JP2504835B2 - 光学素子成形用型、その製造方法およびそれを用いた成形方法 - Google Patents

光学素子成形用型、その製造方法およびそれを用いた成形方法

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JP2504835B2 JP1177144A JP17714489A JP2504835B2 JP 2504835 B2 JP2504835 B2 JP 2504835B2 JP 1177144 A JP1177144 A JP 1177144A JP 17714489 A JP17714489 A JP 17714489A JP 2504835 B2 JP2504835 B2 JP 2504835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、レンズ、プリズム等のガラスよりなる光学
素子を、ガラス素材のプレス成形により製造するのに使
用される型、該型の製造方法および該型を用いた成形方
法に関するものである。
[従来の技術] 研摩工程を必要としないでガラス素材のプレス成形に
よってレンズを製造する技術は従来のレンズの製造にお
いて必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安価に
レンズを製造することを可能とし、近来、レンズのみな
らずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製造に
使用されるようになってきた。
このようなガラスの光学素子のプレス成形に使用され
る型材に要求される性質としては、硬さ、耐熱性、離型
性、鏡面加工性等に優れている事が挙げられる。従来、
この種の型材として、金属、セラミックス及びそれらを
コーティングした材料等、数多くの提案がされている。
いくつかの例を挙げるならば、特開昭49-51112には13Cr
マルテンサイト鋼が、特開昭52-45613にはSiC及びSi3N4
が、特開昭60-246230には超硬合金に貴金属をコーティ
ングした材料が提案されている。
又、炭素からなる型材を用いた方法が特開昭49-81419
に提案され、炭素をコーティングした型材を用いた方法
が特公昭55-11624、特開昭63-203222、特開昭61-18313
4、特開昭61-281030および特開昭64-83529に提案されて
いる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、13Crマルテンサイト鋼は酸化しやすく、さら
に高温でFeが硝子中に拡散して硝子が着色する欠点をも
つ。SiC、Si3N4は一般的には酸化されにくいとされてい
るが、高温ではやはり酸化がおこり表面にSiO2の膜が形
成される為硝子と融着を起こし、さらに高硬度の為型自
体の加工性が極めて悪いという欠点を持つ。貴金属をコ
ーティングした材料は融着は起こしにくいが、極めて軟
かい為、傷がつきやすく又変形しやすい欠点をもつ。
又、特開昭49-81419号に示されているガラス状炭素は
構造的な強度が弱いため、加圧成形時に、型面形状がゆ
がめられたり、傷などによる表面粗さの劣化が生じたり
する欠点を有する。
一方、炭素膜をコーティングした型材が提案されてい
るが、炭素膜は一種類に決まるものではなく、結晶構造
という観点からダイヤモンド多結晶膜、結晶性を有
するグラファイト膜やグラッシーカーボン膜、ダイヤ
モンド微結晶相とアモルファス相からなるダイヤモンド
状炭素膜、SP2,SP3結合の炭素からなるアモルファス
あるいはマイクロクリスタル(微結晶集合体)から構成
される硬度の高い炭素膜に大別することができる。
のダイヤモンド多結晶膜は表面硬度が高く成形ガラス
との融着がなく反応性が低いが、多結晶膜であるため表
面粗さが劣り、型の研摩工程が難しい欠点を有する。
のグラファイト膜やグラッシーカーボン膜は硬度や構造
的強度が低くまた高温での耐酸化性が劣り、面精度が劣
化したり、表面粗さが劣化して好ましくない。
また、特開昭63-203222に開示されているダイヤモン
ド状炭素膜は、プラズマCVD法を用いて基板温度が比較
的高い条件で成膜しており、ダイヤモンド結晶相を含有
するのダイヤモンド状炭素膜である。そのため膜が不
均質であり、面積度が高い滑らかな膜を得ることがむず
かしい。さらに繰り返し成形工程において、型表面が微
かずつ酸化されてゆくが、不均質膜は全体が均等に酸化
されないので、表面粗さの劣化が激しいという欠点を有
する。加えて、加熱成形により膜の結晶化が進行しやす
いため、膜質劣化、硬度、密着力が劣化する欠点をも
つ。
特開昭61-183134にダイヤモンド状炭素膜を用いる方
法が開示されているが、アモルファス性のこの種の膜
は、SP2炭素とSP3炭素から成っており、主にSP2炭素か
ら成るグラッシーカーボン膜やアモルファスカーボン膜
と明確に区別することが困難である。そこで、以降S
P2,SP3結合の炭素からなるアモルファスあるいはマイ
クロクリスタルから構成される硬度の高い炭素膜を、そ
の組成において水素含有量の少ない膜を硬質炭素膜、水
素をある濃度以上含有する膜を水素化アモルファス炭素
膜(a−C:H膜)と呼ぶことにする。
特開昭64-83529に開示されている硬質炭素膜は、比較
的低い基板温度でスパッタされているため、ダイヤモン
ド状とグラファイト状の超微粒子の集合体と推定されて
おり、アモルファスかあるいは微結晶集合体を含む硬
質炭素膜に分類されると考えられる。
この膜は成膜時において膜中に水素原子が含有されな
いので、膜の均質性が高いが、表面平滑性が良いほど、
膜応力が大きくなる傾向がある。それゆえ加熱成形過程
において応力解放のために、型母材の研磨キズや、残存
する研磨剤、ゴミ、型母材の粒界や組成の偏りがきっか
けとなって微小領域で、あるいは全面的に剥離しやすい
欠点がある。
加えて水素原子によってターミネートされないためダ
ングリングボンドが多く含有されやすく、ガラスと反応
して融着したり、ガラス中成分をガラス表面に還元析出
させたりして光学特性を低下させる原因となったり、雰
囲気中酸素と反応しやすいため酸化劣化による硬度密着
力の低下など生じやすい欠点がある。
従って、本発明の目的は、ガラスの光学素子の成形
に適した光学素子成形用型を提供することである。特
に、高温でガラスと融着や反応をおこさず、表面粗さや
面精度が優れ、適当な硬さを有し、酸化されにくい、光
学素子成形用型およびその製造方法を提供することにあ
る。
また繰り返し加熱成形冷却過程において、微小領域
の膜剥離や、面精度、表面粗さ硬度の劣化、膜質の劣化
が生じず、耐久性が向上した光学素子成形用型とその型
の製造方法およびその型を用いた光学素子成形方法を提
供することにある。
鉛など還元析出しやすい元素を含有するガラスを成
形するにあたり、ガラスとの反応性が低く、第1回目の
成形から良好なガラスが得られる成形用型と型の製造方
法、およびその型を用いた光学素子成形方法を提供する
ことにある。
さらには、本発明による光学素子成形用型を用いる
ことにより、成形ガラスの仕上げ研磨を必要としない光
学素子成形方法を提供することにある。
型母材の少なくとも成形面に炭素膜が被覆されてい
る光学素子成形用型およびその製造方法を提供すること
にある。
[課題を解決するための手段] 本発明に従って、光学素子のプレス成形に用いる光
学素子成形用型において、型母材の少なくとも成形面
に、水素が5〜40atom%含有され膜密度が1.5g/cm3以上
のa−C:H膜が被覆されていることを特徴とする光学素
子成形用型、 光学素子のブレス成形に用いる光学素子成形用型に
おいて、型母材の少なくとも成形面に、水素が0〜5ato
m%含有され、スピン密度が1×1018spin/cm3以下、膜
密度が1.5g/cm3以上の硬質炭素膜が被覆されていること
を特徴とする光学素子成形用型、 固体炭素源を用い、少なくとも水素を含む雰囲気で
プラズマスパッタ蒸着法またはプラズマイオンプレーテ
ィング法により型母材の少なくとも成形面にa−C:H膜
を被覆することを特徴とする前記の光学素子成形用型
の製造方法、 電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法またはイオ
ンビーム蒸着法により型母材の少なくとも成形面にa−
C:H膜を被覆することを特徴とする前記の光学素子成
形用型の製造方法、 a−C:H膜を成膜した後に加熱処理を行なうことを
特徴とする前記の光学素子成形用型の製造方法、 水素含有量5〜40atom%で膜密度1.5g/cm3以上のa
−C:H膜を加熱処理することを特徴とする前記の光学
素子成形用型の製造方法、 前記またはの光学素子成形用型を用いて成形す
ることを特徴とする光学素子成形方法が提供される。
本発明についてさらに詳細に説明する。
まず、水素が5〜40atom%含有され膜密度が1.5g/cm3
以上のa−C:H膜について説明する。
ここで水素量を限定したのは次の理由による。a−C:
H中の水素量と膜硬度、表面粗さとの間には第1図、第
2図に示す関係が得られている。第1図より水素量が増
加すると硬度が低下し、水素量が40atom%を越えるとヌ
ープ硬度が800Kg/mm2未満となり所望の膜硬度が得られ
なくなる。また、第2図より水素量が減少すると表面粗
さが増大し、5atom%未満では表面粗度がRmaxで0.05μ
mを超え所望の鏡面性が得られなくなる。なお、第1
図、第2図の関係を得るための水素量の増減は、第5図
の成膜装置をもちい、成膜条件のうち加速電圧500V、基
板温度300℃を一定として、原料のCH4/H2比を変えて行
った。
膜密度を限定した理由は、膜密度が1.5g/cm3未満であ
ると、成形時にグラファイト結晶化しやすく、表面粗
さ、硬度の劣化が早く耐久性が劣るからである。
膜硬度は、ガラス素材との成形において型上の膜表面
に擦傷や塑性変形等を起こすことがない程度以上の硬度
が好ましく、基本的にはガラス素材自身の硬度800kg/mm
2以上の硬度であることが好ましい。
また、成形時の温度条件において形母材と膜との十分
な密着性や機械的強度を保有するためには、該膜の熱膨
張係数αは、1×10-6≦α≦1×10-5の範囲にあること
が好ましい。
更に、a−C:H膜の膜厚は0.05〜0.5μmであることが
好ましい。膜厚が0.05μm未満であると成形時に型母材
の成分元素がガラス中に溶け出し成形用型の耐久性が低
下する傾向があり、0.5μmを越えると膜中の歪みが大
きくなり膜剥れを生じ易くなる。
次に、本発明のa−C:H膜が被覆された光学素子成形
用型の製造方法について述べる。
型母材の少なくとも成形面にa−C:H膜を被覆する方
法としては、プラズマ蒸着法、イオンビーム蒸着法、プ
ラズマスパッタ蒸着法、プラズマイオンプレーティング
法、電子サイクロトロン共鳴法等が挙げられる。
プラズマスパッタ法、プラズマイオンプレーティング
法によれば、特開昭61-183134のイオンビームスパッタ
法に比べ、成膜速度が速く(イオンビームスパッタ法で
は0.1〜0.2μm/hrであるのに対し、本方法では1μm/hr
以上である)しかも広い面積を均一な膜厚で成膜するこ
とができる。更に、電子サイクロトロン共鳴法では成膜
速度が10μm/hrと速い。また、イオンビーム蒸着法は、
イオンビームの加速電圧を変えることによって水素の含
有量を調節することが可能である。
次に、水素が0〜5atom%含有され、スピン密度が1
×1018spin/cm3以下、膜密度が1.5g/cm3以上の硬質炭素
膜について説明する。
高い温度で成形を行なう場合や成形過程で成形ガラス
と型の界面に還元、析出し易い鉛などの元素を含有する
ガラスを用いる場合、また還元、析出し易い条件で成形
する場合は、膜中に水素を5atom%以下含有しあるいは
水素を含有せず、かつスピン密度は1×1018spin/cm3
下の硬質炭素膜が好ましい。5atom%を越えると特に初
めの数回の成形において成形ガラス表面が析出した金属
元素のために白濁し、光学特性上、外観上好ましくな
い。1×1018spin/cm3を越えると成形に伴なう熱衝撃の
ために膜の剥離が生じ好ましくない。
該硬質炭素膜の膜密度は1.5g/cm3以上である。1.5g/c
m3未満であると、繰り返し成形によって硬度表面粗さの
劣化が生じ耐久性の劣るものとなる。
また、該硬質炭素膜にはX線結晶回折法によって検知
できる大きさのダイヤモンドおよびグラファイトの結晶
構造は含有されないものである。
なお、該硬質炭素膜は、水素以外のたとえばN,O,He,N
e,Ar,Kr,Xe,F,Cl,Br,Iの元素うち1種もしくは2種以上
の元素を微量含有していてもさしつかえない。
また、該硬質炭素膜の表面粗さは、Rmax0.05μm以下
が好ましく、Rmax0.05μmを越えると、成形ガラスの面
精度が低く、型の耐久性が低くなり好ましくない。
また、該硬質炭素膜の膜厚は100Å〜20000Åが好まし
く、100Å未満ではガラスとの反応性が生じたりし、200
00Åを越えると膜剥離が生じたりして好ましくない。
また、膜硬質炭素膜は膜硬度が成形ガラスの硬度以上
が良く800kg/mm2以上が好ましい。800kg/mm2未満では成
形ガラス表面の面精度が不十分となる傾向があり好まし
くない。
次に、本発明の硬質炭素膜が被覆された光学素子成形
用型の製造方法について述べる。
該硬質炭素膜は、前述した水素が5〜40atom%含有さ
れ膜密度が1.5g/cm3以上のa−C:H膜を加熱処理するこ
とによって生成することができる。
加熱処理に水素が5〜40atom%含有されているa−C:
H膜を用いることが好ましい理由を以下に説明する。
一般に硬質炭素膜においては、膜硬度が高く、炭素−
炭素のネットワークの架橋度が高くて、平滑なアモルフ
ァスの膜では応力が高く、応力が高すぎるものは基材の
研磨キズや粒界、成膜前に付着したゴミ等をきっかけに
して全面で、あるいは微小領域で膜剥離する原因とな
る。その膜剥離は、密着力が低下して全面的に膜が剥離
しなくても数十〜数百μm程度の微小領域での剥離が生
じれば成形ガラスの表面粗さは局所的でも増加し、成形
ガラスの白濁の原因となり、光学特性上、外観上問題と
なる。そこで、応力を制御する目的で炭素−炭素ネット
ワークの架橋度を制御しても、炭素と結合しきれなかっ
た未結合手がダングリングボンドの形で膜中に存在して
いては、応力緩和効果が少なく、また酸素と反応する活
性点になって好ましくない。
すなわち、成膜直後において水素が0〜5atom%に成
膜された膜は一般にダングリングボンドが多くなってし
まい、成膜後チャンバーから取り出し保存する時や加熱
時に膜剥離が生じたり、酸化劣化しやすく好ましくな
い。
また、成膜過程において、水素が0〜5atom%で応力
が緩和された膜を形成すると、膜が不均質化、結晶化
し、表面粗さや膜の構造的強度が低下する傾向を示し好
ましくない。
そこで、水素含有量を増加してダングリングボンドを
ターミネートしても、水素含有量が40atom%を越えると
炭素−炭素ネットワークの架橋度が低下して過ぎて特に
成形温度において膜硬度、膜表面粗さの低下が生じた
り、ガラスが融着して好ましくない。
膜密度が1.5g/cm3のa−C:H膜を加熱処理に用いた場
合には、加熱処理時にグラファイト結晶化しやすく、得
られた硬質炭素膜の表面粗さ、硬度の劣化が早く耐久性
が劣るので好ましくない。
また、加熱処理により表面粗さは増加する傾向を示す
ので、成形性を充分に有する良好な表面粗さの型材を得
るには、加熱処理前のa−C:H膜は表面粗さがRmax0.05
μm以下であることが好ましい。
また、水素含有量が厚さ方向に傾きをもつようなa−
C:H膜に加熱処理を施して該硬質炭素膜を形成すること
もできる。
加熱処理に用いるa−C:H膜は公知のプラズマCVD法、
イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、スパッ
タ法などによって成膜することができ、水素含有量を制
御するためには、炭素源原料ガスと、水素源原料ガスの
混合比、基板温度、圧力、成膜に関与するイオン流の運
動エネルギー等を調整して行なうことによりできる。
又、水素プラズマアシスト、水素イオンビームアシスト
を行なうことによる方法もある。
加熱処理条件は、成形ガラスの種類、成形温度、膜密
度や水素含有量などの膜質によって異なるが、熱処理温
度の下限は400℃あるいは成形温度で上限は750℃が好ま
しい。400℃未満では脱水素化の効果や、最初の成形か
ら良好な成形ガラスを得る効果が認められにくい。ま
た、750℃を越えると、a−C:H膜の酸化等の劣化や、グ
ラファイト結晶化が進行し、得られた硬質炭素膜の構造
的強度が劣化して好ましくない。さらに好ましくは500
℃以上650℃以下である。
熱処理雰囲気は、温度にも依存するがHe,Ne,Ar,Kr,Xe
などの不活性ガスやN2,H2ガス雰囲気あるいはこれらの
ガスのうち2種以上を混合したガス中や減圧中が好まし
く、その雰囲気中の酸素分圧は1×10-1Torr以下が好ま
しい。1×10-1Torrを越えるとa−C:H膜が酸化され、
得られた硬質炭素膜の膜厚が減少しすぎたり膜硬度、膜
の構造的強度が低下して好ましくない。
加熱処理は成膜に引き続き同一成膜装置の中で行なう
ことができ、また成形装置内において、成形前に行なう
こともできる。更に、成膜後別の加熱処理炉において行
なてもよい。
光学素子成形用型の型母材としては、超硬合金や、鏡
面性、耐熱性に優れたセラミック材料が挙げられる。
例えば、WCをCo,Ni,TiN,TiC,TaC等のバインダーを用
いて焼結した超硬合金やTiC-Ni系、TiC-Co系、Al2O3‐F
e系等のサーメット、Si3N4,SiC,Al2O3等のセラミックス
が挙げられる。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施例を説
明する。
第3図及び第4図は本発明に係る光学素子成形用型の
1つの実施態様を示すものである。
第3図は光学素子のプレス成形前の状態を示し、第4
図は光学素子成形後の状態を示す。第3図中1,2は型母
材、1−a,2−aは該型母材のガラス素材の接触する成
形面に形成されたa−C:H膜または硬質炭素膜、3はガ
ラス素材であり、第4図中4は光学素子である。
第3図に示すように型の間に置かれた硝子素材3をプ
レス成形することによって、第4図に示すようにレンズ
等の光学素子4が成形される。
実施例1 a−C:H膜を形成する方法としては、イオンビーム蒸
着法を用いた。第5図に本実施例で用いる蒸着装置を示
す。
図中、11は真空容器、12はイオンビーム装置、13はイ
オン化室、14はガス導入口、15はイオンビーム引き出し
グリッド、16はイオンビーム、17は型母材、18基板ホル
ダ及びヒーター、19は排気孔を示す。a−C:H膜を形成
する時は、有機溶剤により表面を清浄にした型母材17を
ホルダ18上に設置し、排気孔19より排気して容器11内部
を真空とする。型母材17を300℃に加熱し、原料ガスCH4
+H2をガス導入口14から導入する(CH4/H2=0.1)。イ
オンビーム化し、イオンビーム引き出しグリッド15に30
0Vの電圧を印加して、イオンビームを引き出し、所定の
膜厚まで母材17に照射する。以上の様にしてa−C:H膜
を被覆した型を製造した。
次に、本発明による光学素子成形用型によって硝子レ
ンズのプレス成形を行なった例について詳述する。下記
の表1は実験に供した型材の種類を示す。
No.1〜3は比較材であり、No.4〜5は本発明で提案する
材料である。母材として超硬合金WC(90%)+Co(10
%)及び焼結SiCを使用した。上記の例に使用したレン
ズの成形装置を第9図に示す。
第9図中、51は真空槽本体、52はそのフタ、53は光学
素子を成形する為の上型、54はその下型、55は上型をお
さえるための上型おさえ、56は胴型、57は型ホルダー、
58はヒータ、59は下型をつき上げるつき上げ棒、60は該
つき上げ棒を作動するエアシリンダ、61は油回転ポン
プ、62,63,64はバルブ、65は不活性バス流入パイプ、66
はバルブ、67はリークパイプ、68はバルブ、69は温度セ
ンサ、70は水冷パイプ、71は真空槽を支持する台を示
す。
レンズを製作する工程を次に述べる。
まず、型の母材を所定の形状に加工し、レンズ成形面
を鏡面研磨する。次にイオンプレーティング法によりSi
Cの被覆を形成する。又イオンビーム蒸着法により水素
が40atom%のa−C:H膜の被覆を構成する。膜厚は0.1μ
mとした。次にフリント系光学硝子(SF14)を所定の量
に調整し、球状にした硝子素材を型のキャビティー内に
置き、これを装置内に設置する。
ガラス素材を投入した型を装置内に設置してから真空
槽51のフタ52を閉じ、水冷パイプ70に水を流し、ヒータ
58に電流を通す。この時窒素ガス用バルブ66及び68は閉
じ、排出系バルブ62,63,64も閉じている。尚油回転ポン
プ61は常に回転している。
バルブ62を開け排気をはじめ10-2Torr以下になったら
バルブ62を閉じ、バルブ66を開いて窒素ガスをボンベよ
り真空槽内に導入する。所定温度になったらエアシリン
ダ60を作動させて10kg/cm2の圧力で5分間加圧する。圧
力を除去した後、冷却速度を−5℃/minで転位点以下に
なるまで冷却し、その後は−20℃/min以上の速度で冷却
を行ない、200℃以下に下がったらバルブ66を閉じ、リ
ークバルブ63を開いて真空槽51内に空気を導入する。そ
れからフタ52を開け上型おさえをはずして成形物を取り
出す。
上記のようにして、フリント系光学硝子SF14(軟化点
Sp=586℃、転位点Tg=485℃)を使用して、第4図に示
すレンズ4を成形した。この時の成形条件すなわち時間
−温度関係図を第11図に示す。
次に成形したレンズの表面粗さ及び成形前後での型の
表面粗さを測定した。その結果を表2に示す。
次に融着をおこさないNo.1,4,5について同じ型を用い
て200回の成形を行なった後表面粗さを測定した。その
結果を表3に示す。
上述の表2,表3の結果から明らかなように本発明によ
る型材は硝子との離型性にすぐれ、くり返し使用しても
従来の型材に比較して表面の劣化が極めて少ない。
実施例2 実施例1と同じ蒸着装置を用い、処理条件を変えて成
膜を行なった。混合ガスの比率CH4/H2=1、基板温度5
00℃、引出し電圧250Vとして水素が15atom%、膜厚0.5
μmのa−C:H膜を得た。
次に上記型によって硝子レンズのプレス成形を行なっ
た例について詳述する。
第10図において、102は成形装置、104は取入れ用置換
室であり、106は成形室であり、108は蒸着室であり、11
0は取出し用置換室である。112,114,116はゲートバルブ
であり、118はレールであり、120は該レール上に矢印A
方向に搬送せしめられるパレットである。124,138,140,
150はシリンダであり、126,152はバルブである。128は
成形室106内においてレール118に沿って配列されている
ヒータである。
成形室106内はパレット搬送方向に沿って順に加熱ゾ
ーン106−1、プレスゾーン106−2及び徐冷ゾーン106
−3とされている。プレスゾーン106−2において、上
記シリンダ138のロッド134の下端には成形用上型部材13
0が固定されており、上記シリンダ140のロッド136の上
端には成形用下型部材132が固定されている。これら上
型部材130及び下型部材132は、上記第3図の本発明によ
る型部材である。蒸着室108内においては、蒸着物質146
を収容した容器142及び該容器を加熱するためのヒータ1
44が配置されている。
フリント系光学ガラス(SF14,軟化点Sp=586℃,ガラ
ス転位点Tg=485℃)を所定の形状及び寸法に粗加工し
て、成形のためのブランクを得た。
ガラスブランクをパレット120に装置し、取入れ置換
室104内の120−1の位置へ入れ、該位置のパレットをシ
リンダ124のロッド122によりA方向に押してゲートバル
ブ112を越えて成形室106内の120−2の位置へと搬送
し、以下同様に所定のタイミングで順次新たに取入れ置
換室104内にパレットを入れ、このたびにパレットを成
形室106内で120−2→・・・・・→120−8の位置へと
順次搬送した。この間に、加熱ゾーン106−1ではガラ
スブランクをヒータ128により徐々に加熱し120−4の位
置で軟化点以上とした上で、プレスゾーン106−2へと
搬送し、ここでシリンダ138,140を作動させて上型部材1
30及び下型部材132により10kg/cm2の圧力で5分間プレ
スし、その後加圧力を解除しガラス転位点以下まで冷却
し、その後シリンダ138,140を作動させて上型部材130及
び下型部材132をガラス成形品から離型した。該プレス
に際しては上記パレットが成形用胴型部材として利用さ
れた。しかる後に、徐冷ゾーン106−3ではガラス成形
品を徐々に冷却した。尚、成形品106内には不活性ガス
を充満させた。
成形室106内において120−8の位置に到達したパレッ
トを、次の搬送ではゲートバルブ114を越えて蒸着室108
内の120−9の位置へと搬送した。通常、ここで真空蒸
着を行なうのであるが、本実施例では該蒸着を行なわな
かった。そして、次の搬送ではゲートバルブ116を越え
て取出し置換室110内の120-10の位置へと搬送した。そ
して、次の搬送時にはシリンダ150を作動させてロッド1
48によりガラス成形品を成形装置102外へと取出した。
以上の様なプレス成形の前後における型部材130,132
の成形面の表面粗さ及び成形された光学素子の光学面の
表面粗さ、ならびに成形光学素子と型部材130,132との
離型性について表4に示す。
次に融着が起きないNo.1,4,5について同一型部材を用
いて連続10000回のプレス成形を行なった。この際の型
部材130,132の成形面の表面粗さ及び成形された光学素
子の光学面の表面粗さについて表5に示す。
以上の様に本発明実施例においては、繰返しプレス成
形に使用しても良好な表面精度を十分に維持でき、融着
を生ずることなく良好な表面精度の光学素子が成形でき
た。
実施例3,比較例 WC90%Co10%からなる型母材の表面に、0.03〜0.60μ
mの膜厚のa−C:H膜を電子サイクロトロン共鳴法(ECR
法)によって堆積した。ECRプラズマ装置は、第6図に
示す空胴共振器タイプで空胴共振器21に電磁石22で磁場
をかけ、マイクロ波導入窓24より導波管23を通してマイ
クロ波を導入し、ガス導入口27よりガスを空胴共振器に
導入しガスを励起する。
磁場の大きさはマイクロ波導入口で2000ガウス型表面
で875ガウスになるように設定した。型ホルダー25に支
持した型26は、図1に示すように空胴共振器の外に設置
した。エチレン(5SCCM)、水素(20SCCM)をガス導入
口27よりECR装置に導入し、圧力は2×10-3Torr、マイ
クロ波電力500w,型表面温度は300℃に設定した。このよ
うな条件で3分,4分,7分,10分,20分,25分間成膜する
と、膜厚0.03,0.05,0.10,0.22,0.50,0.60μmのa−C:H
膜が型母材の表面に形成された。これらの膜の水素量
を、燃焼分析により測定したところ30atom%であった。
ヌープ硬度は1500kg/mm2であった。
次に上に述べた6種類の膜厚のa−C:H膜を被覆した
各成形用型を用いて実施例1と同様にしてガラスレンズ
のプレス成形を行なった。1回の成形を行った後表面粗
さを測定した。その結果を表6に示す。
次に膜厚0.05〜0.60μmの各型について実施例2と同
様にして1万回の成形を行なった後表面粗さを測定し
た。その結果を表7に示す。
実施例4 以下に、プラズマスパッタ蒸着法による光学素子成形
用型の製造方法を第7図に従って述べる。
第7図は本実施例に用いる高周波スパッタ装置であ
る。31は真空容器、32は超硬合金よりなる型母材及び基
板ホルダー、33は固体炭素源(一般的にはグラファイ
ト)のターゲット、34はターゲットホルダーで35の出入
口を通る冷却水により冷却されている。36はターゲット
ホルダーに高周波を印加するため高周波電源とマッチン
グ装置である。37はガス導入口で38は排気口で不図示の
排気装置に接続している。a−C:H膜の形成雰囲気は、
水素ガスを導入して、圧力を1×10-3Torrから1Torr程
度に調整したものとする。このとき導入する水素ガスは
水素100%でさしつかえないが、放電安定化のためアル
ゴン,ネオン,ヘリウム等の不活性ガスを混合してもよ
い。型母材は基板ホルダー中の不図示のヒーターで加熱
する。最適基板温度は型をプレス成形に用いるときの条
件、ガラスの材質によって異なるが、おおむね200〜400
℃である。ターゲット及びターゲットホルダーに、高周
波(一般的には、13.56MHzの周波数)を印加することに
よりターゲットの炭素源がスパッタされて、型母材に炭
素膜が堆積する。このようにして、型母材に0.2〜1.5μ
m程度の膜厚のa−C:H膜を被覆する。
以上、スパッタ方法としてRFスパッタ法について述べ
たが、本発明は、これに限定されるものではなく、RFマ
グネトロンスパッタ法や直流スパッタ法等を用いてもさ
しつかえない。これらの方法においても圧力、基板等の
成膜条件温度は、RFスパッタ法とほぼ同じでよい。
第7図に示す成膜装置を用いてWC(90%),Co(10
%)からなる型母材にa−C:H膜を形成した。まず、Ar:
10SCCM,H2:10SCCMを導入し、不図示のバルブを調整して
圧力を0.1Torrとした。型母材を、ヒーターにより300℃
に加熱した後、これに高周波電源を350w印加して成膜を
開始した。ほぼ1時間の成膜により型母材に膜厚0.5μ
mのa−C:H膜が形成された。こうして得られた成形用
型をNo.12とする。燃焼分析によりこの膜の水素含有量
を測定したところ24atom%であった。
第7図の成膜装置を用い成膜条件を以下の様に変更し
て、WC(90%),Co(10%)からなる型母材にa−C:H膜
を形成した。まず、Ar:20SCCM,H2:5SCCMを導入し、不図
示のバルブを調整して1×10-2Torrとした。型母材を35
0℃に加熱しこれに高周波波電源を300w印加した。ほぼ
1時間の成膜で、0.4μmのa−C:H膜が形成された。こ
うして得られた成形用型をNo.13とする。又、燃焼分析
によりこの膜の水素含有量を測定したところ、12atom%
であった。
上記a−C:H膜を被覆した各成形用型を用いて実施例
1と同様にして200回の成形を行った後、表面粗さを測
定した。その結果を表8に示す。
上記a−C:H膜を被覆した各成形用型を用いて実施例
2と同様にして10000回の成形を行った後、表面粗さを
測定した。その結果を表9に示す。
実施例5 以下に、プラズマイオンプレーティング法による光学
素子成形用型の製造方法を第8図に従って述べる。
第8図は本実施例に用いるイオンプレーティング装置
である。41は真空容器、42は超硬合金よりなる型母材及
び基板ホルダー、43は直流電源、44は高周波コイル、45
は高周波電源とマッチング装置、46は電子銃、47は固体
炭素源、48はガス導入口、49は排気口で不図示の排気装
置に接続している。
a−C:H膜の形成雰囲気は、水素ガスと不活性ガスの
混合ガスを導入して圧力を1×10-5〜1×10-3Torr程度
に調整したものとする。水素ガスのみでは放電が不安定
となるため不活性ガス(ヘリウム,ネオン,アルゴン
等)を混入することが望ましい。型母材を不図示のヒー
ターを用いて加熱する。基板温度はおおむね200〜400℃
程度でよい。炭素源は、固体グラファイト等を電子銃を
用いて蒸発させる。このとき、高周波コイル(一般的に
は13.56MHzの周波数)を用いて、導入ガスをプラズマ化
し、さらに、型母材に負電圧のバイアスを50〜1000v印
加し型母材へイオンの照射を行なうことにより、0.2〜
1.5μm程度の膜厚のa−C:H膜を型母材に形成すること
により、本発明の光学素子形成用型が製造される。
第8図に示す、成膜装置を用いてWC(90%),Co(10
%)からなる型母材料にa−C:H膜を形成した。まず、A
rガス10SCCM,H2ガス10SCCMを導入し、圧力を2×10-4To
rrとした。型母材を、250℃に加熱した、これに−250v
のバイアスを印加する。さらに高周波コイルに300wの高
周波を印加し、グラファイトを電子銃により蒸発させる
ことで型母材に0.5μmのa−C:H膜を形成した。こうし
て得られた成形用型をNo.14とする。
成膜条件を以下のように変更して、WC(90%)Co(10
%)からなる型母材にa−C:H膜を形成した。Arガス7SC
CM,H2ガス20SCCM、圧力を1.5×10-4Torrとし、型母材を
300℃に加熱し、これに−400vのバイアスを印加した。
さらに高周波コイルに250wの高周波を印加し、グラファ
イトを電子銃で蒸発させ型母材に0.5μmのa−C:H膜を
形成した。こうして得られた成形用型をNo.15とする。
上記a−C:H膜を被覆した各成形用型を用いて実施例
1と同様にして200回の成形を行った後、表面粗さを測
定した。その結果を表10に示す。
上記a−C:H膜を被覆した各成形用型を用いて実施例
2と同様にして10000回の成形を行った後、表面粗さを
測定した。その結果を表11に示す。
実施例6 a−C:H膜は、第6図に示す電子サイクロトロン共鳴
(ECR)プラズマCVD装置により成膜した。空胴共振器タ
イプで空胴共振器21に電磁石22で磁場をかけ、マイクロ
波導入窓24より導波管23を通してマイクロ波を導入し、
ガス導入口27よりガスを空胴共振器に導入しガスを励起
する。
磁場の大きさはマイクロ波導入口900ガウス型表面で4
00ガウスになるように設定した。型ホルダー25に支持し
た型26は、第6図に示すように空胴共振器の外に設置し
た。ベンゼン/水素=1/1混合ガスをガス導入口27よりE
CR装置に導入し、マイクロ波電力100Wに設定した。型ホ
ルダーはチャンバーから絶縁され型にバイアス電位が印
加できるように設定した。
その他の条件は表12に結果とともに示した。
基板は、焼結SiC上に熱CVD法によるSiC膜を100μm成
膜後、表面粗さRmax0.01μmに鏡面研磨仕上げしたもの
を用いた。各サンプルは100〜1000Å/minの成膜速度で
膜厚が5000Åになるように成膜した。
スピン密度はESR(電子スピン共鳴法)により分析
し、膜硬度はヌープ硬度計により測定した。
水素含有量、密度は基板として岩塩を用い、表12に示
したものと同条件で成膜し、その後岩塩を水溶除去し、
膜を単離して測定した。水素含有量は、燃焼分析法によ
り定量した。その結果とFT-IR法によるピーク強度との
検量線から、その後のサンプルについてはFT-IRにより
定量を行なった。
密度はピクノメータを用いた液体置換法により測定し
た。
それらの結果を表12に示した。
次に、No16〜21の型材を用いて第10図に示す成形装置
により成形テストを行なった。
但し、第10図において、上型部材130及び下型部材132
は上記方法で製造した型母材上にa−C:H膜、硬質炭素
膜を成膜したものである。
まず、ガラス転移点292℃、屈伏点319°の低融点ガラ
ス(特開昭63-170241に開示されている軟化点約342〜37
0℃のガラス)を所定の形状及び寸法に粗加工して、成
形のためのブランクを得た。
次に、実施例2と同様にして成形テストを行なった。
但し、120−4の位置でのガラスブランクの温度を320
〜335℃とした後、上型部材130及び下型部材132の温度
を335℃とし、100kg/cm3の圧力で1分間プレスし、その
後加圧力を解除し230℃まで冷却してから離型した。
このようなプレス成形を50回行なった後、型を成形装
置から取り出して、膜硬度及び膜の剥離状態を調べた。
ここで、膜の剥離状態は、走査型電子顕微鏡で調べて0.
1μm以上の剥離が認められない場合を剥離なし、また
光学顕微鏡で調べて1μm以上の剥離が認められる場合
及び走査型電子顕微鏡で調べて0.1μm以上の剥離が認
められる場合を膜剥離とした(以下同様)。その結果を
表13に示す。
以上のように、本発明のa−C:H膜を被覆した型は、
膜剥離を生じず良好な成形性を示した。
実施例7 第7図の高周波スパッタ装置を用いて、実施例4と同
様にしてプラズマスパッタ蒸着法により光学素子成形用
型を製造した。
第7図の成膜装置を用い成膜条件を以下の様に設定し
て、WC(90%)、Co(10%)からなり、表面粗さRmax0.
02μmの型母材にa−C:H膜を形成した。まず、Ar:10SC
CM,H2:10SCCMを導入し、不図示のバルブを調整して5×
10-2Torrとした。型母材を150℃に加熱しこれに高周波
電源を300W印加した。ほぼ1時間の成膜で、膜厚5000Å
のa−C:H膜が形成された。こうして得られた成形用型
をNo22とする。
この膜の水素含有量は12atom%で密度1.8g/cm3表面粗
さはRmax0.02μm、スピン密度は5×1018spin/cm3であ
った。
一方、導入ガスをArガス20SCCMに変更する以外は、No
22と同条件で成膜した型をNo23とする。この型の膜には
水素はほとんど含有されておらず、密度2.1g/cm3、Rmax
0.01μm、スピン密度は5×1019spin/cm3であった。
No22、No23の型を用い、実施例6と同様の成形装置を
用いて成形試験を行なった。
ガラス転移点365℃屈伏点397℃のガラス(特開昭55-1
54343に開示されているアメリカ軟化点約390〜435℃の
ガラス)を用い、成形温度415℃、成形圧力100kg/cm2
加圧時間1分間で成形した。
No23の型は21回目の成形後、型表面の周辺部に数十μ
m〜数百μmの微小な膜の剥離が多く認められ、成形ガ
ラス表面の膜剥離部分に相当する箇所は白濁し、Rmax0.
1μmの表面粗さであった。
No22ではこのような膜剥離が生じないで50回目まで成
形できた。
以上のように、本発明によるa−C:H膜を被覆した型
を用いることにより膜剥離せず良好な成形ができるよう
になった。
実施例8(脱水素化のための加熱処理) 硬質炭素膜は第5図に示すイオンビーム蒸着装置によ
りa−C:H膜を成膜し、その後加熱処理を施して生成し
た。
a−C:H膜を形成する時は、有機溶剤により表面を洗
浄にしたWC(95%)+Co(5%)(表面粗をRmax0.02μ
m)からなる型母材17をホルダ18上に設置し、排気口19
より排気して容器11内部を5×10-7Torrとする。
次にガス導入口14より原料ガスCH4+Ar混合ガスを混
合比CH4/Ar=1/1で導入し、容器11内部を1×10-4Torr
とするイオンガン12のイオン化室13で原料ガスをイオン
化し、イオンビーム引き出しグリッド15に500Vを印加し
てイオンビームを引き出し母材17に照射して成膜した。
この時イオンビームの電流値は0.6mA/cm2で、基板の加
熱は特に行なわなかった。
膜厚は10000Å、表面粗さはRmax0.01〜0.02μm、膜
密度は1.8g/cm3、硬度は1400〜1600kg/mm2であった。
加熱処理はN2ガス1.2気圧中、不純物の酸素分圧が5
×10-3Torr以下の雰囲気下で2時間行なった。
その後、実施例6と同様の装置を用いて成形試験を行
なった。
SF8フリント系ガラス(小原製、転移点444℃、屈伏点
476℃、鉛元素含有)を用い、成形温度520℃、成形圧力
100kg/cm2で1分間プレス成形した。
表14に熱処理温度、成形前の膜質とともに成形後の型
材の状態と成形ガラス表面に析出した金属鉛量を示す。
金属鉛量はX線回折法で測定した鉛のピークの強度から
求めた No26〜31の型材で成形したガラスは、その後仕上げ研
磨をしないで使用可能であった。
実施例9(脱水素化のための加熱処理) 実施例8と同様の型母材を用いて、同様にして成形面
にa−C:H膜を膜厚12000Åに成膜した。その後、加熱処
理は{O2(1%)+Ar(99%)}ガスとArガスを混合し
て導入することにより酸素分圧を制御した雰囲気で、全
圧を1.2気圧とし、520℃で1時間行なった。実施例8と
同様の装置、条件でガラスをプレス成形した。加熱処理
時の酸素分圧および成形結果を表15にまとめて示した。
加熱処理前の硬度は1400〜1600kg/mm2であった。成形
性の×は加熱処理時の膜硬度、構造的強度の劣化が激し
く、ガラスと膜の融着、膜はがれが生じ成形できなかっ
たことを示し、△は成形できたが型の膜剥離等のため成
形ガラス表面の面精度が不十分だったものを示し、○は
良好であったものを示す。
実施例10(脱水素化のための加熱処理) 硬質炭素膜は第12図に示した装置を用いてa−C:H膜
を成膜し、その後加熱処理を施して生成した。
図中、11は真空容器、12はイオンビーム装置、13はイ
オン化室、14はガス導入口、15はイオンビーム引き出し
グリッド、16はイオンビーム、17は型母材、18は基板ホ
ルダ及びヒーター、19は排気口、46は電子銃、47は固体
炭素源を示す。
WC(84%)−TiC(8%)−TaC(8%)からなり、表
面粗さはRmax0.02μmの型母材17を用い、有機溶剤によ
り表面を清浄にした後ホルダ18上に設置し、排気口19よ
り排気して容器11内部を5×10-7Torrとした。
型母材は所望の温度に不図示のヒーターを用いて加熱
した。
次にガス導入口14よりアシストガスH2+Ar混合ガスを
導入し、容器11内部を2×10-4Torrとする。イオンガン
12のイオン化室13でアシストガスをイオン化し、イオン
ビーム引き出しグリッド15に引き出し電圧を印加してイ
オンビームを引き出し型母材17に照射した。
一方、固体グラファイト、グラッシーカーボン等の炭
素源47を電子銃46を用いて蒸発させる。
このようにしてイオンビームアシストしながら膜厚20
00Åに成膜を行なった。
詳しい成膜条件と、膜中水素含有量、膜密度、表面粗
さ及び加熱処理後の結果を表16にまとめて示す。
なお、加熱処理はArガス雰囲気、1.2気圧中(酵素分
圧1×10-2Torr以下)で600℃で2時間行なった。
No38〜43のいずれの膜も加熱処理後の水素含有量はほ
とんどなく、またスピン密度は1×1018spin/cm3以下で
あった。
次に、加熱処理後充分な硬度を有するNo38〜41につい
て成形試験を行なった。成形装置、成形方法は実施例8
と同様にして、SF8(小原製フリント系)を用いて成形
温度520℃、成形圧力100kg/cm2で1分間成形した。
No38〜No40は、50回の成形後においても、型表面粗
さ、硬度の劣化は認められず、膜の剥離も電子顕微鏡に
よっても認められなかった。No41は14回目の成形後数十
〜数百μmの膜剥離が認められはじめ、20回目で成形ガ
ラスの表面粗さおよび面精度の劣化がひどく成形を中止
した。
以上のように、本発明によるa−C:H膜を成膜後加熱
処理して得られる硬質炭素膜が被覆された型材は、耐久
性が著しく改善されている。
実施例11(脱水素化のための加熱処理) 実施例8と同様の型母材を用い、同様にして成形面に
a−C:H膜を膜厚5000Åに成膜して型部材を作製した。
この型部材を5×10-6Torr減圧下、590℃で2時間加熱
処理しa−C:Hを硬質炭素膜に変え、試料44とした。こ
こで加熱処理しなかったものを試料No45とした。実施例
8と同様の装置、条件でガラスを成形した。型部材38、
39をシリンダ138、140に取りつけたまま連続して50回成
形を行ない、各成形ガラス表面の金属鉛量をX線回折法
で検出した。
結果を表17に示す。
以上のように、加熱処理も行なうことにより、仕上げ
研磨しなくても第1回目の成形から良好な成形ガラスを
得ることができた。
実施例12 実施例6と同様の表面粗さRmax0.01μmに研磨した型
母材の表面に、第6図に示した装置によって炭素膜を成
膜した。
型母材26をホルダー25に設置して、装置内を1×10-6
Torrに減圧した後、ベンゼンと水素ガスを導入して所望
の圧力にした。型母材を加熱して所望の温度に保った
後、電磁石22により磁場を印加し、型母材にバイアス電
圧を印加し、マイクロ波を導入して、各々10000Åずつ
成膜した。型母材No.46はa−C:H成膜後、加熱処理を行
なった。条件は1.2気圧N2ガス雰囲気中(酸素分圧5×1
0-3Torr以下)で600℃、加熱時間1時間とした。
表18に成膜条件および成膜前の膜特性を成形テストの
結果とともにまとめて示す。
結晶性はX線結晶回折法により測定した。
成形テストは実施例8と同様の装置、条件、ガスによ
り行ない、連続して50回成形した。
○は成形後10μm以上の膜剥離が光学顕微鏡で認めら
れなったものを示し、×は10μm以上の膜剥離が認めら
れたものを示す。
以上のように、結晶成分を含有する膜は膜剥離や表面
粗さの劣化が著しく好ましくない。
実施例13 実施例10の試料No.38〜41と同様の装置、条件により
表16に示したような炭素膜を各々型母材上に成膜した。
実施例6と同様の装置、条件、ガラスにより成形テス
トを行なった。但し、成形温度を335℃、成形圧力100kg
/cm2、加圧時間を1分間とし、連続100回成形した。
No.38,39,40の型材は、成形後に3μm以上の膜剥離
は認められず、硬度の劣化もなかった。
No.41の型材で成形したガラスは、62回目の成形以
降、表面粗さ、面精度の劣化が認められ、100回成形後
の型表面には特に周辺部で3μmの膜剥離が多く認めら
れた。
[発明の効果] 以上説明したように、水素が5〜40atom%含有され膜
密度が1.5g/cm2のa−C:H膜を被覆することにより膜剥
離が生じず型の耐久性が向上する効果がある。また水素
が0〜5atom%(0atom%も含む)され、スピン密度が1
×1018spin/cm3以下、膜密度が1.5g/cm2以上の硬質炭素
膜を被覆した型を用いることによりガラスとの反応性が
低く最初の成形から、仕上げ研磨を必要としない良好な
光学素子が成形できる効果がある。
さらにはガラスとの反応性の低い上記硬質炭素膜は、
水素を5〜40atom%含有したa−C:H膜を成膜した後に
加熱処理して製造することにより膜剥離が生じず型の耐
久性を向上し、また加熱処理により安定な膜を再現性良
く提供できるという効果がある。
本発明による型を用いることにより、仕上げ研磨を必
要としない成形ガラスを得ることができる効果がある。
特開昭61-183134に開示されたDLCという不明確な範
囲、性質の膜であるのに対し、本発明はこの中で、実用
性に富んだ特定の膜を実現した。
特開昭61-281030に開示された膜では、成膜表面が平
滑でなく成膜後に表面処理が必要である。更に、結晶成
分が含まれるため不均質であり、膜荒れにより耐久性が
低下する。
特開昭64-83529に開示された膜では、成膜時に水を含
まないため内部応力が高く剥離し易い。
【図面の簡単な説明】 第1図はa−C:H中の水素量−膜硬度関係図、第2図は
水素量−表面粗さ関係図である。第3図および第4図は
本発明に係る光学素子成形用型の一実施態様を示す断面
図で、第3図はプレス成形前の状態、第4図はプレス成
形後の状態を示す。第5,6,7,8,12図は本発明に係る光学
素子成形用型の製造方法に用いる装置を示す概略図で、
第5図はイオンビーム蒸着装置、第6図は電子サイクロ
トロン装置、第7図はスパッタ蒸着装置、第8図はイオ
ンプレーティング装置、第12図はイオンビームアシスト
蒸着装置を示す。第9図および第10図は本発明に係る光
学素子成形用型を使用するレンズの成形装置を示す断面
図で、第9図は非連続成形タイプ、第10図は連続成形タ
イプである。第11図はレンズ成形の際の時間温度関係図
である。 1,2……型母材、1−a,2−a…a−C:H膜または硬質炭
素膜、3……ガラス素材、4……成形されたレンズ、11
……真空容器、12……イオンビーム装置、13……イオン
化室、14……ガス導入口、15……イオンビーム引き出し
グリッド、16……イオンビーム、17……型母材、18……
基板ホルダ及びヒーター、19……排気口、21……空胴共
振器、22……磁石、23……マイクロ波導波管、24……マ
イクロ波導入窓、25……型ホルダー、26……型、27……
ガス導入口、31……真空容器、32……型母材、33……タ
ーゲット、34……ターゲットホルダー、35……冷却水出
入口、36……高周波電源、37……ガス導入口、38……排
気口、41……真空容器、42……型母材及び基板ホルダ
ー、43……直流電源、44……高周波コイル、45……高周
波電源及びマッチング装置、46……電子銃、47……固体
炭素源、48……ガス導入口、49……排気口、51……真空
槽、52……真空槽のフタ、53……上型、54……下型、55
……上型おさえ、56……胴型、57……型ホルダー、58…
…ヒータ、59……下型をつき上げるつき上げ棒、60……
エアシリンダ、61……油回転ポンプ、62,63,64……バル
ブ、65……不活性ガス導入パイプ、66……バルブ、67…
…リークパイプ、68……バルブ、69……温度センサ、70
……水冷パイプ、71……真空槽を支持する台、102……
成形装置、104……取入れ用置換室、106……成形室、10
8……蒸着室、110……取出し用置換室、112……ゲート
バルブ、114……ゲートバルブ、116……ゲートバルブ、
118……レール、120……パレット、122……ロッド、124
……シリンダ、126……バルブ、128……ヒータ、130…
…上型、132……下型、134……ロッド、136……ロッ
ド、138……シリンダ、140……シリンダ、142……容
器、144……ヒータ、146……蒸着物質、148……ロッ
ド、150……シリング、152……バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 靖 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 生駒 圭子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−83529(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学素子のプレス成形に用いる光学素子成
    形用型において、型母材の少なくとも成形面に、水素が
    5〜40atom%含有され膜密度が1.5g/cm3以上の水素化ア
    モルファス炭素膜が被覆されてることを特徴とする光学
    素子成形用型
  2. 【請求項2】光学素子のブレス成形に用いる光学素子成
    形用型において、型母材の少なくとも成形面に、水素が
    0〜5atom%含有され、スピン密度が1×1018spin/cm3
    以下、膜密度が1.5g/cm3以上の硬質炭素膜が被覆されて
    いることを特徴とする光学素子成形用型
  3. 【請求項3】該水素化アモルファス炭素膜の膜厚が0.05
    〜0.5μmであることを特徴とする請求項1記載の光学
    素子成形用型。
  4. 【請求項4】固体炭素源を用い、少なくとも水素を含む
    雰囲気でプラズマパッタ蒸着法により型母材の少なくと
    も成形面に水素化アモルファス炭素膜を被覆することを
    特徴とする請求項1記載の光学素子成形用型の製造方
    法。
  5. 【請求項5】固体炭素源を用い、少なくとも水素を含む
    雰囲気でプラズマイオンプレーティング法により型母材
    の少なくとも成形面に水素化アモルファス炭素膜を被覆
    することを特徴とする請求項1記載の光学素子成形用型
    の製造方法。
  6. 【請求項6】電子サイクロトロン共鳴プラズマCVD法に
    より型母材の少なくとも成形面に水素化アモルファス炭
    素膜を被覆することを特徴とする請求項1記載の光学素
    子成形用型の製造方法。
  7. 【請求項7】イオンビーム蒸着法により型母材の少なく
    とも成形面に水素化アモルファス炭素膜を被覆すること
    を特徴とする請求項1記載の光学素子成形用型の製造方
    法。
  8. 【請求項8】水素化アモルファス炭素膜を成膜した後に
    加熱処理を行なうことを特徴とする請求項2記載の光学
    素子成形用型の製造方法。
  9. 【請求項9】該加熱処理が加熱温度400〜750℃、酸素分
    圧1×10-1Torr以下の雰囲気中で行なわれることを特徴
    とする請求項8記載の光学素子成形用型の製造方法。
  10. 【請求項10】水素含有量5〜40atom%で膜密度1.5g/c
    m3以上の水素化アモルファス炭素膜を加熱処理すること
    を特徴とする請求項9記載の光学素子成形用型の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項1又は2記載の光学素子成形用型
    を用いて成形することを特徴とする光学素子成形方法。
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