JP2839351B2 - ポペット弁の制御回路 - Google Patents

ポペット弁の制御回路

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、流体の流量や圧力を制御するために使用す
るポペット弁の制御回路に関する。
(従来の技術) 建設機械や産業機械などに使用される油圧アクチュエ
ータの制御装置として例えば特開平2−72201号が知ら
れている。
これはアクチュエータに供給される作動油や、アクチ
ュエータから流出する作動油の流量や圧力をポペット弁
により制御するもので、ポペット弁のポペットは電油変
換弁を介装したパイロット通路から供給されるパイロッ
ト作動油に応じて変位する。この電油変換弁はコントロ
ーラから入力される開度指令信号に応じて開閉する。ま
た、ポペットの変位位置は変位センサで検出され、コン
トローラはこの検出位置がポペットの制御目標開度に一
致するように開度指令信号を補正して電油変換弁に出力
することで、ポペットの開度をフィードバック制御す
る。
(発明の課題) この場合に、例えば温度変化の影響や、ポペットを着
座させるシート部の摩耗により、変位センサの検出信号
に基づくポペットの閉鎖位置と実際の閉鎖位置との間に
ずれが生じると、変位センサの検出位置に基づきフィー
ドバック制御されるポペットの開度が制御目標開度に形
式上一致しても実際の流量や圧力が目標値と一致してい
ないことになり、流量や圧力の制御精度が低下するとい
う問題があった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたもので、ポ
ペットの位置検出の誤差を小さくすることを目的とす
る。
(課題を達成するための手段) 本発明は、第1図に示すように、ポペット20を駆動す
るパイロット作動油の通路21と、この通路21に介装され
た電油変換弁22にポペット20の制御目標開度に基づく開
度指令信号を出力する手段23と、ポペット20の変位位置
を検出する手段24と、検出手段24の検出位置から求まる
ポペット20の開度が前記制御目標開度と一致するように
前記開度指令信号を補正する手段25とを備えたポペット
弁の制御回路において、開度指令信号がポペット20の全
閉を指令するものかどうかを判定する手段26と、開度指
令信号がポペット20の全閉を指令するものと判定手段26
が判定してから所定時間経過後に前記位置検出手段24の
検出するポペット20の位置を全閉位置と補正する閉位置
補償手段27とを備えている。
(作用) 開度指令信号がポペットの全閉を指令していると判定
手段26が判定すると、それから所定時間経過した時点で
位置検出手段24が検出するポペット20の変位位置をポペ
ット20の閉鎖位置として閉位置補償手段27が以後出力さ
れる開度指令信号を補正するので、位置検出手段24が検
出するポペット20の変位位置と実際のポペット20の変位
位置とにずれが生じた場合でも、ポペット20が全閉する
ごとにこのずれが補償され、ポペット20の実際の全閉位
置を基準としてポペット20の開度制御が行われる。
(実施例) 第2図及び第3図に本考案の実施例を示す。
第2図において、1はポペット、2はポペット1を軸
方向に摺動自由に収装したハウジングである。
ハウジング2はポペット1の先端に臨む作動油の通路
4a、4bと、ポペット1の背面の大径受圧部1aに臨んでポ
ペット1を軸方向に摺動させるパイロット室6を備え
る。
パイロット室6にはポンプ7から導かれたパイロット
通路10が電油変換弁8を介して接続される。
電油変換弁8はコントローラ3からアンプ11を介して
入力される指令信号に応じてパイロット室6に導かれる
パイロット通路10のパイロット圧力を制御する。
ポペット1の軸方向の変位位置を検出する手段として
変位センサ9が設けられる。変位センサ9はポペット1
の軸方向変位位置を検出して、対応する位置信号をコン
トローラ3に出力する。
コントローラ3は前記従来例と同様に電油変換弁8に
出力する開度指令信号を、変位センサ9からの入力信号
に基づきポペット1の開度が制御目標開度に一致するよ
うに補正するものでマイクロコンピュータで構成され
る。
コントローラ3で実行されるこの制御動作について第
3図のフローチャートに従って説明する。ステップ
(1)〜(3)に示すように、コントローラ3は入力さ
れる流量や圧力の指示信号に基づきポペット1の制御開
度X0を計算し、これに基づく指令信号Xoutを電油変換弁
8に出力し、さらに変位センサ9の出力信号Xoffを制御
開度Xoに加えて指令信号Xoutを補正することで、ポペッ
ト1の開度が制御目標開度に一致するように制御する。
次に、コントローラ3はポペット1の全閉位置の修正
を行うため、ステップ(4)において開度指令信号Xout
がポペット1の全閉を指示しているかどうかを判定す
る。なお、これは前述の第1図の判定手段26として機能
する。
また、判定結果が全閉を指示している場合にはステッ
プ(5)と(6)に示すように、その開度指令信号Xout
が出力されてから所定時間が経過するのを待ち、その時
の変位センサ9の出力信号を全閉位置でのオフセット値
Xoffとして新たに設定する。これによって、閉位置補償
手段27を構成する。
次に作用を説明する。
流量や圧力の指示信号がコントローラ3に入力される
と、コントローラ3は対応するポペット1の開度Xoに基
づく開度指令信号Xoutを電油変換弁8に出力し、ポペッ
ト1の位置信号Xoffに応じて開度指令信号Xoutを補正す
るフィードバック制御を行って制御目標開度を実現す
る。
また、コントローラ3はステップ(1)〜(3)を行
う都度、出力される開度指令信号Xoutがポペット1の全
閉を指示するものかどうかを判定し、全閉を指示すると
判定した場合には所定時間経過後に変位センサ9が出力
する位置信号を全閉位置でのオフセット値Xoffとして新
たに設定する。
そして、次の指定信号Xoutの出力時には、コントロー
ラ3はこのオフセット値Xoffに基づいて計算した指定信
号Xoutを出力する。以後電油変換弁8に出力される指定
信号Xoutは実際にポペット1が閉鎖された状態で得られ
た位置信号に基づいて計算されるため、ポペット1やシ
ート部5の摩耗あるいは位置センサ9の温度ドリフト等
により、位置センサ9の計測に基づくポペット1の全閉
位置とポペット1の実際の全閉位置との間にずれが生じ
た場合においても、その変化が補償され、ポペット1は
目標制御開度へと正確に制御される。したがって、この
ポペット弁により使用条件を問わず正確な流量や圧力の
制御が行える。
(発明の効果) 以上のように、本発明はポペットの開度指令信号がポ
ペットの全閉を指示している場合には、信号出力後所定
時間が経過したところで検出手段が検出するポペットの
変位位置を全閉位置として以後出力される開度指令信号
を補正するようにしたので、検出手段が検出するポペッ
トの変位位置と実際のポペットの変位位置とにずれが生
じた場合でも、ポペットが閉鎖されるごとにこのずれが
補償され、ポペットの実際の全閉位置を基準としてポペ
ット弁の開度制御が行なわれる。
このため、位置検出手段の温度変化による影響や、ポ
ペットとこれを着座させるシート部の摩耗等により、検
出手段のポペットの検出位置と開度との対応関係に誤差
や狂いが生じた場合でも、これらの誤差や狂いが自動的
に補正され、ポペット弁を介した流体の流量や圧力の制
御を常に好ましい精度のもとで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成図、第2図はその実施例を示すポ
ペット弁の概略構造図と制御回路図との合成図、第3図
はコントローラで実行される制御動作を示すフローチャ
ートである。 1……ポペット、3……コントローラ、4a,4b……通
路、5……シート部、6……パイロット室、8……電油
変換弁、9……変位センサ、10……パイロット通路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−72201(JP,A) 実開 昭63−30684(JP,U) 実開 昭57−171401(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16K 31/12 F15B 11/00 - 11/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポペットを駆動するパイロット作動油の通
    路と、この通路に介装された電油変換弁にポペットの制
    御目標開度に基づく開度指令信号を出力する手段と、ポ
    ペットの変位位置を検出する手段と、検出手段の検出位
    置から求まるポペットの開度が前記制御目標開度と一致
    するように前記開度指令信号を補正する手段とを備えた
    ポペット弁の制御回路において、開度指定信号がポペッ
    トの全閉を指令するものかどうかを判定する手段と、開
    度指令信号がポペットの全閉を指令するものと判定して
    から所定時間経過後に前記位置検出手段の検出するポペ
    ットの位置を全閉位置と補正する閉位置補償手段とを備
    えたことを特徴とするポペット弁の制御回路。
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