JP2831946B2 - 量水器筐の連結構造 - Google Patents

量水器筐の連結構造

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JP2831946B2
JP2831946B2 JP12368695A JP12368695A JP2831946B2 JP 2831946 B2 JP2831946 B2 JP 2831946B2 JP 12368695 A JP12368695 A JP 12368695A JP 12368695 A JP12368695 A JP 12368695A JP 2831946 B2 JP2831946 B2 JP 2831946B2
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卓 堀ノ内
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  • Mutual Connection Of Rods And Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上段枠体と下段枠体と
を係合部と係合具とにより一体的に連結できるようにし
た量水器筐に関する。
【0002】なお、本願明細書でいう「枠体」とは、量
水器や給水装置を収容する受枠体,高さ調整用の継ぎ枠
,受枠体又は継ぎ枠体の下面に設置する底枠体等を総
称する。
【0003】
【従来の技術】周知のように、地中に埋設される上水道
の給水装置を保護する量水器筐は、通常その内部に量水
器や止水栓等の給水装置を収容する受枠体と、この受枠
体の上面に開閉可能に取り付けられる蓋体とによって構
成されており、この蓋体の上面が地表面に臨むように地
中に埋設して設置されるものである。
【0004】寒冷地等においては、凍結による量水器や
水道管の破裂を防止するために、給水装置が地表面から
深い位置に埋設されている。この場合には、蓋体を取り
付けた受枠体の下方に1個または数個の継ぎ枠体を連接
し、給水装置が最下部の継ぎ枠体の内部に収納されるよ
うに量水器筐の総高さが調整される。また、地盤がやや
軟弱な場合には、給水装置を収納している受枠体または
継ぎ枠体の下面側に底枠体を設置し、量水器筐が沈下し
ないよいうに保護している。このため、量水器筐は、複
数の枠体を上下に積層した状態で地中に埋設して設置す
る施工が行われることが殆どである。
【0005】ところが、複数の枠体を単に上下に積層し
ただけでは、地中における安定性に欠けるし、また設置
作業時に上下の枠体の位置がずれてしまい、枠体の内部
に土砂が流入する恐れがある。
【0006】このような枠体の位置ずれ等を防止するた
め、現場施工する際に複数の枠体を連結して一体化する
作業が必要であり、この連結のために様々な構造が採用
されている。
【0007】たとえば、実公平3−42131号公報に
記載のものでは、枠体の内壁の上下両端の四隅部分に連
結座を突き出しておき、上下に枠体を積み重ねたときに
これらの連結座が整合する配置としたものである。そし
て、上下に重なり合う連結座にタッピンねじをねじ込む
ことによって、積み重ねた枠体を連結する構造としてい
る。
【0008】また、特公平63−65778号公報に
は、合成樹脂の吹き込み成形によって枠体の全周に凹凸
形状を持たせ、これらの凹凸と樹脂の弾性を利用して枠
体どうしを嵌合によって連結可能とした構造が記載され
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の公報
に記載のネジ接合による場合では、枠体どうしを上下に
連結するときに、これらの内壁の四隅に設けた連結座の
それぞれにタッピンねじをねじ込む作業となる。このた
め、枠体内の狭い空間でドライバ等を使用しなければな
らず、タッピンねじを回す作業に時間を費やし、施工時
間が長くなる。また、施工後に手直しするような場合に
は、連結座から一旦タッピンねじを抜いて再びねじ込む
ことになるので、時間と労力が必要となるだけでなく、
ねじ接合が弱くなる恐れがあり、枠体どうしの位置がず
れたりして安定性を欠くことにもなる。
【0010】また、後者の公報に記載のものでは、枠体
どうしの凹凸と弾性による嵌合を利用するので、枠体の
連結作業はねじ止めする場合に比べると簡単に行える。
しかしながら、弾性嵌合のみによって枠体どうしを結合
しているので、その機械的強度には限界があり、施工後
において土圧等によって結合が外れてしまう恐れがあ
る。また、在庫している間は、枠体どうしを嵌合させた
ままなので、出荷時や施工現場での組直しのための分離
等に時間と労力を必要とする。
【0011】このように、従来の枠体の連結構造では、
その施工性や組替え後の強度及びハンドリング等の面で
改善すべき問題が残っている。
【0012】本発明において解決すべき課題は、出荷や
現場施工の際には上段枠体と下段枠体の連結及び分離作
業が簡単に行え、しかも施工後においては強固な連結の
維持が可能な量水器筐の連結構造を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下に枠体を
積み重ねて相互にこれらの枠体を連結する量水器筐であ
って、上段及び下段の枠体を、一方の枠体の当接部分に
備える係合部と他方の枠体の当接部分に備える係合具と
の間の係合関係によって連接可能とし、前記係合具の回
転による姿勢変更によって該係合具と前記係合部とを係
合及び離脱可能としてなることを特徴とする。
【0014】このような構成において、上段及び下段の
枠体をそれぞれ弾性変形可能な外周壁と内周壁の二重壁
構造とすると共に下端を開放した縦断面形状とし、枠体
の上端面に係合具を取り付けると共に外周壁又は内周壁
の下端部に係合孔を係合部として設け、下段配置の枠体
の係合具を上段配置の枠体の係合孔に整合可能となるよ
うにこれらの係合具と係合孔との位置関係を持たせ、係
合具は枠体の高さ方向とほぼ平行な回転軸線を持って該
枠体に回転可能に連接し、下段配置の枠体の係合具の回
転姿勢によって上段配置の枠体の係合孔への係合及び離
脱を可能とした構成とすることができる。
【0015】また、枠体の上端を開放した縦断面形状と
した場合では、枠体の下端面に係合具を取り付けると共
に外周壁又は内周壁の上端部に係合孔を係合部として設
け、上段配置の枠体の係合具の回転姿勢によって下段配
置の枠体の係合孔への係合及び離脱を可能とした構成と
すればよい。
【0016】更に、係合具は、外周壁又は内周壁より外
に突き出る姿勢に自身の回転によって設定可能な平面形
状を持ち、且つ突き出た姿勢のとき少なくとも外周壁
内周壁側に開けた係合孔に対峙する側に裾広がりの傾
斜面を形成してなり、外周壁と内周壁の開放端部の間隔
距離を係合具の傾斜面を含む下端の長さよりも小さくし
たものとすることができる。
【0017】更に、外周壁と内周壁の開放端部の間隔距
離を係合具の傾斜面を含む下端の長さよりも大きくし、
係合具が内周壁又は外周壁に臨む側の近傍に、内周壁又
は外周壁の内面に突き当たり可能な補助突起を設けた構
成とすることもできる。
【0018】
【作用】係合具を回転操作することによって、相手の枠
体の係合部への係止及びその解除が可能なので、ねじを
回すような作業が不要となり、係合具自身の回転姿勢の
変更のみの簡単な操作での連結及び解除が可能となる。
【0019】たとえば、下段配置の枠体の係合具を回転
操作することによって、上段配置の枠体の係合孔にこの
係合具が嵌まり込む姿勢及び離脱する姿勢に設定できる
ので、係合具の係合孔への嵌まり込みにより、上下段の
枠体どうしの連結が可能となる。
【0020】また、係合具に少なくとも外周壁または内
周壁に開けた係合孔に対峙する側に傾斜面を持たせ、こ
の傾斜面を含む下端部どうしの間の距離よりも枠体の内
周壁と外周壁の開放端部どうしの間隔を小さくしておけ
ば、傾斜面と内外周壁との間のテーパ係合によってこれ
らの周壁どうしの間隔が一旦拡がってから係合具が係合
孔の中に嵌まり込む。したがって、係合を解除する場合
にはこのような周壁の変形が必要となり、これを目的と
した外力が作用しない限り係合具による連結は解除され
ない。また、補助突起を設ける場合でも同様である。
【0021】
【実施例】図1は本発明の量水器筐の連結構造を適用し
た高さ調整用の継ぎ枠体を本実施例における枠体として
上下2段に配置する例を示す分解斜視図、図2は要部を
拡大して示す斜視図である。
【0022】図において、下段及び上段の継ぎ枠体1,
2は合成樹脂製の同一の枠体であり、それぞれ外周壁1
a,2a及び内周壁1b,2bを備えると共にこれらの
内外周の壁の間の数カ所をリブ1i,2iによって連結
し、下端を開放した中空構造としたものである。外周壁
1a,2aは内周壁1b,2bよりも少し下に長く形成
され、下端部の合計4個所には係合部としてそれぞれ係
合孔1c,2cを開けている。
【0023】継ぎ枠体1,2の上端部であって外周壁1
a,2aと内周壁1b,2bとの間に平坦なリム1d,
2dを形成し、これらのリム1d,2dにそれぞれ4個
の係合具3,4を取り付ける。
【0024】これらの係合具3,4も同一の部品であっ
て、継ぎ枠体1に備える係合具3の側面図を図3の
(a)に及び平面図を同図の(b)にそれぞれ示す。
【0025】係合具3は、合成樹脂を素材とし、長手方
向の両端には傾斜面3b,3cを設け、更に下面には傾
斜面3cに偏った側に二股のフック3dを設けたもので
ある。フック3dはほぼ半円形の横断面形状を持つ2本
の脚を間隔をおいて備え、それぞれの下端部にはテーパ
3d−1を形成し、同図(a)の矢印方向に弾性変形可
能である。また、係合具3の下面には傾斜面3b側に偏
った側に突起3eを設けている。
【0026】係合具3は、図1及び図2に示すように、
リム1dに開けた取付け孔1eにフック3dを差し込ん
で継ぎ枠体1に取り付けられる。取付け孔1eの内径は
フック3dのテーパ3d−1の上端の外径よりも小さく
することによって、スナップフィット式で係合具3を取
付け孔1eに取付け可能とすると共に、この取付け孔1
e内でフック3dを回転可能とする。なお、本実施例の
ように、係合具3の上端にH字状の稜ができるように形
成した摘み部3aを設けると回転操作が容易となる。
【0027】図4は係合具3を図2において上段の継ぎ
枠体2に取付けられた係合具4と同じ姿勢に保持したと
きの詳細であって、同図の(a)はその縦断面図、同図
の(b)は平面図である。
【0028】取付け孔1eの近傍には、係合具3の下面
に突設した突起3eが嵌まり込む保持溝1fを設けると
共に、この保持溝1fと反対側には平面形状をほぼ正方
形状として突き出したストッパ1gを形成する。保持溝
1fは突起3eが嵌まり込んだときにこれを拘束して係
合具3を図4の(b)の姿勢に保持する。また、ストッ
パ1gは取付け孔1e内でフック3dが回転するとき、
摘み部3aに対するフック3dの偏った配置を利用し
て、この摘み部3aが同図(b)において時計方向また
は半時計方向に回っても、突起3e側が保持溝1fと反
対側に回転するのを規制する。これにより、係合具3を
手で回すときも係合具3の向きを誤ることなく保持溝1
fに突起3eを落とし込んで図4の姿勢に確実に維持す
ることができる。
【0029】上段配置の継ぎ枠体2に設ける係合具4に
ついても全く同様であり、リム2dに開けた取付け孔に
フック部分を差し込むことによって、回転可能に連結す
ることができる。そして、リム2dに設けた保持溝2f
及びストッパ2gを利用して、図4で説明したものと同
様に係合具4を保持溝2fに拘束して図1及び図2に示
す姿勢に係合具4が保持される。
【0030】以上の構成において、係合具3を図4の姿
勢に設定したとき、下段の継ぎ枠体1と上段の継ぎ枠体
2との関係は図5に示すものとなる。すなわち、係合具
3の傾斜面3bはリム1d上に含まれるように位置して
外周壁1aから外側に突き出ていないので、同図の
(a)の状態から同図(b)に示すように継ぎ枠体2を
被せても係合具3との干渉はない。したがって、このよ
うな係合具3の姿勢に設定しておけば、上下の継ぎ枠体
1,2は連結されないため、出荷時や現場施工の際に、
これらの継ぎ枠体1,2を簡単に分離することができ
る。
【0031】図6は下段の継ぎ枠体1に上段の継ぎ枠体
2を連結するために係合具3の姿勢を設定したときの要
部の縦断面図、図7は係合具3の姿勢を示すための要部
の平面図である。
【0032】係合具3は図2で示すようにその傾斜面3
bが継ぎ枠体1の外側を向く姿勢としてフック3dを取
付け孔1eに差し込んだ状態で取り付けられている。こ
のとき、突起3eは継ぎ枠体1の外周壁1aの上端縁部
に被さるようになり、この突起3eが外周壁1aの周方
向に或る程度の長さを持つものであれば、外周壁1aと
の面接触によって係合具3は図7の姿勢に拘束される。
【0033】ここで、係合具3の傾斜面3b,3cの下
端どうしの間の距離をXとし上段の継ぎ枠体2の外周壁
2a及び内周壁2bの下端どうしの間の水平距離をYと
するとき、XがYよりも少し大きい関係を持たせる。
【0034】そして、上段の継ぎ枠体2を図6の状態か
ら被せていけば、図8に順に示すように係合具3によっ
て継ぎ枠体1,2どうしが連結される。
【0035】図8の(a)は、継ぎ枠体2の外周壁2a
の下端内周が係合具3の傾斜面3bに突き当たるまで下
げた状態であり、更に継ぎ枠体1側に被せるようにする
と、傾斜面3bによって外周壁2aの下端側が外側に押
される向きに弾性変形する。そして、さらに継ぎ枠体2
を押し下げ、同図の(b)に示すように他方の傾斜面3
cが内周壁2bの下端側に突き当たる状態に達すると、
傾斜面3bの下端部が外周壁2aの内面に突き当たって
拘束されることで、内周壁2bが傾斜面3cによって内
側に押されて弾性変形する。
【0036】このように、継ぎ枠体2を被せていくとき
には、傾斜面3bによって外周壁2aがまず最初に外側
に押し出され、その後傾斜面3cによって内周壁2bが
内側に押されるように弾性変形する。そして、係合孔2
cの下端の開口縁と内周壁2bの下端の高さ位置を同じ
にしておけば、傾斜面3bの下端側の先端が同図の
(c)に示すように係合孔2cの中に嵌まり込む。この
とき、外周壁2aは同図の(b)との比較から明らかな
ように内側に弾性復元し、この外周壁2aとはリム2d
によって一体となっている内周壁2bも内側に変位す
る。したがって、傾斜面3c側の内周壁2bへの突き当
たりはなくなり、外周壁2aも内周壁2bもいずれも連
結する前の形状に復元する。
【0037】係合具3の係合孔2cへの嵌まり込みによ
って、継ぎ枠体1,2は互いに連結される。そして、こ
れらの継ぎ枠体1,2を引き離そうとしたときでも、継
ぎ枠体2の内周壁2bを内側へ及び外周枠2aを外側に
押して変形させるような外力が作用しない限り、係合具
3による拘束は解除されず、強固で安定した連結状態が
維持される。また、継ぎ枠体1,2の内部のリブ1i,
2iが外周壁1a,2aと内周壁1b,2bとの間を連
結しているので、これらの外周壁1a,2aと内周壁1
b,2bとの間の間隔が拡がることが規制され、これに
より係合具3による連結が一層強固なものとなる。
【0038】更に、連結した継ぎ枠体1,2を分離する
ときには、図8の(c)に示すように係合孔2cから係
合具3の傾斜面3b側が外に臨んでいるので、指先で押
したり又は棒やドライバ等の尖頭状の工具を用いて係合
具3を回転させて、これを図4の姿勢に戻す。これによ
り、係合具3と継ぎ枠体2との係合が解かれ、継ぎ枠体
1,2の分離が可能となる。
【0039】なお、図示の実施例では、係合具3には2
面に傾斜面3b,3cを設けているが、これに代えて傾
斜面3bのみを形成して他方の面は垂直面としたもので
あってもよい。この場合でも、傾斜面3bがテーパ係合
によって外周壁2aを外に押し広げた後に係合孔2cに
傾斜面3b側が嵌まり込むので、先の実施例と同様に外
周壁2aを外側に変形させる過程を含む。したがって、
連結した後には、外周壁2aを外に向けて拡がるような
変形をさせない限り、係合具3による拘束は解除され
ず、同様に安定した連結が維持される。
【0040】また、継ぎ枠体1,2はそれぞれの外周壁
1a,2a及び内周壁1b,2bの下端側を開放した断
面形状としているが、これに代えて上端を開放した断面
形状のものとしてもよい。すなわち、図8の例のものを
上下反転させた姿勢の積み重ね構造とし、上段配置の継
ぎ枠体側に係合具を備えておきこれを下段配置の継ぎ枠
体の係合孔に差し込むことによって、上下の継ぎ枠体を
連結するようにすることができる。
【0041】更に、係合孔1c,2cはそれぞれ外周壁
1a,2aに開けるのに代えて、内周壁1b,2bに開
けたものとしてもよい。この場合では、係合具3は図8
の姿勢から180°回転させた姿勢とすればよく、係合
を解く操作は継ぎ枠体1,2の内部側から行うようにす
ればよい。
【0042】図9は別の実施例であって、同図の(a)
は継ぎ枠体1,2の連結部分の要部を示す縦断面図、同
図の(b)は係合具3を備えた部分の継ぎ枠体1の平面
図である。
【0043】この実施例では、継ぎ枠体1,2のそれぞ
れの外周壁1a,2aと内周壁1b,2bとの間の間隔
が広くてリム1d上に補助突起1hを設けた点のみが先
の実施例とは異なる。この補助突起1hは、係合具3の
傾斜面3b側を外側に突き出した姿勢としたときにこの
係合具3と一列に並ぶ位置に形成され、係合具3と反対
側を向く面を傾斜面1h−1としたものである。そし
て、同図の(a)に示すように、係合具3の傾斜面3b
の下端と補助突起1hの傾斜面1h−1の下端との間の
水平距離をXとし、上段の継ぎ枠体2の外周壁2a及び
内周壁2bのそれぞれの下端どうしの間の水平距離をY
とするとき、先の実施例と同様にXをYよりも少し大き
な関係とする。
【0044】継ぎ枠体2を被せていくと、図10に示す
ように、係合具3の傾斜面3bの下端が外周壁2aの内
面に突き当たり、補助突起1hの傾斜面1h−1が内周
壁2bの下端に突き当たるようになる。すなわち、この
補助突起1hの傾斜面1h−1は、先の実施例における
係合具3の傾斜面3cと同様に、内周壁2bを内側に押
す力を作用させる。したがって、継ぎ枠体1に上段の継
ぎ枠体2を被せて連結するときには、外周壁2aがまず
外向きに押されて変形した後に内周壁2bが内向きに変
形し、完全に連結した後には図8の(c)の場合と同様
に、内周壁2bの下端部が補助突起1hと離れた位置と
なるようになり、継ぎ枠体1,2どうしの安定した連結
が維持される。
【0045】なお、この補助突起1hには傾斜面1h−
1を設けずに、垂直面としてもよい。この場合にも、係
合具3の傾斜面3bがテーパ係合によって外周壁2aを
外に押し広げた後に係合孔2cに嵌まり込むので、連結
した後には安定した連結が維持される。
【0046】図11及び図12は受枠体と底枠体との間
の連結構造を示す例である。
【0047】図において、底枠体5は扁平な桶状であっ
てその周囲の上端にフランジ5aを形成し、図1の例で
示したものと同様に、このフランジ5aの4個所に取付
け孔5b,保持溝5c及びストッパ5dを設け、取付け
孔5bに係合具6を回転可能に差し込んでいる。この係
合具6は先の実施例のものと同じであって、図12に示
すように摘み部6a,傾斜面6b,6c,フック6d及
び突起6eを形成したものである。
【0048】受枠体7はこの実施例では継ぎ枠体1,2
を介さず底枠体5の上に直接積み重ねられるもので、そ
の上端に蓋体8を開閉自在に取り付けると共に、下端の
4個所であって底枠体5に取り付けた係合具6に整合す
る位置に係合孔7aを開けている。受枠体7は、図12
に示すようにその下端部に内周壁7b及び外周壁7cを
形成し、前記の係合孔7aはこの外周壁7cに開けられ
ている。そして、係合孔7aの下端の開口縁からは外側
に少し突き出て下に延びるスカート7dを形成してい
る。
【0049】受枠体7の内周壁7b及び外周壁7cどう
しの間の間隔と係合具6の傾斜面6b,6cの下端どう
しの距離の関係は図6で説明したものと同様であり、係
合具6の回転姿勢によって受枠体7と底枠体5との間の
係合及びその解除の操作が同じ要領で可能である。
【0050】このような受枠体7と底枠体5において
も、先の例と同様に、図12の姿勢に係合具6を設定し
ておけば、傾斜面6b側が係合孔7aの中に入り込むと
同時に傾斜面6c側が内周壁7bの外面に突き当たって
保持され、この結合の際には内周壁7b及び外周壁7c
が弾性変形して拡がることによって、係合具6を受け入
れる。したがって、結合した後には、これらの内周壁7
b及び外周壁7cが拡がるような変形を受けない限り、
係合具6による底枠体5と受枠体7との間の連結が維持
される。
【0051】なお、以上の実施例の他に、受枠体7と底
枠体5との間に1個または数個の継ぎ枠体を積み重ね、
これらの枠体どうしを先に述べた例と同様の方法により
連結することもできる。
【0052】
【発明の効果】本発明では、係合具を回転操作するだけ
で、係合部への係合及び離脱を簡単に設定することがで
きるので、従来のようにネジ止めするような連結に比べ
ると作業が簡単になり、枠体どうしの連結や組み替えな
ども速やかに行えるので、施工性が格段に向上する。ま
た、係合具の係合部への嵌まり込みによって枠体どうし
を連結するので、従来の弾性を利用した凹凸嵌合に比べ
ると安定した強度での連結が維持でき、土圧等による離
脱や変形や破損も防止できる。
【0053】更に、係合具に傾斜面を持たせて上段の枠
体の内周壁及び外周壁またはこれらのいずれか一方に対
してテーパ嵌合させるようにすれば、係合孔に係合具が
嵌まり込む前にこれらの周壁どうしの間の間隔が拡がる
ように変形させられるので、係合を解除するときもこの
ような作用力を働かせない限り係合具が係合孔から離脱
しない。したがって、より一層強固な連結が維持され、
安定した量水器の保護が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の量水器筐の連結構造を適用した上下2
段の継ぎ枠体の係合具による連結を示す分解斜視図であ
る。
【図2】図1の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】係合具の詳細であって、同図の(a)はその正
面図、同図の(b)は平面図である。
【図4】係合具の継ぎ枠体への取付けを示す図であっ
て、同図の(a)はその要部の縦断面図、同図の(b)
は平面図である。
【図5】係合具を非連結側の姿勢に設定したときの状態
であって、同図の(a)は上下の継ぎ枠体を分離したと
き、同図の(b)は上段の継ぎ枠体を下段の継ぎ枠体に
被せたときの断面図である。
【図6】係合具を連結側に設定したときの係合具と係合
孔との位置関係を示す要部の縦断面図である。
【図7】図6における係合具等を示す平面図である。
【図8】係合具を連結側の姿勢に設定して下段の継ぎ枠
体への上段の継ぎ枠体の連結を順に示す要部の縦断面図
である。
【図9】継ぎ枠体のリムに補助突起を設ける例であっ
て、同図の(a)は要部の縦断面図、同図の(b)は補
助突起の位置を示すための下段の継ぎ枠体の要部の平面
図である。
【図10】図9の例における継ぎ枠体の連結直前の状態
を示す要部の縦断面図である。
【図11】受枠体と底枠体に本発明の連結構造を適用し
た例を示す分解斜視図である。
【図12】図11の例における係合具と係合孔との位置
関係を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1 継ぎ枠体(枠体) 1a 外周壁 1b 内周壁 1c 係合孔(係合部) 1d リム 1e 取付け孔 1h 補助突起 2 継ぎ枠体(枠体) 2a 外周壁 2b 内周壁 2c 係合孔(係合部) 2d リム 3 係合具 3a 摘み部 3b 傾斜面 3c 傾斜面 3d フック 3e 突起 4 係合具 5 底枠体(枠体) 6 係合具 7 受枠体(枠体) 7a 係合孔 8 蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03B 9/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に枠体を積み重ねて相互にこれらの
    枠体を連結する量水器筐であって、上段及び下段の枠体
    を、一方の枠体の当接部分に備える係合部と他方の枠体
    の当接部分に備える係合具との間の係合関係によって連
    接可能とし、前記係合具の回転による姿勢変更によって
    該係合具と前記係合部とを係合及び離脱可能としてなる
    量水器筐の連結構造。
  2. 【請求項2】 前記上段及び下段の枠体をそれぞれ弾性
    変形可能な外周壁と内周壁の二重壁構造とすると共に下
    端を開放した縦断面形状とし、前記枠体の上端面に前記
    係合具を取り付けると共に前記外周壁又は内周壁の下端
    部に係合孔を前記係合部として設け、下段配置の枠体の
    係合具を上段配置の枠体の係合孔に整合可能となるよう
    にこれらの係合具と係合孔との位置関係を持たせ、前記
    係合具は前記枠体の高さ方向とほぼ平行な回転軸線を持
    って該枠体に回転可能に連接し、下段配置の枠体の係合
    具の回転姿勢によって上段配置の枠体の係合孔への係合
    及び離脱を可能としてなる請求項1記載の量水器筐の連
    結構造。
  3. 【請求項3】 前記上段及び下段の枠体をそれぞれ弾性
    変形可能な外周壁と内周壁の二重壁構造とすると共に上
    端を開放した縦断面形状とし、前記枠体の下端面に前記
    係合具を取り付けると共に前記外周壁又は内周壁の上端
    部に係合孔を前記係合部として設け、上段配置の枠体の
    係合具を下段配置の枠体の係合孔に整合可能となるよう
    にこれらの係合具と係合孔との位置関係を持たせ、前記
    係合具は前記枠体の高さ方向とほぼ平行な回転軸線を持
    って該枠体に回転可能に連接し、上段配置の枠体の係合
    具の回転姿勢によって下段配置の枠体の係合孔への係合
    及び離脱を可能としてなる請求項1記載の量水器筐の連
    結構造。
  4. 【請求項4】 前記係合具は、自身の回転によって前記
    外周壁又は内周壁より外に突き出る姿勢に設定可能な平
    面形状を持ち、且つ前記突き出た姿勢のとき少なくとも
    前記外周壁又は内周壁に開けた係合孔に対峙する側に裾
    広がりの傾斜面を形成してなり、前記外周壁と内周壁の
    開放端部の間隔距離を前記係合具の傾斜面を含む下端の
    長さよりも小さくしてなる請求項2又は3記載の量水器
    筐の連結構造。
  5. 【請求項5】 前記係合具は、自身の回転によって前記
    外周壁又は内周壁より外に突き出る姿勢に設定可能な平
    面形状を持ち、且つ前記突き出た姿勢のとき少なくとも
    前記外周壁又は内周壁に開けた係合孔に対峙する側に裾
    広がりの傾斜面を形成してなり、前記外周壁と内周壁の
    開放端部の間隔距離を前記係合具の傾斜面を含む下端の
    長さよりも大きくし、前記係合具が前記内周壁又は外周
    壁に臨む側の近傍に、前記内周壁又は外周壁の内面に突
    き当たり可能な補助突起を設けてなる請求項2又は3
    記載の量水器筐の連結構造。
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