JP2991545B2 - 残留応力改善方法並びに残留応力改善装置及びウォータジェットピーニング用ノズル - Google Patents

残留応力改善方法並びに残留応力改善装置及びウォータジェットピーニング用ノズル

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JP2991545B2
JP2991545B2 JP3249648A JP24964891A JP2991545B2 JP 2991545 B2 JP2991545 B2 JP 2991545B2 JP 3249648 A JP3249648 A JP 3249648A JP 24964891 A JP24964891 A JP 24964891A JP 2991545 B2 JP2991545 B2 JP 2991545B2
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佐藤一教
玉井康方
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市江浩三
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、残留応力改善方法並びに残留応
力改善装置及びウォータジェットピーニング用ノズルに
係り、特に水中においてキャビテーションを伴う高速の
水噴流を金属材料の表面に当てることによって、金属材
料表面部の引張り残留応力を圧縮残留応力に改善するの
に好適な残留応力改善方法並びに残留応力改善装置及び
ウォータジェットピーニングノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイトステンレス鋼等の金属材
料は高温水中に置かれた場合その溶接部またはその近傍
において応力腐食割れ(intergranular stress corrosi
on cracking,以下、IGSCCと略す)が発生すること
は、一般的に知られている。IGSCCは発生要因とし
て材料、応力、環境の因子が重畳した条件下で生ずると
されている。材料因子としてはCr炭化物が結晶粒界へ
析出してその周囲に耐食性の劣るCr欠乏層が形成され
ることに因る鋭敏化、応力因子としては溶接や加工によ
って材料内部に残留する引張残留応力、環境因子として
は高温水中の溶存酸素量などが挙げられる。IGSCC
はこれらの3因子が重畳した条件下で発生することか
ら、これらの3因子の中から1つ因子を取り除くことに
より防止することが可能である。
【0003】残留応力改善手段として特開昭62-63614号
公報に記載されている従来技術は、残留応力改善対象物
である熱交換器等の管の内部に高圧液体ジェットを噴出
する回転ノズル部を有する高圧水ショットピーニング装
置を挿入し、ジェットそのものの軸動圧エネルギー(ジ
ェット噴流の軸方向動圧エネルギー)で前記管内面をピ
ーニングすることにより、前記管に元々存在していた引
張残留応力を圧縮残留応力に転化するものである。
【0004】液中ジェット噴射用ノズルとして特開昭6
0−168554号公報に記載されている従来技術は、
キャビテーション現象を効果的に作用させるためのノズ
ルの形状に関するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来技術
は、熱交換器等の管内面の残留応力を改善する方法とし
て有効な方法ではあるが、この方法は大気中にてノズル
から噴出する液体ジェットを金属部材の表面に当て、こ
の衝撃エネルギーで前記金属表面をピーニングするもの
であり、この技術は大気中でウォータージェットの軸動
圧を利用したものであってウォータージェットの噴出圧
力のみに頼った方法であるため、例えば水中でこの技術
を利用した場合には、周囲水の抵抗があること、ウォー
タージェットが周囲水と同相であるため拡散が速いこと
等のため噴流軸動圧力は減衰し、ピーニング効果を有効
に得ることは難しく、大気中噴流と同等の軸動圧を得る
には、超高圧でのウォータージェット噴出が必要とな
り、ポンプ及び関連機器のコスト面で不利になる。
【0006】また、上記第2の従来技術による液中ジェ
ット噴射用ノズルは、キャビテーション現象を効果的に
作用させるためのノズルとしては有効な形状であるが、
このノズルを水中で使用しキャビテーション現象を利用
して金属表面の残留応力改善に適用する場合には、残留
応力改善効果上ノズルオリフィス部孔径とノズル−金属
表面間距離との比に最適値が有り、ノズル−金属表面間
に一定間隔を保つ必要がある。しかるに、例えば狭隘部
においては、上記従来技術による液中ジェット噴射用ノ
ズルを使用して金属表面の残留応力改善を図る場合、残
留応力改善上最も効果のあるノズル−金属表面距離を確
保出来ず、残留応力改善効果上不利になる場合がある。
【0007】本発明の目的は、狭隘部における残留応力
の改善を効果的に行うことができる残留応力改善方法並
びに残留応力改善装置及びウォータジェットピーニング
用ノズルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1発明の特徴は、液体中で噴射ノズルから噴出させた液
流をキャビテーション気泡を同伴させてウォータジェッ
トピーニング対象部材に当てることにより、前記ウォー
タジェットピーニング対象部材に圧縮残留応力を付与す
る残留応力改善方法において、前記噴射ノズルの前記液
流を噴出する噴出孔の口径をd、及び前記噴射ノズルか
ら前記ウォータジェットピーニング対象部材の表面まで
の距離をLとしたとき、L/dが10〜50の範囲にあ
るものとし、前記液流を前記噴射ノズルの軸心に対して
傾いた方向に噴出させることにある。上記の目的を達成
する第発明の特徴は、残留応力改善装置において、
射ノズルに設けられた噴出孔の軸心の延長線と噴射ノズ
ルの軸心とのなす角度θが30〜40度の範囲にあるこ
とにある。上記の目的を達成する第発明の特徴は、
ォータージェットピーニング用ノズルにおいて、噴出孔
が複数設けられ、これらの噴出孔からの噴出反力が互に
打消し合うようにこれらの噴出孔を配置したことにあ
る。上記の目的を達成する第発明の特徴は、ウォータ
ージェットピーニング用ノズルにおいて、噴出孔が複数
設けられ、これらの噴出孔は、夫々の中心軸が液体導入
部の中心軸に対し垂直な面内にあるように設けられてい
ることにある。上記の目的を達成する第発明の特徴
は、ウォータージェットピーニング用ノズルにおいて、
前記ノズルが複数の前記噴出孔より噴出された液流によ
って回転可能に設けられていることにある。
【0009】
【作用】第1発明は、噴射ノズルからの液流を、噴射ノ
ズルの軸心に対して傾いた方向に噴出させるので、ノズ
ルとウォータジェットピーニング対象部材表面との間隔
を短くでき、狭溢部にも圧縮残留応力を付与することが
できると共に、L/dが10〜50の範囲にあるので、
ウォータジェットピーニング対象部材表面に付与される
圧縮残留応力が大きくなる。第発明は、噴射ノズルに
設けられた噴出孔の軸心の延長線と噴射ノズルの軸心と
のなす角度θが30〜40度の範囲にあるので、ウォー
タジェットピーニング対象部材表面に、噴射ノズルから
の噴流をその表面に直角に当てた場合と同等の圧縮残留
応力を付与できる。第発明は、複数の噴出孔から液流
を噴出した際に噴射ノズルに加わる反力が互いに打ち消
されるので、液体導入部の中心軸に対する水平方向の反
力を軽減できる。また、複数の噴出孔から液流を噴出す
るので、広範囲に渡って圧縮残留応力を付与できる。第
発明は、複数の噴出孔の夫々の中心軸が液体導入部の
中心軸に対し垂直な面内にあるように設けられているの
で、管路内の壁面に対して圧縮残留応力を効果的に付与
することができる。第発明は、前記ノズルが複数の噴
出孔より噴出された液流によって回転可能に設けられて
いるので、管路内の壁面に付与される圧縮残留応力の大
きさが均一化される。
【0010】
【実施例】図2は残留応力改善用ウォータージェットピ
ーニング設備の図であり、水中で金属材料のウォーター
ジェットピーニングを行なう状況を示している。水流は
高圧ポンプ9により加圧され、ホース10及び導水管1
1を通り、ノズル12より金属材料13の表面にウォー
タージェットとして噴出される。金属材料13はタンク
17内の水中に浸漬されており、ノズル12は該水中に
てウォータージェットを噴出する。このときノズル移動
機構14により金属材料13との距離を一定に保ちなが
らノズル12を移動させ、その移動速度は高圧ポンプ9
とともに制御装置18にて最適値に制御される。ノズル
12に図3に示すようなホーン型ノズル(特開昭60−
168554号公報参照)を用いた場合、これを通る水
流はオリフィス部15にて流速を増し、オリフィス部1
5の下流にて軸心に対し末広がりにテーパーをもたせた
ホーン部16より噴出される。このときウォータージェ
ットはオリフィス部15及びホーン部16にて速度及び
圧力が大きく変化し、ホーン内に生じる渦流によってキ
ャビテーション現象を誘発して多数のキャビテーション
気泡8を発生させる。このキャビテーション気泡8が金
属材料13の表面に衝突し崩壊する際に発する水撃圧力
により金属材料13の表面をピーニングし圧縮残留応力
を付与することができる。
【0011】図4に示すグラフは図2に示す設備に図3
のノズル12を使用して水中でのウォータージェットピ
ーニングを実施した結果の残留応力を表したもので、水
深0.3mに浸漬されたSUS304製の板状金属試験
片に前記ホーン型ノズル12により700kg/cm2
のウォータージェットを図3中のθ’=90°として噴
出しキャビテーション気泡を発生させ、試験片のピーニ
ングを行った結果を示している。グラフ中のdはノズル
オリフィス部径、Lは水噴出方向でのノズルから試験片
までの距離を示しており、また、グラフの縦軸はウォー
タージェットピーニングの結果として得られた残留応力
の値を表わしている(図中、マイナス値は圧縮応力であ
ることを表わしている)。図4に示されるように、残留
応力改善上L/dには最適値が存在し、L/dが10〜
50の範囲で板状金属試験片表面に付与される残留圧縮
応力が大きくなる。特に、本試験ではL/d=20〜4
0で最大の残留応力改善結果が得られた。
【0012】図5に示すグラフは同様に図2に示す設備
を使用して水中でのウォータージェットピーニングを実
施した結果の残留応力を表したもので、水深0.3mに
浸漬されたSUS304製の板状金属試験片にL/d=
30とし前記図3に示すホーン型ノズル12により70
0kg/cm2 のウォータージェットを噴出しキャビテ
ーション気泡を発生させ、試験片のピーニングを行った
結果を示している。グラフ中のθ’はウォータージェッ
トの噴出軸と金属試験片との傾斜角を示しており、ま
た、グラフの縦軸はウォータージェットピーニングの結
果として得られた残留応力の値を表している。図5に示
されるように、残留応力改善上ウォータージェットは金
属試験片に対し必ずしも垂直に噴出する必要はなく、残
留応力改善幅はθ’が50〜60°でも垂直時(θ’=
90°)の値とほぼ同等と言える。これは、キャビテー
ションによるピーニングが、高速水流の水圧によるもの
ではなく、キャビテーション塊から放出される渦形状の
キャビテーション微細気泡列の衝突が支配しているから
である。なお、θ’が50〜60°の範囲では、θは3
0〜40°の範囲である。
【0013】本発明は図4及び図5に示す試験データに
基き得られたものであって、図1に本発明の1実施例に
よる残留応力改善用ウォータージェットピーニングノズ
ル1の構造を、中心軸5を通る断面図として示す。本実
施例の残留応力改善用ウォータージェットピーニングノ
ズル1は上流側高圧液供給導管部2に対し、液体の流速
を増すためのオリフィス部3及び該オリフィス部3の下
流にて該オリフィス部の中心軸6を中心軸として末広が
りにテーパーをもたせたホーン部4からなる液噴出孔を
設け、この液噴出孔より水中に高圧流体を噴出する構造
とし、且つ、上流側高圧液供給導管部2の中心軸5と液
噴出孔の中心軸6とは、ある一定の傾斜角θを有する構
造とする。
【0014】本実施例の残留応力改善用ウォータジェッ
トピーニングノズル1は、液供給導管部2の中心軸に対
して液噴出孔の中心軸が傾き角を有する。この残留応力
改善用ウォータジェットピーニングノズル1は、液供給
導管部2に供給された液体を液噴出孔から噴出し、ホー
ン部を有することにより噴出水流の速度と圧力とが大き
く変化してホ−ン内に渦流を生じて多数のキャビテーシ
ョン気泡を効果的に発生させる。キャビテーション気泡
は、噴出水流に同伴して液供給導管部2の中心軸延長上
から外れた位置にある狭隘部内の金属材料の表面に達す
る。キャビテーション気泡の押潰れ時に発生する衝撃力
で、金属材料の表面に降伏点以上の歪みを発生させて金
属材料表面に圧縮残留応力を付与する。図6は(a)
に示す従来型のホーンノズルと(b)に示す本実施例に
おけるノズル(θ’=50°の場合)のL/dとノズル
−金属表面間間隔Xを比較して示す。図中実線は
(a)の従来型のホーンノズルの、また、点線は(b)
の本実施例のノズルの値を示す。本実施例のノズルで
は、従来のノズルに比べて、同じL/dの値(dはノズ
ルオリフィス部径、Lは水噴出方向でのノズル−金属材
料表面間の距離)に対してノズル−金属表面間の間隔X
を小さくできることが示されている。
【0015】図7は、本発明の他の一実施例による残留
応力改善用ウォータージェットピーニングノズルの構造
を中心軸を通る断面図として示したもので、上流側高圧
液供給導管部2にその中心軸に対し傾斜して外方へ向う
複数のオリフィス部3及びホーン部4よりなる液噴出孔
を設け、しかも、該複数の液噴出孔を互いの噴出反力が
打消あうように等間隔に配置することにより、前記上流
側高圧液供給導管部2の中心軸に対し水平方向の反力は
発生せず、しかも一度のウォータージェットピーニング
により広範囲の残留応力改善領域が得られる。
【0016】図8は、本発明の更に別な一実施例の残留
応力改善用ウォータージェットピーニングノズルの構造
を中心軸を通る断面図として示したもので、上流側高圧
液供給導管部2にその中心軸に対し傾斜して内方へ向う
複数のオリフィス部3及びホーン部4よりなる液噴出孔
を設け、しかも、該複数の液噴射孔を互いの噴出反力が
打消あうように等間隔に配置することにより、前記上流
側高圧液供給導管部2の中心軸に対し水平方向の反力は
発生せず、しかも一度のウォータージェットピーニング
により広範囲の残留応力改善領域が得られる。
【0017】図9は本発明の更に他の一実施例の残留応
力改善用ウォータージェットピーニングノズルの外形
図、図10は該ノズルのオリフィス中心軸を通る断面図
であって、上流側高圧液供給導管部2の中心軸に対して
垂直な面に、複数のオリフィス部3及びホーン部4より
なる液噴出孔の中心軸がある様に(即ち、図1のθに相
当する角が90°である様に)設け、且つ各液噴出孔の
中心軸は高圧液供給導管部2の中心軸に対してずらせて
あり、しかも、該複数の液噴出孔を互いの噴出反力が打
消あうように配置してある。このことにより、前記上流
側高圧液供給導管部2の中心軸に対し水平方向の反力は
発生せず、しかも一度のウォータージェットピーニング
により広範囲の残留応力改善領域が得られる。本実施例
のノズルはパイプ内面への適用を主目的とする。
【0018】図11は本発明の更に他の一実施例の残留
応力改善用ウォータージェットピーニングノズルの外形
図、図12は該ノズルのオリフィス中心軸を通る断面図
であって、上流側高圧液供給導管部2の中心軸に対して
垂直な面に、複数のオリフィス部3及びホーン部4より
なる液噴出孔の中心軸がある様に(即ち、図1のθに相
当する角が90°である様に)設け、且つ各液噴出孔の
中心軸線を前記上流側高圧液供給導管部2の中心軸に対
してずらしてあり、しかも、前記上流側高圧液供給導管
部2の中心軸を中心に回転力を得ることができるように
該複数の液噴出孔を配置してある。このノズルを軸受1
9で保持することにより、回転ノズルが構成される。本
実施例のノズルはパイプ内面への適用を主目的とする。
【0019】図13は、本発明の更に別の一実施例の残
留応力改善用ウォータージェットピーニングノズルの構
造を、中心軸を通る断面図として示したものである。図
14は該ノズルの上流側高圧液供給導管部2の中心軸に
対し垂直な面で切断した断面図である。上流側高圧液供
給導管部2の中心軸に対しある傾斜角を有するように内
向きの複数のオリフィス部3及びホーン部4よりなる液
噴出孔を設け、しかも、該複数の液噴出孔を互いの噴出
反力が打消あうように配置してある。さらに、上流側高
圧液供給導管部2の中心軸に対して垂直な面には、オリ
フィス部3及びホーン部4よりなる液噴出孔の中心軸が
ある様に(即ち、図1のθに相当する角が90°である
様に)設け、且つ該液噴出孔の各々の中心軸線を前記上
流側高圧液供給導管部2の中心軸に対してずらしたこと
により、前記上流側高圧液供給導管部2の中心軸を中心
に回転力を得ることができる。このノズルを図11と同
様に軸受19により保持することにより回転ノズルが構
成される。いずれの実施例のノズルも、図2のウォ−タ
ジェットピ−ニングを行う装置でノズル12の替りに用
いられる。これを図1のノズル1を例にして示すと図1
5の構成のようになる。図15の構成は、ノズル1を除
いて図2の構成と同じである。
【0020】
【発明の効果】第1発明は、噴射ノズルからの液流を、
噴射ノズルの軸心に対して傾いた方向に噴出させるの
で、ノズルとウォータジェットピーニング対象部材表面
との間隔を短くでき、狭溢部にも圧縮残留応力を付与す
ることができると共に、L/dが10〜50の範囲にあ
るので、ウォータジェットピーニング対象部材表面に付
与される圧縮残留応力が大きくなる。第発明は、噴射
ノズルに設けられた噴出孔の軸心の延長線と噴射ノズル
の軸心とのなす角度θが30〜40度の範囲にあるの
で、ウォータジェットピーニング対象部材表面に、噴射
ノズルからの噴流をその表面に直角に当てた場合と同等
圧縮残留応力を付与できる。第発明は、複数の噴出
孔から液流を噴出した際に噴射ノズルに加わる反力が互
いに打ち消されるので、液体導入部の中心軸に対する水
平方向の反力を軽減できる。また、複数の噴出孔から液
流を噴出するので、広範囲に渡って圧縮残留応力を付与
できる。第発明は、複数の噴出孔の夫々の中心軸が液
体導入部の中心軸に対し垂直な面内にあるように設けら
れているので、管路内の壁面に対して圧縮残留応力を効
果的に付与することができる。第発明の特徴は、前記
ノズルが複数の前記噴出孔より噴出された液流によって
回転可能に設けられているので、管路内の壁面に付与さ
れる圧縮残留応力の大きさが均一化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノズルの実施例であるホーン型ノズ
ルの縦断面図
【図2】水中でウォータージェットピーニングを行う装
置の例示図
【図3】従来型のホーン型ノズルの縦断面図
【図4】θ’=90°として従来型のホーン型ノズルを
用いたウォータージェットピーニング実施後の残留応力
とL/dの関係を示すグラフ
【図5】従来型のホーン型ノズルを用いたウォータージ
ェットピーニング実施後の残留応力とウォータージェッ
トの噴出軸と金属試験片との傾斜角θ’との関係を示す
グラフ
【図6】従来ノズルと本発明によるノズルによってウォ
ータージェットピーニングを行う場合のL/dとノズル
−金属試験片間間隔Xとの関係の比較図
【図7】本発明の他の実施例のノズルの縦断面図
【図8】本発明の更に他の実施例のノズルの縦断面図
【図9】本発明の更に別の実施例のノズルの外形図
【図10】図9に示したノズルの横断面図
【図11】本発明の更に他の実施例のノズルの外形図
【図12】図11に示したノズルの横断面図
【図13】本発明の更に別の実施例のノズルの縦断面図
【図14】図13に示したノズルの横断面図
【図15】 図1のノズルを用いたウォ−タジェットピ−
ニング装置の構成図
【符号の説明】
1…ノズル 2…上流側高圧液供
給導管部 3…オリフィス部 4…ホーン部 5…上流側高圧液供給導管部の軸心 6…オリフィス部の軸心 8…キャビテーショ
ン気泡 9…高圧ポンプ 10…ホース 11…導水管 12…ノズル 13…金属材料 14…ノズル移動機
構 15…オリフィス部 16…ホーン部 17…水タンク 18…制御装置 19…軸受
フロントページの続き (72)発明者 榎本邦夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤一教 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日 立株式会社内 (72)発明者 玉井康方 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 斉藤英世 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 市江浩三 富山県魚津市本江2410番地 株式会社ス ギノマシン内 (72)発明者 酒井英明 富山県魚津市本江2410番地 株式会社ス ギノマシン内 (56)参考文献 特開 昭60−168554(JP,A) 特開 昭64−80458(JP,A) 特開 平1−252399(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24C 1/10 B05B 1/14 B24C 5/04 C21D 7/06 B05B 1/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体中で噴射ノズルから噴出させた液流
    をキャビテーション気泡を同伴させてウォータジェット
    ピーニング対象部材に当てることにより、前記ウォータ
    ジェットピーニング対象部材に圧縮残留応力を付与する
    残留応力改善方法において、前記噴射ノズルの前記液流を噴出する噴出孔の口径を
    d、及び前記噴射ノズルから前記ウォータジェットピー
    ニング対象部材の表面までの距離をLとしたとき、L/
    dが10〜50の範囲にあるものとし、 前記液流を前記
    噴射ノズルの軸心に対して傾いた方向に噴出させること
    を特徴とする残留応力改善方法。
  2. 【請求項2】 キャビテーション気泡を発生させる液流
    をウォータジェットピーニング対象部材へ向けて噴出さ
    せる噴射ノズルと、前記噴射ノズルを移動させる移動機
    構と、前記噴射ノズルに噴出させる液体を供給する液体
    供給手段とを備えてなる残留応力改善装置において、 前記噴射ノズルに設けられた前記液流の噴出孔の軸心の
    延長線と前記噴射ノズルの軸心とのなす角度θが30〜
    40度の範囲にあるように、前記噴出孔の軸心が前記噴
    射ノズルの軸心に対して傾けて設けられていることを特
    徴とする残留応力改善装置。
  3. 【請求項3】 水中でキャビテーション気泡を発生させ
    る液流を噴射し、この液流が当てられたウォータジェッ
    トピーニング対象部材に圧縮の残留応力を付与するウォ
    ータージェットピーニング用ノズルにおいて、 後記噴出孔が複数設けられ、これらの噴出孔からの噴出
    反力が互に打消し合うようにこれらの噴出孔を配置する
    と共に、内部に形成された液体導入部と、この液体導入
    部より供給される液体の流速を増すためのオリフィス
    部、及び前記オリフィス部の下流側において前記オリフ
    ィス部の中心軸を中心として拡大された断面を持つホー
    ン部を有する噴出孔とを備え、前記噴出孔の中心軸が前
    記液体導入部の中心軸に対して傾斜していることを特徴
    とするウォータージェットピーニング用ノズル。
  4. 【請求項4】 前記噴出孔が複数設けられ、これらの前
    記噴出孔は、夫々の中心軸が前記液体導入部の中心軸に
    対し垂直な面内にあるように設けられている ことを特徴
    とする請求項3に記載のウォータージェットピーニング
    用ノズル。
  5. 【請求項5】 前記ノズルは、複数の前記噴出孔より噴
    出された液流によって回転可能に設けられていることを
    特徴とする請求項4に記載のウォータージェットピーニ
    ング用ノズル。
JP3249648A 1991-09-27 1991-09-27 残留応力改善方法並びに残留応力改善装置及びウォータジェットピーニング用ノズル Expired - Lifetime JP2991545B2 (ja)

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