JP2837598B2 - ビスシリルメタンの製造方法 - Google Patents

ビスシリルメタンの製造方法

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JP2837598B2 JP4351370A JP35137092A JP2837598B2 JP 2837598 B2 JP2837598 B2 JP 2837598B2 JP 4351370 A JP4351370 A JP 4351370A JP 35137092 A JP35137092 A JP 35137092A JP 2837598 B2 JP2837598 B2 JP 2837598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジクロロヒドロシリル
基を有する後記一般式(III)のビスシリルメタンとトリ
クロロシリル基を有する後記一般式(IV)のビスシリル
メタンを同時に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクロロシランは半導体シリコンの原
料として使われるだけでなく、トリクロロシランは不飽
和結合を有する有機化合物にケイ素水素化反応(hydros
ilylation)により付加するため、種々の官能基を有する
有機ケイ素化合物を製造するのに多く使用されている。
トリクロロシランは、従来工業的には、銅触媒の存在下
で、塩化水素をケイ素と反応させて製造される。(A.D.
Petrov. B.E. Mironov,V.A. Ponomaren Ko, 及びE.A.
Chernyshev, "Synthesis of Organosilicon Monomeys"
Consultants Bureau, New York, 1964)。
【0003】上記の反応は、銅触媒を使用する場合20
0−500℃で行われ、トリクロロシランが主生成物で
あるが、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、そして
水素が副生物として生成し、反応条件に従いその組成が
異なることがある。そのため、主生成物であるトリクロ
ロシランを効果的に得るためには出発物質の純度、触媒
の使用量、反応温度、反応圧力、使用する反応槽の形態
等を考慮しなければならなかった。 Si+HCl→HSiCl3 +H2
【0004】メチルヒドロジクロロシランは、変性シリ
コンオイルを製造するのに多く使われる物質で、ケイ素
とメチルクロライドを直接反応させる場合、約3%程度
副生物として得られる。(R.J.H. Voorhoeve, Organoha
losilanes: Precursors to Silicones, Elsevier Publi
shing Company, New York, 1967 )。 Si+CH3 Cl→(CH3)2 SiCl2 +CH3
SiCl2(3%)
【0005】ケイ素と反応させる有機塩化物がプロピル
クロライド又はブチルクロライドのように有機基が大き
い場合は、有機ヒドロジクロロシランの生成比が30%
程度と高くなると報告されている(A.D. Petrov, N.P.
Smetankina及びG.I. Nikishin, Zh. Obshch, Khim., 2
5, 2332 (1953), CA 50, 9280)。これは、これらの有
機塩化物が反応温度で分解して塩化水素を生じ、塩化水
素と有機塩化物の混合物がケイ素と反応するためである
ことが知られている。 Si+RCl→RHSiCl2 (Rはエチル、イソプロピル又はイソブチルを表す)
【0006】S. Yamada 及びYasunagaの特公昭26−6
162号には、ケイ素に塩化メチルと塩化水素の混合物
を反応させると、メチルジクロロシランの生成率が高く
なると報告されている。最近、ハーム(R.L. Halm)と彼
の共同研究者らは、米国特許第4966986号にメチ
ルクロライドに塩化水素を重量比で1.5%混ぜてケイ
素と反応させ、9.5%のメチルヒドロジクロロシラン
を得ることができたと報告している。
【0007】一方、G. Fritzと彼の共同研究者らは、銅
触媒を使用し、80℃でケイ素とメチルクロライドを直
接反応させると、副生物としてトリクロロシリル(ジク
ロロシリル)メタンが得られたと報告したが、これはS
i−H結合を有するビスシリルメタンが直接法により得
られたと報告された初めての報告である。しかしこの方
法は、Si−H結合を有するビスシリルメタンを製造す
る方法として使用するには、その収率が極めて低い(Z.
Ancrg. U. Allgem. Chem., 306 39 (1960))。
【0008】1957年にB.F Dannels とH.W. Post
は、グリニャール試薬であるトリメチルシリル(メチ
ル)マグネシウム・ブロマイドをトリクロロシランと反
応させ、トリメチルシリル(ジクロロシリル)メタンを
64%の良い収率で得たと報告している。しかしこの方
法も高価なグリニャール試薬を使用しなければならず、
火災の危険の高いエーテルを溶媒に使用しなければなら
ないため、工業的に利用することが難しい(J. Org. Ch
em., 22, 748 (1957))。
【0009】1974年にソンマと彼の共同研究者ら
は、1,1−ジメチルシラシクロブタンとトリクロロシ
ランの混合物を、気体状態で611℃の温度で熱分解
し、ジメチルクロロシリル(ジクロロシリル)メタンを
22%の収率で得たと報告している。しかし原料である
1,1−ジメチルシラシクロブタンは容易に得られる化
合物ではなく、グリニャール方法により合成しなければ
ならない。
【0010】先に本発明者らは、一般式(I)のクロロ
メチル基を有するシランをケイ素と直接反応させる場合
に、流動層反応槽を使用するか、螺旋型撹拌器を使用し
た撹拌型反応槽で、反応温度を350℃以下に調節し、
銅触媒を1%から20%、望ましくは5%から10%を
維持しながら反応させ、一般式(V)のトリシラアルカ
ンを主生成物として得、一般式(IV)のジシラアルカン
を副生物として若干得た。流動比を助けるためにケイ素
の使用量に対し、5−50%の球形の微細粉末酸性白土
を使用すれば、流動化がより良くでき、ケイ素の反応性
と選択性もより良い結果を得た。(韓国特許出願第91
−1055号)
【0011】
【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立してメチル基又はク
ロロ原子を表す)
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、ケイ素にク
ロロメチル基を有する一般式(I)のクロロメチルシラ
ンを反応させ、一般式(II)の塩化水素又は有機塩化物
を塩化水素の供給源として共に使用すれば、一般式(II
I)と(IV)のビスシリルメタンが得られることを知っ
た。
【0013】本発明の製造方法をより詳細に説明すれ
ば、一般式(I)のクロロメチルシランと、一般式(I
I)の塩化水素又は有機塩化物の混合物を、銅又は銅を
遊離する銅化合物触媒の存在下で、250℃−350℃
の反応温度でケイ素と直接反応させ、一般式(III)のS
i−H結合を有するビスシリルメタンと、一般式(IV)
のトリクロロシリル基を有するビスシリルメタンを同時
に製造する、新しく進歩した製造方法に関するものであ
る。
【0014】
【化3】 (式中、Rは水素原子、C1 −C4 のアルキル基又は2
−クロロエチル基を表し、R1 、R2 及びR3 は独立し
てメチル基又はクロロ原子を表す)
【0015】一般式(II)の化合物の例を挙げれば、塩
化水素、1,2−ジクロロエタン、プロピルクロライ
ド、n−ブチルクロライド、t−ブチルクロライド等を
挙げることができる。特に塩化水素を共に使用するか、
ブチルクロライドのように反応温度で容易に分解して塩
化水素を生成することのできる有機塩化物を共に使用す
れば、一般式(III)と(IV)の2種のビスシリルメタン
を共に得ることができる。
【0016】一般式(I)のクロロメチルシランと、一
般式(II)の塩化水素又は有機塩化物は、ケイ素と反応
させる前に気体状態で混合するか、一般式(I)と一般
式(II)の化合物が液体である場合には、そのまま混ぜ
て使用することもできる。2つの化合物の混合は重量で
又は容量で何れの比率でも混ぜることができる。しかし
一般式(II)の比率が高くなれば生成物において一般式
(III)のSi−H結合を有するビスシリルメタンの生成
比率が高くなる。一般式(I)の1モル当り一般式(I
I)化合物を0.1−4.0モル使用することができる
が、一般式(III)の比率を高めようとすれば、2.5−
3.0モルが適当である。
【0017】本発明で使用する反応槽は、撹拌型か流動
層反応槽が良く、回分式又は連続的に反応させることが
可能である。ケイ素は工業用ケイ素を使用することがで
き、その純度が95%以上であれば使用が可能である
が、98%以上であることが好ましい。反応に適したケ
イ素粉末の大きさは1から200ミクロン迄の粉末が適
当であるが、反応槽の大きさと様式に従って適当である
ケイ素粉末の大きさと分布の選択は異なることもある。
流動層反応槽を使用する場合には、20から200ミク
ロン迄の粉末が適当である。
【0018】反応温度は250℃から350℃迄可能で
あるが、望ましくは280℃から320℃が適当であ
る。反応圧力は常圧から5気圧迄使用することができ、
圧力を高くすれば反応速度が速くなる。固体である出発
物質の撹拌又は流動化を助けるために、ケイ素の使用量
に対し重量比で5−50%の球形の微細粉末酸性白土を
使用すれば、ケイ素の反応性と選択性がより良くなる。
特に流動層反応槽を使用する場合、窒素ガスを反応物質
と共に吹き込めば流動化がより良くなる。
【0019】触媒は、金属銅又は反応条件で銅を遊離す
ることのできる銅化合物を使用することも可能である。
銅の使用量は1%から20%迄使用することができる
が、望ましくは5%−10%が適当である。銅触媒以外
に、銅重量に対し0.001%から2%までの助触媒を
使用すれば反応が速くなるか、特定生成物に対する選択
性を高くすることができる。この反応に適した助触媒の
例として、カルシウム、バリウム、亜鉛、錫、カドミウ
ム、マンガン、マグネシウム、銀、クロム等の金属と、
反応条件でこれらの金属を遊離することのできる金属化
合物を挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0020】
【実施例】実施例を挙げ本発明をより詳細に説明する。
ただし本発明がこれに限定されるものではない。
【0021】 実施例1.Si/Cu接触混合物の製造(1) ケイ素360g(100−325メッシュ)と塩化第一銅
62.3g を反応槽に入れ、反応槽の温度を250℃に
した後、乾燥した窒素ガスを吹込みながら約2時間乾燥
させた。乾燥後、反応槽の温度を370℃迄上げれば、
反応生成物質としてテトラクロロシランが発生し、その
結果活性の大きいSi/Cu接触混合物が生成する。こ
の温度で約3時間維持し、接触混合物を生成させた後、
反応生成物であるテトラクロロシランを取り出した。主
触媒である銅以外に、助触媒にカドミウム、銀、亜鉛等
を使用する場合は、接触混合物の生成が完了した後に、
反応槽の上部を開け、必要量の助触媒を投入して、撹拌
して良く混ぜた後に、反応させた。
【0022】 実施例2.Si/Cu接触混合物の製造(2) ケイ素360g(100−325メッシュ)と銅触媒40
g を反応槽に入れ、実施例1と同様な条件で乾燥させ
た。乾燥後、反応槽の温度を350℃に上げ、塩化メチ
ルを反応槽の下部の予熱管を通じて吹き込むと、初期に
は若干の水が生成するが、約40−70分後にはそれら
の反応生成物としてジメチルクロロシランとメチルトリ
クロロシランが生成し始め、受けフラスコに集められる
ようになる。これらが生成し始まるのは、即ちSi/C
u接触混合物が生成されていることの証拠であり、約2
時間塩化メチルと反応させた後、塩化メチルの供給を中
断し、受けフラスコの反応生成物を取り出した。反応に
助触媒が必要な場合には、実施例1と同様な方法で投入
し、反応させた。
【0023】触媒の配合比が異なるSi/Cu接触混合
物を準備して使用した。その組成は表1の通りである。
【0024】
【表1】
【0025】実施例3 クロロメチルジメチルクロロシランと塩化水素の1:3
混合気体とケイ素との反応 実施例2で準備したI−3のSi/Cu接触混合物40
2g を、撹拌型反応槽に入れ、反応槽の温度を320℃
に上げた後、反応槽の下部の注射器ポンプにクロロメチ
ルジメチルクロロシランを入れ、窒素ガスを240ml/
分の速度で吹き込みながら、同時に塩化水素を300ml
/分の速度で反応槽に流入させ、クロロメチルジメチル
クロロシランは0.6ml/分の速度で流してやった。反
応1分後から発熱反応による温度上昇が観察され、反応
生成物が反応槽の上部に設置した受けフラスコに集めら
れ始めた。このような条件を継続維持しながら、30分
毎に反応生成物を取り出し、2時間の間に使用したクロ
ロメチルジメチルクロロシランは234.8g であり、
取り出した反応生成物は333.9g であった。ここで
生成した反応生成物は、気体クロマトグラフ(packed c
olumn, SE-30, 0.5m×1/8" O.D., SS, TCD)を利用して
分析し、各成分を分別蒸留し、核磁気共鳴分光分析器で
その構造を確認した。
【0026】ここで生成した反応生成物の組成は1,
1,3−トリクロロ−3−メチル−1,3−ジシラブタ
ン195.3g(58.5%);b. p. 155−157
℃:NMR(δ, CDCl3), 5.66(t, 1H, Si-H), 1.00(d, 2H,
-CM2-), 0.60(s, 6H, -CH3)と、1,1,1,3−テト
ラクロロ−3−メチル−1,3−ジシラブタン48.1
g(14.4%):b. p. 169.5−170℃;NMR
(δ, CDCl3) 1.30(s, 2H, -CH2-), 0.66(s, 6H, -CH3)
が得られた。その他の副産物27.1%中には、トリク
ロロシラン8.7%、トリメチルクロロシラン3.0
%、そして反応しないで回収した出発物質ケイ素も8.
8%含んでいた。上の実験のような反応物質、反応槽、
触媒及び助触媒の存在下で、反応温度だけを変化させた
反応生成物の組成を表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】実施例4 クロロメチルジメチルクロロシランと塩化水素の混合気
体とケイ素との反応 実施例3のような接触混合物を使用し、同じ形態の反応
槽、同じ反応条件、320℃の反応温度で反応させた
が、塩化水素とクロロメチルジメチルクロロシランのモ
ル比を変えて反応させた。表3はこれらのモル比を変え
て得た反応条件及び反応生成物の組成を示したものであ
る。表3で、実験番号8は酸性白土を接触混合物に対し
5%(20.0g)を使用して反応させた結果である。
【0029】
【表3】
【0030】実施例5 クロロメチルジメチルクロロシランと塩化水素混合気体
とケイ素との反応 実施例1に示した表2の接触混合物を準備し、接触混合
物の種類だけを変え、他の条件はすべて同じ反応条件
で、実施例3の実験番号3のように反応させて得た反応
生成物の組成を、表4に示した。
【0031】
【表4】
【0032】実施例6 クロロメチルジメチルクロロシランと塩化アルキルの混
合気体とケイ素との反応 この実施例は、表5の実験番号25が典型的な例であ
る。実施例2の接触混合物1−3を準備し、反応出発物
質として使用するクロロメチルジメチルクロロシラン1
56.5g(1.094モル)と塩化水素供給源として使
用するt−ブチルクロライド303.7g(3.281モ
ル)を混ぜ、1:3モル比の混合物を製造した。これら
の混合物を、反応温度320℃の窒素気体下(240ml
/分)で、115ml/時間の速度で反応槽内に流入さ
せ、4.0時間反応させた結果、反応生成物268.6
g を得た。
【0033】この反応生成物の組成は、1,1,3−ト
リクロロ−3−メチル−1,3−ジシラブタンが14
4.5g(53.8%)、1,1,1,3−テトラクロロ
−3−メチル−1,3−ジシラブタンが55.3g(2
0.6%)であり、トリクロロシランが11.3%、そ
してトリメチルクロロシランが3.1%であり、反応し
ない出発物質は全く無かった。またこの反応では、反応
中にコンデンサーに凝縮しないで外に抜けでる気体の成
分は、t−ブチルクロライドが高温で分解して塩化水素
を発生して生成するイソブテンであった。t−ブチルク
ロライドの使用量を半分に減らし、その量だけの塩化水
素を使用しても同じ結果を得た。
【0034】表5は、クロロメチルジメチルクロロシラ
ンと種々の塩化アルキルの混合気体とケイ素を、反応条
件を変化させて反応させて得た反応生成物の組成を示し
たものである。
【0035】
【表5】
【0036】実施例7.流動層反応槽を使用したクロロ
メチルジメチルクロロシランと塩化アルキル又は塩化水
素の混合気体とケイ素との反応 前述の流動層反応槽を装置し、接触混合物I−3 40
2g を反応槽に入れ、反応槽の温度を320℃に上昇さ
せた後、反応槽の下部に装置した予熱管を通じて、クロ
ロメチルジメチルクロロシランと塩化水素供給源として
使用したn−ブチルクロライドの1:3混合物を反応槽
内に流入した。この場合ケイ素の流動化を助けるため
に、乾燥した窒素ガスを約250ml/分の速度で反応物
質と共に流した。1.5時間の反応を通じて得た反応生
成物の量は139.4g であり、反応に使用したクロロ
メチルジメチルクロロシランは136.9g であった。
これらの反応生成物の組成を確認した結果、1,1,3
−トリクロロ−3−メチル−1,3−ジシラブタン1
2.5g(9.0%)と1,1,1,3−テトラクロロ−
3−メチル−1,3−ジシラブタン33.0g(23.7
%)が得られ、反応しないでそのまま抜け出た出発物質
シランも38.5%回収された。
【0037】表6の実験は、すべて流動層反応槽を使用
し、同じ反応温度、接触混合物を使用して反応させた
が、塩化水素供給源の種類と、それらとクロロメチルジ
メチルクロロシランとのモル比を変えて反応させた。実
験番号32は実験番号33と同じ条件であるが、反応槽
の圧力を3kg/cm に高くして反応させた結果である。
【0038】
【表6】
【0039】実施例8 種々のクロロメチルシランと塩化アルキルの混合気体と
ケイ素との反応 この実施例は、実験番号34が典型的な例で、クロロメ
チルメチルジクロロシランとn−ブチルクロライドの
1:3混合気体と、ケイ素との反応の実施例である。実
施例2の接触混合物I−3を準備し、クロロメチルメチ
ルジクロロシラン212.9g(1.302モル)とn−
ブチルクロライド361.6g(3.906モル)の1:
3混合物を、実施例6と同様な反応条件で46時間反応
させ、反応生成物466.4g を得た。
【0040】反応生成物の組成を確認した結果、1,
1,3,3−テトラクロロ−1,3−ジシラブタン12
6.9g(35.1%);b. p. 166−167℃;NMR
(δ, CDCl3), 5.73(t, 1H, Si-H), 1.33(d, 2H, -CH
2-), 1.00(s, 3H, -CH3)と、1,1,1,3,3−ペン
タクロロ−1,3−ジシラブタン46.6g(12.9
%);b. p. 181.5−182℃;NMR(δ, CDCl3)
1.53(s, 2H, -CH2-), 0.92(s, 3H, -CH3)が得られた。
そしてこれら生成物以外の副産物としてトリクロロシラ
ンが13.4%、そしてトリメチルクロロシランが1
6.7%であり、残りの21.7%が諸々の未確認物質
であった。この反応では、反応途中にコンデンサーに凝
縮されないで外に抜け出る気体は、2−ブテンであるこ
とを確認した。
【0041】表7は、クロロメチルシランの種類が異な
り、塩化水素の供給源である塩化アルキルを変えた以外
は、すべて同じ反応条件で反応させて得た結果である。
【0042】
【表7】
【0043】実施例9 種々のクロロメチルシランと1,2−ジクロロエタンの
混合気体と、ケイ素との反応 この実施例は、実験番号42が実施例9の典型的な例で
ある。ここではあらゆる反応条件、即ち、接触混合物の
種類、反応温度、反応槽の形態等は実施例8と同じであ
るが、塩化アルキルとして1,2−ジクロロエタンを使
用し、シランとのモル比が1:1.2である点だけが異
なるようにして反応させた。実施例2での接触混合物I
−3を準備し、クロロメチルトリクロロシラン184.
6g(1.004モル)と1,2−ジクロロエタン11
1.5g(1.205モル)のモル比1:1.2の混合物
を、実施例7と同じ反応条件で3.5時間反応させ、2
92.7g の反応生成物を得た。これら生成物の組成を
確認したところ1,1,3,3,3−ペンタクロロ−
1,3−ジシラプロパン16.4g(5.6%)であり、
1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロ−1,3−ジシ
ラプロパンが207.2g(70.8%)得られた。それ
以外の副産物としてメチルトリクロロシランが2.0%
得られ、残りの22.6%が未確認物質であった。それ
以外の他のクロロメチルシランを使用し、反応させた結
果を表8に示す。
【0044】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/889 C07B 61/00 300 23/89 B01J 23/82 X C07B 61/00 300 23/84 311X (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 - 7/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)のクロロメチルシランと一
    般式(II)の塩化水素又は有機塩化物との混合物を、銅
    又は銅を遊離する銅化合物触媒の存在下で、250−3
    50℃の反応温度でケイ素と直接反応させることを特徴
    とする一般式(III)及び(IV)のビスシリルメタンの製
    造方法。 【化1】 (式中、Rは水素、C1 −C4 のアルキル基又は2−ク
    ロロエチル基を表し、R1 、R2 及びR3 は独立してメ
    チル基又はクロロ原子を表す)
  2. 【請求項2】 一般式(II)の塩化物が、塩化水素であ
    る請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(II)の有機塩化物が、プロピル
    クロライドである請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II)の有機塩化物が、n−ブチ
    ルクロライドである請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(II)の有機塩化物が、t−ブチ
    ルクロライドである請求項1の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II)の有機塩化物が、1,2−
    ジクロロエタンである請求項1の製造方法。
  7. 【請求項7】 球形の微細粉末酸性白土を、ケイ素の重
    量に対し1−50%追加して混合し、流動性を上昇させ
    て反応させる請求項1の製造方法。
  8. 【請求項8】 銅触媒の助触媒として、カルシウム、バ
    リウム、亜鉛、錫、カドミウム、マンガン、マグネシウ
    ム、銀、クロム及びこれらの金属化合物中から選択し、
    反応固体全体の0.01−5%を添加して反応させる請
    求項1の製造方法。
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