JP2839691B2 - 分割型光ファイバテープ心線 - Google Patents

分割型光ファイバテープ心線

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    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は複数本の光ファイバをテープ上に束ねた光
ファイバテープ心線に係わり、特にテープ心線を複数の
分割テープ心線に分割が可能な分割型光ファイバテープ
心線に関する。
「従来の技術」 第3図は、従来の分割型テープ心線の一例を示す図で
ある。この分割型テープ心線1は、4心の光ファイバ素
線2…を並列し、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂からなる
第1の被覆3で覆って4心ユニット4とし、さらに2つ
の4心ユニット4,4を並べ、これらの外側を第2の被覆
5で覆いテープ状に形成したものである。
光ファイバ素線2は、石英系単一モードファイバ、マ
ルチモードファイバなどの光ファイバ裸線を紫外線硬化
樹脂や熱硬化樹脂で被覆したもので、一般に光通信用と
して使用されているものは、光ファイバ裸線外径が1.25
μm、素線外径(被覆外径)が250μm程度である。
また上記第1の被覆3は、ヤング率の大きい硬質樹脂
で形成され、一方、第2の被覆5は、比較的容易に引裂
くことができるようにヤング率の低い軟質樹脂で形成さ
れている。そしてこのテープ心線1を分割する際には、
2つの4心ユニット4,4間に沿って引裂くことができ、
これによりテープ心線1は第4図に示すように2つの4
心ユニットに分割される。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上述した従来の分割型テープ心線1
は、外層側の被覆5として軟質樹脂を使用しており、こ
の外層側の被覆5は傷付きやすいために、テープ心線の
取扱い時にこの被覆5が傷付いて不要な分割を生じるお
それがあった。
また上記分割型テープ心線1は、その外観から分割す
べき位置を見分けることが出来ないという問題があっ
た。この問題はテープ心線の分割位置に何等かの目印を
つけることにより解消できるが、目印をつけるための余
分な工程を経るために、分割型テープ心線の製造コスト
が高くなる問題があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、外側
の被覆をヤング率の大きいハード材で形成し、かつ目印
をつけることなく分割位置を知ることのできる分割型光
ファイバテープ心線の提供を目的としている。
「課題を解決するための手段」 かかる課題は、少なくとも2心の光ファイバを、ヤン
グ率5kg/mm2以下の軟質樹脂で被覆した分割ユニットの
両側に、少なくとも1心の光ファイバを配し、全ての光
ファイバが平行になるように並べ、これらをヤング率20
kg/mm2以上の硬質樹脂で被覆された構成とすることによ
り解消される。
「作用」 上記構成の分解型光ファイバテープ心線にあっては、
軟質樹脂で被覆した分割ユニットの部分が、他部に比べ
て外側の硬質樹脂の厚さが薄くなり、分割ユニットにお
いてテープ心線を容易に分割することができる。またこ
の分割ユニットの部分は、薄い硬質樹脂の被覆の下に軟
質樹脂の被覆があることから、テープ心線を手で押した
ときに分割ユニットの部分が軟かく感じられ、テープ心
線に目印をつけることなく触感によって分割すべき位置
を判別することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明
する。
第1図は、本発明の分割型光ファイバテープ心線(以
下、テープ心線という)の一実施例を示す図である。
このテープ心線10は、2心の光ファイバ素線(以下、
素線という)2,2を、ヤング率5kg/mm2以下の軟質樹脂11
で被覆して分割ユニット12とし、この分割ユニット12の
両側に、それぞれ3心の素線2…を配し、これら全ての
素線2…が平行になるように並べ、これらをヤング率20
kg/mm2以上の硬化樹脂13で被覆して構成されている。
上記軟質樹脂11としては、手あるいは簡易な切断用工
具でそれぞれの素線2,2間にて容易に分割することがで
きるようにヤング率5kg/mm2以下、さらに好ましくは0.1
〜1kg/mm2の範囲である紫外線硬化型樹脂が好適に用い
られる。軟質樹脂11として、ヤング率が5kg/mm2より大
きい樹脂材料を用いると、分割ユニット12を分割するの
に必要な引裂力が大きくなって分割ユニット12から分解
し難くなるとともに、分割型テープ心線10の外側を押し
て、軟かい触感により分割部分を判別するのが難しくな
る。
また上記硬質樹脂12としては、分割型テープ心線10の
外側が傷付き難いようにヤング率が20kg/mm2以上、さら
に好ましくは40〜80kg/mm2の硬質樹脂が好適に用いられ
る。硬質樹脂として、ヤング率が20kg/mm2より小さい樹
脂材料を用いると、分割の際に分割ユニット12以外の部
分で分割が生じ易くなるとともに、分割型テープ心線10
の表面に傷が付きやすくなる。
これらの紫外線硬化型樹脂の材料としては、ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ブタジエンアク
リレート、シリコーンアクリレートなどの材料から選択
して使用される。
また、これらの樹脂材料の厚さは、外径が250μmの
素線の場合、軟質樹脂11が被覆後のテープ厚として250
〜400μm程度、硬質樹脂12が同じく260〜450μm程度
となるように形成するのが望ましい。
この分割型テープ心線10は、分割ユニット12が軟質樹
脂11で被覆され、この分解ユニット12上の硬質樹脂13の
被覆が薄く、分割ユニット12のそれぞれの素線2,2間か
ら容易に分割できる。
またこの分割型テープ心線10は、外側にヤング率の大
きい硬質樹脂13を設けた構成としたので、テープ心線表
面に傷が付き難く、テープ心線の取扱い時に外側の被覆
が傷付いて不要な分割が起こるのを防ぐことができる。
またこの分割ユニット12の部分は、薄い硬質樹脂13の
下に軟質樹脂11の被覆があることから、テープ心線10を
手で押したときに分割ユニットの部分が他部よりも軟か
く感じられ、テープ心線10に目印をつけることなく、触
感によって分割すべき位置を判別することができる。
なお上記実施例では、2心の分割ユニット12の両側
に、それぞれ3本の素線を配した8心の分割型テープ心
線の例を述べたが、分割ユニット内の素線本数は2本以
上とすることができる。また分割ユニット12を複数設
け、複数の分割可能位置を有するテープ心線を構成する
こともできる。
「実施例」 以下に示す実施例1〜2および比較例1〜3の各分割
型テープ心線を作製し、それらの性能を比較した。
(実施例1) 125μm径の石英系シングルモードファイバに紫外線
硬化型樹脂を被覆した外径0.25mmの素線を用い、2本の
素線をヤング率0.1kg/mm2のウレタンアクリレート系紫
外線硬化型樹脂で被覆して、厚さ0.270mmの分割ユニッ
トを作製し、次いでこの分割ユニットの両面にそれぞれ
3本の素線を配し、これらを並列させ、ヤング率50kg/m
m2のウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂で被覆し
て第1図に示すものと同様に構成された厚さ0.290mmの
分割型テープ心線を作製した。
(実施例2) 分割ユニットの被覆としてヤング率3kg/mm2の紫外線
硬化型樹脂を用い、外側の被覆としてヤング率25kg/mm2
の紫外線硬化型樹脂を用いた他は、実施例1と同様に構
成して分割型テープ心線を得た。
(比較例1) 分割ユニットの被覆としてヤング率7kg/mm2の紫外線
硬化型樹脂を用い、外側の被覆としてヤング率25kg/mm2
の紫外線硬化型樹脂を用いた他は、実施例1と同様に構
成して分割型テープ心線を得た。
(比較例2) 分割ユニットの被覆としてヤング率4kg/mm2の紫外線
硬化型樹脂を用い、外側の被覆としてヤング率15kg/mm2
の紫外線硬化型樹脂を用いた他は、実施例1と同様に構
成して分割型テープ心線を得た。
(比較例3) 4心の素線をヤング率50kg/mm2の紫外線硬化型樹脂で
被覆した2つの4心ユニットを並列し、それらをヤング
率4kg/mm2の紫外線硬化型樹脂で被覆して第3図に示す
従来型のテープ心線を作製した。
上述した実施例1〜2および比較例1〜3の各テープ
心線を用い、分割容易性、触感により分割位置判別の可
否および被覆の表面強さを比較した。その結果を表1に
示した。
*1:分割容易性は、分割位置を手で裂いて分割したとき
に容易に分割できたものを○、分割部分以外の外側被覆
に損傷を生じたものを×とした。
*2:分割位置の判別は、各テープ心線を手で押して、分
割ユニット部分の軟かさの違いを触感できたものを○、
触感できないものを×とした。
*3:被覆の表面強さは、テープ心線表面にカッターの刃
を押し当て、容易に傷付くものを○、傷付き難いものを
×とした。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の分割型テープ心線は、
少なくとも2心の光ファイバを、ヤング率5kg/mm2以下
の軟質樹脂で被覆した分割ユニットの両側に光ファイバ
を配して全ての光ファイバが平行になるように並べ、こ
れらをヤング率20kg/mm2以上の硬質樹脂で被覆した構成
としたので、分割ユニットから容易に分割できる。
またこの分割型テープ心線は、外側にヤング率の大き
い硬質樹脂を設けた構成としたので、テープ心線表面に
傷が付き難く、取扱い時に外側の被覆が傷付き、不要な
分割が起こるのを防ぐことができる。
またこの分割ユニットの部分は、薄い硬質樹脂の下に
軟質樹脂の被覆があることから、分割型テープ心線を手
で押したときに分割ユニットの部分が他部よりも軟かく
感じられ、テープ心線に目印をつけることなく、触感に
よって分割すべき位置を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す図であって、分割型
テープ心線の断面図、第2図は第1図の分割型テープ心
線を分割した状態を示す断面図、第3図は従来の分割型
テープ心線の断面図、第4図は第3図の分割型テープ心
線を分割した状態を示す断面図である。 2……素線 10……分割型テープ心線 11……軟質樹脂 12……分割ユニット 13……硬質樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/44 G02B 6/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2心の光ファイバを、ヤング率
    5kg/mm2以下の軟質樹脂で被覆した分割ユニットの両側
    に、少なくとも1心の光ファイバを配し、全ての光ファ
    イバが平行になるように並べ、これらをヤング率20kg/m
    m2以上の硬質樹脂で被覆した分割型光ファイバテープ心
    線。
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