつ作業員の被爆線量を低減
できる原子炉構造物の残留応力改善方法を提供すること
にある。
【0006】本発明の第2の目的は、原子炉の構造物で
あるシュラウド又はシュラウドサポート表面の残留応力
を容易に改善でき、かつ作業員の被爆線量を低減できる
原子炉構造物の残留応力改善方法を提供することにあ
る。
【0007】本発明の第3の目的は、原子炉の構造物の
表面における任意の場所の残留応力を改善でき、かつ作
業員の被爆線量を低減できる原子炉構造物の残留応力改
善装置を提供することにある。
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
る請求項1の発明の特徴は、水流を噴射する水流噴射
段を原子炉容器内に充填された炉水の中に浸漬させ、原
子炉の構造物の前記炉水と接触している部分に、前記水
流噴射手段から噴射された水流を当てることにより、水
流中のキャビティが崩壊する際に生じる高い圧力を利用
して前記部分の残留応力を改善することにある。
【0010】第2の目的を達成する請求項2の発明の特
徴は、原子炉容器から蒸気乾燥器,気水分離器,シュラ
ウドヘッド及び燃料集合体を取り外し、その後、水流を
噴射する水流噴射手段を原子炉容器内に充填された炉水
の中に浸漬させ、シュラウド又はシュラウドサポートの
表面に、前記水流噴射手段から噴射された水流を当てる
ことにより、水流中のキャビティが崩壊する際に生じる
高い圧力を利用して前記シュラウド又はシュラウドサポ
ートの表面の残留応力を改善することにある。
【0011】第3の目的を達成する請求項3の発明の特
徴は、原子炉容器より上方に配備され該原子炉容器の周
方向に移動可能な周方向移動台車と、該周方向移動台車
の上面に設けられ前記原子炉容器の径方向に移動可能
径方向移動台車と、該径方向移動台車に吊設され上下方
向に移動可能なマストと、該マストの下部に取り付けら
原子炉容器内に充填された炉水中で水流を噴射する水
流噴射手段とを備え、該水流噴射手段が、原子炉構造物
の炉水と接触している部分に前記水流を当てることによ
り、水流中のキャビティが崩壊する際に生じる高い圧力
を利用して前記部分の残留応力を改善することにある。
【0012】
【0013】
【作用】請求項1の発明によれば、原子炉の構造物の炉
水と接触している部分に水流噴射手段から噴射された水
流を当てることにより、水流中のキャビティが崩壊する
際に生じる高い圧力を利用して原子炉の構造物の残留応
力を引張残留応力から圧縮残留応力に改善でき、原子炉
の構造物における応力腐食割れの発生を抑制できる。ま
た、原子炉容器内に炉水を充填しているので、炉水によ
る放射線遮蔽効果により、作業員の被爆線量を著しく低
減できる。
【0014】請求項2の発明によれば、シュラウド又は
シュラウドサポート表面に水流噴射手段から噴射された
水流を当てることにより、水流中のキャビティが崩壊す
る際に生じる高い圧力を利用してシュラウド又はシュラ
ウドサポート表面の残留応力を引張残留応力から圧縮残
留応力に改善でき、シュラウド又はシュラウドサポート
における応力腐食割れの発生を抑制できる。この際、予
め原子炉容器から蒸気乾燥器,気水分離器,シュラウド
ヘッド及び燃料集合体を取り外しているので、上記残留
応力の改善処理が容易に行える。また、原子炉容器内に
炉水を充填しているので、炉水による放射線遮蔽効果に
より、作業員の被爆線量を著しく低減できる。
【0015】請求項3の発明によれば、原子炉容器の周
方向に移動可能な周方向移動台車、原子炉容器の径方向
に移動可能な径方向移動台車、及び上下方向に移動可能
なマストを用いて水流噴射手段を原子炉容器内の任意の
場所に移動できるので、原子炉構造物の表面における任
意の場所に水流噴射手段から噴射された水流を当てるこ
とにより、水流中のキャビティが崩壊する際に生じる高
い圧力を利用して任意の場所の残留応力を引張残留応力
から圧縮残留応力に改善でき、任意の場所の応力腐食割
れの発生を抑制できる。また、原子炉容器内に炉水が充
填された状態で水流噴射手段が水流を噴射するので、炉
水による放射線遮蔽効果により、作業員の被爆線量を著
しく低減できる。
【0016】
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1〜図6により
説明する。図1は、本実施例で用いる原子炉炉内構造物
残留応力改善用ウォータージェットピーニング装置の装
置全体構成図の一例を示す。本実施例は、シュラウド5
の外面よりウォータージェットピーニングを行なう場合
であり、同図では、原子炉圧力容器1を断面とし、本実
施例の原子炉炉内構造物残留応力改善用ウォータージェ
ットピーニング装置に直接関係のある原子炉内部機器の
上部格子板3,炉心支持板4,給水スパージャ20,炉
心スプレイ配管21,ジェットポンプ22,シュラウド
サポートレグ18,シュラウドサポートプレート23の
みを示したものである。即ち、その他の原子炉内部機器
である蒸気乾燥機,気水分離,シュラウドヘッド,燃
料集合体等は取り除いている。原子炉炉内構造物残留応
力改善用ウォータージェットピーニング装置は、ウォー
タージェット噴出ヘッド6を保持する下部マスト7、該
下部マスト7を上下移動させる下部駆動装置8、該下部
駆動装置8を保持する上部マスト9、該上部マスト9を
上下移動させる上部駆動装置11,原子炉圧力容器フラ
ンジ2上に設置しウォータージェット噴出ヘッド6,下
部マスト7,下部駆動装置8,上部マスト9及び上部駆
動装置11より構成されるウォータージェットピーニン
グ装置本体を原子炉圧力容器周方向及び径方向に移動さ
せるサービスプラットホーム10,ウォータージェット
ピーニングの施工条件である高圧水圧力、ウォータージ
ェット噴出ヘッド6の移動速度、ウォータージェット噴
出ヘッド6とピーニング対象物間距離等を制御する制御
装置14、本図には、図示しない残留応力測定ヘッドよ
りの残留応力測定データを記録するデータ収録装置1
5,高圧水供給用高圧ポンプ19,制御信号ケーブル1
3,17,高圧水ホース12、及び操作板16より構成
される。制御装置14,データ収録装置15及び操作盤
16は、原子炉ウエル上のサービスフロアに設置し遠隔
にて操作する。また、高圧水供給用高圧ポンプ19は、
原子炉建屋外に設置し高圧水ホース12を介し前記ウォ
ータージェットピーニング装置本体に高圧水を供給す
る。図1に示す例は、シュラウド5の外面にウォーター
ジェットピーニングを行なう例であるが、下部マスト7
を下降することによりシュラウドサポートプレート23
にも適用できる。
【0018】図2は、シュラウド5の内面よりウォータ
ージェットピーニングを行なう場合であり、同図では、
原子炉圧力容器1,シュラウド5,シュラウドサポート
レグ18,シュラウドサポートプレート23を断面と
し、本実施例の原子炉炉内構造物残留応力改善用ウォー
タージェットピーニング装置に直接関係のある原子炉内
部機器の上部格子板3,炉心支持板4のみを示したもの
である。即ち、その他の原子炉内部機器である蒸気乾燥
機,気水分離,シュラウドヘッド,燃料集合体等は
り除いている。原子炉炉内構造物残留応力改善用ウォー
タージェットピーニング装置の基本構成は、図1に示す
シュラウド5の外面よりウォータージェットピーニング
を行なう場合と同一である。本例の場合、上部マスト9
は原子炉圧力容器1及びシュラウド5の中心位置となる
ようにサービスプラットホーム10の位置を調整し、上
部マスト9にピン24にて接続される下部マスト7及び
下部マスト7に取付けられたウォータージェット噴出ヘ
ッド6は複数個より構成され、前記ピン24が上部格子
板3を通過後図示のように上部マスト9の中心軸に対し
直角に成るように開かれる。炉心支持板4と上部格子板
3の間に位置するシュラウド5の内面のウォータージェ
ットピーニング施工は、上部駆動機構11により上部マ
スト9を上下に移動しながら、サービスプラットホーム
10を回転させることにより行なう。炉心支持板4より
下方のウォータージェットピーニング施工は、ピン24
が炉心支持板4通過後に前述と同様に下部マスト7を開
くことにより、前述と同様に施工を行なう事が出来る。
シュラウド5内面のウォータージェットピーニング施工
は、図2に示すような複数個の下部マスト7及びウォー
タージェット噴出ヘッド6を有する装置を使用すること
により作業時間の短縮が計れる。また、シュラウド5内
面の施工は、図1に示す装置を使用しても施工は可能で
あり、シュラウド5の下方に位置するシュラウドサポー
トレグ18は、図1に示すような装置を使用して施工す
る。何れにおいても、ウォータージェットピーニング施
工は、遠隔操作にてしかも原子炉圧力容器1内の炉水を
原子炉圧力容器フランジ2下に保持した状態で行なう事
が出来、作業者の被爆低減上有利である。
【0019】図3及び図4はウォータージェット噴出ヘ
ッド6をウォータージェット噴出ノズル25の噴出口側
より見た外面図である。図3に示す例は、直方体形状の
ウォータージェット噴出ヘッド6に2ケのウォータージ
ェット噴出ノズル25を設け、さらに残留応力測定器
(例えばX線回析残留応力測定装置)26及び位置セン
サ27を設けた例である。図4に示す例は、円筒形形状
のウォータージェット噴出ヘッド6に5ケのウォーター
ジェット噴出ノズル25を設け、さらに残留応力測定器
26及び位置センサ27を設けた例である。いずれの場
合も、ウォータージェット噴出ノズル25を複数個設け
ることにより、一度のウォータージェットピーニング施
工で広範囲の残留応力改善領域を得ることを計ったもの
である。ウォータージェット噴出ヘッド6に設けた位置
センサ27よりの測定データによりウォータージェット
ピーニング施工時にピーニング対象物とウォータージェ
ット噴出ノズル25の間隔を残留応力改善効果上最適な
位置に成るように制御する。また、ウォータージェット
ピーニング施工前後の残留応力は、ウォータージェット
噴出ヘッド6に設けた残留応力測定機26により測定す
ることが出来、ウォータージェットピーニング施工と同
時に残留応力改善状況を知ることが出来る。図3及び図
4に示すウォータージェット噴出ヘッド6は、残留応力
測定器26及び位置センサ27を設けた例であるが、最
小限必要となるのは、ウォータージェット噴出ノズル2
5でありウォータージェット噴出ヘッド6の小型化を計
る場合これらを削除することも可能である。狭隘部への
適用を考慮すると装置の小型化も重要である。
【0020】図5及び図6はサービスプラットホーム1
0の構成を示す外形図である。サービスプラットホーム
10は周方向軌道28,周方向移動台車29,径方向軌
道30,径方向移動台車31及び車輪32により構成さ
れる。ウォータージェットピーニング装置本体は原子炉
圧力容器フランジ2上に設置された周方向軌道28、該
周方向軌道28上に車輪32を介し設置された周方向移
動台車29により周方向移動Aが可能となる。また、周
方向移動台車29上に設置された径方向軌道30、該径
方向軌道30上に車輪32を介し設置された径方向移動
台車31により径方向移動Bが可能となる。周方向移動
Aと径方向移動Bを組み合わせることにより任意の位置
に設定することが、可能となる。図1,図5及び図6に
示すようにシュラウド5の外面よりウォータージェット
ピーニングを行なう場合、給水スパージャ20,炉心ス
プレイ配管21,ジェットポンプ22,シュラウドヘッ
ドボルト用ラグ32等の炉内の各機器を避けながらウォ
ータージェットピーニング施工対象箇所に接近する必要
がある。
【0021】以上述べた本実施例は、原子炉圧力容器1
内に充填された炉水中にウォータジェット噴出ヘッド6
を浸漬した状態で、このウォータジェット噴出ヘッド6
のウォータジェット噴出ノズル25を、対象の構造物で
あるシュラウド5の内面(または外面)に向け、キャビ
テーション現象を誘発させる高圧の水流をウォータジェ
ット噴出ノズル25から噴出する。この水流は、シュラ
ウド5の内面(または 外面)に当り、この部分での残留
応力が引っ張り残留応力から圧縮残留応力に改善され
る。従って、シュラウド5における応力腐食割れの発生
を抑制できる。また、残留応力改善作業を行うに際し
て、原子炉圧力容器1内に水を充填しているので、水に
よる放射線遮蔽効果により、作業員の被爆線量を著しく
低減できる。なお、原子炉圧力容器1内にはもともと炉
水が充填されているので、本実施例の残留応力改善作業
を行なうに際して、原子炉圧力容器1内に注入する水の
量は少なくてすむ。このため、原子炉圧力容器1内への
水の充填に要する時間が短く、それだけ早く残留応力改
善作業に着手できる。
【0022】更に、本実施例は、原子炉圧力容器1内に
設けられた一部の構造物である蒸気乾燥機,気水分離
気,シュラウドヘッド,燃料集合体等を原子炉圧力容器
1外に取り出した後に、ウォータジェット噴出ヘッド6
を残留応力改善の対象であるシュラウド5近傍まで移動
させて、キャビテーション現象を誘発させる水流を、シ
ュラウド5に当てる。ウォータジェット噴出ヘッド6の
シュラウド5付近への移動を妨げる障害物である、蒸気
乾燥機,気水分離気,シュラウドヘッド,燃料集合体等
を取り除いているので、ウォータジェット噴出ヘッド6
を原子炉圧力容器1内においてシュラウド5付近まで容
易に移動できる。このため、ウォータジェット噴出ノズ
ル25から噴出された水流をシュラウド5に容易に当て
ることができ、シュラウド5への残留応力の付与が容易
に行える。
【0023】本実施例は、サービスプラットフォーム1
0及び上部マスト9等を備え、上部マスト9の下部に設
けられた下部マスト7の先端部にウォータジェット噴出
ヘッド6を設けているので、ウォータジェット噴出ノズ
ル25を、原子炉圧力容器1内で任意の場所に移動でき
る。このため、原子炉の構造物の表面における任意の場
所に圧縮残留応力を付与できる。
【0024】本実施例は、ウォータジェット噴出ヘッド
6に残留応力測定器26を設けているので、ウォータジ
ェット噴出ノズル25と共に残留応力測定器26を移動
できる。このため、ウォータジェット噴出ノズル25か
ら噴出した水流によりシュラ ウド5に圧縮残留応力を付
与した後、残留応力測定器26を用いて、請求項3の発
明による上記作用を生じると共に、マストの下部に取り
付けられた残留応力測定手段により、シュラウド5の表
面における圧縮残留応力を付与した部分の圧縮残留応力
を測定できる。
【0025】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、原子炉の構造
物の炉水と接触している部分の残留応力を引張残留応力
から圧縮残留応力に改善でき応力腐食割れの発生を抑
制できる。また、原子炉容器内に炉水を充填しているの
で、作業員の被爆線量を著しく低減できる。
【0026】請求項2の発明によれば、シュラウド又は
シュラウドサポート表面の残留応力を引張残留応力から
圧縮残留応力に改善でき、応力腐食割れの発生を抑制で
きる。この際、予め原子炉容器から蒸気乾燥器,気水分
離器,シュラウドヘッド及び燃料集合体を取り外してい
るので、上記残留応力の改善処理が容易に行える。ま
た、原子炉容器内に炉水を充填しているので、作業員の
被爆線量を著しく低減できる。
【0027】請求項3の発明によれば、水流噴射手段を
原子炉構造物の表面における任意の場所に移動させて水
流を当てることにより、任意の場所の残留応力を引張残
留応力から圧縮残留応力に改善でき、応力腐食割れの発
生を抑制できる。また、原子炉容器内に炉水が充填され
た状態で水流噴射手段が水流を噴射するので、作業員の
被爆線量を著しく低減できる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による原子炉炉内構造物残留
応力改善用ウォータージェットピーニング装置の全体構
成を示す図。
【図2】本発明の一実施例によるシュラウド内面を対象
にしたウォータージェットピーニングの実施状況を示す
図。
【図3】本発明の一実施例によるウォータージェット噴
出ヘッドの高圧水噴出口側より見た外形図。
【図4】本発明の一実施例によるウォータージェット噴
出ヘッドの高圧水噴出口側より見た外形図。
【図5】本発明の一実施例による原子炉炉内構造物残留
応力改善用ウォータージェットピーニング装置のサービ
スプラットホームの側面図。
【図6】本発明の一実施例による原子炉炉内構造物残留
応力改善用ウォータージェットピーニング装置のサービ
スプラットホームを上面より見た図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…原子炉圧力容器フランジ、3
…上部格子板、4…炉心支持板、5…シュラウド、6…
ウォータージェット噴出ヘッド、7…下部マスト、8…
下部駆動装置、9…上部マスト、10…サービスプラッ
トホーム、11…上部駆動装置、12…高圧ホース、1
3…制御信号ケーブル、14…制御装置、15…データ
収録装置、16…操作盤、17…制御信号ケーブル、1
8…シュラウドサポート、19…高圧水供給用高圧ポン
プ、20…給水スパージャ、21…炉心スプレイ配管、
22…ジェットポンプ、23…シュラウドサポートプレ
ート、24…ピン、25…ウォータージェット噴出ノズ
ル、26…残留応力測定器、27…位置センサ、28…
周方向軌道、29…周方向移動台車、30…径方向軌
道、31…径方向移動台車、32…車輪、33…シュラ
ウドヘッドボルト用ラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 康方 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 斉藤 英世 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 昭62−63614(JP,A) 特開 昭59−77391(JP,A) 特開 昭54−66562(JP,A) 特開 昭58−204397JP,A) 特開 昭62−46251(JP,A) 高橋ら”超音波キャビテーションの加 工および表面処理への応用”,日本機械 学会論文集(A編)53巻485号(昭62− 1)P.46〜54 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 7/06 B24C 1/10 G21D 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水流を噴射する水流噴射手段を原子炉容器
    内に充填された炉水の中に浸漬させ、原子炉の構造物の
    前記炉水と接触している部分に、前記水流噴射手段から
    噴射された水流を当てることにより、水流中のキャビテ
    ィが崩壊する際に生じる高い圧力を利用して前記部分の
    残留応力を改善することを特徴とする原子炉構造物の残
    留応力改善方法。
  2. 【請求項2】原子炉容器から蒸気乾燥器,気水分離器,
    シュラウドヘッド及び燃料集合体を取り外し、その後、
    水流を噴射する水流噴射手段を原子炉容器内に充填され
    炉水の中に浸漬させ、シュラウド又はシュラウドサポ
    ートの表面に、前記水流噴射手段から噴射された水流
    当てることにより、水流中のキャビティが崩壊する際に
    生じる高い圧力を利用して前記シュラウド又はシュラウ
    ドサポートの表面の残留応力を改善することを特徴とす
    原子炉構造物の残留応力改善方法。
  3. 【請求項3】原子炉容器より上方に配備され該原子炉容
    器の周方向に移動可能な周方向移動台車と、該周方向移
    動台車の上面に設けられ前記原子炉容器の径方向に移動
    可能な径方向移動台車と、該径方向移動台車に吊設され
    上下方向に移動可能なマストと、該マストの下部に取り
    付けられ原子炉容器内に充填された炉水中で水流を噴射
    する水流噴射手段とを備え、 該水流噴射手段が、原子炉構造物の炉水と接触している
    部分に前記水流を当てることにより、水流中のキャビテ
    ィが崩壊する際に生じる高い圧力を利用して前記部分の
    残留応力を改善する ことを特徴とする原子炉構造物の残
    留応力改善装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、更に前記マストの下部
    に取り付けられた残留応力測定手段を備えたことを特徴
    とする原子炉構造物の残留応力改善装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記マストは、前記径
    方向移動台車に吊設された上部マス トと、該上部マスト
    の下端部にその上端部が接続された下部マストとを備
    え、該下部マストは前記上部マストに接続された上端部
    を中心として上方に回転可能に構成されていることを特
    徴とする原子炉構造物の残留応力改善装置。
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