JP2830937B2 - ポリエチレンテレフタレート中空成形用プリフォームの製造方法およびポリエチレンテレフタレート中空成形体の製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレート中空成形用プリフォームの製造方法およびポリエチレンテレフタレート中空成形体の製造方法

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JP2830937B2 JP63303577A JP30357788A JP2830937B2 JP 2830937 B2 JP2830937 B2 JP 2830937B2 JP 63303577 A JP63303577 A JP 63303577A JP 30357788 A JP30357788 A JP 30357788A JP 2830937 B2 JP2830937 B2 JP 2830937B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、透明性および耐熱性に優れたポリエチレン
レフタレートからなる。中空成形体用プリフォームおよ
び中空成形容器の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来、調味料、油、ジュース、炭酸飲料、ビール、日
本酒、化粧品、洗剤などの容器用の素材としてはガラス
が広く使用されていた。しかし、ガラス容器は製造コス
トが高いので通常使用後の空容器を回収し、循環再使用
する方法が採用されている。また、ガラス容器は重いの
で運送経費がかさむことの他に、破損し易く、取り扱い
に不便であるなどの欠点があった。
ガラス容器のこれらの欠点を解消しようとして、ガラ
ス容器から種々のプラスチック容器への転換が最近急速
に進んでいる。その素材としては、充填内容物の種類お
よびその使用目的に応じて種々のプラスチックが採用さ
れており、これらのプラスチック素材のうちでポリエチ
レンテレフタレートは機械的強度、耐熱性、透明性およ
びガスバリヤー性に優れているので、ジュース、清涼飲
料、炭酸飲料、調味料、洗剤、化粧品などの容器の素材
として採用されている。また、これらの用途のうちで、
ジュース、清涼飲料、炭酸飲料の充填用中空成形容器に
は、殺菌および高速充填を行なうことが求められてお
り、このため高温充填に耐え得る耐熱性樹脂で該中空成
形容器を形成することが要求されており、またこれらの
充填用中空成形容器にはいずれも透明性が要求されてい
る。
ポリエチレンテレフタレートはこれらの物性に優れた
プラスチックであるが、前述の透明性および高温充填性
に耐え得る耐熱性を同時に備えたポリエチレンテレフタ
レートは従来知られていなかった。
特にポリエチレンテレフタレートを射出成形機械たど
の成形機に供給して中空成形体用プリフォームを成形
し、このプリフォームをブロー成形して中空成形容器を
成形しようとすると、得られた中空成形容器が白化して
中空成形容器の透明性が低下するという重大な問題点が
あった。このため透明性が低下した中空成形容器は廃棄
せざるを得ず、歩留まりが大きく低下していた。
またポリエチレンテレフタレートから耐熱性の中空成
形容器を成形する方法としては、ポリアリレートなどの
耐熱性樹脂を積層する方法(プラスチックス、Vol.36
(No.9)、121(1985)など)、成形後にヒートセット
を施す方法(特公昭59−3301号公報、特開昭55−12031
号公報、特開昭56−75833号公報、特開昭56−13142号公
報など)、成形後の容器を溶媒処理することにより結晶
化度を向上させる方法(特公昭59−15807号公報など)
が提案されている。このような方法は、いずれも本来耐
熱性が不充分のポリチレンテレフタレートに成形手段ま
たは成形後の処理により耐熱性を付与しようとするもの
であるが、いずれの方法で得られた中空成形容器もジュ
ースなどの高温充填時の耐熱性ならびに透明性を充足す
るものではなく、高温充填時の温度、圧力および液重量
などに耐え得る耐熱性および透明性に優れたポリエチレ
ンテレフタレート、そしてこのようなポリエチレンテレ
フタレートからなる中空成形体用プリフォームおよび中
空成形容器の出現が強く要望されている。
本発明者らは、透明性および耐熱性、特に透明性に優
れたポリエチレンテレフタレートからなる中空成形体を
得るべく鋭意研究したところ、ポリエチレンテレフタレ
ートからなる中空成形体が白化してその透明性が低下す
るのは、ポリエチレンテレフタレーノから射出成形など
によって中空成形体用プリフォームを製造する過程にお
いて、ポリエチレンテレフタレートは加熱溶融剪断処理
され、ポリエチレンテレフタレートの結晶化温度(Tc
c2)が低下してしまうためであり、この結晶化温度(Tc
c2)の低下したポリエチレンテレフタレートからなる中
空成形体用プリフォームから得られる中空成形体が白化
してしまうことを見出した。本発明者らは、この知見に
基づきさらに鋭意研究したところ、中空成形体用プリフ
ォームを構成する加熱溶融剪断処理されたポリエチレン
テレフタレートの結晶化温度(Tcc2)が155℃以上であ
り、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2 ≦67.5[η]+133.5 の範囲にあれば、全く白化せず、透明性に優れたポリエ
チレンテレフタレート製中空成形体が得られることを見
出して、本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、透明製および耐熱性、特に透明性に優れ、
ジュースなどの高温充填時の耐熱性にも優れているよう
なポリエチレンテレフタレートから成形された中空成形
体用プリフォームならびに中空成形容器の製造方法を提
供することを目的としている。
発明の概要 本発明によれば、 (A)一般式[I] で表わされるエチレンテレフタレート成分単位(a)
が、95.0〜98.6モル%の範囲および一般式[II] で表わされるジオキシエチレンテレフタレート成分単位
(b)が、1.4〜5.0モル%の範囲から形成され、かつ両
成分単位がランダムに配列しており、 (B)o−クロロフェノール中で25℃で測定した極限粘
度[η]が、0.60〜0.90dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査型熱量計(DSC)で10℃/分の昇温速度
で測定した結晶化温度(Tcc1)が165.0℃以上であり、
かつ 67.5[η]+119.0≦Tcc1 ≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲にあるポリエチレンテレフタレート
を、得られたプリフォームを形成するポリエチレンテレ
フタレートの上記のようにして測定したTcc2が155℃以
上であり、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲となるように射出成形時に加熱溶融剪
断処理する ことを特徴とするポリエチレンテレフタレート中空成形
体用プリフォームの製造方法が提供され、また該中空成
形体用プリフォームをブロー成形して中空成形体を製造
ポリエチレンテレフタレート中空成形体の製造方法が提
供される。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る中空成形体用プリフォームの製造
方法および中空成形体の製造方法について具体的に説明
する。
本発明に係る加熱溶融剪断処理されたポリエチレンテ
レフタレートを製造するために用いられるポリエチレン
テレフタレート(以下、原料ポリエチレンテレフタレー
トという)は、 一般式[I] で表わされるエチレンテレフタレート成分単位(a)の
含有率が、95.0〜98.6モル%、好ましくは、97.0〜98.5
モル%、特に好ましくは97.3〜98.3モル%の範囲にあ
り、 一般式[II] で表わされるジオキシエチレンテレフタレート成分単位
(b)の含有率が、1.4〜5.0モル%好ましくは1.5〜3.0
モル%とくに好ましくは1.7〜2.7モル%の範囲にある。
本発明に用いられる原料ポリエチレンテレフタレート
は、前記一般式[I]で表わされるエチレンテレフタレ
ート成分単位(a)および前記一般式[II]で表わされ
るジオキシエチレンテレフタレート成分単位(b)がラ
ンダムに配列してエステル結合を形成することにより実
質上線状のポリエステルを形成している。そして、該ポ
リエチレンテレフタレートが実質上の線状であること
は、該ポリエチレンテレフタレートがo−クロロフェノ
ールに溶解することによって確認される。
本発明で用いられる原料ポリエチレンテレフタレート
のo−クロロフェノール中で25℃で測定した極限粘度
[η]は、0.60〜0.90dl/g、好ましくは0.70〜0.87dl
/g、特に好ましくは0.72〜0.85dl/gの範囲にある。極限
粘度[η]が0.60dl/gより小さい場合には、耐熱性、
透明性および機械的強度に優れた中空成形容器は得られ
なくなり、また0.90dl/gより大きくなると、プリフォー
ム成形性および延伸ブロー成形性が劣るようになる。な
お、本発明で用いられる原料ポリエチレンテレフタレー
トの極限粘度[η]は次の方法によって測定される。
すなわち、試料ポリエチレンテレフタレートをo−クロ
ロフェノールに、1g/100mlの濃度で溶かし、室温でウベ
ローデ型毛細管粘度計を用いて溶液粘度の測定を行い、
その後o−クロロフェノールを徐々に添加して、低濃度
側の溶液粘度を測定し、0%濃度に外挿して溶液粘度
([η])を求める。
また、本発明で用いられる原料ポリエチレンテレフタ
レートの示差走査型熱量計(DSC)で10℃/分の速度で
昇温した際の昇温結晶化温度(Tcc1)は、165.0℃以上
であり、好ましくは167.0〜185℃、特に好ましくは168.
0〜180.0℃の範囲にある。また、本発明のポリエチレン
テレフタレートの昇温結晶化温度(Tcc1)は、極限粘度
[η]との関係において、下記式 67.5[η]+119.0≦Tcc1 ≦67.5[η]+133.5 の範囲にあり、さらに好ましくは、 67.5[η]+122.5≦Tcc1 ≦67.5[η]+128.5 の範囲にある。
原料ポリエチレンテレフタレートの昇温結晶化温度
(Tcc1)が165.0℃より低くなると、得られる中空成形
容器の透明性が低下し、耐熱性も低下し、ジュースある
いはコーラなどの清涼飲料などの高温充填する時に熱変
形が起こるようになる。なお、本発明で用いられる原料
ポリエチレンテレフタレートの昇温結晶化温度(Tcc1
は次の方法によって測定される。すなわち、パーキンエ
ルマー社製DSC−2型示差走査型熱量計を用いて約140℃
で約5mmHgの圧力下約5時間以上乾燥したポリエチレン
テレフタレートチップの中央部からの試料約10mmgの薄
片を液体用アルミニウムパン中に窒素雰囲気下にて封入
して測定する。測定条件は、まず室温より急速昇温して
290℃で10分間溶融保持したのち室温まで急速冷却し、
その後10℃/分の昇温速度で昇温する際に検出される発
熱ピークの頂点温度を求める。
さらに、本発明に係る後述するような加熱溶融剪断処
理されたポリエチレンテレフタレートから280℃で射出
成形した5mm厚さのプレートのヘイズ(Haze、曇り度)
は、通常、10%以下、好ましくは7%以下、特に好まし
くは3%以下の範囲である。また、本発明に係る加熱溶
融剪断処理されたポリエチレンテレフタレートのヘイズ
は極限粘度[η]との関係において、下記式 −220[η]+169≦[Haze] ≦−220[η]+182 の範囲にあり、さらに好ましくは、 −220[η]+170≦[Haze] ≦−220[η]+174 の範囲にある。なお、加熱溶融剪断処理されたポリエチ
レンテレフタレートのヘイズの測定は次の方法に従っ
た。すなわち、各機製作所(株)製M−70A−SJ型射出
成形機を用いて、約140℃で約5mmHgの圧力下約16時間以
上乾燥したポリエチレンテレフタレートを1回の成形で
各々2、3、4、5、6、7mmの厚みのプレートが同時
に成形できるフマキラー(株)製段付角板金型に、原料
ポリエチレンテレフタレートを加熱溶融状態でシリンダ
ー温度260〜275℃、金型温度約40℃の条件で射出成形
し、得られた段付角板の厚みが5mmのプレートの曇り度
を村上色彩(株)製HM−100型ヘイズメーターを用いて
測定する。
本発明に係る加熱溶融剪断処理されたポリエチレンレ
フタレートとは、上記のような原料ポリエチレンテレフ
タレートを射出成形、押出成形などの成形方法によって
成形するため加熱溶融し、その際加熱溶融状態で剪断を
受けたポリエチレンテレフタレートを意味する。
このような加熱溶融剪断処理されたポリエチレンテレ
フタレートは加熱溶融剪断処理後に、上記のようにして
測定したTcc2が155℃以上好ましくは160℃以上さらに好
ましくは160〜170℃であり、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2 ≦67.5[η]+133.5 で表される範囲にあり、好ましくは、 67.5[η]+110.0≦Tcc2 ≦67.5[η]+133.5 で表される範囲にあることが望ましい。
加熱溶融剪断処理後のポリエチレンテレフタレートの
結晶化温度(Tcc2)が155℃未満であると、このポリエ
チレンテレフタレートから得られる中空容器などの中空
成形体が白化して、透明製が低下することがあるため好
ましくない。換言すると、加熱溶融剪断処理後のポリエ
チレンテレフタレートの結晶化温度(Tcc2)が155℃以
上であると、このポリエチレンテレフタレートをブロー
成形するなどして得られる中空容器が白化することがな
く、透明性に優れた中空容器が得られる。
次にまず本発明で用いられる原料ポリエチレンテレフ
タレートの製造方法について説明する。
本発明で用いられる原料ポリエチレンテレフタレート
は直接重合法によって製造することができる。具体的に
は、テレフタル酸とエチレングリコールとの混合物を少
なくとも2段階のエステル化反応工程で連続的に反応さ
せることにより低次縮合物とし、さらにこれを少なくと
も2段の液相重縮合工程で連続的に減圧下に重縮合させ
ることによりポリエステルを得、該ポリエステルを溶融
押出法によりポリエステルチップを形成させ、該ポリエ
ステルチップを少なくとも1段の固相重合工程で不活性
ガス雰囲気中で重縮合させ、極限粘度[η]を増大さ
せる方法が採用される。
次に各工程およびその条件について説明する。
本発明のポリエチレンテレフタレートは各工程の条件
を適宜に選択し、(A)ポリエチレンテレフタレートの
組成および(B)極限粘度が本発明で規定する範囲とな
るように重縮合反応を制御することにより得られる。
具体的にはまず、テレフタル酸と、テレフタル酸1モ
ルに対して1.02〜1.4モル好ましくは1.03〜1.3モルのエ
チレングリコールとからなる混合物からテレフタル酸の
エチレングリコールスラリーを形成させる。該スラリー
は、エステル化反応工程に連続的に供給される。エステ
ル化反応は、少なくとも2個のエステル化反応器を直列
に連結した装置を用いてエチレングリコールが還流する
条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除
去しながら実施される。エステル化反応を行う際の反応
条件は、第1段目のエステル化反応の温度が通常240〜2
70℃好ましくは245〜265℃であり、圧力が通常0.2〜3kg
/cm2G好ましくは0.5〜2kg/cm2Gであり、また最終段目の
エステル化反応の温度が通常250〜280℃好ましくは255
〜275℃であり、圧力が通常0〜1.5kg/cm2G好ましくは
0〜1.3kg/cm2Gである。したがって、エステル化反応を
2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目の
エステル化反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段
階以上で実施する場合には、第2段目から最終段の1段
前までのエステル化反応の反応条件は、上記第1段目の
反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。たと
えば、エステル化反応が3段階で実施される場合には、
第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245〜275℃
好ましくは250〜270℃であり、圧力は通常0〜2kg/cm2G
好ましくは0.2〜1.5kg/cm2Gである。これらのエステル
化反応の反応率は、それぞれの段階においては、とくに
制限はないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇
と度合が滑らかに分配されることが好ましく、さらに最
終段目のエステル化反応生成物においては通常は90%以
上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。これ
らのエステル化工程により低次縮合物が得られ、外呈示
縮合物の数平均分子量は、通常、500〜5000である。
このようにして得られた低次縮合物は、次の液相重縮
合工程の重縮合反応器に連続的に供給される。重縮合反
応の反応条件は、第1段目の重縮合の反応温度が、通
常、260〜290℃好ましくは265〜290℃さらに好ましくは
270〜285℃であり、圧力が通常500〜20Torr好ましくは2
00〜30Torrであり、また最終段の重縮合反応の温度が通
常270〜300℃好ましくは275〜295℃であり、圧力が通
常、10〜0.1Torr好ましくは5〜0.5Torrである。
重縮合反応を2段階で実施する場合には、第1段目お
よび第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上記の範囲で
あり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最
終段の1段前までの重縮合反の反応条件は上記1段目の
反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。たと
えば、重縮合反応が3段階で実施される場合には、第2
段目の重縮合反応の反応温度は通常265〜295℃好ましく
は270〜290℃さらに好ましくは270〜285℃であり、圧力
は通常、50〜2Torr好ましくは40〜5Torrの範囲である。
これらの重縮合反応工程の各々において到達される極限
粘度[η]はとくに制限はないが、各段階における極
限粘度の上昇の度合が滑らかに分配されることが好まし
く、さらに最終段目の重縮合反応器から得られるポリエ
チレンテレフタレートの極限粘度[η]は通常0.55〜
0.70dl/g好ましくは0.57〜0.68dl/gの範囲である。この
ようにして、最終重縮合反応器から得られたポリエチレ
ンセレフタレートは溶融押出成形法によってチップに成
形される。
さらに、このポリエチレンテレフタレートのチップは
固相重縮合工程に供給される。固相重縮合工程は少なく
とも1段からなり、重縮合温度が通常190〜230℃好まし
くは195〜225℃であり、圧力が通常、1kg/cm2G〜10Torr
好ましくは常圧ないし100Torrの条件下で、窒素ガス、
アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気下で固
相重縮合反応が実施される。これらの不活性ガスの中で
は窒素ガスが好ましい。
前述のエステル化反応はテレフタル酸およびエチレン
グリコール以外の添加物を添加せずに実施することも可
能であり、また後述する重縮合の触媒の共存下に実施す
ることも可能であるが、さらにトリエチルアミン、トリ
n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3
級アミン、水酸化テトラエチルアンモイウム、水酸化テ
トラn−ブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジ
ルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウムおよび
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナ
トリウムなどの塩基性化合物を少量添加して実施する
と、ポリエチレンテレフタレートの主鎖中のジアキシエ
チレンテレフタレート成分単位の割合を比較的低水準に
保持てきるので好ましい。
これらの塩基成分単位化合物の添加方法にはとくに制
限はなく、エステル下反応器のすべてに添加してもよい
し、第1段目あるいは第2段目以降の特定の反応器に添
加してもよい。また、重縮合反応は触媒および安定剤の
存在下に実施されることが好ましい。触媒として二酸化
ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマ
ニウムテトラn−ブトキシドなどのゲルマニウム化合物
を用いることができる。これらの触媒の中では、二酸化
ゲルマニウム化合物を用いると生成するポリエチレンテ
レフタレートの色相および透明性が優れるので好まし
い。また、安定剤としては、トリメリルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリn−ブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェートなどの燐酸エステル
類、トリフェニルスファイト、トリスドデシルホスファ
イト、トリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン
酸エステル類、メチルアッシドホスフェート、イソプロ
ピルアッシドホスフェート、ブチルアッシドホスフェー
ト、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、
ジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステルおよ
びリン酸、ポリリン酸などのリン化合物が用いられる。
これらの触媒あるいは安定剤の使用割合は、テレフタル
酸とエチレングリコールとの混合物の重量に対して、触
媒の場合には触媒中の金属の重量として、通常、0.0005
〜0.2重量%好ましくは0.001〜0.05重量%の範囲であ
り、また安定剤の場合には、安定剤中のリン原子の重量
として通常、0.001〜0.1重量%好ましくは0.002〜0.02
重量%の範囲である。これらの触媒および安定剤の供給
方法は、エステル化反応工程の段階において供給するこ
ともできるし、重縮合反応工程の第1段目の反応器に供
給することもできる。
本発明では、上記のようにして得られた原料ポリエチ
レンテレフタレートを、射出成形機、押出成形機、圧縮
成形機、中空成形機などの成形機に供給し加熱溶融する
か、あるいはこれらの成形機に加熱溶融状態で供給する
と、中空押出成形用プリフォームなどの所定形状に成形
された本発明に係るポリエチレンテレフタレートを得る
ことができる。原料ポリエチレンテレフタレート上記の
ような成形機などに供給して所定形状に成形する際に
は、加熱された溶融状態にあるポリエチレンテレフタレ
ートに成形工程で機械的剪断が必ず加わるが、本発明で
はポリエチレンテレフタレートに加わる機械的剪断をな
るべく小さくすることが必要である。加熱溶融状態にあ
るポリエチレンテレフタレートに加わる機械的剪断をな
るべき小さくすることによって、加熱溶融剪断処理され
たポリエチレンテレフタレートの結晶化温度(Tcc2)が
155℃以上であり、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2 ≦67.5[η]+133.5 の範囲にあるような加熱溶融処理されたポリエチレンセ
レフタレートを得ることがきるようになる。
加熱溶融状態にある原料ポリエチレンテレフタレート
に加わる機械点剪断をきるだけ小さくするには、具体的
には、下記のようにすればよい。
たとえば射出成形機などの成形機に原料ポリエチレン
テレフタレートを供給するに際して、原料ポリエチレン
テレフタレートを予め加熱して溶融状態で成形機に供給
するか、あるいは原料ポリエチレンテレフタレートを成
形機に供給した後、成形機の圧縮部に達する前に成形機
の加熱設定温度を高くするなどして原料ポリエチレンテ
レフタレートを充分に加熱して成形機の圧縮部に到達す
る前に原料ポリエチレンテレフタレートをほぼ完全に溶
融させ、この状態で成形機の圧縮部に到達させて所望形
状にすればよい。このようにすると、原料ポリエチレン
テレフタレートは、成形機の圧縮部に到達する時点まで
に充分に溶融されているため粘度が小さく、圧縮部での
機構的剪断を小さくすることができる。
一方従来の中空成形用プリフォームなどの製造方法で
は、原料ポリエチレンテレフタレートは成形機の圧縮部
に到達する前に充分には加熱されていないため粘度が高
く、圧縮部で大きな機械的剪断を受けてしまい、加熱溶
融剪断処理されたポリエチレンテレフタレートの結晶化
温度(Tcc2)は155℃未満となってしまう。
本発明に係る中空成形体用プリフォームは、原料ポリ
エチレンテレフタレートを上記のような方法でプリフォ
ームに成形加工して得られる。本発明の中空成形体用プ
リフォームは、加熱溶融剪断処理されたポリエチレンテ
レフタレートから形成された単層中空成形体用のプリフ
ォームであってもよいし、該ポリエチレンテレフタレー
トからなる層およびガスバリヤー性樹脂などポリエチレ
ンテレフタレート以外の樹脂からなる層から形成された
多層中空成形体用の多層プリフォームであってもよい。
本発明の中空成形体用のプリフォームを構成する加熱
溶融剪断処理されたポリエチレンテレフタレートには、
必要に応じて、従来から公知の核剤、無機充填材、滑
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、安定剤、帯電
防止剤、防曇剤、含量などの各種の添加剤が適宜配合さ
れていてもよい。また、本発明の中空成形体用プリフォ
ームが加熱溶融剪断処理されたポリエチレンテレフタレ
ートから形成された単層中空成形体用の単小フリフォー
ムである場合には、該ポリエチレンテレフタレートに
は、さらに必要に応じて、従来から公知のガスバリヤー
性を有する樹脂などポリエチレンテレフタレート以外の
樹脂を配合することもでき、その配合割合は適宜の範囲
である。
本発明の中空成形体用のプリフォームは上記のような
方法で成形することができ、たとえば単層プリフォーム
は射出成形法によって成形することができるし、前記多
層プリフォームは多層の射出成形法によって成形するこ
ともできるし、また同様の積層構造を有する管状物を成
形加工する方法によっても製造することができる。とく
に、射出成形法によってプリフォームを成形する場合、
本発明の原料ポリエチレンテレフタレートを使用する
と、射出成形時に金型のエアーベント部の汚れおよび詰
りが非常に少なくなり、金型の掃除頻度を少なくするこ
とができるために、プリフォーム成形の生産性を大きく
向上させることができる。
本発明の中空成形容器は、前記中空成形体用プリフォ
ームを延伸ブロー成形することにより製造される。本発
明の中空成形容器は、前記プリフォームと同様に加熱溶
融剪断処理されたポリエチレンテレフタレートから形成
された単層中空成形容器であってもよいし、加熱溶融剪
断処理されたポリエチレンテレフタレートからなる層お
よびガスバリヤー性を有する樹脂などポリエチレンテレ
フタレート以外の樹脂からなる層から形成された多層中
空成形容器であってもよい。
本発明の中空成形容器が多層中空成形容器である場合
には、その器壁の厚みは加熱溶融剪断処理されたポリエ
チレンテレフタレートを主なる肉厚とし、該ガスバリヤ
ー性を有する樹脂などのポリエチレンテレフタレート以
外の樹脂を薄層とする積層体を形成しており、ポリエチ
ルテレフタレート以外の樹脂層は最外層であってもよい
し、最内層であってもよいし、また中間層であってもよ
い。
本発明の中空成形容器を構成する加熱溶融剪断処理さ
れたポリエチレンテレフタレートには、必要に応じて、
従来から公知の核剤、無機充填剤、滑剤、スリップ剤、
アンチブロッキング剤、安定剤、帯電防止剤、防曇剤、
含量などの各種の添加剤が適宜量配合されていてもよ
い。また、本発明の中空成形容器が加熱溶融剪断処理さ
れたポリエチレンテレフタレートの単層容器である場合
には、該ポリエチレンテレフタレートにはさらに必要に
応じて、従来から公知のガスバリヤー性を有する樹脂な
どのポリエチレンテレフタレート以外の樹脂を配合する
こともでき、その配合割合は適宜の範囲である。
本発明の中空成形容器は、通常、延伸されており、一
軸延伸中空成形容器である場合もあるし、二軸延伸中空
成形容器である場合もある。該中空成形容器が一軸延伸
中空成形容器である場合には、延伸倍率は、通常、1.1
〜10倍好ましくは1.2〜8倍とくに好ましくは1.5〜7倍
の範囲であり、二軸延伸中空成形容器である場合には、
その延伸倍率は、縦軸方向に通常1.1〜8倍好ましくは
1.2〜7倍とくに好ましくは1.5〜6倍の範囲であり、横
軸方向には通常、1.1〜8倍好ましくは1.2〜7倍とくに
好ましくは1.5〜6倍の範囲である。
該中空成形容器あるいは中空成形容器の製造におい
て、本発明の原料ポリエチレンテレフタレートを使用す
ると、一軸延伸ブロー成形あるいは二軸延伸ブロー成形
にあたって、ブロー金型の汚れが従来に比べて非常に少
なくなり、ブロー金型の掃除の頻度を少なくすることが
できるために、二軸延伸ブロー成形時の生産性を大きく
向上させることができる。
本発明の中空成形容器は、前記中空成形体用プリフォ
ームを延伸ブロー成形することにより製造される。その
方法としては、加熱したプリフォームを縦軸方向に延伸
した後に、さらにブロー成形することにより横軸方向に
延伸する方法などを例示することができる。ブロー成形
の際のプリフォームの加熱温度は、通常、80〜130℃好
ましくは85〜125℃の範囲であり、ブロー成形金型温度
は通常常温ないし200℃好ましくは40〜180℃の範囲であ
る。ヒートセットを施す方法としては従来から公知の方
法が採用され、ヒートセットの温度は通常110〜170℃好
ましくは120〜160℃の範囲である。
[実施例] 次に、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1 図1に示すような、第1、第2、第3、第4および第
5反応器が槽型であり、また第6の反応器が二軸回転式
の横型反応器からなる連続重縮合装置を用いて、以下の
とおり操作して連続重合を行い、ポリエチレンテレフタ
レートを製造した。
予め3750重量部の反応液が滞留されており、撹拌下25
5℃で窒素雰囲気下に1.7kg/cm2Gの条件下に維持された
第1反応器に、毎時高純度テレフタル酸147重量部およ
びエチレングリコール645重量部を混合して調製したス
ラリーを連続的に供給し、第1段目のエステル化反応を
行った。この第1段目のエステル化反応においては、20
重量部の水と3重量部のエチレングリコールとの混合液
が留去された。また、この第1段目のエステル化反応物
は、平均滞留時間が2.0時間になるように制御され、連
続的に撹拌下260℃で0.8kg/cm2Gの条件下に維持された
第2反応器に導かれた。この反応器2においては、毎時
0.35重量部の二酸化ゲルマニウムと32重量部のエチレン
グリコールとの均一溶液が連続的に供給されるととも
に、毎時84重量部の水7重量部のエチレングリコールと
の混合液が連続的に留去されて、第2段目のエステル化
反応が継続された。また、この第2段目のエステル化反
応物は、平均滞留時間が2.0時間になるように制御さ
れ、連続的に撹拌下265℃で常圧の条件下に維持された
第3反応器に導かれた。この第3反応器においては、毎
時1.23重量部のトリメチルホスフェートと22重量部のエ
チレングリコールとが混合された均一溶液が連続的に供
給されるとともに、毎時21重量部の水の38重量部のエチ
レングリコールとの混合液が連続的に留去され、第3段
目のエステル化反応が継続された。
この第3段目のエステル化反応物も平均滞留時間が2.
0時間となるように制御され、連続的に撹拌下275℃で70
mmHgに維持された第4反応器に導かれた。この第4反応
器においては、毎時62重量部のエチレングリコールと6
重量部の水との混合物が連続的に留去されて第1段目の
重縮合反応が行われた。また、この第1段目の重縮合反
応物は、平均滞留時間が1.0時間となるように制御さ
れ、連続的に撹拌下280℃で5mmHgに維持された第5反応
器に導かれた。
この第5反応器においては、毎時26重量部のエチレン
グリコールと3重量部の水との混合液が連続的に留去さ
れて第2段目の重縮合反応が継続された。また、この第
2段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が1.0時間にな
るように制御され、連続的に282℃〜285℃で1.8mmHg〜
2.5mmHgの条件下に維持された横型二軸回転式反応槽で
ある第6反応器に導かれた。
この第6反応器においては、毎時12重量部のエチレン
グリコールと1重量部の水との反応液が連続的に留去さ
れて第3段目の重縮合反応が継続された。また、この第
3段目の重縮合反応物は、平均滞留時間が2.5時間とな
るように制御され、連続的にポリエステル抜き出し装置
によって、反応器外にストランド状で抜き出され、水中
に浸漬されて冷却された後、ストランドカッターによっ
てチップ状に裁断された。以上の液相重合によって得ら
れたポリエチレンテレフタレートのo−クロロフェノー
ル中で25℃で測定した極限粘度[η]は0.62dl/gであ
り、またジオキシエチレンテレフタレート成分の含有量
は2.50モル%であった。
さらに、その液相重合によるポリエチレンテレフタレ
ートは、窒素雰囲気下約140℃で約15時間乾燥するとと
もに結晶化を行った後、塔型の固相重合器に装填し、窒
素雰囲気下205℃で15時間固相重合を行った。このよう
にして得られたポリエチレンテレフタレートのo−クロ
ロフェノール中25℃で測定した極限粘度[η]は0.80
dl/gであり、またそのジオキシエチレンテレフタレート
成分の含量は2.53モル%であり、その昇温結晶温度Tcc1
は174℃であった。
次いで、このチップに熱プレス法で加熱溶融剪断処理
を施した。
すなわち東邦プレス製作所(株)製油圧成形機を用
い、温度270℃でポリエチレンテレフタレートを常圧下
に5分間予熱後、約1tonの圧力をかけて2分間プレス
し、熱さ0.3mmのシートを得た。
その後、このシートを25℃に保ったコールドプレスで
急冷した。
得られたシートの[η]は0.78dl/gであり、Tcc2
165℃であった。
次にこのシートを粉砕した後に射出成形し、得られた
5mm厚さのプレートのヘイズは5.5%であった。
実施例2〜3 実施例1の液相重合によって得られたポリエチレンテ
レフタレートの固相重合において、重合条件を表(1)
に記載のとおりとする以外は、実施例1と同様にして固
相重合を行った。得られたポリエチレンテレフタレート
の極限粘度[η]、ジオキシエチレンテレフタレート
成分の含量および昇温結晶化温度はそれぞれ表(1)に
記載のとおりであった。
さらに、厚みが5mmのプレートの曇り度を測定した結
果は、それぞれ表(1)に記載のとおりであった。
比較例1 図1において、第1、第3、第4および、第6反応器
を使用せず、スラリーポンプの出口の配管を第2反応器
に連結し、また第2反応器の出口配管の第5反応器に連
結した装置を用いて、以下のとおり第2反応器によって
エステル化反応を、さらに第5反応器によって重縮合反
応を行って、ポリエチレンテレフタレートを製造した。
180℃で1.5kg/cm3の窒素雰囲気下に維持された第2反
応器に、2874重量部の高純度テレフタル酸および1235重
量部のエチレングリコールとを混合して調製されたスラ
リーを充填し、さらに0.70重量部の二酸化ゲルマニウム
と30重量部のエチレングリコールとの均一溶液を撹拌下
に仕込んだ。ついで、圧力を1.5kg/cm2に保持したま
ま、約30分間をかけて温度を255℃まで上昇させて、エ
ステル下反応を開始せしめた。エステル化反応は、留出
水中のエチレングリコールの含有量が5重量%以下にな
るように制御しながら255℃で1.5kg/cm2の加圧下、6.4
時間継続された。このエステル化反応では、605重量部
の水と30重量部のエチレングリコールとの混合液が留去
した。
エステル化反応終了後反応器の圧力を常圧に戻し、つ
いで0.40重量部のメチルアッシドホスフェートと24重量
部のエチレングリコールとの混合溶液を添加したのち、
撹拌下に約15分間保持した。ついで、このエステル化反
応生成物を260℃で窒素雰囲気化常圧に保持された第5
反応器に移液し、ついで撹拌下に約1時間かけて常温か
ら約1mmHgにするとともに275℃まで昇温して、重縮合反
応を開始した。重縮合反応は、真空度を約1mmHgに保持
したままで275℃で約1.5時間行い、さらに285℃まで昇
温して約1時間行った。この重縮合反応では、157重量
部のエチレングリコールと26重量部の水との混合液が留
去した。
重縮合反応後、反応器の圧力を窒素で常圧にもどし、
ついでポリエステル抜出し装置を通して約25分間の間に
抜き出し、実施例1と同様に冷却されたのちチップ状に
細断された。この液相重合によって得られたポリエチレ
ンテレフタレートの極限粘度[η]およびジオキシエ
チレンテレフタレート成分含量を実施例1と同様に測定
した結果、それぞれ0.61dl/gおよび2.57モル%であっ
た。
さらに、その液相重合によって得られたポリエチレン
テレフタレートを実施例1と同様に乾燥したのち、さら
に実施例1と同じ装置を用いて同様の条件で固相重合し
たその結果、得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度[η]は0.79dl/gであり、またそのジオキシエ
チレンテレフタレート成分の含量は2.57モル%であり、
その昇温結晶化温度Tcc1は147℃であった。
つぎに、この固相重合によって製造したポリエチレン
テレフタレートを実施例1と同様に乾燥し、さらに実施
例1と同じ装置を用いて同様の条件で段付角板を成形し
た。得られた段付角板の厚みが5mmのプレートの曇り度
を実施例1と同様に測定した結果、27%であった。
また、このものを加熱溶融剪断処理したもののTcc2
140℃であった。
実施例4 実施例1の固相重合によって得たポリエチレンテレフ
タレートを窒素雰囲気下、約140℃で約15時間乾燥した
後、射出成形機のホッパー部を溶融格子とし280℃で加
熱溶融したポリエチレンテレフタレートを射出成形機に
供給し、10℃に冷却されたプリフォーム金型に成形圧力
約800kg/cm2で射出成形し、外径28mm、厚さ4mmのプリフ
ォームを作製した。ついで、口栓部のみ160℃オイルバ
ス中にて結晶化したプリフォームを作った。
この中空成形用プリフォームの[η]は0.75であ
り、Tcc2は160.2℃であった。
この口栓部結晶化プリフォームを二軸延伸吹込成形機
(コーポプラスト(CORPO−PLAST)社製LB01)を用いて
吹込み圧力約20kg/cm2、プリフォーム加熱時間約60秒、
延伸温度約100℃の条件下で縦約2倍および横約3倍に
二軸延伸し、さらに約140℃の表面温度を要する金型内
で約10秒間保持した後、金型を冷却する方法によってヒ
ートセットを行って、内容積が1.0の胴部に6枚の減
圧ポネルを有し、底部が底上げの二軸延伸ボトルを作製
した。ボトル胴部(厚さ0.4mm)の透明性はHaze値が0.5
%と良好であった。
つぎに、このボトルに85℃の熱水を充填し、10分間室
温で放置後、約25℃の水中に浸漬して冷却してボトルの
形状を調べた結果、まったく変形は認められなかった。
実施例5 実施例1の固相重合によって得たポリエチレンテレフ
タレートを窒素雰囲気下、約140℃で約15時間乾燥した
後、射出成形機(名機M100A型)を用いて、シリンダー
設定温度を供給部、圧縮部、計量部でそれぞれ340℃、3
40℃、270℃とし、実施例4と同様な中空成形用プリフ
ォームを得た。得られたプリフォームの[η]は0.76
であり、Tcc2は158.1℃であった。
また実施例4と同様にして得られたボトルの延伸部の
透明性は、Haze値が0.5%と良好であり、また熱水充填
後の変形は認められなかった。
実施例6〜8 実施例2、3および4の固相重合によって得られたポ
リエチレンテレフタレートを用いて二軸延伸ボトルを製
造するにあたって、二軸延伸吹込成形の条件をそれぞれ
表2に記載のとおりとする以外は、実施例5と同様にし
て成形した。ボトルの透明性は良好であった。さらに得
られた二軸延伸ボトルにそれぞれ実施例5と同様に85℃
の熱水を充填してボトルの変形試験を行った結果、いず
れのボトルにも変形は認められなかった。
比較例2 比較例1の固相重合によって得られたポリエチレンレ
フタレートを用いて、それぞれ実施例5、6および7と
まったく同様の条件で二軸延伸ボトルを製造した。その
ボトルは胴部が少し白化していた。
比較例3 実施例6において、シリンダー設定温度を供給部、圧
縮部、計量部をそれぞれ265℃、270℃、290℃とした以
外は、実施例6と同様に行なった。得られたプリフォー
ムの[η]は0.77であり、Tcc2は150.2℃であった。
この場合には、射出成形機の圧縮部に達するポリエチレ
ンテレフタレートは充分に溶融されておらず、圧縮部で
大きな機械的剪断を受けていた。得られたボトルの透明
性は、Haze値が1.5%であり、実施例5よりも悪かっ
た。
発明の効果 本発明に係る加熱溶融剪断処理されたポリエチレンテ
レフタレートは、透明性、機械的強度および耐熱性に優
れているので、このポリエチレンレフタレートから成形
された中空成形容器は、透明性に優れ、しかもジュー
ス、清涼飲料、炭酸飲料、調味料などの高温充填性に優
れており、さらには高温充填時の熱変形がなく、殺菌処
理を容易に行うことができ、高速充填性に優れていると
いう特徴がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリエチレンテレフタレートの製造法
を説明するための装置の工程図の一例を示す。 1……スラリー調製槽、2……スラリー貯留槽 3,4……エステル化反応装置 5,6……エステル化反応、重縮合兼用装置 7……重縮合装置 8……横型連続重縮合装置 9……スラリーポンプ、10〜14……ポンプ 15,16……ポリエステル抜出し装置 17〜20……精留塔、21〜28……冷却器 29〜30……レシーバー
フロントページの続き (72)発明者 新美 宏二 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−81851(JP,A) 特開 昭53−5261(JP,A) 特開 昭54−50595(JP,A) 特許2525029(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式[I] で表わされるエチレンテレフタレート成分単位(a)
    が、95.0〜98.6モル%の範囲 および一般式[II] で表わされるジオキシエチレンテレフタレート成分単位
    (b)が、1.4〜5.0モル%の範囲から形成され、かつ両
    成分単位がランダムに配列しており、 (B)o−クロロフェノール中で25℃で測定した極限粘
    度[η]が、0.60〜0.90dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査型熱量計(DSC)で10℃/分の昇温速度
    で測定した昇温結晶化温度(Tcc1)が165.0℃以上であ
    り、かつ 67.5[η]+119.0≦Tcc1≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲にあるポリエチレンテレフタレート
    を、 得られたプリフォームを形成するポリエチレンテレフタ
    レートの上記のようにして測定された昇温結晶化温度
    (Tcc2)が155℃以上であり、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲となるように射出成形時に加熱溶融剪
    断処理をすることを特徴とするポリエチレンテレフタレ
    ート中空成形用プリフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】(A)一般式[I] で表わされるエチレンテレフタレート成分単位(a)
    が、95.0〜98.0モル%の範囲 および一般式[II] で表わされるジオキシエチレンセレフタレート成分単位
    (b)が、1.4〜5.0モル%の範囲から形成され、かつ両
    成分単位がランダムに配列しており、 (B)o−クロロフェノール中で25℃で測定した極限粘
    度[η]が、0.60〜0.90dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査型熱量計(DSC)で10℃/分の昇温速度
    で測定した昇温結晶化温度(Tcc1)が165.0℃以上であ
    り、かつ 67.5[η]+119.0≦Tcc1≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲にあるポリエチレンテレフタレート
    を、 得られたプリフォームを形成するポリエチレンテレフタ
    レートの上記のようにして測定された昇温結晶化温度
    (Tcc2)が155℃以上であり、かつ 67.5[η]+105.0≦Tcc2≦67.5[η]+133.5 で表わされる範囲となるように射出成形時に加熱溶融剪
    断処理して中空成形体用プリフォームを製造し、次いで
    得られた中空成形体用プリフォームをブロー成形して中
    空成形体を製造することを特徴とするポリエチレンテレ
    フタレート中空成形体の製造方法。
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