JP2836910B2 - ピストンリング - Google Patents
ピストンリングInfo
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- JP2836910B2 JP2836910B2 JP12463490A JP12463490A JP2836910B2 JP 2836910 B2 JP2836910 B2 JP 2836910B2 JP 12463490 A JP12463490 A JP 12463490A JP 12463490 A JP12463490 A JP 12463490A JP 2836910 B2 JP2836910 B2 JP 2836910B2
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- Japan
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- piston ring
- plating
- crevasse
- ceramics
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンな
ど各種エンジン用として耐摩耗性、耐焼付性にすぐれて
いるピストンリングに関するものである。
ど各種エンジン用として耐摩耗性、耐焼付性にすぐれて
いるピストンリングに関するものである。
（従来の技術） 従来からガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど
各種エンジンに用いられているピストンリング、たとえ
ば、ピストンの上室と下室とを区画する２つ又はそれ以
上の圧縮リングと、下室におけるシリンダ内周面に余分
に付着した潤滑油を掻き落すオイルリングの３つ又はそ
れ以上のリングは、エンジンのシリンダ内周面と摺接す
る面に、クロムめっき、あるいは、モリブデン溶射など
を施して高速運動に対する耐摩耗性を付与することが行
なわれている。一方、ピストンリング基体に、セラミッ
クスを溶射コーティングして耐熱性や耐摩耗性を向上さ
せることも行なわれている。
各種エンジンに用いられているピストンリング、たとえ
ば、ピストンの上室と下室とを区画する２つ又はそれ以
上の圧縮リングと、下室におけるシリンダ内周面に余分
に付着した潤滑油を掻き落すオイルリングの３つ又はそ
れ以上のリングは、エンジンのシリンダ内周面と摺接す
る面に、クロムめっき、あるいは、モリブデン溶射など
を施して高速運動に対する耐摩耗性を付与することが行
なわれている。一方、ピストンリング基体に、セラミッ
クスを溶射コーティングして耐熱性や耐摩耗性を向上さ
せることも行なわれている。
（発明が解決しようとする課題） しかしながら、自動車、船舶その他各種エンジンなど
の高速化や高負荷化、燃料の低質化、とくに、エンジン
の高出力化とTBO（オーバーホール間隔）の長期化に伴
ない、ガス圧力、リングの慣性力、摩擦力、さらに、潤
滑油を掻くための力などをうけるピストンリングの摩耗
量が増加するという問題がある。又、セラミックスの溶
射コーティングは、ピストンリング基体への接着が物理
的結合であるために、コーティング皮膜と基体との結合
強度が比較的弱く、強振動下や熱サイクルの下での使用
に対し、剥離損傷やコーティング皮膜の均一な厚さ及び
平滑さなどの調整のため研摩仕上げを行なう必要があ
り、コスト高となるなどといった問題がある。
の高速化や高負荷化、燃料の低質化、とくに、エンジン
の高出力化とTBO（オーバーホール間隔）の長期化に伴
ない、ガス圧力、リングの慣性力、摩擦力、さらに、潤
滑油を掻くための力などをうけるピストンリングの摩耗
量が増加するという問題がある。又、セラミックスの溶
射コーティングは、ピストンリング基体への接着が物理
的結合であるために、コーティング皮膜と基体との結合
強度が比較的弱く、強振動下や熱サイクルの下での使用
に対し、剥離損傷やコーティング皮膜の均一な厚さ及び
平滑さなどの調整のため研摩仕上げを行なう必要があ
り、コスト高となるなどといった問題がある。
本発明は、前記問題を解決し、耐摩耗性、耐焼付性に
すぐれているピストンリングを得ることを目的とするも
のである。
すぐれているピストンリングを得ることを目的とするも
のである。
（課題を解決するための手段） 本発明者は、前記問題を解決し、前記目的を達成する
ためには、ピストンリングの少なくとも摺動面に、特定
条件によりクレバスを具備した硬質クロムめっきを施
し、そのクレバスにCr2O3セラミックスを充填させる
か、或いはCr2O3セラミックスをクレバスに充填させつ
つ硬質クロムめっきを被覆することによって目的を達し
得ることを見出して本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ピストンリング基体、めっき膜厚が50〜
150μｍでありかつクレバス率が表層からピストンリン
グ基体との界面までの間のどの部分でも20〜50％の範囲
を維持するようにピストンリング基体の少なくともエン
ジンシリンダ内面に摺接する面側にめっきして形成され
た硬質クロムめっき層、該硬質クロムめっき層のクレバ
スに充填するよう形成されたCr2O3セラミックスとから
なるピストンリングであり、更に前記クレバスに充填さ
れたCr2O3が硬質クロムめっき表面をも被覆するよう構
成されたものである。
ためには、ピストンリングの少なくとも摺動面に、特定
条件によりクレバスを具備した硬質クロムめっきを施
し、そのクレバスにCr2O3セラミックスを充填させる
か、或いはCr2O3セラミックスをクレバスに充填させつ
つ硬質クロムめっきを被覆することによって目的を達し
得ることを見出して本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ピストンリング基体、めっき膜厚が50〜
150μｍでありかつクレバス率が表層からピストンリン
グ基体との界面までの間のどの部分でも20〜50％の範囲
を維持するようにピストンリング基体の少なくともエン
ジンシリンダ内面に摺接する面側にめっきして形成され
た硬質クロムめっき層、該硬質クロムめっき層のクレバ
スに充填するよう形成されたCr2O3セラミックスとから
なるピストンリングであり、更に前記クレバスに充填さ
れたCr2O3が硬質クロムめっき表面をも被覆するよう構
成されたものである。
本発明におけるピストンリング基体は、従来から使用
されている特殊鋳鉄、普通鋳鉄若しくはSUSなどで製作
されたものでよい。
されている特殊鋳鉄、普通鋳鉄若しくはSUSなどで製作
されたものでよい。
クレバスを有する硬質クロムめっきは、少なくともエ
ンジンシリンダの内面との摺接面に施せばよいのである
が、めっき膜厚が50〜150μｍの範囲で、かつ、表面の
面積比からなるクレバス率が20〜50％であり、このクレ
バス率が表層から少しづつ削って行ってめっき皮膜と基
体との界面位置までの間、現われる面において常にこの
範囲を維持しているようなめっき層を形成していること
が必要であって、めっき膜厚が50〜150μｍの範囲内に
あっても、クレバス率が20〜50％の範囲外では、本発明
の効果は得られないものであり、両者あいまって本発明
効果をもたらし得るものであって、めっき膜厚50〜150
μｍとしたのは、50μｍ未満では、本発明効果を長期間
に亘って十分に発揮し得ず、150μｍを超えても効果に
より以上の差がなく、かえって剥離などを生ずるように
なるからであり、クレバス率を20〜50％としたのは、20
％未満では、Cr2O3セラミックスを充填することによる
耐摩耗性の向上がみられず、50％を超えると、めっき皮
膜の小部分が脱落を生じたり、次のCr2O3セラミックス
使用量が増加する割合に比して耐摩耗性の向上が少ない
こともあって不経済であるからである。
ンジンシリンダの内面との摺接面に施せばよいのである
が、めっき膜厚が50〜150μｍの範囲で、かつ、表面の
面積比からなるクレバス率が20〜50％であり、このクレ
バス率が表層から少しづつ削って行ってめっき皮膜と基
体との界面位置までの間、現われる面において常にこの
範囲を維持しているようなめっき層を形成していること
が必要であって、めっき膜厚が50〜150μｍの範囲内に
あっても、クレバス率が20〜50％の範囲外では、本発明
の効果は得られないものであり、両者あいまって本発明
効果をもたらし得るものであって、めっき膜厚50〜150
μｍとしたのは、50μｍ未満では、本発明効果を長期間
に亘って十分に発揮し得ず、150μｍを超えても効果に
より以上の差がなく、かえって剥離などを生ずるように
なるからであり、クレバス率を20〜50％としたのは、20
％未満では、Cr2O3セラミックスを充填することによる
耐摩耗性の向上がみられず、50％を超えると、めっき皮
膜の小部分が脱落を生じたり、次のCr2O3セラミックス
使用量が増加する割合に比して耐摩耗性の向上が少ない
こともあって不経済であるからである。
このような条件を満足するようなクレバスを有する硬
質クロムめっきは、一般に知られているチャンネル型、
ピンポイント型及びこれら型が併存するもので、その製
造方法はめっき時マスキングによるものやクロムめっき
後にエッチングするもの、めっき前の基体表面をあらし
て形成されたものなどがあるが、本発明では前記のいず
れかの方法、若しくはそれらを組合せた方法でクロムめ
っきを施行することによって得ることができる。
質クロムめっきは、一般に知られているチャンネル型、
ピンポイント型及びこれら型が併存するもので、その製
造方法はめっき時マスキングによるものやクロムめっき
後にエッチングするもの、めっき前の基体表面をあらし
て形成されたものなどがあるが、本発明では前記のいず
れかの方法、若しくはそれらを組合せた方法でクロムめ
っきを施行することによって得ることができる。
次に、硬質クロムめっきのクレバスへのCr2O3セラミ
ックスの充填及び硬質クロムめっき表面のCr2O3セラミ
ックスの被覆は、クロム酸を水によって比重1.60〜1.70
に調整したH2CrO4濃水溶液、あるいは、このようなH2Cr
O4濃水溶液と、微細なCr2O3セラミックス粒子とからな
る充填溶液中に、前記硬質クロムめっきを施したピスト
ンリング基体を浸漬し、クレバスに該充填溶液を充填す
ると共に、硬質クロムめっき表面を被覆せしめ、乾燥後
加熱処理することにより、析出、蓄積されるCr2O3セラ
ミックスを形成せしめるものであって、この充填、被覆
−乾燥−加熱処理は、２回以上反復して行なうことが好
ましい。
ックスの充填及び硬質クロムめっき表面のCr2O3セラミ
ックスの被覆は、クロム酸を水によって比重1.60〜1.70
に調整したH2CrO4濃水溶液、あるいは、このようなH2Cr
O4濃水溶液と、微細なCr2O3セラミックス粒子とからな
る充填溶液中に、前記硬質クロムめっきを施したピスト
ンリング基体を浸漬し、クレバスに該充填溶液を充填す
ると共に、硬質クロムめっき表面を被覆せしめ、乾燥後
加熱処理することにより、析出、蓄積されるCr2O3セラ
ミックスを形成せしめるものであって、この充填、被覆
−乾燥−加熱処理は、２回以上反復して行なうことが好
ましい。
前記充填、被覆は、充填溶液中に浸漬して、10-1〜10
-3Torr程度の真空として５〜10分間処理し、乾燥は、40
〜60℃に、20〜30分間、加熱処理は、385〜450℃に90〜
180分間それぞれ行なうことが好ましい。
-3Torr程度の真空として５〜10分間処理し、乾燥は、40
〜60℃に、20〜30分間、加熱処理は、385〜450℃に90〜
180分間それぞれ行なうことが好ましい。
尚、硬質クロムめっきのクレバスへのCr2O3セラミッ
クスの充填のみを実施する場合は充填溶液への浸漬の度
ごとに硬質クロムめっき表面の充填溶液を拭き取って乾
燥−加熱処理を行ったり、前記と同じ充填、被覆−乾燥
−加熱処理を行った後被覆されたCr2O3セラミックス層
を研削して取り除いて行う。
クスの充填のみを実施する場合は充填溶液への浸漬の度
ごとに硬質クロムめっき表面の充填溶液を拭き取って乾
燥−加熱処理を行ったり、前記と同じ充填、被覆−乾燥
−加熱処理を行った後被覆されたCr2O3セラミックス層
を研削して取り除いて行う。
このような各処理を行なって形成された本発明のピス
トンリングは、Cr2O3セラミックスが化学変化を利用し
て形成されたものであり、基体への密着性や、硬質クロ
ムめっき皮膜との密着性が非常によいものであるのでク
レバスに充填することによって一層強く密着され、耐摩
耗性、耐焼付性を向上し得るものである。
トンリングは、Cr2O3セラミックスが化学変化を利用し
て形成されたものであり、基体への密着性や、硬質クロ
ムめっき皮膜との密着性が非常によいものであるのでク
レバスに充填することによって一層強く密着され、耐摩
耗性、耐焼付性を向上し得るものである。
（実施例） 次に、本発明の実施例を述べる。
実施例１ ピストンリング基体として通常用いられている特殊鋳
鉄を使用して、外径100mm、内径92mm、厚さ2.5mmの圧縮
リングのエンジンシリンダの内面に摺接する面に、厚さ
100μｍ、クレバス率30％（表層側では35％、基体との
界面側では25％であることを確認した。）の硬質クロム
めっきを浴温55℃、電流密度50A/dm2でめっきし、その
後電流密度20A/dm2で電解エッチングする条件で施し、
ついで、CrO3を水に溶解して比重1.65に調整したH2CrO4
濃水溶液中に浸漬し、0.1mmHgの減圧下において10分間
保持し、常圧に戻しさらに10分間静置してクレバス中を
充填すると共に、前記硬質クロムめっき表面を被覆し、
ついで、60℃で20分間乾燥後、徐々に昇温し、400℃で9
0分間加熱処理した。この充填、被覆〜加熱処理を、さ
らに５回繰返して処理し、Cr2O3セラミックスによりク
レバスが十分充填され、かつその表面が被覆された硬質
クロムめっき層が得られた。
鉄を使用して、外径100mm、内径92mm、厚さ2.5mmの圧縮
リングのエンジンシリンダの内面に摺接する面に、厚さ
100μｍ、クレバス率30％（表層側では35％、基体との
界面側では25％であることを確認した。）の硬質クロム
めっきを浴温55℃、電流密度50A/dm2でめっきし、その
後電流密度20A/dm2で電解エッチングする条件で施し、
ついで、CrO3を水に溶解して比重1.65に調整したH2CrO4
濃水溶液中に浸漬し、0.1mmHgの減圧下において10分間
保持し、常圧に戻しさらに10分間静置してクレバス中を
充填すると共に、前記硬質クロムめっき表面を被覆し、
ついで、60℃で20分間乾燥後、徐々に昇温し、400℃で9
0分間加熱処理した。この充填、被覆〜加熱処理を、さ
らに５回繰返して処理し、Cr2O3セラミックスによりク
レバスが十分充填され、かつその表面が被覆された硬質
クロムめっき層が得られた。
実施例２ 実施例１と同一材質で同一寸法の圧縮リングの摺擦面
側に、実施例１と同様の条件で硬質クロムめっきを施し
た（クレバス率30％）。
側に、実施例１と同様の条件で硬質クロムめっきを施し
た（クレバス率30％）。
ついで、粒径が0.05〜0.5μｍの微細なCr2O3セラミッ
クス粒子をH2CrO4濃水溶液に入れて比重1.70に調整し作
成した充填溶液と、実施例１同様のH2CrO4濃水溶液を準
備し、初めの２回の繰返しは充填溶液で充填、被覆〜加
熱処理をし（条件は実施例１と同様）、次いで実施例１
と同じ条件でH2CrO4濃水溶液で充填、被覆〜加熱処理を
２回繰返し、Cr2O3セラミックスがクレバスに充填され
た硬質クロムめっき層を得た。
クス粒子をH2CrO4濃水溶液に入れて比重1.70に調整し作
成した充填溶液と、実施例１同様のH2CrO4濃水溶液を準
備し、初めの２回の繰返しは充填溶液で充填、被覆〜加
熱処理をし（条件は実施例１と同様）、次いで実施例１
と同じ条件でH2CrO4濃水溶液で充填、被覆〜加熱処理を
２回繰返し、Cr2O3セラミックスがクレバスに充填され
た硬質クロムめっき層を得た。
尚、実施例２では充填溶液への浸漬の際に硬質クロム
めっき表面をCr2O3セラミックスが被覆することになる
が、その都度このCr2O3セラミックスを拭き取り、従っ
て硬質クロムめっき表面にはCr2O3セラミックスがなく
クレバスにのみ充填された状態とした。
めっき表面をCr2O3セラミックスが被覆することになる
が、その都度このCr2O3セラミックスを拭き取り、従っ
て硬質クロムめっき表面にはCr2O3セラミックスがなく
クレバスにのみ充填された状態とした。
得られた本発明の実施例１と２によるピストンリン
グ、及び、同材質製で通常のクロムめっきだけを施した
ピストンリングについて、ビッカース硬度を測定した結
果、５点の測定平均値で、本発明ピストンリングでは、
いずれの実施例のものも810mHVであり、従来のピストン
リングでは、950mHVであった。又、この３種類のピスト
ンリングをそれぞれとりつけたピストンをディーゼルエ
ンジンに装着して作動させ、合計500時間後ピストンリ
ング表面の摩耗や傷などの状態を観察した。その結果、
本発明の両実施例に係るピストンリングには、当り面が
形成される以外何ら摩耗や傷は認められなかった。これ
に対して、従来のピストンリングでは、摩耗や傷がわず
かながらも認められた。
グ、及び、同材質製で通常のクロムめっきだけを施した
ピストンリングについて、ビッカース硬度を測定した結
果、５点の測定平均値で、本発明ピストンリングでは、
いずれの実施例のものも810mHVであり、従来のピストン
リングでは、950mHVであった。又、この３種類のピスト
ンリングをそれぞれとりつけたピストンをディーゼルエ
ンジンに装着して作動させ、合計500時間後ピストンリ
ング表面の摩耗や傷などの状態を観察した。その結果、
本発明の両実施例に係るピストンリングには、当り面が
形成される以外何ら摩耗や傷は認められなかった。これ
に対して、従来のピストンリングでは、摩耗や傷がわず
かながらも認められた。
さらに、FC−25のステータを用いピンオンディスク型
試験機を使用して、実施例１と同様にして硬質クロムめ
っき、Cr2O3セラミックス充填、被覆処理を行なった同
材質所定寸法（摺動面5mm□×４ケ所）の試料ロータを
製作し、速度8m/秒、潤滑油CD級10W/30を、80℃、400ml
/分で供給しながら摺動面圧50kgf/cm2で24時間試験した
が、本発明の各層を形成した試料の摩耗量は、ロータで
0.003mmであり、従来のクロムめっきだけを施したもの
は、ロータで0.01mmであった。
試験機を使用して、実施例１と同様にして硬質クロムめ
っき、Cr2O3セラミックス充填、被覆処理を行なった同
材質所定寸法（摺動面5mm□×４ケ所）の試料ロータを
製作し、速度8m/秒、潤滑油CD級10W/30を、80℃、400ml
/分で供給しながら摺動面圧50kgf/cm2で24時間試験した
が、本発明の各層を形成した試料の摩耗量は、ロータで
0.003mmであり、従来のクロムめっきだけを施したもの
は、ロータで0.01mmであった。
また、硬質クロムめっき層単層のもの（試料Ｉ）、硬
質クロムめっき層上にCr2O3セラミックス層を形成した
もの（試料II）、及び本発明の実施例１に係る30％のク
レバス率を有する硬質めっき層にCr2O3セラミックスを
充填して形成したもの（試料III）について上記と同一
条件で摩擦評価試験を行ない、その結果を第１図に示
す。
質クロムめっき層上にCr2O3セラミックス層を形成した
もの（試料II）、及び本発明の実施例１に係る30％のク
レバス率を有する硬質めっき層にCr2O3セラミックスを
充填して形成したもの（試料III）について上記と同一
条件で摩擦評価試験を行ない、その結果を第１図に示
す。
第１図から分る通り本発明の実施例１によるものは、
摺動面圧300kgf/cm2を超えても優れた耐焼付性を有する
ことが実証された。
摺動面圧300kgf/cm2を超えても優れた耐焼付性を有する
ことが実証された。
尚、別途実施例２により得られたものについても摩擦
評価試験を行ったが試料IIIの曲線と略合致するため、
ここでは省略した。
評価試験を行ったが試料IIIの曲線と略合致するため、
ここでは省略した。
（発明の効果） 本発明は、ピストンリング基体上に、特定条件の硬質
クロムめっきを施し、さらにCr2O3セラミックスを硬質
クロムめっきのクレバスに充填するよう形成するもので
あるから、耐摩耗性、耐焼付性にすぐれ、ピストンリン
グ自体はもちろん摺接するピストン面への損傷や摩耗を
防ぎ得るものであって大きな効果が認められる。
クロムめっきを施し、さらにCr2O3セラミックスを硬質
クロムめっきのクレバスに充填するよう形成するもので
あるから、耐摩耗性、耐焼付性にすぐれ、ピストンリン
グ自体はもちろん摺接するピストン面への損傷や摩耗を
防ぎ得るものであって大きな効果が認められる。
第１図は摩擦評価試験を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−50223（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−79863（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−113174（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−127849（ＪＰ，Ｕ) 特公 平１−60665（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭59−48877（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭47−32846（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F16J 9/00 - 9/28
Claims (2)
- 【請求項１】ピストンリング基体、めっき膜厚が50〜15
0μｍでありかつクレバス率が表層からピストンリング
基体との界面までの間のどの部分でも20〜50％の範囲を
維持するようにピストンリング基体の少なくともエンジ
ンシリンダ内面に摺接する面側にめっきして形成された
硬質クロムめっき層、該硬質クロムめっき層のクレバス
に充填するよう形成されたCr2O3セラミックスとからな
ることを特徴とするピストンリング。 - 【請求項２】前記クレバスに充填されたCr2O3セラミッ
クスが硬質クロムめっき表面をも被覆する請求項１記載
のピストンリング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12463490A JP2836910B2 (ja) | 1990-05-15 | 1990-05-15 | ピストンリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12463490A JP2836910B2 (ja) | 1990-05-15 | 1990-05-15 | ピストンリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0419471A JPH0419471A (ja) | 1992-01-23 |
| JP2836910B2 true JP2836910B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=14890269
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12463490A Expired - Fee Related JP2836910B2 (ja) | 1990-05-15 | 1990-05-15 | ピストンリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2836910B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5360634A (en) * | 1988-12-05 | 1994-11-01 | Adiabatics, Inc. | Composition and methods for densifying refractory oxide coatings |
-
1990
- 1990-05-15 JP JP12463490A patent/JP2836910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0419471A (ja) | 1992-01-23 |
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