JP4488591B2 - 炉心スプレイスパージャの保全方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器に設置される炉心スプレイスパージャの応力腐食割れを防止する炉心スプレイスパージャの保全方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炉心スプレイスパージャは、原子炉圧力容器内に設けられる炉心シュラウドの上部胴内面に周方向に沿う配置で、略180度の範囲に亘る2本のパイプを対向させた構成のものであり、例えば上下に一定間隔をもって例えば2系統、隣接設置される。各パイプの外側円周部は、炉心シュラウド上部胴内面と接するように、ブラケットにより固定されている。
【0003】
この炉心スプレイスパージャは、その上方に配置された炉心スプレイ系配管にインレット管を介して接続される給水用の入口管、これに接続される前記のパイプにより構成される散水用のヘッダ管、これら入口管とヘッダ管との接続底部を閉塞するカバープレート、およびヘッダ管の端部を閉塞する端板等の要素からなり、これらを溶接により接合して構成される。
【0004】
そして、炉心スプレイスパージャは、万一の冷却材喪失事故による炉心露出時に、燃料の過熱により燃料被覆管の溶融を防ぐ等の目的で炉心の緊急冷却水注入用として適用され、サプレッションプールの水を燃料集合体内に注入する。なお、この炉心スプレイスパージャは、炉心シュラウドの燃料集合体上端部よりも上方の上部胴内面に設置することにより、冷却水を核燃料集合体内に均一に注入することができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、炉心スプレイスパージャはカーボン含有量が高いステンレス鋼によって構成されており、高温の原子炉冷却材に接して使用される高温水環境下においては、溶接部近傍の溶接熱影響部に応力腐食割れ(SCC)が発生することが懸念されている。
【0006】
応力腐食割れの要因としては、材料面、環境面、応力面からの3要因があげられ、これらの要因のうち、いずれか1つでも改善できれば応力腐食割れの発生は低減することが知られている。
【0007】
現状においては、炉内構造物一般の応力腐食割れ対策として、溶接部近傍の残留応力を圧縮応力に移行する方法が提案されており、この技術を炉心スプレイスパージャに適用することが検討されている。
【0008】
しかしながら、炉心スプレイスパージャは上述したように、その外側円周部がシュラウド上部胴内面と接するようにブラケットにより固定されており、現状の方法によっては、炉心スプレイスパージャの管溶接部の改質必要部位を容易に改質施工することが困難であり、従来ではスプレイスパージャの外面から表面改質を行なうことしか提案されておらず、このような方法では必ずしも十分な表面改質が施工できないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来では困難であった炉心スプレイスパージャの溶接部等の表面改質施工を実現し、炉心スプレイスパージャの応力腐食割れの発生可能性を低減し、プラントの信頼性向上、寿命長期化等が図れる炉心スプレイスパージャの保全方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1の発明では、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設けられる炉心シュラウドの上部胴内面に周方向に沿って設置され、給水用の入口管、散水用のヘッダ管およびカバープレートを溶接により接合して構成される非常時冷却水注入用の炉心スプレイスパージャについて、定期検査の際に前記原子炉圧力容器内で保全作業を施す炉心スプレイスパージャの保全方法であって、予め前記原子炉圧力容器の上部を開放して蒸気乾燥器、気水分離器の炉内上部機器および燃料を撤去し、次いで炉心シュラウドの上部リング上面に、その炉心シュラウド内への部品落下を防止するための落下防止蓋を設置し、さらに前記炉心シュラウドの上方に配置されて前記炉心スプレイスパージャにインレット配管を介して接続される炉心スプレイ系配管を切断撤去することにより、前記炉心シュラウドの上方を開放させるとともに前記炉心スプレイスパージャの入口管部を開口させ、この状態で前記炉心スプレイ系配管の切断撤去により開口した開口部を介して前記炉心スプレイスパージャ内に表面改質装置を挿入して、前記炉心スプレイスパージャの内面側から、応力腐食割れに対する表面改質施工を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法を提供する。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質施工として、前記表面改質装置を挿入する前記炉心スプレイスパージャの内面を表面改質施工対象部として脱鋭敏化し、またはその面と反対側の外面の残留応力を圧縮側に移行させる施工を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
【0012】
請求項3の発明では、請求項2記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質施工として、レーザ照射による施工対象部表面の急熱および急冷を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法を提供する。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャの入口管とカバープレートとの溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャの入口管とヘッダ管との溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法を提供する。
【0015】
請求項6の発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、前記炉心スプレイスパージャの表面改質の施工範囲を、ヘッダ管と端板との溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法を提供する。
【0016】
請求項7の発明では、請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャのヘッダ管とオリフィスとの溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る炉心スプレイスパージャの保全方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本実施形態による炉心スプレイスパージャの保全工程の全体を示すフローチャートである。
【0019】
この図1に示すように、本実施形態では、大別して保全施工のための機器撤去等の準備工程A(ステップ101〜106)、保全のための炉心スプレイスパージャの表面改質を行う改質工程B(ステップ107)、改質後に撤去した機器の復旧、再取付け等を行う後工程C(ステップ108〜113)からなる。
【0020】
概述すると、準備工程Aにおいては、原子炉圧力容器の上部を開放して蒸気乾燥器、気水分離器等の炉内上部機器および燃料を撤去し、さらに炉心シュラウドの上方に配置されて炉心スプレイスパージャにインレット配管を介して接続される炉心スプレイ系配管を切断撤去することにより、炉心シュラウドの上方を開放させる等の準備を行う。
【0021】
改質工程Bにおいては、炉心スプレイスパージャの入口管部を開口させ、この状態で炉心スプレイ系配管の切断開口部を介して炉心スプレイスパージャ内に表面改質装置を挿入して、炉心スプレイスパージャの内面側から、応力腐食割れに対する表面改質施工を行う。
【0022】
後工程Cにおいては、表面改質装置の搬出の後、除染等を行い、その後新インレット管の取付け等、前段で撤去した機器の復旧、再組立て等を行う。
【0023】
次に、図2〜図8も参照して保全工程を詳細に説明する。
【0024】
図2は、沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内における炉心スプレイスパージャの配置構成を概略的に示す図である。
【0025】
図2に示すように、炉心スプレイスパージャ1は、原子炉圧力容器2内に設けられる炉心シュラウド3の上部胴内面に周方向に沿って設置されている。この炉心スプレイスパージャ1は、略180度の範囲に亘る2本のパイプを対向させた構成のものであり、例えば上下に一定間隔をもって例えば2系統のもの(上部スパージャ1a,下部スパージャ1b)が隣接設置されている。各パイプの外側円周部は、炉心シュラウド3の上部内面と接するように、ブラケット4により固定されている。
【0026】
この炉心スプレイスパージャ1は、その上方に配置された炉心スプレイ系配管5にインレット管6を介して接続されており、このインレット管6に接続される給水用の入口管7、これに接続される前記のパイプにより構成される散水用のヘッダ管8、これらの接続底部を閉塞するカバープレート9、およびヘッダ管8の端部を閉塞する端板10等の要素からなり、これらを溶接により接合して構成されている。
【0027】
次に、各工程について、詳細に説明する。
【0028】
準備工程A(図3)
図3は、準備工程Aを説明するための概略図であり、原子炉圧力容器内から炉心スプレイ系配管等を撤去する様子および落下防止蓋を設置した状態等を示している。
【0029】
準備工程Aにおいては、まず原子炉圧力容器1から図示省略の蒸気乾燥器、気水分離器および燃料等を撤去する(ステップ101)。蒸気乾燥器および気水分離器はDSプールへ移送保管し、燃料集合体は全数を燃料プールへ移送保管するこの撤去作業が終了した炉内状態が、上述した図2の状態である。
【0030】
この状態において、カメラその他の図示しない遠隔検査装置を用いて、炉心スプレイスパージャ1の点検を行い(ステップ102)、改質の要否を検査する。
【0031】
検査を要する場合には、図3に示すように、炉心シュラウド3の上部リング上面に、その炉心シュラウド3内への部品落下を防止するための落下防止蓋11を取付け(ステップ103)、炉心スプレイ配管5を撤去する。
【0032】
この場合、前作業として水中ダイバーにより、炉心スプレイ系配管5の撤去および据付の際に干渉する位置にある案内棒11aを、予め切断撤去するとともに、炉心スプレイ配管5のクランプ12を切断撤去する(ステップ104)。また、炉心スプレイ系配管5のインレット管(立上り管)6の切断を行なうとともに、ダイバーにより撤去する炉心スプレイ系配管5の円環部およびインレット管6の一部に図示しない吊具を取付ける。
【0033】
炉心スプレイ系配管5の切断撤去に際しては、例えば図示しない放電加工装置(EDM装置)を炉内に搬入し、ダイバーにより炉心スプレイ系配管5の円環部をノズル内のサーマルスリーブ14に接続しているジャンクションボックス13に蓋を取り付け、図2に示したサーマルスリーブ14をEDM装置により切断し、これによりノズル15から炉心スプレイ配管5を分離して、炉外へ撤去する(ステップ105)。この後、遠隔操作によってインレット管6の付根部にEDM装置を取付け、そのインレット管6を炉心シュラウド3から切断し、これも炉外へ撤去する。
【0034】
以上の工程により、炉心スプレイ系配管5は炉外へ完全に撤去され、炉心スプレイ系配管5のインレット管6に接続されていた炉心スプレイスパージャ1の入口管7の先端開口部から、下記の表面改質装置を、炉心スプレイスパージャ1の管内面側に挿入して施工する炉心スプレイスパージャ保全作業の準備が完了する。
【0035】
改質工程B(図4〜図7)
次に、図4〜図7も使用して、改質工程Bについて説明する。
【0036】
図4は、表面改質装置21の装着状態を示している。この図4に示すように、表面改質装置21は、炉心スプレイスパージャ1の入口管7の開口部から、炉心スプレイスパージャ内に挿入する。この場合、予め図示しない水吸引クリーナ等の洗浄装置により、炉心スパージャ内に残存している水およびゴミ等を拭き取り洗浄し、乾燥装置により内面を乾燥後、洗浄装置を取外す。また、研磨装置を入口管7の開口部から炉心スプレイスパージャ1内に挿入し、表面改質装置21の位置精度を考慮して、炉心スプレイスパージャ1の内面の施工範囲近傍に付着しているハードクラッド等を研磨除去する。
【0037】
この後、炉心スプレイスパージャ1の入口管7の開口部に表面改質装置21を取付ける。そして、この表面改質装置21の取付け後、表面改質装置に取付けられている図示しないカメラを用いた遠隔画像観察により施工範囲の表面状態を確認する。
【0038】
表面改質装置21は施工用のヘッド22を有し、このヘッド22部分を入口管7の開口部から炉心スプレイスパージャ1の内方に挿入する。表面改質装置21はオペレーションフロア23上に設置したレーザ発振器24に光ファイバ等を含む案内管25を介して接続されている。
【0039】
本実施形態において、表面改質装置21による表面改質施工としては、炉心スプレイスパージャ1の内面を表面改質施工対象部として脱鋭敏化し、またはその面と反対側の面の残留応力を圧縮側に移行させる施工を行うものである。この場合、表面改質方法としては、発振器24からのレーザ照射による施工対象部表面の急熱および急冷を行う。
【0040】
レーザ加熱としては、例えばYAGレーザによる方法を適用する。すなわち、この方法は、ステンレス鋼鋭敏化領域表面にYAGレーザを照射し、表面処理層(溶融凝固層と溶融化処理層)を形成させるものである。絞られたレーザ光を速い速度で移動することにより、施工対象部表面を急熱・急冷し、クロム炭化物を消失させる。また、管内側施工対象部にレーザを照射すると、冷却とともに内面の溶融部は収縮し、施工対象部の管外面側の残留応力が圧縮方向となる。
【0041】
このような作用により、応力腐食割れを防止し得る改質施工を行うものである。
【0042】
また、脱鋭敏化処理法による表面改質施工条件としては、溶け込み深さが0.2mm程度となるようにレーザの照射出力、加工速度を予め設定する。シールドガスとしては、例えばアルゴンガス等の不活性ガスを使用する。
【0043】
改質施工例1(図5)
図5(A),(B),(C)は、炉心スプレイスパージャ1の改質施工例1を示す説明図である。同図(A)は改質施工部位を示す側面図であり、同図(B),(C)はそれぞれ同図(A)のA−A線およびB−B線に沿う断面図である。
【0044】
この例では、表面改質の施工範囲を、炉心スプレイスパージャ1の入口管7とヘッダ管8との接合部に配置されるカバープレート9の溶接部9aおよびその溶接部近傍とする場合についてのものである。
【0045】
すなわち、表面改質施工範囲としては、カバープレート9と入口管7との溶接部9aおよびその熱影響部+αであり、例えばカバープレート9の外周端部から約10mm以上、中心寄りの内側部分(図5(B)に「9b」で示した部分)で、入口管7の溶接部端から約25mm以上離れた位置までの部分(図5(C)に「9c」で示した部分)となる。
【0046】
このような部分に上述した改質施工を行うことにより、炉心スプレイスパージャ1の内面から溶接部近傍に表面改質が施され、この施工における冷却に際して内面の溶融部が収縮することにより、施工対象部の炉心スプレイスパージャ1の外側の残留応力が圧縮側に移行する。また、炉心スプレイスパージャ1の内面の表面改質施工部は、表面が急熱・急冷されるためクロム炭化物が消失し、脱鋭敏化処理層となる。
【0047】
改質施工例2(図6)
図6(A),(B),(C)は、炉心スプレイスパージャ1の改質施工例2を示す説明図である。同図(A)は改質施工部位を示す側面図であり、同図(B),(C)はそれぞれ同図(A)のC−C線およびD−D線に沿う断面図である。
【0048】
この例は、図5に示した改質施工例1に対し、さらに表面改質の施工範囲として、炉心スプレイスパージャ1の入口管7とヘッダ管8との溶接部8aおよびその熱影響部である溶接部近傍を追加するものである。
【0049】
すなわち、図6(A)に示すように、ヘッダ管8は円筒形の入口管7に取付けられているため、このヘッダ管8と入口管7との溶接部8aは鞍型形状となっている。そこで、この部分の表面改質施工範囲は図6(B)に示すように、炉心スプレイスパージャ1を炉心シュラウド中心から見て、ヘッダ管8の中心線O1と入口管7の外周面との交点O2から約25mm以上、入口管7中心と反対側の方向に向う範囲(図6(B)に「8b」で示した部分)となる。なお、図5に示した例と同一の施工部分については、図6に図5と同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
以上の改質施工例2においても、炉心スプレイスパージャ1の内面から溶接部近傍に表面改質が施され、この施工における冷却に際して内面の溶融部が収縮することにより、施工対象部の炉心スプレイスパージャ1の外側の残留応力が圧縮側に移行する。また、炉心スプレイスパージャ1の内面の表面改質施工部は、表面が急熱・急冷されるためクロム炭化物が消失し、脱鋭敏化処理層となる。
【0051】
改質施工例3(図7)
図7(A),(B),(C),(D)は、炉心スプレイスパージャ1の改質施工例3を示す説明図である。同図(A)は改質施工部位を示す側面図であり、同図(B),(C)はそれぞれ同図(A)のE−E線およびF−F線に沿う断面図であり、同図(D)は同図(B)のG−G線断面図である。
【0052】
この例は、図6に示した改質施工例1に対し、さらに表面改質の施工範囲として、ヘッダ管8と端板10との溶接部10aおよびその熱影響部である溶接部近傍を追加するものである。
【0053】
この改質施工例3における表面改質施工範囲は図7(B)に示すように、ヘッダ管7の端面と端板10との接合面から約25mm以上、その端板10と反対側の方向に向う範囲(図7(B)に「10b」で示した部分)と、図7(D)に示すように、端板10の外周端部から約10mm以上、中心寄りの内側部分(図7(D)に「10c」で示した部分)である。なお、図6に示した例と同一の施工部分については、図7に図6と同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
以上の改質施工例3においても、炉心スプレイスパージャ1の内面から溶接部近傍に表面改質が施され、この施工における冷却に際して内面の溶融部が収縮することにより、施工対象部の炉心スプレイスパージャ1の外側の残留応力が圧縮側に移行する。また、炉心スプレイスパージャ1の内面の表面改質施工部は、表面が急熱・急冷されるためクロム炭化物が消失し、脱鋭敏化処理層となる。
【0055】
他の改質施工例
なお、以上の他、図示しないが、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャのヘッダ管とオリフィスとの溶接部およびその溶接部近傍とすることも可能であり、この場合も前記各例と同様の効果が奏される。
【0056】
後工程C(図8)
最後に、改質工程Bの後に行う後工程Cについて説明する。
【0057】
この後工程Cにおいては、まず改質工程Bで使用した表面改質装置21(図4参照)に取付けられているカメラ(図示省略)を用い、遠隔画像観察により施工部分の表面状態を確認する。そして、改質施工が確実に行なわれていることを担保するために、改質施工前後でレーザパワーを測定し、所定の値となっていることを確認する。施工範囲全て施工が完了した後に、表面改質装置21を炉心スプレイスパージャ1の内側から取外し、炉外へ搬出する(ステップ108)。
【0058】
その後、以下の手順によって炉心スプレイ系配管の復旧を行う。
【0059】
図8は、この炉心スプレイ系配管の復旧作業を説明するための説明図である。復旧作業は気中で行なうため、予め炉上部を化学除洗する(ステップ109)。次に、仮案内棒を心シュラウド3のガイドピンブラケットに取付けた後、作業プラットホーム31を炉心シュラウド3の上部に取付け、その後、仮ガイドロッドを取外して外周シールド32を取付ける(ステップ110)。
【0060】
次いで、旧クランプの残存部およびボルトを撤去するとともにRPVノズルの残存サーマルスリーブの未対策材部分を切断した後、新炉心スプレイ系配管33と取合う開先部の加工を行ない、またテンプレートを用いて新サーマルスリーブ34および配管加工に必要な寸法を測定する(ステップ111)。
【0061】
なお、既設の炉心シュラウド3は照射されているため、新インレット管35を溶接によってその炉心シュラウド3に取付けることはできない。そこで、新インレット管35は、炉心シュラウド3の新インレット管取付部としてEDM装置によるボルト孔等の加工を行ない、ボルトによる締結取付けを行う(ステップ112)。
【0062】
図8においては、新インレット管35をボルトにより炉心シュラウド3へ取付ける様子を示してある。この図8に示すように、サーマルスリーブ34付きの円環パイプである炉心スプレイ系配管33を吊り具30によって吊り込み、RPVノズル開先部と新サーマルスリーブ34との開先合わせおよび溶接を行なう。そして、新炉心スプレイ系配管33の立上り管36と、新インレット管35とを、スリーブ37を介して接続し、これらの立上り管36と新インレット管35との溶接を行ない、これにより新炉心スプレイ系配管33の取付けを終了する(ステップ113)。
【0063】
なお、以上の作業の後、円環パイプを押さえるクランプを取り付け、新炉心スプレイ系配管33のジャンクションボックスの蓋を溶接で取付ける。また、案内棒をシュラウドのガイドピンブラケットに取付ける。そして、作業プラットホーム31および前述した落下防止蓋11を撤去する。その後、燃料棒および炉内上部機器等の据付により、作業が完了することになる。
【0064】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る炉心スプレイスパージャの保全方法によれば、炉心スプレイスパージャの表面改質施工対象部と反対側の面の残留応力が圧縮側に移行することにより、接近不可能な部分の表面改質が可能となり、応力腐食割れ発生の可能性が低減する。したがって、プラントの信頼性向上が図れるとともに、プラントの寿命長期化が図れる。また、表面改質施工対象部が脱鋭敏化し、この点からも応力腐食割れの発生可能性を低減することができ、プラント信頼性のが向上、プラント寿命長期化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による炉心スプレイスパージャの保全工程の全体を示すフローチャート。
【図2】本発明の一実施形態を説明するための沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内における炉心スプレイスパージャの配置構成を概略的に示す図。
【図3】本発明の一実施形態による準備工程Aを説明するための概略図。
【図4】本発明の一実施形態による表面改質装置の装着状態を示す図。
【図5】本発明の一実施形態の説明図で、(A)は改質施工部位を示す側面図、(B),(C)はそれぞれ(A)のA−A線およびB−B線に沿う断面図。
【図6】本発明の一実施形態の説明図で、(A)は改質施工部位を示す側面図、同図(B),(C)はそれぞれ同図(A)のC−C線およびD−D線に沿う断面図、
【図7】本発明の一実施形態の説明図で、(A)は改質施工部位を示す側面図、同図(B),(C)はそれぞれ(A)のE−E線およびF−F線に沿う断面図、(D)は(B)のG−G線断面図。
【図8】本発明の一実施形態の説明図で、炉心スプレイ系配管の復旧作業を説明する図。
【符号の説明】
1 炉心スプレイスパージャ
2 原子炉圧力容器
3 炉心シュラウド
1a 上部スパージャ
1b 下部スパージャ
4 ブラケット
5 炉心スプレイ系配管
6 インレット管
7 入口管
8 ヘッダ管
8a,9a,10a 溶接部
9 カバープレート
10 端板
11 落下防止蓋
12 クランプ
13 ジャンクションボックス
14 サーマルスリーブ
15 ノズル
21 表面改質装置
22 ヘッド
23 オペレーションフロア
24 レーザ発振器
25 案内管
30 吊り具
31 作業プラットホーム
32 外周シールド
33 新炉心スプレイ系配管
34 新サーマルスリーブ
35 新インレット管
36 立上り管
37 スリーブ

Claims (7)

  1. 沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器内に設けられる炉心シュラウドの上部胴内面に周方向に沿って設置され、給水用の入口管、散水用のヘッダ管およびカバープレートを溶接により接合して構成される非常時冷却水注入用の炉心スプレイスパージャについて、定期検査の際に前記原子炉圧力容器内で保全作業を施す炉心スプレイスパージャの保全方法であって、予め前記原子炉圧力容器の上部を開放して蒸気乾燥器、気水分離器の炉内上部機器および燃料を撤去し、次いで炉心シュラウドの上部リング上面に、その炉心シュラウド内への部品落下を防止するための落下防止蓋を設置し、さらに前記炉心シュラウドの上方に配置されて前記炉心スプレイスパージャにインレット配管を介して接続される炉心スプレイ系配管を切断撤去することにより、前記炉心シュラウドの上方を開放させるとともに前記炉心スプレイスパージャの入口管部を開口させ、この状態で前記炉心スプレイ系配管の切断撤去により開口した開口部を介して前記炉心スプレイスパージャ内に表面改質装置を挿入して、前記炉心スプレイスパージャの内面側から、応力腐食割れに対する表面改質施工を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  2. 請求項1記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質施工として、前記表面改質装置を挿入する前記炉心スプレイスパージャの内面を表面改質施工対象部として脱鋭敏化し、前記炉心スプレイスパージャの外面の残留応力を圧縮側に移行させる施工を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  3. 請求項2記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質施工として、レーザ照射による施工対象部表面の急熱および急冷を行うことを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  4. 請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャの入口管とカバープレートとの溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  5. 請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャの入口管とヘッダ管との溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  6. 請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、前記炉心スプレイスパージャの表面改質の施工範囲を、ヘッダ管と端板との溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
  7. 請求項1から3までのいずれかに記載の炉心スプレイスパージャの保全方法において、表面改質の施工範囲を、前記炉心スプレイスパージャのヘッダ管とオリフィスとの溶接部とすることを特徴とする炉心スプレイスパージャの保全方法。
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