JP3523974B2 - 流体圧力制御装置 - Google Patents

流体圧力制御装置

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JP3523974B2
JP3523974B2 JP00075297A JP75297A JP3523974B2 JP 3523974 B2 JP3523974 B2 JP 3523974B2 JP 00075297 A JP00075297 A JP 00075297A JP 75297 A JP75297 A JP 75297A JP 3523974 B2 JP3523974 B2 JP 3523974B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体ラインに介装
した圧力制御弁により流体ラインの圧力を制御する流体
圧力制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ライン等の流体ラインに比例制御弁
を介装し、操作信号に応じてこの比例制御弁の開度を制
御することにより、流体圧力を目標の圧力に設定する流
体圧力制御装置としては、例えば図5に示すようなもの
が知られている。
【0003】図示されるように、比例電磁式制御弁9
は、油圧アクチュエータ3とタンク5との間に介装さ
れ、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからの作動油を
タンク5側に逃がすリリーフ弁として働き、油圧アクチ
ュエータ3側のポート6の圧力Pbを圧力指令(目標圧
力)Pbrと一致するように制御する(リリーフ制御)。
【0004】このポート6の圧力Pbは圧力センサ15
により検出され、この圧力Pbと圧力指令Pbrとの偏差
が加算器10により演算されて、弁開度演算手段である
制御演算回路11に入力される。このようにして偏差が
入力された制御演算回路11は、弁開度指令xrを演算
し、弁開度制御回路13に入力する。
【0005】具体的には、制御演算回路11は、ポート
圧力Pbが圧力指令Pbrより小さければ制御弁1の開度
xを減じ、ポート圧力Pbが圧力指令Pbrより大きけれ
ば制御弁1の開度xを増すように、基準弁開度指令xr
を算出し、これを弁開度制御回路13へと入力する。
【0006】そして、この弁開度制御回路13には開度
センサ16により検出された弁開度xが入力され、弁開
度制御回路13はこの実際の弁開度xが基準弁開度指令
rと一致するように弁(絞り部)14を制御する。
【0007】図6、図7には、このような比例電磁式圧
力制御弁9によるポート6の圧力Pbの制御結果の一例
を示す。ここで、圧力指令Pbrは図中破線で示した矩形
波で与えられ、そのときの圧力Pbの波形が実線で示さ
れる。
【0008】この制御によれば、図から見てとれるよう
に、圧力Pbは最終的には圧力指令Pbrに収束するもの
の、図6に示すように指令圧力Pbrおよび弁14の通過
流量が略最適調整条件(この例では圧力指令Pbr=20
0〜250kgf/cm2、弁通過流量Q=300L/
min)にあるときでも、速やかな応答が得られる訳で
はない。特に、図7に示すように、弁通過流量Qが50
L/minと少ないときには、弁通過流量Qが大きなと
きと同様に弁開度を変化させたのでは急激な圧力変動を
生じてしまい、ハンチングを引き起こして、応答特性が
著しく悪化してしまう。
【0009】そこで、図8に示すような補正回路12
を、制御演算回路11と弁開度制御回路13との間に介
装することにより、指令圧力Pbrおよび弁14の通過流
量が略最適調整条件にないときにも、制御特性を向上さ
せることが考えられる(図1参照)。
【0010】この補正回路12は、ポート6の圧力Pb
および弁通過流量Qの変化による制御対象(弁開度制御
回路13、弁14、油圧アクチュエータ3の油圧室3a
からなる系)の直流ゲインKの変化を打ち消すための回
路である。すなわち、一般に、図5に示すような比例電
磁式圧力制御弁9の制御演算回路11で採用されている
制御方式(例えばPI制御法)は線形制御理論に基づい
たものであり、制御対象の特性が一定であること(制御
対象が定常線形システムであること)が良い制御性能を
得るための必要条件である。これに対して補正回路12
は、制御対象(図5の弁開度制御回路13、弁14、油
圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の特性変
化に対応するため、制御対象の特性を特徴づける直流ゲ
インKの変化に応じて、弁開度指令xrを補正し、制御
特性の向上を図る。
【0011】なお、制御対象の特性がポート6の圧力P
bおよび弁通過流量Qに依存することは以下のように示
すことができる。
【0012】まず、制御対象の伝達関数は、 Pb/xr=K/(Ts+1) …(1) と表すことができる。ただし、Kは直流ゲイン、Tは時
定数であり、ともに制御対象の特性を表す係数である。
【0013】ここで、直流ゲインKは、 K=α(ΔP3/2/Q) …(2) で与えられる。ただし、ΔPはポート6とポート7(弁
14のタンク側のポート)との圧力差Pa−Pbであり、
αは定数である。
【0014】この式(2)から分かるように、直流ゲイ
ンKは圧力差ΔPと流量Qとに依存し、したがって制御
対象の特性は、Pa、Pb、およびQに依存することが分
かる。
【0015】さて、この補正回路12には、制御演算回
路11から基準弁開度指令xrが、また圧力センサ1
5、開度センサ16、圧力センサ17からの検出値とし
て、それぞれポート6の圧力Pb、弁14の開度x、ポ
ート7の圧力Paが入力され、基準弁開度指令xrを補正
した補正弁開度指令xrcを弁開度制御回路13へと出力
する。そして、補正回路12内部では、流量推定回路2
1が各センサにより検出された検出値(圧力Pb、開度
x、圧力Pa)から弁通過流量Qを算出し、直流ゲイン
演算回路22が、この弁通過流量Qおよび弁上流下流の
圧力差Pa−Pbから、現在の直流ゲインKを算出する。
補正係数演算回路23は、この直流ゲインKとあらかじ
め記憶している基準直流ゲインK0から補正係数Cを算
出し、乗算器24により、制御演算回路11からの基準
弁開度指令xrが補正弁開度指令xrcへと補正される。
【0016】図9、図10には、この補正回路12によ
る補正がある場合の制御特性の変化を示す。図から見て
とれるように、図9に示すような最適調整状態では、圧
力P b変化のために十分な弁開度xが確保され、圧力Pb
は目標圧力に速やかに収束する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この補
正回路12を用いた場合でも、図10に示すように弁通
過流量Qが50L/minと少ないときには、依然とし
て行き過ぎ量を抑制できず、応答特性の改善は十分のも
のとは言えない。
【0018】本発明は、このような問題点に着目してな
されたものであり、補正回路により、流体ラインの流体
圧力(目標圧力)および制御弁の弁通過流量の変動によ
る制御対象の特性変化を補償して、良好な制御性能を保
ち得る流体圧力制御装置において、さらに制御性能を向
上させ得るものを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、油圧アク
チュエータに接続した流体ラインと、この流体ラインに
介装された制御弁と、前記流体ラインの流体圧力を検出
する流体圧力検出手段と、この流体圧力の検出値と目標
圧力との偏差に基づいて前記制御弁の基準弁開度指令を
決定する弁開度指令演算手段と、前記制御弁の弁開度を
検出する弁開度検出手段と、この弁開度検出手段により
検出された弁開度が前記補正弁開度指令と一致するよう
に前記制御弁の弁開度を制御する弁開度制御手段とを備
えた流体圧力制御装置において、制御対象の直流ゲイン
を演算する直流ゲイン演算手段及びこの直流ゲイン演算
手段により演算された制御対象の現在の直流ゲインと基
準直流ゲインとに基づいて弁開度指令を補正する直流ゲ
イン補正手段と、制御対象の時定数の変化を演算する時
定数演算手段及びこの時定数演算手段により演算された
制御対象の現在の時定数と時定数基準値とに基づいて弁
開度指令を補正する時定数補正手段とを備えた。
【0020】第2の発明では、前記時定数基準値は、前
記流体ラインの流体圧力と前記制御弁の通過流量が所定
の最適値を持つ最適調整状態における制御対象の時定数
である。
【0021】
【作用】本発明では、制御対象に補正弁開度指令を入力
して制御弁の弁開度を調節することにより流体ラインの
圧力を制御するが、この補正弁開度指令は、基準となる
最適調整状態における流体ラインの流体圧力(目標圧
力)および制御弁の通過流量に最適なものとして弁開度
演算手段から出力された基準弁開度指令を、補正手段に
より補正して算出される。この場合、補正手段は、制御
対象の現在の直流ゲインを演算し、この直流ゲインと基
準直流ゲインとに基づいて、制御対象の直流ゲインの変
化分を相殺するように基準弁開度指令を補正するととも
に、制御対象の現在の時定数を演算し、この時定数と時
定数基準値とに基づいて、制御対象の時定数の変化分を
も相殺するように基準弁開度指令を補正するので、補正
弁開度指令は制御対象の変動を正しく反映した補正がな
されたものとなる。
【0022】したがって、制御弁の弁開度は常に適切に
調整され、流体圧力制御装置は、流体ラインの流体圧力
および制御弁の通過流量の変化にかかわらず、常に良好
な制御特性を確保することができ、例えば弁通過流量が
小さな場合でも弁開度の変化が適切に抑制される結果、
圧力変動はハンチング等を起こさない良好な収束性を示
す。また、このような流体ラインの流体圧力および制御
弁の通過流量の変化に応じた制御(弁開度指令の補正)
は、数学モデルを用いて行うものであるので、制御弁の
動作範囲の複数点でのデータを計測しておき、この計測
データにしたがって弁開度指令を補正する必要はなく、
このような計測データを記憶する記憶手段も必要とされ
ないので、流体圧力制御装置の構成は複雑化することな
く、装置の低コスト化を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0024】図1には、本発明の流体圧力制御装置の構
成を示す。
【0025】図示されるように、比例電磁式圧力制御弁
1は、油圧アクチュエータ3とタンク5との間に介装さ
れ、油圧アクチュエータ3の油圧室3aからの作動油を
タンク5側に逃がすリリーフ弁として働き、油圧アクチ
ュエータ3側のポート6の圧力Pbを圧力指令(目標圧
力)Pbrと一致するように、リリーフ制御する。
【0026】このポート6の圧力Pbは圧力センサ15
により検出され、この圧力Pbと圧力指令Pbrとの偏差
が加算器10により演算されて、弁開度演算手段である
制御演算回路11に入力される。このようにして偏差が
入力された制御演算回路11は、弁開度指令xrを演算
し、弁開度制御回路13に入力する。
【0027】具体的には、制御演算回路11は、ポート
圧力Pbが圧力指令Pbrより小さければ制御弁1の開度
xを減じ、ポート圧力Pbが圧力指令Pbrより大きけれ
ば制御弁1の開度xを増すように、基準弁開度指令xr
を算出し、これを弁開度制御回路13へと入力する。
【0028】また、この弁開度制御回路13には開度セ
ンサ16により検出された弁開度xが入力され、弁開度
制御回路13はこの実際の弁開度xが基準弁開度指令x
rと一致するように弁(絞り部)14を制御する。
【0029】さらに、この比例電磁式圧力制御弁1に
は、制御演算回路11と弁開度制御回路13との間に、
補正回路30が介装されるとともに、ポート7の圧力P
aを検出する圧力センサ17が備えられる。
【0030】補正回路30は、ポート6の圧力Pbおよ
び弁通過流量Qの変化による制御対象(弁開度制御回路
13、弁14、油圧アクチュエータ3の油圧室3aから
なる系)の特性変化を打ち消すための回路であり、従来
の補正回路12と同様に、制御演算回路11から基準弁
開度指令xrが、また圧力センサ15、開度センサ1
6、圧力センサ17からの検出値として、それぞれポー
ト6の圧力Pb、弁14の開度x、ポート7の圧力Pa
入力され、基準弁開度指令xrを補正した補正弁開度指
令xrcを弁開度制御回路13へと出力する。
【0031】図2には、この補正回路30の内部構成を
示す。
【0032】図示されるように、補正回路30は、従来
の補正回路12と同様に、流量推定回路21と、直流ゲ
イン演算回路22と、補正係数演算回路23と、乗算器
24とを備えるとともに、補正回路12と異なる構成と
して、時定数演算回路25と、時定数補正回路26とを
備えている。本発明の補正回路30は、時定数演算回路
25と、時定数補正回路26を備えることにより、従来
の補正回路12と同様に制御対象の直流ゲインKの変化
分に基づく補正とともに、制御対象の時定数Tの変化分
に基づく補正を行い、最終的に補正弁開度指令xrcを得
るものである。
【0033】すなわち、制御対象の特性を表す伝達関数
は、式(1)に示されるように、直流ゲインKのほか、
時定数Tをも含んでいる。そして、この時定数Tは、 T=βΔP/Q …(3) と表され、ΔPはポート6とポート7との圧力差Pa
b、弁通過流量Qの変化にしたがって変動する。した
がって、時定数Tの変化分を考慮して弁開度指令を補正
することにより、制御特性をさらに向上させることが可
能となる。なお、式(3)において、βは所定の定数で
ある。
【0034】この補正回路30の構成をさらに詳しく説
明すると、各センサにより検出された検出値(圧力
b、開度x、圧力Pa)は、まず流量推定回路21に入
力される。流量推定回路21は、これらの検出値を用い
て、弁通過流量Qを、 Q=γA(ΔP)1/2 …(4) として演算する。ただし、Aは弁開度xから算出される
弁14の開口面積、ΔPはポート6とポート7の圧力差
(すなわち弁14の上流と下流の圧力差)、γは定数で
ある。なお、この流量推定回路21は、流量センサによ
り代用することも可能である。
【0035】直流ゲイン演算回路22には、流量推定回
路21において演算された弁通路流量Qと、圧力Pb
圧力Paが入力され、制御対象(弁開度制御回路13、
弁14、および油圧アクチュエータ3の油圧室3aから
なる系)の直流ゲインKを、前述の式(2)を用いて算
出する。
【0036】補正係数演算回路23は、直流ゲイン演算
回路22で算出された直流ゲインKと直流ゲイン基準値
0から、補正係数CKを、 CK=K0/K …(5) として算出する。ただし、K0は制御演算回路11を最
適調整した状態における直流ゲインであり、この最適調
整状態でのポート6の圧力Pb、ポート7の圧力Pa、弁
通路流量Qから求められる。
【0037】乗算器24は、このようにして算出された
補正係数CKを基準弁開度指令xrに乗じて得られた出力
信号を、時定数補正回路26へと入力する。
【0038】一方、流量推定回路21において演算され
た弁通路流量Qと、圧力Pb、圧力Paは、時定数演算回
路25に対しても入力される。
【0039】時定数演算回路25は、ポート6の圧力P
bとポート7の圧力Paとの圧力差ΔP(=|Pa−P
b|)と弁通過流量Qとから、式(3)を用いて、制御
対象の現在の時定数Tを演算する。
【0040】この現在の時定数Tは時定数補正回路26
へと入力される。そして、時定数補正回路26の伝達関
数は、この時定数Tと基準時定数T0とから、 C(s)=(Ts+1)/(T0s+1) …(6) と設定される。なお、基準時定数T0は、最適調整状態
における弁通路流量Qと、圧力Pb、圧力Paから、式
(3)を用いて演算されたものである。
【0041】この式(6)に示される時定数補正回路2
6の伝達関数により、乗算器24からの出力信号が変換
され、この変換された信号が補正弁開度指令xrcとな
る。この補正弁開度指令xrcは、弁開度制御回路13へ
と出力される。
【0042】つぎに作用を説明する。
【0043】油圧アクチュエータ3の油圧室3a内の作
動油は、リリーフ弁である比例電磁式圧力制御弁1を介
してタンク5側に逃がされるが、この場合、制御弁1で
油圧アクチュエータ3側のポート6の圧力Pbをリリー
フ制御することにより、油圧アクチュエータ3は所望の
動作を行う。
【0044】この場合、ポート圧力Pbは圧力指令Pbr
に一致するようにフィードバック制御されるのである
が、圧力指令Pbr(ポート圧力Pb)および弁通過流量
Qが制御演算回路11に対して最適調整状態にあるとき
には、従来例(図9参照)と同様に、ポート圧力P
bは、圧力指令Pbrに対して、良好な応答で追随する。
【0045】さらに本発明では、補正回路30の働きに
より、圧力指令Pbrおよび弁通過流量Qが制御演算回路
11に対する最適調整状態から変動し、制御対象(弁開
度制御回路13、弁14、および油圧アクチュエータ3
の油圧室3aからなる系)の特性が変化してしまったと
きでも、制御演算回路11からの基準弁開度指令x
rを、補正弁開度指令xrcに適切に補正することができ
る。このように補正された補正弁開度指令xrcは弁開度
制御回路13に入力され、弁14はこの補正弁開度指令
rcに基づいて制御される。
【0046】この場合、補正回路30は、制御対象の特
性(伝達関数)の直流ゲインKの変動に加えて、時定数
Tの変動に基づく変化分をも考慮して、弁開度指令を補
正する。すなわち、補正回路30は、弁開度指令を、制
御対象の現在の直流ゲインKが直流ゲイン基準値K
0(最適調整状態における直流ゲイン)から変化した割
合で調節して、直流ゲインの変化分の効果を相殺すると
ともに、制御対象の現在の時定数Tが時定数基準値T0
(最適調整状態における時定数)から変化した割合でも
調整することにより、時定数の変化分の効果を相殺す
る。
【0047】この結果、弁通過流量Qが少ないとき(例
えばQ=50L/minのとき)でも、図3に示すよう
に、ポート圧力Pbは圧力指令Pbrに速やかに到達する
一方で、弁開度xの弁通過流量Qに比して大きすぎる変
化に起因する行き過ぎ量は抑制され、圧力Pbは良好な
特性で圧力指令Pbrに収束して行く。
【0048】なお、本発明の流体圧力制御装置では、こ
のような制御対象の特性の変化に対応した弁14の開度
制御の補正を数学モデルを用いてなすものであるので、
制御対象の特性の変化に対応するために、あらかじめ制
御弁の動作範囲でのデータを計測しておく必要はなく、
この計測されたデータを記憶しておく記憶手段も必要と
されない。したがって、流体圧力制御装置の構成は複雑
化することなく、装置の低コスト化を図ることができ
る。
【0049】図4には本発明の他の実施の形態の構成を
示す。
【0050】これでは、比例電磁式圧力制御弁1は、油
圧ポンプ2から油圧アクチュエータ1へと供給される作
動油の通路に減圧弁として介装され、弁14通過後のポ
ート6における作動油の圧力Pbを減圧制御する。な
お、ポート6と油圧アクチュエータ3との間には、作動
油の一部をバルブ18を介してタンク5側に逃がすブリ
ード回路19が設けられる。
【0051】この図6の制御回路も、図1のリリーフ制
御の場合と同様に、フィードバックされたポート6の圧
力Pbが圧力指令Pbrと一致するように、制御演算回路
11、補正回路12、弁開度制御回路13を介して弁1
4の開度を制御するものであり、ポート6の圧力Pb
圧力指令Pbrよりも小さければ弁14の開度xを増し、
逆に大きければ弁14の開度xを減じるように、弁14
が駆動される(すなわち、弁の開閉がリリーフ制御と逆
になる)点でのみ、図1と異なる作用をするものであ
る。
【0052】したがって、補正回路30を備えた効果
は、図1の場合と同様であり、圧力指令Pbrおよび弁通
過流量Qが制御演算回路11に対する最適調整状態から
変動し、制御対象(弁開度制御回路13、弁14、およ
び油圧アクチュエータ3の油圧室3aからなる系)の特
性が変化してしまったときでも、制御演算回路11から
の基準弁開度指令xrは、制御対象の直流ゲインKおよ
び時定数Tの両方の変動を適切に反映した補正がなさ
れ、補正弁開度指令xrcとして弁開度制御回路13に入
力されるので、流体圧力制御装置の制御性能は悪化する
ことはない。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、制御対象に補正弁開度
指令を入力して制御弁の弁開度を調節することにより流
体ラインの圧力を制御するが、この補正弁開度指令は、
基準となる最適調整状態における流体ラインの流体圧力
(目標圧力)および制御弁の通過流量に最適なものとし
て弁開度演算手段から出力された基準弁開度指令を、補
正手段により補正して算出される。この場合、補正手段
は、制御対象の現在の直流ゲインを演算し、この直流ゲ
インと基準直流ゲインとに基づいて、制御対象の直流ゲ
インの変化分を相殺するように基準弁開度指令を補正す
るとともに、制御対象の現在の時定数を演算し、この時
定数と時定数基準値とに基づいて、制御対象の時定数の
変化分をも相殺するように基準弁開度指令を補正するの
で、補正弁開度指令は制御対象の変動を正しく反映した
補正がなされたものとなる。
【0054】したがって、制御弁の弁開度は常に適切に
調整され、流体圧力制御装置は、流体ラインの流体圧力
および制御弁の通過流量の変化にかかわらず、常に良好
な制御特性を確保することができ、例えば弁通過流量が
小さな場合でも弁開度の変化が適切に抑制される結果、
圧力変動はハンチング等を起こさない良好な収束性を示
す。また、このような流体ラインの流体圧力および制御
弁の通過流量の変化に応じた制御(弁開度指令の補正)
は、数学モデルを用いて行うものであるので、制御弁の
動作範囲の複数点でのデータを計測しておき、この計測
データにしたがって弁開度指令を補正する必要はなく、
このような計測データを記憶する記憶手段も必要とされ
ないので、流体圧力制御装置の構成は複雑化することな
く、装置の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同じく補正回路を示す構成図である。
【図3】同じくポート圧力の時間変化を示す特性図であ
る。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す構成図である。
【図5】従来の制御弁を示す構成図である。
【図6】同じくポート圧力の時間変化を示す特性図であ
る。
【図7】同じく特性図である。
【図8】従来の補正回路を示す構成図である。
【図9】同じくポート圧力の時間変化を示す特性図であ
る。
【図10】同じく特性図である。
【符号の説明】
1 比例電磁式圧力制御弁 2 油圧ポンプ 3 油圧アクチュエータ 5 タンク 6 ポート 7 ポート 9 比例電磁式圧力制御弁 10 加算器 11 制御演算回路 13 弁開度制御回路 14 弁 15 圧力センサ 16 開度センサ 17 圧力センサ 18 バルブ 19 ブリード回路 21 流量推定回路 22 直流ゲイン演算回路 23 補正係数演算回路 24 乗算器 25 時定数演算回路 26 時定数補正回路 30 補正回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−17008(JP,A) 特開 平5−346802(JP,A) 特開 平5−80859(JP,A) 特開 昭59−16002(JP,A) 特開 平1−196601(JP,A) 特開 昭62−257501(JP,A) 特開 平4−55985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 16/20 F15B 11/00 - 11/22 F16K 31/06 - 31/11 F16K 31/12 - 31/165 G05B 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧アクチュエータに接続した流体ライン
    と、 この流体ラインに介装された制御弁と、 前記流体ラインの流体圧力を検出する流体圧力検出手段
    と、 この流体圧力の検出値と目標圧力との偏差に基づいて前
    記制御弁の基準弁開度指令を決定する弁開度指令演算手
    段と、 前記制御弁の弁開度を検出する弁開度検出手段と、 この弁開度検出手段により検出された弁開度が前記補正
    弁開度指令と一致するように前記制御弁の弁開度を制御
    する弁開度制御手段と、 を備えた流体圧力制御装置において、 制御対象の直流ゲインを演算する直流ゲイン演算手段及
    びこの直流ゲイン演算手段により演算された制御対象の
    現在の直流ゲインと基準直流ゲインとに基づいて弁開度
    指令を補正する直流ゲイン補正手段と、 制御対象の時定数の変化を演算する時定数演算手段及び
    この時定数演算手段により演算された制御対象の現在の
    時定数と時定数基準値とに基づいて弁開度指令を補正す
    る時定数補正手段と、 を備えたことを特徴とする流体圧力制御装置。
  2. 【請求項2】前記時定数基準値は、前記流体ラインの流
    体圧力と前記制御弁の通過流量が所定の最適値を持つ最
    適調整状態における制御対象の時定数であることを特徴
    とする請求項1に記載の流体圧力制御装置。
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