JP2837432B2 - 熱転写記録用受像シート - Google Patents

熱転写記録用受像シート

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JP2837432B2 JP1133398A JP13339889A JP2837432B2 JP 2837432 B2 JP2837432 B2 JP 2837432B2 JP 1133398 A JP1133398 A JP 1133398A JP 13339889 A JP13339889 A JP 13339889A JP 2837432 B2 JP2837432 B2 JP 2837432B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、熱昇華性染料を利用した熱転写記録用受像
シートに関し、特に強光沢を有し、高い記録濃度が得ら
れ、ブロッキングを起こさず且つ保存安定性にも優れた
受像シートに関する。
「従来の技術」 近年、ビデオカメラで撮影した画像やテレビジョン、
VTR、ビデオディスク、コンピューター等の静止画像を
記録シート上に直接フルカラーで記録するシステムの開
発が進められている。なかでも、熱によって溶融、蒸
発、昇華する色材を塗布した発色用シートを記録シート
に重ね、 記録信号に応じてサーマルヘッドで加熱し、記録シー
ト上に転移した色材のシートへの粘着、吸着、染着によ
って記録像を得る方式が注目されている。
この記録方式は発色用シート上の色材を熱によって溶
融、蒸発、昇華させる方式であるため、記録シートとし
て普通紙やプラスチックフィルム等が利用できる特徴が
あるとされている。
しかし、記録シートとして普通紙やプラスチックフィ
ルム等を用いた場合には、特に染着が起こり難くなり記
録像の濃度が低下するのみならず、経時によって褪色す
る等の難点を有している。
このため、熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹
脂を基材上に塗布して、受像層を形成する方法が提案さ
れてはいるが、一般に熱転写記録装置の感熱記録ヘッド
の温度が200℃以上であるために発色用シート中のイン
キバインダー及び受像層の熱可塑性樹脂が熱により軟化
或いは溶融し、発色用シートと受像シートが融着し、記
録後に両者が剥離しにくくなったり、発色用シートのイ
ンク層自体が受像シートに移行してしまう現象(以後ブ
ロッキングと称す)があった。
このため、発色用シートと受像シートの融着を防止す
る方法として、受像層の樹脂中に顔料を添加して受像層
表面を粗面化する方法(特開昭57−107885等)や、受像
層上にシリコーングリース等の離型剤を塗布したり(特
開昭59−165688等)、受像層中にシリコーン系化合物な
どの離型剤を含有させる方法等(特開昭60−34898、60
−212394、61−237694等)が提案されている。
しかし、前者の方法は表面の粗面化により発色用シー
トと受像体との転写時の密着が不十分となり、記録像の
濃度低下や色むらが生じ易く、更に顔料の表面に付着し
た色素が後で他の紙等を汚染する難点がある。さらに、
後者の方法も転写された色素が離型剤の影響を受けて記
録画像が滲んだり、あるいは画像濃度が低下するといっ
た難点を残している。
さらに、受像層に熱可塑性樹脂とラジカル重合性の化
合物との混合物を使用し、その混合物を硬化させて耐熱
性を改善する方法(特開昭58−212994等)、受像層上に
架橋耐熱剥離層を設ける方法(特開昭62−116189等)も
提案されているが、これらの方法によればブロッキング
を起こさない程度に硬化や架橋を進めると、記録濃度が
不十分となり易いとされている。
また、上記の方法はすべて塗布液に多量の有機溶剤或
いは水を使用しているため、乾燥設備を必要とし溶剤の
乾燥に多くのエネルギーを要する。さらに、有機溶剤は
人体に有害であり、爆発の危険性を伴う等、環境、取扱
及び安全性の面のみならず、高価な薬品ということで経
済上の問題を抱えている。
一方、無溶剤の塗布液を使用する例としては、基材に
硬化物のガラス転移温度が65℃以下であるラジカル重合
性オリゴマーを塗布して、放射線架橋する方法(特開昭
62−173295)があるが、この方法で記録濃度の高いもの
を得ようとすると、記録画像の滲みが生じ易くなり、保
存安定性に欠けることがわかった。
「発明が解決しようとする課題」 本発明は、受像層を形成する際、溶剤を使用する必要
がなく、強光沢を有し且つ熱転写記録後の発色用シート
との剥離性に優れ、高濃度で保存安定性に優れた記録画
像の得られる受像シートを提供するものである。
「課題を解決する為の手段」 本発明は、基材上に、(A)昇華性染料に対し染着性
を有し且つ分子鎖の片末端にラジカル重合性の官能基を
有する常温で固体であるマクロモノマーを(B)液体状
の電離放射線硬化型モノマー及び/又はオリゴマーに溶
解させて得られる溶剤を含まない塗布組成物を塗布した
後、電離放射線を照射して受像層を形成せしめたことを
特徴とする昇華型の熱転写記録用受像シートである。
「作用」 本発明は、前述の如く昇華型熱転写記録用受像シート
を製造するにあたり、基材上に、(A)のマクロモノマ
ーを(B)の電離放射線硬化型モノマー及び/又はオリ
ゴマーに溶解させた溶剤を含まない塗布組成物を塗布
し、電離放射線を照射して受像層を形成させることを特
徴とするものである。
ここに、溶剤を含まない塗布組成物というのは、
(A)の固体状マクロモノマーを(B)のモノマー及び
/又はオリゴマーに溶解させる場合に溶剤を使用しない
といった意味であり、例えば添加剤等に含まれている少
量の溶剤については言及するものではない。なお、ここ
で溶剤とは有機溶剤及び水のことを指す。
ここで、マクロモノマーとは比較的低分子量の重合体
又は共重合体の片末端にラジカル重合性の官能基である
(メタ)アクリロイル基、アリル基等の重合性の官能基
を導入したものであるが、重合性の官能基としては、電
離放射線照射による反応性の高い(メタ)アクリロイル
基が特に好ましいものである。また分子量(数平均分子
量)は500〜50,000程度、より好ましくは2,000〜10,000
の範囲が適当であり、500より小さいと記録画像の保存
安定性が低下しやすく、50,000より大きいとモノマーへ
の溶解性が劣ってくる。
マクロモノマーは、通常グラフトポリマーを合成する
際の先駆物質として用いられており、比較的高分子量で
はあるが、重合性のモノマーとしてとらえられるべきも
のであり、分子量が数万から数百万の所謂熱可塑性樹脂
等の高分子化合物とは区別されるものである。
上記の如く、マクロモノマーは通常の熱可塑性樹脂等
の高分子化合物と異なり比較的分子量が小さく、また末
端に(メタ)アクリロイル基等の重合性官能基を有して
いるため(メタ)アクリレート化合物を主成分とする液
状の電離放射線硬化型モノマー/オリゴマーに溶解され
易く、本発明のように無溶剤の塗布組成物の調製が可能
となる。
また、(A)のマクロモノマーが固体であることを規
定した理由は、マクロモノマーはその化学構造や分子量
によって、固体のものも液状のものも存在するが、本発
明者等が鋭意研究した結果、受像層に常温で液状のマク
ロモノマーを使用すると経時により、記録画像に滲みや
汚れ及びかすれ等の乱れが発生しやすいが、常温で固体
状のマクロモノマーを使用すると画像の乱れの発生が無
く、保存安全性に優れたものが得られることが明らかに
なったからである。
マクロモノマーの骨格としては、アルキル(メタ)ア
クリレート、スチレン等の各種ビニルモノマー、オキシ
エチレン、ジメチルシロキサン等の重合体が挙げられる
が、この中で常温で固体状のものを選ぶ必要があり、と
りわけ、スチレン及び/又はアクリロニトリルを主成分
とする重合体或いは共重合体が染着性及び保存安定性に
優れることが、本発明者等の研究の結果、明らかとなっ
た。
また、この中でもスチレンとアクリロニトリルの共重
合体を骨格とするものが、とりわけ染着性、保存安定性
に優れ好ましいものである。
(A)のマクロモノマーを(B)のモノマー及び/又
はオリゴマーに溶解させる場合、(A)と(B)の配合
比率は、5:95〜70:30重量%、より好ましくは20:80〜5
0:50重量%の範囲にあることが好ましい。また、(B)
の液体状のモノマー及び/又はオリゴマーの25℃におけ
る粘度(ここで、(B)が複数のモノマー及び/又はオ
リゴマーにより形成されている場合は、その混合物の粘
度)は(A)を溶解させるためにはできるだけ低い方が
良く、具体的には(A)の配合量にもよるが、(A):
(B)が20:80〜50:50重量%の範囲にある場合、200cps
以下であることが望ましい。
因みに、(A)が5重量%より少ないと、記録画像の
保存安定性に劣るものになり易く、70重量%より多い
と、(B)の粘度が充分低いものであっても、溶解され
なかったり、溶解されても著しく粘度が高くなり、塗布
が困難となり易い。
(B)のモノマー及び/又はオリゴマーは、分子内に
電離放射線硬化性のエチレン性不飽和二重結合を有する
ものであり、具体例としては、例えば以下のようなもの
が挙げられる。
〔モノマーとしては〕; (a)エチレン性不飽和モノ又はポリカルボン酸等で代
表されるカルボキシル基含有単量体及びそれらのアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のカルボン酸塩
基含有単量体; (b)エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はア
ルキル置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリ
ドンのようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含
有単量体; (c)脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表され
るスルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸塩基含有
単量体; (d)エチレン性不飽和エーテル等で代表される水酸基
含有単量体; (e)ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート−2
−ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体; (f)4級アンモニウム塩基含有単量体; (g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエステ
ル; (h)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単
量体; (i)スチレン; (j)酢酸ビニル,酢酸(メタ)アリル等のエチレン性
不飽和アルコールのエステル; (k)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド
付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類; (l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代
表されるエステル基含有2官能単量体; (m)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド
付加重合体と(メタ)アクリル酸とのジエステルよりな
る2官能単量体; (n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアク
リルアミド; (o)ジビニルベンゼン,ジビニルエチレングリコー
ル,ジビニルスルホン,ジビニルエーテルジビニルケト
ン等の2官能単量体; (p)ポリカルボン酸と不飽和アルコールとのポリエス
テルで代表されるエステル基含有多官能単量体; (q)活性水素を含有する化合物のアルキレンオキシド
付加重合体と(メタ)アクリル酸とのポリエステルより
なる多官能単量体; (r)トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単量体
等。
〔オリゴマーとしては〕; (a)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族2〜6価の多価アル
コール及びポリアルキレングリコールのポリ(メタ)ア
クリレート; (b)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族、芳香族2〜6価の
多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加させた形
の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート; (c)ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸
エステル; (d)ポリエステルポリ(メタ)アクリレート; (e)エポキシポリ(メタ)アクリレート; (f)ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート; (g)ポリアミドポリ(メタ)アクリレート; (h)有機(ポリ)シロキサンポリ(メタ)アクリレー
ト; (i)側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリロイルオキ
シ基を有するビニル系又はジエン系低重合体; (j)前記(a)〜(i)記載のオリゴエステル(メ
タ)アクリレート変性物; 等。
これらは、単独或いは二種以上を適宜混合して使用す
ることもできるが、単官能モノマーを主体として多官能
モノマー及び/又はオリゴマーを適当に配合すると良好
な結果が得られ易い。この際、一般に多官能のモノマー
及び/又はオリゴマーの配合が多くなると、硬化密度が
高くなりすぎるため画像濃度が低下し、単官能のモノマ
ーが多くなりすぎると、画像の保存安定性が低下した
り、塗膜強度が劣ってきたりするため、適当な配合割合
を選択する必要がある。さらに、これらのモノマー及び
/又はオリゴマーはマクロモノマーとの相溶性が良く、
溶解力の大きいものが望ましい。また、これらのモノマ
ー及び/又はオリゴマーの中でも、染着性に優れるもの
を選択するのが好ましく、その構造は特に限定するので
はないが、例えば下記一般式〔I〕の構造を有する電離
放射線硬化型の単官能モンマーが染着性に優れ、(B)
の電離放射線硬化型モノマー及び/又はオリゴマーの一
部として使用するのが望ましい。
〔式中、Rは水素原子又はメチル基、R1は炭素数1〜10
程度のアルキレン基、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜20程度のアルキル基、フェニル基および置換
フェニル基のうちのいずれかを示し、nは1〜30の整
数〕 さらに、例えば上記〔I〕のようなモノマーを使用し
た場合、その使用量が多いと硬化後も臭気が強すぎた
り、記録画像の保存性が劣ったりする場合があるが、こ
の際N−ビニルピロリドンを全組成物に対し、例えば1
〜30重量%程度併用すると、硬化後の臭気が低減し、保
存性が向上することが明らかになった。この理由として
は、必ずしも明らかではないがN−ビニルピロリドンは
硬化後のTgが高く、組成物の硬化後のTgが低くなり過ぎ
ないようにコントロールし、他のモノマーとの共重合性
が良く、組成物の硬化性を向上させるものと推定され
る。さらに、N−ビニルピロリドンは粘度が非常に低く
溶解力が大きいため、組成物の粘度を下げる効果があ
る。因みに、N−ビニルピロリドンの添加量が1重量%
より少ないと効果が少なく、30重量%より大きいと画像
濃度が大きく低下したり、臭気が逆に強くなったりす
る。
また、(B)のモノマー及び/又はオリゴマーの一部
として電離放射線硬化型シリコーン化合物を用いると、
該シリコーン化合物がマクロモノマー及び他の電離放射
線硬化型モノマー及び/又はオリゴマーと重合及び架橋
し、シリコーンの優れた耐熱性、滑り性及び剥離性が受
像層に程よく機能せしめられ、ブロッキング防止により
効果的である。因みに、非硬化性の離型剤を用いた場合
には、離型剤の経時によるブリード現象により記録画像
の乱れ等が発生し易いが、上記のような電離放射線硬化
型シリコーン化合物は他の電離放射線硬化型の成分と重
合及び架橋するため、上記のようなトラブルが殆どない
という長所がある。
なお電離放射線硬化型シリコーン化合物とは、例えば
有機(ポリ)シロキサン化合物に(メタ)アクリロイル
基等の電離放射線反応性基を1つ以上導入した有機(ポ
リ)シロキサン(ポリ)(メタ)アクリレート等のこと
である。
なお、該塗布組成物中には必要に応じて非電離放射線
硬化型樹脂、染料、顔料、湿潤剤、消泡剤、分散剤、帯
電防止剤、レベリング剤、滑剤等の各種助剤を所望の効
果を阻害しない範囲で適宜添加することができる。ま
た、発色用インクシートとの離型性をさらに向上させる
ために、受像層中に前述した以外の少量の離型剤を含有
させることも可能である。離型剤としては、例えばポリ
エチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー
等の固形ワックス類、フッ素系、リン酸エステル系の界
面活性剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
本発明における受像シートの基材としては可とう性の
あるシート状の物であれば特に限定するものではなく、
例えば一般に公知の各種コーテッド紙、上質紙、合成
紙、金属化紙、着色紙等の紙シート類;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等のプラ
スチックフィルム類;銅、鉄、アルミニウム等の金属箔
類;布、不織布類等が適宜用いられる。なお、受像層用
の塗布組成物のしみこみの大きいような基材の場合に
は、適当なバリヤー層を設けることが好ましく、また適
当な中間層を設け、基材表面に平滑性、クッション性及
び断熱性を付与すると、受像層への染料の移行がより効
果的に行われるため好ましい。
受像層を形成する塗布組成物の塗布量は固形量で0.1
〜50g/m2、より好ましくは1〜20g/m2程度の範囲で調節
される。因みに0.1g/m2未満では所望の効果が得られ
ず、50g/m2を越えるような塗布量は効果が飽和状態とな
り、経済面からもメリットがない。
また、該塗布組成物を塗布する方法は特に限定され
ず、例えばバーコーター、ロールコーター、エアーナイ
フコーター、グラビアコーター等の通常の塗布手段が適
宜使用される。なお、塗布面を予めコロナ放電処理、放
射線処理、プラズマ処理等によって前処理して塗布面の
濡れ易さを改良したり塗布層の密着性を改良することも
勿論可能である。
塗布組成物を硬化させるための電離放射線としては、
例えば紫外線、α線、β線、γ線、X線、電子線等が挙
げられるが、α線、β線、γ線、及びX線は人体への危
険性といった問題が付随するため、取り扱いが容易で、
工業的にもその利用が普及している紫外線や電子線が好
ましく用いられる。さらに、電子線照射方式は紫外線照
射方式に比べて生産性が高いだけでなく、光開始剤添加
による臭気、着色或いは保存安定性の低下等の問題がな
く、より好ましいものである。
電子線を使用する場合、照射する電子線の量は0.1〜2
0Mrad程度の範囲で調節するのが望ましい。0.1Mrad未満
では十分な照射効果が得られず、20Mradを越えるような
照射は紙類やある種のプラスチックフィルム等の基材を
劣化させる恐れがあるため好ましくない。
電子線の照射方式としては、例えばスキャニング方
式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等が採用
され、電子線を照射する際の加速電圧は100〜300KV程度
が適当である。また、紫外線を使用する場合には、該塗
布組成物中に光開始剤を配合する必要があり、例えばチ
オキサントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテ
ルキサントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、
アントラセン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベン
ジルジメチルケタール、ベンジル、ジフェニルジスルフ
ィド、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2
−エチルアントラキノン、2−ter−ブチルアントラキ
ノン、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフ
ェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等の光開始剤の
一種以上が適宜配合される。
なお、光開始剤の使用量は組成物全体の0.2〜10重量
%、好ましくは0.5〜5重量%程度の範囲で調節するの
が望ましい。さらに、このような光開始剤に加えて硬化
を促進するために、例えばトリエタノールアミン、2−
ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノ安息香酸、
ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジオクチルアミノ
安息香酸、ジメチルアミノ安息香酸ラウリル等の第三級
アミン類を組成物全体の0.05〜3重量%程度配合するこ
ともできる。
紫外線照射用の光源としては、1〜50個の紫外線ラン
プ(例えば数mmHgから約10気圧までの動作圧力を有する
低圧、中圧、高圧水銀ランプ)、キセノンランプ、タン
グステンランプ等が用いられ、5,000〜8,000μM/cm2
度の強度を有する紫外線が好ましく照射される。
本発明の構成によって、上記の如き優れた受像シート
が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下の様
に推定される。
即ち、本発明で使用される、染着性を有する(A)の
マクロモノマー(B)の電離放射線硬化型モノマー及び
/又はオリゴマーは、電離放射線の照射によって重合及
び架橋反応を起こし、部分的に三次元架橋構造を有して
おり、ブロッキングを起こしにくくなっていると思われ
る。この際マクロモノマーはその片末端のみが重合にあ
ずかり、くし型構造(グラフト構造)を形成しており、
もうひとつの末端は自由な状態で存在するため、感熱ヘ
ッドにより高温になると、昇華性染料が昇華すると同時
に受像層が加熱され、そのくし型構造が弛み、昇華性染
料を取り込み易い状態になっていると想像される。そし
て、受像層の冷却に伴って、くし型構造が再び密になる
ため、染料が閉じ込められ、拡散しにくくなり、結果的
に記録画像の乱れ(滲みや汚れ等)が防止されるものと
推定される。
本発明の方法によって得られる熱転写記録用受像シー
トは、上記のように品質面で優れるばかりでなく、無溶
剤系の塗布組成物を塗布して製造するため、生産性及び
安全性にも優れている。さらに、溶剤の蒸発がないため
に、強光沢の表面が得られる。
「実施例」 以下に実施例及び比較例を挙げて更に詳述するが、勿
論これらに限定されるものではない。なお、例中の部は
重量部を示す。
実施例1 コロナ放電処理を施した厚さ150μmのポリプロピレ
ン系合成紙に、スチレン−アクリロニトリル共重合体を
主成分とするオリゴマーの片末端にメタクリロイル基を
有する数平均分子量約6,000の常温で粉末状のマクロモ
ノマー(商品名;マクロモノマーAN−6、東亜合成化学
(株)製/AN−6と略記)40部、電離放射線硬化型単官
能モノマーであるトリロキシエチルアクリレート(粘度
17cps/25℃/TEAと略記)40部、電離放射線硬化型二官能
モノマーであるポリエチレングリコールジアクリレート
(商品名;ニューフロンティア、PE200、粘度18cps/25
℃、第一工業製薬(株)製/PE200と略記)20部よりなる
塗布組成物を、5g/m2になるように塗布し、電子線照射
装置(商品名;エレクトロカーテンCB−150、ESI社製)
を用いて5Mradの電子線を照射して熱転写記録用受像シ
ートを得た。
実施例2 実施例1において、AN−6のかわりにポリスチレンを
主成分とするオリゴマーの片末端にメタクリロイル基を
有する数平均分子量約6,000の常温で粉末状のマクロモ
ノマー(商品名;マクロモノマーAS−6、東亜合成化学
(株)製/AS−6と略記)を用いた以外は同様にして熱
転写記録用受像シートを得た。
実施例3 実施例1において、AN−6のかわりにポリスチレンを
主成分とするオリゴマーの片末端にメタクリロイル基を
有する重量平均分子量約13,000の常温で粉末状のマクロ
モノマー(商品名;MACROMER13K−RC、Sartomer社製/13K
−RCと略記)を用いた以外は同様にして熱転写記録用受
像シートを得た。
実施例4 実施例1において、AN−6のかわりにスチレン−アク
リロニトリル共重合体を主成分とするオリゴマーの片末
端にメタクリロイル基を有する数平均分子量約4,500の
常温で粉末状のマクロモノマー(商品名;マクロモノマ
ーAN−4、東亜合成化学(株)製/AN−4と略記)を用
いた以外は同様にして熱転写記録用受像シートを得た。
実施例5 実施例1において、AN−6のかわりにポリスチレンを
主成分とするオリゴマーの片末端にメタクリロイル基を
有する数平均分子量約3,500の常温で粉末状のマクロモ
ノマー(商品名;マクロモノマーAS−4、東亜合成化学
(株)製/AS−4と略記)を用いた以外は同様にして熱
転写記録用受像シートを得た。
比較例1 実施例1において、AN−6のかわりにポリブチルアク
リレートを主成分とするオリゴマーの片末端にメタクリ
ロイル基を有する分子量約6,000の液状のマクロモノマ
ー(商品名;マクロモノマーAB−6、東亜合成化学
(株)製)を用いた以外は同様にして熱転写記録用受像
シートを得た。
実施例6〜11 塗布組成物として、表−1に示す組成のものを使用し
た以外は実施例1と同様にして6種類の熱転写記録用受
像シートを得た。
ここで、NVPとはN−ビニルピロリドン(粘度2cps/25
℃)、HDDAとはヘキサンジオールジアクリレート(粘度
6cps/25℃)、TMPTAとはトリメチロールプロパントリア
クリレート(粘度120cps/25℃)のことである。また、
X−62−7176は電子線硬化型シリコーン(粘度180cps/2
5℃、信越化学工業(株)製)である。
実施例12 実施例1の塗布組成物に電子線硬化型シリコーン化合
物(シリコーンジアクリレート、商品名;EBECRYL 350、
ダイセル・ユーシービー(株)製/EB350と略記)を0.5
%配合したものを使用した以外は実施例1と同様にして
熱転写記録用受像シートを得た。
実施例13 実施例1の塗布組成物に電子線硬化型にシリコーン化
合物(ポリシロキサン化合物の片方の末端にメタクリロ
イル基を有するシリコーンマクロモノマー、商品名;マ
クロモノマーAK−6、東亜合成化学(株)製)を0.5%
配合したものを使用した以外は実施例1と同様にして熱
転写記録用受像シートを得た。
実施例14〜17 塗布組成物として、表−1に示す組成のものを使用し
た以外は実施例1と同様にして4種類の熱転写記録用受
像シートを得た。ここで、PETAとはペンタエリスリトー
ルトリアクリレート(700cps/25℃)のことであり、PHE
とはフェノキシエチルアクリレート(9cps/25℃)のこ
とである。
比較例2 実施例1と同様の基材上に、ポリエステル樹脂(バイ
ロン200;東洋紡績(株)製)100部をトルエン/メチル
エチルケトン(1/1)500部に溶解させたものを乾燥重量
が5g/m2になるように塗布し、120℃で2分間乾燥して熱
転写記録用受像シートを得た。
比較例3 塗液として、ポリエステル樹脂(バイロン200;東洋紡
績(株)製)100部とシリコンオイル(商品名;KP−35
8、信越化学工業(株)製)2部をトルエン/メチルエ
チルケトン(1/1)500部に溶解させたものを用いた以外
は比較例2と同様に行った。
比較例4 電離放射線硬化型単官能モノマーであるトリロキシエ
チルアクリレート50部、N−ビニルピロリドン10部及び
電離放射線硬化型二官能モノマーであるポリエチレング
リコールジアクリレート(商品名;ニューフロンティア
PE200、第一工業製薬(株)製)40部よりなる塗布組成
物を用いた以外は実施例1と同様にして熱転写記録用受
像シートを得た。
比較例5 塗布組成物としてポリプロピレングリコールジアクリ
レート(商品名;NKエステルAPG400、新中村化学工業
(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして熱転写
記録用受像シートを得た。
かくして得た受像シートに日立カラービデオプリンタ
ーVY−50(日立製作所(株)製)で日立カラービデオプ
リンター用インクシート(昇華生染料を用いた熱転写記
録用インクシート)を使用して熱転写記録を行い、得ら
れた記録像の濃度とブロッキング(受像シートとインク
シートとの融着状態)及び保存安定性を下記の如く評価
し、その結果をまとめて表−1に示した。
〔記録濃度〕
青色記録像の最大濃度をマクベス濃度計で測定した。
数値が大きい程記録濃度が高い。
〔ブロッキング〕
◎;受像シートとインクシートとの融着が全く見られ
ず、熱転写記録後の両者剥離性も極めて優れている。
○;受像シートとインクシートとの融着が全く見られ
ない。
×;融着が著しい。
〔保存安定性〕
青色記録像を20℃、65%RHで1ヵ月間保存し、画像の
滲みや汚れの状態を目視で判定した。
◎ ;画像の滲みや汚れが全く見られない。
○ ;画像の滲みや汚れがほとんどない。
○′;画像の滲みや汚れが僅かに見られるが、実用上
問題がない。
△ ;画像の滲みや汚れがあり、実用上問題がある。
× ;画像の滲みや汚れが著しい。
「効果」 表−1の結果から明らかなように、本発明の各実施例
で得られた受像シートはいずれも優れた記録濃度を有し
ており、且つブロッキングの発生が無く、さらに保存安
定性にも優れており、極めて商品価値の高いものであっ
た。また、塗布組成物に溶剤を使用していないため、強
光沢面を有しており、生産性、安全性の面でも極めて有
利である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に、(A)昇華性染料に対し染着性
    を有し且つ分子鎖の片末端にラジカル重合性の官能基を
    有する常温で固体であるマクロモノマーを(B)液体状
    の電離放射線硬化型モノマー及び/又はオリゴマーに溶
    解させて得られる溶剤を含まない塗布組成物を塗布した
    後、電離放射線を照射して受像層を形成せしめたことを
    特徴とする昇華型の熱転写記録用受像シート。
  2. 【請求項2】(A)と(B)の比率が重量%で5:95〜7
    0:30の範囲である請求項(1)記載の熱転写記録用受像
    シート。
  3. 【請求項3】(A)と(B)の比率が重量%で20:80〜5
    0:50の範囲にあり、且つ(B)の25℃における粘度が20
    0cps以下である請求項(2)記載の熱転写記録用受像シ
    ート。
  4. 【請求項4】(A)がスチレン及び/又はアクリロニト
    リルを主成分とする数平均分子量500〜50,000の重合体
    或いは共重合体の分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイ
    ル基を有するマクロモノマーである請求項(1)〜請求
    項(3)記載の熱転写記録用受像シート。
  5. 【請求項5】(A)がスチレン・アクリロニトリル共重
    合体の分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有す
    るマクロモノマーである請求項(4)記載の熱転写記録
    用受像シート。
  6. 【請求項6】(B)が単官能モノマーと多官能モノマー
    及び/又はオリゴマーより構成される請求項(1)〜
    (5)記載の熱転写記録用受像シート。
  7. 【請求項7】単官能モノマーが少なくともN−ビニルピ
    ロリドンと下記一般式〔I〕の構造を有するものとから
    なる請求項(6)記載の熱転写記録用受像シート。 「式中、Rは水素原子又はメチル基、R1はアルキレン
    基、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、アルキル基、フェ
    ニル基及び置換フェニル基のうちのいずれかを示し、n
    は1〜30の整数を示す」
  8. 【請求項8】塗布組成物が電離放射線硬化型シリコーン
    化合物を0.01〜10重量%含む請求項(1)〜(7)記載
    の熱転写記録用受像シート。
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