JP2001049483A - 色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法

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JP2001049483A
JP2001049483A JP11223491A JP22349199A JP2001049483A JP 2001049483 A JP2001049483 A JP 2001049483A JP 11223491 A JP11223491 A JP 11223491A JP 22349199 A JP22349199 A JP 22349199A JP 2001049483 A JP2001049483 A JP 2001049483A
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Hiroaki Nakano
博昭 中野
Kuniyasu Araga
邦康 荒賀
Masatoshi Iwai
正敏 岩井
Kenji Miki
賢二 三木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき浴条件を調整するだけで、めっきムラ
がなく且つ明るい色調を有する電気亜鉛めっき鋼板を安
定的に得ることができる電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
及び色調に優れた電気亜鉛めっき鋼板を提供する。 【解決手段】 酸性浴を用いた電気亜鉛めっきにより電
気亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、前記酸性浴
中には、めっき過電圧を低下させる元素が0.01〜1
500ppm、好ましくは0.01〜1000ppm存
在している。過電圧が低下すると(0002)面の配向
指数が増加し、光の拡散反射量が増大してL値(白色
度)が高くなる。前記めっき過電圧を低下させる元素
は、Mo、W、Zr、及びCrよりなる群から選択され
る少なくとも1種であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木目ムラや反転ム
ラなどのムラがなく、しかも明るい色調を有する電気Z
nめっき鋼板を安定的に得られる製造方法及びその方法
により得られる電気亜鉛めっき鋼板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、電気亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛メッキ鋼板と比較
して皮膜の均一性および外観において優れているため、
自動車、家電、建材用途等に広く用いられている。
【0003】特に近年、ユーザーからの塗装省略要求に
よって、Znめっき皮膜上にクロメート処理、さらに有
機樹脂コーティングを行った表面処理鋼板が、耐食性、
耐指紋性、潤滑性等に優れた表面処理鋼板としてそのま
ま使用されることが多い。この場合、亜鉛メッキ皮膜の
外観が、クロメート処理後、樹脂コーティング後もその
まま反映されるため、めっき皮膜の色調をコントロール
できることが求められている。また、表面ムラのない外
観の美麗な亜鉛めっきを行うことも重要である。
【0004】しかしながら、亜鉛めっき鋼板の外観は、
めっき母材表面の影響を受けやすい。例えば、母材表面
に形成される酸化物皮膜の厚さが均一でないと、メッキ
後の外観は、母材における酸化物皮膜の厚い個所と薄い
個所でムラになる。また、母材表面に、Ni、Cr、C
等の不純物が偏析あるいは付着していると、不純物が付
着等している部分としていない部分とで、めっきムラに
なって表れる。
【0005】亜鉛めっき鋼板の外観を改善する手段とし
て、母材の製造条件(熱間圧延後の酸洗、冷間圧延後の
電解洗浄、焼鈍後の条件)を工夫することが考えられ
る。しかし、母材の表面ムラは、めっき後、めっき層の
表面ムラ等の外観不良として現われることにより認識で
きるようになるので、めっき前に母材の表面ムラを評価
することは困難である。このため、母材表面のムラに拘
わらず、優れためっき被覆が得られる方法(めっき条
件、めっき後の処理など)が求められている。
【0006】例えば、めっき後の洗浄条件を工夫するこ
とにより、めっき皮膜の変色や汚れが少なく、光沢に優
れた電気Znめっき鋼板の製造方法が提案されている
(特開昭57−110692号)。しかし、安定的に良
好な外観を得るには至っておらず、めっき皮膜の外観の
改善は、母材の表面性状だけでなく、めっき条件にも依
存することが大きいと予想される。
【0007】電気めっきの電解条件と、電気亜鉛めっき
層の表面粗さ及び結晶状態の変化については、「鉄と
鋼」第76年(1990)第8号において検討されてい
る。しかしながら、電気めっきの電流密度を変えること
は、めっき操業上経済的でないため、比較的変更が容易
な浴条件を変えることによって亜鉛めっき鋼板の表面外
観を向上できる方法が求められている。
【0008】また、特開平3−31795号公報には、
母材の表面結晶粒度と展伸率が特定範囲の母材を用い、
めっき浴のpHを限定することにより、微細なZn結晶
の皮膜を形成するという平滑観、光沢に優れたZnめっ
き鋼板の製造方法が提案されている。しかし、使用する
母材条件を限定することは経済的でなく、また色調に関
しては検討されていない。
【0009】一方、色調に着目して改善された電気亜鉛
めっき鋼板の製造方法としては、特開平9−19508
2号公報に、タリウムを0.01〜10ppm含有した
硫酸塩酸性のめっき処理浴を用いて電気亜鉛めっきする
ことにより、めっき表面のL値が70以上の電気亜鉛め
っき鋼板が得られる方法が開示されている。しかし、タ
リウムの添加量の許容範囲が非常に狭いため、安定して
良好な色調を有する電気亜鉛めっき鋼板を得るには至っ
ていない。浴中のAl、Pbイオン濃度を規定すること
により、明るい色調を有する電気亜鉛めっき鋼板を製造
する方法についても、同様に、良好な色調が得られる添
加量の範囲が狭く、安定的に良好な色調を得ることが困
難である。
【0010】また、特開平2−104673号公報に、
例えば、クロメート処理された電気亜鉛めっき鋼板にお
ける色調の明暗は、亜鉛めっきの配向指数に大きく影響
されるものであり、(00・2)面の配向指数及び(1
0・1)面の配向指数を特定範囲内に調整することによ
り、白色度の指数となるL値が55以上の明るい色調の
クロメート処理電気亜鉛めっき鋼材が得られること、ク
ロメート処理後の電気亜鉛めっき鋼材の色調は、亜鉛め
っき層の(00・2)面の配向指数が高くなるのに従っ
て明るくなることが記載されている。しかし、電気亜鉛
めっき層の配向指数は、めっき浴の温度やpHの調節、
めっき時の電流密度変化、めっき浴中の微量Feイオン
や微量Niイオン等の添加手段によって調整することが
できると記載されているのみで、詳細な説明がなされて
いない。
【0011】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、めっき浴条件を
調整するだけで、めっきムラがなく且つ明るい色調を有
する電気亜鉛めっき鋼板を安定的に得ることができる電
気亜鉛めっき鋼板の製造方法及び色調に優れた電気亜鉛
めっき鋼板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】亜鉛めっきの明るさを示
す指標である白色度(L値)は、光の拡散反射量に依存
し、拡散反射量が多くなるほど、L値を高くすることが
できる。また、光の拡散反射量は、亜鉛めっき皮膜表面
の粗度が小さいほど増加する。
【0013】ここで、亜鉛の結晶構造は六方稠密晶であ
り、六方晶の基底面である(0002)面を形成してい
る六角形の板状結晶が鋼板に対して平行に析出した場
合、亜鉛めっき皮膜表面の粗度は小さくなる傾向があ
る。よって、亜鉛めっき皮膜の(0002)面の配向指
数を高くしてめっき皮膜の表面粗度を小さくすれば、L
値を高くすることができる。
【0014】本発明者らは、母材の表面性状に拘わら
ず、(0002)面の配向が強い亜鉛めっき皮膜を形成
する方法を鋭意検討した結果、亜鉛めっきにおける亜鉛
結晶の配向性はめっき過電圧により変化し、過電圧が低
下すると(0002)面の配向指数が増加することに着
目し、特定元素をめっき浴に添加することにより、めっ
き過電圧を低下させることができることを見い出して、
本発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の色調の優れた電気亜鉛
めっき鋼板の製造方法は、酸性浴を用いた電気亜鉛めっ
きにより電気亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、
前記酸性浴中には、めっき過電圧を低下させる元素が
0.01〜1500ppm存在していることを特徴とす
る。特に、前記酸性浴中に存在するめっき過電圧を低下
させる元素を0.01〜1000ppmとすることによ
り、高電流効率で色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板を製
造することができるので好ましい。
【0016】前記めっき過電圧を低下させる元素は、M
o、W、Zr、及びCrよりなる群から選択される少な
くとも1種であることが好ましい。
【0017】本発明の色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板
は、亜鉛めっき皮膜のL値が82以上であることを特徴
とする。主として上記本発明の方法で製造される。
【0018】好ましくは、めっき過電圧を低下させる元
素が0.1〜1000ppm存在している酸性浴を用い
て電気亜鉛めっきを行なった電気亜鉛めっき鋼板であっ
て、亜鉛めっき皮膜のL値が84以上である。製造にお
いて、電流効率に優れ、しかもめっきムラが少なく、大
変明るい色調のめっき皮膜を有している。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の色調の優れた電気
亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。
【0020】本発明の電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
は、酸性めっき浴中に、めっき過電圧低下元素を存在さ
せることに特徴がある。
【0021】めっき過電圧低下元素とは、めっき浴中に
存在することにより、めっき過電圧を下げることができ
る元素で、陰極界面で加水分解して水酸化物又は酸化物
の形で存在する元素や、陰極界面に限らずめっき浴中で
酸化物又は水酸化物の状態で存在する元素が該当する。
これらの元素がめっき過電圧を低下できる原因として
は、主として、の2つが考えられる。
【0022】酸化物又は水酸化物の状態にある元素が
陰極に吸着されて、水素イオンの還元を促進し、この水
素イオンの還元促進に伴って全体のめっき過電圧が低下
する。 酸化物または水酸化物の状態にある元素が陰極に吸着
され、Clイオンと類似の作用により、亜鉛イオン自体
の還元を促進して、めっき過電圧を低下させる。
【0023】めっき過電圧低下元素の具体例としては、
Mo、W、Zr、Crなどが挙げられる。これらの元素
は、めっき浴において、陰極界面では、MoO4 2-、R
eO4 -などの酸化物の状態で存在していると予想され
る。これらの酸化物は水素析出に対して触媒作用を有す
ることから、陰極界面で水素の析出が促進され、これに
より陰極反応全体としての分極曲線が貴側にシフトし、
結果的にZn析出の過電圧を低下させると考えられる。
【0024】本発明に係る電気亜鉛めっきに用いられる
酸性浴は、従来より公知の酸性浴、すなわち電解液とし
て硫酸や塩酸等の酸性液に、上記めっき過電圧低下元素
を添加したものである。過電圧低下元素は、金属粉末や
金属箔等の金属状態で添加してもよいし、硫酸塩、塩化
物塩、リン酸塩、炭酸塩、酸化物等のような金属塩の形
で添加してもよい。金属塩の場合、元素の価数は制限さ
れず、例えばCrの場合であれば3価でも6価でもよ
い。Mo、Wも6価、4価等のいずれでもよい。また、
上記過電圧低下元素は、1種類だけでもよいし、2種類
以上混合して添加してもよく、高い白色度のめっき鋼板
を得ようとする場合には、Wを含むことが好ましい。
【0025】めっき浴中の過電圧低下元素の含有率は、
総量で、0.01ppm以上、好ましくは0.1ppm
以上で、その上限は1500ppm以下、好ましくは1
000ppm以下、より好ましくは100ppm以下で
ある。その理由を図1〜3に基づいて説明する。図1〜
3は、それぞれ、めっき浴中のW含有率(金属W換算)
とL値、反転ムラ、及び電流効率との関係を示すグラフ
である。0.01〜1500ppmの範囲では、母材の
表面性状に拘わらず、形成される亜鉛結晶は全体的に
(0002)面に配向されるので、図2に示すように、
反転ムラや木目ムラ等のめっきムラが少なくなり、また
めっき皮膜の平滑化により、図1に示すようにめっき皮
膜表面の全体が明るくなる(Wの場合、L値84以上と
なる)。一方、0.01ppm未満では、過電圧低下元
素含有の効果がなく、母材の表面性状の影響を受けた亜
鉛めっき皮膜が形成されるので、めっきムラがあり(図
2参照)、色調の明るいものが得にくい(図1参照)。
逆に1500ppm超になると、水素が発生しすぎて、
形成されたZn結晶の一部が溶かされ始め、亜鉛の板状
結晶のエッジがやや丸みを帯びたような結晶となる。結
晶の溶ける部分は均一ではないため、図2に示すように
めっきムラが発生することになる。また、結晶の溶解に
より表面の平滑性が低下する結果、図1に示すように白
色度も低下する(Wの場合、L値84未満になる)。さ
らに、1000ppm超では、水素の析出反応が促進さ
れて電流効率も低下するので、高電流効率(具体的には
95%以上)で色調の優れた電気Znめっき鋼板を得よ
うとする場合には、1000ppm以下とすることが好
ましい(図3参照)。尚、以上の傾向は、Wのみなら
ず、Mo、Cr、Zrを添加した場合も同様である。但
し、CrについてWと同程度の効果、特にL値が84以
上の電気亜鉛めっき鋼板を得るためには、0.1〜10
00ppmとすることが好ましい。
【0026】電解めっきに用いられる電極(陽極)の種
類は特に限定せず、従来より用いられているPb−Sn
電極、Pb−In電極、Pb−Ag電極、Pb−In−
Ag電極等の鉛系電極、酸化イリジウム電極等の電極を
用いることができる。
【0027】電解条件としては、従来の条件をそのまま
採用することができ、一般には、電流密度50〜200
A/dm2、浴温50〜70℃、流速0.8〜2.0m
/min、付着量10〜30g/m2程度である。
【0028】以上のような条件で電気亜鉛めっきを行な
うと、過電圧低下元素が含有されていない亜鉛めっき皮
膜が形成される。すなわち、Cr、Zrは、その平衡電
位がZnの平衡電位より卑であるため、亜鉛と共析しな
い。W、Moは、平衡電位がZnの電位より貴である
が、不活性金属であり、鉄族金属とは、誘導型合金電析
により析出するものの、Znとは共析しないと考えられ
る。このように、めっき浴に存在していた過電圧低下元
素は、めっき皮膜中には組み入れられないが、めっき過
電圧を低下させる作用により、(0002)面の配向指
数が高い亜鉛めっき皮膜を形成する。母材の表面性状に
拘わらず、全体として(0002)面の配向指数が強い
平滑面が形成される結果、光の拡散反射量が増加し、従
来よりも色調が明るいめっき皮膜が形成される。具体的
にはL値が82以上、好ましくは84以上のめっき皮膜
が形成される。また、全体として、(0002)面に積
層した亜鉛皮膜が形成される結果、めっき皮膜のムラが
少なくなる。一方、めっき皮膜に過電圧低下元素が共析
しないということは、耐食性、潤滑性といっためっき皮
膜の化学的特性に影響を与えずに済むという点でも優れ
ている。
【0029】本発明の色調に優れた電気亜鉛めっき鋼板
は、明るい色調で、めっきムラの少ない亜鉛めっき皮膜
が、母材表面に形成されたもので、主として、上記本発
明の製造方法により製造することができる。
【0030】尚、本明細書にいう「めっきムラが少な
い」とは、木目ムラ、反転ムラというような表面ムラが
ないことをいう。ここで木目ムラとは、いわゆる木目の
ようにスジ状に見えるものであり、六角形の板状結晶が
粗大化している部分と粗大化していない部分とが混在し
て木目のようになって表れたためと考えられる。反転ム
ラとは、観察する角度によって、白っぽさ、黒っぽさの
色調が反転して見えることで、Zn結晶面の配向性が、
位置によって異なっている為、光の反射の具合によって
白、黒の色調が反転すると考えられる。
【0031】電気亜鉛めっきが施される母材(下地鋼
板)としては、普通鋼、Alキルド鋼、高張力鋼板等種
々のものを用いることができる。
【0032】亜鉛めっき皮膜の組成としては、従来の酸
性めっき浴を用いた方法で形成される亜鉛めっき皮膜と
同じである。すなわち、めっき浴中に存在していた過電
圧低下元素は、いずれもその平衡電位が亜鉛よりも卑で
あるか、不活性金属であることから、めっき皮膜中には
組み込まれない。このことは、誘導結合高周波プラズマ
分光分析(IPC)を用いてめっき皮膜の組成を分析し
たところ、過電圧低下元素が検出されなかったことから
も確認されている。しかし、過電圧低下元素の上述の作
用により、めっきムラが著しく改善され、また白色度の
指標となるL値が高い、明るい色調のめっき皮膜を有し
ている。具体的には、母材の表面性状によらず、L値が
82以上、めっき過電圧低下元素の含有率によっては8
4以上の亜鉛めっき皮膜が形成されている。メッキ皮膜
の表面粗度の低下は摩擦係数を小さくする効果もあるの
で、本発明の電気亜鉛めっき鋼板はプレス加工性も向上
している。
【0033】本発明の電気亜鉛めっき鋼板は、以上述べ
たように、めっきムラが少なく、明るい色調を有してい
るので、亜鉛めっきまま材(塗油有り無し材)として製
品に適用してもよいし、亜鉛めっき表面に更にクロメー
ト処理してもよいし、更にクロメート処理後、有機樹脂
被覆したものを製品としてもよい。また、亜鉛めっき表
面に塗装してもよい。塗装表面は亜鉛めっき皮膜の性状
に影響されるので、本発明の表面外観に優れた亜鉛めっ
き鋼板は、塗装表面の外観、塗装後の鮮映性も優れてい
る。特に白色に塗装する場合、めっき皮膜が白いため塗
膜を薄くすることも可能となる。
【0034】
【実施例】〔測定、評価方法〕 白色度(L値) 日本電色工業株式会社製のSZS−Z90を用いて、J
IS−Z−8722に従い、拡散反射成分のみを測定す
る光トラップありの0−d法にて、L値を測定した。L
値が高いほど、白色度が高く明るいことを示す。
【0035】表面外観 目視で表面外観を観察し、木目状のムラ及び反転ムラを
評価した。 (a)木目状のムラ いわゆる木目のようにスジ状に見えるムラの程度によ
り、木目状のムラが全くない場合を「◎」、僅かに発生
している場合を「○」、少し発生している場合を
「△」、著しく発生している場合を「×」の4段階で評
価した。 (b)反転ムラ 観察する方向によって白っぽさ、黒っぽさが反転して見
えるムラの程度により、反転ムラが全くない場合を
「◎」、僅かに発生している場合を「○」、少し発生し
ている場合を「△」、著しく発生している場合を「×」
の4段階で評価した。
【0036】加工性 80トンのクランクプレス装置を用いて、単発のプレス
試験を実施し、成形後の成形品の摺動面を目視で観察
し、かじりの発生の程度に応じて、カジリが全くなしの
場合を「◎」、僅かに発生している場合を「○」、少し
発生している場合を「△」、著しく発生している場合を
「×」の4段階で評価した。
【0037】鮮映性 電気亜鉛めっき鋼板にクロメート処理(Cr:30mg
/m2)を行なった後、塗装処理(ポリエステル系塗料
をプライマー5μm、トップコート15μm)を行な
い、鮮映性を目視にて観察し、鮮映性が非常に良好な場
合を「◎」、やや良好な場合を「○」、やや不良の場合
を「△」、著しく不良の場合を「×」の4段階で評価し
た。
【0038】めっき電流効率 通電量及びZn析出量から、めっき電流効率を算出し
た。
【0039】〔亜鉛めっき鋼板の作製〕厚さ0.7m
m、幅1419mmの冷延鋼板を、電気めっきラインに
内で電解脱脂、酸洗、水洗した後、下記組成を有するめ
っき浴に更に表1に示す元素を硫酸塩又は酸化物の形で
添加し、下記電解条件で電気亜鉛めっきを20g/m2
施した。尚、電極としては、陽極に酸化イリジウムを用
いた。 めっき浴組成 ZnSO4・7H2O 350g/l Na2SO4 70g/l H2SO4 30g/l 電解条件 電流密度 100A/dm2 浴温 60℃ 流速 1.2m/sec 付着量 20g/m2 作製した電気亜鉛めっき鋼板について、上記評価方法に
基づいて評価した。評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】〔評価〕表1から、Crの場合、過電圧低
下元素のめっき浴中の含有率が0.01ppm以上では
L値82以上、0.1ppm以上でL値84以上の明る
い色調のめっき鋼板が得られる。0.01〜1000p
pmでは、めっきムラ、加工性、鮮映性に優れためっき
皮膜が得られる。一方、0.01ppm未満ではめっき
ムラ、加工性、鮮映性が低下し(No.26)、100
0ppmを超えるとめっきムラ、加工性、鮮映性が低下
するだけでなく、電流効率も低下することがわかる(N
o.27)。このように、L値の具体的数値がWよりも
若干低くなっていることを除けば、CrはWと同様の傾
向(図1〜図3参照)を示すことがわかる。
【0042】また、表1から、Zr、Moは、WとCr
の中間程度の傾向を示し、0.01〜1000ppmの
割合で添加させることにより、めっきムラ、加工性、鮮
映性に優れためっき皮膜を95%以上の高電流効率で得
られたことがわかる。さらにNo.22〜24より、W
を含む2種類以上の元素を混合する方が1種類の元素を
添加する場合よりも高いL値の電気亜鉛めっき鋼板を得
られることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明の電気亜鉛めっきの製造方法によ
れば、電解条件をはじめとする従来のめっき条件を変え
ることなく、めっき浴に過電圧低下元素を添加するだけ
で、用いる母材の表面性状に拘わらず、安定的に明るい
色調で、めっきムラの少ない電気亜鉛めっき鋼板を製造
することができる。
【0044】本発明の電気亜鉛めっき鋼板は、ムラなく
明るい色調を有し、表面外観に優れているので、近年の
塗装省略要求の表面処理鋼板として好適に用いることが
できる。また、加工性、鮮映性にも優れているので、塗
装の有無に拘わらず種々の用途に好適に用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき浴中のW添加量とL値との関係を示すグ
ラフである。
【図2】めっき浴中のW添加量とめっきムラとの関係を
示すグラフである。
【図3】めっき浴中のW添加量と電流効率との関係を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 正敏 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 三木 賢二 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 Fターム(参考) 4K023 AA04 AA15 BA06 CA09 DA02 DA07 DA08 DA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性浴を用いた電気亜鉛めっきにより電
    気亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、 前記酸性浴中には、めっき過電圧を低下させる元素が
    0.01〜1500ppm存在していることを特徴とす
    る色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸性浴中に存在するめっき過電圧を
    低下させる元素は0.01〜1000ppmであって、
    高電流効率で色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板を製造で
    きる請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記めっき過電圧を低下させる元素は、
    Mo、W、Zr、及びCrよりなる群から選択される少
    なくとも1種である請求項1又は2に記載の電気亜鉛め
    っき鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 亜鉛めっき皮膜のL値が82以上である
    ことを特徴とする色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より製造された請求項4に記載の電気亜鉛めっき鋼板。
  6. 【請求項6】 めっき過電圧を低下させる元素が0.1
    〜1000ppm存在している酸性浴を用いて電気亜鉛
    めっきを行なった電気亜鉛めっき鋼板であって、亜鉛め
    っき皮膜のL値が84以上であることを特徴とする色調
    に優れた電気亜鉛めっき鋼板。
JP11223491A 1999-08-06 1999-08-06 色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Withdrawn JP2001049483A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100579410B1 (ko) * 2001-10-23 2006-05-12 주식회사 포스코 내식성 및 표면경도가 양호한 아연 전기도금강판 제조방법 및 이를 위한 염화물욕 아연전기도금용액
KR20060082163A (ko) * 2005-01-11 2006-07-18 현대하이스코 주식회사 표면 외관이 우수한 황산욕 전기 아연 도금 강판 및인산염 처리 강판의 제조 방법
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