JP2831975B2 - 電気亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents
電気亜鉛系めっき鋼板Info
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Description
気亜鉛系めっき鋼板に関し、この亜鉛系めっき鋼板は、
自動車や家電製品、OA機器などの外板材や建材等に上
塗り塗装無しで用いられる亜鉛系めっき鋼板として有用
である。
と外観を有しているところから、自動車や家電製品、O
A機器等の外板材、更には建築材料等として広く実用化
されている。
た耐食性を活用して主に塗装下地用として使用されてお
り、その表面は上塗り塗装によって隠蔽されるところか
ら、該めっき層表面の外観特性が特に重視されることは
なかった。ところが近年、ユーザー側での工程簡略化と
コストダウンのため、上塗り塗装工程の省略乃至簡略化
が進み、電気亜鉛系めっき鋼板を塗装無しでそのまま裸
使用するケースが増大してきている。この際には、電気
亜鉛系めっき鋼板の表面にクロメート処理等の各種化成
処理や薄膜タイプの有機系ないし無機系のクリアー皮膜
処理を施し、耐食性を更に高めると共に、加工性や耐指
紋性、潤滑性、溶接性、アース性(導電性)等を付与
し、上塗り塗装無しで用いられる。
外観が実質的にそのまま製品の外観として現われてくる
ので、該めっき鋼板としての外観特性は極めて重要にな
ってくる。そして、該めっき鋼板の外観特性のうち色調
については、当然のことながら明るい方が好まれること
から、特に明るい色調(即ち、明度の高い特性)に対す
るユーザー側の要求は一段と厳しくなっている。
系めっき鋼板を製造する方法が幾つか提案されている。
例えば特公平5−36514号公報には、電気亜鉛系め
っき層における特定結晶面の配向性を規定し、具体的に
は(00・2)面配向指数を0.5以上とし、且つ(1
0・1)面配向指数を1.0以下に抑えることによっ
て、色調の明るいクロメート処理電気亜鉛系めっき鋼板
が得られるとの記載が見られる。
上記と同様に電気亜鉛系めっき層における特定結晶面の
配向性を規定する技術が開示されており、具体的には
(10・3)面配向指数を1.0以上、(10・1)面
配向指数を1.0以下とし、あるいは(11・0)面配
向指数を0.6以上、(10・1)面配向指数を1.0
以下とし、更には、上記いずれかの面配向指数を満足し
つつ(00・2)面配向指数を1.0以下に抑えること
により、色調の明るいクロメート処理電気亜鉛系めっき
鋼板を得ている。
めっき層における特定結晶面の配向性を規定することに
よりめっき層表面の明度を高める技術であり、該めっき
層表面にクロメート等の化成処理を施し、あるいは更に
有機系のクリアー皮膜を形成した場合でも明度の低下を
可及的に抑え、結果として色調の明るい電気亜鉛系めっ
き鋼板を得るところにその特徴を有している。又これら
の公報によると「色調の明るい」ことの具体的基準は、
「明度(L値)で55以上」と記載されており、この基
準を満たすものは、ユーザーの色調に対する要求を十分
満足するものと評価している。
種々検討を重ねるうち、電気亜鉛系めっき層の色調(明
度)は、確かに前記公報に記載されている様に特性結晶
面の配向性の影響を受けるが、それらの配向性を規定す
ることによって常に安定した明度が得られる訳ではな
く、確実性において必ずしも満足し得るものとは言えな
い。また、近年ユーザーが求める明度のレベルはますま
す厳しくなっており、「明度55以上」といった基準で
はユーザーの要望を満たし得なくなっているのが実状で
ある。具体的には、電気亜鉛系めっきままの状態でL値
80以上、クロメート皮膜処理後の状態でL値75以
上、更に薄膜クリアー皮膜を形成した後のL値でも70
以上、といった非常に高レベルの明度が必要となってく
る。
たものであって、その目的は、従来レベルの明度を凌駕
し、電気亜鉛系めっきままの状態でL値80以上、クロ
メート皮膜処理後の状態でL値75以上、薄膜クリアー
皮膜処理を施した後のL値でも70以上、といった高レ
ベルの明度の要求を満足し得る様な電気亜鉛系めっき鋼
板を提供しようとするものである。
のできた本発明に係る電気亜鉛系めっき鋼板とは、鋼板
の片面もしくは両面に電気亜鉛系めっき層が形成された
電気亜鉛系めっき鋼板において、該亜鉛系めっき層の
(00・2)面の配向指数が1.0以上、(10・1)
面の配向指数が1.0以下であり、且つ (10・3)面の配向指数が2.0以上であるか、も
しくは [(00・2)面と(10・3)面の配向指数の和]
/[(10・1)面の配向指数]比が4.5以上 である、極めて色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼板であ
る。
明るさ(明度)の故に、そのままで自動車や家電製品、
OA機器等の外板材や建材などとして有効に活用するこ
とができるが、更に耐食性、加工性、耐指紋性等の一層
の向上を期して、クロメート皮膜処理や薄膜の有機系も
しくは無機系クリアー皮膜処理を施して使用することも
有効であり、クロメート皮膜処理を行なう時の好ましい
付着量は、Cr換算で50mg/m2 以下、クリアー皮
膜処理を行なう時の好ましい付着量は、乾燥重量で2g
/m2 以下にそれぞれ抑えることが望ましい。
ままの状態で表面の明度を、JISZ 8730によっ
て測定されるL値で80以上、またクロメート皮膜処理
後の状態で同L値が75以上、更には薄膜クリアー皮膜
処理を施した状態でも同L値を70以上の卓越した明度
にすることが可能となる。
追って本発明を詳細に説明する。本発明者らは、電気亜
鉛系めっき鋼板の一般的な工業的製法として多用されて
いる不溶性電極を用いた硫酸系電気亜鉛系めっき浴を使
用し、浴pH、浴温度、電流密度、浴流速、めっき浴組
成などのめっき処理条件を種々変化させ、得られる電気
亜鉛系めっき鋼板の色調とめっき層の結晶面配向性の関
係を詳細に調査した。
8730に規定されている明度(L値)によって評価
し、まためっき層の結晶面配向性は、X線回折測定によ
って得られる回折ピークから下記の方法で算出した。
晶面(hk・l)の回折ピーク強度値(cps)をI
(hk・l)とする。 次に、標準亜鉛粉末を用いた場合の各結晶面(hk・
l)の標準回折ピーク強度値(cps)をIs (hk・
l)とする(添字のsはstandardを意味している)。
各結晶面の配向指数を、下記式から求めた値Ico(hk
・l)と定義する(添字のcoはcrystalorientation
を意味している)。 Ico(hk・l)=I/Is 但し I=I(hk・l)/{I(00・2)+I(10・0)+I(10・1)+I(10・2)+I(10・
3)+I(11・0)} Is =Is(hk・l)/{Is(00・2)+Is(10・0)+Is(10・1)+Is(10・
2)+Is(10・3)+Is(11・0)} 即ち、電気亜鉛系めっき層の結晶面(hk・l)におけ
る配向指数Ico(hk・l)とは、亜鉛めっき層の結晶
面(hk・l)の相対回折強度Iを、亜鉛粉末における
同一の結晶面(hk・l)の相対強度Is で除して補正
した値を意味する。
おける(00・2)面配向指数と(10・1)面配向指
数が、めっき層表面の明度に及ぼす影響を示したグラフ
であり、この図からも明らかである様に、(00・2)
面配向指数が1.0以上で、且つ(10・1)面配向指
数が1.0以下の領域において、明度(L値)が80以
上の非常に高レベルの値を示すものが認められる。しか
し一方では、上記領域内においても、明度(L値)が6
5以下の低レベルの値を示すものも確認される。
以上の高レベルのL値を得るには、既に確認されている
「(00・2)面配向指数が0.5以上で、且つ(10
・1)面配向指数が1.0以下」といった2つの要件だ
けでは尚不十分である、との結論に達した。
前提の下でも、色調に更に他の結晶面配向が少なからぬ
影響を及ぼしていると考え、(00・2)面および(1
0・1)面以外の結晶面配向指数が明度に与える影響を
詳細に検討した結果、 (10・3)面配向指数の大小、あるいは、 [(00・2)面と(10・3)面の配向指数の和]
/[(10・1)面の配向指数]比 によって明度に顕著な差異が現われ、(10・3)面の
配向指数が2.0以上、特に2.5以上であるか、ある
いは上記面配向指数比が4.5以上であるものは、安定
して非常に優れた明度を示すことが確認された。
が1.0以上で、且つ(10・1)面配向指数が1.0
以下の領域にある電気亜鉛系めっき鋼板において、(1
0・3)面配向指数と明度の関係を調べた結果を示すグ
ラフであり、(10・3)面配向指数が2.0以上、特
に2.5以上であるものの明度はいずれも80以上の非
常に高い値を有しているのに対し、(10・3)面配向
指数が2.0未満であるものの明度はいずれも65以下
の低い値しか示していない。
1.0以上で、且つ(10・1)面配向指数が1.0以
下の領域にある電気亜鉛系めっき鋼板において、[(0
0・2)面と(10・3)面の配向指数の和]/[(1
0・1)面の配向指数]比と明度の関係を調べた結果を
示すグラフであり、上記比が4.5以上であるものの明
度はいずれも80以上の非常に高い値を有しているのに
対し、該比が4.5未満であるものの明度はいずれも6
5以下の低い値しか示していない。
値が80以上の非常に優れた明度を持った電気亜鉛系め
っき層を得るには、(00・2)面配向指数を1.0以
上で、且つ(10・1)面配向指数を1.0以下とする
だけでなく、(10・3)面配向指数を2.0以上、特
に2.5以上とするか、あるいは[(00・2)面と
(10・3)面の配向指数の和]/[(10・1)面の
配向指数]比を4.5以上にすることが不可欠であり、
且つこれらの面配向指数や関係式を満たす電気亜鉛系め
っき層は、常に安定してL値が80以上の非常に高い値
を確保することができるのである。
する為の具体的手段は特に制限されず、また各結晶面の
配向指数は様々の因子によって変わってくる為、その達
成条件を一義的に決めることはできない。例えば、工業
的規模で一般的に採用される酸性浴による電気亜鉛系め
っき方法においては、めっき電流密度、電流の連続的増
減や断続的通電、めっき浴組成の電導度、pH、浴中不
純物(有機系あるいは無機系)の種類やその濃度、浴中
添加物の種類やその濃度、めっき浴−素材鋼板間の相対
流速など、様々の因子が各結晶面の配向指数に影響を与
えると考えられるので、現場の状況に応じて、上記各配
向指数や関係式を満たし得る様にそれらの条件を夫々単
独であるいは複合して制御する方法が採用される。その
場合、現場の状況を加味した予備実験によってその条件
を予め設定しておけば、十分な再現性を確保することが
できる。
層における(00・2)面、(10・1)面の配向指数
を設定すると共に、(10・3)面の配向指数の値、あ
るいは[(00・2)面と(10・3)面の配向指数の
和]/[(10・1)面の配向指数]比を特定すること
によって、従来レベルを凌駕する高レベルの明度を確保
したところにその特徴を有するものであり、めっき付着
量等には特に制限がないが、めっき付着量が少な過ぎる
と、本来の耐食性が不十分になる嫌いがあるので、好ま
しくは3g/m2 以上、より好ましくは10g/m2 以
上、更に好ましくは20g/m2 以上とすることが望ま
しい。一方めっき付着量の上限については、付着量の増
大に伴う電力コスト等も総合的に考慮して好ましくは1
00g/m2 以下、より好ましくは60g/m2 以下、
更に好ましくは40g/m2 以下に抑えるのが一般的と
いえる。
その用途に応じて鋼板の片面側のみに形成し、あるいは
両面に形成することが可能である。更には、上記亜鉛系
めっき層の形成に先立って、下地めっき層としてNi,
Ni−Co,Ni−P等のNi系めっき、Zn−Ni,
Zn−Fe,Zn−Cr等のZn系めっき、Fe−P,
Fe−B等のFe系めっき等を施した多層めっき構造と
することも勿論可能である。
めっき層が形成された本発明の電気亜鉛系めっき鋼板
は、その優れた明度の故にそのままで製品化し得る他、
必要によっては更に耐食性、加工性、耐指紋性等の一層
の改善を期してその表面にクロメート等の化成処理皮膜
を形成したり、薄膜の有機系もしくは無機系のクリアー
皮膜を形成することも有効である。
形成すると、以下に説明する様に表面の明度が若干低下
する傾向が見られるが、それでもL値で70以上であ
り、従来の電気亜鉛系めっき鋼板に比べると格段に優れ
た明度が確保される。
と明度の関係を調べた結果を示したグラフであり、クロ
メート付着量の増大につれて明度は僅かに低下する傾向
が伺われ、付着量が多くなり過ぎるとその低下が軽視で
きなくなる。そして、クロメート皮膜形成後の明度でL
値75レベル以上を確保するには、クロメート皮膜の付
着量をCr換算で50mg/m2 以下、より好ましくは
30mg/m2 程度以下に抑えることが望ましく、この
程度の付着量であれば、明度以外の色調の尺度であるb
値が増加し、外観が黄色味を帯びるといった問題も生じ
ない。
は、電気亜鉛系めっき層表面の耐白錆性(耐食性)の向
上にあるが、こうした目的からすればCr換算の付着量
で10〜30mg/m2 程度で十分であるから、明度の
低下を避けるために耐食性を犠牲にするといった懸念も
生じない。
格別の制限はなく、所謂反応型クロメート処理、電解ク
ロメート処理、塗布型クロメート処理等のいずれを採用
してもよく、場合によってはそれらを組合せて実施する
ことも可能である。また、クロメート皮膜の耐食性や耐
疵付き性、耐黒変性などを一層高めるため、シリカ等の
各種酸化物や有機シラン系化合物、更にはリン酸、硝
酸、ふっ化物、珪・ふっ化物などの反応促進剤などを適
量含有させたクロメート処理液を使用することも有効で
ある。
に薄膜クリアー皮膜を形成したときの明度に与える影響
を示したグラフであり、クリアー皮膜の形成によっても
明度の低下が認められる。そしてクリアー皮膜の付着量
が2g/m2 を超えると、本発明における明度の一応の
目標下限値であるL値で70を下回る恐れがでてくるの
で、クリアー皮膜の付着量は乾燥重量で2g/m2 以
下、より好ましくは1g/m2 以下に抑えることが望ま
しい。尚クリアー皮膜を形成する主たる目的は、耐食
性、加工性(潤滑性)、耐指紋性などの一層の向上にあ
り、こうした目的は一般にクリアー皮膜の付着量で0.
1〜2g/m2 程度で十分に達成される。従って、明度
の低下を避けるためにクリアー皮膜本来の目的・性能を
犠牲にするといった懸念も生じることがなく、且つこの
付着量範囲であれば、アース性や溶接性などが損なわれ
る恐れもない。
限はないが、好ましいものを例示すると、エポキシ系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレ
ン性不飽和カルボン酸を重合性分として含むエチレン共
重合体樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ア
クリル系樹脂、フッ素系樹脂等の有機樹脂を主体とし、
必要により耐食性、潤滑性、耐疵付き性、加工性、溶接
性、電着塗装性、塗膜密着性などの一層の向上を期して
シリカなどの各種酸化物粒子や各種リン酸塩などの無機
顔料、ワックス粒子、有機シラン化合物、ナフテン酸塩
等を含有せしめた有機系クリアー皮膜形成剤;あるい
は、珪酸ソーダ、珪酸カリ、珪酸リチウム等の珪酸塩を
主体とし、必要により造膜性、耐食性、潤滑性、耐疵付
き性、加工性、溶接性、電着塗装性、塗膜密着性などの
一層の向上を期してコロイダルシリカなどの各種酸化物
粒子や各種リン酸塩などの無機顔料、ワックス粒子、有
機シラン化合物等を含有せしめた無機系クリアー皮膜形
成剤、等が例示され、これらの中から1種もしくは2種
以上を任意に選択して使用することができる。また本発
明で使用する素地鋼板にも特に制限がなく、通常の軟鋼
板を初め、高強度鋼板や各種の合金鋼板が全てその対象
となる。
するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受
けるものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で
変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらは
全て本発明の技術範囲に包含される。
亜鉛系めっき鋼板を製造した。またその一部について
は、反応型クロメート処理を行なってクロメート皮膜を
形成し、更にはクロメート皮膜の上にクリアー皮膜を形
成した。
性ソーダ水溶液、60℃×2秒 (2) アルカリ水溶液電解脱脂:3重量%苛性ソーダ水溶
液、60℃×2秒 20A・dm2 (3) 水洗 (4) 酸洗:5重量%硫酸水溶液、40℃×2秒 (5) 水洗 (6) 電気亜鉛めっき: ・めっきセル:横形めっきセル ・電流密度:25〜200A/dm2 ・めっき浴温度:20,40,60℃ ・めっき浴流速:1,2m/sec ・電極(陽極):Pb合金電極 ・めっき付着量:20g/m2 (片面当たり) (7) 水洗(以下に示す(8) 〜(10)の後処理は、一部のも
のについて実施) (8) クロメート処理:反応型クロメート処理 Cr換算付着量10〜100mg/m2 (9) 水洗 (10)薄膜有機樹脂皮膜処理:架橋型ポリエチレン系樹脂
(コロイダルシリカ、ワックス粒子添加)、付着量0.
5〜5.0g/m2 (付着量の調整は、コーター塗布液
の固形分濃度とコーターロールの回転数、ニップ圧力に
よって実施) (11)乾燥
測定を行ない、亜鉛めっきの各結晶面の回折強度から配
向指数を算出した。また色差計を用いて、得られた電気
亜鉛めっき鋼板(クロメート処理材および薄膜有機皮膜
処理材を含む)の明度(L値)を測定し、下記表1に示
す基準で色調の明るさをランク分けした。結果を表2〜
5に示す。
る。本発明で規定する(00・2)面と(10・1)面
の配向指数が規定要件を満たし、且つ(10・3)面の
結晶面配向指数が要件を満足し、あるいは[(00・
2)面と(10・3)面の配向指数の和]/[(10・
1)面の配向指数]比が要件を満足する実施例は、いず
れも亜鉛めっきままの状態でL値が80以上、その上に
クロメート皮膜処理を施した状態でL値が75以上の高
い明度を有しており、更にその上に薄膜有機クリアー皮
膜処理を施したものでも、若干の明度の低下は認められ
るものの、L値で70以上の高い明度を保っている。
である様に、(10・3)面配向指数が2.0未満であ
っても、[(00・2)面と(10・3)面の配向指数
の和]/[(10・1)面の配向指数]比が4.5以上
の値を示すものは、非常に高い明度を示すことが分か
る。
結晶面配向指数のうち少なくとも1つが本発明の規定要
件を外れるか、あるいは[(00・2)面と(10・
3)面の配向指数の和]/[(10・1)面の配向指
数]比が要件を外れるものは、めっきままの明度が低
く、色調は暗くなっている。特に(00・2)面と(1
0・1)面の配向指数が規定要件を満たすものであって
も、(10・3)面の配向指数が本発明の規定要件を外
れ、あるいは[(00・2)面と(10・3)面の配向
指数の和]/[(10・1)面の配向指数]比が要件を
外れるものは、クロメート処理後、あるいは薄膜有機皮
膜形成後はもとより、めっきままの状態でも明度が著し
く低くなっている。
気亜鉛系めっき層における(00・2)面と(10・
1)面の各配向指数に加えて、(10・3)面の配向指
数、あるいは[(00・2)面と(10・3)面の配向
指数の和]/[(10・1)面の配向指数]比を規定す
ることによって、電気亜鉛系めっきままでL値80以
上、クロメート処理後の状態でもL値75以上、更に薄
膜クリアー皮膜形成後の状態でL値70以上といった高
レベルの明度を示す亜鉛めっき鋼板を得ることができ、
塗装なしめっき鋼板としての品質を大幅に改善し得るこ
とになった。
2)面の結晶配向性がめっき表面の明度に及ぼす影響を
調べた結果を示すグラフである。
向指数が、めっき表面の明度に及ぼす影響を調べた結果
を示すグラフである。
(10・3)面の配向指数の和]/[(10・1)面の
配向指数]比が、めっき表面の明度に及ぼす影響を調べ
た結果を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
に薄膜有機クリアー皮膜を形成したときの、該クリアー
皮膜付着量と明度の関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 鋼板の片面もしくは両面に電気亜鉛系め
っき層が形成された電気亜鉛系めっき鋼板において、該
亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向指数が1.0以
上、(10・1)面の配向指数が1.0以下であり、且
つ(10・3)面の配向指数が2.0以上であることを
特徴とする色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項2】 鋼板の片面もしくは両面に電気亜鉛系め
っき層が形成された電気亜鉛系めっき鋼板において、該
亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向指数が1.0以
上、(10・1)面の配向指数が1.0以下であり、且
つ[(00・2)面と(10・3)面の配向指数の和]
/[(10・1)面の配向指数]比が4.5以上である
ことを特徴とする色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項3】 上記亜鉛系めっき層の表面に、Cr換算
で50mg/m2 以下のクロメート皮膜が形成されてい
る請求項1または2記載の電気亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項4】 上記クロメート皮膜の上に、乾燥重量で
2g/m2 以下のクリアー皮膜が形成されている請求項
3記載の電気亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項5】 JIS Z 8730によって測定され
る明度(L値)が80以上である請求項1または2に記
載の電気亜鉛系めっき鋼板。 - 【請求項6】 JIS Z 8730によって測定され
る明度(L値)が75以上である請求項3記載の電気亜
鉛系めっき鋼板。 - 【請求項7】 JIS Z 8730によって測定され
る明度(L値)が70以上である請求項4記載の電気亜
鉛系めっき鋼板。
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