JP3558472B2 - 流体圧力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体ラインに介装した圧力制御弁により流体ラインのの圧力を制御する流体圧力制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧ライン等の流体ラインに比例制御弁を介装し、操作信号に応じてこの比例制御弁の開度を制御することにより、流体圧力を目標の圧力に設定する流体圧力制御装置としては、例えば図7に示すようなものが知られている。
【0003】
図示されるように、比例電磁式制御弁9は、油圧アクチュエータ3とタンク5との間に介装され、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからの作動油をタンク5側に逃がすリリーフ弁として働き、油圧アクチュエータ3側のポート6の圧力Pを圧力指令(目標圧力)Pbrと一致するように制御する(リリーフ制御)。
【0004】
このポート6の圧力Pは圧力センサ15により検出され、この圧力Pと圧力指令Pbrとの偏差が加算器10により演算されて、弁開度演算手段である制御演算回路11に入力される。このようにして偏差が入力された制御演算回路11は、弁開度指令xを演算し、弁開度制御回路13に入力する。
【0005】
すなわち、制御演算回路11は、ポート圧力Pが圧力指令Pbrより小さければ制御弁9の開度xを減じ、ポート圧力Pが圧力指令Pbrより大きければ制御弁9の開度xを増すように、基準弁開度指令xを算出し、これを弁開度制御回路13へと入力する。
【0006】
また、この弁開度制御回路13には開度センサ16により検出された弁開度xが入力され、弁開度制御回路13はこの実際の弁開度xが基準弁開度指令xと一致するように弁(絞り部)14を制御する。
【0007】
図8には、このような比例電磁式圧力制御弁9によるポート6の圧力Pの制御結果の一例を示す。ここで、圧力指令Pbrは図中破線で示した矩形波で与えられ、そのときの圧力Pの波形が実線で示される。図から見てとれるように、圧力Pは、圧力指令Pbrに略追随して変化していることが分かる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7の回路において図8のような適切な圧力応答が得られるのは、指令圧力Pbrおよび弁14の通過流量が略最適調整条件(この例では圧力指令Pbr=200〜250kgf/cm、弁通過流量Q=300L/min)にある場合であり、例えば図9に示すように、指令圧力Pbrが20〜60kgf/cmと小さなときには圧力応答特性が悪化してしまう。また、例えば図10に示すように、弁通過流量Qが50L/minと少ないときにも、同様に応答特性が悪化してしまう。
【0009】
すなわち、一般に、図7に示すような比例電磁式圧力制御弁9の制御演算回路11で採用されている制御方式(例えばPI制御法)は線形制御理論に基づいたものであり、制御対象の特性が一定であること(制御対象が定常線形システムであること)が良い制御性能を得るための必要条件である。
【0010】
したがって、制御対象が非定常線形システムであり、ポート6の圧力P、ポート7の圧力Pや弁通過流量Qが最適調整状態から離れることにより、制御対象の特性が変化してしまうと、例えば、図9、図10に示した場合のように、制御性能は悪化してしまう。
【0011】
なお、図7の回路において、制御対象とは、弁開度制御回路13、弁14、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系である。また、制御対象への入力は弁開度指令xであり、出力は油圧室3aの圧力(すなわちポート6の圧力)Pである。
【0012】
また、制御対象の特性がポート6の圧力Pおよび弁通過流量Qに依存することは以下のように示すことができる。
【0013】
まず、制御対象の伝達関数は、
/x=K/(Ts+1) …(1)
で表すことができる。ただし、Kは直流ゲイン、Tは時定数であり、ともに制御対象の特性を表す係数である。
【0014】
ここで、直流ゲインKは、
K=α(ΔP3/2/Q) …(2)
で与えられる。ただし、ΔPはポート6とポート7(弁14のタンク側のポート)との圧力差P−Pであり、αは定数である。
【0015】
この式(2)から分かるように、直流ゲインKは圧力差ΔPと流量Qとに依存し、したがって制御対象の特性は、P、P、およびQに依存することが分かる。
【0016】
さて、このような制御対象の特性変化(弁通過流量の変化)に対応し得る流体圧力制御装置の発明としては、例えば特開平5−080859号公報に提案がなされてはいる。
【0017】
これでは、流体の制御に際して、比例制御弁の動作範囲の複数点における操作信号と流体圧力との対応関係を、あらかじめ指定された流体ラインの通過流量(制御弁の通過流量)について、あらかじめ計測した結果を記憶手段に記憶させておく。
【0018】
流体を制御するときには、通過流量が流量センサにより計測され、流体圧力が圧力センサで計測される。そして、操作信号作成手段により、この計測された流体圧力と目標圧力(圧力指令)との偏差とから、仮の操作信号が作成され、さらに、この操作信号が記憶手段に記憶されている、あらかじめ指定された通過流量ごとの操作信号と流体圧力との対応関係、および流量センサで計測された通過流量に基づいて補正され、比例制御弁に出力される。比例制御弁は、この補正された操作信号に応じて駆動して、流体を目標圧力に制御する。
【0019】
このようにして、操作信号と流体圧力との関係が、非線形で、かつ通過流量の変化に伴って変化するような場合でも、通過流量ごとにあらかじめ測定されている操作信号と流体圧力との対応関係に基づいて、正確な操作量が求められ、制御弁は良好な応答特性を保ち得る。
【0020】
しかしながら、この特開平5−080859号公報の流体圧力制御装置では、比例制御弁の動作範囲の複数点において制御対象の状態を記憶しておく記憶手段、および流体の通過流量を検出するための流体センサとが必要となり、また、記憶手段に記憶させるデータはいちいち計測によって求めねばならない。したがって、制御装置の応答特性は良くなるものの、構成は複雑化し、制御装置の低コスト化を図ることもできない。
【0021】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、流体ラインの流体圧力(目標圧力)および制御弁の弁通過流量の変動にかかわらず、良好な制御性能を保ち得る流体圧力制御装置を、低コストで提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、油圧アクチュエータに接続した流体ラインと、この流体ラインに介装さ
れた制御弁と、前記流体ラインの流体圧力を検出する流体圧力検出手段と、この流体圧力
の検出値と目標圧力との偏差に基づいて前記制御弁の弁開度指令を決定する弁開度指令演
算手段と、前記制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段と、この弁開度検出手段により
検出された弁開度が前記弁開度指令と一致するように前記制御弁の弁開度を制御する弁開
度制御手段とを備えた流体圧力制御装置において、前記制御弁を通過する通過流量を前記
制御弁の弁開度と上流および下流の圧力から推定する通過流量推定手段と、制御対象の直
流ゲインをこの推定通過流量と前記制御弁の上流および下流の流体圧力とから次の式を用
いて算出する演算する直流ゲイン演算手段と、
K=α(ΔP 3/2 /Q)、ただし、K=直流ゲイン、ΔP=前記制御弁の上流および下
流の流体圧力差、Q=前記推定通過流量、α=定数、この直流ゲイン演算手段により演算
された直流ゲインに、前記制御弁の最適調整した状態で基準直流ゲインを除することで得
られる前記弁開度指令に対する補正係数を演算する補正係数演算手段と、この補正係数に
基づいて前記弁開度指令演算手段からの弁開度指令を補正する補正手段とを備え、前記弁
開度制御手段はこの補正後の弁開度指令に基づいて前記制御弁の弁開度を調整する。
【0023】
第2の発明は、前記弁通過流量推定手段は、前記制御弁の上流および下流の流体圧力を検出する流体圧力検出手段と、前記制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段とを含む。
【0024】
【作用】
第1の発明では、制御対象に弁開度指令を入力して制御弁の弁開度を調節することにより、流体ラインの圧力を制御するが、この弁開度指令は、基準となる流体ラインの流体圧力(目標圧力)および制御弁の通過流量に最適なものとして弁開度演算手段から出力された弁開度指令を、流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量にしたがった制御対象の直流ゲインの変化に基づいて演算された補正係数で、補正手段により補正されたものであるので、制御弁の弁開度は常に適切に調整され、流体圧力制御装置は、流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量の変化にかかわらず、常に良好な制御特性を確保し得る。また、このような流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量の変化に応じた制御(弁開度指令の補正)は、数学モデルを用いて行うものであるので、制御弁の動作範囲の複数点でのデータを計測しておき、この計測データにしたがって弁開度指令を補正する必要はなく、このような計測データを記憶する記憶手段も必要とされないので、流体圧力制御装置の構成は複雑化することなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0025】
第2の発明では、弁通過流量推定手段は、制御弁の上流および下流の流体圧力を検出する流体圧力検出手段と、制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段とを含むものであるので、制御対象の直流ゲインを同定するために流量センサが必要とされることはなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1には、本発明の流体圧力制御装置の構成を示す。
【0028】
図示されるように、比例電磁式圧力制御弁1は、従来の図7の比例電磁式圧力制御弁9と同様に、油圧アクチュエータ3とタンク5との間に介装され、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからの作動油をタンク5側に逃がすリリーフ弁として働き、油圧アクチュエータ3側のポート6の圧力Pが目標圧力Pbrと一致するようにリリーフ制御を行うもので、加算器10、制御演算回路11、弁開度制御回路13、弁14、圧力センサ15、開度センサ16、油圧アクチュエータ3側のポート6、タンク5側のポート7とを、それぞれ備えている。
【0029】
さらに本発明では、図7と異なる構成として、制御演算回路11と弁開度制御回路13との間に、補正回路12が介装されるとともに、ポート7の圧力Pを検出する圧力センサ17が備えられる。
【0030】
補正回路12は、ポート6の圧力Pおよび弁通過流量Qの変化による制御対象(弁開度制御回路13、弁14、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の直流ゲインK(式(1)、式(2)参照)の変化を打ち消すものであり、制御演算回路11から基準弁開度指令xが、また圧力センサ15、開度センサ16、圧力センサ17からの検出値として、それぞれポート6の圧力P、弁14の開度x、ポート7の圧力Pが入力され、基準弁開度指令xを補正した補正弁開度指令xrcを弁開度制御回路13へと出力する。
【0031】
図2には、この補正回路12の内部構成を示す。図示されるように、補正回路12は、流量推定回路21と、直流ゲイン演算回路22と、補正係数演算回路23と、乗算器24とを備え、各センサにより検出された検出値(圧力P、開度x、圧力P)は、まず流量推定回路21に入力される。
【0032】
流量推定回路21は、これらの検出値を用いて、弁通過流量Qを、
Q=γA(ΔP)1/2 …(3)
として演算する。ただし、Aは弁開度xから算出される弁14の開口面積、ΔPはポート6とポート7の圧力差(すなわち弁14の上流と下流の圧力差)、γは定数である。なお、この流量推定回路21は、流量センサにより代用することも可能である。
【0033】
直流ゲイン演算回路22には、流量推定回路21において演算された弁通路流量Qと、圧力P、圧力Pが入力され、制御対象(弁開度制御回路13、弁14、および油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の直流ゲインKを、前述の式(2)を用いて算出する。
【0034】
補正係数演算回路23は、直流ゲイン演算回路22で算出された直流ゲインKと直流ゲイン基準値Kから、補正係数Cを、
C=K/K …(4)
として算出する。ただし、Kは制御演算回路11を最適調整した状態における直流ゲインであり、この最適調整状態でのポート6の圧力P、ポート7の圧力P、弁通路流量Qから求められる。
【0035】
乗算器24は、このようにして算出された補正係数Cを基準弁開度指令xに乗じて補正弁開度指令xrcを求める補正手段であり、この補正弁開度指令xrcを弁開度制御回路13へと出力する。
【0036】
つぎに作用を説明する。
【0037】
油圧アクチュエータ3の油圧室3a内の作動油は、リリーフ弁である比例電磁式圧力制御弁1を介してタンク5側に逃がされるが、この場合、制御弁1で油圧アクチュエータ3側のポート6の圧力Pをリリーフ制御することにより、油圧アクチュエータ3は所望の動作を行う。
【0038】
この場合、ポート圧力Pは圧力指令Pbrに一致するようにフィードバック制御されるのであるが、圧力指令Pbr(ポート圧力P)および弁通過流量Qが制御演算回路11に対して最適調整状態にあるときには、図3に示すように、ポート圧力P(実線)は、矩形波で与えられる圧力指令Pbr(破線)に対して、良好な応答で追随する。
【0039】
さらに本発明では、補正回路12の働きにより、圧力指令Pbrおよび弁通過流量Qが制御演算回路11に対する最適調整状態から変動し、制御対象(弁開度制御回路13、弁14、および油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の特性が変化してしまったときでも、制御演算回路11からの基準弁開度指令xは、補正弁開度指令xrcに補正されて弁開度制御回路13に入力され、弁14はこの補正弁開度指令xrcに基づいて制御されるので、流体圧力制御装置の制御性能は悪化することはない。
【0040】
すなわち、補正回路12は、弁開度指令を制御対象の直流ゲインKの直流ゲイン基準値K(最適調整状態における直流ゲイン)と比の割合で調節することにより、直流ゲインの変化分の効果を相殺することができる。この結果、図4に示すように圧力指令Pbrが小さなときでもポート圧力Pは速やかに目標値に達するように制御され、また、図5に示すように弁通過流量Qが少ないときでもポート圧力Pの圧力指令Pbrに対する行き過ぎ量は抑制され、ハンチングを最小限とすることができる。
【0041】
なお、本発明の流体圧力制御装置では、このような制御対象の特性の変化に対応した弁14の開度制御の補正を数学モデルを用いてなすものであるので、制御対象の特性の変化に対応するために、制御弁の動作範囲の複数点でのデータを計測する必要はなく、また計測されたデータを記憶する記憶手段も必要とされない。したがって、流体圧力制御装置の構成は複雑化することなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0042】
図6には本発明の他の実施の形態の構成を示す。
【0043】
これでは、比例電磁式圧力制御弁1は、油圧ポンプ2から油圧アクチュエータ1へと供給される作動油の通路に減圧弁として介装され、弁14通過後のポート6における作動油の圧力Pを減圧制御する。なお、ポート6と油圧アクチュエータ3との間には、作動油の一部をバルブ18を介してタンク5側に逃がすブリード回路19が設けられる。
【0044】
この図6の制御回路も、図1のリリーフ制御の場合と同様に、フィードバックされたポート6の圧力Pが圧力指令Pbrと一致するように、制御演算回路11、補正回路12、弁開度制御回路13を介して弁14の開度を制御するものであり、ポート6の圧力Pが圧力指令Pbrよりも小さければ弁14の開度xを増し、逆に大きければ弁14の開度xを減じるように、弁14が駆動される(すなわち、弁の開閉がリリーフ制御と逆になる)点でのみ、図1と異なる作用をするものである。
【0045】
したがって、補正回路12を備えた効果は、図1の場合と同様であり、圧力指令Pbrおよび弁通過流量Qが制御演算回路11に対する最適調整状態から変動し、制御対象(弁開度制御回路13、弁14、および油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の特性が変化してしまったときでも、制御演算回路11からの基準弁開度指令xは、補正弁開度指令xrcに適切に補正されて弁開度制御回路13に入力されるので、流体圧力制御装置の制御性能は悪化することはない。
【0046】
【発明の効果】
第1の発明によれば、制御対象に弁開度指令を入力して制御弁の弁開度を調節することにより、流体ラインの圧力を制御するが、この弁開度指令は、基準となる流体ラインの流体圧力(目標圧力)および制御弁の通過流量に最適なものとして弁開度演算手段から出力された弁開度指令を、流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量にしたがった制御対象の直流ゲインの変化に基づいて演算された補正係数で、補正手段により補正されたものであるので、制御弁の弁開度は常に適切に調整され、流体圧力制御装置は、流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量の変化にかかわらず、常に良好な制御特性を確保し得る。また、このような流体ラインの流体圧力および制御弁の通過流量の変化に応じた制御(弁開度指令の補正)は、数学モデルを用いて行うものであるので、制御弁の動作範囲の複数点でのデータを計測しておき、この計測データにしたがって弁開度指令を補正する必要はなく、このような計測データを記憶する記憶手段も必要とされないので、流体圧力制御装置の構成は複雑化することなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【0047】
第2の発明によれば、弁通過流量推定手段は、制御弁の上流および下流の流体圧力を検出する流体圧力検出手段と、制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段とを含むものであるので、制御対象の直流ゲインを同定するために流量センサが必要とされることはなく、装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同じく補正回路を示す構成図である。
【図3】同じくポート圧力の時間変化を示す特性図である。
【図4】同じく特性図である。
【図5】同じく特性図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す構成図である。
【図7】従来の制御弁を示す構成図である。
【図8】同じくポート圧力の時間変化を示す特性図である。
【図9】同じく特性図である。
【図10】同じく特性図である。
【符号の説明】
1 比例電磁式圧力制御弁
2 油圧ポンプ
3 油圧アクチュエータ
5 タンク
6 ポート
7 ポート
9 比例電磁式圧力制御弁
10 加算器
11 制御演算回路
12 補正回路
13 弁開度制御回路
14 弁
15 圧力センサ
16 開度センサ
17 圧力センサ
18 バルブ
19 ブリード回路
21 流量推定回路
22 直流ゲイン演算回路
23 補正係数演算回路
24 乗算器

Claims (2)

  1. 油圧アクチュエータに接続した流体ラインと、この流体ラインに介装された制御弁と、
    前記流体ラインの流体圧力を検出する流体圧力検出手段と、この流体圧力の検出値と目標
    圧力との偏差に基づいて前記制御弁の弁開度指令を決定する弁開度指令演算手段と、前記
    制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段と、この弁開度検出手段により検出された弁開
    度が前記弁開度指令と一致するように前記制御弁の弁開度を制御する弁開度制御手段と、
    を備えた流体圧力制御装置において、
    前記制御弁を通過する通過流量を前記制御弁の弁開度と上流および下流の圧力から推定
    する通過流量推定手段と、
    制御対象の直流ゲインをこの推定通過流量と前記制御弁の上流および下流の流体圧力と
    から次の式を用いて算出する演算する直流ゲイン演算手段と、
    K=α(ΔP 3/2 /Q)
    ただし、K=直流ゲイン、ΔP=前記制御弁の上流および下流の流体圧力差、Q=前記
    推定通過流量、α=定数、
    この直流ゲイン演算手段により演算された直流ゲインに、前記制御弁の最適調整した状
    態で基準直流ゲインを除することで得られる前記弁開度指令に対する補正係数を演算する
    補正係数演算手段と、
    この補正係数に基づいて前記弁開度指令演算手段からの弁開度指令を補正する補正手段
    と、を備え、
    前記弁開度制御手段はこの補正後の弁開度指令に基づいて前記制御弁の弁開度を調整す
    ることを特徴とする流体圧力制御装置。
  2. 前記弁通過流量推定手段は、前記制御弁の上流および下流の流体圧力を検出する流体圧
    力検出手段と、前記制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段とを含むことを特徴とする
    請求項1に記載の流体圧力制御装置。
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