JP3373938B2 - ウォータージェットピーニング法 - Google Patents
ウォータージェットピーニング法Info
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Description
いる残留応力の改善技術、即ち、ウォータージェットピ
ーニング技術に係わり、例えば原子炉圧力容器のうち、
特に冷却水中にある管体接合部あるいはその管体内壁の
溶接部をピーニング対象とする施工技術に関するもので
ある。
シャルのある構造物に対して、鋼球(ショット)を気流
の勢いを借りて吹きつけるショットピーニングによる処
理を行い、残留応力を引張方向から圧縮方向へと改善す
る。
除去対策として各種機械構造物あるいは部品加工時に広
く用いられている。
作のできない環境でありながら、是非ともピーニングし
なければならない構造物もある。その代表例が、軽水炉
のように冷却水を張ったような特殊な大型熱交換器であ
る。水を抜くことは難しい作業であるし、ショットの回
収は不可能に近い。
ブラストと呼ばれる)回収は不要であるが、経済的なメ
リットが出にくいし、施工部位が氷粒で冷却され、熱応
力が発生する可能性や、局部的な低温脆性破壊(亀裂)
が生じるおそれがある。
クな加工、採鉱、あるいは洗浄技術として知られるが、
これを表層応力改善に利用する試みが特開昭62−63
614号公報に開示されている。水噴流によるピーニン
グは、水冷効果もあって、局所的な温度上昇を防げると
いうメリットもある。
に利用できる大気(気相)中の作業であり、この技術を
水中水噴流によるピーニングとしてそのまま適用できる
保証はない。水中では噴流軸動圧力の減衰がかなり速
い。これは周囲水の抵抗と同相であるがために噴流の拡
散が速いことに起因する。水中で気相中噴流なみの軸上
動圧力を得るためには、超高圧が必要になり、コスト的
にも大変不利な技術になってしまう。
剪断作用によるキャビテーションが発生する。キャビテ
ーションをうまくコントロールして、発生した気泡を効
果的に利用できれば、あまり噴射圧力を高めずに(超高
圧ポンプを用いずに)、気相中水噴流なみの効果を上げ
ることができると考えられる。
(WJP)と呼ばれ、その概念を図12に示す。
1102を噴射すると、激しいキャビテーションを伴う
水中水噴流1105が発生し、これを加工対象面110
4に衝突させることによりピーニング施工を行う。気相
中のウォータージェット加工とは異なり、WJPではキ
ャビテーションの気泡群が急速に圧壊する際に生じる夥
しい数の衝撃圧パルスの発生現象を利用するものであ
る。
106は跳ね返り衝突噴流である。
構成機器、即ち、本体に溶接した部材には、ウォーター
ジェットピーニング施工をするに際し複雑な形状のもの
が少なくない。沸騰水型原子炉(BWR)の炉底部にお
けるスタブチューブの他にも、下記のようなものがあ
る。
サーマルスリーブの溶接部。
ような部位に対応させてノズルを動かすのは一般に難し
く、複雑なマニュピレータが必要になる。マニュピレー
タが複雑になり大型化すると、シュラウドサポートと原
子力圧力容器の間に挿入し難くなる。ノズル自体の位置
移動は、並進ならびに振り子動作に限定した方がマニュ
ピレータの簡略化および位置決め精度を確保する上で好
ましい。
スリーブの溶接部に関する問題点は、管内へのアクセス
が難しいことである。細かい管内において、ノズルホル
ダを溶接部に対して直角に折り曲げた上で、適正なスタ
ンドオフ距離を確保するにはかなりの困難を伴う。この
他にも、一度に広い部分をピーニングしたり、円形部を
その周方向に対してむらなくピーニングしたい部位も多
い。
水噴流には、上記したような加工部位を対象にする場合
にも利用できる特徴がある。その一つが、噴流の軸方向
に対して第2ピーク域(後述の図13参照)を中心とす
る領域の利用である。
噴流の加工面に対する衝突角度θの設定である。後述す
るように、θ=90°とする直角衝突は必ずしも最適で
はないし、θ=90°とする場合にはノズルのアクセス
が可能になる場合も生じる。ウォータージェットを用い
る技術ではないが、図18ならびに図19は、アイスプ
ラグを利用して管溶接部の残留応力を改善する先行技術
〔「アイスプラグを利用した配管残留応力除去方法」溶
接学会論文集、第12巻、第1号、(1994)、13
2参照〕を説明するための図である。
より冷却して管内の水1704を氷1703にし、氷1
703の膨張により押しつけられた水1704の力で残
留応力を改善する技術である。なお、図中の1702は
液体窒素ジャケットである。
る場合には引張応力が生じているが、氷1703を溶か
し水圧を低減させた時点で、管の溶接部1701(a)
の残留応力は圧縮方向となる。この技術では、水170
4を冷却するためのエネルギーコストが問題となる。
の計装ノズルの溶接部や再循環水ノズルにおけるサーマ
ルスリーブの溶接部に対し、水中水噴流に発生するキャ
ビテーション現象の特徴や、材料に対する加工特性をう
まく引き出せるようにしたキャビテーションジェットノ
ズルおよびウォータージェットピーニング法を提供する
ことにある。
ために、本発明は次のような手段を採用する。
いる。噴出孔の多さに対応して噴射水量も増加するた
め、大容量の高圧噴射ポンプが必要になるものの、多数
本の噴流により、特に計装ノズルの溶接部や再循環水ノ
ズル内サーマルスリーブの溶接部のような円環形の部位
を一度に施工することが可能になる。
適合するように、噴出孔の広がり角度(ノズル本体の中
心軸に対する)を設定する。後述するように、加工対象
面に対する噴流の衝突角度θの設定法は重要であり、直
角衝突(θ=90°)が最適という訳ではない。また、
θ=90°では、ノズルを近接できない場合もある。
で、ノズルのアクセスも容易になり、十分な残留応力の
改善効果を上げることができる。
タンドオフ距離を、「第2ピーク」を中心とする丘陵状
の衝撃圧分布形状域とする。
すように、水中水噴流のキャビテーションから発生する
衝撃圧分布において、ノズルの方向から順番に2つのピ
ークを指す。このピーク近くの領域は、渦キャビテーシ
ョンと呼ばれるパワフルなキャビテーションが活発に成
長し、材料の残留応力を効率よく改善する。
させることによって生まれる作用には、2つのポイント
がある。
体が噴出孔の中心軸回りに自転すれば、衝突部において
残留応力が十分改善される面積が拡大する。
を回転させれば、多数の噴流がノズルの中心軸回りに公
転する。多孔ノズルにおいて、ノズルを回転させなけれ
ば、噴流の衝突点同士が遠過ぎる場合には2つの衝突点
の中間において、キャビテーションの作用が十分に及ば
ない領域が生じたり、衝突点同士が近過ぎると、キャビ
テーション同士が激しく干渉し、クッション効果によっ
てキャビテーションの威力が減衰する領域が生じるおそ
れがある。ノズルを回転させることにより、このような
加工むらを取り除く訳である。
炉型の原子炉圧力容器の計装ノズルの熱影響部(HA
Z)、即ち、溶接における接合部、および再循環ノズル
のサーマルスリーブ接合部へ適用した例を説明する。
させて衝突させることの利点について述べる。
(衝突角度θ<90° 図16参照)および直角衝突
(衝突角度θ=90° 図17参照)における衝撃圧の
プロフィルを比較したものである。
キャビテーションジェットノズル、1502、1602
は高圧水、1503、1603はノズル1501、16
01の中心軸、1504、1604は衝突中心、150
5、1605はキャビテーションを伴う水中水噴流、1
506、1606は加工対象面、1507、1607は
衝突圧分布、1508、1608は周囲水である。
口から加工対象面までのスタンドオフ距離は同一で、第
2ピークに相当する距離x(2p)である。このような
衝撃圧分布1507、1607は、感圧フィルム法等に
より求めることができる。
の条件の方が、衝撃圧のピークレベルも高くしかも衝撃
圧の及ぶ範囲も広い。衝突角度θは、20°<θ<70
°の範囲より、加工対象に応じて選定するのがよい。
503と加工対象面1506が交わる衝突中心1504
よりも下流側にくる。多噴出孔ノズルを用いて斜めに噴
射される噴流を加工面に衝突させれば、図16に示すよ
うに、θ<90°の条件が容易に達成されて、加工面上
の広い領域において、残留応力の改善量を拡大させるこ
とができる。
を中心とする領域と各噴流の衝突点の間の領域とでは、
ピーニング効果にばらつきが生じてくる。
転、ただし各噴流は公転)させれば、ピーニング効果
は、円周上においてほぼ均等になる。また、単一噴出孔
のノズルにおいても、噴流を回転させれば、広い面積の
部分のピーニングが達成される。
p)を中心とするスタンドオフ距離の領域、即ち、衝撃
圧分布形状が緩やかな丘陵状になるスタンドオフ距離に
おいては、主として噴流の界面に渦キャビテーションが
活発に発生してくる。この渦キャビテーションは、噴流
中の空間密度としては小さいものの、材料に対して強い
力学的作用を及ぼす。
断層において発達するものである。第2ピークのスタン
ドオフ距離では、噴流の衝突エネルギーが広く分散する
ため、ノズルから噴出直後のように噴流中心の液芯が残
るスタンドオフ距離の条件とは異なり、ピーニング加工
対象の材料表層にエロージョンを起こすおそれはなくな
る。
4やニッケル基合金インコネル600等では、極端に長
い時間にわたり噴流を衝突させない限り、第2ピークに
おいては、エロージョンは生じることはない。
する。図1は、本発明を具体化した施工条件の一例を示
すものである。
ェットノズルを用いる例であり、管体端部の円周に相当
する環状の溶接部6がピーニング対象である。高圧水2
がノズル1に供給され、周囲水3中に高速で噴射され、
キャビテーションを伴う水中水噴流5となる。ノズル1
における噴出孔は、ノズル中心軸4に対して角度θ
(s)だけ傾いている。
広がり角度として表現した。キャビテーションを伴う水
中水噴流5は、第2ピーク相当のスタンドオフ距離x
(2p)だけノズル1から離れた位置で、加工対象面7
に衝突する〔x(2p)については図13参照〕。
衝突中心9は、溶接部6よりも僅かに上流(ノズル1に
近い)方向になるように、ノズル1が位置決めされてい
る。キャビテーションを伴う水中水噴流5は、加工対象
面7に対して、90°未満の角度θで衝突する。
る。ちなみにθ(s)とθの間には、θ(s)+θ=π
/2の関係がある。多孔型のノズル1を用いているた
め、各噴流における衝突中心9が円環型溶接部6のすぐ
内側に配列するようになる。従って、本実施例によれ
ば、円環型の部位に対して、効率よく残留応力を改善で
きるようになる。
あるが、ノズルを回転させるピーニング施工例を示すも
のである。
この回転速度は大き過ぎると、キャビテーションを伴う
水中水噴流205が広がり、衝突中心209が溶接部2
06よりも下流へずれてしまうので、5〜40rpm程
度が適当である。
り、θ(s)の広がり角度を有しいる。加工対象面20
7に対する噴流の衝突角度θ、および第2ピーク相当の
スタンドオフ距離x(2p)を用いる施工条件は、図1
に示した実施例と同じである。なお、図2において、2
02は高圧水、203は周囲水、204はノズル中心
軸、208は噴流中心軸である。
多孔ノズル301を適用する実施例である。
01から、複数本の水中水噴流307を高速で噴射す
る。噴流中心軸308と管体303の内壁との交点であ
る衝突中心309は、管体303の内壁溶接部304よ
りも上流側、即ち、ノズル301に近い位置にある。
流の溶接部304において、衝撃圧最大の条件を実現
し、残留応力を効率よく改善するためである。
施例においては、図1と図2の実施例よりも小さく、θ
≦35°である。また、ノズル301の噴出孔出口と衝
突中心点309とのスタンドオフ距離x(2p)は、前
出の2つの実施例と同様に、第2ピーク相当である。
05は管体中心軸、306は管内水である。
部近傍のピーニング施工に対し、回転ノズル401を適
用した実施例を示す。
れとほぼ同じであり、ω=5〜40rpmの範囲から適
宜選択する。また、スタンドオフ距離を第2ピーク相当
とすること、また、管体内壁に対する噴流の衝突角度θ
の設定法等も、図3の実施例とほぼ同じである。
03の内壁溶接部404を、管体403の内周上に沿っ
てほぼ均等にピーニング施工することが可能になる。
05は管体中心軸、406は管内水、407はキャビテ
ーションを伴う水中水噴流、408は噴流中心軸、40
9は衝突中心である。
器の管内溶接部のピーニング施工を想定するものであ
る。
を回転させる場合、モータに減速機を連結して駆動する
方法も不可能ではないが、炉内冷却水中では、流体力を
利用して駆動する方法が好ましい。圧縮空気を用いてノ
ズルを回転させたり、あるいは噴出する流体自身の力を
利用してノズルを回転させる方法は、大気中における一
般のタンク内壁の洗浄や、スプリンクラーとして広く用
いられている。
水よりも圧力が低く流量も少ない水をノズルの回転用に
利用する。
構造を示す。
ガン内筒504およびノズルガン外筒505で構成され
ている。ノズル本体501には、複数の噴出孔が開孔し
ており、その噴出孔から水中水噴流509が噴出する。
このノズル本体501は、ノズルガン内筒504の先端
に設けられている。
供給流路503が開口しており、高圧水502がノズル
本体501に供給される。ノズルガン内筒504の外周
には、スパイラルベーン506が巻き付くように設けら
れている。
05の環状隙間を流路として回転駆動用高圧水507が
供給され、通常のターボ機械と同様にして、スパイラル
ベーン506の貼り付けられたノズルガン内筒504を
回転させる。
体の外周にある環状スリット508からリーク水流51
1として水中に噴射される。このリーク水流511中に
はキャビテーション気泡核が含まれており、これらはい
わゆる周囲核(Ambient nuclei)として
水中水噴流509の中へ流入し、水中水噴流509にお
けるキャビテーションを促進する。なお、図中の510
は中心軸である。
ピーニング施工法を、原子炉圧力容器の計装ノズルの溶
接部に適用した施工状況を示したものである。
からなり、ステンレス鋼がオーバレイ605溶接されて
いる原子炉圧力容器本体604に対し、インコネル材に
より溶接されている(溶接部607および608)。
08は環状円形である。これらの溶接部607および6
08に対し多孔ノズル601を設置し、ウォータージェ
ットピーニング施工を実施する。施工条件は、図1に示
した実施例とほぼ同一である。
り、溶接部607および608に生じていた引張方向残
留応力は圧縮方向へ改善され、応力腐食割れ(SCC)
を防止することができるようになる。また、残留応力が
改善されることで、当該溶接部607,608の疲労強
度も向上する。
ル、602は高圧水、603は炉内冷却水、609はキ
ャビテーションを伴う水中水噴流、610は噴流中心軸
(計装ノズルの中心軸)である。
命を拡大することが可能になる。
いることで施工時間は大幅に短縮され、施工コストを削
減することができる。この実施例では、多孔ノズル60
1を用いたが、図2の例に示すような回転ノズル201
を用いることも可能である。図7は、本発明に係るピー
ニング法を、原子炉圧力容器において、管内径が大きい
管内溶接部に対し、メインガン702の先端を折り曲げ
る如く延設ガン713を設け、さらにその先端に備える
ノズル701から水を噴射した実施例である。
の場合と同一である。回転ノズル701を用いること
で、管内溶接部を一様にピーニングすることができる。
なり、施工精度が向上する。また、サーマルスリーブの
溶接部において、応力腐食割れ発生の3要因の一つであ
る残留応力の問題が消滅することになる。さらに、サー
マルスリーブに断続的に発生する熱応力に起因する繰り
返し疲労による破損も、疲労強度の向上により防止でき
るようになる。
ン、703は高圧水、704は炉内冷却水、705は原
子炉圧力容器本体、706はノズルヘッド、707は溶
接部、708は衝突中心、709はキャビテーションを
伴う水中水噴流、710は噴流中心軸、711はノズル
中心軸(再循環水ノズルの中心軸)、712は再循環水
ノズルである。
たが、図3に示すように多孔ノズル301を用いること
によっても、管内の溶接部に対する高効率のピーニング
施工が可能である。
孔を有するノズルでも、ノズルを回転させることによ
り、ピーニング性能を向上させることが可能になるメカ
ニズムについて述べる。
心軸807に対して角度θ(cj)のみ僅かに傾斜させ
るノズルを用いる噴流の噴出状態を模式的に示したもの
である。このθ(cj)は大きくはなく、10°未満と
する。
出孔804においては、噴出孔804内における縮流の
状態が噴出孔804の内部で一様ではなく、キャビテー
ションを伴う水中水噴流808は非軸対象となる。
方向に広がり、紙面と垂直方向に対しては偏平に潰れる
ようになる。噴出孔804内における縮流後の再付着に
よってできる境界層の長さL(Bl)が、同じ噴出孔8
04の内部で大きく異なっているからである。このよう
な偏平形状の水噴流を衝突させると、衝突面において、
残留応力を改善するのに十分な程度の衝撃圧の発生する
領域は、図10の符号901のようになる。
突中心810もしくはノズル中心軸807の回りに回転
させると、衝撃圧発生領域902は、回転させない場合
に比べて著しく拡大する。
形の領域Iは、ノズル801の回転中に常時衝撃圧の及
ぶ領域である。これに対して破線と一点鎖線とに囲まれ
た環状の領域IIは、ノズル801が1回転するに際し、
一度だけピーニングされる領域である。言い換えれば、 領域I: 連続的にピーニングされる領域、 領域II: 回転に伴い周期的にピーニングされる領域、 となる。
く、一方、領域IIは逆に短いということになる。この考
え方からは、ノズルの回転に伴い施工状態が不均等にな
ると思われるが、残留応力の改善効果の進み具合が、時
間に対して線形ではないために、施工効果の偏在という
問題は生じない。
善量Δσとの関係を示す特性図である。この残留応力改
善量Δσは、下記の式で定義される。
域IIの部分の特性曲線をそれぞれ示している。
は、時間tに対して対数曲線のように、頭打ち気味に増
加する。領域Iは、施工時間は長いが、SCC対策とし
てΔσが十分になる範囲に入ってからも、それからは余
り増加しない。即ち、Δσの増加速度にブレーキが掛か
る訳である。
期的な施工になるため施工時間は短いものの、残留応力
改善量Δσの増加速度が大きく、SCC対策として十分
な範囲にまで到達する。
い領域の部分の残留応力を十分に改善できるようにな
る。
で使用されるキャビテーションジェットノズルの先端部
の拡大断面図である。図14において1301はノズル
本体、1302は高圧水、1303は噴出孔、1304
は円錐状に拡がった拡大空洞部、1305はキャビテー
ションを伴う水中水噴流、1306は減圧加速部307
は高圧水供給流路である。
体、1402は高圧水、1403は噴出孔、1404は
円筒空洞部、1305は高圧水供給流路である。
−加工面間のスタンドオフ距離を2番目のピークの領域
範囲内で選択し、さらに噴流を好適な角度θで衝突させ
るが、このようにして定まる幾何学的条件に対し、本発
明の加工対象であるサーマルスリーブや計装ノズルの直
径(ともにほぼ50〜300mmの範囲内にある)は極
めて好都合である。
に、主として長期間運転した経年原子炉を対象にしたも
のであるが、新しく製作する原子炉圧力容器等へも適用
することが可能である。
で計装ノズルの溶接部あるいは冷却水ノズル(再循環水
ノズル)の内部に装着するサーマルスリーブの溶接部
を、本発明に係る技術においてピーニングすれば、残留
応力が改善される。
器(含炉内構成機器)は、放射線により汚染されておら
ず、加工部位へのアクセス、あるいはノズルの交換等と
いった作業が大変に容易であり、短時間で、しかも低コ
ストで実施することが可能である。
C)発生の3大要因の一つである残留応力の問題が除去
され、さらに疲労強度も向上し、運転が開始された後に
おいて長期間にわたり、信頼性の高い機器として原子炉
圧力容器が原子炉の運用に利用されるようになる。
になる。
特に計装ノズルの圧力容器本体への接合部位や、再循環
水ノズル内におけるサーマルスリーブの溶接部の残留応
力を引張方向から圧縮方向へと改善することができる。
材料のより深い個所まで、さらに加工面上においてより
広い面積の部分まで残留応力が十分に改善されるように
なる。 (3)上記(1)の効果により、応力腐食割れ(SC
C)の発生を確実に防止し、また疲労強度を格段に向上
させることができる。
とができる。従って、施工コストを引き下げることが可
能になる。
微量ではあるにしろ、放射線を受ける時間が大幅に短縮
する。これによって、作業環境が向上する。
化させる特殊なマニュピレータが不要である。この効果
によっても施工コストが低減する。多孔ノズルの利用あ
るいはノズルを回転させるだけでよいため、マニュピレ
ータも含めたノズル固定用治具が大型化、複雑化するこ
とがなくなり、狭隘部へも容易にアクセスできるように
なる。
ノズルおよびウォータージェットピーニング法を示す模
式図である。
ノズルおよびウォータージェットピーニング法を示す模
式図である。
係る技術を適用した例を示す模式図である。
係る技術を適用した例を示す模式図である。
図である。
施例の技術を適用した例を示す模式図である。
実施例の技術を適用した例を示す模式図である。
す模式図である。
特性図である。
す模式図である。
ら発生する衝撃圧分布の代表例を示す説明図である。
ルの先端部の拡大断面図である。
ノズルの先端部の拡大断面図である。
を示す模式図である。
である。
である。
Claims (13)
- 【請求項1】 水中でノズルから高圧水を噴射し、キャ
ビテーションを伴う水中水噴流を加工対象面に対して斜
めに衝突させて、加工対象面の応力改善を行なうウォー
タージェットピーニング法において、 前記ノズルはその中心軸に対して傾斜する複数の噴出孔
を有し、 前記水中水噴流の中心軸と加工対象面の交点である衝突
中心を、ピーニングしたい処理対象部位よりも上流側に
設定して前記応力改善を行なうことを特徴とするウォー
タージェットピーニング法。 - 【請求項2】 請求項1記載のウォータージェットピー
ニング法において、前記処理対象部位が原子炉圧力容器
における溶接部位であることを特徴とするウォータージ
ェットピーニング法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のウォータージェ
ットピーニング法において、前記水中水噴流の中心軸と
加工対象面とのなす角度である衝突角度θが90°未満
(θ<90°)であることを特徴とするウォータージェ
ットピーニング法。 - 【請求項4】 請求項3記載のウォータージェットピー
ニング法において、前記衝突角度θが20°<θ<70
°であることを特徴とするウォータージェットピーニン
グ法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4記載のいずれかのウォ
ータージェットピーニング法において、前記ノズルの噴
出孔出口から加工対象面までのスタンドオフ距離を、水
噴流から発生する衝撃圧の2番目のピーク領域付近に設
定して前記応力改善を行なうことを特徴とするウォータ
ージェットピーニング法。 - 【請求項6】 キャビテーションを伴う水中水噴流を衝
突させることにより、加工対象物の残留応力改善処理を
行なうウォータージェットピーニング法において、 前記加工対象物が原子炉圧力容器の管であり、該管の内
側にノズルを挿入して、該ノズルから前記水噴流を前記
管の内面に対して斜めに衝突させ、該水噴流の中心軸と
前記管の内面の交点である衝突中心を、ピーニングした
い処理対象部位よりも上流側に設定して前記残留応力改
善処理を行なうことを特徴とするウォータージェットピ
ーニング法。 - 【請求項7】 請求項6記載のウォータージェットピー
ニング法において、前記処理対象部位が前記管の溶接に
よる熱影響部であることを特徴とするウォータージェッ
トピーニング法。 - 【請求項8】 請求項6または7記載のウォータージェ
ットピーニング法において、前記水噴流の中心軸と前記
管の内面とのなす角度である衝突角度θが90°未満
(θ<90°)であることを特徴とするウォータージェ
ットピーニング法。 - 【請求項9】 請求項8記載のウォータージェットピー
ニング法において、前記衝突角度θが20°<θ<70
°であることを特徴とするウォータージェットピーニン
グ法。 - 【請求項10】 請求項6ないし9記載のいずれかのウ
ォータージェットピーニング法において、前記ノズルの
噴出孔出口から前記管の内面までのスタンドオフ距離
を、水噴流から発生する衝撃圧の2番目のピーク領域付
近に設定して前記残留応力改善処理を行なうことを特徴
とするウォータージェットピーニング法。 - 【請求項11】 請求項6ないし10記載のいずれかの
ウォータージェットピーニング法において、前記ノズル
は回転可能になっていることを特徴とするウジェットピ
ーニング法。 - 【請求項12】 水中でノズルから高圧水を噴射し、キ
ャビテーションを伴う水中水噴流を加工対象面に対して
斜めに衝突させて、加工対象面の応力改善を行なうウォ
ータージェットピーニング法において、 前記ノズルはその中心軸に対して傾斜する単一の噴出孔
を有し、且つその中心軸の周りを回転し、 前記水中水噴流の中心軸と加工対象面の交点である衝突
中心を、ピーニングしたい処理対象部位よりも上流側に
設定して前記応力改善を行なうことを特徴とするウォー
タージェットピーニング法。 - 【請求項13】 請求項1ないし5記載のいずれかのウ
ォータージェットピーニング法において、 前記ノズルはその中心軸の周りに回転可能であることを
特徴とするウォータージェットピーニング法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12767394A JP3373938B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | ウォータージェットピーニング法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12767394A JP3373938B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | ウォータージェットピーニング法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07328858A JPH07328858A (ja) | 1995-12-19 |
JP3373938B2 true JP3373938B2 (ja) | 2003-02-04 |
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ID=14965891
Family Applications (1)
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JP12767394A Expired - Lifetime JP3373938B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | ウォータージェットピーニング法 |
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JP (1) | JP3373938B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010214477A (ja) * | 2009-03-13 | 2010-09-30 | Toyota Motor Corp | 表面処理方法及び表面処理装置 |
JP6488075B2 (ja) | 2014-03-26 | 2019-03-20 | 三菱重工業株式会社 | ウォータジェットピーニング装置 |
-
1994
- 1994-06-09 JP JP12767394A patent/JP3373938B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH07328858A (ja) | 1995-12-19 |
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