JP2837061B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP2837061B2
JP2837061B2 JP10624493A JP10624493A JP2837061B2 JP 2837061 B2 JP2837061 B2 JP 2837061B2 JP 10624493 A JP10624493 A JP 10624493A JP 10624493 A JP10624493 A JP 10624493A JP 2837061 B2 JP2837061 B2 JP 2837061B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエス
テル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂等が知られている。
【0003】これらの熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に
比べて成形性、リサイクル性の点で難点はあるが、これ
らの持つ優れた物性、例えば耐熱性、電気的性質、寸法
安定性から広い分野で使用されている。成形材料として
はFRP用のベースレジンとして用いられている。FR
Pは軽量化、デザインの多様化にともない、外板、構造
部品などに金属材料の代わりに多く採用されるようにな
ってきた。最近では、自動車、船舶分野の用途では、消
費者の高級志向により静粛性への要求も高まってきてい
ることから、制振性も重要な課題となっている。従来こ
の目的では制振材料を振動体に貼付けたりすることで対
応していたが、この場合には軽量化の点で問題があっ
た。FRPを用いることで、金属材料を用いる場合に比
べ軽量化、静粛性について改良はされたが、満足すべき
ものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、制振性に優
れた硬化物が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は、 (a)熱硬化性樹脂10〜95重量部、および (b)ビニル芳香族モノマーからなり、数平均分子量が
2500〜40000のブロック(A)[以下、これを
ビニル芳香族ブロック(A)と略称する]と、イソプレ
ン、ブタジエンもしくはイソプレンブタジエンの混合
からなり、3,4結合および1,2結合含有量が30
モル%以上であり、数平均分子量が10000〜200
000のブロック(B)より構成される数平均分子量が
30000〜300000のブロック共重合体またはそ
の水添物5〜90重量部を含んでなることを特徴とする
熱硬化性樹脂組成物により達成される。
【0006】以下に本発明をさらに詳しく説明する。
【0007】本発明で(a)成分として用いられる熱硬
化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0008】不飽和ポリエステル樹脂は、飽和二塩基
酸、不飽和二塩基酸と多価アルコールとを重縮合反応す
ることによって得られ、不飽和ポリエステルをビニル単
量体に溶解したものに硬化剤、無機充填剤、ガラス繊維
補強剤及び顔料等を配合して硬化させることにより、繊
維強化熱硬化性樹脂(FRP)として使用される。
【0009】不飽和二塩基酸としては、例えば、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、塩素化マレイン酸、グルタコン酸等、またはこれら
の酸無水物などが挙げられる。また、飽和二塩基酸とし
てはフタル酸、ハロゲン化フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸テトラヒドロフタル酸、ヘット酸、エンド
メチレンテトラヒドロフタル酸、コハク酸、アジピン
酸、グルタル酸、セバン酸、ピメリン酸等、またはこ
れらの酸無水物がある。また、必要に応じてアクリル
酸、メタクリル酸等の一塩基酸やトリメリット酸、ヘミ
メリット酸、トリメシン酸等の多塩基酸を併用すること
もできる。
【0010】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキ
サイド付加物等が挙げられる。また、必要に応じてアミ
ルアルコール、ヘキシルアルコールペンチルアルコー
ル、オクチルアルコール等の高級脂肪族アルコール、テ
トラヒドロフルフリルアルコール等の1価アルコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット等の多
価アルコールとの併用もできる。
【0011】ビニル単量体は架橋剤として作用する。こ
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、ハ
ロゲン化スチレン、tert−ブチルスチレン、スチレ
ンスルホン酸塩、アミノスチレン、p−ベンジルスチレ
ン、p−フェノキシスチレン等のビニル芳香族化合物、
アクリル酸またはメタクリル酸とメチルアルコール、エ
チルアルコール、プロピルアルコール、オクチルアルコ
ール、ヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂
肪族アルコールとのエステル、2−アミノエチルメタク
リレート、N,N−ジメチルアミノメタクリレート等の
アクリル酸またはメタクリル酸誘導体、マレイン酸、イ
タコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸またはこれら
の酸無水物、ジエチルまたはジオクチルフマレートのよ
うなフマル酸エステル、この他に種々のビニルノマー
およびビニリデンモノマー、共役ジエン化合物、多官能
性架橋性ビニルモノマー等が挙げられる。
【0012】架橋剤としては、有機パーオキサイド、有
機ハイドロパーオキサイドおよびアゾ化合物が挙げられ
る。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオサイド、ジアゾアミノ
ベンゼン、N,N−ジクロロアゾジカルボン酸アミド、
アゾビス(イソブチロニトリル)等が挙げられる。
【0013】フェノール樹脂は、フェノール類とアルデ
ヒド類を縮合することで得られ、加熱するか、酸または
アルカリあるいは硬化剤を加えることで硬化物が得られ
る。
【0014】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノールおよびtert−ブチルフェノー
ル等の低級アルキルフェノール、ノニルフェノール、カ
シュー油、リグニン等の高級フェノール、レゾルシン、
カテコール等の二価フェノール等が挙げられる。
【0015】また、アルデヒド類としては、ホルムアル
デヒド、パラホルムアルデヒド等が挙げられる。
【0016】硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラミ
ン等が挙げられる。
【0017】エポキシ樹脂は、分子中に平均2個以上の
エポキシ基を有する樹脂であり、種々の硬化剤により架
橋重合することで硬化物が得られる。
【0018】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、テトラロモビスフェノール
A、テトラフェニロールエタン、フェノールノボラッ
ク、o−クレゾールノボラックなどのフェノール系のグ
リシジルエーテル型、ポリプロピレングリコール、水添
ビスフェノールAなどのアルコール系のグリシジルエー
テル型、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ダイマー酸などの
グリシジルエステル型、ジアミノジフェニルメタン、イ
ソシアヌル酸、ヒダントインなどのグリシジルアミンな
どのグリシジルアミン型等が挙げられる。
【0019】また、硬化剤としてはジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチル
ピペラジン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−
3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタンジアミン等
の脂肪族ポリアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、m−キシレンジアミンなどの芳香
族ポリアミン、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン無水テトラカルボ
ン酸、無水クロレニド酸、ドデシニル無水コハク酸、メ
チルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物、三フッ化ホ
ウ素−アミン錯体、トリス(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、ベンジルジメチルアミン、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、ジシアンジアミド、アジピン酸ジ
ヒドラジド等の触媒性の硬化剤等が挙げられる。
【0020】本発明の(b)成分としてのブロック共重
合体中のビニル芳香族ブロック(A)の成分としては例
えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフ
タレン、2−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、
4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、
4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチ
レン、4−(フェニルブチル)スチレン等があるが、最
も好ましいのはスチレンである。ビニル芳香族ブロック
(A)の数平均分子量は2500〜40000の範囲で
ある。
【0021】また、このビニル芳香族ブロック(A)の
ブロック共重合体中での割合は5〜50重量%の範囲が
好ましい。この割合が5重量%より小さいとブロック共
重合体の機械的性質が不十分となり、逆に50重量%を
越えると粘度が著しく高くなるため混合等の加工性が困
難となる。また、制振性能も低下する。
【0022】本発明において用いられるブロック共重合
におけるブロック(B)成分はイソプレン、ブタジ
エンもしくはイソプレンブタジエンの混合物である。
イソプレンブタジエンの混合物を用いる場合のブロッ
ク(B)の形態としてはランダム、ブロック、テーパー
ドのいずれでもよい。
【0023】また、ブロック共重合体のブロック(B)
の3,4結合及び1,2結合含有量(以下これらを総称
してビニル結合含有量ということがある)は30モル
以上であることが必要である。ビニル結合含有量が30
モル%より少ない場合には、通常の使用温度領域で十分
な制振性能が得られず好ましくない。
【0024】このブロック共重合体は、粘弾性測定によ
り得られるtanδ(損失正接)の主分散のピーク温度
が−10℃以上であることが好ましい
【0025】また、ブロック共重合体のブロック(B)
の数平均分子量は10000〜200000の範囲にあ
ることを要する。ブロック(B)の数平均分子量が10
000より小さい場合には、弾性的性質を損ない好まし
くない。また、ブロック(B)の数平均分子量が200
000より大きい場合には、流動性が悪くなり好ましく
ない。
【0026】本発明において(b)成分として用いられ
るブロック共重合体の数平均分子量は30000〜30
0000の範囲内であるブロック共重合体の数平均
子量が30000より小さいとブロック共重合体自体の
破断強度、伸度等の機械的性質が低下し、組成物とした
場合にその強度を低下させ好ましくない。また、ブロッ
ク共重合体の数平均分子量が300000を越えると加
工性が悪くなり、熱硬化性樹脂との混合がうまくいか
ず、十分な性能を有する組成物が得られない。この観点
からブロック共重合体の数平均分子量は80000〜2
50000の範囲にあることが好ましい
【0027】また、ブロック共重合体は、A(B
A)n 、(AB)n で示されるブロック形態のものが
好適に用いられる。ここでAはビニル芳香族モノマーか
らなるブロック、Bはイソプレン、ブタジエンまたはイ
ソプレンブタジエンの混合物からなるブロックを示
し、nは1以上の整数である。このうち、A−B−Aの
形態のものが最も好ましく用いられる。
【0028】本発明に用いられるブロック共重合体は次
の種々の方法、すなわち、(イ)アルキルリチウム化合
物を開始剤としてビニル芳香族モノマーを、続いてイソ
プレン、ブタジエンまたはイソプレンとブタジエンの混
合物を逐次重合させる方法、(ロ)ビニル芳香族モノマ
ー、続いてイソプレン、ブタジエンまたはイソプレンと
ブタジエンの混合物を重合し、これをカップリング剤に
よりカップリングする方法、あるいは(ハ)ジリチウム
化合物を開始剤としてイソプレン、ブタジエンまたはイ
ソプレンとブタジエンの混合物、次いでビニル芳香族モ
ノマーを逐次重合させる方法等により製造することがで
きる。
【0029】アルキルリチウム化合物の例としてはアル
キル残基の炭素原子数が1〜10のアルキル化合物が挙
げられるが、特にメチルリチウム、エチルリチウム、ペ
ンチルリチウム、ブチルリチウムが好ましい。カップリ
ング剤としては、ジクロロメタン、ジブロムメタン、ジ
クロロエタン、ジブロムエタン、ジブロムベンゼン等が
用いられる。ジリチウム化合物の例としてはナフタレン
ジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼン等が挙げられ
る。
【0030】これらの使用量はブロック共重合体の分子
量により決定される性質のものであるが、重合に用いら
れる全モノマー100重量部に対し、概ね開始剤0.0
1〜0.2重量部、カップリング剤0.04〜0.8重
量部程度の範囲で用いられる。
【0031】イソプレン、ブタジエンまたはイソプレン
ブタジエンの混合物からなるブロック(B)のミクロ
構造としてビニル結合含有量を30モル%以上にするた
めには、イソプレン、ブタジエンまたはイソプレン
タジエンの混合物の重合の際に共触媒としてルイス塩基
が用いられる。ルイス塩基の例としてはジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル
類、トリエチルアミン、N,N,N,N−テトラメチル
エチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモルホリ
ン等のアミン系化合物が挙げられる。これらのルイス塩
基の使用量は重合開始剤のリチウムのモル数に対して概
ね0.1〜1000倍モルの範囲で用いられる。
【0032】重合の際には制御を容易にするために溶媒
を使用するのが好ましい。溶媒としては重合開始剤に対
して不活性な有機溶媒が用いられる。特に炭素数が6〜
12の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましく用い
られる。その例としてはヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン等が挙げられ
る。
【0033】重合はいずれの重合法による場合にも0〜
80℃の温度範囲で行われ、0.5〜50時間の範囲で
行われる。
【0034】ブロック共重合体は公知の方法により水添
される。水添反応は水添触媒および反応に不活性な溶媒
に溶解した状態で公知の水添触媒により分子状態の水素
を反応させる方法が好ましく用いられる。使用される触
媒としては、ラネーニッケルあるいはPt、Pd、R
u、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、珪藻土
等の担体に担持させたもの等の不均一触媒、または遷移
金属とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム
化合物等の組み合わせからなるチーグラー系の触媒等が
用いられる。反応は、水素圧が常圧ないし200kg/
cm2 、反応温度が常温ないし250℃、反応時間が
0.1ないし100時間の範囲で行われる。
【0035】反応後のブロック共重合体は、反応液をメ
タノール等により凝固させた後、加熱あるいは減圧乾燥
させるか、反応液を沸騰水中に注ぎ溶媒を共沸させて除
去した後、加熱あるいは減圧乾燥することにより得られ
る。
【0036】水添率は要求される物性のレベルによって
決定されるが、耐熱性および耐候性を重視する場合には
50%以上、好ましくは70%以上するのがよい。
【0037】本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法の
例を以下に示す。
【0038】熱硬化性樹脂(a)として不飽和ポリエス
テル樹脂を使用する場合は、不飽和ポリエステル樹脂と
架橋剤を含んだ混合物(1)と、ブロック共重合体と架
橋剤を含んだ混合物(2)とを混合することにより組成
物を調製する。この際あらかじめ混合物(1)、
(2)のいずれか一方あるいは両方に硬化剤と必要に応
じて充填剤、繊維補強剤、増粘剤、離型剤等の添加剤
混合される。得られ組成物は、シート状あるいは塊状
として取扱われ、圧縮成形、射出成形等の成形法により
硬化物とする。
【0039】熱硬化性樹脂(a)としてフェノール樹脂
を使用する場合には、フェノール樹脂、ブロック共重合
体と必要に応じて可塑剤、離型剤、着色剤、木粉、繊維
補強材等をニーダーにより混合し、混合の終了直前に硬
化剤を滴加することで組成物を調製する。得られた組成
物は、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等の成
形法により硬化物とする。
【0040】熱硬化性樹脂(a)としてエポキシ樹脂
使用する場合には、フェノール樹脂の場合と同様にして
ニーダーにより混合し組成物を調製し、圧縮成形、トラ
ンスファー成形、射出成形等により成形し、硬化物を得
ることが可能である。
【0041】本発明の組成物は、その性質を損なわない
程度であれば各種添加剤を含有することができる。その
例としては、充填剤、可塑剤、離型剤、着色剤、繊維補
強剤、等が挙げられる。
【0042】本発明の組成物はその趣旨を損なわない範
囲であれば他のポリマーを併用することも可能である。
その例としては、スチレン−ジエン共重合体またはその
水添物、カルボキシル基あるいはエポキシ基変性スチレ
ン−ジエン共重合体またはその水添物、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、カルボキシル基、アミノ基あるいはエ
ポキシ基末端ブタジエンーアクリルニトリル共重合体、
メタクリル酸メチルあるいはエポキシ変性天然ゴムなど
が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0044】参考例および実施例においてブロック共重
合体の分子量はGPCにより求めた。また、水添率は水
添反応前後でのブロック共重合体のヨウ素価の比より算
出した。
【0045】制振性能の評価は25℃でのtanδの値
を測定することにより行った。tanδの値が大きい方
が優れた制振性能を有することを示す。tanδの
オリエンテック社製のレオバイブロンDDV−III によ
測定した。 参考例1 乾燥し窒素で置換された耐圧反応器で、溶媒としてシク
ロヘキサン、重合開始剤としてs−ブチルリチウム、
触媒としてTMEDAを用い、スチレンモノマー、イソ
プレンモノマー、スチレンモノマーの順に添加して重合
し、A−B−A型ブロック共重合体(I)を得た。表1
ブロック共重合体(I)の物性値を示す
【0046】
【表1】 参考例2 参考例1で得られたブロック共重合体(I)をシクロヘ
キサン中で、水添触媒としてPd−Cを用い、水素圧2
0kg/cm2 で水添反応を行い、表1に示す物性値
有する水添ブロック共重合体(II)を得た。 実施例1、2および比較例1 無水フタル酸1.0モル、無水マレイン酸3.0モル、
プロピレングリコール4.4モルを窒素雰囲気中で20
0℃に加熱して、脱水縮合して酸価32の不飽和ポリエ
ステル樹脂を得た。この不飽和ポリエステル樹脂をスチ
レンに溶解して、固形分濃度70%の溶液とした。
【0047】参考例で得られたブロック共重合体(I)
または水添ブロック共重合体(II)をスチレンに溶解
し、固形分濃度30%の溶液とした。
【0048】不飽和ポリエステル樹脂のスチレン溶液、
ブロック共重合体(I)または水添ブロック共重合体
(II)のスチレン溶液、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、ステアリン酸亜鉛、炭酸カルシウムおよび酸化マ
グネシウムを表2に示した処方で配合し、組成物を得
た。なお、表2に示す処方は、各成分を重量部で示した
ものである(以下の表3、表4においても同様であ
る)。
【0049】
【表2】 得られた組成物を40℃で24時間熟成し、シート状に
した後に、圧縮成形機で140℃に加熱された金型によ
り、3分間、60kg/cm2 の圧力で成形した。この
成形物を用いて制振性能を測定評価した。また、制振性
能の指標として、25℃のtanδ(損失正接)の値を
求めた。その測定結果を表5に示した。 実施例3、4および比較例2 ホルマリン130gにフェノール112gを混合し、触
媒として塩酸を0.26g添加して還流温度で1時間縮
合させ、ノボラックを得た。得られたノボラックに参考
例で得られたブロック共重合体(I)または水添ブロッ
ク共重合体(II)、木粉、ステアリン酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、ヘキサメチレンテトラミンを表3に
示した処方で配合し、組成物を得た。
【0050】
【表3】 得られた組成物を170℃に加熱された金型により、3
分間、60kg/cm2 の圧力で成形した。成形物につ
いて実施例1、2と同様に制振性能の評価を行った。そ
の測定結果を表5に示した。 実施例5、6および比較例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828)
に参考例で得られたブロック共重合体(I)または水添
ブロック共重合体(II)、硬化剤(アンカーアミンK−
54)およびシリカ粉を表4に示した処方で配合し、組
成物を得た。
【0051】
【表4】 得られた組成物を100℃に加熱された金型により、4
時間、60kg/cm2 の圧力で成形した。成形物につ
いて実施例1、2と同様に制振性能の評価を行った。そ
の測定結果を表5に示した。
【0052】表5の結果から、得られた熱硬化性樹脂の
硬化物は、いずれも制振性能に優れていることがわか
る。
【0053】
【表5】
【0054】
【発明の効果】熱硬化性樹脂と特定の構造を有するブロ
ック共重合体とを組合わせたことを特徴とする本発明の
組成物は、硬化し成形体とすることで振動あるいは騒音
の発生を低減した材料として使用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)熱硬化性樹脂10〜95重量部、
    および (b)ビニル芳香族モノマーからなり、数平均分子量が
    2500〜40000のブロック(A)と、イソプレ
    ン、ブタジエンもしくはイソプレンブタジエンの混合
    からなり、3,4結合および1,2結合含有量が30
    モル%以上であり、数平均分子量が10000〜200
    000のブロック(B)より構成される数平均分子量が
    30000〜300000のブロック共重合体またはそ
    の水添物5〜90重量部を含んでなることを特徴とす
    硬化性樹脂組成物。
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