JPH085773A - ジェットポンプの予防保全装置と予防保全方法 - Google Patents

ジェットポンプの予防保全装置と予防保全方法

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JPH085773A
JPH085773A JP6137059A JP13705994A JPH085773A JP H085773 A JPH085773 A JP H085773A JP 6137059 A JP6137059 A JP 6137059A JP 13705994 A JP13705994 A JP 13705994A JP H085773 A JPH085773 A JP H085773A
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jet pump
riser pipe
cable
surveillance camera
pipe
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JP6137059A
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Hidenori Takahashi
英則 高橋
Shohei Kawano
昌平 川野
Wataru Kono
渉 河野
Hiroshi Sakamoto
博司 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【目的】原子力プラントの定期検査中において原子炉圧
力容器内に設置されたジェットポンプに対して表面改質
を含む一連の処理と、部品交換による施工を部位に応じ
て使い分けして遠隔操作により実施するジェットポンプ
の予防保全装置とその方法を提供する。 【構成】請求項1記載の発明に係るジェットポンプの予
防保全装置は、監視カメラおよび固定脚27と共に研削手
段を装備した表面加工装置30と、この表面加工装置30を
吊り下げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚27お
よび研削手段への操作信号等の伝送をするケーブル23
と、このケーブル23を接続して前記監視カメラおよび表
面加工装置30の操作を行う遠隔操作盤23とからなること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉内に設置したジ
ェットポンプの溶接部における応力腐食割れ対策に係
り、特に原子炉定期検査中において表面加工、表面洗
浄、表面改質、表面検査、取替え等の各種施工により健
全性を確保する原子炉内ジェットポンプの予防保全方法
とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントの原子炉内に設置し
たジェットポンプは、図12の縦断面図に示すように原子
炉圧力容器1内には炉水を強制的に再循環するために、
炉心2の周辺部に複数のジェットポンプ3が配置されて
いる。
【0003】このジェットポンプ3は、図13の外形図に
示すように大略してライザー管4と、トランジッション
ピース5、エルボー6、インレットミキサ7、ビーム
8、およびカラー9を介したディフューザ10から構成さ
れていて、前記図12に示すようにライザー管4端部のサ
ーマルスリーブ11は、セーフエンド12を介して再循環水
入口ノズル13と、原子炉圧力容器1に固定されている。
【0004】また、他端部はディフューザ10がシュラウ
ドサポートプレート14へと固定される一方で、ライザー
管4はライザーブレースアーム15により直接原子炉圧力
容器1に固定されている。なお、このうちで従来より取
り外しが可能な部位は、上部に位置するエルボー6、ト
ランジッションピース5およびビーム8である。
【0005】原子炉で使用されるジェットポンプ3はほ
とんどがステンレス鋼により形成されており、一部ディ
フューザ10、シュラウドサポートプレート14、ビーム8
等においてはNi基合金が使用されている。
【0006】一般にステンレス鋼で炭素含有量の多いオ
ーステナイト系ステンレス鋼を溶接した場合に、その熱
影響部にクロム炭化物の粒界析出が生じて材料が鋭敏化
する。この鋭敏化した材料は、その材料中に高い引張応
力が存在すると、高温水中で粒界腐食や応力腐食割れを
生じることが知られている。また、Ni基合金について
もステンレス鋼と同様の原理により応力腐食割れを生じ
得ることが知られている。
【0007】これらの応力腐食割れに対する予防保全技
術としては、従来より応力改善によるものと、材質改善
による方法が提案されている。溶接部の応力改善方法と
しては、ショットピーニングや高周波誘導加熱による応
力緩和方法があり、溶接部の応力低減に対し有効である
ことが知られている。
【0008】また、溶接部の材質改善としては、粒界に
析出したクロム炭化物を基材に再固溶させるための部材
の固溶化熱処理や、溶融処理あるいは水環境に接する面
を高耐食金属で覆うクラッディング方法があり、工場等
で実施される大規模な方法と、現場作業による局部的な
対処方法がある。
【0009】このうちで局部的な対処方法の場合には、
高入熱を得るためにレーザ熱源が提案されていて、何れ
も応力腐食割れに対し有効である。また、配管の内面を
レーザにより表面溶融し、内面の材質改善を図ると共
に、外面の応力改善を図る技術も提案されている。
【0010】さらに、材質として炭素量の多いオーステ
ナイト系ステンレス鋼に比べて、炭素量の少ないオース
テナイト系ステンレス鋼の方が応力腐食割れに対して良
好な特性を示すことが知られている。
【0011】表面研磨方法としては、工場等においてグ
ラインダや回転ブラシ等の研削能力を有する技術が用い
られており、また表面洗浄方法としては、ウォータージ
ェットによる洗浄や超音波による洗浄が行われている。
また、表面検査方法としては、目視検査を始めとして、
液体浸透探傷検査、超音波検査、渦電流法が従来より実
施されている。
【0012】さらに、各種処理を実施するために、ジェ
ットポンプ3のライザー管4やディフューザ10内から炉
水を排除する場合は、原子炉圧力容器1内の炉水を排出
して原子炉水位をディフューザ10とシュラウドサポート
プレート14との接続部分以下まで低下することにより達
成していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】原子炉1内に設置され
ているジェットポンプ3においては、長期間で高温、高
圧の状態で運転されることから、応力腐食割れ対策とし
て上記した予防保全の必要が生ずる。この場合の保全作
業に際しては、ジェットポンプ3が設置されている場所
の環境上から、放射線被曝を低減するための放射線遮蔽
が必要である。
【0014】しかしながら、従来のような原子炉水位を
低下させる方法では、有効な遮蔽材である炉水を大量に
排水してしまうことから、炉水による放射線の遮蔽効果
は期待できない。また、ジェットポンプ3の周囲には遮
蔽材を設置する場所がないことから、作業員の被曝量が
増加する不具合がある。
【0015】同様に被曝低減および接近が不可能な領域
での作業を実施するには、遠隔操作による方法もある
が、従来の表面加工、表面洗浄、表面改質、表面検査の
装置は、ジェットポンプ3が設置されている場所が狭隘
であることから、従来の各種装置をそのまま使用するこ
とは困難であった。
【0016】さらに、原子炉内でのジェットポンプ3の
応力腐食割れに対する予防保全として、エルボー6、イ
ンレットミキサ7、ビーム8およびライザー管4は交換
する方法があるが、このうちライザー管4は、その取り
替えに多くの時間を必要とする問題があった。
【0017】また、エルボー6、インレットミキサ7お
よびビーム8については、耐食性のよい材料により製作
されたエルボー6、インレットミキサ7およびビーム8
と取り替えなければ、それぞれの応力腐食割れに対する
抜本的解決とはならない。
【0018】本発明の目的とするところは、原子力プラ
ントの定期検査中において、原子炉圧力容器内に設置さ
れたジェットポンプに対して表面改質技術および、これ
に必要な周辺技術を含む一連の処理と、部品交換による
施工を部位に応じて使い分けして適用すると共に、作業
時の遠隔操作と放射線遮蔽を考慮したジェットポンプの
予防保全方法とその装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に係るジェットポンプの予防保
全装置は、監視カメラおよび固定脚と共に研削手段を装
備した表面加工装置と、この表面加工装置を吊り下げて
前記監視カメラからの監視信号と固定脚および研削手段
への操作信号等の伝送をするケーブルと、このケーブル
を接続して前記監視カメラおよび表面加工装置の操作を
行う遠隔操作盤とからなることを特徴とする。
【0020】請求項2記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全装置は、監視カメラおよび固定脚と共に洗浄
手段を装備した表面洗浄装置と、この表面洗浄装置を吊
り下げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および
洗浄手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、この
ケーブルを接続して前記監視カメラおよび表面洗浄装置
の操作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とする。
【0021】請求項3記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全装置は、前記炉水中で処理作業を行う表面加
工装置の研削手段と表面洗浄装置の洗浄手段あるいは各
被処理部近傍に吸引管を配置すると共に、この吸引管に
接続したバキュームポンプとフィルタを設置することを
特徴とする。
【0022】請求項4記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全装置は、監視カメラおよび固定脚と共に改質
手段を装備した表面改質装置と、この表面改質装置を吊
り下げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および
改質手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、この
ケーブルを接続して前記監視カメラおよび表面改質装置
の操作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とする。
【0023】請求項5記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全装置は、上記監視カメラおよび固定脚と共に
改質手段を装備した表面改質装置において、前記改質手
段が処理対象部材の表面に急冷凝固組織を形成させると
共に外面の残留応力を低減する急冷凝固処理、あるいは
処理対象部材表面と共に外面の残留応力を低減する固溶
化熱処理を行うレーザ照射装置であることを特徴とす
る。
【0024】請求項6記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全装置は、監視カメラおよび固定脚と共に探傷
手段を装備した表面検査装置と、この表面検査装置を吊
り下げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および
探傷手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、この
ケーブルを接続して前記監視カメラおよび表面検査装置
の操作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とする。
【0025】請求項7記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全方法は、原子炉圧力容器内に設置されてライ
ザー管とトランジッションピース、エルボー、インレッ
トミキサ、ビームおよびカラーとディフューザ等から形
成されたジェットポンプにおいて、原子力プラントの定
期検査に際して前記ビームとエルボーを取り外したライ
ザー管と、インレットミキサを取り外したディフューザ
に対して夫々の端部より各処理装置を挿入する。
【0026】さらに前記ライザー管およびディフューザ
内に存在する溶接部近傍表面の加工と検査処理をすると
共に、前記取り外したビームとエルボーおよびインレッ
トミキサ等を新規で耐応力腐食割れ性に優れた材質で製
作したものと交換することを特徴とする。
【0027】請求項8記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全方法は、原子炉圧力容器内に設置したジェッ
トポンプのライザー管において、炉水中でライザー管内
に処理装置を設置後にトランジッションピース直下まで
炉水水位を下げると共にライザー管内の炉水を排出する
ことを特徴とする。
【0028】請求項9記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全方法は、原子炉圧力容器内に設置したジェッ
トポンプのライザー管において、炉水中でライザー管内
に処理装置を設置後にトランジッションピース部を吸気
管付き防止栓にて封止すると共にライザー管内の炉水を
排出することを特徴とする。
【0029】請求項10記載の発明に係るジェットポンプ
の予防保全方法は、原子炉圧力容器内に設置したジェッ
トポンプのディフューザにおいて、炉水中でディフュー
ザ内に処理装置を設置後にディフューザの下端部を排水
管付き防止栓で、上端部を吸気管付き防止栓にて封止す
ると共にディフューザ内の炉水を排出することを特徴と
する。
【0030】
【作用】請求項1記載の発明は、原子炉圧力容器内に設
置されたジェットポンプでビームとエルボーを取り外し
たライザー管、あるいはインレットミキサを取り外した
ディフューザ内にケーブルで吊り下げた表面加工装置を
挿入し、被処理部に対する適切な位置で固定脚を拡張し
て固定すると共に、被処理部に対して加工手段により表
面加工処理をする。なお、表面加工装置の位置決めと処
理状況は監視カメラで監視し、これらの操作は遠隔操作
盤から遠隔操作する。
【0031】請求項2記載の発明は、ジェットポンプの
ライザー管、あるいはディフューザ内にケーブルで吊り
下げた表面洗浄装置を挿入し、被処理部に対して固定す
ると共に、洗浄手段により表面洗浄処理をする。なお、
表面洗浄装置の位置決めと処理状況は監視カメラで監視
し、これらの操作は遠隔操作盤から遠隔操作する。
【0032】請求項3記載の発明は、前記請求項1また
は請求項3に記載した表面加工装置あるいは表面洗浄装
置において、炉水中のジェットポンプに対して処理作業
を行う際に、バキュームポンプを運転して吸引管により
処理作業に際して発生し、炉水中に混入した異物を炉水
と共に吸引してフィルタで捕捉、除去する。
【0033】請求項4記載の発明は、ジェットポンプの
ライザー管、あるいはディフューザ内にケーブルで吊り
下げた表面改質装置を挿入し、被処理部に対して固定す
ると共に、改質手段により表面改質処理をする。なお、
表面改質装置の位置決めと処理状況は監視カメラで監視
し、これらの操作は遠隔操作盤から遠隔操作する。
【0034】請求項5記載の発明は、表面改質装置の改
質手段であるレーザ照射装置により、ジェットポンプの
ライザー管、あるいはディフューザ内の被処理部に対し
てレーザ光を照射して、対象部材を急冷凝固処理して表
面に急冷凝固組織の形成と共に外面の残留応力を低減す
る。あるいは固溶化熱処理を行こない対象部材表面と外
面における残留応力を低減する。
【0035】請求項6記載の発明は、ジェットポンプの
ライザー管、あるいはディフューザ内にケーブルで吊り
下げた表面検査装置を挿入し、被処理部に対して固定す
ると共に、監視カメラによる目視と探傷手段により表面
検査をする。なお、表面検査装置の位置決めと検査状況
は監視カメラで監視し、これらの操作は遠隔操作盤から
遠隔操作する。
【0036】請求項7記載の発明は、原子力プラントの
定期検査に際して原子炉圧力容器内に設置されているジ
ェットポンプを分解し、原子炉圧力容器に固定されたラ
イザー管とディフューザに対しては、内部に各処理装置
を挿入して前記ライザー管およびディフューザ内に存在
する溶接部近傍表面の加工と検査処理をする。また、ジ
ェットポンプより取り外した、エルボー、インレットミ
キサ、ビーム等は新規で耐応力腐食割れ性に優れた材質
で製作したものと交換する。
【0037】請求項8記載の発明は、原子炉圧力容器内
に設置したジェットポンプのライザー管内を気中にて処
理する際に、炉水中でライザー管内に処理装置を設置し
た後にライザー管の上端にあるトランジッションピース
の直下まで炉水水位を下げると共に、ライザー管内の炉
水を排出してから処理装置によるライザー管内の処理作
業を実施する。
【0038】請求項9記載の発明は、原子炉圧力容器内
に設置したジェットポンプのライザー管内を気中にて処
理する際に、炉水中でライザー管内に処理装置を設置し
た後にライザー管上端のトランジッションピース部を吸
気管付き防止栓で封止すると共にライザー管内の炉水を
排出してから処理装置によるライザー管内の処理作業を
実施する。
【0039】請求項10記載の発明は、原子炉圧力容器内
に設置したジェットポンプのディフューザ内を気中にて
処理する際に、炉水中でディフューザ内に処理装置を設
置後にディフューザの下端部を排水管付き防止栓で、上
端部を吸気管付き防止栓で封止すると共にディフューザ
内の炉水を排出することを特徴とする。
【0040】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説
明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分には同
一符号を付して詳細な説明を省略する。原子炉内に設置
されて炉水を循環させるジェットポンプ3については、
図13の外形図に示すようにライザー管4と、このライザ
ー管4の端部のトランジッションピース5、および炉水
流路を転回させるエルボー6と、炉水流の整流をするイ
ンレットミキサ7が備えられている。
【0041】さらに、このエルボー6とインレットミキ
サ7を接続するビーム8、およびカラー部9に取り付け
られたディフューザ10により形成されている。また、上
記図12の縦断面図に示すように、原子炉の定期検査時に
は、原子炉圧力容器1内に設置されたシュラウド16上に
取り付けられた蒸気乾燥器17と、シュラウドヘッド兼気
水分離器18等の機器は、燃料棒19の交換等の目的のため
に一旦外部に取り出される。
【0042】しかしながら、原子炉内に設置されたジェ
ットポンプ3については、ライザー管4が原子炉圧力容
器1にノズル13とセーフエンド12を介すると共に、ライ
ザーブレースアーム15により取り付けられており、ま
た、カラー部9にてシュラウドサポートプレート14を介
して原子炉圧力容器1に取り付けられている。
【0043】図2の縦断面図に示すように、定期点検中
の原子炉圧力容器1内は、放射線遮蔽能力を有する炉水
20により満たされており、本発明の実施に当たって運転
員が遠隔操作を行うために、オペレーションフロア21に
遠隔操作盤22が設置され、これに接続されたケーブル23
を介して、炉水20中における各種処理装置の制御を行う
ように構成されている。
【0044】図3の縦断面図(a)はライザー管4の上
部を、図3(b)はライザー管全体で、いずれもジェッ
トポンプ3のライザー管4に対する表面加工装置、表面
洗浄装置、表面改質装置および表面検査装置である処理
装置24の挿入状態を示している。また、図4の縦断面図
は処理装置24の設置状態を示したものである。
【0045】表面加工装置、表面洗浄装置、表面改質装
置および表面検査装置の各処理装置24は、駆動部25とこ
れに収納した施工部26および固定脚27からなり、処理装
置によっては、その位置関係が異なる複数の施工部を保
有するものがある。
【0046】なお、処理装置24の選択に際しては、ジェ
ットポンプ3の被処理部28である例えば溶接部の位置
と、周囲の干渉物との取り合いにより選定されると共
に、その設置位置については、ここで示すライザー管4
においては、図3(a)のように炉水20中で図示しない
ビーム8、エルボー6およびインレットミキサ7が取り
外される。
【0047】また、ライザー管4端部のトランジッショ
ンピース5から処理装置24を挿入する。なお、図示しな
いディフューザ10の場合は、上端部のインレットミキサ
7か、カラー部9より処理装置24を挿入するようにす
る。
【0048】この処理装置24は図3(b)で示すよう
に、被処理部28である例えば突き合わせ溶接部の所定位
置まで移動した後に、図4に示すように駆動部25から突
出する固定脚27にてライザー管4の内面に固定する。
【0049】ここで施工部26により被処理部28に対して
所定の施工処理を行った後に、固定脚27を解除して処理
装置24はトランジッションピース5から、また、ディフ
ューザ10の場合はインレットミキサ7あるいはカラー部
9より引き抜かれる。
【0050】何れの処理装置24にも処理装置本体の固定
と、施工部26および結果の確認を行うために図示しない
前方および側方監視カメラを装備し、運転員は前記遠隔
操作盤22上のモニタにより監視しながら操作する。
【0051】第1実施例は表面加工方法に係り、図1の
縦断面図に示すようにライザー管4を例にすると、表面
加工の処理装置24としては、上記図示しない前方および
側方監視カメラ、および固定脚27と共に、表面加工の施
工部26として研削手段のグラインダあるいは回転ブラシ
29を装備した表面加工装置30でなる。
【0052】さらに、この表面加工装置30を吊り下げ
て、回転ブラシ29への操作信号および監視カメラからの
監視信号等の伝送をするケーブル23と、このケーブル23
が接続されていて上記オペレーションフロア21に設置す
る遠隔操作盤22により構成されている。
【0053】次に上記構成による作用について説明す
る。表面加工装置30はオペレーションフロア21において
ケーブル23に取り付けられ、電気的にも接続されて、監
視カメラ、および固定脚27や回転ブラシ29等の各機能の
作動確認をする。
【0054】ケーブル23に吊られた表面加工装置30は、
定期点検中の原子炉圧力容器1内で炉水20中に吊り降ろ
し、ビーム8、エルボー6およびインレットミキサ7が
取り外された上端部のトランジッションピース5からラ
イザー管4内に挿入する。
【0055】ライザー管4内では被処理部28である溶接
部の近傍で、一旦下降を停止して施工部26である回転ブ
ラシ29を繰出し、この回転ブラシ29が被処理部28に対し
て適切な位置にあるか否かの確認と位置調整をして、適
切な位置において前記固定脚27を突出させてライザー管
4内での表面加工装置30の固定を行う。
【0056】この後に回転ブラシ29を回転させて被処理
部28に接触させると共に、ライザー管4の内面を摺動さ
せて内面に付着している酸化生成物を炉水20中で除去
し、さらに、被処理部28の表面の粗さを一定に仕上げ
る。
【0057】表面加工装置30による被処理部28における
表面加工処理が終了したら、その結果を監視カメラで確
認した後に、ケーブル23を巻き取って表面加工装置30を
オペレーションフロア21に引上げ、ケーブル23より取り
外すことにより、1本のライザー管4の表面加工処理の
作業が完了する。
【0058】なお、前記した表面加工装置30を原子炉圧
力容器1内に吊り降ろして、挿入するライザー管4上端
部のトランジッションピース5の位置検索と、ライザー
管4内での表面加工装置30の位置決め、および被処理部
28に対する回転ブラシ29の処理状態と、表面加工処理結
果の確認等一連の作業は、全て前記表面加工装置30に装
備した監視カメラからの映像を運転員がオペレーション
フロア21でモニタを監視しながら、遠隔操作盤22におけ
る遠方操作により実施する。
【0059】また、表面加工処理の際に回転ブラシ29に
より被処理部28の表面が研削され、これにより生じる研
削粉により炉水20の清浄度が低下したり、放射線の被曝
量が増加することを考慮する場合は、回転ブラシ29ある
いは研削処理部の近傍に吸引管31を配置する。
【0060】研削処理により生じる研削粉を炉水20と共
に、一旦バキュームポンプ32により回収し、フィルタ33
を通して捕捉、除去し、清浄な炉水20を再び原子炉圧力
容器1内に戻す。これにより炉水20の清浄度を一定レベ
ルに維持することができると共に、炉水20中の研削粉に
よる放射線の被曝量を低減することができる。
【0061】なお、以下の各実施例においても、各処理
装置24の被処理部28への誘導と、位置決めおよび作業状
態と、その結果の確認については、本第1実施例で説明
したものと、ほぼ同様なので詳細な説明は省略する。
【0062】第2実施例は表面洗浄方法に係り、図5の
縦断面図に示すようにライザー管4を例にすると、表面
洗浄の処理装置24としては、上記図示しない前方および
側方監視カメラ、および固定脚27と共に表面洗浄の施工
部26として洗浄手段のウォータージェット洗浄装置34を
装備した表面洗浄装置35で形成されている。
【0063】さらに、この表面加工装置35はウォーター
ジェット洗浄装置34への操作信号および監視カメラから
の監視信号等の伝送をするケーブル23により吊り下げる
と共に、このケーブル23を接続した上記オペレーション
フロア21に設置する遠隔操作盤22により構成されてい
る。
【0064】なお、表面洗浄の施工部26としては前記機
械的なウォータージェット洗浄装置34の他に、図示しな
い超音波等を利用した非破壊的な方法もあり、その作用
と効果は、それぞれの保有する特徴により使い分けする
ことは容易に考えられる。
【0065】上記構成による作用としては、表面洗浄装
置35を原子炉圧力容器1内で炉水20中に吊り降ろし、ラ
イザー管4内の所定の位置に配置してから、被処理部28
であるライザー管4の内面にウォータージェット洗浄装
置34よりジェット噴水を吹き付け、このジェット噴水の
衝撃力により炉水20中で被処理部28に付着していた研削
粉等の異物を除去して表面を清浄にする。
【0066】なお、この場合も上記第1実施例と同様
に、吸引管31とバキュームポンプ32を設置することによ
り、洗浄処理により生じた浮遊廃棄物を炉水20から除去
して、炉水20の清浄度の維持と放射線の被曝量を低減す
ることができる。
【0067】第3実施例は表面改質方法に係り、図6の
縦断面図に示すようにライザー管4を例にすると、表面
改質の処理装置24としては、上記図示しない前方および
側方監視カメラ、および固定脚27と共に表面改質の施工
部26として改質手段のレーザ照射装置36を装備した表面
改質装置37で形成されている。
【0068】さらに、この表面改質装置37はレーザ照射
装置36への操作信号および監視カメラからの監視信号等
の伝送をするケーブル23に吊り下げると共に、このケー
ブル23を接続した上記オペレーションフロア21に設置す
る遠隔操作盤22により構成されている。
【0069】この構成による作用としては、表面改質装
置37を原子炉圧力容器1内で炉水20中に吊り降ろし、ラ
イザー管4内の所定の位置に配置してから、被処理部28
であるライザー管4の内面にレーザ照射装置36よりレー
ザ光を照射して、このレーザ光による加熱と冷却の効果
により、被処理部28であるライザー管4の内面に表面改
質処理を施すものである。
【0070】しかしながら、このレーザ光による照射効
果を上げるためには、被処理部28および、この近傍を空
気による雰囲気とする必要がある。これには図7の縦断
面図に示すように、表面改質装置37を原子炉圧力容器1
内の炉水20中で、ライザー管4内の適切な位置に配置し
てから、被処理部28および、この近傍の炉水20を排除し
て空気と置換する必要がある。
【0071】図7(a)は炉水20中で表面改質装置37を
ライザー管4内の適切な位置に配置した状態を示す。こ
こでは、ライザー管4内の炉水20を排除して空気と置換
する2つの方法について説明する。
【0072】第1の置換方法としては図7(b)に示す
ように、図7(a)のライザー管4内で表面改質装置37
を適切な位置に配置した状態から、先ず、原子炉圧力容
器1内の炉水20の水位をトランジッションピース5の直
下まで下げる。
【0073】次に、原子炉圧力容器1の外部設備で、ラ
イザー管4に連通している止め弁38を閉じてからドレン
弁39を開くことにより、ライザー管4内の炉水20が排出
されて、表面改質装置37が配置されたライザー管4内
は、原子炉圧力容器1内の空気と置換される。
【0074】なお、表面改質装置37からレーザ光を照射
し、この表面改質処理が終了してから原状に復帰させる
ためには、ドレン弁39を閉じてから止め弁38を開き、次
に炉水20の水位をトランジッションピース5より上にす
ることで、ライザー管4内は炉水20で満たされる。
【0075】この第1の置換方法は、作業が簡便で特別
な機器を必要としないが、表面改質処理の都度、炉水20
の水位をトランジッションピース5の直下まで下げた
り、上げたりする必要がある。
【0076】第2の置換方法としては図7(c)に示す
ように、図7(a)のライザー管4内で表面改質装置37
を適切な位置に配置した状態から、先ず、炉水20中でト
ランジッションピース5の上部開口を吸気管40を備えた
吸気管付き防水栓41により密封する。なお、この吸気管
40は、その上端が炉水20の水面上に突出して原子炉圧力
容器1内の空気中に開口し、下端はライザー管4内に開
口した構造としている。
【0077】次に、前記図7(b)に示されている止め
弁38を閉じてからドレン弁39を開くと、ライザー管4内
の炉水20が排出されるに伴い、表面改質装置37が配置さ
れたライザー管4内には、吸気管40を通じて原子炉圧力
容器1内の空気が流入して炉水20と置換される。
【0078】なお、表面改質装置37による表面改質処理
が終了すると、ドレン弁39を閉じてから防水栓41を外す
と、ライザー管4内は空気が炉水20と置換されて炉水20
に満たされる。この後に表面改質装置37をライザー管4
内より抜き出してから、止め弁38を開ける。この第2の
置換方法は、吸気管付き防水栓41と、その着脱作業が必
要であるが、原子炉圧力容器1内の炉水20中で作業がで
きることが特徴である。
【0079】第4実施例はディフューザ10を対象にした
各処理装置24による処理に係り、特に内部の炉水20を排
除して空気と置換する場合で、ディフューザ10がシュラ
ウドサポートプレート14を介して原子炉圧力容器1に取
り付けられているシュラウドサポートプレート14との溶
接部を被処理部28として図8の縦断面図に示す。
【0080】図8(a)に示すように、炉水20中のディ
フューザ10に対して、このディフューザ10が原子炉圧力
容器1に取り付けるシュラウドサポートプレート14の下
の開口を、排水管42を備えた排水管付き防水栓43により
密封する。なお、この吸気管40は、その上端が炉水20の
水面上に突出して原子炉圧力容器1内の空気中に開口
し、下端はディフューザ10内に開口した構成としてい
る。
【0081】次に、図8(b)に示すように上端のカラ
ー部9から処理装置24を挿入し、施工部26が被処理部28
に適切な位置で、固定脚27を拡張して固定する。
【0082】この後に図8(c)のように、カラー9部
をケーブル23、排水管42と共に吸気管44を設けた吸気管
付き防水栓45で密封した後に、排水管42を介して図示し
ないバキュームポンプ32によりディフューザ10内の炉水
20を排水する。
【0083】これにより、原子炉圧力容器1内の空気が
吸気管44からディフューザ10内に流入し、ディフューザ
10内は空気で置換される。この状態において例えば施工
部26が表面改質装置37であれば、被処理部28に対する表
面改質処理が実施できる。
【0084】ディフューザ10内の処理作業が終了した
ら、ディフューザ10内に排水管42から炉水20を満たした
後に吸気管付き防水栓45を外すと共に、固定脚27を処理
装置24内に収納して処理装置24をディフューザ10内より
抜き出し、さらに、排水管付き防水栓43を取り外す。
【0085】なお、ディフューザ10内における処理内容
が、炉水20中で実施する例えば表面加工や表面洗浄処理
等であれば、前記図8(b)に示した状態で施工部26に
よる各処理作業が実施できる。
【0086】各処理により生じて炉水20に混入し、清浄
度の維持と放射線被曝に支障を与える異物は、処理作業
終了後に排水管付き防水栓43を取り外す前に、排水管42
によりディフューザ10内の炉水20を排除し、かつ、図示
しないフィルタ33にて除去することで、炉水20の清浄度
の維持と放射線の被曝量を低減することができる。
【0087】また、前記図8においては排水管付き防水
栓43に設けた排水管42をディフューザ10の内部に配置さ
せ、かつ、カラー9部をケーブル23、排水管42と共に吸
気管付き防水栓45を貫通して封止して設けるようにした
が、前記排水管42をディフューザ10の外側に配置させれ
ば、吸気管付き防水栓45の封止構造が簡易となる。
【0088】図9の配管内面と表面組織図は、表面改質
による応力腐食割れに対する予防保全の効果の一例を示
したもので、例えば上記実施例において対象としたジェ
ットポンプ3の構成部における板厚の範囲は 7.8mmから
13mmまでである。
【0089】図9(a)は、このうち代表的な配管であ
るライザー管4の突き合わせ溶接部(図1の被処理部28
に相当)で、配管試験体46の突合わせ溶接部47の内面に
レーザ表面溶融処理を施した例を示す。
【0090】これにより、鋭敏化熱処理により強制的に
鋭敏化を生じさせた配管試験体46の表面層には、図9
(b)に示すように鋭敏化組織が認められるが、表面改
質処理後は、図9(c)のように応力腐食割れの原因と
されている粒界の鋭敏化組織が認められず、耐食性のよ
い急冷凝固層48が形成される。
【0091】一方、配管外面における残留応力は、図10
の特性図に示すようにレーザ表面凝固処理前は、溶接部
を中心にして溶接熱影響部は点線49で示すように、応力
腐食割れを生じうるレベルの残留応力が発生している。
【0092】しかしながら、レーザ表面凝固処理後は、
実線50のように応力腐食割れを考慮すべき溶接熱影響部
において残留応力の低減が認められ、応力腐食割れを生
じうるレベルからは逸脱している。
【0093】したがって応力腐食割れは、材料の鋭敏
化、材料中の高い引張応力、溶存酸素を含む高温水中の
3条件が重畳した場合にのみ生じる現象であることか
ら、配管の内面については材料の鋭敏化の除去を、配管
の外面については引張残留応力の低減により、配管の内
外面とも応力腐食割れが発生し得る条件を排除すること
になり、応力腐食割れが予防される。
【0094】第5実施例は表面検査方法に係り、図11の
縦断面図はライザー管4を例にして、内面の表面検査を
示す。この表面検査を行う処理装置24としては、上記図
示しない前方および側方監視カメラ、および固定脚27と
共に、表面検査の施工部26として表面検査手段である液
体浸透探傷検査、もしくは超音波、渦電流等による探傷
装置51を装備した表面検査装置52で形成されている。
【0095】さらに、この表面検査装置52は探傷装置51
への操作信号および監視カメラからの監視信号等の伝送
をするケーブル23に吊り下げると共に、このケーブル23
を接続した上記オペレーションフロア21に設置する遠隔
操作盤22により構成されている。
【0096】次に上記構成による作用は、監視カメラで
遠隔による目視検査の後に、探傷装置51にて表面検査を
行う。この表面検査は、その被処理部28と各処理後の状
態等で適切な種類と施工部26を選定して実施する。
【0097】なお、上記検査のうち特に液体浸透探傷検
査および渦電流による検査を気中で実施する場合には、
上記した第3実施例の図7(b),(c)と、第4実施
例の図8に示した炉水20の排水方法を流用すると良い。
【0098】第6実施例は部品交換による保全に係り、
特に既設部品の構造材質より優れた材質で製作された部
品と交換することを特徴とする。
【0099】上記の各実施例によりライザー管4および
ディフューザ10のような配管内での各種処理および検査
が完了して、異常のないことを確認すると、先に一旦、
各種処理および検査を行うために取り外した図13に示し
たインレットミキサ7、エルボー6およびビーム8を取
り付けなければならないが、この際に予防保全の一環と
して前記各部品の新品への交換を実施する。
【0100】この交換作業としては、ディフューザ10に
新たなインレットミキサ7を取り付けた後に、新たなエ
ルボー6をディフューザ10およびトランジッションピー
ス5に取り付け、さらに新たなビーム8をエルボー6と
インレットミキサ7に取り付ける。
【0101】しかしながら、新たに取り付けるインレッ
トミキサ7およびエルボー6の材質は、従来の高い炭素
成分を含むステンレス鋼と異なり、耐食性により優れた
材料として低い炭素成分を含むステンレス鋼で製作され
たインレットミキサ7およびエルボー6と取り替える。
また、ビーム8についても、従来のNi基合金より耐食
性に優れた材質、もしくは耐食性改善熱処理を行ったN
i基合金で製作したビーム8に取り替える。
【0102】以上のように、原子炉圧力容器1内で放射
線遮蔽効果がある炉水20中にあるものの、炉心近くで放
射線による被曝対策を考慮する必要があり、しかも狭隘
な場所に設置されているジェットポンプ3に対する予防
保全が、オペレーションフロア21からの遠隔操作により
実施できる。
【0103】また、溶接部等で応力腐食割れを生じ易い
部所に対しする表面加工、表面洗浄、表面改質、排水、
表面検査及び交換等の各施工を行う各処理装置は、それ
ぞれ単独の性能を有していることから、施工順序の前後
関係は規制されない。
【0104】すなわち、例えば検査の後に洗浄が要求さ
れれば、表面洗浄の工程を組み込むことが可能であり、
また表面加工の前後に表面検査が要求されれば、表面検
査の後に表面加工を行い、その後に再び表面検査を行う
工程を組み込むことも可能である。さらに、目視検査以
外の検査が要求されない場合は、表面検査の工程を省略
しても良い。
【0105】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子力プラントの
定期検査中において、原子炉内に設置したジェットポン
プの構造部で、特に長期間使用と設置条件により応力腐
食割れ現象が生じ易い部所について、各構造部の固定状
態、あるいは分解の可否等、それぞれの設置状態等に対
応して、表面処理、検査および交換等の適切な保全処置
が容易にできる。また、一連の処理作業を遠隔操作にて
行うことと、遮蔽材である炉水の排除を極力抑制して作
業時の被曝低減ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例で表面加工とその装置
を示すライザー管縦断面図。
【図2】沸騰水型原子炉の定期検査と本発明の実施状況
を示す縦断面図。
【図3】本発明に係る一実施例で処理装置の挿入方法を
示す縦断面図、(a)はライザー管の上部、(b)はラ
イザー管の全体を示す。
【図4】本発明に係る一実施例で処理装置の設置方法を
示すライザー管縦断面図。
【図5】本発明に係る第2実施例で表面洗浄とその装置
を示すライザー管縦断面図。
【図6】本発明に係る第3実施例で表面改質とその装置
を示すライザー管縦断面図。
【図7】本発明に係る第3実施例でライザー管における
炉水排除の縦断面図で、(a)は浸水時、(b)は第1
の排水方法、(c)は第2の排水方法を示す。
【図8】本発明に係る第4実施例でディフューザにおけ
る処理と炉水の排除を示す縦断面図で、(a)は浸水
時、(b)は処理装置挿入時、(c)は排水時を示す。
【図9】応力腐食割れ現象防止に係る表面改質の説明図
で、(a)は外形説明図、(b),(c)は組織図。
【図10】応力腐食割れ現象防止に係る表面改質処理の
効果を示す特性図。
【図11】本発明に係る第5実施例で表面検査とその装
置を示すライザー管縦断面図。
【図12】沸騰水型原子炉の縦断面図。
【図13】沸騰水型原子炉のジェットポンプの外形図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…ジェットポンプ、
4…ライザー管、5…トランジッションピース、6…エ
ルボー、7…インレットミキサ、8…ビーム、9…カラ
ー、10…ディフューザ、11…サーマルスリーブ、12…セ
ーフエンド、13…再循環水入口ノズル、14…シュラウド
サポートプレート、15…ライザーブレースアーム、16…
シュラウド、17…蒸気乾燥器、18…シュラウドヘッド兼
気水分離器、19…燃料棒、20…炉水、21…オペレーショ
ンフロア、22…遠隔操作盤、23…ケーブル、24…処理装
置、25…駆動部、26…施工部、27…固定脚、28…被処理
部、29…回転ブラシ、30…表面加工装置、31…吸引管、
32…バキュームポンプ、33…フィルター、34…ウォータ
ージェット洗浄装置、35…表面洗浄装置、36…レーザ照
射装置、37…表面改質装置、38…止め弁、39…ドレン
弁、40,44…吸気管、41,45…吸気管付き防水栓、42…
排水管、43…排水管付き防水栓、46…配管試験体、47…
突合わせ溶接部、48…急冷凝固層、49…点線、50…実
線、51…探傷検査装置、52…表面検査装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04F 5/00 G21C 15/25 GDB 17/08 19/02 GDB K G21D 1/00 GDB (72)発明者 坂本 博司 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 監視カメラおよび固定脚と共に研削手段
    を装備した表面加工装置と、この表面加工装置を吊り下
    げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および研削
    手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、このケー
    ブルを接続して前記監視カメラおよび表面加工装置の操
    作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とするジェッ
    トポンプの予防保全装置。
  2. 【請求項2】 監視カメラおよび固定脚と共に洗浄手段
    を装備した表面洗浄装置と、この表面洗浄装置を吊り下
    げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および洗浄
    手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、このケー
    ブルを接続して前記監視カメラおよび表面洗浄装置の操
    作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とするジェッ
    トポンプの予防保全装置。
  3. 【請求項3】 前記炉水中で処理作業を行う表面加工装
    置および表面洗浄装置あるいは各被処理部近傍に吸引管
    を配置すると共に、この吸引管に接続したバキュームポ
    ンプとフィルタを設置することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載のジェットポンプの予防保全装置。
  4. 【請求項4】 監視カメラおよび固定脚と共に表面改質
    手段を装備した表面改質装置と、この表面改質装置を吊
    り下げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および
    表面改質手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、
    このケーブルを接続して前記監視カメラおよび表面改質
    装置の操作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とす
    るジェットポンプの予防保全装置。
  5. 【請求項5】 上記監視カメラおよび固定脚と共に改質
    手段を装備した表面改質装置において、前記改質手段が
    処理対象部材の表面に急冷凝固組織を形成させると共に
    外面の残留応力を低減する急冷凝固処理、あるいは処理
    対象部材表面と共に外面の残留応力を低減する固溶化熱
    処理を行うレーザ照射装置であることを特徴とする請求
    項4記載のジェットポンプの予防保全装置。
  6. 【請求項6】 監視カメラおよび固定脚と共に探傷手段
    を装備した表面検査装置と、この表面検査装置を吊り下
    げて前記監視カメラからの監視信号と固定脚および探傷
    手段への操作信号等の伝送をするケーブルと、このケー
    ブルを接続して前記監視カメラおよび表面検査装置の操
    作を行う遠隔操作盤とからなることを特徴とするジェッ
    トポンプの予防保全装置。
  7. 【請求項7】 原子炉圧力容器内に設置されてライザー
    管とトランジッションピース、エルボー、インレットミ
    キサ、ビームおよびカラーとディフューザ等から形成さ
    れたジェットポンプにおいて、原子力プラントの定期検
    査に際して前記ビームとエルボーを取り外したライザー
    管あるいはインレットミキサを取り外したディフューザ
    に対して夫々の端部より各処理装置を挿入して前記ライ
    ザー管あるいはディフューザ内に存在する溶接部近傍表
    面の加工と検査処理をすると共に、前記取り外したビー
    ムとエルボーおよびインレットミキサを新規で耐応力腐
    食割れ性に優れた材質で製作したものと交換することを
    特徴とするジェットポンプの予防保全方法。
  8. 【請求項8】 原子炉圧力容器内に設置したジェットポ
    ンプのライザー管において、炉水中でライザー管内に処
    理装置を設置後にトランジッションピース直下まで炉水
    水位を下げると共にライザー管内の炉水を排出すること
    を特徴とする請求項7記載のジェットポンプの予防保全
    方法。
  9. 【請求項9】 原子炉圧力容器内に設置したジェットポ
    ンプのライザー管において、炉水中でライザー管内に処
    理装置を設置後にトランジッションピース部を吸気管付
    き防止栓にて封止すると共にライザー管内の炉水を排出
    することを特徴とする請求項7記載のジェットポンプの
    予防保全方法。
  10. 【請求項10】 原子炉圧力容器内に設置したジェット
    ポンプのディフューザにおいて、炉水中でディフューザ
    内に処理装置を設置後にディフューザの下端部を排水管
    付き防止栓で、上端部を吸気管付き防止栓にて封止する
    と共にディフューザ内の炉水を排出することを特徴とす
    る請求項7記載のジェットポンプの予防保全方法。
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