JPH11142578A - 原子炉内構造物の保全装置 - Google Patents

原子炉内構造物の保全装置

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JPH11142578A
JPH11142578A JP9308811A JP30881197A JPH11142578A JP H11142578 A JPH11142578 A JP H11142578A JP 9308811 A JP9308811 A JP 9308811A JP 30881197 A JP30881197 A JP 30881197A JP H11142578 A JPH11142578 A JP H11142578A
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detection probe
welding line
probe
reactor
tube
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JP9308811A
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Kazuo Sakamaki
巻 和 雄 酒
Junichi Takabayashi
林 順 一 高
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉圧力容器内の炉内構造物、特にジェッ
トポンプ部材の溶接線部分の点検および補修等が、炉水
を抜く必要なく、容易に行える保全装置を提供するこ
と。 【解決手段】 本発明は、原子炉内に設置された構造物
の溶接線位置を水中遠隔で検出する検出プローブ41
と、検出プローブ41によって検出された溶接線位置を
レーザ表面改質するレーザ表面改質装置42とを備えて
いる。本発明によれば、水中遠隔に構造物の溶接線位置
を検出することができ、さらに検出された溶接線位置を
レーザ表面改質することができるため、溶接線位置のレ
ーザ表面改質が容易に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉
(BWR)の原子炉圧力容器内の炉内構造物の点検およ
び補修を行うための保全装置に係り、とりわけ、炉水を
抜くことなく短時間で炉内構造物の点検および補修が行
えるような原子炉内構造物の保全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉圧力容器1内には一般に種々の装
置が収容される。図7は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力
容器の概略的な内部構成を示す縦断面図であるが、図7
に示す原子炉圧力容器1は、冷却材2、炉心3、昇温す
る冷却材2のための気水分離器4、気水分離器4で分離
された蒸気を乾燥させるための蒸気乾燥器5、蒸気乾燥
器5で乾燥された蒸気の移送のための主蒸気管6、気水
分離器4で分離された水の流下を案内するダウンカマ部
7、制御棒(図示されない)の案内のための制御棒案内
管8、制御棒駆動のための制御棒駆動機構9、炉心3を
収容する炉心シュラウド10および冷却材2の循環のた
めのジェットポンプ11を収容している。炉心3は図示
しない複数の燃料集合体および制御棒等から構成され、
炉心シュラウド10内に収容されている。また、炉心3
の下方には制御棒案内管8が設置され、制御棒案内管8
の下方には制御棒駆動機構9が設置されている。このた
め、炉心3を構成する制御棒は、制御棒駆動機構9によ
って駆動制御され制御棒案内管8に案内されて、炉心3
内への挿入および引抜がなされるようになっている。
【0003】冷却材2は、炉心3の近傍を上方に向って
流通するようになっており、炉心3の近傍を通過する際
に炉心3の核反応熱により昇温し、水と蒸気との二相流
状態となる。二相流となった冷却材2は、炉心3の上方
に設置された気水分離器4内に流入し、そこで水と蒸気
とに分離される。
【0004】気水分離器4によって分離された蒸気は、
気水分離器4の上方に設置された蒸気乾燥器5内に導入
され、乾燥されて乾燥蒸気となる。この乾燥蒸気は原子
炉圧力容器1の上部に接続された主蒸気管6を介して、
図示しない蒸気タービンに移送され、発電に供される。
【0005】一方、気水分離器4によって分離された水
は、炉心3の周囲に設けられたダウンカマ部7を介して
炉心3の下方に流下する。ダウンカマ部7内には、ジェ
ットポンプ11が複数、炉心3の周囲に等間隔で設置さ
れている。原子炉圧力容器1の外部には原子炉再循環ポ
ンプ(図示されない)が設置されており、この原子炉再
循環ポンプとジェットポンプ11と、これら両者間に配
設される原子炉再循環管(図示されない)とによって原
子炉再循環系が構成されている。このため、原子炉再循
環ポンプによりジェットポンプ11に駆動水が供給さ
れ、ジェットポンプ11の作用により冷却材2が炉心3
内に強制循環されるようになっている。
【0006】ジェットポンプ11は、図8乃至図10に
示すように、中央にライザ管12および再循環入口ノズ
ル13を有している。ライザ管12は、原子炉再循環ポ
ンプから供給される冷却材2を、再循環入口ノズル13
を介して原子炉圧力容器1に導入するようになってい
る。
【0007】ライザ管12の上部にはトランジションピ
ース14が接続されている。トランジションピース14
は一対の耳部21を有しており、耳部21は、図10に
示すように溝22を有している。トランジションピース
14には、図8に示すように、一対のエルボ15A、1
5Bが接続されている。一対のエルボ15A、15Bに
は、それぞれ混合ノズル16A、16Bが接続され、さ
らに混合ノズル16A、16Bには、それぞれインレッ
トスロート17、17Bが接続されている。
【0008】インレットスロート17A、17Bの下部
は、ディフューザ18A、18Bにそれぞれ挿入され、
上部の混合ノズル16A、16Bから冷却材2が噴射さ
れた際、周囲から炉水を巻込むことができるようになっ
ている。噴射された冷却材2および巻込まれた炉水は、
インレットスロート17A、17B内にて混合され、そ
の後ディフューザ18A、18Bにて静水頭の回復がな
される。
【0009】一方、原子炉再循環ポンプから送り込まれ
る冷却材2の流れによってライザ管12には流体振動が
発生する。これに対処するため、ライザ管12の下端と
再循環入口ノズル13とは溶着されており、ライザ管1
2の上端は、図9に示すように、ライザブレース20に
よって原子炉圧力容器1の壁面に固定されている。従っ
て、ライザ管12は流体振動の発生に対して十分対処可
能な構成となっている。
【0010】なお、インレットスロート17A、17
B、混合ノズル16A、16Bおよびエルボ15A、1
5Bは、原子炉圧力容器1に直接に固着されていないた
め、インレットスロート17A、17Bの上端部、混合
ノズル16A、16Bおよびエルボ15A,15Bは、
ライザ管12を介して供給される駆動水による流入水圧
の作用によって流体振動が発生する場合がある。
【0011】さらに、エルボ15A,15Bからディフ
ューザ18A,18B内に向って駆動水が噴出される
際、駆動水の噴出水圧等の反力がエルボ15A、15B
およびエルボ15A、15Bに接続されているトランジ
ションピース14に上向きに作用する。この駆動水圧に
よる反力は、エルボ15A、15Bおよびトランジショ
ンピース14にとって大きな荷重となる。この荷重に対
向するため、図10に示すように、トランジションピー
ス14の耳部21の溝22にジェットポンプビーム23
が設けられ、さらにジェットポンプビーム23の中央部
は上下にヘッドボルト25が螺合貫通できるようになっ
ている。
【0012】ヘッドボルト25をジェットポンプビーム
23に螺合貫通させ、エルボ15A、15Bと当接さ
せ、さらに螺合押込みを続けると、ジェットポンプビー
ム23の両端は溝22の上壁面に当接した状態となる。
これによって、ジェットポンプビーム23および溝22
は上向きの荷重を効果的に支持することができる。一
方、この支持反力により、エルボ15A,15Bの上端
部のヘッドボルト25との当接部には、ヘッドボルト2
5を介して下向きの荷重がかかる。この荷重の大きさ
は、駆動水の反力等による上向きの荷重との関連により
決定される。
【0013】なお、図10に示すように、四角形をなし
た支持板34が、2本のボルト35によってジェットポ
ンプビーム23の上面に固定されており、ヘッドボルト
25の六角頭26にはキーパ33が着脱自在に嵌合さ
れ、このキーパ33が、ジェットポンプビーム23上の
支持板34に当接される。
【0014】その他、インレットスロート17A,17
Bは、図8に示すように、ライザ管12に固着されたラ
イザブラケット36によっても支持されている。またデ
ィフューザ18A,18Bは原子炉圧力容器1内に溶着
されたシュラウドサポート37に固定されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原子炉圧力
容器1内の構造物は、オーステナイト系ステンレス鋼あ
るいはニッケル基合金等の、高温高圧水環境化において
十分な耐食性と高温強度を有する材料で構成されてい
る。しかしながら、交換不可能な部材に関しては、材料
の相対的な高性能にも関わらず、プラントの長期に亘る
運転によって長期間高温高圧環境中に曝されることによ
って、潜在的な応力腐食割れ発生の危険性を有してい
る。加えて、炉心部材は中性子照射による材料劣化の可
能性が存在し、特にジェットポンプ11は冷却材2を循
環させるものであるため、ジェットポンプ11の各部材
は変動する流体力や前述の流体振動等の影響を受け、他
の部材と比較して大きな負荷や厳しい応力が作用し、材
料劣化の可能性が高い。さらに、部材に溶接線が存在す
る場合には、溶接入熱による材料の鋭敏化および引張り
残留応力の存在の可能性から、溶接線部分における材料
劣化の可能性はより一層高い。
【0016】一般に原子炉内構造物(主にオーステナイ
ト系ステンレス鋼)は、応力、腐食環境、材料欠陥(ク
ロム欠乏層の生成)の3つの条件が成立すると、応力腐
食割れ(Stress Corrosion Crac
k、以下SCCと記す)が発生して損傷する場合があ
る。具体的には、上記のような原子炉圧力容器1におい
て、例えば外部配管の破断により過大な荷重が作用して
炉内構造物の表面にクラックが発生したり、あるいはラ
イザ管12の内面に何らかの原因によって錆が付着した
りする場合がある。前述のように、構造物部材に溶接線
が存在する場合には、応力腐食割れや錆の付着は溶接線
部分において発生する確率が高い。燃料を支持する構造
物部材や原子炉の出力を制御するジェットポンプ11等
の溶接線部分に応力腐食割れや錆の付着が発生する場合
には、プラント全体に及ぶ悪影響が懸念される。
【0017】応力腐食割れは、前記の3つの条件のうち
1つでも欠落すれば発生しないことに基いて、その防止
のための対策を講じるべきである。例えば、前記部材の
溶接線部分は、応力腐食割れを効果的に防止するために
予め研磨等による表面改質を行うことが望まれる。
【0018】しかしながら、各部材の溶接線部分を特定
することは困難である。特に、溶接線部分に機械加工や
仕上加工を施した場合には、その部位を目視検査で特定
することは極めて困難であり、効率良く溶接線部分に表
面改質作業を行える装置は未だ確立されていないのが実
情である。
【0019】さらに、溶接線部分において応力腐食割れ
や錆の付着が発生した場合には、早急に補修することが
望まれる。この補修作業を効率良く行うためには、クラ
ック等の応力腐食割れや錆の付着が発生している溶接線
部位を特定する点検作業とそれに続く補修作業とが連係
してなされることが好ましい。しかしながら、炉水を抜
くことなく、容易に溶接線部分の点検作業および補修作
業が行えるような装置は未だ確立されていないのが実情
である。
【0020】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、原子炉圧力容器内の炉内構造物、特にジ
ェットポンプ部材の溶接線部分の点検および補修等が、
炉水を抜かずに、容易に行える保全装置を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、原子炉内に設
置された構造物の溶接線位置を水中遠隔で検出する検出
プローブと、検出プローブによって検出された溶接線位
置を研磨する研磨装置と、研磨装置による研磨によって
発生する研磨粉を回収する回収装置と、を備えたことを
特徴とする原子炉内構造物の保全装置である。
【0022】本発明によれば、水中遠隔に構造物の溶接
線位置を検出することができ、さらに検出された溶接線
部分を研磨することができるため、溶接線部分の研磨に
よる表面改質や錆取りが容易に行われる。さらに本発明
によれば、研磨によって発生する研磨粉が回収装置によ
って回収されるため、研磨粉の散乱による種々の悪影響
の発生が防止される。
【0023】また本発明は、原子炉内に設置された構造
物の溶接線位置を水中遠隔で検出する検出プローブと、
検出プローブによって検出された溶接線位置をショット
ピーニングするショットピーニング装置と、を備えたこ
とを特徴とする原子炉内構造物の保全装置である。
【0024】本発明によれば、水中遠隔に構造物の溶接
線位置を検出することができ、さらに検出された溶接線
位置をショットピーニングすることができるため、溶接
線部分のショットピーニングによる表面改質が容易に行
われる。
【0025】また本発明は、原子炉内に設置された構造
物の溶接線位置を水中遠隔で検出する検出プローブと、
検出プローブによって検出された溶接線位置をレーザ表
面改質するレーザ表面改質装置と、を備えたことを特徴
とする原子炉内構造物の保全装置である。
【0026】本発明によれば、水中遠隔に構造物の溶接
線位置を検出することができ、さらに検出された溶接線
位置をレーザ表面改質することができるため、溶接線部
分のレーザ表面改質が容易に行われる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0028】図1は本実施の形態の構造物保全装置40
をジェットポンプ11のライザ管12内に挿入させた状
態を示す縦断面図で、図2は図1のA部分の拡大図、図
3は図2のB部分の拡大図、図4は図3の筒部54の先
端部の側面図、図5は図3の平面図である。
【0029】図1乃至図5に示すように、本実施の形態
の構造物保全装置40は、ジェットポンプ11のライザ
管12(図8参照)等の管内に挿入されて使用されるも
のである。本発明による構造物保全装置40は、原子炉
圧力容器1の上部に設置されたプラットホーム62と、
プラットホーム62のホイスト63から吊り下げられる
ためのホース部53と、ホース部53の先端に取り付け
られた筒部54とを備え、更に図3に示すように、筒部
54は内筒55と外筒56とからなっている。また外筒
56には伸縮筒部45が設けられ、この伸縮筒部45の
先端部は先端筒45aとなっている。さらに先端筒45
aにはその外周部にジェットポンプ11の溶接線位置を
水中遠隔で検出する検出プローブ41が取付けられてお
り、検出プローブ41の内側には検出プローブ41によ
って検出された溶接線位置をレーザ表面改質するレーザ
表面改質装置としてのレーザトーチ42が取付けられて
いる。
【0030】次に図3および図4により伸縮筒部45に
ついて詳述する。図3および図4に示すように、伸縮筒
部45は径の異なる複数の筒が同心段状に摺動自在に接
続されて形成されており、この伸縮筒部45は短縮時に
は筒部54内に収納され、伸張時には図3に示すように
筒部54から突出するようになっている。伸縮筒部45
の両側には、図4に示すように、伸縮筒部駆動用モータ
43、44が設けられており、伸縮筒部45は伸縮筒部
駆動用モータ43、44によって伸縮可能であり、さら
に筒部54の軸周りに旋回可能となっている。
【0031】また、伸縮筒部45を形成する複数の筒の
内、先端筒45aは伸縮筒部45の残りの筒に対して着
脱可能となっており、他の先端筒と交換可能である。例
えば先端筒として、検出プローブと研磨装置と研磨粉回
収装置とを搭載した筒や、検出プローブとショットピー
ニング装置とを搭載した筒や、検出プローブと水中カメ
ラと研磨装置と研磨粉回収装置とを搭載した筒や、検出
プローブと水中カメラとレーザトーチとを搭載した筒
や、検出プローブと水中カメラとショットピーニング装
置とを搭載した筒などを利用することができる。これら
の先端筒の選択は、構造物保全装置40の作業目的に応
じて行われる。
【0032】また筒部54の外筒56先端には、外筒5
6の先端近傍を照らすことができるように複数の水中照
明燈46が設けられている。
【0033】また筒部54の外周部には、筒部54がジ
ェットポンプ11のライザ管12内を円滑に移動するた
めのガイド機構47が設けられている。本実施の形態に
おけるガイド機構47は、図3および図5に示すよう
に、筒部54の周方向に等間隔に3セットが設けられて
おり、各1セットは、筒部54の内筒55の外周部に内
筒55と平行に設けられた支持バー47tと、支持バー
47tの上部に一端を軸支された上アーム47aと、支
持バー47tの下部に一端を軸支された下アーム47b
と、上アーム47aおよび下アーム47bのそれぞれの
他端に軸支されたガイドローラ47rと、上アーム47
aの略中央部と下アーム47bの略中央部とを連結する
伸縮自在のシリンダ47sと、シリンダ47sと支持バ
ー47tとの略中央部とを上アーム47aに平行に連結
する補助アーム47hとによって構成されている。
【0034】さらに、筒部54内には、サーボモータ5
1とサーボモータ51によって回転するスクリュー軸5
2とが複数組み込まれており、各スクリュー軸52は、
先端筒45aの検出プローブ41の調整機構や、レーザ
トーチ42の調整機構と連結されている。このため、各
サーボモータ51を駆動することによって、検出プロー
ブ41およびレーザトーチ42の微調整を行うことが可
能となっている。
【0035】また、ホース部53内および内筒55内は
空洞となっており、プラットホーム62のホイスト63
から構造物保全装置40の内筒55の内部に至る電気コ
ード等を収容するとともに、プラットホーム62側から
エア(空気圧)が供給されて、構造物保全装置40の内
筒55の内部に気中状態を形成している。このため、レ
ーザトーチ42は原子炉内の炉水を抜くことなく作動さ
せることができる。
【0036】また伸縮筒部45に取付けられた検出プロ
ーブ41は、検出プローブ41近傍の対象物表面のフェ
ライト量を測定できる磁気誘導装置を有している。次に
検出プローブ41の磁気誘導装置について図6により説
明する。図6は、ステンレス鋼母材60と溶接部61と
の境界線部分について水中および気中においてフェライ
トスコープによりフェライト量を測定し、横軸に溶接境
界部からの距離(mm)をとり、縦軸にフェライト測定
量(%)をとったグラフである。図6に示すように、水
中においても溶接境界線から−1mmの位置からフェラ
イト測定量は急激に上昇しており、フェライト量を測定
することによって母材60と溶接部61との溶接境界線
を±1mmの精度で簡単に判別することができる。本実
施の形態の検出プローブ41は、この関係を利用するも
のである。
【0037】検出プローブ41の磁気誘導装置は、強磁
性探触針と、強磁性探触針の周囲を取り巻く励磁コイル
および検知コイルで構成されている。また、励磁コイル
および検知コイルは、それぞれさらに2個の巻線部分に
分けられて差動変圧器を形成している。すなわち、直列
に連結された励磁コイル巻線中に交流が流れると、逆向
きに連結された検知コイルにも一定の電圧が誘起され
て、励磁コイルの電圧と検知コイルの電圧とが等しくな
るようにバランスがとられている。しかし検出プローブ
41が、所定のフェライト量を含有するステンレス鋼の
溶接部上に置かれると、前記バランスが変化して、検知
コイルにはフェライト量に応じた大きさの電圧が誘起さ
れる。従って、検知コイルに誘起される電圧によって、
溶接部位の検出が可能となっている。
【0038】尚、検出プローブ41は、検出プローブ4
1近傍の対象物表面の表層部を伝播する縦波超音波を発
生させる超音波探触子と、対象物表面で反射される縦波
超音波を検出する超音波受信器とを有する構成であって
もよい。この場合、溶接線部分に存在する粗大結晶によ
ってノイズ信号が乱反射することによって、溶接線部分
を検出することができる。
【0039】次にこのような構成からなる本実施の形態
の作用について説明する。まずジェットポンプ11の上
部部材であるトランジションピース14(図8乃至図1
0参照)等を取り外して、ジェットポンプ11のライザ
管12の上部を開口させる。次に図1および図2に示す
ように、筒部54をホース部53を支持しながらプラッ
トフォーム62のホイスト63から吊下げていき、筒部
54をライザ管12内に挿入させる。
【0040】筒部54は、ライザ管12内に挿入された
後、ガイド機構47によってライザ管12内を円滑に移
動する。具体的には、シリンダ47sの伸縮によって上
アーム47aと下アーム47bとの間隔が制御され、上
アーム47aおよび下アーム47bの端部に設けられた
ガイドローラ47rがライザ管12の内壁に当接し、そ
の後ガイドローラ47rがライザ管12の内壁を転がる
ことによって筒部54はライザ管12内を円滑に移動す
る。シリンダ47sが伸縮自在であることにより、ライ
ザ管12内に凹凸等が存在してもその凹凸等を吸収し、
構造物保全装置40の筒部54は円滑に移動することが
できる。
【0041】次に、伸縮筒部駆動用モータ43、44を
駆動し、伸縮筒部45を伸張して先端筒45aを筒部5
4から突出させる。そして先端筒45aの先端部に設け
られている検出プローブ41を作動させ、ライザ管12
内の溶接線部分を±1mmの精度で検出する。溶接線部
分の検出が行われたら、先端筒45aの先端中央に設け
られたレーザトーチ42によって、溶接線部分のレーザ
表面改質処理を行う。レーザトーチ42の作動は、内筒
55内が気中状態とされていることにより、炉水を抜く
ことなく行うことができる。
【0042】必要に応じて伸縮筒部駆動用モータ43、
44を駆動して、伸縮筒部45、すなわち検出プローブ
41およびレーザトーチ42を筒部54の軸周りに旋回
させる。また、必要に応じて、筒部54内の各サーボモ
ータ51を駆動し各スクリュー軸52を介して検出プロ
ーブ41の調整機構またはレーザトーチ42の調整機構
等を調整することにより、検出プローブ41およびレー
ザトーチ42の微調整を行う。
【0043】尚、先端筒45aは伸縮筒部45の残りの
筒に対して着脱可能であり、目的に応じて、検出プロー
ブと研磨装置と研磨粉回収装置とを搭載した筒や、検出
プローブとショットピーニング装置とを搭載した筒や、
検出プローブと水中カメラと研磨装置と研磨粉回収装置
とを搭載した筒や、検出プローブと水中カメラとレーザ
トーチとを搭載した筒や、検出プローブと水中カメラと
ショットピーニング装置とを搭載した筒などと交換可能
である。
【0044】水中カメラを搭載した筒を利用する場合に
は、筒部54の先端に設けられた水中照明燈46を点灯
して、筒部54の先端近傍を明るく照らすことが好まし
い。この場合、溶接線部分を検出プローブ41で検出す
るのと同時に目視による確認等が行えるため、より能率
よく作業を行うことができる。
【0045】ショットピーニング装置を搭載した筒を利
用する場合には、検出プローブによる溶接線部分の検出
と、溶接線部分へのショットピーニング処理に続いて、
再度検出プローブによってフェライト量を測定すること
により、ピーニングの効果(加工硬化)によってマルテ
ンサイト化した範囲を確認することができる。この確認
作業によって、保全作業の信頼性がより向上する。
【0046】前記のいずれの先端筒を用いる場合でも、
検出プローブによる溶接線部分の検出と各種保全装置に
よる保全処理とを連続して行うことにより、各目的に応
じた構造物の保全作業を効率よく行うことができる。特
に本実施の形態の検出プローブ41は、±1mmの精度
で溶接線部分を検出できるため、補修等の保全作業範囲
を小範囲に特定でき、作業時間の短縮が図れる。
【0047】また、一連の保全処理は全て水中遠隔に行
うことができるため、炉水を抜く必要がなく、作業員の
放射線被曝量も著しく低減される。
【0048】なお、検出プローブを、検出プローブ近傍
の対象物表面の表層部を伝播する縦波超音波を発生させ
る超音波探触子と、対象物表面で反射される縦波超音波
を検出する超音波受信器とを有する構成とした場合、溶
接線部分に存在する粗大結晶によってノイズ信号が乱反
射することによって溶接線部分を検出することができ
る。この場合、溶接線位置の確認と同時に溶接熱によっ
て影響された部分に発生する可能性のあるSCCの有無
をも検査することができ、検査の作業性および保全の信
頼性を大幅に向上することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、構造物の溶接部位を水
中遠隔で検出し、研磨を行ない同時に研磨粉を回収する
ことができるため、原子炉圧力容器の炉水を抜く必要が
なく、点検または補修作業を確実かつ短時間に行うこと
ができ、また、作業員の放射線被曝量を大幅に低減させ
ることができる。
【0050】また発明によれば、検出プローブとショッ
トピーニングを構造物保全装置に組込むことにより、溶
接線部分の検出と同時にショットピーニングを正確な位
置に施行することができ、これにより保全作業を効率的
に短時間に行うことができる。
【0051】また本発明によれば、検出プローブとレー
ザ表面改質装置を構造物保全装置に組込むことにより、
溶接部位の検出と同時にレーザ表面改質を正確な位置に
施行することができ、これにより保全作業を効率的に短
時間に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物保全装置を原子炉圧力容器
内のジェットポンプのライザ管内に挿入した状態を示す
全体図。
【図2】図1のA部分の拡大図。
【図3】図2のB部分の拡大図。
【図4】図3の筒部の先端部の側面図。
【図5】図3の平面図。
【図6】フェライトスコープによる溶接境界部近傍のフ
ェライト量測定データを示すグラフ。
【図7】沸騰水型原子炉の圧力容器の縦断面図。
【図8】ジェットポンプの斜視図。
【図9】ライザブレースとライザ管との関係を示す斜視
図。
【図10】ジェットポンプビーム近傍の斜視図。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 冷却水 3 炉心 4 気水分離器 5 蒸気乾燥器 6 主蒸気管 7 ダウンカマ部 8 制御棒案内管 9 制御棒駆動機構 10 炉心シュラウド 11 ジェットポンプ 12 ライザ管 13 再循環入口ノズル 14 トランジションピース 15 エルボ 16 混合ノズル 17 インレットスロート 18 ディフューザ 20 ライザブレース 21 耳部 22 溝 23 ジェットポンプビーム 40 構造物保全装置 41 検出プローブ 42 レーザトーチ 43 駆動用モータ 44 駆動用モータ 45 伸縮筒部 45a 先端筒 46 水中照明燈 47 ガイド機構 47t 支持バー 47a 上アーム 47b 下アーム 47s シリンダ 47r ローラ 47h 補助アーム 51 サーボモータ 52 スクリュー 53 ホース部 54 筒部 55 内筒 56 外筒 60 ステンレス鋼母材 61 溶接部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉内に設置された構造物の溶接線位置
    を水中遠隔で検出する検出プローブと、 検出プローブによって検出された溶接線位置を研磨する
    研磨装置と、 研磨装置による研磨によって発生する研磨粉を回収する
    回収装置と、を備えたことを特徴とする原子炉内構造物
    の保全装置。
  2. 【請求項2】原子炉内に設置された構造物の溶接線位置
    を水中遠隔で検出する検出プローブと、 検出プローブによって検出された溶接線位置をショット
    ピーニングするショットピーニング装置と、を備えたこ
    とを特徴とする原子炉内構造物の保全装置。
  3. 【請求項3】原子炉内に設置された構造物の溶接線位置
    を水中遠隔で検出する検出プローブと、 検出プローブによって検出された溶接線位置をレーザ表
    面改質するレーザ表面改質装置と、を備えたことを特徴
    とする原子炉内構造物の保全装置。
  4. 【請求項4】検出プローブ近傍に、さらに水中TVカメ
    ラを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の原子炉内構造物の保全装置。
  5. 【請求項5】検出プローブは、プローブ近傍の対象物表
    面のフェライト量を測定できる磁気誘導装置を有してい
    ることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載原
    子炉内構造物の保全装置。
  6. 【請求項6】検出プローブは、プローブ近傍の対象物表
    面の表層部を伝播する縦波超音波を発生させる超音波探
    触子と、対象物表面で反射される縦波超音波を検出する
    超音波受信器とを有していることを特徴とする請求項1
    から4のいずれかに記載原子炉内構造物の保全装置。
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