JP2837781B2 - 周期音の能動消音装置 - Google Patents

周期音の能動消音装置

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JP2837781B2
JP2837781B2 JP4261481A JP26148192A JP2837781B2 JP 2837781 B2 JP2837781 B2 JP 2837781B2 JP 4261481 A JP4261481 A JP 4261481A JP 26148192 A JP26148192 A JP 26148192A JP 2837781 B2 JP2837781 B2 JP 2837781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,消音対象とする騒音の
中から周期性が顕著である消音対象音波を抽出して,こ
の消音対象音波に対して逆位相の能動消音音波を生成し
出力することによって,能動消音音波と消音対象音波と
の音波相殺により消音を行う周期音の能動消音装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】上記音波相殺により消音を行う周期音の
能動消音装置の従来例構成を図5に示す。この能動消音
装置30は,入力された騒音の中から消音対象音波を抽
出する消音対象音波抽出部31と,抽出された消音対象
音波をデジタル信号に変換した基本波と該基本波に対し
て90度位相遅延した遅延波とを生成する波形データ生
成部32と,前記基本波及び遅延波から能動消音用波形
を生成する能動消音用波形生成部33と,前記能動消音
用波形を整形して能動消音音波を生成し出力する能動消
音音波出力部34と,出力された能動消音音波と消音対
象音波との干渉誤差音波を入力して前記能動消音用波形
生成部33における能動消音用波形を更新させるための
干渉誤差信号を出力する干渉誤差音波入力部35とを具
備して構成されている。消音対象音波抽出部31は,マ
イクロホンあるいは振動センサ等の第1の音波入力手段
1から入力された騒音をアナログ増幅器2で増幅し,特
定狭帯域周波数を通過させるバンドパスフィルタ3によ
り増幅された騒音の中から消音対象音波のみを抽出し
て,消音対象音波の振幅や位相の変動が明確になるよう
にする。波形データ生成部32は,前記消音対象音波抽
出部31で抽出された消音対象音波をADコンバータ2
2でデジタル信号に変換して基本波を生成する。また,
抽出された消音対象音波を90度位相遅延回路23によ
り前記基本波に対して90度位相遅延した波形を生成
し,ADコンバータ24によりデジタル信号に変換して
90度位相遅延波を生成する。生成された基本波及び遅
延波は,能動消音用波形生成部33に入力される。能動
消音用波形生成部33は,前記波形データ生成部32か
ら入力された基本波と遅延波とを2タップ適応型デジタ
ルフィルタ12に入力して,前記基本波に対して逆位相
同振幅の能動消音用波形に加工する。また,LMSアル
ゴリズム21は,後述する干渉誤差音波入力部35から
入力される干渉誤差信号に基づいて,前記2タップ適応
型デジタルフィルタの2タップ係数の係数更新を行って
能動消音用波形の較正を行う。能動消音音波出力部34
は,能動消音用波形生成部33から出力された能動消音
用波形をDAコンバータ13でアナログ信号に変換し,
更に,このアナログ信号中に含まれる量子化誤差をロー
パスフィルタ14で除去して能動消音音波を生成する。
この能動消音音波はアナログ増幅器15で増幅され,ス
ピーカ等の音波出力手段16から出力させる。出力され
た能動消音音波は,騒音中の消音対象音波と干渉して消
音現象を起こす。干渉誤差音波入力部35は,前記消音
現象によって発生した干渉誤差音波をマイクロホン等の
第2の音波入力手段17から入力してアナログ増幅器1
8で増幅し,特定狭帯域周波数のみを通過させるバンド
パスフィルタ19によって干渉誤差音波だけを抽出し
て,干渉誤差音波の振幅や位相の変動が明確になるよう
にする。この干渉誤差音波をADコンバータ20でデジ
タル信号化し,前記能動消音用波形生成部33にフィー
ドバックする。上記のように,騒音中から抽出した消音
対象音波に基づいて生成された能動消音音波を出力し
て,消音対象音波に干渉させて消音現象を起こさせると
共に,能動消音音波と消音対象音波との干渉誤差信号を
入力して,出力する能動消音音波を適応制御することに
よって,効果的な能動消音が実施できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来例構成になる能動消音装置30には,以下に示すよう
な問題点があった。 (1)波形データ生成部32を構成するADコンバータ
22,24は,高価な構成要素で,装置全体のコストア
ップが避けられないこと。 (2)波形データ生成部32を構成する90度位相遅延
回路23は,一般にFETを使用して構成されるため,
インピーダンスが非常に高くなる結果,外来ノイズの影
響を受けやすく安定性に欠けること。 (3)入力される消音対象音波がインパルス性ノイズを
伴う場合,波形データ生成部32の構成では,インパル
ス性ノイズを除去することができず,ノイズを伴った波
形データが入力される2タップ適応型デジタルフィルタ
で正確な適応制御ができない場合が生じること。 本発明は上記問題点に鑑みて創案されたもので,従来の
能動消音装置の弱点である上記波形データ生成部の構成
を改良し,安定した能動消音効果を発揮させ得る周期音
の能動消音装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用する手段は,騒音中から周期性が顕著な
消音対象音波を抽出し,該消音対象音波の正弦波形に基
づいてデジタル信号化された正弦波データ及び余弦波デ
ータを作成し,これらの正弦波データ及び余弦波データ
に基づいて前記消音対象音波に対して180度位相反転
させた能動消音音波を生成し,該能動消音音波を出力し
て騒音中の消音対象音波と干渉させて消音する周期音の
能動消音装置において,騒音中から抽出された前記消音
対象音波を音波周期で2値化してロジックデジタル信号
に変換し,前記消音対象音波の周期変化量だけを取り出
す波形変換手段と,前記ロジックデジタル信号をサンプ
リングクロックによりカウントすることによって前記消
音対象音波の周期長を検出する周期長検出手段と,少な
くとも一周期分の正弦波データを所定分解能のデータ列
で記憶するデータ記憶手段と,検出された前記消音対象
音波の周期長を示すサンプリングクロックのカウント値
で正弦波データと余弦波データとを前記データ列から抽
出して出力する波形データ抽出手段とを具備してなるこ
とを特徴とする周期音の能動消音装置として構成され
る。また,上記波形データ抽出手段に,データ記憶手段
に記憶された波形データを検出された消音対象音波の周
期長に適用する処理中に,前記消音対象音波の周波数が
変動して適用データ数に過不足が生じたとき,前記過不
足時点のデータ列値を一次記憶して適用処理を中断し,
次周期の先頭データを前記一次記憶されたデータ列値に
近似のデータ列から抽出するようにした周波数変動対応
手段を設けて構成することができる。更に,上記ロジッ
クデジタル信号のデューティ比の変化からインパルスノ
イズの混入を検出して,均等デューティ比の周期長で前
記ロジックデジタル信号を濾波するノイズ除去手段を備
えて構成することができる。更に,消音対象音波の周波
数の時間微分値の取り得る範囲が既知である場合,周期
長検出手段によって検出された前回周期長に対して,今
回検出された周期長に前記時間微分値を越える急激な変
化が確認されたことから,パルスノイズの混入を検出す
るノイズ除去手段として構成とすることができる。
【0005】
【作用】本発明によれば,入力される騒音中から抽出さ
れた消音対象音波は,波形変換手段により音波周期で2
値化されたロジックデジタル信号に変換され,消音対象
音波の波形や振幅などを取り込まず周期変化量だけを取
り込み,弱いレベルで混在する消音対象音波以外の周波
数成分を除去する。このロジックデジタル信号を周期長
検出手段のサンプリングクロックによってカウントする
ことにより,消音対象音波の周期長を検出することがで
きる。データ記憶手段には少なくとも一周期分の正弦波
データが所定分解能のデータ列で記憶されており,波形
データ抽出手段では,前記周期長検出手段によって検出
された周期長を示すサンプリングクロックのカウント値
に対応して,前記データ列から正弦波データと余弦波デ
ータとを抽出する。これらの正弦波データと余弦波デー
タとに基づいて消音対象音波と180度逆位相の能動消
音音波が生成されるので,この能動消音音波をスピーカ
等の音波出力手段から出力させることによって,能動消
音音波と消音対象音波との音波相殺で消音を行うことが
できる。上記波形データ抽出手段において,周期長に対
応してデータ列から抽出した正弦波データ及び余弦波デ
ータを適用させる途中で消音対象音波の周波数変動があ
ったとき,周期長に適用させるデータ列に過不足が生じ
て波形の不連続が生じる。このときには,周波数変動対
応手段の動作により過不足時点のデータ列値が一次記憶
され,次周期への適用時に一次記憶させたデータ列値に
近似のデータ列から適用する操作がなされるので,出力
波形に不連続電位差を生じさせることがなく,不必要な
高周波成分の発生が防止される。また,上記ロジックデ
ジタル信号への変換により,消音対象音波に混入したイ
ンパルスノイズはロジックデジタル信号のデューティ比
の乱れとして検出されるので,ノイズ除去手段を設けて
インパルスノイズを除去する。ノイズ除去手段は,デュ
ーティ比の変化からインパルスノイズの混入を検出し
て,消音対象音波だけを抽出した単一周波数がもつ本来
の均等デューティ比で前記ロジックデジタル信号を濾波
することでノイズ混入によるデューティ比の乱れを修正
する。上記インパルスノイズの検出に際し,消音対象周
波数の時間微分値の取り得る範囲,即ち,消音対象周波
数の周波数帯域内での1周期の時間が経過する間に変動
し得る周期変動分が既知である場合には,周期長検出手
段により検出された前回の周期長に対して,今回検出さ
れた周期長が前記時間微分値を越える急激な変化として
確認されたとき,ノイズ除去手段はインパルスノイズの
混入を検出することができるので,同様に消音対象音波
だけを抽出した単一周波数がもつ本来の均等デューティ
比で前記ロジックデジタル信号を濾波することでノイズ
混入によるデューティ比の乱れを修正する。上記のごと
く本発明では,消音対象音波の周期長だけを検出して,
この周期長に一致する正弦波データと余弦波データとを
予めデータ記憶手段に格納された波形データから抽出し
て,能動消音音波生成の入力データとするので,ADコ
ンバータ等のコストアップ要因の削減や混入ノイズの影
響を排除して,安定した消音効果を発揮し得る能動消音
装置を提供することができる。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して,本発明を具体化
した実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定するものではない。ここに,図1
は本発明の実施例に係る周期音の能動消音装置の構成を
示すブロック図,図2は実施例に係る能動消音装置の波
形加工の工程を示すタイミングチャート,図3は実施例
に係る波形データ記憶部に事前に登録される正弦波1周
期分のデータテーブルの第1例を示すデータ表,図4は
同じく波形データ記憶部に事前に登録される正弦波1周
期分のデータテーブルの第2例を示すデータ表である。
図1において,本実施例に係る能動消音装置25は,騒
音の中から消音対象音波を抽出する消音対象音波抽出部
31と,抽出された消音対象音波を音波周期で2値化し
たロジックデジタル信号に変換して消音対象音波の周期
長を検出する周期長検出部26と,所定分解能のデータ
テーブルとして記憶する波形データから前記周期長に対
応させて正弦波データと余弦波データとを出力する波形
データ記憶部27と,前記正弦波データ及び余弦波デー
タに基づいて能動消音用波形を生成すると共に能動消音
音波と消音対象音波との干渉誤差信号の入力に基づいて
前記能動消音用波形の較正を行う能動消音波形生成部3
3と,前記能動消音用波形を整形して能動消音音波を生
成し出力する能動消音音波出力部34と,出力された能
動消音音波と消音対象音波との干渉誤差音波を入力して
前記能動消音用波形を更新させるための干渉誤差信号を
前記能動消音波形生成部33にフィードバックする干渉
誤差音波入力部35とを具備して構成されている。尚,
図1においては,先の従来例に示した能動消音装置30
と共通の要素には,同一の符号を付している。本実施例
の特徴とするところは,前記周期長検出部26及び波形
データ記憶部27の構成にあり,この周期長検出部26
と波形データ記憶部27とを中心として,本実施例の構
成について以下に説明する。消音対象音波抽出部31で
は,マイクロホンあるいは振動センサ等の第1の音波入
力手段1から入力された騒音のアナログ信号をアナログ
増幅器2で増幅し,特定狭帯域周波数のみを通過させる
バンドパスフィルタ3により増幅された騒音の中から消
音対象音波だけを抽出して,消音対象音波の振幅や位相
の変動が明確になるようにする。
【0007】周期長検出部26は,前記消音対象音波抽
出部31で抽出された図2(A)に示すような消音対象
音波をシュミットトリガ回路(波形変換手段)4に入力
して,図2(B)に示すように2値化されたロジックデ
ジタル信号に変換する。このロジックデジタル信号の論
理(HレベルまたはLレベル)をサンプリングゲート5
のクロックタイミングで検出して,論理カウンタ(周期
長検出手段)6で各論理レベルの期間がサンプリングク
ロック周期のタイミングで何回分かをカウントする。こ
れによって,抽出された消音対象音波の周波数と周期の
デューティ比が把握できる。抽出された消音対象音波に
インパルス性ノイズが含まれているような場合,検出最
小分解能であるサンプリングクロック周期より狭いイン
パルス性ノイズはサンプリングゲート5で阻止されるこ
ともあるが,図2(A)に示す(イ)(ロ)のようなイ
ンパルス性ノイズが残ってしまう。このノイズは図2
(B)に示すようにロジックデジタル信号のデューティ
比を変化させ,消音対象音波の周波数(周期長)を誤っ
て認知してしまう要因となる。そこで,このノイズを次
段のノイズ除去論理フィルタ(ノイズ除去手段)7によ
って除去する。ノイズ除去論理フィルタ7による信号と
ノイズとの区別は,次に説明するような論理解析により
なされてノイズが除去される。図2(B)に示す波形上
の各時間幅をa〜gとすると,図2(A)に示すアナロ
グ入力に対して1周期目は時間幅aとbとで構成され
る。事前にバンドパスフィルタ3を通過しているため,
基本的には目的とする1周期は正弦波に近い波形が入力
されるので,デューティ比は約50%であり,従って,
a≒bである。そこで,次の組み合わせであるcとdと
で同様に確認すると,c≫dとなっているので,ノイズ
の混入が予想できる。また,消音対象音波の周波数の半
周期よりdが狭ければ,やはりdがノイズであることが
予想できる。更に,次の組み合わせのeとfとを含めて
(c+d+e)≒fが認められると,より明確にdがノ
イズであることが立証できる。
【0008】また,消音対象音波の周波数の時間微分値
の取り得る範囲,即ち,消音対象音波の周波数帯域内で
の1周期の時間が経過する間に変動し得る周期変動分が
既知である場合,前記論理カウンタ6によって検出され
る前回と今回の周期長を比較して,その差が前記時間微
分値の範囲を越える急激な変化として確認されたとき,
ノイズによりデューティ比が変化していると判断できる
ので,前記と同様にノイズの混入を検出することができ
る。この状態は,次式(1)のように示すことができ
る。 周期変動分>|(a+b)−(c+d+e+f)|────(1) 上記の処理によりノイズの混入を検出することができる
ので,次段の周波数認知論理フィルタ8によりノイズ位
置を除外した均等デューティ比のロジックデジタル信号
として消音対象音波の周波数(周期長)を認知すること
ができる。周波数認知論理フィルタ8の出力波形は,図
2(D)に示すようにノイズが除去され,抽出された消
音対象音波のアナログ信号に対応した波形となる。この
検出された周期長は,サンプリングクロックの周期長の
何倍分であるかによって表現される。上記のようにして
周期長が検出された消音対象音波のロジックデジタル信
号は,波形データ記憶部27に入力される。波形データ
記憶部27では,データテーブル(データ記憶手段)1
1に所定分解能で正弦波データが記憶されており,CP
U(波形データ抽出手段)28は,入力された消音対象
音波の周期長に対応してデータテーブル11から正弦波
データ9と,90度位相がずれた余弦波データ10とを
抽出する。この抽出された正弦波データ9と余弦波デー
タ10とは,次段の能動消音音波出力部33に設けられ
た2タップ適応型デジタルフィルタ12に入力データと
して与えられる。消音対象音波は騒音の中から突出した
1周波数が抽出された正弦波であるため,各周期の波形
は近似であり,検出された周期長が入力されると,予め
データテーブル11に記憶されている波形データを適用
していくことができる。このデータテーブル11への正
弦波データの登録方法及び周期長への適用方法につい
て,以下に具体例を示して説明する。図3は,データテ
ーブル11に記憶させる正弦波データの登録方法の第1
例を示し,1周期を72分割した正弦波データとして登
録させている。そこで,CPU28は消音対象音波の周
期長がサンプリングクロックのn倍分として検出された
場合には,テーブル数72をnで分割したピッチで先頭
データから順次抽出する。
【0009】尚,データの登録は,データを与える2タ
ップ適応型デジタルフィルタ12の入力値に適した形で
記憶されることが望ましい。また,図3に示す“DAT
A1”の欄には本来の小数点表現データとして記載して
いるが,“DATA2”の欄に示すように−128〜1
27のコンプリメンタリ・オフセット・バイナリ方式
や,コンプリメンタリ・ストレート・バイナリ方式で登
録しておくこともできる。また,図3に記載のデータは
8ビット表現相当であるが,ニーズに合わせて表現値を
細かくすることもできる。図4は,正弦波データの登録
方法の第2例を示す。前記第1例では,分割数に応じて
ピッチを算出する演算が必要であり,通常のCPUでは
負担が大きい点を改善したものである。消音対象音波の
周波数の範囲が確実に把握されている場合,1周期の分
割パターンの全てをデータテーブル上に登録させてお
き,検出された周期長に対応するブロックのデータを適
用する。例えば,サンプリングクロックの周波数が5k
Hz,消音対象音波の周波数範囲が300〜600Hzであ
る場合,図4の(a)〜(j)に示すように,200μ
sの8個分(1周期=8分割の場合)から17個分(1
分割=17分割の場合)をデータテーブル上に用意して
おけばよい。上記のように,検出された消音対象音波の
周期長に対応してデータテーブル11から正弦波データ
9を抽出して2タップ適応型デジタルフィルタ12に入
力するのと同時に,正弦波データ9に対して90度位相
がずれた余弦波データ10をデータテーブル11から抽
出して2タップ適応型デジタルフィルタ12に入力す
る。余弦波データ10は,データテーブル11に登録さ
れたデータが先に示した第1例のように72分割のデー
タである場合,90度の位相遅延は“TABLE−1
8”に相当するので,正弦波データ9として抽出したデ
ータアドレスから18テーブル後のアドレスからのデー
タを余弦波データ10として抽出する。2タップ適応型
デジタルフィルタ12では,前記正弦波データ9及び余
弦波データ10を入力データとして,前記正弦波データ
9に対して180度逆位相の波形を生成する。生成され
た逆位相波形は,DAコンバータ13によりアナログ変
換される。しかし,このアナログ波形は階段状の量子化
誤差を含んでいるので,ローパスフィルタ14を通して
量子化誤差を除去する。これらの処理により,消音対象
音波とは逆位相の能動消音音波が生成されるので,これ
をアナログ増幅器15で増幅して,音波出力手段16
(一般にはスピーカ)から送出する。送出された能動消
音音波は,消音対象音波と干渉して互いに音波相殺する
消音現象を起こす。しかし,能動消音音波と消音対象音
波との位相や振幅が一致しないときには,音波干渉で相
殺しきれずに干渉誤差音波が発生する。そこで,この干
渉誤差音波を干渉誤差音波入力部34でピックアップし
て,前記2タップ適応型デジタルフィルタ12の2タッ
プ係数を調整し,生成する逆位相波形の較正を行うべく
能動消音波形生成部33にフィードバックする。
【0010】干渉誤差音波入力部34では,マイクロホ
ン等の第2の音波入力手段17から入力される干渉誤差
音波をアナログ増幅器18で増幅し,特定狭帯域周波数
のみを通過させるバンドバスフィルタ19によって干渉
誤差音波だけを抽出して,干渉誤差音波の振幅や位相の
変動が明確になるようにする。この抽出された干渉誤差
音波をADコンバータ20でデジタル化し,前記2タッ
プ適応型デジタルフィルタ12に接続されて2タップ係
数の更新を行う係数更新アルゴリズムの実行手段である
LMSアルゴリズム21に入力する。このLMSアルゴ
リズム21の係数更新アルゴリズムにより,2タップ適
応型デジタルフィルタ12の2タップ係数を適応的に更
新して,前記干渉誤差音波の振幅や位相の変動に応じて
能動消音用波形を較正する。以上の構成によって,出力
される能動消音音波を消音対象音波に干渉させて消音現
象を起こさせると共に,消音現象の干渉誤差を入力し
て,出力する能動消音音波を適応制御することによっ
て,効果的な能動消音がなされる。上記能動消音を実施
する上において,2タップ適応型デジタルフィルタ12
に入力される正弦波データ9と余弦波データ10とは,
データテーブル11から1周期毎に抽出して次周期に適
用していくだけでは,消音対象音波の周波数が変動した
場合に,周期のつなぎ目に不連続電位差が生じる。この
状態とその解決手段とを図2(E)〜(H)に示す波形
を用いて説明する。図2(E)に示す正弦波データ及び
図2(F)に示す余弦波データにおいて,周期順に周期
幅をh,i,j,k,lとすると,図2(B)に示す波
形のa+bで検出された周期長から,次周期iに正弦波
データ(E)と余弦波データ(F)とが適用される。次
に,波形(B)のc+d+e+fの周期長から周期jに
適用するとき,周期iと周期jとでは周期長(周波数)
が変化しているため,準備していた正弦波データを適用
しても時間j−iが余ってしまう。そこで,この場合に
は,周期jが満了するまで最終データを保存する。ある
いは,別の手法として,周期jが満了するまで適用すべ
き1周期分の正弦波データ及び余弦波データを再度先頭
から巡回して読み直すことが考えられる。更に,次の周
期kでは,周期jの1周期波形データを周期jより短い
時間幅の周期kに適用するパターンの場合には,波形
(E)(F)に示す(ハ)部分のように瞬時に大きな電
位差が生じて,一瞬高い周波数成分を含んでしまうこと
になり,この波形データが入力される2タップ適応型デ
ジタルフィルタ12の2タップでは表現できず,係数発
散の要因となる。そこで,1周期分の波形データの適用
が周期長の途中で終了となってしまった場合には,最終
データのブロック番号(図3及び図4のBLOCK欄の
値)とデータ自身を別途波形データ記憶部27に一次記
憶させておく。そして,次の周期で周期kの1周期デー
タを周期lに適用する際に,先頭データから適用するの
でなく,準備していた波形データのうち,別途記憶させ
ておいたブロック番号で,且つ,前周期最終データに最
も近いデータを先頭アドレスにする。本実施例において
は,上記のようにデータテーブルから抽出した1周期分
のデータ列を,次回周期に適応させて2タップ適応型デ
ジタルフィルタ12に入力していく途中で,消音対象音
波の周波数が変動して適応させるデータ数に余りや不足
が生じた場合に,上記手法にのっとり過不足時点のデー
タを波形データ記憶部27に一次記憶させておき,次周
期長にデータを適用する際に一次記憶させておいたデー
タに近似のデータ列から適用する。この手法により,大
きな電位差部分の発生がない波形データが得られる。上
記の処理は,波形データ抽出を行うCPU28を周波数
変動対応手段として動作させることによって実行され
る。
【0011】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば,従来
の能動消音装置の問題点を解決し,安定した消音効果を
発揮し得る周期音の能動消音装置を提供することができ
る。即ち,抽出された消音対象音波のアナログ波形から
適応型デジタルフィルタに入力する正弦波データ及び余
弦波データを生成していた従来の構成を改め,抽出され
た消音対象音波からは音波周期の変化量だけを求め,消
音対象音波の周期長を検出する。この検出された周期長
に対応させて,予め波形データが記憶された正弦波デー
タ記憶手段から正弦波データ及び余弦波データが適応型
デジタルフィルタに出力される。この結果,従来の能動
消音装置で必要としたADコンバータや位相遅延回路の
ようなコストアップやノイズの影響を受けやすい構成部
分を排除することができ,コストダウンと安定した動作
が実現できる能動消音装置を提供することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る周期音の能動消音装置
の構成を示すブロック図。
【図2】 実施例に係る能動消音装置の波形加工の工程
を示すタイミングチャート。
【図3】 実施例に係る波形データ記憶部に事前に登録
される正弦波1周期分のデータテーブルの第1例を示す
データ図表。
【図4】 同じく波形データ記憶手段に事前に登録され
る正弦波1周期分のデータテーブルの第2例を示すデー
タ図表。
【図5】 従来例に係る能動消音装置の構成を示すブロ
ック図。
【符号の説明】
1……第1の音波入力手段 4……シュミットトリガ回路(波形変換手段) 5……サンプリングゲート(サンプリングクロック) 6……論理カウンタ(周期長検出手段) 7……ノイズ除去論理フィルタ(ノイズ除去手段) 8……周期長検出論理フィルタ(周期長検出手段) 9……正弦波データ 10……余弦波データ 11……データテーブル(データ記憶手段) 16……音波出力手段 17……第2の音波入力手段 25……能動消音装置 26……周期長検出部 27……波形データ記憶部 28……CPU(波形データ抽出手段/周波数変動対応
手段) 31……消音対象音波抽出部 33……能動消音用波形生成部 34……能動消音音波出力部 35……干渉誤差音波入力部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音中から周期性が顕著な消音対象音波
    を抽出し,該消音対象音波の正弦波形に基づいてデジタ
    ル信号化された正弦波データ及び余弦波データを作成
    し,これらの正弦波データ及び余弦波データに基づいて
    前記消音対象音波に対して180度位相反転させた能動
    消音音波を生成し,該能動消音音波を出力して騒音中の
    消音対象音波と干渉させて消音する周期音の能動消音装
    置において,騒音中から抽出された前記消音対象音波を
    音波周期で2値化してロジックデジタル信号に変換し,
    前記消音対象音波の周期変化量だけを取り出す波形変換
    手段と,前記ロジックデジタル信号をサンプリングクロ
    ックによりカウントすることによって前記消音対象音波
    の周期長を検出する周期長検出手段と,少なくとも一周
    期分の正弦波データを所定分解能のデータ列で記憶する
    データ記憶手段と,検出された前記消音対象音波の周期
    長を示すサンプリングクロックのカウント値で正弦波デ
    ータと余弦波データとを前記データ列から抽出して出力
    する波形データ抽出手段とを具備してなることを特徴と
    する周期音の能動消音装置。
  2. 【請求項2】 上記波形データ抽出手段に,データ記憶
    手段に記憶された波形データを検出された消音対象音波
    の周期長に適用する処理中に,前記消音対象音波の周波
    数が変動して適用データ数に過不足が生じたとき,前記
    過不足時点のデータ列値を一次記憶して適用処理を中断
    し,次周期の先頭データを前記一次記憶されたデータ列
    値に近似のデータ列から抽出するようにした周波数変動
    対応手段を設けた請求項1記載の周期音の能動消音装
    置。
  3. 【請求項3】 上記ロジックデジタル信号のデューティ
    比の変化からパルスノイズの混入を検出して,均等デュ
    ーティ比の周期長で前記ロジックデジタル信号を濾波す
    るノイズ除去手段を備えた請求項1記載の周期音の能動
    消音装置。
  4. 【請求項4】 消音対象音波の周波数の時間微分値の取
    り得る範囲が既知である場合,周期長検出手段によって
    検出された前回周期長に対して,今回検出された周期長
    に前記時間微分値を越える急激な変化が確認されたこと
    から,パルスノイズの混入を検出するノイズ除去手段で
    ある請求項1及び請求項3記載の周期音の能動消音装
    置。
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