JP3364878B2 - 電気亜鉛系めっき鋼板およびその製法 - Google Patents

電気亜鉛系めっき鋼板およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観や色調にむら
がなく且つ高明度、高光沢の美麗な表面外観を有する電
気亜鉛系めっき鋼板とその製法に関するものであり、こ
のめっき鋼板は、たとえば自動車や家電製品、OA機器
などの外板材、あるいは建築材料等の如く上塗り塗装無
しで用いられるめっき鋼板として有効に活用できる。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛系めっき鋼板は、亜鉛系めっき
層が鋼板素材に対して犠牲防食作用を発揮して優れた耐
食性を示すところから、家電製品や自動車部品、建材等
を初めとして広く実用化されている。
【0003】ところで電気亜鉛系めっき鋼板は、その優
れた耐食性を生かして従来は主に塗装下地用として使用
されており、最終製品状態では亜鉛系めっき層は上塗り
塗料によって隠蔽されてしまうので、めっきの表面外観
が直接的に問題とされることはなかった。
【0004】ところが近年、ユーザー側での仕上げ塗装
工程省略化の要望から、電気亜鉛系めっき鋼板にクロメ
ート処理等の化成処理や薄膜有機クリアー樹脂処理等を
施して耐食性や耐指紋性、潤滑性(加工性)などを高め
ただけの実質的に裸(上塗り塗装なし)の状態で実用化
するケースが急増してきている。そうなると、亜鉛系め
っき層の表面外観がそのまま最終製品の外観となるた
め、亜鉛系めっき鋼板そのものの表面外観が重要な要求
特性となってくる。特にめっき表面の色調については、
部分的な色調の違いによる外観や色調のむらがないこと
はもとより、めっき表面の色調が明るい(即ち高い明度
を有する)めっき鋼板が必要になってくる。またユーザ
ーの要求は複雑多岐であり、例えば色調は明るい方が良
いが光沢についてはむしろ低めの方を好んだり、或は明
度、光沢ともに高い方が好まれる場合もあり、こうした
需要者の要望に応じた様々の表面外観を持っためっき鋼
板を用意する必要が生じてくる。
【0005】また電気亜鉛系めっき表面の部分的な外観
・色調むらは、めっき原板表面の不均一状態に起因して
発生すると考えられており、鋼板表面の酸化物皮膜層厚
さが不均一であったり、或は鋼中に含まれるNi,S
i,Mn,C等の元素が鋼板表面に局部的に偏析・濃化
していると、これらが原因して電気亜鉛系めっき表面に
外観・色調むらが生じる。
【0006】こうした電気亜鉛系めっき表面の外観・色
調むらは、上記の様にめっき原板の表面性状の不均一に
起因してめっき結晶がミクロ的に不均一になるためと考
えられているが、工業的規模で原板の表面性状を完全に
均一化することは極めて困難であることから、原板の表
面性状に多少の不均一が認められる場合でも、めっき表
面の外観・色調むらを可及的に少なくするための改善法
が種々提案されている。
【0007】それらの中でも代表的なのは、めっき層を
2層構造とし、下層のめっき条件あるいはめっき種を変
化させることによって、めっき原板表面の微細な不均一
を隠蔽し、その上に形成される通常の電気亜鉛系めっき
表面に原板表面の影響が及ばない様にする方法である。
具体的には、下地層にも亜鉛系めっきを施し、該亜鉛系
めっき層のめっき条件を適正に制御することにより均一
な亜鉛めっきを形成する方法として、特開平7−767
92号では、水溶性有機化合物を含む亜鉛系めっき浴を
用いて下地層の亜鉛系めっきを行なう方法、特開平7−
316878号には、高電流密度で下地亜鉛めっき層を
形成する方法を開示している。また下地めっき層に、め
っき原板表面の影響を受け難いめっき種を用いる方法と
して、特開平7−76793号ではNiめっき層を形成
する方法、特開平7−238387号ではNi−P,C
o−P等の非晶質の下地めっきを施す方法、特開平7−
278880号では、ポリオキシアルキレン誘導体やP
b,Sn,Sbの如き水素発生反応を抑制する物質をめ
っき浴に添加し、あるいは予め原板表面に付着させてお
く方法を提案している。
【0008】ところがこれらの方法は、亜鉛めっき表面
にめっき原板表面の不均一性状の影響が及ばない様に原
板表面を何らかの方法で隠蔽するものであり、最終表面
を構成する亜鉛めっき結晶に直接作用するものではな
い。しかも、これらの方法で形成される下地めっき層は
非常に薄いため、程度のひどいめっき原板の表面欠陥や
不均一は隠蔽し切れず、その上に形成される亜鉛系めっ
き表面の外観・色調むらを満足のいく程度まで軽減する
ことはできない。しかも上記公報には、明度や光沢に関
する記述は全くなされておらず、明度や光沢の改善手段
については明らかにされていない。
【0009】他方、明度の向上によりめっき外観・色調
を改善する方法としては、特開昭61−127891号
に非イオン性ポリアクリルアミドをめっき浴中に添加す
る方法、特開平8−74089号には、めっき表面の溝
部の深さを規定した製品およびその製法として各種カル
ボン酸をめっき浴中に添加する方法が開示されている。
これらはいずれも有機化合物をめっき浴中に添加するも
のであり、低pH域および電解条件下での添加剤の安定
性に問題があると共に、めっき浴内での定量分析が複雑
で且つ高精度の分析が困難であることから、工業的規模
での連続操業にはその実現性に疑問がある。また、特開
平4−124295号には、めっき浴中に0.01〜
0.1ppmの極く微量のSnイオンを添加することに
よって、めっき外観・色調を改善する方法を開示してい
る。ところが、この公報で明らかにされているのは高電
流密度で亜鉛めっき付着量40g/m2 以上の厚目付時
における光沢度向上効果のみであり、明度の向上効果お
よび薄目付け時の効果については明らかにされていな
い。しかもこれらの公報には、前記めっき原板の表面性
状に起因するめっき外観・色調むらについての記述は見
られない。
【0010】更に上記以外のめっき外観・色調改善法と
して、特開昭61−166992号には、めっき原板表
面のフェライト結晶粒度(結晶粒径)を規定する方法、
特開昭63−100193号には、電気亜鉛めっき処理
を行なう前に原板表面に薄い酸化皮膜を形成する方法を
開示しており、これらの方法を採用すれば、前述の如く
めっき浴に有機添加剤を添加することによって生じる問
題は回避される。ところが、全ての用途のめっき原板に
ついてその表面全域を好適なフェライト結晶粒度範囲内
に制御し、あるいは全面に均一な酸化皮膜を形成するこ
とは困難であり、フェライト結晶粒径の部分的な変化や
酸化皮膜の部分的な厚み変化により、却って新たなめっ
き外観・色調むらを起こすことがある。しかもこれらの
公報には、明度向上に関する記述は全くなされていな
い。
【0011】また特開平8−41679号には、明度が
高く且つめっき原板に起因するめっき外観むらの無い電
気亜鉛めっき鋼板として、亜鉛めっき層の下地層として
Snめっき層を設けることが開示されている。またSn
めっき層を形成する方法としては、電気亜鉛めっき処理
前の酸洗浴中にSnイオンを添加し、電解によりめっき
原板表面にSnを析出させる方法、あるいは、めっき原
板素材たる鉄の溶解反応によって表面にSnを置換析出
させる方法が記述されている。この技術では、めっき原
板と亜鉛めっき層の間に、亜鉛あるいは鉄よりも貴な金
属であるSnが多量に且つ濃化(純粋なSn層として)
して存在するため、特に切断端面部における耐食性の劣
化が避けられない。またSn層の形成法についても、多
量のSnイオンを酸洗浴中に添加しなければならず、S
nイオン(2価)は酸化され易いため、空気中の酸素と
容易に反応して酸化物の沈殿を多量に生成し、鋼板に押
し疵を作ることがあり、しかも有効Snイオン濃度の管
理が困難である、といった問題を抱えている。更に、S
nイオンの多量添加は、連続的に浸漬走行する鋼板によ
る酸洗液のドラッグアウトによってSnイオンの損失を
招き、製造コストを高める原因となる。
【0012】上記の他、めっき層あるいはめっき浴中に
Sn,In,Se,Sb等を含有せしめる電気亜鉛めっ
き鋼板の製法についても多くの提案が見られる。
【0013】古くは特公昭54−211号や特公昭56
−19398号に、Sn,Inのいずれか1種または2
種をめっき層中に0.001〜1.0%(10〜10,
000ppm:Sn換算)含有させて電気亜鉛めっき鋼
板を製造する方法、また特公昭56−8918号には、
めっき浴中にSnを40〜2,000ppm添加する方
法が開示されている。更に特開平5−247615号に
は、Sn,Se,Sb,Pb,As,Bi,Te,S,
Liから選ばれる1種または2種以上の元素を、めっき
層中に0.01〜20%(100〜20,000pp
m:Sn換算)含有させた電気亜鉛めっき鋼板が開示さ
れている。但し前者の2公報は、不純物として混入する
Fe2+,Cu2+,Ni2+等によるクロメート反応性の低
下を防止することが目的であり、特公昭56−8918
号はめっき層中に含まれる不純物Pbによる耐熱剥離を
防止することが目的である。更に特開平5−24761
5号は、アーク溶接時のブローホール生成抑制による溶
接性の向上がその目的であり、いずれもめっき外観に関
する記述は全くない。また、これらの公報におけるめっ
き層やめっき浴中への各元素の含有率はいずれも多量で
ある。
【0014】特開昭61−69998号、特開昭61−
284595号および特開平3−281794号は、い
ずれも10ppm以下の極く微量ではあるが、めっき浴
中へのSnの添加量を規定しており、前者2公報ではめ
っき層の凹凸を増加させることにより、また後者はめっ
き層にピンホールを形成させることにより、プレス加工
時の潤滑油保持率を増加させて加工性を向上させる方法
を開示している。しかしながら、これらの公報で述べて
いるSn添加効果は、めっき層表面の凹凸を増加し、或
はピンホールを形成させることに主眼をおくものであ
り、後述する本発明とはその趣旨を全く異にしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
事情に着目してなされたものであり、その目的は、めっ
き原板表面の不均一状態に起因する電気亜鉛系めっき表
面の外観・色調むらが無く、且つ高い明度を有し或は高
い明度と光沢を兼ね備えた電気亜鉛系めっき鋼板とその
製造方法を提供しようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明は、 (1) 亜鉛を主成分とするめっき層中に、Fe,Ni,C
oよりなる群から選択される1種以上の元素が150〜
10,000ppm含まれると共に、平衡電位が亜鉛よ
りも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素、好
ましくはSn,In,Se,Sb,Geよりなる群から
選択される金属元素の1種以上が、0.01〜8ppm
含まれており、色調むらがなく、且つ明度と光沢の優れ
た電気亜鉛系めっき鋼板、または、 (2) 亜鉛を主成分とする多層めっきにおける少なくとも
最表層めっき層の下部に、平衡電位が亜鉛よりも高く且
つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素の1種以上より
なる中間層が0.01〜100mg/m2 形成されてお
り、色調むらがなく且つ明度の優れた電気亜鉛系めっき
鋼板、である。
【0017】また本発明の方法は、色調むらがなく、且
つ優れた明度を有し、或は優れた明度と光沢を有する上
記電気亜鉛系めっき鋼板を製造する方法を提供するもの
で、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よ
りも低い金属元素、好ましくはSn,In,Se,S
b,Geよりなる群から選択される金属元素の1種以上
を、めっき浴中に総量で0.01〜5ppmイオン状態
で含有し、加えてFe,Ni,Coよりなる群から選択
される1種以上の元素を総量で100〜10,000p
pm含有し、且つ硫酸濃度が10〜50g/リットルで
ある硫酸酸性電気亜鉛系めっき浴を使用し、10〜15
0A/dm2 の電流密度で電気亜鉛めっきを行ない、あ
るいは亜鉛系めっき層が形成された鋼板を、平衡電位が
亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元
素の1種以上を含有する酸性溶液に浸漬し、上記金属元
素を表面に析出させた後、その上に、最表層部を構成す
る亜鉛めっき層を形成するところに要旨を有するもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に至る実験の経過を
追って本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0019】本発明者らは、まずめっき原板の表面不均
一に起因するめっき外観・色調むらの発生機構を明らか
にすべく研究を行なったところ、該めっき外観・色調む
らには入射可視光線の反射方向が、ある領域毎に異な
ることに起因するめっき外観・色調むら、入射可視光
線に対する反射光線量そのものが、ある領域毎に異なる
ことが主たる原因となるめっき外観・色調むらの2つの
発生機構があることを確認した。以下、夫々について検
討結果及び発生機構について考察する。
【0020】入射可視光線の反射方向が異なる場合こ
の原因に基づく代表的なめっき外観・色調むらとして、
木目の如く筋状にむらが発生する”木目状むら”、めっ
き外観がきらきらと光って見える”きらきら光沢”、あ
るいは幅広い帯状のむらが発生する”帯状むら”等があ
るが、これらのめっき外観・色調むらは、いずれも観察
する角度によってむらの発生部と正常部の色調が反転し
て見えることが特徴である。本発明者らは、この様な現
象が亜鉛めっき表面の結晶形態に深く関係していること
を突き止めた。
【0021】ここで、亜鉛はエピタキシャル成長し易い
金属として一般的に知られており、多結晶体である冷延
鋼板を基板として通常の方法で電気亜鉛めっきを行なっ
た場合、該めっき表面の結晶形態は、1つの亜鉛結晶サ
イズが1μm以下のものから数十μm程度の板状の亜鉛
単結晶体が多数積み重なり、多数のステップとテラスを
形成する。
【0022】この様な亜鉛系めっきの結晶形態におい
て、前記めっき外観・色調むらを生じたものは、むら発
生部および正常部の如何を問わず亜鉛めっき結晶が粗大
に成長していること、しかもむら発生部と正常部とで
は、前述した亜鉛めっき単結晶の積み重なりによって形
成されるテラスの面積や、基板であるめっき原板に対す
るテラスの傾斜角度、積み重なりの方向(即ち配向性)
が異なっていることが確認された。この様なめっき結晶
形態の差は、めっき原板表面の不均一性状部とほぼ一致
している。即ち、入射可視光線がめっき表面において反
射する方向がめっき結晶形態によって異なるため、結果
としてめっき外観・色調むらとして観察され、更には観
察する角度によって反射光線角度も変化するため、色調
の反転現象が生じるものと推定される。
【0023】入射可視光線に対する反射光線量そのも
のが異なる場合観察する角度により、むら発生部の色調
が反転する前記めっき外観・色調むらに対し、むらの発
生位置、形状等に再現性がなく、且つ狭い領域から広い
領域に亘ってむらの発生が認められる”不定型むら”
は、観察角度を変えても全く或は殆んど色調の反転現象
は認められない。
【0024】この様なめっき外観・色調むら発生材につ
いて、前記の場合と同様にめっき結晶形態の詳細な調
査を行なったところ、前記の場合と異なり、亜鉛めっ
き結晶は全体に小さいことが確認された。更に、むら発
生部と正常部では、前述したテラスの傾斜角度や積層方
向(即ち配向性)はほぼ同じであるが、ステップおよび
テラスによって形成されるめっき表面の微細凹凸が僅か
に異なることを突き止めた。即ち、前記の場合の様な
反射光線方向の差に起因する外観・色調むらとは異なる
ものと思われる。
【0025】そこで、この様なめっき表面の微細凹凸に
よるめっき外観・色調むらの発生機構について、めっき
表面における反射光線量に着目して更に検討を進めた。
ここで亜鉛めっき結晶は全体に小さく、めっき表面にお
ける反射光は拡散反射光が殆んどであったため、反射光
線量をJIS Z 8722により規定される”明度”
によって測定した。
【0026】そして、表面に様々の微細凹凸を有する電
気亜鉛めっき鋼板について、該微細凹凸と明度との関係
を調べた結果、ステップとテラスに起因するサブミクロ
ン〜数ミクロンオーダーの微細凹凸のうち、特に可視光
線の波長領域(400〜800nm:0.4〜0.8μ
m)とほぼ同程度の非常に微細な凹凸を多く有するもの
では、入射した可視光線が該微細凹凸に吸収され易く、
その結果として明度が低下することが分かった。その機
構は定かでないが、表面凹凸が可視光線の波長領域と同
程度の場合、干渉作用が生じ易くなるためと考えてい
る。
【0027】これらのことから前記めっき外観・色調む
らは、微細凹凸を有するめっき表面の中でも、可視光線
の波長領域とほぼ同等の非常に微細な表面凹凸が多い領
域(むら発生部)で、入射光線量に対する反射光線量が
低下し、明度の低下として観察されるものと考えた。
【0028】以上の様に、めっき原板に起因するめっき
外観・色調むらには2つの発生機構があるが、当初本発
明者らは、発生率が非常に高い前記について、その発
生機構および解決法の研究を進めてきた。その結果、前
記に記載の機構によるめっき外観・色調むらを低減す
るには、めっき結晶を微細化し、且つ結晶の配向性を均
一にすれば良いこと、具体策としては、電気亜鉛系めっ
き層中に平衡電位が亜鉛よりも高いSn,In,Bi,
Sbのうち少なくとも1種を含有させれば良いことを見
出し、既に特許出願を済ませた(特願平7−2940
号)。
【0029】その機構は必ずしも明確にされている訳で
はないが、次の様に考えている。即ち、平衡電位が亜鉛
より高い金属元素を含有する硫酸酸性亜鉛系めっき浴を
使用し、それら金属元素の限界電流密度以上の電流密度
で電気亜鉛系めっきを行うと、亜鉛と上記金属元素の析
出が同時に生じるため、析出した該金属元素が亜鉛の析
出核となって結晶の微細化が生じ、或は共析により亜鉛
結晶に歪みが付与され、粗大結晶成長を抑えたり、配向
性を均一化する効果が発揮されるものと推定される。従
って、めっき結晶の微細化効果および配向性の均一化効
果が好影響を及ぼして、前記に該当するめっき外観・
色調むらが低減するものと思われる。
【0030】ところがその後更に研究を進めるうち、上
記方法では低減することのできない外観・色調むらがあ
り、詳細に調査したところ、その要因は前記に示した
機構によるめっき外観・色調むらであることが判明し
た。そして、前記の発生機構に由来するめっき外観・
色調むらは、元来亜鉛系めっき結晶が微細であるため、
前記先願発明の方法では満足のいく低減効果が得られ難
く、めっき層中における前記金属元素の含有率が多くな
ると却ってめっき表面の凹凸を増加させることが分かっ
てきた。
【0031】そこで、前記に記載の発生機構に起因す
るめっき外観・色調むらを改善するには、めっき表面の
微細凹凸において、可視光線の波長領域と同等の非常に
微細な凹凸を、むら発生部と正常部とで万遍なく均一に
平滑化する(即ち、微細凹凸を可視光線の波長領域より
小さくする)ことで、めっき表面における可視光線の吸
収を抑制すれば良いという結論に到達した。しかも、上
記平滑化作用は、可視光線吸収量の減少による明度の増
加にも寄与し、併せて、正反射光成分である光沢度の増
加にも寄与するものと考えられる。
【0032】そこで、更に検討を重ねた結果、平衡電位
が亜鉛より高く且つ水素過電圧が亜鉛より低い金属をめ
っき層中に極く微量含有させることで、上記目的、特に
めっき外観・色調むらの低減および明度の向上効果を達
成できることを見出した。
【0033】その機構については以下の様に推察され
る。即ち、水素過電圧が亜鉛より低い金属がめっき層中
に共析されると、該金属の析出部位では水素過電圧が低
下するため水素の平衡電位が復極し、亜鉛の析出より優
先的に水素析出反応が生じるものと思われる。そして水
素平衡電位の復極により該金属析出部位の極近傍では陰
極電位が貴に移行し、或は水素析出による界面pHの上
昇が生じ、電気的あるいは化学的に析出亜鉛の一部溶解
反応が進行する。ただし、亜鉛の析出はその周囲で連続
的に生じているので、溶解反応が長時間継続することは
なく、むしろ亜鉛の溶解と析出が同時に進行すると考え
られる。この様な水素析出反応に伴う亜鉛の一部溶解反
応は、電流集中の起こり易いめっき結晶凸部でより活発
に生じるものと考えられ、結果的に亜鉛結晶レベル(す
なわちサブミクロン〜数ミクロンオーダー)の平滑化作
用を生じるものと推定される。従って、可視光線の波長
領域に当たるサブミクロンオーダーの微細凹凸が更に小
さくなり、吸収光線量の減少に伴って明度が著しく向上
するものと推定される。以上の現象は、めっき層の全面
で起こり、あらゆる部位で同時に進行するので、めっき
原板表面の不均一性状に関わりなくめっき結晶形態が均
一に平滑化されることになる。
【0034】尚、後述する様に上記金属のめっき層内の
含有率は極く微量であることが必要であり、前記先願発
明に記載した含有率より更に低い含有率で良好な結果が
発揮される。
【0035】こうした本発明の作用を有効に発現させる
ための、平衡電位が亜鉛より高く且つ水素過電圧が亜鉛
より低い金属の好ましい具体例としては、Sn,In,
Se,Sb,Geが挙げられ、これらは単独で使用し得
る他、必要により2種以上を併用することが可能であ
る。またこれら金属元素のめっき層中の含有率は、総量
で0.01〜8ppmの範囲に制御する必要があり、含
有率が0.01ppm未満では前述した様なめっき結晶
の均一平滑化効果が十分に発揮されず、めっき表面にお
ける可視光線の吸収抑制によるめっき外観・色調むらの
低減効果および明度の向上効果が不十分となる。
【0036】一方8ppmを超えると、めっき結晶の微
細化効果は得られるものの十分な平滑化効果が得られな
くなり、或はかえってめっき表面の微細凹凸が増加し、
めっき外観・色調むらの低減効果および明度の向上効果
が得られなくなる。この理由は定かでないが、めっき層
中への上記金属元素の共析量が多くなると、水素析出反
応がより広い領域で活発に生じる様になり、同時に亜鉛
の溶解反応も過大となり、かえってめっき結晶の凹凸を
大きくするためと考えている。
【0037】また本発明者らが検討を重ねたところによ
ると、上記平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素化電圧が
亜鉛よりも低い上記金属元素に加えて、Fe,Ni,C
oから選ばれる1種以上の元素を同時にめっき層中に微
量含有させると、更なるめっき結晶の微細化と平滑化を
増進することができ、めっき外観・色調むらを低減しな
がら、より一層の明度と光沢の向上効果が得られること
を知った。
【0038】Fe,Ni,Coから選ばれる1種以上の
元素が同時にめっき層中に含まれることによって上記効
果が一層高められる理由は定かでないが、これらの金属
が亜鉛の析出機構あるいは溶解機構に何らかの影響を及
ぼし、前述した機構をより顕著にしているためと考えら
れる。
【0039】Fe,Ni,Coから選ばれる1種以上の
元素のめっき層中の含有率は、総量で150〜10,0
00ppmの範囲に制御することが必要であり、且つ同
時にめっき層中の平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過
電圧が亜鉛よりも低い金属元素、好ましくはSn,I
n,Se,Sb,Geから選ばれる1種以上の金属元素
の含有率は、総量で0.01〜8ppmの範囲に制御す
ることが必要となる。
【0040】Fe,Ni,Coから選ばれる1種以上の
元素のめっき層中の含有率が150ppm未満では、光
沢度の向上効果が不十分となり、また10,000pp
mを超えて過度に含有させても、めっき結晶微細化効果
や平滑化効果とも飽和するばかりでなく、明度に悪影響
が現われてくる。
【0041】尚この発明では、めっき層中への前記金属
元素の含有率が微量であること、およびそれらがめっき
層中に分散して存在していると推定されることから、平
板部や加工部、切断端面部等の耐食性に悪影響を及ぼす
ことは無い。
【0042】上記では、電気亜鉛系めっき層内に、平衡
電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い
金属元素、好ましくはSn,In,Se,Sb,Geか
ら選ばれる1種以上の金属元素を特定の比率で含有させ
ることにより、めっき結晶の微細化と均一平滑化を図
り、めっき外観・色調むらを低減すると共に明度を高め
る技術について説明したが、本発明者らが更に研究を重
ねたところによると、亜鉛系めっきを多層構造とし、最
表層亜鉛系めっき層の下部に、平衡電位が亜鉛よりも高
く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素の1種以上
よりなる中間層を0.01〜100mg/m2 形成すれ
ば、上記と同様に外観および明度の改善が図れることが
確認された。以下、この点について説明する。
【0043】この手段によるめっき表面の改質機構は次
の様に考えられる。まず、表面に不均一性状部が存在す
るめっき原板に、常法に従って電気亜鉛系めっきを施す
と、前述した様に原板の不均一性状部に対応してめっき
結晶形態や微細凹凸の異なる電気亜鉛系めっき層が形成
される。ところがその後、該めっき層の上に、平衡電位
が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属
元素、好ましくはSn,In,Se,Sb,Geから選
ばれる1種以上の金属元素を有する中間層を形成してか
ら、最表層部を構成する電気亜鉛系めっき層を形成する
と、該めっき工程の初期段階で中間層の上記金属元素が
亜鉛の析出核となり、中間層の下側に設けられた亜鉛め
っき層の結晶形態に関係なく、いかなる位置においても
亜鉛結晶の微細化効果が増進される。
【0044】また中間層の上記金属元素上では、水素過
電圧が低下するため水素の平衡電位が復極し、亜鉛の析
出と同時に水素析出反応も活発に生じるばかりでなく、
水素平衡電位の復極により中間層金属元素上では陰極電
位が貴に移行し、或は水素析出によって界面pHが上昇
し、電気的もしくは化学的に下層亜鉛系めっき層を含む
析出亜鉛の一部溶解反応が生じるものと推定される。但
し、この作用は上層の亜鉛系めっき層の析出初期にのみ
生じ、溶解反応が長時間継続することはない。この様な
水素析出反応に伴う析出亜鉛の一部溶解反応は、電流集
中が生じるめっき結晶凸部でより活発に生じると考えら
れ、その結果として、亜鉛結晶レベル(即ちサブミクロ
ン〜数ミクロンオーダー)の平滑な亜鉛めっき層が形成
されるものと推定される。
【0045】こうした2つの複合的作用により、下層側
の亜鉛系めっき層は原板表面の不均一性状の影響を受け
るものの、最終表面を形成する上層亜鉛めっき層は、原
板表面の不均一性状部の影響を一切受けず、均一で且つ
微細な亜鉛系めっき結晶を形成すると考えられ、その結
果として、めっき外観・色調むらがなく且つ明度が高く
て明るい電気亜鉛系めっき鋼板が得られるものと推定さ
れる。
【0046】こうした作用を中間層金属元素によって有
効に発揮させるには、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水
素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素、好ましくはSn,
In,Se,Sb,Geの1種以上を、付着量で0.0
1〜100mg/m2 の範囲で形成することが必要であ
り、該付着量が0.01mg/m2 未満では上記の様な
めっき結晶の均一微細化・平滑化効果が不十分となり、
めっき外観・色調むらの低減効果および明度向上効果が
有効に発揮されない。一方、付着量が100mg/m2
を超えて過度に多くなると、上記効果が飽和するばかり
でなく、それら金属元素の平衡電位が亜鉛よりも高いた
め耐食性に悪影響が現われてくる。
【0047】本発明における亜鉛系めっきの付着量は特
に制限されないが、高付着量領域では、本発明を適用し
ても亜鉛のデンドライト状析出が起こり易く、明度や光
沢度が低くなる傾向があることから、めっき付着量は少
なめ、好ましくは40g/m2 程度以下に抑えることが
望ましい。ただし、めっき付着量が1g/m2 未満にな
ると、亜鉛系めっきに期待される犠牲防食作用が低下し
て耐食性不足になる嫌いがあるので、好ましくは1〜4
0g/m2 の範囲から選定することが望ましい。
【0048】なお中間層を構成する上記金属元素は、最
表層部を構成する亜鉛系めっき層の下に中間層として存
在しておればよく、例えば上記金属元素を複数層に有す
る多層構造の中間層とすることも可能である。また、更
に他の性質、例えば加工性や塗膜密着性などの性能を高
めるため、最表層部にZn−Fe系合金めっき層やZn
−Ni系合金めっき層などを形成することも勿論可能で
ある。
【0049】本発明では、仕上げ塗装を省略し裸のまま
で使用される電気亜鉛系めっき鋼板を意図するものであ
るが、該めっき鋼板の表面には、実使用に際して必要に
より求められる耐食性、耐疵付き性、耐指紋性、加工性
等の各種性能の一層の向上を期して、各種化成処理を施
すことも勿論可能である。この様な化成処理の具体例と
しては、クロメート皮膜処理やりん酸塩皮膜処理、クリ
アー皮膜処理等が一般的なものとして挙げられる。
【0050】これらの中でも代表的なクロメート皮膜処
理としては、反応型クロメート皮膜処理、塗布型クロメ
ート処理、電解クロメート処理等が例示され、Cr化合
物を主成分とし、耐食性、耐疵付き性、耐黒変性等の品
質を向上するため、必要によりシリカ等の各種酸化物や
有機シラン化合物、更にはりん酸、硝酸、フッ化物、珪
フッ化物等の各種反応促進剤を含有せしめたクロメート
処理を行うことも好ましく採用できる。
【0051】更に、クロメート皮膜上に形成することの
できる薄膜クリアー皮膜としては、該皮膜が有機系樹脂
を主体とする例として、エポキシ系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン性不飽和カルボ
ン酸を重合成分として含むエチレン共重合体樹脂、ポリ
ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等の有
機樹脂成分を主体とするもの、或はこれらに耐食性、潤
滑性、耐疵付き性、加工性、溶接性、電着塗装性、塗膜
密着性等の品質を向上させるため、必要によりシリカ等
の各種酸化物粒子や各種りん酸塩等の無機顔料、および
ワックス粒子、有機シラン化合物、ナフテン酸塩等を含
有せしめた処理液を塗布することが例示される。
【0052】また、該皮膜が無機物を主体とする例とし
ては、珪酸ソーダ、珪酸カリウム、珪酸リチウム等の珪
酸塩を主体とするもの、或はこれらに造膜性、耐食性、
潤滑性、耐疵付き性、加工性、溶接性、電着塗装性、塗
膜密着性等の品質を高めるため、必要によりコロイダル
シリカ等の各種酸化物粒子や各種りん酸塩等の無機顔
料、およびワックス粒子、有機シラン化合物等を含有さ
せた処理液を塗布する方法などが含まれる。
【0053】上記化成処理皮膜の好ましい付着量は、耐
食性向上効果等を有効に発揮させると共に経済性も考慮
して、5〜300mg/m2 の範囲から選択するのが一
般的であり、また無機質もしくは有機質のクリアー皮膜
の好ましい付着量は、上記と同様の理由から膜厚で0.
1〜20μmの範囲が一般的である。
【0054】本発明において、平衡電位が亜鉛よりも高
く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素と共にF
e,Ni,Coから選ばれる1種以上の元素を含む電気
亜鉛系めっき鋼板を製造するに当たっては、まず、平衡
電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い
金属元素、好ましい具体例としてはSn,In,Se,
Sb,Geから選ばれる1種または2種以上の金属元素
を、めっき浴中に総量で0.01〜5ppm含有させる
ことが必要であり、またFe,Ni,Coから選ばれる
1種以上の金属元素をめっき浴中に100〜10,00
0ppm含有させることが必要であり、これらの添加量
範囲を外れると、前述しためっき層中の該金属元素の好
適含有率を確保できなくなる。
【0055】まためっき液としては、硫酸濃度が10〜
50g/リットルである硫酸酸性亜鉛めっき浴を使用
し、10〜150A/dm2 の範囲の電流密度で電気亜
鉛めっき処理を行う必要がある。硫酸濃度が10g/リ
ットル未満では、上記金属元素の析出に伴う水素析出反
応と亜鉛溶解反応が十分に進行せず、満足のいくめっき
結晶の微細化と平滑化効果が得られない。一方硫酸濃度
が50g/リットルを超えると、水素析出反応と亜鉛溶
解反応が過大に生じるため、めっき結晶の微細凹凸を増
長する傾向が認められる。電流密度については、10A
/dm2 未満の低電流密度ではめっき結晶の粗大成長が
起こり易くなり、本発明の上記効果をもってしても満足
のいくめっき結晶の微細化・平滑化効果が得られなくな
るばかりでなく、亜鉛の析出速度も非常に遅くなり工業
的規模での生産性に問題が出てくる。一方150A/d
2 を超えて電流密度が過度に大きくなると、亜鉛析出
面への亜鉛イオンの供給に遅れが生じ、水素析出反応が
過大となってめっき結晶の微細凹凸を増長する傾向が生
じ、極端な場合は『めっき焼け』と呼ばれるめっき外観
の劣化(黒色化)現象を生じる恐れがでてくる。
【0056】また、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素
過電圧が亜鉛よりも低い金属元素を中間層として形成す
る場合は、下層として常法により電気亜鉛系めっき層を
形成した後、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧
が亜鉛よりも低い金属元素、好ましくはSn,In,S
e,Sb,Geの1種以上を含有する酸性溶液に浸漬
し、下層の亜鉛系めっき層表面にそれらの金属元素を置
換析出させる方法によって形成すればよく、この上に最
表層部を構成する電気亜鉛系めっき処理を施せば、めっ
き外観と明度の優れためっき鋼板を得ることができる。
【0057】このときの浸漬条件は、上記金属元素が下
層亜鉛系めっき層表面に前述した適正付着量範囲で置換
析出する様に、酸性溶液中の上記金属元素濃度やpH、
温度、浸漬時間などを適宜調節すればよく、それらの条
件を一律に規定することはできないが、標準的な浸漬条
件として示すならば、pHは4以下、より好ましくは2
以下、温度は30〜70℃、浸漬処理時間は2〜60s
ec、金属元素濃度は2〜500ppm、より好ましく
は5〜100ppmの範囲である。また、酸性溶液の種
類としては、硫酸、塩酸、硝酸、りん酸などの水溶液あ
るいは酸性亜鉛系めっき溶液を使用することも可能であ
る。
【0058】尚、酸性溶液中の上記金属元素量は上記の
様に極く微量であるので、浸漬処理に伴う酸性溶液のド
ラッグアウトによる金属元素の消費や酸化反応による不
溶成分の沈殿なども殆んど認められないので、コスト面
や製造面での負担も極めて軽微である。
【0059】また、上記中間層が形成される通常の亜鉛
系めっき層の付着量は特に制限されないが、高付着量域
では、中間層の形成にも拘らず亜鉛のデンドライト状析
出が起こり易くなる傾向が生じ、明度の劣化を招いて外
観色調が悪くなる傾向があるので、中間層の上に形成さ
れる最表層亜鉛系めっき層を含めた総付着量で40g/
2 程度以下に抑えることが望ましい。但し、総付着量
が1g/m2 未満になると、亜鉛系めっきに期待される
犠牲防食作用が低下して耐食性が不十分になる嫌いがあ
るので、好ましくは1〜40g/m2 の範囲内とするこ
とが望ましい。また、中間層を挟んで形成される下層亜
鉛めっき層と最表層亜鉛めっき層の付着量比率も特に制
限されないが、下層側の亜鉛めっき層は、前記中間層を
構成する金属元素の置換析出量を確保し得るに足る付着
量が必要であり、好ましくは0.5g/m2 以上、より
好ましくは1g/m2 以上とすることが望ましい。
【0060】また、下層−中間層−最表層構造の上記亜
鉛系めっき鋼板を製造する際の具体的な条件も特に制限
されないが、好ましい条件を示すと次の通りである。
【0061】まず、亜鉛系めっき処理時の電流密度は1
0〜200A/dm2 の範囲が好ましく、電流密度が1
0A/dm2 未満では亜鉛めっき結晶の粗大成長が起こ
り易く、明度向上効果に悪影響が現われる傾向があり、
逆に電流密度を高くし過ぎると、めっき浴から亜鉛析出
点への亜鉛イオンの供給の遅れが生じ、めっき焼けによ
るめっき外観劣化を生じ易くなる。電流密度のより好ま
しい範囲は20〜150A/dm2 の範囲である。また
めっき液中の硫酸濃度は、電流効率を高めると共にめっ
き焼け現象を抑える意味から5〜60g/lの範囲が好
ましく、硫酸濃度が60g/lを超える強酸性域になる
と、活発な水素の発生によって電流効率のロスが大きく
なり、また5g/lを下回ると、特に高電流密度でめっ
きを行なったときにめっき焼け現象を起こし易くなり、
めっき外観が損なわれる。
【0062】めっき液組成も、亜鉛イオンを主成分とす
る酸性浴であれば特に規定されず、公知の硫酸浴、塩化
物浴などを使用できる。亜鉛イオン濃度についても特に
制限されないが、十分な電流効率を確保する上で好まし
いのは、ZnSO4 ・H2 O濃度で50〜600g/リ
ットル、より一般的には150〜500g/リットルの
範囲が推奨される。該濃度が低過ぎる場合は、高電流密
度でめっきを行なったときにめっき焼け現象を起こし易
く、逆に濃度が高くなりすぎると、亜鉛化合物が析出し
て配管詰まりを起こしたり、析出物による鋼板の押し疵
の原因となる。
【0063】更に、亜鉛系めっき層中に前記金属元素を
含有させる場合、および中間層として前記金属元素を含
有させる場合を含めて、めっき液温度や相対流速は特に
制限されないが、前者については30〜70℃、後者に
ついては0.3m/sec以上で本発明の効果が十分発
揮されることを確認している。なお相対流速とは、めっ
き液の流れ方向とめっき原板である鋼板の通板方向を考
慮した液流速と通板速度の差である。
【0064】また本発明で使用するめっき原板にも特に
制限がなく、最も一般的な軟鋼板を始め、高強度鋼板や
各種の合金鋼板がその対象となる。
【0065】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術的範疇に含まれる。
【0066】実施例1 めっき原板表面にCやSi等の不純物元素の不均一濃化
部が存在する冷延鋼板を以下の様にして意図的に作製し
た。
【0067】即ち、常法により製造したAlキルド熱延
鋼板を酸洗した後タンデム冷間圧延し、連続焼鈍設備を
用いて焼鈍を行なった。このとき、連続焼鈍前のオルソ
珪酸ソーダによるアルカリ電解脱脂条件を意図的に変化
させた後、焼鈍を行なって電気亜鉛めっき原板を作製し
た。この冷延鋼板は、冷延ままの状態では肉眼で見る限
りその表面に不均一部の発生は認められないが、AES
分析やEPMA面分析により表面を詳細に調査すると、
表面に形成された酸化皮膜層に明らかに不均一部が存在
しており、焼鈍前のアルカリ脱脂液成分に起因すると考
えられるSiや冷間圧延油に起因すると考えられるCが
表面に濃化していることが確認された。
【0068】次に、この冷延鋼板を使用し、以下の手順
で電気亜鉛めっき処理を行った。尚めっき浴中には、平
衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低
い金属元素(Sn,In,Se,Sb,Ge)とFe,
Ni,Coから選ばれる1種以上の金属元素を、後記表
1,2に示す濃度で含有させた。 <電気亜鉛めっき処理手順> アルカリ浸漬脱脂:3重量%オルソ珪酸ソーダ、60℃×5秒 アルカリ電解脱脂:3重量%オルソ珪酸ソーダ、60℃×5秒、 50A/dm2 、PR電解法 水洗 酸洗:5重量%硫酸水溶液、40℃×3秒 電気亜鉛めっき: ・めっき浴組成: ZnSO4 ・7H2 O;300〜400g/リットル Na2 SO4 ;50〜100g/リットル H2 SO4 ;5〜70g/リットル ・電流密度 :5〜200A/dm2 ・めっき浴温度 :60℃ ・めっき液流速 :0.5〜2m/秒 ・電極(陽極) :IrOx 電極 ・めっき付着量 :20g/m2 (片面あたり) 水洗 乾燥
【0069】得られた各電気亜鉛めっき鋼板について、
めっき原板に起因するめっき外観・色調むらの発生状況
を目視観察し、下記の基準で評価した。更に、各めっき
鋼板表面の明度を、JIS Z 8722に規定されて
いる方法(条件d、光トラップ有り)で測定した。更に
光沢度についてもJIS Z8741に規定される60
度鏡面光沢度測定法を採用して測定した。それらの結果
を表1,2に示す。
【0070】尚、めっき層中に前述の金属元素が含まれ
ていない場合は、めっき原板表面の不均一性状に起因し
てめっき結晶表面の微細凹凸が僅かに変化しており、該
微細凹凸に起因して明度が変化していることを確認して
いる。 <めっき外観・色調むら> ◎:めっき外観・色調むらが全く認められない。 ○:めっき外観・色調むらが僅かに認められるが、殆ど目立たない。 △:めっき外観・色調むらが少し発生し、やや目立つ。 ×:めっき外観・色調むらが著しく発生、非常に目立つ。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】また図1に代表例として、平衡電位が亜鉛
よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも小さい金属元素
としてSnを用い、Niと複合添加したときの光沢度の
変化を示した。
【0074】めっき層中のSn含有率およびめっき層中
のNi含有率が共に本発明の規定要件を満たしている場
合、高い光沢度を有していることが分かる。これに対
し、めっき層中のSn含有率が本発明の規定要件を満た
している場合でも、めっき層中のNi含有率が本発明の
規定範囲の下限値を下回る場合、光沢度は低い値となっ
ている。
【0075】表1,2からも明らかである様に、平衡電
位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも小さい
金属元素と、Fe,Ni,Coから選ばれる1種以上の
元素のめっき層中の含有率が本発明の規定要件を満たす
実施例は、何れもめっき原板の表面不均一に起因する外
観・色調むらが認められないか殆んど目立たず、しかも
高い明度と光沢度を有しており、非常に優れた外観品質
を有していることが分かる。
【0076】これらに対し、各金属元素のめっき層中の
含有率が本発明で規定する範囲を外れる比較例では、め
っき原板の表面不均一に起因するめっき外観・色調むら
が明確に確認されるか、あるいは明度もしくは光沢度が
低くなっている。
【0077】実施例2 前記実施例1で用いたのと同じ冷延鋼板を使用し、以下
の手順で電気亜鉛めっき処理を行った。 <電気亜鉛めっき処理手順> アルカリ浸漬脱脂:3重量%オルソ珪酸ソーダ、60℃×5秒 アルカリ電解脱脂:3重量%オルソ珪酸ソーダ、60℃×5秒、 50A/dm2 、PR電解法 水洗 酸洗:5重量%硫酸水溶液、40℃×3秒 電気亜鉛めっき:下記の通り 水洗 乾燥
【0078】<電気亜鉛めっき条件> 第1層亜鉛めっき ・めっき浴組成: ZnSO4 ・7H2 O;300〜400g/リットル Na2 SO4 ;50〜100g/リットル H2 SO4 ;10〜40g/リットル ・電流密度 :100A/dm2 ・めっき浴温度 :60℃ ・めっき液流速 :0.5〜2m/秒 ・電極(陽極) :IrOx 電極 ・めっき付着量 :10g/m2 (片面あたり) 第2層 中間層 ・酸性溶液 :硫酸水溶液(pH 0.5) ・添加金属元素 :表3参照 ・添加金属元素濃度:表3参照 ・溶液温度 :60℃ ・浸漬時間 :2〜60秒 第3層亜鉛めっき ・前記第1層亜鉛めっき条件と同じ。
【0079】得られた各電気亜鉛めっき鋼板について、
めっき原板に起因するめっき外観・色調むらの発生状況
を目視観察し、前記と同じ基準で評価した。
【0080】結果は表3に示す通りであり、第2層(中
間層)としてSn,Sb,In,Se,Geの1種また
は2種以上が、本発明で規定する範囲の付着量で付与さ
れている実施例では、いずれもめっき原板の表面不均一
に起因するめっき外観・色調むらがないか或は殆んど目
立たず、しかも高い明度を有しており、優れためっき外
観色調を有しているのに対し、それらの金属元素が中間
層として付与されていないか或はその付着量が規定量に
満たないものでは、めっき原板の表面不均一に起因する
めっき外観・色調むらが発生しており、且つ明度も低い
ことが分かる。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、電
気亜鉛系めっき層中に、平衡電位が亜鉛より高く且つ水
素過電圧が亜鉛より低い金属元素を含有させるか、ある
いは該金属元素と共にFe,Ni,Coから選ばれる1
種以上の元素を含有させることによって、めっき原板表
面の不均一状態に起因するめっき外観・色調むらを著し
く軽減し得ると共に、明度あるいは明度と光沢度を大幅
に高めることができ、電気亜鉛系めっき鋼板の外観品質
を飛躍的に向上させることが可能となった。またその製
造に際しても、特定の金属元素を極く少量添加するだけ
でよく、過度の経済的負担を招くことなく且つ通常の電
気亜鉛系めっき設備を用いて、広範囲の条件で容易に実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 亜鉛系めっき層中のSnおよびNiの含有率
が光沢度に及ぼす影響を調べた結果を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 正敏 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (72)発明者 田中 尚義 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社 神戸製鋼所 加古川製鉄所内 (56)参考文献 特開 平4−110487(JP,A) 特開 平4−74887(JP,A) 特開 平4−180576(JP,A) 特開 昭61−127891(JP,A) 特開 平7−331483(JP,A) 特開 平9−195082(JP,A) 表面技術協会「第79回講演大会・講演 要旨集」(平成元年3月16日発行)第 132〜133頁

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を主成分とするめっき層中に、F
    e,Ni,Coよりなる群から選択される1種以上の元
    素が150〜10,000ppm含まれると共に、平衡
    電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い
    金属元素の1種以上が0.01〜8ppm含まれている
    ことを特徴とする色調むらがなく、且つ明度および光沢
    の優れた電気亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 亜鉛を主成分とする多層めっきにおける
    最表層めっき層の下部に、平衡電位が亜鉛よりも高く且
    つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素の1種以上より
    なる中間層が0.01〜100mg/m2形成されてい
    ることを特徴とする色調むらがなく、且つ明度の優れた
    電気亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電
    圧が亜鉛よりも低い金属元素が、Sn,In,Se,S
    b,Geよりなる群から選択される少なくとも1種であ
    る請求項1または2に記載の電気亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 Fe,Ni,Coよりなる群から選択さ
    れる1種以上の元素を総量で100〜10,000pp
    m含有すると共に、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素
    過電圧が亜鉛よりも低い金属元素の1種以上を総量で
    0.01〜5ppm含有し、硫酸濃度が10〜50g/
    リットルである硫酸酸性電気亜鉛系めっき浴を使用し、
    10〜150A/dm2の電流密度で電気亜鉛系めっき
    を行うことを特徴とする色調むらがなく、且つ明度およ
    び光沢の優れた電気亜鉛系めっき鋼板の製法。
  5. 【請求項5】 亜鉛系めっき層が形成された鋼板を、平
    衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低
    い金属元素の1種以上を含有する酸性溶液に浸漬し、上
    記金属元素を表面に析出させた後、その上に、最表層部
    を構成する亜鉛めっき層を形成することを特徴とする色
    調むらがなく、且つ明度の優れた電気亜鉛系めっき鋼板
    の製法。
  6. 【請求項6】 平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電
    圧が亜鉛よりも低い金属元素が、Sn,In,Se,S
    b,Geよりなる群から選択される少なくとも1種であ
    る請求項4または5に記載の製法。
JP13699897A 1996-07-04 1997-05-27 電気亜鉛系めっき鋼板およびその製法 Expired - Lifetime JP3364878B2 (ja)

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