JP2833848B2 - 気相法ダイヤモンドの合成法 - Google Patents

気相法ダイヤモンドの合成法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐摩耗性、耐触性、高熱伝導性、高比弾性等
の特性を有し、研磨材、研削材、光学材料、超硬工具
材、摺動材、音響振動材、刃先材用部材等に有用な気相
法ダイヤモンドのコーテイング方法に関する。
[従来の技術] ダイヤモンドの合成法としては、超高圧法や爆薬法が
従来より実施されている。
近年、CVD法として、炭化水素又は窒素、酸素等を含
む有機化合物と水素との混合ガスを熱フイラメント、マ
イクロ波プラズマ、高周波プラズマ、直流放電プラズ
マ、直流アーク放電等により、励起状態として、ダイヤ
モンドを合成する方法が開発されている。又、本件出願
人が先に炭素を含むダイヤモンド析出用原料化合物を、
不完全燃焼領域を有する燃焼炎プラズマにより励起状態
としてダイヤモンドを合成する方法(特願昭63−7175
8)や、減圧による燃焼炎体積の増加を伴う流動化法
(特願平1−98058)を提案している。
[発明が解決しようとする課題] 従来の前記CVD法においては、燃焼炎プラズマによる
場合を除き、ダイヤモンド析出面積の増大は困難であっ
た。燃焼炎プラズマによる励起手段は、簡易な手段で、
しかも大面積の膜状ダイヤモンドをも生成し得る気相合
成方法であるが、ダイヤモンド膜析出用基材を単に不完
全燃焼領域中、又は該領域の近傍の非酸化性雰囲気中に
設置するだけでは、ダイヤモンド析出速度が低く、又、
基材上に析出したダイヤモンド膜の平坦性、基材との付
着強度が十分ではなく、その改善法である減圧燃焼炎法
による流動化法も、ダイヤモンド析出用基材を流動化さ
せない場合には、析出ダイヤモンド膜の平坦性や付着強
度の向上が見られない。本発明の目的は静置、又は平行
移動を伴う基材上に高速で膜厚の平坦性が高く付着強度
の高いダイヤモンド被膜を得ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは従来法に比し、簡便な手段でしかも前記
課題を解決する方法を鋭意研究の結果、ダイヤモンド析
出用原料化合物を燃焼させるに際し函体中の雰囲気の圧
力制御を行い、燃焼炎バーナー先端部にリフレクターと
名付けた構造材を取り付ける事により、リフレクター下
端部において安定した広範囲の燃焼炎プラズマを得て、
且つ基材上にその燃焼炎プラズマを全面的に接触させる
ことが可能となり、高速、高平坦性、高付着強度のダイ
ヤモンド膜を析出させ得ることを見出し、本件発明を完
成するに至った。
本発明においてはダイヤモンド合成用原料ガスを不完
全燃焼領域が存在するように燃焼させて燃焼炎を形成さ
せ、該不完全燃焼領域中又は該領域近傍の非酸化性雰囲
気であるダイヤモンド析出可能に励起された領域中にダ
イヤモンド析出用基材を設置することが肝要である。
ダイヤモンドの析出に適した基材温度は600〜1200℃
であり、基材の水冷等適当な温度制御方法を用いること
が出来る。函体中の圧力は0.1〜10,000Torrで使用でき
るが、望ましくは100〜750Torrである。函体内の圧力が
減圧になるに従って炎体積の増大が起こり、それに従っ
てダイヤモンド合成領域が拡大する。一方、減圧になり
過ぎると希薄になって消炎する。
ダイヤモンド生成に必要なラジカル発生の為の励起エ
ネルギー不足が起こる場合は、必要に応じて補助励起手
段を用いる。補助励起源としては、通電加熱による発熱
体、高周波誘導加熱、レーザー光による加熱方式、赤外
線加熱、アーク放電による加熱等がある。
本発明では、リフレクターを燃焼炎バーナー先端に取
り付けているが、取り付けない場合と比べ、次のような
傾向がある。減圧状態でのダイヤモンド合成時、リフレ
クターなしの場合は基材へのダイヤモンド膜析出速度が
遅く、凹凸があり、外周部分にダイヤモンド様カーボン
(以下、DLCと記す)等の非ダイヤモンド成分が混在す
る。一方、リフレクター付きの場合は、形状が適当な物
を選定すれば、析出速度が向上し、平坦性が高く、DLC
等の非ダイヤモンド成分が殆ど析出しない。又、減圧に
なるに従い、炎の体積がリフレクターがない場合と同様
に増加し、リフレクターにより炎が基材表面に強制的に
接触させられ、析出速度が増加する。
これは、基材表面における活性種の高密度化と均質化
に、リフレクターが関与している為と思われる。リフレ
クター形状は、種々実験の結果、逆平底鍋形が適してい
ることが判明した。
リフレクターサイズはダイヤモンド析出用原料化合物
の燃焼状態や、圧力による炎の大小によって異なるので
一概には決定出来ないが、次のような方法を目安とすれ
ば良い。即ち、高さ方向はバーナー火口、基材間のダイ
ヤモンド合成可能な距離があり、通気性を持たせる為そ
れより若干短くする。又、リフレクター下端の開口部径
は、リフレクターを用いない場合のダイヤモンド、DLC
の析出範囲と同じか、若干大きくすれば良い。
リフレクター材質は、還元雰囲気での耐熱性が高く、
高熱伝導性の金属が良い。例えば、モリブデンが挙げら
れる。励起領域の温度バランスを良くする必要のある場
合にはリフレクターに、補助励起源からのエネルギーを
印加するか、又は補助熱源を取り付けても良い。
[作用] 函体内の雰囲気、圧力は常時制御しながら、ダイヤモ
ンド析出用原料ガスの燃焼が行われるが、炎の体積を増
大すべく減圧傾向とするほど、燃焼炎の中心部や外周部
等で、ダイヤモンド析出に関与するラジカルの濃淡差が
出易い。リンフレクターを設置することにより、炎を強
制的に基材上に拡げることで濃淡差が軽減され、均一で
高密度な燃焼炎プラズマを得、効率良くダイヤモンド合
成が進むものと推定される。以下、実施例により詳しく
説明する。
[実施例1] 図1に示す函体装置1(SUS製水冷函体:内容積50リ
ッター)にアセチレン−酸素用バーナー2を中心より垂
直に設定した。その火口先端にリフレクター(外径22mm
φ、火口下高さ5mm)を取り付けた状態で、アセチレン
ガス4リッター/分、酸素3.6リッター/分(酸素/ア
セチレン比0.9)を供給して燃焼炎を形成した。基材4
としてはWC−Co板30×30×3mmを、バーナー火口直下7mm
の位置へ、水冷ヒートシンク台8上に設置した。
この状態で、函体装置内圧力は400Torr、基材温度は9
00℃とし、20分間合成した。合成完了後、実体顕微鏡に
よる観察とラマン分光法により測定から、平坦性の高い
粒径8〜10μmの自形粒から成る緻密ないダイヤモンド
膜であることを確認した。析出膜厚は30μmで、析出領
域の径は20mmφである。析出領域中心部及び比較例1に
示す析出ダイヤモンド層の12mmφ部分のダイヤモンド膜
付着強度を測定したところ、各々、9.5及び9.2Kg.f.mm/
mm2であった。
[比較例1] バーナー火口先端のリフレクターを除き、実施例1と
同様の条件で合成した。合成完了後の実体顕微鏡による
観察とラマン分光法による測定からダイヤモンド析出部
分は12mmφで、その外周部はDLC層であり、外径は18mm
φであることを確認した。ダイヤモンド膜部分の自形粒
径は5〜12μmであった。析出膜厚は最も厚い部分で32
μmであり、中心部、ダイヤモンド層外周部、DLC層外
周部で各々24、26、8μmであった。
中心部と、ダイヤモンド層外周部分のダイアモンド膜
付着強度を測定したところ、8.7並びに8.9Kg.f.mm/mm2
であった。
[実施例2] 実施例1から次に示す条件のみを変更し合成した。
リフレクター下端外周部に補助加熱体のタングステン
線0.3mmφを設置し(図示せず)、通電して1200℃に保
った。この時、安全上、火口上部は水冷した(図示せ
ず)。又、アセチレンガス量は2.5リッター/分、酸素
は2.5リッター/分(酸素/アセチレン比0.9)とした。
合成完了後、実体顕微鏡による観察と、ラマン分光法に
よる測定から、平坦性の高い、粒径6〜9μmの自形粒
から成る緻密なダイヤモンド膜であることを確認した。
析出膜厚は22μmで、析出径は16mmφである。中心部及
び比較例2に示す析出ダイヤモンド層の9mmφ部分のダ
イヤモンド膜付着強度を測定したところ、9.4並びに9.2
Kg.f.mm/mm2であった。
[比較例2] リフレクターと、補助加熱体タングステン線及び火口
上部の水冷部を除き、実施例2と同様の条件で合成し
た。合成完了後、実体顕微鏡による観察とラマン分光法
による測定から、ダイヤモンド析出部分は9mmφで、そ
の外周部にDLC層があり、外径は14mmφであることを確
認した。ダイヤモンド膜部分の自形粒径は4〜8μmで
あった。析出膜厚は最も厚い部分で23μmあり、中心
部、ダイヤモンド層外周部、DLC層外周部で各々、16,1
7,5μmであった。中心部とダイヤモンド層外周部のダ
イヤモンド付着強度を測定したところ、それぞれ8.5な
らびに8.7Kg.f.mm/mm2であった。
[発明の効果] 本発明により、高速合成とされる減圧函体燃焼炎法よ
り更に高速のダイヤモンド析出が可能となり、しかも、
平坦性や付着強度の高いダイヤモンド膜が容易に得られ
るようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係わる方法の一例を示すダイヤモン
ド合成装置の概念図である。 1……函体、2……燃焼バーナー 3……リフレクター、4……基材 5……原料ガス制御器、6……圧力計 7……真空ポンプ、8……水冷ヒートシンク台 9……冷却水、10……支持台

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】函体中で雰囲気、圧力の制御を行い、ダイ
    ヤモンド析出用原料化合物を不完全燃焼領域を有するよ
    うに燃焼させ、該不完全燃焼領域中、または該領域の近
    傍の非酸化雰囲気中に、基材を設置してダイヤモンドを
    基材上に析出させる方法において、燃焼炎の不完全燃焼
    領域又は該領域近傍の非酸化雰囲気領域が幅広く確実に
    基材上に拡がるように、バーナー火口と基材間に火炎形
    状を制御する構造材を設置することを特徴とする気相法
    ダイヤモンドの合成法。
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