JPH09110441A - 光学素子成形用型 - Google Patents

光学素子成形用型

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JPH09110441A
JPH09110441A JP26686795A JP26686795A JPH09110441A JP H09110441 A JPH09110441 A JP H09110441A JP 26686795 A JP26686795 A JP 26686795A JP 26686795 A JP26686795 A JP 26686795A JP H09110441 A JPH09110441 A JP H09110441A
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film
molding
optical element
mold
glass
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JP26686795A
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Yasushi Taniguchi
靖 谷口
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
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    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/14Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスと型の離型性が極めて良好で、表面粗
さ、面精度、透過率及び形状精度の良好な成形品が得ら
れ、更に、プレス成形を長時間繰返しても膜剥離やクラ
ック、傷の発生という欠陥を生じない光学素子成形用型
を提供する。 【解決手段】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
用いる光学素子成形用型において、該型母材の成形面に
水素で安定化した炭素のネットワーク構造と酸素で安定
化したケイ素のネットワーク構造からなる膜を形成した
光学素子成形用型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、プリズム
等のガラスよりなる光学素子をガラス素材のプレス成形
により製造するのに使用される型に関する。
【0002】
【従来の技術】研磨工程を必要としないでガラス素材の
プレス成形によってレンズを製造する技術は従来の製造
において必要とされた複雑な工程をなくし、簡単且つ安
価にレンズを製造することを可能とし、近年、レンズの
みならずプリズムその他のガラスよりなる光学素子の製
造に使用されるようになってきた。このようなガラスの
光学素子のプレス成形に使用される型材に要求される性
質としては、硬度、耐熱性、離型性、鏡面加工性等に優
れていることが挙げられる。従来、この種の型材として
金属、セラミックス及びそれらをコーティングした材料
等、数多くの提案がされている。いくつかの例を挙げる
ならば、特開昭49−51112号公報には13Crマ
ルテンサイト鋼が、特開昭52−45613号公報には
SiC及びSi34 が、特開昭60−246230号
公報には超硬合金に貴金属をコーティングした材料が、
また、特開昭61−183134、61−281030
及び特開平1−301864号公報にはダイヤモンド薄
膜もしくはダイヤモンド状炭素膜、特開昭64−835
29号公報には硬質炭素膜をコーティングした材料が提
案されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、13Cr
マルテンサイト鋼は酸化し易く、更に高温でFeがガラ
ス中に拡散してガラスが着色する欠点を持つ。SiC及
びSi34 は一般的には酸化されにくいとされている
が、高温ではやはり酸化が起こり表面にSiO2 の膜が
形成されるためガラスの融着を生じる。更に、高硬度の
ため型自体の加工性が極めて悪いという欠点をもつ。貴
金属をコーティングした材料は融着は起こしにくいが、
極めて柔らかいため傷がつき易く変形し易いという欠点
を持つ。
【0004】また、ダイヤモンド薄膜、DLC膜、a−
C:H膜及び硬質炭素膜を用いた型は、型とガラスの離
型性が良く、ガラスの融着を起こさないが、成形操作を
数百回以上繰り返して行うと、前記膜が部分的に剥離し
成形品において十分な成形性能が得られないことがあ
る。この原因として以下のことが考えられる。
【0005】(1)前述の膜はいずれも非常に大きな圧
縮応力を有しており、成形プロセスにおける急加熱−急
冷却に伴う応力解放の結果として剥離、クラック等が生
じる。同様に型母材と膜の熱膨張係数の違いと熱サイク
ルに起因する熱応力によっても同様な現象が生じる。
(2)型母材によっては、表面状態により膜が部分的に
形成されなかったり、膜厚が薄いことがある。例えば、
WC−CoやSiC,Si34 等の焼結体では、粒の
欠落や焼結時のポアが避けられず、成形研磨面に数μm
以上の穴が存在している。こうした面に膜を形成したと
き、これらの穴には膜が形成されなかったり、極端に膜
厚の薄い状態になる。従って、こうした部分の膜の付着
強度や、機械的強度は著しく低下するため剥離やクラッ
クの発生起点となり易い。(3)WC−CoのCoに代
表される焼結体中に焼結助材と前述の膜の間で拡散によ
る合金形成が生じる。こうした部分は成形時にガラスの
融着が生じガラス中に含有される成分と反応し析出物を
生じる結果、耐久性の劣化を招く。特に、アモルファス
の炭素膜は、成形時の加熱温度により膜構造が結晶化に
向かうために、膜硬度や密着性が低下するという本質的
な問題を内包している。
【0006】以上のように、成形性、耐久性及び経済性
に優れた光学素子成形用型を実現するに至っていない。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明は、ガラスよりなる光学素子のプレス成形に用いる光
学素子成形用型において、該型母材の成形面に水素で安
定化した炭素のネットワーク構造と酸素で安定化したケ
イ素のネットワーク構造からなる膜を形成したことを特
徴とする光学素子成形用型である。また、前記膜がアモ
ルファスであることが好ましい。また更に、前記膜中に
金属元素及びセラミックスの一方または両方が存在する
ことが好ましい。
【0008】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明において型母材として用いられる材料は、WC、S
iC、TiC、TaC、BN、TiN、AlN、Si3
4、SiO2 、Al23 、ZrO2 、W、Ta、M
o、サーメット、サイアロン、ムライト、カーボン・コ
ンポジット(C/C)、カーボンファイバー(CF)、
WC−Co合金等から選ばれる。これらの型母材の成形
面に前述のアモルファス膜を形成する。この膜は、プラ
ズマCVD法とイオンビームスパッタ法、イオンビーム
蒸着法等のイオンビームを複合した手法によって形成さ
れる。プラズマCVD法としては、DC−プラズマCV
D法、RF−プラズマCVD法、マイクロ波プラズマC
VD法、ECR−プラズマCVD法、光CVD法、レー
ザーCVD法等がある。膜の形成に用いるガスとして
は、含炭素ガスであるメタン、エタン、プロパン、エチ
レン、ベンゼン、アセチレン等の炭化水素;塩化メチレ
ン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロルエタン等の
ハロゲン化炭化水素;メチルアルコール、エチルアルコ
ール等のアルコール類;(CH32 CO、(C6
52 CO等のケトン類;CO、CO2 等のガス、Si
4 、Si26 、SiCl4 、TEOS(Si(OC
254 )、C25 Si(OC253 、Si
(OC374 、(C373 SiH、SiHCl
3 、SiH2 Cl2、SiF4 、Si26 、SiI4
等のガス、及びこれらのガスにN2 、H2 、O2 、H2
O、Ar、He等のガスを混合したものが挙げられる。
【0009】本発明は、型母材の成形表面に成形温度に
おいても構造変化を起こさず、型母材との密着性が良
く、硬度や耐摩耗性、摩擦係数という機械的性質やガラ
スとの反応性に優れた離型膜を形成することにより、離
型性に優れた高耐久性の光学素子成形用型を提供するも
のである。
【0010】本発明の膜は、従来知られているダイヤモ
ンド状炭素膜(以下、DLC)あるいは水素化アモルフ
ァス炭素膜(以下、a−C:H)に比べて高温での構造
安定性に特徴がある。DLCあるいはa−C:Hは、膜
中にHを含有するアモルファス構造でsp3 結合とsp
2 結合からなる。成形温度近傍において膜中のHが脱離
する結果、sp3 結合が減少する一方、Hが脱離したC
がsp2 結合に構造変化するために膜の機械的強度が低
下する。本発明の膜構造は、水素で安定化した炭素のネ
ットワークa−(C:H)と酸素で安定化したケイ素の
ネットワークa−(Si:O)の二重構造を有してい
る。a−(C:H)構造とa−(Si:O)構造は互い
に独立して存在しており、C−Si結合等は存在してい
ない。これらの構造は、ESCA、広域吸収微細構造解
析(EXAFS)、化学的エッチング法等によって確認
した。この独立した2つのランダムなネットワーク構造
が存在することにより、成形温度領域においても膜構造
変化が起こらず安定であると考えられる。また、膜中に
金属元素等をドープすると、膜中にランダムに分散した
状態、第3のネットワーク、あるいはバルクとして存在
することが可能で、ドーパントにより構造的な安定性が
増し、高温でもアモルファス状態を保つことができる。
なお、金属の含有率が50atm%以下では、炭化物は
生成しない。金属元素以外にもTiN、BN、ZrN等
のセラミックスをドーパントとしても同様の効果が得ら
れる。この膜は、高温での熱安定性以外に内部応力が小
さいために型母材との密着性が良好であり、酸やアルカ
リに対しても化学的安定性に優れ、硬度2000kg/
mm2 、空気中における摩擦係数も0.03〜0.1と
小さく、耐摩耗性にも優れるという特徴を持っている。
膜厚は、10nm〜10μm程度であれば良く、特に1
00nm〜2μmが好適である。膜厚が薄すぎると十分
な離型性や耐久性が得られず、膜厚が厚過ぎると型母材
との密着性が低下するという問題が生じる。
【0011】本発明は、型母材上に水素で安定化した炭
素のネットワークa−(C:H)構造と酸素で安定化し
たケイ素のネットワークa−(Si:O)構造が互いに
独立して存在するアモルファスの離型膜を設けることに
より、成形温度においても膜構造変化を生じることな
く、耐久性に優れた光学素子成形用型を実現するもので
ある。なお、本発明はレンズ、ミラー、グレーティン
グ、プリズム等の光学素子に限定されるものではなく、
光学素子以外のガラス、プラスチック等の成形品に対し
ても適用できることは言うまでもない。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の具体的実
施例を説明する。 <実施例1>図1及び図2は本発明に係わる光学素子成
形用型の一つの実施態様を示すものである。図1は光学
素子プレス成形前の状態を示し、図2は光学素子成形後
の状態を示す。図1中1は型母材、2はガラス素材を成
形する成形面を有する離型膜、3はガラス素材であり、
図2中4は光学素子である。図1に示すように型の間に
置かれたガラス素材3をプレス成形することによってレ
ンズ等の光学素子4が形成される。
【0013】次に、本発明の光学素子成形用型について
詳細に説明する。型母材として焼結SiCを所定の形状
に加工した後、CVD法により多結晶のSiC膜を形成
した後成形面をRmax=0.02μmに鏡面研磨した
ものを用いた。この型を良く洗浄した後、図3に示す成
膜装置に設置した。図中5は真空槽、6は型、7はイオ
ン源、8はイオン化室、9は引き出し電極、10はガス
導入系、11はマイクロ波電源、12は導波管、13は
ガス導入系、14はマイクロ波導入窓、15は外部磁
場、16は空洞共振器タイプのECRプラズマ発生室、
17はスパッタ・ターゲット、18は排気系である。ま
ず、装置内を1×10-6Torrに排気した後、ガス導
入系10よりAr:20sccmをイオン源に導入し、
ガス圧を2×10-4Torrとした。次に、イオン化室
8にArプラズマを形成し、引き出し電極9により50
0eVのArイオンビームを引き出して型表面の清浄化
処理を5分間行った。この後、イオン源7のガス導入系
10にCH4 :15sccm、H2 :35sccmを導
入すると共に、ECRプラズマ発生室16にガス導入系
13よりO2 :40sccmとAr:20sccmを導
入し、ガス圧を4×10-4Torrとした。イオン源7
の引き出し電極9によりイオンエネルギー700eVの
イオンビームを引き出し、型に照射した。同時に、2.
45GHzのマイクロ波電源11より、1kWのマイク
ロ波を導入し酸素のECRプラズマを形成し、純度9
9.99%のSiスパッタ・ターゲット17に照射し
た。この時、プラズマ室16の外周に設置した外部電磁
石15によりマイクロ波導入窓14で1600Gaus
s、スパッタ・ターゲット17で875GaussのE
CR点となる発散磁場を印加した。イオン源7により水
素で安定化した炭素のネットワークa−(C:H)構造
を形成すると共に、ECRプラズマ・スパッタ装置によ
り酸素で安定化したケイ素のネットワークa−(Si:
O)構造の膜を250nm形成した。このとき型母材は
室温とした。同様に作成した本発明の膜を、まず、酸素
プラズマによりアッシングしたところa−(Si:O)
構造のネットワークだけが残り、逆に10%HF溶液で
エッチングするとa−(C:H)構造のネットワークの
みが残った。ESCAによる深さ方向分析の結果、本発
明の膜中においては、C−Si結合は観測されなかっ
た。また、成形条件(雰囲気、温度)に試料を500時
間放置した前後におけるフーリエ変換赤外分光法(FT
IR)で分析した結果、FTIRスペクトルに変化が見
られず、膜構造の変化が生じていないことを確認した。
【0014】次に、本発明による光学素子成形用型によ
ってガラスレンズのプレス成形を行った例を示す。図4
中、51は真空槽本体、52はその蓋、53は光学素子
を成形するための上型、54はその下型、55は上型を
押さえるための上型おさえ、56は胴型、57は型ホル
ダー、58はヒーター、59は下型を突き上げる突き上
げ棒、60は該突き上げ棒を作動するエアシリンダ、6
1は油回転ポンプ、62、63、64はバルブ、65は
不活性ガス流入パイプ、66はバルブ、67はリークバ
ルブ、68はバルブ、69は温度センサ、70は水冷パ
イプ、71は真空槽を支持する台を示す。
【0015】レンズを製作する工程を次に述べる。フリ
ント系光学ガラス(SF14)を所定の量に調整し、球
状にしたガラス素材を型のキャビティー内に置き、これ
を成形装置内に設置する。ガラス素材を投入した型を装
置内に設置してから真空槽51の蓋52を閉じ、水冷パ
イプ70に水を流し、ヒーター58に電流を流す。この
とき窒素ガス用バルブ66及び68は閉じ、排気系バル
ブ62,63,64も閉じている。尚、油回転ポンプ6
1は常に回転している。バルブ62を開け排気を開始し
てから10-2Torr以下になったらバルブ62を閉
じ、バルブ66を開いて窒素ガスをボンベより真空槽内
に導入する。所定の温度になったらエアシリンダ60を
作動させて200kg/cm2 の圧力で1分間加圧す
る。圧力を解除した後、冷却速度を−5℃/minで転
移点以下になるまで冷却し、その後は−20℃/min
以上の速度で冷却を行い、200℃以下に下がったらバ
ルブ66を閉じ、リークバルブ63を開いて真空槽51
内に空気を導入する。それから蓋52を開け上型おさえ
を外して成形物を取り出す。上記のようにして、プリン
ト系光学ガラスSF14(軟化点Sp=586℃、転移
点Tg=485℃)を使用して図2に示すレンズ4を成
形した。このときの成形条件すなわち時間−温度関係図
を図5に示す。前記型を用いて500回成形を行った。
成形後の型は、傷や割れといった欠陥やガラス中に含ま
れるPbOの還元析出物であるPbやガラスの融着が光
学顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)によって観察され
なかった。また、成形品についても表面粗さ、面精度、
透過率、形状精度とも良好でPbの析出や成形時のガス
残りと言った問題もなかった。
【0016】次に、この型を用いて図6に示す成形装置
により成形を行った。図6において、102は成形装
置、104は取入れ用置換室であり、106は成形室で
あり、108は蒸着室であり、110は取出し用置換室
である。112,114,116はゲートバルブであ
り、118はレールであり、120は該レール上を矢印
A方向に搬送せしめられるパレットである。124,1
38,140,150はシリンダであり、126,15
2はバルブである。128は成形室106内においてレ
ール118に沿って配列されているヒータである。成形
室106内はパレット搬送方向に沿って順に加熱ゾーン
106−1、プレスゾーン106−2及び徐冷ゾーン1
06−3とされている。プレスゾーン106−2におい
て、上記シリンダ138のロッド134の下端には成形
用上型部材130が固定されており、上記シリンダ14
0のロッド136の上端には成形用下型部材132が固
定されている。これら上型部材130及び下型部材13
2は本発明による型部材である。蒸着室108内におい
ては、蒸着物質146を収容した容器142及び該容器
を加熱するためのヒータ144が配置されている。クラ
ウン系ガラスSK12(軟化点Sp=672℃、ガラス
転移点Tg=550℃)を所定の形状及び寸法に粗加工
して成形のためのブランクを得た。ガラスブランクをパ
レット120に設置し、取入れ置換室104内の120
−1の位置へ入れ、該位置のパレットをシリンダ124
のロッド122によりA方向に押してゲートバルブ11
2を越えて成形室106内の120−2の位置へと搬送
し、以下同様に所定のタイミングで順次新たに取入れ置
換室104内にパレットを成形室106内で120−2
→…→120−8の位置へと順次搬送した。この間に、
加熱ゾーン106−1ではガラスブランクをヒータ12
8により徐々に加熱し120−4の位置で軟化点以上と
した上で、プレスゾーン106−2へと搬送し、ここで
シリンダ138,140を作動させて上型部材130及
び下型部材132により200kg/cm2 の圧力でプ
レス温度620℃で一分間プレスし、その後加圧力を解
除しガラス転移点以下まで冷却し、その後シリンダ13
8,140を作動させて上型部材130及び下型部材1
32をガラス成形品から離型した。該プレスに際しては
上記パレットが成形用胴型部材として利用された。しか
る後に、徐冷ゾーン106−3ではガラス成形品を徐々
に冷却した。なお、成形室106内には不活性ガスを充
満させた。成形室106内において120−8の位置に
到達したパレットを、次の搬送ではゲートバルブ114
を越えて蒸着室108内の120−9の位置へと搬送し
た。通常、ここで真空蒸着を行うのであるが本実施例で
は該蒸着を行わなかった。そして、次の搬送ではゲート
バルブ116を越えて取出し置換室110内の120−
10の位置へと搬送した。そして、次の搬送時にはシリ
ンダ150を作動させてロッド148によりガラス成形
品を成形装置102外へと取り出した。
【0017】以上のようなプレス工程により3000回
成形した後の型部材の成形面及び成形された光学素子の
表面粗さ、並びに型部材と成形された光学素子との離型
性は良好であった。特に、型部材の成形面について光学
顕微鏡、走査電子顕微鏡(SEM)で観察しても傷やク
ラック等の欠陥やPbの析出、ガラスの融着は見られな
かった。
【0018】<実施例2>型母材としてWC(84%)
−TiC(8%)−TaC(8%)からなる焼結体を所
定の形状に加工した後、成形面をRmax=0.02μ
mに鏡面研磨した。この型を図7に示す成膜装置に設置
した。実施例1と同様に型表面をArイオンで清浄化し
た後、イオン源には実施例1と同様の条件でガス供給系
よりCH4、H2 を導入した。更に、真空槽22にO
2 :50sccmとAr:20sccmを導入し、チャ
ンバー内圧力を3×10-4Torrとした。図7の対向
ターゲット方式のスパッタ装置において、純度99.9
9%のSiスパッタ・ターゲット19に600Vの電圧
を印加して、Siを型にスパッタした。イオン源7によ
り水素で安定化した炭素のネットワークa−(C:H)
構造を形成すると共に、対向ターゲット方式のスパッタ
装置により酸素で安定化したケイ素のネットワークa−
(Si:O)構造の膜を1μm形成した。このとき型母
材は室温とした。この型を用いて実施例1と同様の成形
テストを行った結果、実施例1と同様の結果が得られ
た。
【0019】<実施例3>実施例2と同様の型母材を用
い、図8に示す成膜装置で本発明の膜を型表面に形成し
た。図中23は真空槽、24は型、25は電子銃、26
はRFコイル、27はDCバイアス電源、28はイオン
プレーティング用高周波電源、29は排気口を示す。ま
ず、ガス導入口よりAr:30sccmをイオン化室に
導入しガス圧2×10-4Torrとしてイオン化した
後、イオンビーム引出し電極に450Vの電圧を印加し
てイオンビームを引出し型母材に5分間照射し成形表面
の清浄化を行った。次に、CH4 :15sccm、A
r:30sccmをイオン化室に導入し、ガス圧3×1
-4Torrで水素で安定化した炭素のネットワークa
−(C:H)構造を形成すると同時に、電子銃25で9
9.99%のSiと99.99%のTiを二元蒸着し
た。この時、Si側の成膜レートを100nm/mi
n、Ti側の成膜レートを10nm/minとした。ま
た、Si、Tiの成膜に際しては、O2 :100scc
mを真空槽内に導入し、高周波電源により1KWのパワ
ーを導入すると共に、基板(型)に−500Vのバイア
ス電圧を印加し、いわゆるイオンプレーティングを行い
ながら同時にイオン源を動作した。この結果、電子銃に
よる酸素で安定化したケイ素のネットワークa−(S
i:O)構造とイオン源によりa−(C:H)構造の膜
中にTiを含んだ膜を800nm形成した。同一条件で
作成した試料についてTiの含有率を調べたところ15
atm%であった。
【0020】次に、これらの型を用いて実施例1と同様
の成形テストを行った結果、実施例1と同様の結果が得
られた。
【0021】<実施例4>実施例3と同様の型母材、成
膜装置を用い、実施例3と同様の条件で成膜を行った。
ただし、イオンプレーティングの条件として、反応性ガ
スとしてO2 :70sccmとN2 :50sccmを導
入した。この結果、電子銃による酸素で安定化したケイ
素のネットワークa−(Si:O)構造とイオン源によ
るa−(C:H)構造の膜中にTiNを含んだ膜を1.
5μm形成した。同一条件で作成した試料についてTi
Nの含有率を調べたところ10atm%であった。
【0022】次に、これらの型を用いて実施例1と同様
の成形テストを行った結果、実施例1と同様の結果が得
られた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
成形用型によれば型母材の少なくとも成形面に水素で安
定化した炭素のネットワークa−(C:H)構造と酸素
で安定化したケイ素のネットワークa−(Si:O)構
造が互いに独立して存在する離型膜を設けることによ
り、成形温度においても膜構造が安定で、ガラスの成形
において膜の剥離やクラックが発生しない表面欠陥の少
ない鏡面を有する型を提供することができる。この型を
用いガラス光学素子を成形するとガラスと型の離型性が
極めて良好であり、表面粗さ、面精度、透過率、形状精
度の良好な成形品が得られる。更に、この型を用いてプ
レス成形を長時間操返しても膜剥離やクラック、傷の発
生という欠陥を生じない極めて耐久性の高い光学素子成
形用型が得られる。
【0024】本発明により得られた光学素子成形用型を
用いることにより生産性の向上とコストダウンを実現す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形前の状態を示す。
【図2】本発明に係わる光学素子成形用型の一例を示す
断面図で、プレス成形後の状態を示す。
【図3】本発明の実施例で用いる成膜装置を示す概略図
である。
【図4】本発明に係わる光学素子成形用型を使用するレ
ンズの成形装置を示す断面図で、非連続成形タイプであ
る。
【図5】レンズ成形の際の時間−温度関係図である。
【図6】本発明に係わる光学素子成形用型を使用するレ
ンズの成形装置を示す断面図で、連続成形タイプであ
る。
【図7】本発明の実施例で用いる成膜装置を示す概略図
である。
【図8】本発明の実施例で用いる成膜装置を示す概略図
である。
【符号の説明】
1 型母材 2 離型膜 3 ガラス素材 4 成形されたレンズ 5 真空槽 6 型 7 イオン源 8 イオン化室 9 引き出し 10 ガス導入系 11 マイクロ波電源 12 導波管 13 ガス導入系 14 マイクロ波導入窓 15 外部磁場 16 ECRプラズマ発生室 17 スパッタ・ターゲット 18 排気系 19 スパッタ・ターゲット 20 型 21 高周波電源 22 真空槽 23 真空槽 24 型 25 電子銃 26 RFコイル 27 バイアス電源 28 高周波電源 29 排気口 51 真空槽 52 真空槽の蓋 53 上型 54 下型 55 上型おさえ 56 胴型 57 型ホルダー 58 ヒーター 59 下型を突き上げる突き上げ棒 60 エアシリンダ 61 油回転ポンプ 62,63,64 バルブ 65 不活性ガス導入バルブ 66 バルブ 67 リークパイプ 68 バルブ 69 温度センサ 70 水冷パイプ 71 真空槽を支持する台 102 成形装置 104 取入れ用置換室 106 成形室 108 蒸着室 110 取出し用置換室 112 ゲートバルブ 114 ゲートバルブ 116 ゲートバルブ 118 レール 120 パレット 122 ロッド 124 シリンダ 126 バルブ 128 ヒータ 130 上型 132 下型 134 ロッド 136 ロッド 138 シリンダ 140 シリンダ 142 容器 144 ヒーター 146 蒸着物質 148 ロッド 150 シリンダ 152 バルブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスよりなる光学素子のプレス成形に
    用いる光学素子成形用型において、該型母材の成形面に
    水素で安定化した炭素のネットワーク構造と酸素で安定
    化したケイ素のネットワーク構造からなる膜を形成した
    ことを特徴とする光学素子成形用型。
  2. 【請求項2】 前記膜がアモルファスである請求項1記
    載の光学素子成形用型。
  3. 【請求項3】 前記膜中に金属元素及びセラミックスの
    一方または両方が存在する請求項1記載の光学素子成形
    用型。
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