高温水は、原子炉、蒸気駆動タービン、または水脱気器などの多くの用途で、応力腐食割れ、腐食、侵食などを助長することによって、関連する構造物に悪い影響を与える場合がある。例えば、高温水は、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、ニッケル基合金、コバルト基合金、およびジルコニウム基合金などの材料での応力腐食割れ(SCC:stress corrosion cracking)を助長する場合がある。SCCは、合金、環境、および応力の特定の組合せで優先的に発生する場合がある。
当業者(PHOSITA:person having ordinary skill in the art)であれば理解するように、SCCは、亀裂先端における腐食と組み合わさって作用する静的または動的引張応力によって伝播する亀裂を含むことができる。これらの応力は、構成部品間の熱膨張または熱収縮の差、比較的高い運転圧力または変動する運転圧力、あるいは、構成部品またはシステムの製造および組立中に実施される様々なプロセスの結果として生じる、またはそれらが起因となる場合がある。例えば、冷間加工、研削、機械加工、および他の熱機械的金属処理の結果、しばしば残留応力が生じる。水の化学的性質、溶接、熱処理、および放射線もまた、金属または合金の構成部品のSCCへの感受性を高める場合がある。SCCは本質的に粒内型または粒界型とすることができる。
SCCは、酸素、高放射線束などの存在などの様々な条件下でより急速に発生する場合がある。加圧水型原子炉(PWR:pressurized water reactor)または沸騰水型原子炉(BWR:boiling water reactor)などの原子炉では、高放射線束が原子炉冷却材(水)の放射線分解を引き起こす場合がある。この分解によって、酸素、過酸化水素、短寿命ラジカル、および様々な酸化種が生成される場合がある。これらの放射線分解生成物は、配管、ポンプ、バルブ、タービンなどの様々なシステム構成部品においてSCCを促進する場合がある。BWRの運転温度および圧力は、約300℃および約10MPaで、PWRのそれらは、約325℃および約15MPaとなる場合がある。したがって、BWRおよびPWRの運転環境は、原子炉の構成部品にSCCの問題を生じさせる危険性を増加させる場合がある。
金属および合金のミクロ組織は、粒界によって分離された粒子を含む場合がある。粒界型応力腐食割れ(IGSCC:intergrannular stress corrosion cracking)は、粒子の嵩自体はほとんど影響を受けないまま、粒界に沿った、または隣接したより局所的なSCC腐食となる場合がある。IGSCCは、化学的偏析効果(例えば、粒界における不純物富化)または粒界に析出した特定の相に関連する場合がある。
照射誘起応力腐食割れ(IASCC:irradiation assisted stress corrosion cracking)は、照射によるSCCの加速(例えば、核変換によるミクロ組織変化、ミクロ化学変化、および組成変化を含むことができる照射誘起変化)を指すことができる。IASCCは、ベータ線、ガンマ線、中性子線、または他の粒子放射線(例えば、イオン)の影響により生じる場合がある。しかしながら、BWRおよびPWRに関しては、IASCCは主に中性子線に起因する。
IASCCの深刻な性質により、原子力規制委員会(NRC:the Nuclear Regulatory Commission)は、約10年間にわたる一連の研究を委託した。これらの研究から得られた報告書の一部は、NUREG/CR-5608、「Irradiation-Assisted Stress Corrosion Cracking of Model Austenitic Stainless Steels Irradiated in the Halden Reactor」、NUREG/CR-6892、「Fracture Toughness and Crack Growth Rates of Irradiated Austenitic Stainless Steels」、NUREG/CR-6687、「Irradiation-Assisted Stress Corrosion Cracking of Model Austenitic Stainless Steel Alloys」、NUREG/CR-6915、「Irradiation-Assisted Stress Corrosion Cracking of Austenitic Stainless Steels and Alloy 690 from Halden Phase-II Irradiations」、NUREG/CR-6960、「Crack Growth Rates and Fracture Toughness of Irradiated Austenitic Stainless Steels in BWR Environments」、およびNUREG/CR-7018、「Irradiation-Assisted Stress Corrosion Cracking of Austenitic Stainless Steels in BWR Environments」を含む。
図1は、従来技術のBWRにおける原子炉圧力容器(RPV:reactor pressure vessel)100の一部を切り欠いた断面図である。
BWRの運転中、RPV100内を循環する冷却水は、炉心102内で発生する核分裂により加熱することができる。給水は、給水入口104および給水スパージャ106(RPV100内に給水を周方向に分配するための開口を含むことができる環状の配管)を経てRPV100内に導入することができる。給水スパージャ106からの給水は、ダウンカマーアニュラス108(RPV100と炉心シュラウド110との間の環状領域)を通って下方に流れることができる。
炉心シュラウド110は、炉心102を取り囲むステンレス鋼のシリンダとすることができる。炉心102は、多数の燃料束集合体112(例えば、図1には2つの2×2アレイが示されている)を含むことができる。燃料束集合体112の各アレイは、上部で、または上部付近で上部ガイド114によって支持することができ、かつ/または、底部で、または底部付近で炉心板116によって支持することができる。上部ガイド114は、燃料束集合体112の上部を側方から支持することができ、かつ/または、制御棒が挿入できるように適正な燃料-チャネル間隔を維持することができる。
給水/冷却水は、ダウンカマーアニュラス108を通って下方に流れ、かつ/または炉心下部プレナム118に流入することができる。炉心下部プレナム118内の冷却水は、次いで、炉心102を通って上方に流れることができる。冷却水は、燃料集合体112に入ることができ、そこで、沸騰境界層を形成することができる。水と蒸気との混合物は、炉心102から出ることができ、かつ/または、シュラウドヘッド122の下の炉心上部プレナム120に入ることができる。炉心上部プレナム120は、炉心102から出る蒸気-水混合物とスタンドパイプ124に入る蒸気-水混合物との間を隔離することができる。スタンドパイプ124は、シュラウドヘッド122の上に配置することができ、かつ/または、炉心上部プレナム120と流体連通することができる。
蒸気-水混合物は、スタンドパイプ124を通って流れることができる、かつ/または、気水分離器126(例えば、軸流遠心型とすることができる)に入ることができる。気水分離器126は、蒸気-水混合物を実質的に液体の水と蒸気に分離することができる。分離された液体の水は、混合プレナム128内で給水と混合することができる。この混合物は、次いで、ダウンカマーアニュラス108を経て炉心102に戻ることができる。分離された蒸気は、蒸気乾燥器130を通過することができ、かつ/または蒸気ドーム132に入ることができる。乾燥された蒸気は、タービンおよび他の機器(図示せず)で使用するために蒸気出口134を経てRPV100から取り出すことができる。
BWRはまた、必要とされる出力密度を得るために必要である炉心102を通る強制対流流れを供給する冷却材再循環システムを含むことができる。その水の一部は、ダウンカマーアニュラス108の下端部から再循環水出口136を経て吸引することができ、かつ/または遠心再循環ポンプ(図示せず)によって再循環水入口140を経て複数のジェットポンプ組立体138(1つのみを図示する)内に送り込むことができる。ジェットポンプ組立体138は、炉心シュラウド110の周りに周方向に分配することができ、かつ/または必要とされる原子炉炉心流れを供給することができる。
図1に示すように、従来技術のジェットポンプ組立体138は、一対のインレットミキサ142を含むことができる。従来技術のBWRは、16から24個のインレットミキサ142を含むことができる。各インレットミキサ142は、エルボ144が溶接されて、再循環ポンプ(図示せず)からインレットライザ146を経て水を受け取ることができる。例示的なインレットミキサ142は、インレットミキサ142の軸線の周りに等角度で周方向に配分された5本1組のノズルを含むことができる。各ノズルは、その出口で半径方向内向きに細くしたテーパ状とすることができる。ジェットポンプ組立体138は、これらの収束ノズルによって作動することができる。5つの二次入口開口部は、ノズル出口の半径方向外側に配置することができる。したがって、水のジェットがノズルから出ると、ダウンカマーアニュラス108からの水は、二次入口開口部を経てインレットミキサ142の中へ引き込まれ、再循環ポンプからの冷却水と混合することができる。次いで、冷却水はディフューザ148に流入することができる。
図2は、鉛直方向のシーム溶接部を有する複数のシェルセクションを備える従来のBWR炉心シュラウドの内部の展開された方位図を示す概略図であり、炉心シュラウドは、水平方向のシーム溶接部によって1つのセクションが次のセクションと互いに溶接されている。
図2に示すように、炉心シュラウド200は、第1のシェルセクション202aおよび202bと、第2のシェルセクション204aおよび204bと、第3のシェルセクション206aおよび206bと、第4のシェルセクション208aおよび208bと、第5のシェルセクション210a、210b、および210cとを含むことができる。炉心シュラウド200は、シュラウドサポート212a、212b、および212c、ならびにシュラウドサポートプレート214によって支持することができる。
シュラウドサポート212a、212b、および212cは、鉛直方向のシーム溶接部V12、V13、およびV14を使って互いに接合することができ、また、水平方向のシーム溶接部H8を使ってシュラウドサポートプレート214に接合することができる。
第5のシェルセクション210a、210b、および210cは、鉛直方向のシーム溶接部V9、V10、およびV11を使って互いに接合して炉心シュラウド200の下部シェルセクション(例えば、下部バレル)を形成することができ、また、水平方向のシーム溶接部H7を使ってシュラウドサポート212a、212b、および212cに接合することができる。
第4のシェルセクション208aおよび208bは、鉛直方向のシーム溶接部V7およびV8を使って互いに接合されて炉心シュラウド200の炉心中央シェルセクション底部(例えば、炉心中央バレル底部)を形成することができ、また、水平方向のシーム溶接部H6AおよびH6Bを使って第5のシェルセクション210a、210b、および210cに接合することができる。水平方向のシーム溶接部H6Aは、第4のシェルセクション208aおよび208bの炉心板サポートリング216への接合を表すことができ、水平方向のシーム溶接部H6Bは、炉心板サポートリング216の第5のシェルセクション210a、210b、および210cへの接合を表すことができる。
第3のシェルセクション206aおよび206bは、鉛直方向のシーム溶接部V5およびV6を使って互いに接合されて炉心シュラウド200の炉心中央シェルセクション中央部(例えば、炉心中央バレル中央部)を形成することができ、また、水平方向のシーム溶接部H5を使って第4のシェルセクション208aおよび208bに接合することができる。
第2のシェルセクション204aおよび204bは、鉛直方向のシーム溶接部V3およびV4を使って互いに接合されて炉心シュラウド200の炉心中央シェルセクション上部(例えば、炉心中央バレル上部)を形成することができ、また、水平方向のシーム溶接部H4を使って第3のシェルセクション206aおよび206bに接合することができる。
当業者には知られているように、中央バレル底部、中央バレル中央部、および中央バレル上部はまとめて、炉心シュラウド200の「中央バレル」と呼ぶことができる。
第1のシェルセクション202aおよび202bは、鉛直方向のシーム溶接部V1およびV2を使って互いに接合されて炉心シュラウド200の上部シェルセクション(例えば、上部バレル)を形成することができ、また、水平方向のシーム溶接部H2およびH3を使って第2のシェルセクション204aおよび204bに接合することができる。水平方向のシーム溶接部H2は、第1のシェルセクション202aおよび202bの上部ガイドサポートリング218への接合を表すことができ、水平方向のシーム溶接部H3は、上部ガイドサポートリング218の第2のシェルセクション204aおよび204bへの接合を表すことができる。
水平方向のシーム溶接部H1は、シュラウドフランジ220の第1のシェルセクション202aおよび202bへの接合を表すことができる。
当業者には知られているように、R1>R2>R3となるように、上部バレルは第1の半径R1、中央バレルは第2の半径R2、下部バレルは第3の半径R3を有することができる。そのような場合、水平方向のシーム溶接部H2およびH3には第1の突出した張出部、また、水平方向のシーム溶接部H6AおよびH6Bには第2の突出した張出部が存在する場合がある(他の突出した張出部は、例えば、水平方向のシーム溶接部H7に存在する場合がある)。第1および第2の突出した張出部は、炉心シュラウド200を検査するためのシステムの設計、および炉心シュラウド200を検査するための方法の開発を複雑にする場合がある。
当業者には知られているように、鉛直方向のシーム溶接部V1~V14が互いにずらされていることによって、1つの鉛直方向のシーム溶接部の亀裂がかなりの距離(例えば、水平方向のシーム溶接部H1から水平方向のシーム溶接部H8までのすべて)にわたって伝播できないことを確実にするように企てられている。しかしながら、水平方向のシーム溶接部H1~H8は、このようにずらして配置されていない。
SCC、IGSCC、およびIASCCが研究されてきたが、「解決策」は見出されていない。その結果、亀裂は、引き続き、原子炉の構成部品内で生じ、伝播している。炉心シュラウドは、原子炉の使用期間が長くなるにつれて、極めて高い中性子フルエンスによる影響を特に受けやすくなる場合がある。例えば、炉心シュラウド200内において、関係する炉心102内の有効燃料は、水平方向のシーム溶接部H5とH6Aとの間から水平方向のシーム溶接部H2またはH3あたりまで鉛直方向に延在する場合がある。したがって、水平方向のシーム溶接部H2、H3、H4、およびH5、ならびに鉛直方向のシーム溶接部V3、V4、V5、V6、V7、およびV8はすべて、極めて高い中性子フルエンスに曝されるとして説明することができる。
炉心シュラウド110の溶接部の検査は、例えば、目視検査法および超音波(UT:ultrasonic)プローブを使用して、関係する原子炉装置の停止中に実行することができる。UTプローブは、溶接部の亀裂の長さおよび深さを測定することができる。
ジェットポンプ組立体138などの炉心シュラウド110の近くにある構造物のため、現在利用できる検査装置が炉心シュラウド110の特定の溶接箇所にアクセスすることが困難な場合がある。炉心シュラウド110の半径は、原子力発電所ごとに変わるだけでなく、1つの炉心シュラウド110でも変わる場合がある(当業者には知られているように、一般に、半径は炉心シュラウド110の高さとともに大きく、それは1つまたは複数の水平方向の溶接部/張出部において変化する)。異なる原子炉ではレイアウトが異なるため、原子力発電所の所与の運用者の炉心シュラウドのすべてを検査することができる単一の装置を設計することは困難な場合がある。
検査器具は、概して、破片が原子炉内に落下または紛失する可能性を最小限にするように厳密に設計することができる。多くの検査器具は、アクセスのしやすさを最大限にすると同時に、材料の喪失を防ぎ、故障を最小限にするように特別に設計される。器具が故障すると、原子炉を検査する時間が増加するという点で費用がかかる可能性がある。
水中探査で使用される典型的なROVは、概して、炉心シュラウド110の検査に使用するには大きすぎる。より小さなROVを炉心シュラウド110に当てて保持するためにスラストファンを使用することができるが、必要なスラスト力を生じさせるのに必要なスラストファンは、ROVの寸法を大きくし、それによってアクセスのしやすさが制限される場合がある。
したがって、原子力発電所の炉心シュラウドを検査して、亀裂を検出し、亀裂の伝播を監視することのできる改善されたシステムおよび方法に対する必要性が存在する。
原子力発電所の炉心シュラウドを検査するための従来技術のシステムおよび方法は、例えば、以下の特許で論じられている。すなわち、Blancらに付与された米国特許第3,987,666号(’666特許)、Hydeらに付与された米国特許第4,330,865号(’865特許)、Richardsonらに付与された米国特許第4,966,746号(’746特許)、Richardsonらに付与された米国特許第5,009,105号(’105特許)、Kazirskisらに付与された米国特許第5,169,593号(’593特許)、Erbesらに付与された米国特許第5,586,155号(’155特許)、Matsuyamaらに付与された米国特許第5,852,984号(’984特許)、Smithらに付与された米国特許第7,587,942(B2)号(’942特許)、Rowellらに付与された米国特許第7,769,123(B2)号(’123特許)、Kurosawaらに付与された米国特許出願公開第2002/0064250(A1)号(’250公開)、Brignacらに付与された米国特許出願公開第2009/0314089(A1)号(’089公開)、およびViglianoに付与された米国特許出願公開第2012/0140865(A1)号(’865公開)で論じられている。
’746特許、’105特許、’593特許、’155特許、’942特許、および’123特許の開示内容は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。同様に、’865公開の開示内容は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
次に、添付の図面を参照して、例示的な実施形態をより完全に説明する。しかしながら、実施形態は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に明記する実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、本開示が完全かつ完璧となるように、かつ当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。図面において、層や領域の厚さは、説明を明瞭にするために誇張されている。
ある要素が、別の構成部品「の上にある」、「に接続される」、「に電気的に接続される」、または、「に結合される」として言及されるとき、直接、他方の構成部品の上にある、それに接続される、それに電気的に接続される、または、それに結合されることでもよいし、あるいは介在する構成部品が存在してもよいことが理解されよう。これに対して、ある構成部品が別の構成部品「の上に直接ある」、「に直接接続される」、「に直接電気的に接続される」、または、「に直接結合される」として言及されるとき、介在する構成部品は存在しない。「および/または」という用語は、本明細書で使用するとき、関連する列挙項目の1つまたは複数の任意の、およびすべての組合せを含む。
本明細書では、第1、第2、第3などの用語を使用して、様々な要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションを説明することがあるが、これらの要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきでないことが理解されよう。これらの用語は単に、1つの要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションを、別の要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションから区別するためだけに使用される。例えば、第1の要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、層、および/またはセクションと称することができる。
「下方」、「下」、「下側」、「上」、「上側」などの空間に関連する用語は、図面に示すとき、1つの構成部品および/または特徴と別の構成部品および/または特徴、あるいは他の構成部品および/または特徴との関係を説明しやすくするために本明細書で使用されることがある。空間に関連する用語は、図面に描かれた向きに加えて、使用中または動作中の装置の様々な向きを包含することを意図されることが理解されよう。
本明細書で使用する用語は、単に特定の例示的な実施形態を説明するためのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、本明細書で使用するとき、文脈においてそうでないことを明示しない限り、複数形も含むことを意図される。用語「備える、含む(comprises)」、「備えている、含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」は、本明細書で使用するとき、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成部品が存在することを特定するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成部品、および/またはそれらのグループが存在すること、あるいはそれらが付加されることを排除しないことがさらに理解されよう。
他に定義されない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義される用語などの用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈すべきであり、本明細書で明示的に定義しない限り、理想的なまたは過度に形式的な意味合いで解釈すべきでないことがさらに理解されよう。
「熱影響領域」という用語は、溶接によってそのミクロ組織および特性が変化した金属の領域を意味する。
次に、図面全体で同様の参照番号が同様な構成部品を示す添付図面に示される例示的な実施形態を参照する。
図3Aは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムの斜視図であり、図3Bは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムの正面図である。
図3Aに示すように、炉心シュラウド300は、シュラウドヘッドボルトラグ302および蒸気ダム304を備える場合がある。ジェットポンプ組立体306は、炉心シュラウド300を取り囲む場合がある。炉心シュラウド300は、様々なシェルセクション(例えば、下部バレル、中央バレル、および上部バレル)を備える場合がある。炉心シュラウド300の様々なシェルセクションは一般に共通の軸を共有する場合があるが、それらのシェルセクションは異なる半径を有する場合がある。一般に、当業者には知られているように、半径は炉心シュラウド300の高さとともに増大し、1つまたは複数の水平方向のシーム溶接部/張出部において変化する場合がある。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308は、トロリ310、トロリ310に操作可能に接続されたアーム312、および/またはROV314を備えることができる。システム308はまた、テザー(図示せず)を備えることができる。テザーは、トロリ310、アーム312、ROV314の一部分として、または別の構成部品として考えることができる。ROV314は、テザーによってアーム312に操作可能に接続することができる。
図3Aに示すように、ROV314は、ジェットポンプ組立体306と炉心シュラウド300の外面316との間に配置することができる。図3Bに示すように、ROV314は、ジェットポンプ組立体306より上に配置することができる。
下記でさらに詳細に論じるように、いくつかの例示的な実施形態では、システム308が炉心シュラウド300に取り付けられた状態では、ROV314は3つの動作モード、すなわち、ドックモード、アンドックモード、および展開モードを有することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308は、多様な炉心シュラウド形状(例えば、一定のバレル半径、変化するバレル半径、水平方向の張出部、障害物、炉心シュラウドとジェットポンプ組立体との間の限られた隙間)を検査するための単一のシステムおよび/または単一の構成(例えば、下記で論じるような右側構成または左側構成)を提供することができる。システム308は、この単一のシステムおよび/または単一の構成で、多様な炉心シュラウド形状の完全な、または完全に近い検査を行うことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308は、多様な炉心シュラウド形状を効率的かつ効果的に検査することによって顧客への影響を最小限にすることができると同時に、詳細なデータおよび繰り返し可能な検査結果も提供することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ310、アーム312、および/またはROV314用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小の異物(FM:foreign material)ポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、トロリ310、アーム312、および/またはROV314用に選ばれる材料はアルミニウムまたはステンレス鋼を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ310、アーム312、および/またはROV314は、全体の寸法および/または重量を最小限にするように設計することができる。例えば、アーム312は、必要な強度、十分な剛性、および/または限られた可撓性を持ちながら重量を低減するためにトラス設計を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308は、原子力発電所に送られ、(必要ならば)組み立てることができる。使用後、システム308は、将来の検査のために原子力発電所に保管することができる(これは、例えば、原子力発電所の地理的位置および/または他の要因による場合がある)。あるいは、システム308は、(必要ならば)分解して、保管および/または他の検査のために現場から離れた場所(例えば、別の原子力発電所)に移すことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308は、炉心シュラウド300に(例えば、蒸気ダム304に)取り付けることができ、好ましくは、下記でさらに詳細に論じる、システム308の完全縮小化モードで取り付けることができる。システム308の完全縮小化モードによって、取付中には、トロリ310、アーム312、および/またはROV314は確実にジェットポンプ組立体306より上になるようにすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ310は、蒸気ダム304上を炉心シュラウド300の周りに(例えば、上から見て、時計回り(CW:clockwise)に、または反時計回り(CCW:counter-clockwise)に)動くことができる。トロリ310が蒸気ダム304の周りを動いていようと、ROV314が炉心シュラウド300を走査していようと、トロリ310は、滑らかに移動する、または複数の寸動ステップをすることによって炉心シュラウド300の周りを動くことができる。トロリ310は、炉心シュラウド300の第1の地点から炉心シュラウド300の第2の地点まで、単一のステップまたは複数のステップで動くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ310が蒸気ダム304の周りを動いていようと、ROV314が炉心シュラウド300を走査していようと、ROV314は、滑らかに移動する、または複数の寸動ステップをすることによって炉心シュラウド300の周りを動くことができる。ROV314は、炉心シュラウド300の第1の地点から炉心シュラウド300の第2の地点まで、単一のステップまたは複数のステップで動くことができる。
図4Aは、いくつかの例示的な実施形態によるトロリの正面斜視図であり、図4Bは、いくつかの例示的な実施形態によるトロリの後面斜視図であり、図4Cは、いくつかの例示的な実施形態によるトロリの別の後面斜視図である。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、システム308を炉心シュラウド300に取り付けるときの主取付点として機能することができる。例えば、トロリ410を使ってシステム308を昇降、移動、および/または方向付けて取り付けることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、蒸気ダム304によって鉛直方向に支持することができる。例えば、トロリ410は、蒸気ダム304に乗る2つの車輪によって鉛直方向に支持することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、蒸気ダム304に乗る2つの車輪によって、炉心シュラウド300の周方向で水平方向に支持することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、第1の安定化装置が、蒸気ダム304の半径方向外側にかかるアーム312および/またはROV314の重量を打ち消すように蒸気ダム304の半径方向内側に力をかけることによって、炉心シュラウド300の半径方向で水平方向に支持することができる。(これは、例えば、2つの車輪がピボット点として蒸気ダム304に乗っている状態では、トロリ410を蒸気ダム304の周りに回転させようとするトルクを釣り合わせることとして考えることができる)。例えば、トロリ410は、安定化ピストンによって(例えば、空気で作動して)、蒸気ダム304の半径方向内側に当たるようにローラを押すことにより(例えば、水平方向に、非駆動として)、炉心シュラウド300の半径方向に、水平方向に支持することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小のFMポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、トロリ410用に選ばれる材料はアルミニウムまたはステンレス鋼を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、全体の寸法および/または重量を最小限にするように設計することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、枠組420、取付ブラケット422、ハンドル424、水平駆動装置426、ウインチ428、第1の安定化装置430、および/またはトロリ接続箱432を備えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、枠組420は、トロリ410の様々な構成部品を取り付けるための土台を与えるとともにアーム312および/またはROV314のための土台を与えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、取付ブラケット422は第1の安定化装置430によって相殺することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ハンドル424は、チェーンフォール、クレーン、グラップル、ハンドリングポール、および同様な従来装置を使用して、トロリ410(および、より一般的にはシステム308)を吊り上げる、かつ操作するための取付点を提供することができる。トロリ410はまた、当業者に知られているように、アイフック、吊上用アイ、または吊上用管などの他の取付点を備えることができる。
図4Bに示すように、水平駆動装置426は、第1の車輪434および/または第2の車輪436を備えることができる。水平駆動装置426はさらに、第1のモータ(図示せず)、駆動ベルト(図示せず)、および駆動制御装置(図示せず)を備えることができる。第1のモータは、例えば、第1のギヤヘッド(図示せず)および第1のフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)(図示せず)を有する直流(DC:direct current)ブラシモータとすることができる。駆動制御装置によって、第1のギヤヘッドが駆動ベルトを動かすことができ、駆動ベルトは、第1の車輪434および/または第2の車輪436を駆動して、トロリ410を蒸気ダム304に沿って(例えば、CWまたはCCWに)動かすことができる。当業者には知られているように、第1のモータの回転方向を逆にすると、トロリ410を蒸気ダム304に沿って水平方向に逆方向に動かすことができる。第1のフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)によって、炉心シュラウド300に対してトロリ410を水平方向に大まかに位置決めすることができる。
図4Aに示すように、ウインチ428は、ドラム(図示せず)および第2のモータ440を備えることができる。ウインチ428は、第2のモータ440によって駆動されるドラム(カバー438の下に隠れている)を使ってテザー(図示せず)を巻くことができ、その結果、テザーを巻き取るとROV314を引き上げることができ、テザーを巻き出すとROV314を降ろすことができる。このようにして、ウインチ428は、炉心シュラウド300に対するROV314の鉛直位置を少なくとも部分的に制御することができる。第2のモータ440は、例えば、第2のギヤヘッド(例えば、ハーモニックギヤ)(図示せず)および第2のフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)(図示せず)を有するDCブラシモータとすることができる。当業者には知られているように、第2のモータ440の回転方向を逆にすると、ROV314を炉心シュラウド300に対して鉛直方向に逆方向に動かすことができる。テザーは、炉心シュラウド300の外面316に対してROV314を鉛直方向に大まかに位置決めするように構成することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、カバー438および/またはプレート(図示せず)は、ウインチ428上でテザーが団子状態(例えば、鳥の巣状)にならないようにするために使用することができる。カバー438およびプレートのうちの一方または両方は、(例えば、ばね荷重によって)ドラムの方へ押し付けられて、特に、テザーが引っ張られていないときにテザーを制御することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、第1の安定化装置430は、安定化ピストン430Aおよびローラ430Bを備えることができる。図4Cに示すように、ローラ430Bは、水平方向に向けることができる。ローラ430Bは非駆動とすることができる。安定化ピストン430Aは、例えば、空気で作動してローラ430Bを蒸気ダム304の半径方向内側に当たるように押すことができる。水平駆動装置426が、トロリ410を蒸気ダム304に沿って(例えば、CWまたはCCWに)動かすように第1の車輪434および/または第2の車輪436を駆動すると、ローラ430Bは、蒸気ダム304半径方向内側に当たって動く。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ接続箱432は、1本または複数本のアンビリカルケーブルと、トロリ410、ROV314、またはトロリ410およびROV314との間を電気的に(例えば、電力、信号)接続することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308が炉心シュラウド300に取り付けられると、トロリ410は、炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動くことができる。
上記のように、水平駆動装置426は、トロリ410を蒸気ダム304に沿って動かすように、第1の車輪434および/または第2の車輪436を駆動することができる。トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動いているとき、トロリ410は、炉心シュラウド300の周方向に対してROV314の直ぐ上方にあるのが好ましい。同様に、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動いているとき、ROV314は、炉心シュラウド300の周方向に対してトロリ410の直ぐ下方にあるのが好ましい。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動いて、システム308が(例えば、炉心シュラウド300、蒸気ダム304、および/またはジェットポンプ組立体306に関連した)障害物に出くわしたとき、ウインチ428は、ROV314をアンドックモードまたはドックモードに戻すようにテザーを巻き取るように構成することができる(あるいは、すでにアンドックモードまたはドックモードの場合には、ROV314をこれらのモードのうちの1つのモードのままにすることができる)。テザーを巻き取ってシステム308が障害物を避けることができるようになると(例えば、ROV314が障害物の上方に引き上げられると)、トロリ410は、次いで、炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に続けて動くことができる。テザーを巻き取ってもシステム308が障害物(例えば、炉心スプレーノズル、給水入口、蒸気出口、蒸気圧測定器口、水位測定器口)を避けられない場合には、次いで、システム308を(例えば、ハンドル424に取り付けられたクレーンを使って)炉心シュラウド300から取り外して、障害物を迂回して移動させ、炉心シュラウド300に再取付することができる。ROV314は、このような取外し、移動、および/または再取付の間は、ドックモードにあるのが好ましい。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動いて、システム308が(例えば、炉心シュラウド300、蒸気ダム304、および/またはジェットポンプ組立体306に関連した)障害物に出くわしたとき、ROV314を展開モードに変えることができる(または、すでに展開モードの場合には、ROV314はそのままにすることができる)。展開モードでは、ROV314は、進行中の作業(例えば、検査)が続けられるように、炉心シュラウド300の外面316の周りを動かすことができる。このように炉心シュラウド300の外面316の周りを動かすことには、炉心シュラウド300の外面316に対して、水平方向に、鉛直方向に、または水平方向と鉛直方向に動かすことが含まれる。展開モードでは、この動きは、たとえROV314が(鉛直方向のふらつきを無視して)水平方向のみに動いている場合でも、炉心シュラウド300の周りを水平方向にトロリ410を動かすこととは独立して行うことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、枠組420はアーム312用の取付点として機能することができる。アーム312は下記でさらに詳細に論じる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、シュラウドヘッドボルトラグ302の金属縁を検知するように構成された1つまたは複数の近接センサ442を備えることができる。シュラウドヘッドボルトラグ302の金属縁を検知することによって、炉心シュラウド300に対してトロリ410を水平方向に細かく位置決めすることができる。例えば、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCWまたはCCW方向に動かされているとき、1つまたは複数の近接センサ442は、シュラウドヘッドボルトラグ302の前方または後方の金属縁を検知することができる。したがって、近接センサ442のそれぞれは、少なくとも、シュラウドヘッドボルトラグ302の前方の金属縁において、シュラウドヘッドボルトラグ302の後方の金属縁において、またはその両方において、トロリ410の水平方向の全体での位置に対するデータ点を提供することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数の近接センサ442は、取付ブラケット422に配置することができる。1つまたは複数の近接センサ442は、第1の近接センサ442Aおよび第2の近接センサ442Bを含むことができる。例えば、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCW方向に動いているとき、シュラウドヘッドボルトラグ302の1つの前方の金属縁を最初に検知する、第1の近接センサ442Aおよび第2の近接センサ442Bのうちの一方は、トロリ410の水平方向の全体での位置に対するデータ点を提供することができ、一方、トロリ410が炉心シュラウド300の周りをCCW方向に動いているときは、第1の近接センサ442Aおよび第2の近接センサ442Bのうちの他方が、トロリ410の水平方向の全体での位置に対するデータ点を提供することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ410は、例えば、インダクタンスを使用してシュラウドヘッドボルトラグ302を検知する代わりに、シュラウドヘッドボルトラグ302の一側面を(例えば、下向きに延在する)ピストンと接触させるように構成された1つまたは複数の空気シリンダを備えて位置を決定することができる。このようにして、空気シリンダのそれぞれは、トロリ410の水平方向の全体での位置に対するデータ点を提供することができる(例えば、シュラウドヘッドボルトラグ302の位置を1つまたは複数の空気シリンダに対して知ることができる、1つまたは複数の空気シリンダの位置をトロリ410に対して知ることができる、トロリ410の位置を、例えば、レーザ線を使用してROV514に対して知ることができる、したがって、ROV514に対するシュラウドヘッドボルトラグ302の位置を決定することができる)。
図5Aは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムのアームの正面斜視図であり、図5Bは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムのアームの後面斜視図であり、図5Cは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムのアームの後面図であり、図5Dは、いくつかの例示的な実施形態による、炉心シュラウドの外面から炉心シュラウドを検査するためのシステムのアームの右側面図である。
いくつかの例示的な実施形態では、アーム512は、第1のアーム部550、第2のアーム部552、第1のプーリ554、第2のプーリ556、第3のプーリ558、キャリッジ560、キャリッジローラ562、軌道564、ピボットアクチュエータ566、および/またはオプションの第2の安定化装置568を備えることができる。
上記のように、テザー570はアーム512の一部分として考えることができる。いくつかの例示的な実施形態では、ROV514は、テザー570を介してアーム512に操作可能に接続することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、アーム512は、トロリ510の枠組520に操作可能に接続することができる。いくつかの例示的な実施形態では、第1のアーム部550は、トロリ510の枠組520に操作可能に接続することができ、第2のアーム部552は、キャリッジ560、キャリッジローラ562、軌道564、および/またはピボットアクチュエータ566において第1のアーム部550に操作可能に接続することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570は、トロリ510のウインチ528から第1のプーリ554を回り、第1のアーム部550を通ってピボットアクチュエータ566内の第2のプーリ556に延び、ピボットアクチュエータ566内の第2のプーリ556を回って、第2のアーム部552を通って第3のプーリ558へ、そして、第3のプーリ558を回ってROV514まで延びることができる。
キャリッジ560は、第1のアーム部550の長さに沿って動くように構成することができる。このような動きは、第1のアーム部550の軌道564によって案内されるキャリッジローラ562によって容易にすることができる。テザー570と干渉する可能性を最小限にするために、キャリッジローラ562および第1のアーム部550の軌道564は第1のアーム部550の外側に配置することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、アーム512は、オプションのドッキング機構572および/またはポジティブストップを備えることができる。ポジティブストップは、システム508の構成部品を保護するように、例えば、電気的に、磁気的に、および/または機械的に設置することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV514は、オプションのドッキング機構572と嵌合することができ、あるいは、テザー570は、ポジティブストップまで巻き取ることができる(理解しやすくするために、下記のドックモードの議論は、オプションのドッキング機構572に焦点を絞る)。ROV514にとっては、これはドックモードと呼ばれる。ROV514がオプションのドッキング機構572と嵌合していないとき、これはアンドックモード(ROV514が炉心シュラウド300の周方向に対してトロリ510の直ぐ下方にある)、または展開モード(ROV514が炉心シュラウド300の周方向に対してトロリ510の直ぐ下方にない)と呼ばれる。
ドックモードは、例えば、システム508を炉心シュラウド300に取り付けている間、ドックモードで炉心シュラウド300の外面316(例えば、上部バレル)を走査している間、ROV514がドックモードからアンドックモードに移行している間、ROV514がアンドックモードからドックモードに移行している間、および/またはシステム508を炉心シュラウド300から取り外いている間、使用することができる。
アンドックモードは、例えば、ROV514がドックモードからアンドックモードに移行している間、アンドックモードで炉心シュラウド300の外面316(例えば、中央バレルおよび/または下部バレル)を走査している間、ならびに/あるいは、ROV514がアンドックモードからドックモードに移行している間、使用することができる。
展開モードは、例えば、ROV514がアンドックモードから展開モードに移行している間、展開モードで炉心シュラウド300の外面316(例えば、中央バレルおよび/または下部バレル)を走査している間、ならびに/あるいは、ROV514が展開モードからアンドックモードに移行している間、使用することができる。展開モードでは、ROV514の動作はウインチ528の動作と協調する。
アンドックモードおよびドックモードでは、テザー570は、炉心シュラウド300の周方向に関して、第3のプーリ558からROV514まで実質的に鉛直方向に延びることができる。対照的に、展開モードでは、テザー570は、炉心シュラウド300の周方向に関して、第3のプーリ558からROV514まで実質的に鉛直方向に延びていない場合がある。
アンドックモードでは、トロリ510とROV514の水平駆動モジュール(下記で論じる)との間で動きを協調させることができる。例えば、協調動作では、トロリ510はROV514に対する直線位置を維持することができる、または、トロリ510はROV514に対する角度位置を維持することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、トロリ510、ROV514、および/またはテザー570の間の直線位置の位置合わせは、下げ振り技法を使用することができる。さらに、レーザ光を使用して、炉心シュラウド300上に位置合わせに使用することができる可視線を生成することできる。
いくつかの例示的な実施形態では、ピボットアクチュエータ566は、第2のアーム部552を、実質的に水平方向の向きと実質的に鉛直方向の向きとの間で変えることができる。いくつかの例示的な実施形態では、ピボットアクチュエータ566は、第2のアーム部552を、実質的に水平方向の向き、実質的に鉛直方向の向き、または実質的に水平方向の向きと実質的に鉛直方向の向きとの間の向きの間で変えることができる。いくつかの例示的な実施形態では、ピボットアクチュエータ566は空気で作動することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、第2のアーム部552を、実質的に水平方向の向きから実質的に鉛直方向の向きに変えると、第3のプーリ558および/またはROV514を炉心シュラウド300の外面316から離れるように動かすことができる。いくつかの例示的な実施形態では、第2のアーム部552を、実質的に鉛直方向の向きから実質的に水平方向の向きに変えると、第3のプーリ558および/またはROV514を炉心シュラウド300の外面316に近づくように動かすことができる。
第2のアーム部552は、実質的に水平方向の向きでは、ROV514が、炉心シュラウド300のバレル(例えば、下部バレル)を走査しようとするとき、その半径が、走査しようとするバレルの上方にあるバレル(例えば、上部バレル)の半径よりも小さい場合、ROV514が炉心シュラウド300の外面316の近くに位置することを可能にする。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV514が、炉心シュラウド300のバレル(例えば、中央バレル)を走査するとき、その半径が、走査しようとするバレルの上方にあるバレル(例えば、上部バレル)の半径よりも小さい場合に、第2のアーム部552の実質的に水平方向の向きへの移動が制限されて、ROV514が炉心シュラウド300の外面316の近くに位置することを可能にする。
第2のアーム部552は、実質的に鉛直方向の向きでは、ROV514がオプションのドッキング機構572と嵌合することを可能にする。
第2のアーム部552は、実質的に鉛直方向の向き、および/または実質的に水平方向の向きのとき、第1のアーム部550の内側に乗ることができる。ピボットアクチュエータ566は、第2のアーム部552を実質的に鉛直方向の向きから実質的に水平方向の向きに変えるとき、または実質的に水平方向の向きから実質的に鉛直方向の向きに変えるとき、第2のアーム部552を90°より大きな角度まで動かすことができる。
例えば、ROV514が、炉心シュラウド300の中央バレルを検査中に展開モードにある(例えば、第2のアーム部552が実質的に水平方向の向きにある)場合、ROV514が炉心シュラウド300の周方向に対してトロリ510の直ぐ下方になるようにトロリ510および/またはROV514を動かすことができ、ROV514をアンドックモードに変える。次いで、ピボットアクチュエータ566は、第2のアーム部552を実質的に鉛直方向の向きに制御することができる(例えば、ROV514はまだアンドックモードにある)。
第2のアーム部552が実質的に鉛直方向の向きの状態で、ウインチ528を使用してテザー570を巻き取ると、オプションのドッキング機構572と嵌合することができるようにROV514を引き上げることができ、ROV514をドックモードに変える。
ウインチ528を使用してテザー570をさらに巻き取ると、キャリッジローラ562が第1のアーム部550の軌道564を転がり上がるにつれて、ROV514(オプションのドッキング機構572と嵌合)、第2のアーム部552、ピボットアクチュエータ566、および/またはキャリッジ560を上方に引き上げることができる(例えば、ROV514はまだドックモードにある)。
トロリ510、アーム512、および/またはROV514を備えるシステム508にとっては、これをシステム508の縮小モードと呼ぶことができる。縮小モードでは、トロリ510はCW/CCWに動き、ウインチ528はテザー570を巻き取って、キャリッジローラ562が第1のアーム部550の軌道564を転がり上がるにつれて、ROV514(オプションのドッキング機構572と嵌合)、第2のアーム部552、ピボットアクチュエータ566、および/またはキャリッジ560を上向きに引き上げる、かつ/あるいは、ウインチ528はテザー570を巻き出して、キャリッジローラ562が第1のアーム部550の軌道564を転がり下りるにつれて、ROV514(オプションのドッキング機構572と嵌合)、第2のアーム部552、ピボットアクチュエータ566、および/またはキャリッジ560を下向きに下げる。このようにして、ROV514は炉心シュラウド300(例えば、上部バレル)の外面316を検査することができる。
炉心シュラウド300の上部バレルを検査するとき、アクチュエータ574(例えば、空圧アクチュエータ)は、キャリッジ560のストップ部として働くように延びることができる。キャリッジ560をストップさせることによって、炉心シュラウド300の外面316を検査するためにROV514をアンドック状態にすることができる。
トロリ510、アーム512、および/またはROV514を備えるシステム508では、ウインチ528を使用してテザー570をさらに巻き取ると、キャリッジローラ562が第1のアーム部550の軌道564をポジティブストップの方へ転がり上がるにつれて、ROV514(オプションのドッキング機構572と嵌合)、第2のアーム部552、ピボットアクチュエータ566、および/またはキャリッジ560を上向きに引き上げることができる(例えば、ROV514はシステム508の最も高い位置、および/または、キャリッジローラ562は第1のアーム部550の軌道564の最も高い位置にある)。ポジティブストップは、例えば、電気的に、磁気的に、および/または機械的に設置することができる。
これを、システム508の完全縮小化モードと呼ぶことができる。システム508の完全縮小化モードによって、例えば、アームのモーメントが比較的短い、かつ重量分布が比較的バランスがとれて安定していることにより、システム508を炉心シュラウド300に対して容易に取り付ける、取り扱う、かつ/または取り外すことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、第1のアーム部550の長さは、特定の炉心シュラウドおよび/または所望の走査能力に適合するように選ぶことができる。例えば、炉心シュラウドの上部バレルおよび中央バレルのみを走査したい場合には、比較的短い長さの第1のアーム部550で必要な走査範囲が得られると同時に、取付、取扱い、および/または取外しも容易になる。対照的に、炉心シュラウドの下部バレルを走査したい場合には、比較的長い長さの第1のアーム部550が必要な走査範囲を得るために必要となる場合がある。
いくつかの例示的な実施形態では、オプションの第2の安定化装置568は、第1のアーム部550に操作可能に接続することができる。しかしながら、第2の安定化装置568の最適な配置は、特定の原子力発電所のレイアウトに依存する場合がある。オプションの第2の安定化装置568は、第1のアーム部550を鉛直軸の周りに回転させようとするトルクに対抗するように構成することができる。オプションの第2の安定化装置568は、炉心シュラウドの外面に沿って動いているときに、第1のアーム部550の振動を低減するように構成することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、オプションの第2の安定化装置568は、第1の突出部568A、第1のローラ568B、第2の突出部568C、および/または第2のローラ568Dを備えることができる。第1の突出部568Aは第1のアーム部550の第1の側を延在することができ、一方、第2の突出部568Cは第1のアーム部550の第2の側を延在することができる。第1のローラ568Bは、第1の突出部568Aの端部近くに配置することができ、炉心シュラウド300の外面316に沿って転がるように構成することができる(例えば、トロリ510が蒸気ダム304に沿ってCW/CCWに動くにつれて、第1のローラ568Bは、炉心シュラウド300の外面316に沿って転がるように水平方向を向くことができる)。第2のローラ568Dは、第2の突出部568Cの端部近くに配置することができ、炉心シュラウド300の外面316に沿って転がるように構成することができる(例えば、トロリ510が蒸気ダム304に沿ってCW/CCWに動くにつれて、第2のローラ568Dは、炉心シュラウド300の外面316に沿って転がるように水平方向を向くことができる)。
いくつかの例示的な実施形態では、アーム512用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小のFMポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、アーム512用に選ばれる材料はアルミニウムまたはステンレス鋼を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、アーム512は、全体の寸法および/または重量を最小限にするように設計することができる。例えば、アーム512は、必要な強度、十分な剛性、および/または限られた可撓性を持ちながら重量を低減するためにトラス設計を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小のFMポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、テザー570用に選ばれる材料はステンレス鋼を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570は、全体の寸法(例えば直径)および/または重量を最小限にするように設計することができる。例えば、テザー570は、重量を低減すると同時に、必要な摩擦(例えば、小さな動摩擦係数および/または静摩擦係数)、強度、および、例えば、水平方向の張出部の縁に乗り上がることに対する耐摩耗性を持つように、ナイロン被覆のステンレス鋼のワイヤロープを含むことができる。
図6Aは左側構成のROV614の正面立面図、図6Bは左側構成のROV614の後面立面図、図6Cは左側構成のROV614の上面図である。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614は、本体650、ウィング部652、およびヒンジ654を備えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、本体650は、ヒンジ654または同様な仕掛けを使用してウィング部652に操作可能に接続することができる。ヒンジ654は、本体650と炉心シュラウド300の外面316との間、および/またはウィング部652と炉心シュラウド300の外面316との間を密着しやすくすることができる。例えば、ヒンジ654によって、炉心シュラウド300の外面316の曲率の値(例えば、炉心シュラウド300の60インチの半径、または110インチの半径)とは関係なく、本体650とウィング部652とは、その曲率に合うように容易に組み合わさることができる。例えば、ヒンジ654は、炉心シュラウド300の外面316に対して外形を薄く維持しながら、本体650およびウィング部652の両方を、シュラウド半径の範囲にわたって炉心シュラウド300の外面316に当てて保持するように構成されたばね荷重のヒンジ(例えば、捩りばね)とすることができる。
ROV614は、炉心シュラウド300に取り付けられると、ヒンジ654の軸が実質的に鉛直方向となるように、または炉心シュラウド300の長手方向軸に平行になるように、炉心シュラウド300に対して向けることができる。ヒンジ654は、本体650およびウィング部652を炉心シュラウド300の外面316に向かって付勢することができる。ウィング部652が本体650に対して動く範囲は、ウィング部652を開いたまま留めることができ、かつ、ROV614を炉心シュラウド300に容易に取り付けることができるような特定の範囲に制限することができる。捩りばねの強さは、下記でさらに詳細に説明するように、捩りばねが、スラストを与えるためのオプションの1つまたは複数の装置、ならびに/あるいは、真空を生成しかつ/または維持するための1つまたは複数の装置の機能を損なわないようにあまり強くしないように選択することができる。例えば、捩りばねの強さは、実質的に、ROV614の本体650および/またはウィング部652を押して炉心シュラウド300から離れないように選択することができる。捩りばねの強さはまた、下記でさらに詳細に説明するように、ROV614の要素を炉心シュラウド300に当てて保持するように選択することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、本体650および/またはウィング部652は、炉心シュラウド300の外面316に合うように構成された湾曲した外形を有することができる。いくつかの例示的な実施形態では、本体650および/またはウィング部652は、炉心シュラウド300の外面316と、例えば、ジェットポンプ組立体306に関連した障害物との間にはまるように薄い外形を有することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、外形高さは、炉心シュラウド300の外面316からの半径方向の距離として測定することができる。ROV614は、ジェットポンプ組立体306およびアニュラスの他の障害物などの様々な炉心シュラウド構造物の内側をROV614が動けるような薄い外形となっている。例えば、ROV614は、ほぼ1.5インチ、ほぼ1.7インチ、またはほぼ2インチの外形高さを有することができる。これらの外形高さでは、ROV614は、アニュラスのほとんどの障害物の後ろを動くことができる。さらに、炉心シュラウド300は、湾曲した外形を有する場合があるので、ROV614の湾曲した外形は、本体650および/またはウィング部652の周方向外側縁においてさえ、ほぼ1.5インチ、ほぼ1.7インチ、またはほぼ2インチの外形高さを保つことができる。
左側構成では、炉心シュラウド300の外面316を背景としてROV614を見たとき、ウィング部652はROV614の左側にすることができる。右側構成では、炉心シュラウド300の外面316を背景としてROV614を見たとき、ウィング部652はROV614の右側にすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614は、図6Aおよび6Bに描かれているものと同様に、テザー670から鉛直方向の向き、または実質的に鉛直方向の向きにぶら下がるように構成することができる。ROV614のアンビリカルケーブル(図示せず)は、(例えば、炉心シュラウド300上方のブリッジから)1人または複数の操作員によって管理されて、ROV614を鉛直方向の向き、または実質的に鉛直方向の向きに保つことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、アンビリカルケーブルは、全体の寸法(例えば直径)および/または重量を最小限にするように設計することができる。例えば、アンビリカルケーブルは、重量を低減すると同時に、必要な摩擦(例えば、小さな動摩擦係数および/または静摩擦係数)、強度、および、例えば、水平方向の張出部の縁に乗り上がることに対する耐摩耗性を有することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614は、1つまたは複数のアンビリカルケーブル(図示せず)を使用して、おそらくは、ハンドリングポールまたは同様な装置の助けで、左側構成から右側構成に、または、右側構成から左側構成にひっくり返せるように構成することができる。プローブ回転機構666(下記で論じる)により、プローブ668(これも下記で論じる)の向きを必要に応じて定めることができる。
当業者であれば理解するように、左側構成から右側構成に、または、右側構成から左側構成にひっくり返せるというこの機能によって、所与の検査を実行するのに必要な時間を大幅に削減することができ、潜在的に、費用および作業員への放射線被ばくを低減する。
いくつかの例示的な実施形態では、隣接するジェットポンプ組立体306の間に容易にはまるようにするために、ROV614の最大幅は約15インチとすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614の重量は、約20ポンドと40ポンドとの間とすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、ROV614の水中での重量は、約20ポンドと40ポンドとの間とすることができる。ROV614の浮力が、ROV614の水中での重量に対して差し引かれて、ROV614のアンドックモードまたは展開モードで炉心シュラウド300の外面316の周りを水平方向にROV614を動かしている間、ROV614の鉛直方向のふらつきを制限する、または除去することを助けることができる。このような鉛直方向のふらつき(上方または下方)は、全体的および局所的な規模での走査データの正確度および/または繰り返し性に影響する場合がある。
いくつかの例示的な実施形態では、ウィング652は、枠組656、リニア軸受658、送りねじ660、移動駆動機構662、ナット664、プローブ回転機構666、および/またはプローブ668を備えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、枠組656は、リニア軸受658、送りねじ660、および/または移動駆動機構662を保持することができる。リニア軸受658は、静止部658Aおよび摺動可能部658Bを備えることができる。移動駆動機構662は、例えば、モータを備えることができる。移動駆動機構662は送りねじ660を駆動することができ、送りねじ660の回転によって、摺動可能部658Bは、ナット664の作用の下、移動駆動機構662の回転方向に応じて、静止部658Aに対して上方および/または下方に摺動することができる。移動駆動機構662は、送りねじ660にトルクを伝えるように、例えば、ベルトまたは歯車列を使用して送りねじ660に結合することができる。摺動可能部658Bが移動すると、プローブ回転機構666および/またはプローブ668は同じように移動することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、送りねじ660は、鉛直方向の溶接部に対して走査軸として働くことができ、かつ/または水平方向の溶接部に対しては指標軸として働くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、プローブ回転機構666によって、プローブ668を、ジンバル672を使用して所望の向き(予め決められている場合もあり、決められていない場合もある)に調節することができる。ジンバル672の第1および第2の部分は、確実でしっかりとした相対運動を達成するために、モータ(図示せず)によって駆動されるウォームギア(図示せず)の作用で、互いに対して動くことができる。ジンバル672は、プローブ668を炉心シュラウド300の外面316に当たるように付勢するように構成された捩りばね674を備えることができる。捩りばね674は、異物排除(FME:foreign material exclusion)ガード(図示せず)によって保護することができる。
例えば、この調節によって、ROV614を再構成しないで、炉心シュラウド300の水平方向の溶接部、炉心シュラウド300の鉛直方向の溶接部、および/または水平方向と鉛直方向との間の角度の炉心シュラウド300の溶接部を検査することができる(例えば、ほぼ鉛直方向上方(+90°)からほぼ鉛直方向下方(-90°)まで、例えば、ほぼ鉛直方向上方(+90°)、ほぼ水平方向(0°)、ほぼ鉛直方向下方(-90°)のほぼ180°の回転を使用することができる)。
いくつかの例示的な実施形態では、プローブ668は、炉心シュラウド300の溶接部を検査するように構成することができる。いくつかの例示的な実施形態では、プローブ668は超音波(UT)プローブとすることができる。当業者には知られているように、プローブ668は、例えば、炉心シュラウド300の溶接部の、および/またはその周りの熱影響領域のUTボリューメトリックデータを測定かつ/または収集することができる。
上記で論じたように、テザー670はROV614の一部分として考えることができる。炉心シュラウド300の周りを水平方向に動いている間、または、炉心シュラウド300を検査している間に、例えば、炉心シュラウド300に対して吸引しなくなることによって、ROV614を喪失することをテザー670は防ぐことができる。上記のように、テザー670は、炉心シュラウド300の外面316に対してROV614を鉛直方向に大まかに位置決めすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614はさらに、水平駆動モジュール676Aおよび676B、非駆動従動輪678、真空を生成および/または維持するための装置680、シールリング682、傾斜計684、ならびに/あるいはROV接続箱686を備えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614はオプションとして、ROV614が動作している媒体に対してスラストを与える1つまたは複数の装置(図示せず)を備えることができる。スラストを与えるための1つまたは複数の装置は、例えば、1つまたは複数のスラストインペラまたはウォータジェットを備えることができる。例えば、ROV614が炉心シュラウド300の外面316に当たっていない場合、かつ、真空を生成および/または維持するための装置680が、(例えば、ROV614が炉心シュラウド300の外面316から離れすぎて)ROV614を引っ張って炉心シュラウド300の外面316に当てることができない場合、スラストを与える1つまたは複数の装置は、ROV614が押されて炉心シュラウド300の外面316に当たるように、あるいは、ROV614が押されて、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680がROV614を引っ張って炉心シュラウド300の外面316に当てることができるほど炉心シュラウド300の外面316に十分接近するように、ROV614が動作している媒体に対してROV614を動かすように働くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614は、炉心シュラウド300の外面316に対して真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680を備えることができる。真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680は、例えば、真空パッドを有するシールシステム、ポンプ(例えば、遠心ポンプ)を有するエダクタまたはエジェクタ、ポンプ(例えば、遠心ポンプ)を有するベンチュリ、真空インペラ、または渦アトラクタを備えることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、水平駆動モジュール676Aおよび676Bは、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680の両側に配置することができる。例えば、水平駆動モジュール676Aは、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680の上方に、水平駆動モジュール676Bは、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680の下方に配置することができる。別の例では、水平駆動モジュール676A、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680、および水平駆動モジュール676Bは、水平駆動モジュール676Aおよび水平駆動モジュール676Bの動作が、ROV614を本体650に垂直な軸の回りに回転させようとするトルクを引き起こさないように配置することができる(例えば、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置680を、水平駆動モジュール676Aと水平駆動モジュール676Bとの間の線分上に配置することができる)。
いくつかの例示的な実施形態では、水平駆動モジュール676Aおよび水平駆動モジュール676Bは、水平駆動モジュール676Aおよび水平駆動モジュール676Bの動作が、ROV614を本体650に垂直な軸の回りに回転させようとするトルクを引き起こさないように協調運動して働くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、水平駆動モジュール676Aと676Bはマスタスレーブ関係を有することができる。例えば、制御器は、水平駆動モジュール676Aを直接駆動することができ、一方、水平駆動モジュール676Bは水平駆動モジュール676Aに倣って動く。
いくつかの例示的な実施形態では、水平駆動モジュール676Aおよび676Bは、炉心シュラウド300の外面316に接触するように構成された車輪(図示せず)を備えることができる。車輪用に選ばれる材料は、ポリウレタン(例えば、デュロメータショアAスケールで測定した押込み硬さが60または85を有するポリウレタン)を含むことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、非駆動従動輪678は、例えば、歯車列または駆動輪による滑りによって影響されることなしに、炉心シュラウド300の外面316にあるROV614の水平位置を辿ることができる。非駆動従動輪678は、非駆動従動輪678に付随したフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)(図示せず)を使用し、炉心シュラウド300の外面316に対してROV614を水平方向に細かく位置決めすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、シールリング682は、真空を生成および/または維持するための装置680が、ROV614と炉心シュラウド300の外面316との間の真空を生成および/または維持することができるように、炉心シュラウド300の外面316に当たってシールするように構成することができる。シールリング682は、ROV614が炉心シュラウド300の外面316と接触している間、水平方向、鉛直方向、またはその両方向に低摩擦で動くことができるように構成することができる。シールリング682は、真空を喪失することなく、炉心シュラウド300の外面316の小さな障害物および変動を乗り越えるように構成することができる。より大きな障害物に対しては、ROV614が動作している媒体に対してスラストを与えるための1つまたは複数の装置(図示せず、例えば、ウォータジェット)が、障害物を通過して、再び真空状態になることができるまで、炉心シュラウド300の外面316に、またはその近くにROV614を留めるように働くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、傾斜計684は、局所的な水平面(例えば、局所的な鉛直面に垂直な平面)に対するROV614の傾斜角を測定して提供することができる。炉心シュラウド300の軸もまた鉛直面であると仮定すると(これは一般的には正しい仮定)、傾斜計684は炉心シュラウド300に対するROV614の傾斜角を測定して提供することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、傾斜計684によって測定された角度は、フィードバックアルゴリズム内で使用されて、ROV614のアンドックモードおよび/または展開モードで水平方向に動かしている間、かつ/あるいは、炉心シュラウド300を走査している間、ROV614を水平姿勢に保つことを助けることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV接続箱686は、1つまたは複数のアンビリカルケーブルとROV614との間を(例えば、ROV接続箱686に直接、アンビリカルケーブルを介して)、ならびに/あるいは、トロリ接続箱432とROV614との間を(例えば、トロリ接続箱432とROV接続箱686との間をアンビリカルケーブルを介して)、(例えば、電力、信号)接続することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV614用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小のFMポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、ROV614用に選ばれる材料はアルミニウムまたはステンレス鋼を含むことができる。
図7Aは、プローブ768が鉛直方向上方(+90°)の状態のプローブ回転機構766の後面立面図、図7Bは、プローブ768が水平方向(0°)の状態のプローブ回転機構766の後面立面図、図7Cは、プローブ768が鉛直方向下方(-90°)の状態のプローブ回転機構766の後面立面図である。
図7A~7Cにはまた、ジンバル772および捩りばね774が描かれている。
いくつかの例示的な実施形態では、プローブ768が、ほぼ鉛直方向上方(+90°)、ほぼ水平方向(0°)、ほぼ鉛直方向下方(-90°)、または鉛直方向上方(+90°)と鉛直方向下方(-90°)との間の他のいくつかの位置にある状態で走査を行うことができる。走査方向は、プローブ768の位置とは独立して行うことができる。より効率的かつ効果的な検査をするため、および/または検査結果の繰り返し性を改善するために、プローブ768が、ほぼ鉛直方向上方(+90°)、ほぼ水平方向(0°)、またはほぼ鉛直方向下方(-90°)にある状態でこのような走査を行うことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、鉛直方向上方(+90°)、水平方向(0°)、鉛直方向下方(-90°)、または鉛直方向上方(+90°)と鉛直方向下方(-90°)との間の他のいくつかの方向に走査を行うことができる。走査方向は、プローブ768の位置とは独立して行うことができる。より効率的かつ効果的な検査をするため、および/または検査結果の繰り返し性を改善するために、鉛直方向上方(+90°)、水平方向(0°)、または鉛直方向下方(-90°)にこのような走査を行うことができる。上記のように、プローブ768が配置されたROV314/514/614の側の方向に向かってこのような走査を行うことができる(前方走査)。同様に、プローブ768が配置されたROV314/514/614の側の方向から離れるようにこのような走査を行うことができる(後方走査)。さらに、効率、有効性、および/または繰り返し性を改善するために、前方走査と後方走査の両方を行うようにこのような走査を行うことができる。例えば、炉心シュラウド300の同じ領域を前方走査と後方走査の両方を行って、走査データの正確度、または走査データが走査方向とは独立していることを検証することができる。別の例では、走査パターンはラスター走査のようにすることができる。
図8Aは、真空を生成および/または維持するための装置の第1の実施形態の部分斜視図、図8Bは、真空を生成および/または維持するための装置の第2の実施形態の部分斜視図、図8Cは、図8Aの真空を生成および/または維持するための装置の第1の実施形態、または図8Bの真空を生成および/または維持するための装置の第2の実施形態の部分断面斜視図である。
いくつかの例示的な実施形態では、ROV814は、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880を備えることができる。真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880は、本体850の空洞820内に低圧または真空の空間を生成および/または維持することができる。空洞820はシールリング882によって画定することができる。シールリング882は、空洞820内の圧力が下げられて、または制御されて、ROV814を炉心シュラウド300の外面316にくっつけることができるように、アニュラスから空洞820を隔離するために、炉心シュラウド300の外面316に当たってシールするように構成することができる。
シールリング882は、吸引状態でつぶれないように構成することができる。シールリング882は、ROV814が炉心シュラウド300の外面316と接触している間、水平方向、鉛直方向、またはその両方向に低摩擦で動くことができるように構成することができる。シールリング882は、真空を喪失することなく、炉心シュラウド300の外面316の小さな障害物および変動を乗り越えるように構成することができる。より大きな障害物に対しては、ROV814が動作している媒体に対してスラストを与えるための1つまたは複数の装置(図示せず、例えば、ウォータジェット)は、障害物を通過して、再び真空状態になることができるまで、炉心シュラウド300の外面316に、またはその近くにROV814を留めるように働くことができる。
シールリング882は、炉心シュラウド300の外面316の障害物を超えて動くように構成することができる。概して、シールリング882は丸みを帯びた外形を有することができ、可撓性材料から作られて、ROV814が溶接クラウンなどの表面の変動を超えて移動することができる。例示的なシールリング882は、J字形のポリウレタン、発泡体などを含むことができる。発泡体型シールリング882は、下記でさらに詳細に説明される。
図8Aを参照すると、第1の実施形態による、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880は、本体850の空洞820に低圧または真空の空間を生成および/または維持するために、空洞820内で動作するインペラ824を備えることができる。
図8Bを参照すると、第2の実施形態による、真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880は、ベンチュリバルブ826または噴出口、ポンプ828または他の加圧水供給部、ならびに/あるいは、ポンプ828をベンチュリバルブ826に接続するように構成されたホース830を備えることができる。制御装置(図示せず)は、ポンプ828を制御するように構成することができる。ポンプ828は、アニュラスから水を引き込むことができる、かつ/またはベンチュリバルブ826にその水を供給することができる。ポンプ828は、例えば、炉心シュラウド300の上部で、燃料補給フロアの水位より上方に配置することができる。ポンプ828は、RPV100内にすでにある水を再循環させるように構成することができる。
炉心シュラウド300の外面316に対して真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880は、例えば、真空パッドを有するシールシステム、ポンプ(例えば、遠心ポンプ)を有するエダクタまたはエジェクタ、ポンプ(例えば、遠心ポンプ)を有するベンチュリ、真空インペラ、または渦アトラクタを備えることができる。
より一般的には、炉心シュラウド300の外面316に対して真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880は、ROV814が炉心シュラウド300の外面316に対して動けるようにすべきである(例えば、このような動きを実質的に邪魔する、または妨げるような強い真空にすべきでない)。
ベンチュリバルブ826は、ポンプ828によって供給される水圧に応じて、空洞820から水を排出するように構成することができる。チャネル832は、空洞820を流路834に接続することができる。ベンチュリバルブ826の流路834は、流れ方向に狭くなってから拡大し、その結果、加圧水をポンプ828によってベンチュリバルブ826に供給すると、ベンチュリバルブ826の低圧部836で圧力が下がる。チャネル832は、低圧部836で流路834に接続することができる。このようにして、ポンプ828によって供給されベンチュリバルブ826を通る加圧水は、空洞820から水をベンチュリバルブ826の流路834に引き込み、空洞820内の圧力を下げることができる。ベンチュリバルブ826は、空洞820内の圧力を下げるために可動部分を必要としない。したがって、ベンチュリバルブ826は、真空システムが故障する危険性を低減し、破片がRPV100内に入ることを減らす。ベンチュリバルブ826は、空洞から水を直接引き込むためにポンプを使用することに比べて、真空力をよりよく制御することができる。ベンチュリバルブ826によって与えられる真空力は、ポンプ828からの加圧水またはポンプ流量に応じて制御することができる。
図8Cを参照すると、シールリング882は、カバー840で包むことができる独立気泡発泡体リング838またはスカートを備えることができる。内側および外側リング状プレート842、844は、カバー840の内側および外側縁部を本体850に保持するために、かつ/または、カバー840を発泡体リング838にかぶせて保持するために、本体850にボルト止めすることができる。発泡体リング838は圧縮および/または膨張して、真空シールをなお維持しながら障害物を越えて移動することができる。発泡体リング838は、特定の他のシール設計に伴って問題となる、折れ曲がったり吸引を失ったりすることなく、障害物を越えて移動することができる。カバー840は、シールリング882が耐久性を持ち、かつ堅牢であるように、発泡体リング838を保護することができる。
特定の実施形態では、1つのシールリング882が妨害物または障害物を越えて移動している間に吸引しなくなった場合でも、ROV814が炉心シュラウド300の外面316に取り付いたままとなることができるように、複数のシ-ルリング882を使用することができる。
対照的に、ROV814が動作している媒体に対してスラストを与えるためのオプションの1つまたは複数の装置は、例えば、スラストインペラまたはウォータジェットを備えることができる。
真空を生成および/または維持するための1つまたは複数の装置880が、実際に真空を生成および/または維持する能力は、水平駆動モジュール676Aおよび676Bが、炉心シュラウド300の外面316の周りを水平方向にROV814を動かす能力に影響する場合がある。
炉心シュラウド300の外面316は、水平駆動モジュール676Aおよび676BがROV814を水平方向に動かす能力に影響する場合がある。例えば、炉心シュラウド300の外面316が滑らかすぎる場合には、水平駆動モジュール676Aおよび676Bのグリップに影響する場合がある。別の例では、炉心シュラウド300の外面316が粗すぎる場合には、実際に真空を生成して維持する能力に影響する場合があり、それは、上記のように、水平駆動モジュール676Aおよび676Bが、炉心シュラウド300の外面316の周りを水平方向にROV814を動かす能力に直接影響する場合がある。
ROV814が動作している媒体に対してスラストを与えるためのオプションの1つまたは複数の装置は、真空を生成および/または維持するのに問題が生じた場合に、水平駆動モジュール676Aおよび676Bが、炉心シュラウド300の外面316の周りを水平方向にROV814を動かす能力を改善することができる。しかしながら、そのような状況では、ROV814は、電力、電気信号、空圧、および/または液圧を供給するアンビリカルケーブルによって加えられる力により敏感となる場合がある。
上記のように、システム308はテザー570/670を備えることができる。テザー570/670は、アーム312、ROV314、トロリ410、または別の構成部品の一部分として考えることができる。ROV314/514/614/814は、テザー570/670によってアーム312に操作可能に接続することができる。
また、上記のようにテザー570/670の第1の端部は、ウインチ428のドラムに取り付けるように構成することができる。テザー570/670の第2の端部は、ROV314/514/614/814に取り付けるように構成することができる。水平方向に移動している間、アームを伸縮している間、および/または炉心を走査している間、吸引しなくなることによってROV314/514/614/814を喪失することをテザー570/670は防ぐことができる。上記のように、テザー570/670は、テザーをウインチ428のドラムに巻取り/巻出しすることによって、炉心シュラウドの外面に対してROV314/514/614/814を鉛直方向に大まかに位置決めすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670は、強度構成部品として働くことができる。例えば、テザー570/670は、蒸気ダム304、トロリ410のウインチ428、およびアーム312を介して、ROV314/514/614/814の重量(例えば、実重量、水中重量)を支えるように構成することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670は、合成ロープ(例えば、D
yneema(登録商標)などのポリエチレン)、ワイヤロープ(被覆付き、または被覆無し)、または合成ロープとワイヤロープとを組み合わせたものを含むことができる。例えば、テザー570/670の上部として合成ロープはより軽くなり、ウインチ428のドラムに関する操作を改善することができる。別の例では、テザー570/670の下部としてワイヤロープは、第1および/または第2の張出部によって生じるテザー570/670への損傷(例えば、摩耗)に関する懸念に対処することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670用に選ばれる材料は、比較的軽量の材料で、原子力発電所での使用に合致したものとすることができる。そのような材料は、例えば、腐食(例えば、電解腐食)による問題を避ける、または最小限にするように選ぶことができる。そのような材料には、例えば、熱的損傷および/または放射線損傷を受けにくいようなものを選ぶことができる。そのような材料は、例えば、信頼性および/または最小のFMポテンシャルに基づいて選ぶことができる。例えば、テザー570/670用に選ばれる材料はステンレス鋼を含むことができる。
例えば、テザー570/670がワイヤロープを含む場合、ワイヤロープはステンレス鋼を含むことができる。被覆される場合、ワイヤロープは、例えば、ナイロンで被覆されて、第1および/または第2の張出部に対する摩擦を減らすことができる。テザー570/670にオプションの被覆をすると、ワイヤロープの腐食に対してさらに保護することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670は、特定の炉心シュラウドの設計および/または計画使用などの様々な要因に応じて、様々な箇所でROV314/514/614/814に操作可能に接続することができる。例えば、テザー570/670は、ROV314/514/614/814の重心で、ROV314/514/614/814の浮力中心で、ROV314/514/614/814の重心を通る鉛直線上で、またはROV314/514/614/814の重心を通る鉛直線上のROV314/514/614/814の最高点で、ROV314/514/614/814に操作可能に接続することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、摩擦によって、テザー570/670が炉心シュラウドの第1および/または第2の張出部に対して滑らかに動かない場合がある。例えば、このように滑らかに動かないと、アンドックモード(例えば、展開モード)でのROV314/514/614/814の動き、および/またはROV314/514/614/814の水平姿勢に影響する場合がある。テザー570/670にオプションの被覆をすると、このような摩擦に関係した懸念を減らす、または取り除くことができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670は、アンドックモード(例えば、展開モード)でROV314/514/614/814を動かしている間、ROV314/514/614/814の鉛直方向のふらつきを制限する、または除去することができる。このような鉛直方向のふらつきは、全体的および局所的な規模での走査データの正確度に影響する場合がある。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308/508は、プローブ668/768による炉心シュラウド300の外面316の走査に直接または間接に影響する少なくとも6つの自由度を有することができる。第1に、トロリ310/410/510は蒸気ダム304の周りをCW/CCWに動くことができる。第2に、ウインチ428/528はテザー570/670を巻取り/巻出しすることによってROV314/514/614/814を昇降させることができる。第3に、ピボットアクチュエータ566は第2のアーム部552を実質的に水平方向の向きと鉛直方向の向きとの間に変えることができる。第4に、移動駆動機構662は送りねじ660を駆動してプローブ回転機構666/766を昇降させることができる。第5に、プローブ回転機構666/766はプローブ668を所望の向きに調節することができる。第6に、ROV314/514/614/814は展開モードで動作することができる。
いくつかの例示的な実施形態では、システム308/508に関連する少なくとも3つの座標系の軸は、「動力化されている」と言うことができる。第1に、水平駆動装置426によって動力化された横軸(例えば、炉心シュラウドバレルの軸)。第2に、移動駆動機構662によって動力化された垂直軸(例えば、送りねじ660の軸)。第3に、ジンバル672に関係するモータおよび/またはウォームギアによって動力化された回転軸(例えば、プローブ回転機構666/766の軸)。
ナビゲーションの見地から、いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数の近接センサ442を使用して、炉心シュラウド300のシュラウドヘッドボルトラグ302に対してROV314/514/614/814を水平方向に大まかに位置決めすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、トロリ310/410/510の第1のモータのフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)によって、炉心シュラウド300に対してROV314/514/614/814を水平方向に大まかに位置決めすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、非駆動従動輪678に付随したフィードバック装置(例えば、エンコーダ、レゾルバ)を使用して、炉心シュラウド300の外面316に対してROV314/514/614/814を水平方向に細かく位置決めすることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、テザー570/670をウインチ428/528のドラムに巻取り/巻出しすることによって、炉心シュラウド300の外面316に対してROV314/514/614/814を鉛直方向に大まかに位置決めすることができる。いくつかの例示的な実施形態では、送りねじ660を使用することによって、炉心シュラウド300の外面316に対してROV314/514/614/814を鉛直方向に細かく位置決めすることができる(例えば、ドックモードのROV314/514/614/814)。
いくつかの例示的な実施形態では、炉心シュラウド300の外面316に対するROV314/514/614/814の水平方向および鉛直方向の細かな位置決めは、ROV314/514/614/814が、ROV314/514/614/814のアンドックモードおよび/または展開モードで、水平方向に動いているとき、および/または走査しているときに、水平姿勢を維持するように構成された制御器のアルゴリズムを使用することによって改善することができる。
当業者であれば理解するように、本出願の原子力発電所の炉心シュラウドを検査するためのROV、システム、および方法は、炉心シュラウド300に言及して全体的に説明したが、本出願の原子力発電所の炉心シュラウドを検査するためのROV、システム、および方法はまた、原子力発電所の他の構成部品にも適用可能であり、また、原子力発電所以外の構成部品にも適用可能である。
本出願で論じた、原子力発電所の炉心シュラウドを検査するためのROV、システム、および方法を実行または制御するためのアルゴリズムは、より汎用的な装置、システム、および/または方法を実行または制御するために使用することができる。
本出願で論じた、原子力発電所の炉心シュラウドを検査するためのROV、システム、および方法を実行または制御するための方法は、コンピュータプログラムとして記述することができ、コンピュータ読取可能な記録媒体を使用してプログラムを実行する汎用デジタルコンピュータで実行することができる。さらに、本方法で使用されるデータ構造は、様々な方法でコンピュータ読取可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、磁気記憶媒体(例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、USB(Universal Serial Bus)、フロッピディスク、ハードディスクなど)、および光記録媒体(例えば、CD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)またはDVD(Digital Video Disc)などの記憶媒体が含まれる。
さらに、いくつかの例示的な実施形態はまた、コンピュータ読取可能なコード/命令によって媒体(例えば、コンピュータ読取可能な媒体)に具現化されて、少なくとも1つの処理要素を制御していくつかの例示的な実施形態を実行することができる。この媒体は、コンピュータ読取可能なコードを記憶および/または伝送することができる任意の媒体に相当することができる。
コンピュータ読取可能なコードは、様々な方法で媒体に記録/伝送することができる。媒体の例としては、磁気記憶媒体(例えば、ROM、フロッピディスク、ハードディスクなど)および光記録媒体(例えば、CD-ROMまたはDVD)などの記録媒体、ならびにインターネット伝送媒体などの伝送媒体が含まれる。このように、媒体は、信号または情報を含む、または搬送する、規定され、かつ測定可能な構造体とすることができ、例えば、いくつかの例示的な実施形態によるビットストリームを搬送するデバイスとすることができる。媒体はまた、分散ネットワークとすることができ、その結果、コンピュータ読取可能なコードは分散して記憶/伝送および実行することができる。さらに、処理要素は、プロセッサまたはコンピュータプロセッサを含むことができ、また、処理要素は、分散することができる、かつ/または単一のデバイス内に含めることができる。
いくつかの例示的な実施形態では、要素のいくつかは「モジュール」として実装することができる。いくつかの例示的な実施形態によれば、「モジュール」は、ソフトウェアベースの構成要素、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)または特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などのハードウェア構成要素として解釈することができ、そのモジュールは特定の機能を実行する。しかしながら、モジュールはソフトウェアまたはハードウェアに限定されるものではない。モジュールは、アドレッシングを実行することができる記憶媒体内に配置されるように、あるいは1つまたは複数のプロセスを実行するように構成することができる。
例えば、モジュールは、ソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、およびタスク構成要素のような構成要素、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、ならびに変数を含むことができる。構成要素およびモジュールから提供される機能を結合して、より少数の構成要素およびモジュールにすることができる、またはそれらを分離して、構成要素およびモジュールを追加することができる。さらに、構成要素およびモジュールは、デバイス内の1つまたは複数の中央処理装置(CPU:central processsing unit)を実行することができる。
いくつかの例示的な実施形態は、コンピュータ読取可能なコード/命令を含む媒体を通じて実装されて、上記の実施形態の少なくとも1つの処理要素、例えばコンピュータ読取可能な媒体を制御することができる。このような媒体は、コンピュータ読取可能なコードを記憶および/または伝送することができる媒体に相当することができる。
コンピュータ読取可能なコードは、媒体に記録することができる、またはインターネット上で伝送することができる。例えば、媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、フロッピディスク、光記録媒体、またはインターネット上のデータ伝送などの搬送波を含むことができる。さらに、媒体は、非一時的コンピュータ読取可能な媒体とすることができる。媒体は、分散ネットワークとすることができるので、コンピュータ読取可能なコードは、分散して記憶、伝送、および実行することができる。さらに、例えば、処理要素は、プロセッサまたはコンピュータプロセッサを含むことができ、また、処理要素は、分散することができる、かつ/または1つのデバイス内に含めることができる。
本明細書で説明した例示的な実施形態は、単に説明的なものと考えるべきで、限定するためではないことを理解すべきである。各実施形態での特徴または態様についての説明は、典型的には、他の実施形態での他の同様な特徴または態様に対しても利用できるものとして考えるべきである。
例示的な実施形態を示し、説明したが、これらの例示的な実施形態は、特許請求の範囲およびその等価物によって範囲が規定された本開示の原理および精神から逸脱することなく変更することができることを当業者であれば理解するであろう。