JP2002037669A - 炭化珪素材、耐プラズマ部材及び半導体製造用装置 - Google Patents

炭化珪素材、耐プラズマ部材及び半導体製造用装置

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JP2002037669A
JP2002037669A JP2000228439A JP2000228439A JP2002037669A JP 2002037669 A JP2002037669 A JP 2002037669A JP 2000228439 A JP2000228439 A JP 2000228439A JP 2000228439 A JP2000228439 A JP 2000228439A JP 2002037669 A JP2002037669 A JP 2002037669A
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plasma
carbide material
cvd
carbon
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JP2000228439A
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Masaaki Obata
正明 小畑
Hidemi Matsumoto
秀美 松本
Hidehiro Nanjiyou
英博 南上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高純度で、長時間にわたり安定した体積抵抗率
を示す、信頼性の高い炭化珪素材、耐プラズマ部材及び
半導体製造用装置を提供する。 【解決手段】ラマン分光分析において、カーボン及び炭
化珪素に由来するピークが、それぞれ1500〜160
0cm-1、700〜1000cm-1に存在し、前記カー
ボンに由来するピーク強度が、前記炭化珪素に由来する
最大のピーク強度に対して0.01〜0.3の範囲であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体表面に気相法
により形成した炭化珪素材、特に成膜後に基体を除去し
て得られ、フォーカスリング、シャワーヘッド、クラン
プリング、シールドリングなどに用いられる炭化珪素
材、耐プラズマ部材及びそれを用いた半導体製造用装置
に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、CVD(Chemical Vapor Depos
ition:化学気相成長法)法で作製されたセラミックス
が、高純度、高強度であること等から、半導体製造用装
置を構成する部品として用いられてきた。特に、サセプ
タ、拡散炉の構成部品及びプラズマエッチング装置のフ
ォーカスリング等の部品として使用されている。
【0003】フォーカスリングは、プラズマに接するた
め消耗が激しく、1mm以上の厚みにするため、コーテ
ィング品では対応しにくいため、自立型の炭化珪素材が
求められている。ここで、自立型の炭化珪素材とは、C
VD法により形成された炭化珪素膜と基体との複合体で
はなく、基体を除去した、CVD法により作製されたセ
ラミックスのみからなる成形体のことをいう(以後、C
VD自立体と記す)。
【0004】CVD自立体の製造方法については、例え
ば、基体表面にシリコン層を形成し、次いでCVD法に
より炭化珪素層を形成、シリコン層をエッチング除去し
て炭化珪素のCVD自立体を得る方法や基体を機械加工
で除去してCVD自立体を得る方法などがある。
【0005】このようなCVD法によって製造した炭化
珪素材が、半導体製造プロセスのうち、特にPVDやC
VD等の成膜プロセスやエッチングプロセスにおいて多
用されてきた。
【0006】ところで、炭化珪素は、2.2〜3.3e
Vのバンドギャップを持ち、理論的には絶縁体としての
電気抵抗性を示す。しかし、実際には、炭化珪素の電気
抵抗性は、含有される不純物の種類や含有量の影響を強
く受け、一般に不純物量が増加すると電気抵抗は低下す
ることが知られている(例えば、Journal of the Ceram
ic Society of Japan 100 [10] 1992,1225-1229)。焼
結助剤を使用しないCVD法により得られる炭化珪素
は、通常の焼結法で得られた炭化珪素と比較すると高純
度であるためその電気抵抗は高くなるが、CVDプロセ
ス中に混入する不純物の影響を受け変動し易く、制御が
難しかった。
【0007】そこで、炭化珪素の電気抵抗を制御するた
め、特開平11−121311号公報では、高抵抗の炭
化珪素のCVD自立体の表面に、炭化珪素の炭素の一部
を硼素(B)、アルミニウム(Al)、窒素(N)、リ
ン(P)又は砒素(As)等の3族又は5族の元素によ
って置換し、比抵抗5×103Ω・cm以下の帯電防止層
を形成する方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
CVD法で作製した炭化珪素材は体積抵抗率がばらつく
ため、腐食速度が大きくしたり、不均一なエッチング状
態を誘起したり、又、歩留まりの低下をもたらすという
問題があった。また、頻繁なメンテナンスが必要とな
り、スループットの低下とコストの上昇を招くという問
題があった。
【0009】また、特開平11−121311号公報に
記載の方法では、時間の経過と共に帯電防止層が消耗す
るため、抵抗は徐々に高くなり安定しない。特に、この
方法を、フォーカスリング、シャワーヘッド、クランプ
リング、シールリング等の耐プラズマ材に適応する場
合、プラズマが不均一になりやすく、長時間にわたって
安定したプラズマ状態を得ることができない。
【0010】そして、3族又は5族の元素は、ジボラン
(B26)やホスフィン(PH4)等の危険なガスを使
用するため、大規模な安全装置を設け、その維持管理に
傾注する必要が生じ、上記の3族又は5族の元素を含ん
だ帯電防止層を十分に厚くし、または3族又は5族の元
素を含んだ炭化珪素からなるCVD自立体を作製するこ
とは、コストが高くなり工業上の利用には困難が伴う。
【0011】本発明は、高純度で、長時間にわたり安定
した体積抵抗率を示す、信頼性の高い炭化珪素材、耐プ
ラズマ部材及び半導体製造用装置を提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の炭化珪素材は、
炭素を含み、炭素と炭化珪素の比とをラマン分光分析に
よって特定することにより、体積抵抗率を一定の範囲に
制御し、その結果安定したプラズマ状態を維持できると
いう知見に基づくものである。
【0013】即ち、ラマン分光分析において、カーボン
及び炭化珪素に由来するピークが、それぞれ1500〜
1600cm-1、700〜1000cm-1に存在し、前
記カーボンに由来するピーク強度が、前記炭化珪素に由
来する最大のピーク強度に対して0.01〜0.3の範
囲であることを特徴とするものであり、また、3C型結
晶を主体とする炭化珪素からなり、室温の体積抵抗率が
103〜107Ωcmであることを特徴とするものであ
る。
【0014】これにより、長期間にわたり均一な分布状
態のプラズマが得られ、製造条件が安定し、再現性向
上、及び歩留まり向上を図ることができ、また、耐プラ
ズマ性が向上し、炭化珪素材の寿命を延ばすことができ
る。
【0015】即ち、プラズマと接する部材の電気抵抗が
安定するため、該部材とプラズマとの相互作用が一定に
なり、その結果、プラズマの発生位置が部位によって異
なったり、あるいはプラズマが均等に分布せず、局所的
に強いところや、逆に局所的に弱いところが発生したり
することを防止できる。そして、ウエハが均一に処理さ
れ、不良の抑制につながる。
【0016】さらに、珪素以外の金属成分が0.1重量
%以下であることが好ましい。これにより、プラズマ処
理中に該金属成分が上記炭化珪素表面に露出することが
少なくなり、露出部分へのプラズマ集中による局所腐食
を低減することができる。
【0017】また、本発明の耐プラズマ部材は、本発明
の炭化珪素材からなり、プラズマ発生装置内の構成部材
として用い、プラズマと接触することを特徴とするもの
である。この部材を用いることにより、長期間にわたり
均一な分布状態のプラズマが得られ、製造条件が安定
し、再現性向上、及び歩留まり向上を図ることができ
る。
【0018】さらに、本発明の半導体製造用装置は、少
なくともプラズマを内部に形成する装置であって、該装
置内の一部に本発明の炭化珪素材及び/又は本発明の耐
プラズマ部材を用いたことを特徴とする。この装置を使
用することにより、長期間にわたり均一な分布状態のプ
ラズマが得られ、製造条件が安定し、再現性の高いプラ
ズマ処理が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、プラズマを用いた処理
装置においてプラズマと接触する炭化珪素材の体積抵抗
率の値を一定の範囲に制御することによって、プラズマ
状態を安定させ、プラズマ処理の再現性を向上させるも
のである。
【0020】本発明の炭化珪素材は、ラマン分光分析に
おいて、1500〜1600cm-1にカーボンに由来す
るピークが存在し、700〜100cm-1に炭化珪素に
由来するピークが複数存在する。この複数の炭化珪素に
由来するピークのうち、最大のピークの強度に対して、
上記カーボンに由来するピーク強度が0.01〜0.3
であることを特徴とするものである。このピーク強度比
は、特に0.05〜0.25、さらには0.1〜0.2
が好ましい。
【0021】図1は、本発明の炭化珪素材のラマン分光
分析結果の一例である。日本光学社製ラマン分光装置を
用いて、500〜1700cm-1の範囲で測定を行った
結果、(1)774.5cm-1、(2)798.5cm
-1、(3)973cm-1及び(4)1534.5cm-1
の4つのピークが観察された。(1)〜(3)は炭化珪
素に起因するピークであり、(4)はカーボンに由来す
るピークである。
【0022】炭化珪素のピークのうちで最大は(2)で
あるため、本発明で規定する炭化珪素に対するカーボン
のピーク強度比は、ピーク(2)に対するピーク(4)
の強度比(4)/(2)を示すものである。ここで言う
ピーク強度は、バックグランドを除去したピークの高さ
である。図1の炭化珪素材の場合、ピーク強度比(4)
/(2)は、0.074である。
【0023】このピーク強度比が小さくなると体積抵抗
率は高くなり、ピーク強度比が大きくなると体積抵抗率
は低くなる。即ち、ピーク強度比が0.01未満である
と、体積抵抗率が107Ωcmを越えてしまい、ウエハ
上のプラズマ分布の均一性が低下する。また、ピーク強
度比が0.3を越えると、体積抵抗率が103Ωcmに
満たなくなり、プラズマが炭化珪素材に接近し、腐食速
度が高まって寿命が短くなる。
【0024】また、カーボンに由来するピークは、グラ
ファイト、ダイヤモンド及びダイヤモンドライクカーボ
ンを包含する。これらのうち、耐食性を向上する観点
で、ダイヤモンド及びダイヤモンドライクカーボンであ
ることが好ましい。これらの違いは、ピーク形状により
判断することが可能である。
【0025】本発明の炭化珪素材は、3C型結晶を主体
とする炭化珪素からなり、室温の体積抵抗率が103
107Ωcmであることが重要である。即ち、3C型結
晶以外の結晶型が主体の時、体積抵抗率の制御が難しく
なる。また、107Ωcmを超えると、炭化珪素材のプ
ラズマを遠ざける作用が強くなるため、プラズマの分布
状態が不均一になり、103Ωcmに満たないとプラズ
マによる腐食が早まり、寿命が短くなる。
【0026】なお、炭化珪素は、3C型結晶が主体であ
れば6H等の他の結晶型が入っていても差し支えない。
なお、3C型結晶とはβ型とも呼ばれる立方晶炭化珪素
を示し、6H型結晶とはα型とも呼ばれる六方晶炭化珪
素を示す。
【0027】さらに、上記炭化珪素に含まれる珪素以外
の金属成分は0.1重量%以下であることが好ましく、
特に0.05重量%以下、さらには0.03重量%以下
が好適である。上記の珪素以外の金属成分が0.1重量
%を超えると、プラズマ処理中に該金属成分が上記炭化
珪素表面に露出することが多くなり、その結果、プラズ
マが金属成分を有する表面部位に集中し、局所的な腐食
が進むという問題が起こりやすくなる傾向がある。
【0028】以上のように、本発明では、体積抵抗率を
調整し、カーボンと炭化珪素との比を特定の範囲内にす
ることにより、高純度で、長時間にわたり均一で安定し
た体積抵抗率を示す、信頼性の高い炭化珪素材を実現で
きる。
【0029】次に、本発明の炭化珪素材の製造方法につ
いて述べる。
【0030】まず、CVD装置を用意する。例えば熱C
VD、プラズマCVD、マイクロ波プラズマCVD、光
CVD、MOCVD等種々の方式が開発されており、い
ずれの方法でも良いが、析出速度が高く、反応機構が単
純で、大型および複雑形状品の製造に適し、CVD自立
体の製造に適するため、熱CVD法が好ましい。
【0031】また、熱CVD法によりピーク強度比が制
御された本発明の炭化珪素材を作製するには、CVD反
応を基板上の狭い範囲で行うことが重要となる。即ち、
コールドウォール型と呼ばれるCVD装置を使用するこ
とが重要であり、CVD炉内に大量の基板を設置し、C
VD炉全体を加熱して原料ガスを供給する、ホットウォ
ール型と呼ばれるCVD装置では、各基板でのCVD条
件、特に原料濃度等がガスの流れ方向で変化し、不均一
になるため、本発明の炭化珪素部材を作製することは難
しい。
【0032】上記のコールドウォール型CVD装置の一
例を、図2に示す。このCVD装置は、反応炉1と、排
気系2と、ガス導入系3と、サセプタ4を具備し、サセ
プタ4の上に基体5が設置されている。反応炉1の外側
には高周波コイル6があり、この高周波コイル6に高周
波が印可され、高周波誘導加熱によって基体が加熱され
る。
【0033】CVD反応は高温で起こり、一定の温度以
上になっている部位に析出物が堆積する。従って、基体
5及びその近傍のみを高温に保つため、サセプタ4は断
熱材からなることが好ましい。
【0034】また、ラマン分光分析におけるピーク強度
比を0.01〜0.3にするために、基体の温度及び水
素に対する原料ガスの濃度等のCVD条件を一様にして
炭化珪素を形成することが必要である。
【0035】使用する原料は、SiとCとが供給される
ものであれば、特に限定されるものではないが、特に、
MTS(CH3SiCl3)、(CH32SiCl2
(CH33SiCl、(CH34Si等のSiとCとの
含有する化合物、及びSiCl4、SiH4、Si26
と炭化水素(メタン、エタン、プロパン、エチレン、ア
セチレン等)と混合ガス、あるいは上記のガスの混合し
たものが好ましい。
【0036】図2に示す装置に、断熱材からなるサセプ
タ上に基体を設置し、水素ガスを流し、装置内の圧力を
0.1Paに調節し、高周波により基板及びその近傍の
みを加熱する。基板温度は、熱電対で測定され、一度C
VD温度よりも高い温度で0.1〜5時間加熱した後、
CVD温度にする。CVD温度にして10〜60分後、
原料ガスを流し、圧力を一定に調整する。これらの条件
は、基体形状、ガスの流れ、原料の種類等によって異な
る。
【0037】例えば、MTSを用いる場合、CVD温度
は1200〜1800℃、特に1300〜1650℃、
さらには1400〜1550℃が好ましい。また、圧力
は、1Pa〜100kPa、特に100Pa〜50kP
a、さらに1〜20kPaが好ましい。そして、原料濃
度は、原料流量と水素等のキャリアガスのガス流量比で
決定する。
【0038】特に、ピーク強度比は、CVD条件、特に
原料濃度やCVD温度を制御することにより制御するこ
とができ、例えば、メチルトリクロルシランと水素を原
料とする場合には、メチルトリクロルシラン濃度の高い
程ピーク強度比は大きくなる。
【0039】また、本発明の耐プラズマ部材は、上記の
炭化珪素材をプラズマ発生装置内の構成部材として用い
るもので、プラズマに対する寿命を延ばすことができ
る。その理由は必ずしも明確ではないが、体積抵抗率が
プラズマを103〜107Ωcmの範囲になり、プラズマ
が炭化珪素材から離れるため、イオン衝撃が少なくな
り、物理エッチングと化学エッチングの相乗効果を低下
させる結果であると考えられる。
【0040】本発明の耐プラズマ部材は、例えば、半導
体製造用装置としてフッ素や塩素などのハロゲンを含む
ガスのプラズマを使用する装置、特にエッチング装置に
おける、フォーカスリング、シャワーヘッド、クランプ
リング、シールドリング、真空壁、ドームなどに好適に
用いられる。
【0041】さらに、本発明の半導体製造用装置は、少
なくともプラズマを内部に形成する装置であって、装置
内の一部に上記の炭化珪素材及び/又は上記の耐プラズ
マ部材を用いたことを特徴とするもので、エッチング装
置やプラズマCVD装置等がある。これにより、信頼性
の高い半導体製造用装置を実現できる。
【0042】
【実施例】メチルトリクロルシラン、水素を原料とし
て、表1に示す条件で、熱CVD法により成膜を行い、
黒鉛基体(東洋炭素社製SIC12材)上に炭化珪素膜
を形成した。
【0043】熱CVD装置は、高周波誘導加熱により基
体を加熱するもので、周波数は20kHzであった。断
熱材からなる基体支持体上に黒鉛基体を配置し、水素を
流しながら昇温し、所定の温度に達した後、反応ガスを
流し、基体上に炭化珪素を成膜した。
【0044】さらに、一部の試料については、引き続い
て、反応ガスに三塩化ホウ素(BCl3)を所定量混入
し成膜を行い、厚さ1μmの、ボロンを含んだSiC層
を形成した。条件を表1に示した。
【0045】続いて機械加工により黒鉛基体を除去し、
20×20×2mmの角柱形状で、CVD自立体からな
る試料1と、70φ(外径)×50φ(内径)×2tm
mのリング形状で、CVD自立体からなる試料2と、2
0φ×2tmmの円板形状で、CVD自立体からなる試
料3とを得た。
【0046】得られた試料1を、ラマン分光分析法にて
測定し、1500〜1600cm-1付近のカーボンに由
来するピークと、780〜970cm-1付近の炭化珪素
に由来するピークの強度比(ラマン比)を調べ、さらに
X線回折によりその結晶型を調べた。
【0047】また、珪素以外の金属含有量は、アルカリ
溶解法により硼酸と炭酸ナトリウムで融解した後塩酸に
溶解し、ICP発光分光分析で測定した。
【0048】さらに、室温(25℃)の体積抵抗率は、
試料3の両面に直径10mmの電極を塗り、超絶縁抵抗
計(東亜電波工業製DSM-515A型)とマルチメータ(リー
ダー856G型)を使用して、JIS C2141−199
2に準拠して3端子法で測定した。
【0049】さらにまた、試料1を用いて耐プラズマ性
を調べた。即ち、25℃においてCF4(60scc
m)+Ar(60sccm)のフッ素系プラズマに10
時間曝し、重量変化からエッチング率を算出した。そし
て、曝露後に上記の方法で体積抵抗率を測定し、プラズ
マに曝される前後での体積抵抗率の変化について調べ
た。
【0050】また、試料2については、その内径内に径
50mmのシリコンウエハを置き、RIEプラズマエッ
チング装置にて、25℃において、CF4(60scc
m)+Ar(60sccm)のフッ素系プラズマに3時
間曝した後、シリコンウエハの中央部と外周部を切り出
し、その断面をSEMにて観察し厚さを測定、シリコン
ウエハの中央部と外周部でエッチング率を算出して差を
求め、中央部のエッチング率に対するばらつきを%で示
した。結果を表1に示す。
【0051】
【表1】 本発明の炭化珪素材である試料No.1〜9は、いずれ
もエッチング前後での体積抵抗率の変化が無く、プラズ
マエッチング率が80nm/min以下と低く、ばらつ
きが0.4%と小さく、ウエハエッチングの均一性は良
好であった。なお、試料No.7の炭化珪素の結晶型
は、3Cが主であり、6Hがわずかに観察された。
【0052】一方、カーボンに由来するピークが観察さ
れず、本発明の範囲外のNo.10は、エッチングばら
つきが1.8%と大きく、ウエハ表面でプラズマが不均
一に発生していることがわかった。
【0053】また、カーボンに由来するピーク強度が、
前記炭化珪素に由来するピーク強度に対して0.35と
本発明の範囲外の試料No.11は、体積抵抗率が102
Ωcmと低くなり、その結果エッチング率が158nm
/minと大きく、耐プラズマ性が低かった。
【0054】試料No.12は比較例で、試料No.1
0と同様の条件作製されたものの表面に、ボロンを含ん
だ表面層を形成したものである。プラズマ暴露により表
面層が消耗し、曝露によって体積抵抗率が104Ωcm
から108Ωcmに大きく変化し、経時変化が大きかっ
た。
【0055】
【発明の効果】本発明の炭化珪素材は、体積抵抗率を調
整し、カーボンと炭化珪素との比を特定の範囲内にする
ことにより、高純度で、長時間にわたり均一で安定した
体積抵抗率を示す、信頼性の高い炭化珪素材を実現でき
る。均一処理及び再現性の高い処理を行うことのできる
適当な体積抵抗率を有し、耐プラズマ部材としての使用
に好適である。、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化珪素材のラマン分光分析結果であ
る。
【図2】本発明の炭化珪素材の製造に用いたCVD装置
の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・反応炉 2・・・排気系 3・・・ガス導入系 4・・・サセプタ 5・・・基体 6・・・高周波コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/205 C04B 35/56 101N 21/3065 H01L 21/302 C Fターム(参考) 4G001 BA77 BB22 BB60 BB71 4G046 MA14 MB03 MB08 MC02 4K030 AA06 AA09 AA17 BA37 EA04 FA10 GA02 KA46 LA01 5F004 AA01 BA04 BB23 BB29 DA01 DA23 DB01 5F045 AA08 EF05 EH06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラマン分光分析において、カーボン及び炭
    化珪素に由来するピークが、それぞれ1500〜160
    0cm-1、700〜1000cm-1に存在し、前記カー
    ボンに由来するピーク強度が、前記炭化珪素に由来する
    最大のピーク強度に対して0.01〜0.3の範囲であ
    ることを特徴とする炭化珪素材。
  2. 【請求項2】3C型結晶を主体とする炭化珪素からな
    り、室温の体積抵抗率が103〜107Ωcmであること
    を特徴とする炭化珪素材。
  3. 【請求項3】珪素以外の金属成分が0.1重量%以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の炭化珪素
    材。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の炭化珪
    素材からなり、プラズマ発生装置内の構成部材として用
    いられることを特徴とする耐プラズマ部材。
  5. 【請求項5】少なくともプラズマを内部に形成する装置
    であって、該装置内の一部に請求項1乃至3のうちいず
    れかに記載の炭化珪素材及び/又は請求項4記載の耐プ
    ラズマ部材を用いたことを特徴とする半導体製造用装
    置。
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