JP2830969B2 - 光学素子成形用型及びその製造方法 - Google Patents

光学素子成形用型及びその製造方法

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JP2830969B2
JP2830969B2 JP5091926A JP9192693A JP2830969B2 JP 2830969 B2 JP2830969 B2 JP 2830969B2 JP 5091926 A JP5091926 A JP 5091926A JP 9192693 A JP9192693 A JP 9192693A JP 2830969 B2 JP2830969 B2 JP 2830969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ、プリズム等の
ガラスよりなる光学素子をガラス素材のプレス成形によ
り製造するのに使用される型及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】研磨工程を必要としないでガラス素材の
プレス成形によってレンズを製造する技術は従来の製造
において必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安
価にレンズを製造することを可能とし、近年、レンズの
みならずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製
造に使用されるようになってきた。
【0003】このようなガラスの光学素子のプレス成形
に使用される型材に要求される性質としては、硬度、耐
熱性、離型性、鏡面加工性等に優れていることが挙げら
れる。従来、この種の型材として金属、セラミックス及
びそれらをコーティングした材料等、数多くの提案がさ
れている。いくつかの例を挙げるならば、特開昭49−
51112には13Crマルテンサイト鋼が、特開昭5
2−45613にはSiC及びSi3 4 が、特開昭6
0−246230には超硬合金に貴金属をコーティング
した材料が、また、特開昭61−183134、61−
281030、特開平1−301864にはダイヤモン
ド薄膜もしくはダイヤモンド状炭素膜、特開昭64−8
3529には硬質炭素膜、特公平2−31012には炭
素膜をコーティングした材料が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、13Cr
マルテンサイト鋼は酸化し易く、更に高温でFeがガラ
ス中に拡散してガラスが着色する欠点を持つ。SiC及
びSi3 4 は一般的には酸化されにくいとされている
が、高温ではやはり酸化が起こり表面にSiO2 の膜が
形成されるためガラスの融着を生じる。更に、高硬度の
ため型自体の加工性が極めて悪いという欠点をもつ。貴
金属をコーティングした材料は融着を起こしにくいが、
極めて柔らかいため傷がつき易く変形し易いという欠点
を持つ。
【0005】また、ダイヤモンド薄膜は高硬度で熱的安
定性にも優れているが、多結晶膜であるため表面粗度が
大きく、鏡面加工する必要がある。DLC膜、a−C:
H膜、硬質炭素膜を用いた型は、型とガラスの離型性が
良く、ガラスの融着を起こさないが、成形操作を数百回
以上繰り返して行うと、前記膜が部分的に剥離し成形品
において十分な成形性能が得られないことがある。
【0006】この原因として以下のことが考えられる。
【0007】前述の膜はいずれも非常に大きな圧縮応
力を有しており、成形プロセスにおける急加熱−急冷却
にともなう応力解放の結果として剥離、クラック等が生
じる。同様に型母材と膜の熱膨張係数の違いと熱サイク
ルに起因する熱応力によっても同様な現象が生じる。
型母材によっては、表面状態により膜が部分的に形成さ
れなかったり、膜厚が薄いことがある。例えば、WC−
CoやSiC,Si34 等の焼結体では、粒の欠落や
焼結時のボアが避けられず、成形研磨面に数μm以上の
穴が存在している。こうした面に膜を形成したとき、こ
れらの穴には膜が形成されなかったり、極端に膜厚の薄
い状態になる。従って、こうした部分の膜の付着強度
や、機械的強度は著しく低下するため剥離やクラックの
発生起点となりやすい。WC−CoのCoに代表され
る焼結体中の焼結助材と前述の膜の間で拡散による合金
形成が生じる。こうした部分は成形時にガラスの融着が
生じガラス中に含有される成分と反応し析出物を生じる
結果、耐久性の劣化を招く。
【0008】以上のように、成形性、耐久性、経済性に
優れた光学素子成形用型を実現するに至っていない。
【0009】また、特公平2−31012では、膜厚が
50Å未満では膜が不均一になるため炭素膜の形成効果
が減少し、5000Åを超えると加圧成形による面精度
が低下するが、50〜5000Åならば問題は生じない
としている。しかしながら、この発明の実施例における
炭素膜は、基板との付着力が小さく、あるいは大きな圧
縮応力のために、成形過程において膜剥離を生じる。こ
の結果、剥離部におけるガラスの融着や成形品の外観不
良を引き起こし、耐久性の優れた実用的な型を提供する
に至っていない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、型母材の少な
くとも成形表面に、炭素と型母材もしくは母材表面に形
成した中間層を構成する少なくとも1種類以上の元素か
らなるミキシング層を形成した型により、また上記ミキ
シング層を含炭素ガスを原料とする高イオンエネルギー
の炭素イオンビームを用いて製造することにより、上述
の問題を解決したものである。
【0011】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明において型母材として用いられる材料は、WC,S
iC,TiC,TaC,BN,TiN,AlN,Si3
4,SiO2 ,Al2 3 ,ZrO2 ,W,Ta,M
o,サーメット,サイアロン,ムライト,WC−Co合
金等から選ばれる。
【0012】炭素はガラスに対し密着力が小さいことか
ら、古くよりガラスの成形用型に用いられてきた。ガラ
スモールドでは、この炭素とガラスの性質を利用して型
母材の成形面に前述の硬質で滑らかな炭素膜を形成す
る。炭素膜としては、ダイヤモンド膜、DLC膜、a−
C:H膜、硬質炭素膜が挙げられるが、ダイヤモンド膜
は多結晶で表面が粗いために鏡面加工を要するという問
題がある。一方、アモルファスなDLC膜、a−C:H
膜、硬質炭素膜は、内部応力が大きくガラスが成形され
る高温領域では熱安定性に欠け、成形回数が増えるに従
い、型母材と膜の付着強度が低下するという問題が発生
する。すなわち、ガラスモールドに於ける型表面材料と
しての炭素膜の問題は、主に型母材と膜の付着強度に係
わるものである。この点に関して、成形面を炭素と型母
材もしくは母材表面に形成した中間層を構成する少なく
とも1種類以上の元素からなるミキシング層とすること
により従来問題とされてきた問題を解決することができ
る。このミキシング層は、炭素が型母材もしくは型母材
上に形成した中間層材料とミキシング(原子混合)され
ていることから密着性が極めて良好である。ミキシング
層の状態は、炭素原子濃度が表面に向かって増大し母材
側に向かって減少しているのに対し、炭素以外の原子濃
度は表面に向かって減少し母材側に向かって増大してい
る。この状態を模式的に表したものが図1である。図
中、横軸は表面から型母材に向かう深さを表しており、
深さ0の位置が表面である。一方、縦軸は原子濃度を表
している。特に、表面における炭素濃度が十分に高けれ
ば、ガラスとの離型性が良好でガラス成分との反応析出
物も生じない。
【0013】この様なミキシング層は、イオンエネルギ
ー5keV以上の炭素イオンビームを用いることにより
実現することができる。イオンエネルギーが5keV未
満で形成した型では、成形過程において膜剥離やガラス
の融着を生じる。このときのイオン電流密度は、0.8
mA/cm2 〜2.0mA/cm2 が好適である。イオ
ン電流密度が、0.8mA/cm2 未満では成膜時間が
長くなり、2.0mA/cm2 を超える場合には、付着
強度の問題はないものの成形回数の増加にともない成形
表面の表面粗度の劣化が生じ易い。なお、イオンエネル
ギーは5keV以上であればよいが、実用的には5ke
V〜10keVが好適である。
【0014】ミキシング層の厚さは1nm以上100n
m以下であることが必要である。ここで、ミキシング層
の厚さは、型母材もしくは中間層とミキシング層の界面
において炭素濃度の変化量が50%となる点から表面ま
での深さと定義する。1nmよりも薄い場合には、十分
なミキシング状態とならないため前述の効果が減少し、
100nmよりも厚くなると表面状態が粗くなり成形性
能が低下するとともに、膜応力が大きくなり、成形時に
微小な剥離を生じ易くなる。理想的な厚さは、20nm
から50nmの範囲である。この様にミキシング層は非
常に薄いため、膜厚が厚い場合に問題となる膜の内部応
力や熱応力による膜剥離という問題がほとんど生じな
い、仮に剥離しても厚さが薄いために成形性能の低下を
引き起こす原因とならない。また、厚さが薄いことから
表面硬度や高温での熱安定性を型母材に依存することが
でき、成形温度域において熱的に安定な状態を保つこと
ができる。従って、型母材としては安定したミキシング
状態が得られ、炭素と結合しやすい(炭化物を形成しや
すい)元素からなる単一組成の材料で、同時に高温での
機械的強度、表面硬度が高く、耐酸化性に優れているこ
とが理想である。型母材の成形面に中間層を設けること
により、こうした条件を満足することができる。中間層
としては、Si、Al、周期律表の4A族、5A族、6
A族の金属及びこれらの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭
酸化物、炭酸窒化物、硼化物、硼窒化物、及び硼素の炭
化物、窒化物、並びにこれらの少なくとも1種類以上か
らなる化合物、混合物であれば良い。中間層材料は、型
母材に対して付着強度の高いものを選択すれば良く、必
要最小限の膜厚であれば良い。なお、ミキシング層中に
は酸素、水素、窒素の他、ミキシング層を形成する際に
原料ガスとして用いられるArやF等が数at%〜十数
at%程度存在しても良い。
【0015】成形により型表面が荒れたり欠陥が生じた
場合には、ドライプロセスでミキシング層を除去した後
再びミキシング層を形成すれば良い。これは、型母材の
表面硬度が高いために、成形によって生じる欠陥がミキ
シング層に限定されるからである。ドライプロセスによ
るエッチング方法としては、プラズマ・エッチング、ス
パッタ・エッチング、イオンビーム・エッチング、リア
クティブイオン・エッチング等の方法が用いられる。エ
ッチングガスとしては、O2 、H2 、N2 、Ar、Ai
r、CF4 等とこれらの混合ガスが用いられる。エッチ
ングにより型の表面形状特に表面粗さを劣化させないよ
うなエッチング条件を選択することが好ましい。なお、
膜の除去はドライプロセスに限定されるものではなく、
ダイヤモンド砥粒を用いた機械的研磨や、化学的にエッ
チングする方法を併用することができる。
【0016】ミキシング層は、イオンビーム蒸着法、イ
オンプレーティング法、イオン注入法、イオンビームミ
キシング法等により形成される。炭素のミキシングに用
いるガスとしては、含炭素ガスであるメタン、エタン、
プロパン、エチレン、ベンゼン、アセチレン等の炭化水
素;塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、トリク
ロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルアルコー
ル、エチルアルコール等のアルコール類;(CH3 2
CO、(C6 5 2 CO等のケトン類;CO、CO2
等のガス、及びこれらのガスにN2 ,H2 ,O2 ,H2
O,Ar等のガスを混合したものが挙げられる。
【0017】ここで、炭素イオンビームを用いてミキシ
ング層を形成する場合について説明する。このときのイ
オンエネルギーは型母材に対して数100eVから数1
0KeVの範囲にある。特に、イオンエネルギーが大き
くなるに従い、イオン注入効果が大きくなりミキシング
層が容易に形成される。すなわち、数KeV以上のC
(炭素)イオンを型母材表面に照射すると、その表面は
スパッタリングされ、照射イオンは注入効果により型母
材表面に侵入する。侵入したイオンは型母材原子と衝突
し、エネルギーを失って静止する。この結果、炭素原子
と型母材原子からなるミキシング層が形成される。炭素
イオンビームは、カウフマン型イオン源により生成す
る。図13に代表的なカウフマン型イオン源の模式図を
示す。図中28は磁場発生用円筒コイル、29はフィラ
メント、30はガス導入部、31はアノード、32は引
き出し電極、33はイオンビーム、34は型母材、35
は基板ホルダーである。ガス導入部より前述の原料ガ
ス、例えばCH4 とH2 をイオン化室に導入し、プラズ
マを形成した後、引き出し電極に電圧を印加してイオン
ビームを引き出し型母材に照射する。このとき、引き出
し電圧が基板に対して5kV以上となるようイオン源、
基板位置等を調節してミキシング層を形成する。ミキシ
ング層における炭素原子と型母材原子のデプス・プロフ
ァイルを制御する方法の1つとして、照射イオンのエネ
ルギーを照射時間とともに変化させる方法がある。例え
ば、照射の初期段階では高イオンエネルギーのCイオン
を照射し、徐々に引き出し電極の電圧を低下させ照射イ
オンエネルギーを低下させることにより、所望のデプス
・プロファイルを得ることができる。あるいは、型母材
上に中間層を設ける場合、中間層となる材料を蒸着しな
がら高イオンエネルギーのCイオンを照射し、炭化物の
中間層を形成する。この状態で、蒸着材料の成膜レート
を徐々に低下させ、最終的に蒸着を停止する。一方、C
イオンの照射は引き続き行なうことにより、中間層と所
望のデプス・プロファイルを有するミキシング層を形成
することができる。
【0018】ミキシング層における各原子の混合状態
は、図1に示したものに限定されるものではなく、直線
状、ステップ状等であっても良い。すなわち、C原子濃
度とその他の原子濃度は、ミキシング層において前述し
た勾配であれば良く、そのプロファイルは一つに限定さ
れるものではない。但し、表面においてはC原子濃度が
100%でその他の原子濃度が0%であることが理想的
である。また、型母材もしくは中間層における原子濃度
は、必ずしもストイキオメトリである必要はない。
【0019】本発明は、型母材の少なくとも成形表面
に、炭素と型母材もしくは母材表面に形成した中間層を
構成する少なくとも1種類以上の元素からなるミキシン
グ層を形成した型により、また該型を特定のイオンエネ
ルギーを有する炭素イオンビームにより形成することに
より、耐久性に優れた光学素子成形用型を実現するもの
である。
【0020】なお、本発明はレンズ、ミラー、グレーテ
ィング、プリズム等の光学素子に限定されるものではな
く、光学素子以外のガラス、プラスチック成形品に対し
ても実用できることは言うまでもない。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の具体的実
施例を説明する。
【0022】[実施例1 (Si,C)ミキシング層]
図2及び図3は本発明に係わる光学素子成形用型の一つ
の実施様態を示すものである。図2は光学素子のプレス
成形面の状態を示し、図3は光学素子成形後の状態を示
す。図2中1は型母材、2はガラス素材を成形する成形
面、3はミキシング層、4はガラス素材であり、図3中
5は光学素子である。図2に示すように型の間に置かれ
たガラス素材4をプレス成形することによってレンズ等
の光学素子5が形成される。
【0023】次に、本発明の光学素子成形用型について
詳細に説明する。
【0024】型母材として焼結SiCを所定の形状に加
工した後、CVD法により多結晶のSiC膜を形成した
後成形面をRmax.=0.02μmに鏡面研磨したも
のを用いた。この型を良く洗浄したのち、図4に示すI
BD(Ion Beam Deposition)装置
に設置した。図中6は真空槽、7はイオンビーム装置、
8はイオン化室、9はガス導入口、10はイオンビーム
引き出しグリッド、11はイオンビーム、12は型母
材、13は基板ホルダー及びヒーター、14は排気口を
示す。まず、ガス導入口よりArガス35sccmをイ
オン化室に導入しイオン化した後、イオンビーム引き出
しグリッドに500Vの電圧を印加してイオンビームを
引き出し、型母材に5分間照射して成形表面の清浄化を
行った。次に、CH4 :15sccm,H2 :30sc
cmをイオン化室に導入してガス圧3.5×10-4To
rrとし、加速電圧10kVでイオンビームを引き出し
成形面に照射して35nmのミキシング層を形成した。
このときのイオンビーム電流は30mA、電流密度2m
A/cm2 、基板温度を300℃とした。同条件で作成
した分析サンプルのミキシング層をAES(Auger
ElectronSpectroscopy)により
深さ方向分析した結果を図5に示す。図5より明らかな
ようにミキシング層の厚さは35nmで、炭素Cの濃度
は表面側の100%から型母材側に向かって減少してい
る。一方、Si原子の濃度は表面側の0%から型母材側
に向かって増加している。すなわち、C,Si濃度の深
さ方向のプロファイルが図5である。型母材側では、C
とSiの濃度がそれぞれ50%とSiCのストイキオメ
トリになっている。ミキシング層の厚さは、前に定義し
たように、型母材界面の前後においてC濃度が極大から
極小となる変化量の50%の深さから表面までの厚さで
ある。
【0025】次に、本発明による光学素子成形用型によ
ってガラスレンズのプレス成形を行った例を示す。図6
中、51は真空槽本体、52はそのフタ、53は光学素
子を成形するための上型、54はその下型、55は上型
を押さえるための上型おさえ、56は胴型、57は型ホ
ルダー、58はヒーター、59は下型を突き上げる突き
上げ棒、60は該突き上げ棒を作動するエアシリンダ、
61は油回転ポンプ、62,63,64はバルブ、65
は不活性ガス流入パイプ、66はバルブ、67はリーク
バルブ、68はバルブ、69は温度センサ、70は水冷
パイプ、71は真空槽を支持する台を示す。
【0026】レンズを製作する工程を次に述べる。
【0027】フリント系光学ガラス(SF14)を所定
の量に調整し、球状にしたガラス素材を型のキャビティ
ー内に置き、これを成形装置内に設置する。ガラス素材
を投入した型を装置内に設置してから真空槽51の蓋5
2を閉じ、水冷パイプ70に水を流し、ヒーター58に
電流を流す。このとき窒素ガス用バルブ66及び68は
閉じ、排気系バルブ62,63,64も閉じている。
尚、油回転ポンプ61は常に回転している。バルブ62
を開け排気を開始してから10-2Torr以下になった
らバルブ62を閉じ、バルブ66を開いて窒素ガスをボ
ンベより真空槽内に導入する。所定の温度になったらエ
アシリンダ60を作動させて200kg/cm2 の圧力
で1分間加圧する。圧力を解除した後、冷却速度を−5
℃/minで転移点以下になるまで冷却し、その後は−
20℃/min以上の速度で冷却を行い200℃以下に
下がったらバルブ66を閉じ、リークバルブ63を開い
て真空槽51内に空気を導入する。それから蓋52を開
け上型おさえを外して成形物を取り出す。上記のように
して、フリント系光学ガラスSF14(軟化点Sp=5
86℃、転移点Tg=485℃)を使用して図3に示す
レンズ5を成形した。このときの成形条件すなわち時間
−温度関係図を図7に示す。
【0028】前記型を用いて300回成形を行った。成
形後の型は、傷や割れといった欠陥やガラス中に含まれ
るPb0の還元析出物であるPbやガラスの融着が光学
顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)によって観察されな
かった。また、成形品についても表面粗さ、面精度、透
過率、形状精度とも良好でPbの析出や成形時のガス残
りと言った問題もなかった。
【0029】次に、この型を用いて図8に示す成形装置
により成形を行った。
【0030】図8において、102は成形装置、104
は取入れ用置換室であり、106は成形室であり、10
8は蒸着室であり、110は取り出し用置換室である。
112,114,116はゲートバルブであり、118
はレールであり、120は該レール上を矢印A方向に搬
送せしめられるパレットである。124,138,14
0,150はシリンダであり、126,152はバルブ
である。128は成形室106内においてレール118
に沿って配列されているヒーターである。
【0031】成形室106内はパレット搬送方向に沿っ
て順に加熱ゾーン106−1、プレスゾーン106−2
及び徐冷ゾーン106−3とされている。プレスゾーン
106−2において、上記シリンダ138のロッド13
4の下端には成形用上型部材130が固定されており、
上記シリンダ140のロッド136の上端には成形用下
型部材132が固定されている。これら上型部材130
及び下型部材132は本発明による型部材である。蒸着
室108内においては、蒸着物質146を収容した容器
142及び該容器を加熱するためのヒーター144が配
置されている。
【0032】クラウン系ガラスSK12(軟化点Sp=
672℃、ガラス転移点Tg=550℃)を所定の形状
及び寸法に粗加工して成形のためのブランクを得た。ガ
ラスブランクをパレット120に設置し、取入れ置換室
104内の120−1の位置へ入れ、該位置のパレット
をシリンダ124のロッド122によりA方向に押して
ゲートバルブ112を越えて成形室106内の120−
2の位置へと搬送し、以下同様に所定のタイミングで順
次新たに取入れ置換室104内にパレットを成形室10
6内で120−2→…→120−8の位置へと順次搬送
した。この間に、加熱ゾーン106−1ではガラスブラ
ンクをヒーター128により徐々に加熱し120−4の
位置で軟化点以上とした上で、プレスゾーン106−2
へと搬送し、ここでシリンダ138,140を作動させ
て上型部材130及び下型部材132により200kg
/cm2 の圧力でプレス温度620℃で1分間プレス
し、その後加圧力を解除しガラス転移点以下まで冷却
し、その後シリンダ138,140を作動させて上型部
材130及び下型部材132をガラス成形品から離型し
た。該プレスに際しては上記パレットが成形用胴型部材
として利用された。しかる後に、徐冷ゾーン106−3
ではガラス成形品を徐々に冷却した。なお、成形室10
6内には不活性ガスを充満させた。成形室106内にお
いて120−8の位置に到達したパレットを、次の搬送
ではゲートバルブ114を越えて蒸着室108内の12
0−9の位置へと搬送した。通常、ここで真空蒸着を行
うのであるが本実施例では該蒸着を行わなかった。そし
て、次の搬送ではゲートバルブ116を越えて取り出し
置換室110内の120−10の位置へと搬送した。そ
して、次の搬送時にはシリンダ150を作動させてロッ
ド148によりガラス成形品を成形装置102外へと取
り出した。以上のようなプレス行程により3000回成
形した後の型部材の成形面及び成形された光学素子の表
面粗さ、並びに型部材と成形された光学素子との離型性
は良好であった。特に、型部材の成形面について光学顕
微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)で観察しても傷やクラ
ック等の欠陥やガラス成分の反応析出物、ガラスの融着
は見られなかった。
【0033】[実施例2 (Si,C)ミキシング層]
実施例1と同じ型母材を用い、同一方法、同一条件によ
りミキシング層を形成した。このとき、成膜時間を変え
てミキシング層の厚さを0.9nm,40nm,101
nmとした。この3つの型を用いて、実施例1と同様に
図8の成形機によりフリント系光学ガラスSF14(軟
化点Sp=586℃、転移点Tg=485℃)を100
0回成形した。その結果を表1に示した。
【0034】
【0035】成形後の型No.2に関しては、実施例1
と同様に傷や割れといった欠陥やガラス中に含まれるP
b0の還元析出物であるPbやガラスの融着が光学顕微
鏡、走査電子顕微鏡(SEM)によって観察されなかっ
た。また、成形品についても表面粗さ、面精度、透過
率、形状精度とも良好でPbの析出や成形時のガス残り
と言った問題もなかった。型No.1は、成形回数が5
00回を越えると部分的にガラスの融着が見られ、型N
o.3は成形回数が300回を越えると微小な剥離を生
じた。
【0036】[実施例3 (Ti,N,C)ミキシング
層、TiN中間層]型母材としてWC(84%)−Ti
C(8%)−TaC(8%)からなる焼結体を所定の形
状に加工した後、成形面をRmax.=0.02μmに
鏡面研磨した。この型母材の成形面にイオンプレーティ
ング法によりTiを200nm形成した後、TiNを1
800nm形成した。この型母材を用い、実施例1と同
方法、同条件によりミキシング層を50nm形成した。
この型を用いて、実施例1と同様に図8の成形機を用い
てクラウン系ガラスSK12(軟化点Sp=672℃、
ガラス転移点Tg=550℃)を1000回成形した。
その結果、実施例1と同様の結果が得られた。
【0037】[実施例4 (Si,N,C)ミキシング
層]型母材として焼結Si34 を所定の形状に加工し
た後、表面粗さRmax.=0.03μmに鏡面研磨し
た。この型の成形面に不図示のイオン注入装置によりエ
ネルギー10keVのC+12 を5×1017ions/c
2 注入してミキシング層を20nm形成した。この
時、注入イオンエネルギーを10keVから1keVに
徐々に変化させて注入を行なった。この型を用いて、実
施例1と同様に図8の成形機を用いてクラウン系ガラス
SK12(軟化点Sp=672℃、ガラス転移点Tg=
550℃)を1000回成形した。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。
【0038】[実施例5 (Si,C)ミキシング層、
SiC中間層]実施例3と同様の型母材を用いて図9に
示すイオンビーム・ミキシング装置によりミキシング層
を形成した。図中15は真空槽、16は排気系、17は
イオン源、18はイオン化室、19はイオンビーム引き
出しグリッド、20はガス導入系、21は電子銃、22
は基板ホルダー及び基板加熱装置、23は型母材、24
は水晶式膜厚モニター、25はイオンビームである。ま
ず、基板ホルダーに型母材を設置した後、装置内を5×
10-6Torrに排気しガス導入系よりArガスをイオ
ン源に導入した。このArイオンビームにより型母材表
面のクリーニングと酸化膜の除去を行なった。この時の
真空度は3×10-4Torr、イオン電流7mAで行な
った。次に、電子銃を用いて99.999%のSiを蒸
着しながらイオン源にC26 :50sccm,Ar:
10sccmをガス供給系より導入し、イオン引き出し
グリッドに700Vを印加してイオンビームを引き出し
型母材に照射した。この時のイオン電流は10mA、真
空度は1×10-3Torr、基板温度は300℃とし
た。この条件によりSiの蒸着とカーボンイオンビーム
の照射を同時に行ない、SiCを100nm形成した
後、電子銃のパワーを徐々に小さくして、最終的にカー
ボンイオンビームのみの照射により15nmのSiとC
のミキシング層を形成した。このときのAESによるデ
プスプロファイルを図10に示した。次に、これらの型
を用いて実施例1と同様の成形テストを行った結果、実
施例1と同様の結果を得た。なお、中間層としてSiC
以外にSi,Al、周期律表の4A族、5A族、6A族
の金属及びこれらの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化
物、炭酸窒化物、硼化物、硼窒化物、及び硼素の炭化
物、窒化物、並びにこれらの少なくとも1種類以上から
なる化合物、混合物を形成した場合もSiCと同様の結
果が得られた。
【0039】[実施例6 (Ti,C)ミキシング層、
TiC中間層]実施例5と同じ型母材を用い、Siの替
わりに99.9%のTiとした以外は同一方法、同一条
件によりTiCの中間層とTiとCのミキシング層を形
成した。このとき、成膜時間を変えてミキシング層の厚
さを0.8nm,25nm,105nmとした。図11
に同一条件で作成した分析サンプルによるAESのデプ
スプロファイルを示した。この3つの型を用いて、実施
例1と同様に図8の成形機によりクラウン系のガラスS
K12(軟化点Sp=672℃、ガラス転移点Tg=5
50℃)を1000回成形した。その結果を表2に示し
た。
【0040】
【0041】成形後の型No.5に関しては、実施例1
と同様の結果を得た。型No.4は、成形回数が400
回を越えると部分的にガラスの融着が見られ、型No.
6は成形回数が400回を越えると微小な剥離を生じ
た。
【0042】[実施例7 (Si,C)ミキシング層]
実施例1と同一の型母材を用い、同一方法、同一条件で
作成した型により実施例1と同様に図8の成形装置によ
りクラウン系ガラスSK12(軟化点Sp=672℃、
ガラス転移点Tg=550℃)を2000回成形した。
次に、この型を成形機より取り出し、図4のIBD装置
に設置した。実施例1と同様に装置内を排気した後、ガ
ス供給系からArガス35sccmをイオン化室に導入
しイオン化した後、イオンビーム引き出しグリッドに5
00Vの電圧を印加してArイオンビームを引き出し、
成形表面のミキシング層に照射してミキシング層の除去
を行なった。引き続いて、実施例1と同条件で再びミキ
シング層を形成した。この再生した型を用いて、再び図
8の成形装置によりクラウン系ガラスSK12(軟化点
Sp=672℃、ガラス転移点Tg=550℃)を20
00回成形した。その結果、実施例1と同様の結果が再
現して得られた。
【0043】また、図12に示すようなグレーティング
の型を実施例1と同一方法、同一条件により作成し、ク
ラウン系ガラスSK12を成形した場合も離型性が良好
で型の形状を忠実に転写したグレーティングが繰り返し
成形することができた。図12中26はグレーティング
の型、27は成形されたガラス製グレーティングであ
る。
【0044】[実施例8 (Si,C)ミキシング層の
形成]型母材として焼結SiCを所定の形状に加工した
後、CVD法により多結晶のSiC膜を形成した後成形
面を鏡面研磨したものを用いた。この型を良く洗浄した
のち、図4に示すIBD装置に設置した。まず、ガス導
入口よりArガス35sccmをイオン化室に導入しイ
オン化した後、イオンビーム引き出しグリッドに500
Vの電圧を印加してイオンビームを引き出し、型母材に
3分間照射して成形表面の自然酸化膜の除去と清浄化を
行った。
【0045】引き続き、CH4 :20sccm、H2
40sccmをイオン化室に導入してガス圧4.0×1
-4Torrとし、加速電圧9kVでイオンビームを引
き出し成形面に照射して40nmのミキシング層を形成
した。このとき基板前方に配置した移動可能のファラデ
ィカップにより測定したイオンビームの電流密度は、
1.5mA/cm2 であった。基板とイオン源の引き出
しグリッドまでの距離を100mm、基板温度は室温と
した。同条件で作成した分析サンプルのミキシング層を
AESにより深さ方向分析した結果を図14に示す。図
14より明らかなようにミキシング層の厚さは40nm
で、炭素Cの濃度は表面側の95%から型母材側に向か
って減少していた。一方、Si原子の濃度は表面側の5
%から型母材側に向かって増加していた。すなわち、
C、Si濃度の深さ方向のプロファイルが図14であ
る。型母材側では、CとSiの濃度がそれぞれ50%と
SiCのストイキオメトリになっている。
【0046】この型を用いて、実施例1と同様に図6の
成形機によりフリント系光学ガラスSF14(軟化点S
p=586℃、転移点Tg=485℃)を500回成形
した。成形後の型は、傷や割れといった欠陥やガラス中
に含まれるPbOの還元析出物であるPbやガラスの融
着が光学顕微鏡、SEMによって観察されなかった。ま
た、成形品についても表面粗さ、面精度、透過率、形状
精度とも良好でPbの析出や成形時のガス残りと言った
問題もなかった。
【0047】次に、この型を用いて、実施例1と同様に
図8の成形機によりクラウン系ガラスSK12(軟化点
Sp=672℃、ガラス転移点Tg=550℃)を10
00回成形した。成形後の型の成形面及び成形された光
学素子の表面粗さ、並びに型と成形された光学素子との
離型性は良好であった。特に、型の成形面について光学
顕微鏡、SEMで観察しても傷やクラック等の欠陥やガ
ラス成分の反応析出物、ガラスの融着は見られなかっ
た。
【0048】[実施例9 (Si,C)ミキシング層の
形成]実施例8と同じ型母材を用い、同一方法、同一条
件によりミキシング層を形成した。このとき、イオンビ
ームのエネルギーと電流密度を変え、ミキシング層の厚
さは照射時間を制御して30nmとした。この型を用い
て、実施例1と同様に図8の成形機によりクラウン系ガ
ラスSK12(軟化点Sp=672℃、ガラス転移点T
g=550℃)を1000回成形した。その結果を表3
に示した。
【0049】
【0050】成形後の型No.8、9関しては、実施例
8と同様に傷や割れといった欠陥やガラス中に含まれる
PbOの還元析出物であるPbやガラスの融着が光学顕
微鏡、SEMによって観察されなかった。また、成形品
についても表面粗さ、面精度、透過率、形状精度とも良
好でPbの析出や成形時のガス残りと言った問題もなか
った。型No.7は、成形回数が300回で部分的な膜
剥離を生じた。型No.10は型No.8、9と同様に
良好な結果が得られたが、成形回数とともに型表面の表
面粗さが僅かに劣化した。
【0051】[実施例10 (Ti,C)ミキシング
層、TiN中間層の形成]型母材としてWC(84%)
−TiC(8%)−TaC(8%)からなる焼結体を所
定の形状に加工した後、成形面をRmax.=0.02
μmに鏡面研磨した。この型母材の成形面にイオンプレ
ーティング法によりTiを200nm形成した後、Ti
Nを1800nm形成した。この型母材を用い、図15
に示すECRイオン源を持つ成膜装置によりミキシング
層を40nm形成した。図中36は真空槽、37は排気
系、38はECRイオン源、39はマイクロ波の発振
器、40はマイクロ波の導波管、41はマイクロ波導入
窓、42は空洞共振器タイプのプラズマ室、43は外部
磁場、44は引き出し電極、45はシャッター兼ファラ
ディカップ、46は型母材、47は基板ホルダー、48
はガス導入系である。まず、基板ホルダーに型母材を設
置した後、装置内を5×10-6Torrに排気しガス導
入系よりArガスをイオン源に導入した。このArイオ
ンビームにより型母材表面のクリーニングと酸化膜の除
去を行なった。この時の真空度は3×10-4Torr、
イオン電流7mAで行なった。イオン源にC2 6 :5
0sccm、H2 :10sccmをガス供給系より導入
し、イオン引き出しグリッドに10kVを印加してイオ
ンビームを引き出し型母材に照射した。この時のイオン
電流密度はファラディカップで1.6mA/cm2 、真
空度1×10-3Torr、基板温度は300℃とした。
【0052】次に、この型を用いて、実施例1と同様に
図8の成形機を用いてクラウン系ガラスSK12(軟化
点Sp=672℃、ガラス転移点Tg=550℃)を1
000回成形した。その結果、実施例8と同様の結果が
得られる。
【0053】なお、中間層としてTiN以外にSi、A
l、周期律表の4A族、5A族、6A族の金属及びこれ
らの炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化
物、硼化物、硼窒化物、及び硼素の炭化物、窒化物、並
びにこれらの少なくとも1種以上からなる化合物、混合
物を形成した場合もTiNと同様の結果が得られた。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
成形用型によれば型母材の少なくとも成形面の表層を炭
素と型母材もしくは成形面に形成した中間層を構成する
少なくとも1種類以上の元素とからなるミキシング層と
することにより、また本発明の光学素子成形用型の製造
方法によれば5keV以上のイオンエネルギーを有する
炭素イオンビームを用い、型母材の少なくとも成形面の
表層を炭素と型母材もしくは、成形面に形成した中間層
を構成する少なくとも1種類以上の元素からなるミキシ
ング層とすることにより、ガラスの成形に於て膜の剥離
やクラックが発生しない表面欠陥の少ない鏡面を有する
型が得られる。この型を用いガラス光学素子を成形する
とガラスと型の離型性が極めて良好であり、表面粗さ、
面精度、透過率、形状精度の良好な成形品が得られる。
更に、この型を用いてプレス成形を長時間繰返しても膜
剥離やクラック、傷の発生という欠陥を生じない極めて
耐久性の高い光学素子成形用型が得られる。
【0055】本発明により得られた光学素子成形用型を
用いることにより生産性の向上とコストダウンを実現す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学素子成形用型の成形表面に
形成したミキシング層の原子混合状態を示す模式図であ
る。
【図2】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形前の状態を示す。
【図3】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形後の状態を示す。
【図4】本発明の実施例で用いるIBD装置を示す概略
図である。
【図5】本発明の実施例におけるミキシング層のAES
によるデプスプロファイルを示す。
【図6】本発明に係わる光学素子成形用型を使用するレ
ンズの成形装置を示す断面図で、非連続成形タイプであ
る。
【図7】レンズ成形の際の時間−温度関係図である。
【図8】本発明に係わる光学素子成形用型を使用するレ
ンズの成形装置を示す断面図で、連続成形タイプであ
る。
【図9】本発明の実施例で用いるイオンビーム・ミキシ
ング装置を示す概略図である。
【図10】本発明の実施例におけるミキシング層のAE
Sによるデプスプロファイルを示す図である。
【図11】本発明の実施例におけるミキシング層のAE
Sによるデプス・プロファイルを示す図である。
【図12】本発明の実施例に係わるグレーティング用型
を示す断面図である。
【図13】本発明で用いるカウフマン型イオン源を示す
模式図である。
【図14】本発明の実施例におけるミキシング層のAE
Sによるデプスプロファイルを示す。
【図15】本発明の実施例で用いるECRイオン源を有
するイオンビーム成膜装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 型母材 2 成形面 3 炭素のミキシング層 4 ガラス素材 5 成形されたレンズ 6 真空槽 7 イオンビーム装置 8 イオン化室 9 ガス導入口 10 イオンビーム引出しグリッド 11 イオンビーム 12 型母材 13 基板ホルダー及びヒーター 14 排気口 15 真空槽 16 排気系 17 イオン源 18 イオン化室 19 イオンビーム引出しグリッド 20 ガス導入系 21 電子銃 22 基板ホルダー及びヒーター 23 型母材 24 水晶式膜厚モニター 25 イオンビーム 26 グレーティング型 27 成形されたグレーティング型 28 磁場発生用円筒コイル 29 フィラメント 30 ガス導入部 31 アノード 32 イオンビーム引き出し電極 33 イオンビーム 34 型母材 35 基板ホルダー 36 真空槽 37 排気系 38 ECRイオン源 39 マイクロ波発振器 40 マイクロ波の導波管 41 マイクロ波の導入窓 42 空洞共振器タイプのプラズマ室 43 外部磁場 44 引き出し電極 45 シャッター兼ファラディ・カップ 46 型母材 47 基板ホルダー 48 ガス導入系 51 真空槽 52 真空槽の蓋 53 上型 54 下型 55 上型押え 56 胴型 57 型ホルダー 58 ヒーター 59 下型を突上げる突上げ棒 60 エアシリンダ 61 油回転ポンプ 62、63、64 バルブ 65 不活性ガス導入バルブ 66 バルブ 67 リークパイプ 68 バルブ 69 温度センサ 70 水冷パイプ 71 真空槽を支持する台 102 成形装置 104 取入れ用置換室 106 成形室 108 蒸着室 110 取り出し用置換室 112 ゲートバルブ 114 ゲートバルブ 116 ゲートバルブ 118 レール 120 パレット 122 ロッド 124 シリンダ 126 バルブ 128 ヒータ 130 上型 132 下型 134 ロッド 136 ロッド 138 シリンダ 140 シリンダ 142 容器 144 ヒータ 146 蒸着物質 148 ロッド 150 シリンダ 152 バルブ

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
    用いる光学素子成形用型において、該型母材の少なくと
    も成形表面が、厚さが1nm以上100nm以下で、か
    炭素と型を構成する少なくとも1種類以上の元素から
    なり、かつ炭素原子濃度が表面に向かって増大し母材側
    に向かって減少し、その他の原子濃度が表面に向かって
    減少し母材側に向かって増大しているミキシング層であ
    ることを特徴とする光学素子成形用型。
  2. 【請求項2】 前記ミキシング層に酸素、水素、窒素の
    少なくとも1種類以上が含まれることを特徴とする請求
    項1記載の光学素子成形用型。
  3. 【請求項3】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
    用いる光学素子成形用型において、該型母材の少なくと
    も成形面に中間層が形成されており、該中間層表面が、
    厚さが1nm以上100nm以下で、かつ炭素と中間層
    を構成する少なくとも1種類以上の元素からなり、かつ
    炭素原子濃度が表面に向かって増大し母材側に向かって
    減少し、その他の原子濃度が表面に向かって減少し母材
    側に向かって増大しているミキシング層であることを特
    徴とする光学素子成形用型。
  4. 【請求項4】 前記ミキシング層に酸素、水素、窒素の
    少なくとも1種類以上が含まれることを特徴とする請求
    記載の光学素子成形用型。
  5. 【請求項5】 前記中間層がSi、Al、周期律表の4
    A族、5A族、6A族の金属及びこれらの炭化物、窒化
    物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物、硼化物、硼窒化
    物、及び硼素の炭化物、窒化物、並びにこれらの少なく
    とも1種類以上の化合物、混合物からなることを特徴と
    する請求項記載の光学素子成形用型。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のミキシング層をエッチン
    グにより除去した後、少なくとも成形表面に再びミキシ
    ング層を形成することを特徴とする光学素子成形用型の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載のミキシング層をエッチン
    グにより除去した後、中間層表面に再びミキシング層を
    形成することを特徴とする光学素子成形用型の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
    用いる光学素子成形用型の製造方法において、該型母材
    の少なくとも成形表面に、イオンエネルギー5keV以
    上の炭素イオンビームにより、厚さが1nm以上100
    nm以下で、かつ炭素と型を構成する少なくとも1種類
    以上の元素からなり、かつ炭素原子濃度が表面に向かっ
    て増大し母材側に向かって減少し、その他の原子濃度が
    表面に向かって減少し母材側に向かって増大している
    キシング層を形成することを特徴とする光学素子成形用
    型の製造方法。
  9. 【請求項9】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
    用いる光学素子成形用型の製造方法において、該型母材
    の少なくとも成形面に中間層を形成し、次いで該中間層
    の表面に、イオンエネルギー5keV以上の炭素イオン
    ビームにより、厚さが1nm以上100nm以下で、か
    炭素と中間層を構成する少なくとも1種類以上の元素
    からなり、かつ炭素原子濃度が表面に向かって増大し母
    材側に向かって減少し、その他の原子濃度が表面に向か
    って減少し母材側に向かって増大しているミキシング層
    を形成することを特徴とする光学素子成形用型の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記中間層がSi、Al、周期律表の
    4A族、5A族、6A族の金属及びこれらの炭化物、窒
    化物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物、硼化物、硼窒
    化物、及び硼素の炭化物、窒化物、並びにこれらの少な
    くとも1種類以上の化合物、混合物からなることを特徴
    とする請求項記載の光学素子成形用型の製造方法。
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