JP2830754B2 - クルーズコントロール装置 - Google Patents

クルーズコントロール装置

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JP2830754B2
JP2830754B2 JP6260543A JP26054394A JP2830754B2 JP 2830754 B2 JP2830754 B2 JP 2830754B2 JP 6260543 A JP6260543 A JP 6260543A JP 26054394 A JP26054394 A JP 26054394A JP 2830754 B2 JP2830754 B2 JP 2830754B2
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両定速走行制御用の
クルーズコントロール装置に係り、特に、トランスミッ
ションの変速段を自動的に切り換える自動変速機を備え
た車両用のクルーズコントロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
自動変速機を備えた車両用のクルーズコントロール装置
が知られている。この様なクルーズコントロール装置で
は、例えば目標車速での定常走行を行っているときに登
坂路に差し掛かると、図17(A)に示すように車速が
低下し、スロットル開度が増大される。このとき、スロ
ットル開度の増大だけでは車速の低下を抑制できないよ
うなときには、自動変速機ではトルクアップを図るべく
4速から3速へと変速段を下げる「シフトダウン」が実
行される。スロットル開度は変速段が4速のときのまま
であるので、このシフトダウンにより必要以上にトルク
が増大し、図示の様に車速が急上昇する。この結果、目
標車速への復帰の際に大きなオーバーシュートが発生す
る場合があり、運転者に不快感を与えていた。
【0003】また、クルーズコントロール装置には、定
速走行の目標車速をより高速側へと増大させるアクセル
処理を行える様になっているものがある。このアクセル
処理を行う場合にも図17(B)に示すように、ある時
点でシフトダウンが行われることがある。このとき、ア
クセル処理のためにスロットル開度は増大中であり、ト
ルクが必要以上に上昇することとなる。この場合、二つ
の状態が考えられる。まず一つは、図示の様に、定常走
行中の登坂路走行のときと同じく車速が上昇し過ぎてア
クセル処理終了時に大きなオーバーシュート現象を生じ
させてしまう状態である。もう一つは、トルクアップの
ためにシフトダウンを行った途端に必要以上にトルクが
得られたために自動変速機が再び元の変速段へとシフト
アップされてしまい、今度はトルク低下を招いてシフト
ダウンとなり、このシフトダウンとシフトアップとを繰
り返すハンチング現象が生じる状態である。いずれの状
態が生じたとしても、運転者にとっては不快なものとな
る。
【0004】そこで、本発明は、こうしたシフトダウン
が行われたとしても安定的にトルクを上昇させることが
でき、オーバーシュートやハンチング現象を生じさせな
いようにして快適な運転を可能ならしめることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】請求項1
記載のクルーズコントロール装置は、トランスミッショ
ンの変速段を自動的に切り換える自動変速機と、定速走
行の目標車速を設定する目標車速設定手段と、車速を検
出する車速検出手段と、駆動信号に応じて、車両のスロ
ットル機構を駆動するアクチュエータと、前記車速検出
手段の検出する車速と前記目標車速とを一致させるよう
に前記アクチュエータに駆動信号を出力する定速走行制
御手段と、前記自動変速機の変速段がシフトダウンした
とき、前記アクチュエータに対してスロットル機構の開
度を減少する方向への駆動信号を出力するシフトダウン
時開度減少手段とを備えたクルーズコントロール装置で
あって、前記シフトダウン時開度減少手段の出力する開
度減少方向への駆動信号は、定常走行中にあっては、前
記シフトダウン状態になったときの目標車速と実際に検
出されている車速との差が小さいほど開度減少量を大き
くする様に決定されることを特徴とする。
【0006】このクルーズコントロール装置によれば、
定常走行中に登坂路へ差し掛かったり、加速を行おうと
する場合などにおいて、トルク不足からシフトダウンが
実行されたとき、直ちにスロットル機構の開度を減少す
る。この結果、変速段の切り換えによる急激なトルクア
ップを生じさせず、車速のオーバーシュート現象や、シ
フトダウンとシフトアップとを頻繁に繰り返すハンチン
グ現象を防止することができる。
【0007】また、請求項1記載のクルーズコントロー
ル装置によれば、シフトダウン時開度減少手段の出力す
る開度減少方向への駆動信号は、定常走行中にあって
は、前記シフトダウン状態になったときの目標車速と実
際に検出されている車速との差が小さいほど開度減少量
を大きくする様に決定される。
【0008】これは、定常走行時には、目標車速と実際
の車速との差が小さいほど、シフトダウンによるトルク
アップの影響がオーバーシュートとして顕著に現れるか
らである。逆に、目標車速と実際の車速との差が大きい
場合には、シフトダウンによって急激にトルクアップが
生じたとしても、最終的に目標車速に収束する際の大き
なオーバーシュートは生じ難い。従って、上記の様に、
目標車速との差が小さいほど開度減少量を大きくするの
がよいのである。
【0009】次に請求項2記載のクルーズコントロール
装置は、トランスミッションの変速段を自動的に切り換
える自動変速機と、定速走行の目標車速を設定する目標
車速設定手段と、車速を検出する車速検出手段と、駆動
信号に応じて、車両のスロットル機構を駆動するアクチ
ュエータと、前記車速検出手段の検出する車速と前記目
標車速とを一致させるように前記アクチュエータに駆動
信号を出力する定速走行制御手段と、前記自動変速機の
変速段がシフトダウンしたとき、前記アクチュエータに
対してスロットル機構の開度を減少する方向への駆動信
号を出力するシフトダウン時開度減少手段とを備えたク
ルーズコントロール装置であって、前記シフトダウン時
開度減少手段の出力する開度減少方向への駆動信号は、
加速走行中にあっては、前記シフトダウン状態になった
ときの加速度が大きいほど開度減少量を大きくし、ま
た、前記シフトダウン状態になったときの速度が大きい
ほど開度減少量を大きくする様に決定されることを特徴
とする。
【0010】このように、請求項2記載のクルーズコン
トロール装置によれば、シフトダウン時開度減少手段の
出力する開度減少方向への駆動信号は、加速走行中にあ
っては、シフトダウン状態になったときの加速度が大き
いほど開度減少量を大きくし、また、シフトダウン状態
になったときの速度が大きいほど開度減少量を大きくす
る様に決定される。これは、加速走行時において加速度
が大きいということは、スロットル機構の開度増加も大
きいことと見てよいので、スロットル開度が大きいとき
にシフトダウンが行われることとなり、開度を変更しな
い場合のトルク上昇が大きいと考えることができ、ま
た、速度も加速度も大きい程、スロットル機構の開度が
大きくなっていると見てよく、速度も加速度も大きい
程、シフトダウンによるトルク急増の程度が大きいと考
えられるからである。
【0011】これら本発明のクルーズコントロール装置
においては、前記シフトダウン時開度減少手段は、前記
自動変速機の変速段切換用ソレノイドの作動状況に基づ
いてシフトダウン状態になったか否かの判断をする様に
しておくとよい。この様にしておくことで、シフトダウ
ンが実行されたことを確実に把握し、シフトダウン直後
にスロットル機構の開度を減少させることによってトル
ク急増を的確に防止することができるからである。
【0012】また、これらのクルーズコントロール装置
において、前記定速走行制御手段は、前記自動変速機に
対して、より低位の変速段への切り換え要求をするシフ
トダウント要求手段を備え、該要求をするときには、前
記シフトダウン時開度減少手段を作動させる様に構成し
てもよい。即ち、通常は自動変速機が自動的に変速段の
決定をしてシフトダウンを行うのであるが、クルーズコ
ントロール装置側で独自にシフトダウン要求を出せる様
にした装置においては、この要求と共にシフトダウンが
行われることが確実であるから、この要求を出すときに
はスロットル機構の開度も自動的に減少されるようにし
ておくとよいのである。
【0013】
【実施例】図1以下に本発明の一実施例について説明す
る。図1に実施例の定速走行制御装置の全体構成図を示
す。本定速走行制御装置はガソリンエンジンを搭載した
自動車に電子制御燃料噴射装置(EFI)とともに搭載
されている。
【0014】定速走行制御を実施するクルーズECU1
には、イグニッションスイッチ3を介してバッテリ5が
接続されている。このイグニッションスイッチ3のオン
操作により、クルーズECU1に電源が供給され、マイ
クロコンピュータ8の作動が可能となる。またクルーズ
ECU1に内蔵されているアクチュエータ駆動段7に
は、メインリレー9を介して電源が供給される。このメ
インリレー9は定速走行制御用のメインスイッチ11が
接続され、このメインスイッチ11をオン操作すること
により、メインリレー9がオンして、アクチュエータ駆
動段7に電源が供給されアクチュエータ駆動段7の作動
が可能となる。
【0015】マイクロコンピュータ8は、CPU、RO
M、RAM、I/O、バスライン等を備えた通常のマイ
クロコンピュータとして構成されている。このマイクロ
コンピュータ8には、入力バッファ12を介して、各種
センサ、スイッチ類の信号が入力される。本実施例で
は、定速走行制御用のコントロールスイッチ14、ドラ
イバーがブレーキペダルを踏んだ場合にオンするストッ
プランプスイッチ16、スロットル開度が全閉時にオン
するアイドルスイッチ18、自動車の速度に比例した周
波数の信号を発生する車速センサ20等の車速検出手段
からの信号を入力している。上記コントロールスイッチ
14は、セットスイッチ14a、リジュームスイッチ1
4b、キャンセルスイッチ14cを備えている。尚、セ
ットスイッチ14a、リジュームスイッチ14bおよび
キャンセルスイッチ14cは、押圧している状態のみで
オンとなり、押圧を解除すると直ちにオフとなるタイプ
のスイッチである。
【0016】マイクロコンピュータ8は、これら各種セ
ンサ、スイッチ類の信号に基づいてROM内に格納され
ているプログラム命令を順次実行し、必要に応じて、ア
クチュエータ駆動段7に対して駆動命令を出力してい
る。アクチュエータ駆動段7は、アクチュエータ22を
駆動するための駆動回路であり、マイクロコンピュータ
8からの駆動命令に応じてアクチュエータ22の内部に
備えられたモータ22aとクラッチ22bとに、駆動命
令に対応する駆動出力を実行している。例えば、モータ
22aはアクチュエータ駆動段7の出力により正転・逆
転およびその回転速度がコントロールされる。またクラ
ッチ22bにアクチュエータ駆動段7の出力により通電
されると、モータ22aの回転がエンジン24のスロッ
トル機構(スロットルバルブ)26に伝達される。この
ことによりマイクロコンピュータ8はエンジン24の駆
動力を調節することができ、その結果、車両の速度を制
御することが可能となっている。
【0017】また、周知の構成として、アクセルペダル
28もその踏み込み量がスロットル開度に連動するよう
に、アクセルペダル28とスロットルバルブ26とが連
結されている。尚、アクセルペダル28の踏み込み動作
と、クラッチ22bでスロットルバルブ26に連結した
状態のモータ22aの回転動作とは、それぞれ独立して
動作可能であるが、両者の動作の内、スロットル開度の
大きい方がスロットルバルブ26の回転に反映する。
【0018】したがって、モータ22aがスロットルバ
ルブ26を全閉になるように回転していても、アクセル
ペダル28が踏み込まれていれば、アクセルペダル28
の踏み込み量に対応したスロットル開度となる。逆に、
アクセルペダル28を踏み込んでいなくても、モータ2
2aがスロットルバルブ26を開ける方向に回転してい
れば、モータ22aの回転に応じたスロットル開度とな
る。このような構成は良く知られているので詳細な説明
は省略する。
【0019】上述した定速走行制御装置以外に、電子制
御燃料噴射装置(EFI)30が備えられている。この
EFI30はエンジン24への負荷等に応じて必要な量
の燃料を演算し、インジェクタ32から燃料を吸入空気
内に供給している。更にEFI30は、所定の燃料カッ
ト条件、ここでは走行中にアイドルスイッチ18がオン
されてその状態が所定時間(例えば500msec)継
続する条件で燃料カット制御も実施している。
【0020】また、本実施例の車両には、1速,2速,
3速及び4速の4つの変速段を有するオートマチックト
ランスミッション(A/T)40を制御するための電子
制御変速装置(ECT)50も備えられている。そし
て、クルーズECU1には、A/T40のS2ソレノイ
ド(通電時に変速段を1速又は4速にし、非通電時に変
速段を2速又は3速にするソレノイド)の信号が入力さ
れている。そして、クルーズECU1は、ECT50に
対して、所定の条件下において4速から3速へとA/T
40の変速段を切り換えるシフトダウン要求を出力でき
るように接続されている。クルーズECU1からのシフ
トダウン要求は、例えば車速が一定値以上低下したら出
力する様にされている。
【0021】ECT50は、このクルーズECU1から
のシフトダウン要求の他、運転者の意思によるシフトダ
ウン要求も受け入れることができるように、シフトダウ
ンスイッチ52とも接続されている。また、ECT50
は、エンジン回転数Neとスロットル開度θとが入力さ
れるようになっており、これらNeとθをパラメータと
したマップに基づいてシフトダウンを実行する様にも構
成されている。例えば、θが増加しているにも拘らずN
eが上昇しない様なある条件を満足したときにシフトダ
ウンを実行する。なお、こうしたNe−θマップに基づ
く変速段の切換は、一般に周知の技術であるので、どの
様な条件でシフトダウンが起こるかなどの詳細説明は省
略する。
【0022】次に上記マイクロコンピュータ8にて実行
される定速走行制御処理について、図2以降のフローチ
ャート等に基づいて説明する。図2に示した定速走行制
御処理は、イグニッションスイッチ3のオン操作により
クルーズECU1のマイクロコンピュータ8に電源が供
給されると、制御周期T(例えば48msec)毎に行
われるもので、演算された車速およびスイッチ入力等か
ら出力デューティ(%)を求め、T×デューティ/10
0の間、アクチュエータ22のモータ22aに通電する
処理である。
【0023】まず、車速センサ20の信号の周期を読み
込み、現在の車両速度(車速:Vn)を算出する(ステ
ップ101)。次にコントロールスイッチ14、ストッ
プランプスイッチ16およびアイドルスイッチ18の各
スイッチ入力のオン−オフ判定をしてその結果を記憶す
る(ステップ102)。次にメインリレー9のオンを判
定する(ステップ103)。これは、メインリレー9が
オンしていない時は、アクチュエータ駆動段7への電源
が供給されていないので、定速走行制御に移行できない
ようにするためである。メインリレー9がオンされてい
ないときは、デューティ演算等の処理をせずに制御周期
をそのまま終了し、次の制御周期が始まるまで待機す
る。
【0024】メインリレー9がオンしていれば、次に定
速走行制御中か否かを判定する(ステップ104)。定
速走行制御中でないと判定された場合には、ステップ2
00へ進み、目標車速Vtの設定などの制御開始判定・
処理を実行する。制御開始判定・処理とは、定速走行制
御を開始するに当たって、定速走行の目標車速Vtを設
定するセット処理や、前回定速走行を行った際の目標車
速Vtを記憶した記憶車速Vmでの定速走行を開始する
ためのリジューム開始処理などを内容とする処理であ
る。詳しくは後述する。
【0025】一方、既に定速走行制御が開始されている
と判定された場合には、ステップ108の方へ進み、キ
ャンセルスイッチ14cがオンされているか否かを判定
する。キャンセルスイッチ14cがオンされていない場
合にはさらにストップランプスイッチ16がオンされて
いるか否かを判定する(ステップ109)。
【0026】ステップ108,109のいずれかが肯定
判定された場合にはキャンセル処理(ステップ600)
を実行し、定速走行制御から抜ける。一方、キャンセル
スイッチ14cもストップランプスイッチ16も共にオ
フの場合には、次の制御中処理(ステップ400)へ移
行する。制御中処理とは、制御中に目標車速を増大させ
て「より高速での定速走行状態」へ移行させるアクセル
処理や、逆に目標車速を減少させて「より低速での定速
走行状態」へと移行させるコースト処理や、前回定速走
行時の記憶車速Vmに車速を制御していくリジューム処
理などを実施するための処理である。これも詳しい内容
は後述する。
【0027】制御開始判定・処理(ステップ200)又
は制御中処理(ステップ400)を実施した後は、所定
のフラグFPULLがオンになっているか否かを判定す
る(ステップ105)。このフラグFPULLは、マニ
ュアル走行から定速走行へと移行する際に、車速のアン
ダーシュートが生じるのを防止するためにスロットルバ
ルブ26を所定量PULLだけ開くことを内容とする
「ふかし処理」を実行中であることを示すフラグであ
る。このフラグFPULLは制御開始・判定処理(ステ
ップ200)の中でオンされ、所定量PULLだけスロ
ットルバルブ26を開いたらオフされる。
【0028】FPULLがオンであるときにはステップ
300へ進んで後述のふかし制御を実行し、FPULL
がオフであるときには、ステップ500へ進んでデュー
ティ演算を実行する。そして、ふかし制御又はデューテ
ィ演算の結果に基づいてデューティ出力処理を実施する
(ステップ700)。
【0029】まず、このデューティ出力処理から説明す
る。デューティ出力処理は、図3に示すように構成され
ており、まずはふかし制御又はデューティ演算の結果に
対応するデューティを出力する(ステップ701)。そ
して、このデューティがスロットル開側へのものか閉側
へのものかを判定し(ステップ702)、開側ならばデ
ューティ積算値Inとして前回の積算値In-1 に今回の
出力デューティを加算した値を算出する(ステップ70
3)。一方、デューティがスロットル閉側へのものなら
ば、デューティ積算値Inとして前回の積算値In-1 か
ら今回の出力デューティを減算した値を算出する(ステ
ップ704)。このデューティ積算値Inは、定速走行
制御中のスロットルバルブの開度に対応する値となる。
【0030】次に、制御開始・判定処理について説明す
る。この処理には、前述の様に、セット処理とリジュー
ム開始処理とが含まれる。セット処理とは、定速走行制
御をしていないときにセットスイッチ14aを押すこと
により実行される処理であり、その時の車速Vnを取り
込ませ、その車速Vnを目標車速Vtおよび記憶車速V
mに設定して定速走行制御を行うための処理である。リ
ジューム開始処理とは、定速走行制御をしていない状態
のときにリジュームスイッチ14bを押すことにより実
行される処理であり、前回定速走行制御を行っている場
合には、そのときの記憶車速Vmを目標車速Vtとする
べく、まずは現車速Vnを目標車速Vtにセットするた
めの処理である。
【0031】制御開始判定・処理(ステップ200)の
詳細を図4に示す。まず、セット処理を行うのかリジュ
ーム開始処理を行うのかを見極めるため、セットスイッ
チ14aがオンか否かが判定される(ステップ20
1)。セットスイッチ14aがオンされていれば、ステ
ップ202〜207のセット処理に移行する。セット処
理では、まず、現車速Vnを目標車速Vtおよび記憶車
速Vmに設定し、クラッチ22bをオンしてモータ22
aの回転がスロットルバルブ26に連動するようにし、
更にセットフラグFSETをオンする(ステップ20
2)。そして更にセット時の車速落ち込み防止のための
ふかし制御の初期化処理(ステップ203)を行う。
【0032】セット時の車速落ち込みとは、セット直後
にはアクチュエータ22のモータ22aが全閉位置にあ
り、この位置から定速走行が可能なスロットル開度まで
回転するのに遅れが生じ、車速が一時的に落ち込む現象
をいう。これを防止するため、セット直後に、一時的に
モータ22aを開側に駆動するのがふかしであり、この
駆動量を算出するのがセット時ふかし初期化処理(ステ
ップ203)である。
【0033】セット時ふかし初期化処理(ステップ20
3)の詳細フローチャートを図5に示す。まずモータ2
2aを開側に駆動する量PULL(定速走行制御処理中
で繰り返される回数に該当する)が、次の式1で示され
るように、記憶車速Vmの関数として求められる量f
(Vm)と所定値IDLとの和として算出される(ステ
ップ204)。
【0034】
【数1】 PULL←f(Vm)+IDL … (式1) 尚、所定値IDLはアクチュエータ22のリンク系、ス
ロットルリンク系などの遊び量に該当する。
【0035】次に後述する量PULLINTをゼロクリ
アし(ステップ205)、更に後述するフラグFPID
Lをオフして(ステップ206)、セット時ふかし初期
化処理(ステップ203)を終了する。この後、図4の
制御に戻り、ふかし制御中であることを意味するフラグ
FPULLをオンする(ステップ207)。これによっ
て、次のふかし制御中の判定、即ち図2のフローチャー
トに現れているフラグFPULLのオン判定(ステップ
105)で肯定判定がなされ、ふかし制御(ステップ3
00)が実行されるようになる。
【0036】一方、セットスイッチ14aがオンでない
ときには(ステップ201=NO)、リジュームスイッ
チ14bがオンか否かを判定する(ステップ208)。
リジュームスイッチ14bもオフの場合には(ステップ
208=NO)、定速走行制御は意図されていないので
あるからそのまま処理を終える。しかし、リジュームス
イッチ14bがオンの場合には(ステップ208=YE
S)、運転者は前回定速走行時と同じ条件で定速走行を
意図していることになるので、前回の記憶車速Vmがあ
るか否かを判定する(ステップ209)。具体的にはV
mが0でないことを確認するのである。Vm≠0なら
ば、前回定速走行を行っているので、これに基づく定速
走行を開始するべく、まずリジューム開始処理(ステッ
プ210)を実行する。具体的には、現車速Vnを目標
車速Vtにセットし、クラッチ22bをオンにし、リジ
ューム中であることを示すフラグFRESをオンにす
る。なお、リジュームスイッチ14bが操作されたとし
ても、Vm=0のときにはリジュームすべき記憶車速が
ないことになるので、そのまま処理を終えることとして
いる。
【0037】次に、ふかし制御(ステップ300)につ
いて説明する。ふかし制御の詳細を図6に示す。このふ
かし制御を初めて実行するときには通常はアイドルスイ
ッチ18はオンしている。これは、定速走行条件をセッ
トした運転者は通常はアクセルペダル28から足を離す
ので、スロットルバルブ26が一旦全閉位置まで戻って
いるからである。そして、このアイドルスイッチがオン
し続けている間は、スロットルバルブ26がモータ22
aに対して遊びの状態にあることを意味する。上述した
IDLは、この遊びに対応した分だけモータ22aを駆
動するのに必要な制御量である。ふかし制御処理では、
このIDLの正確な値をまず求めている。
【0038】したがって、まずアイドルスイッチ18の
オン判定(ステップ301)をして、オンであればふか
し制御中にアイドルスイッチ18のオンを検知したこと
を示すフラグFPIDLをオンし(ステップ302)、
次にアクチュエータ22が開側に高速に駆動するよう固
定デューティ(高速駆動として、例えばデューティ95
%)を出力デューティとして設定する(ステップ30
3)。このときさらに、出力した固定デューティの回数
をカウンタPULLINTでカウントしている(ステッ
プ304)。したがってデューティ出力処理(図2のス
テップ700)では、例えばデューティ95%で高速に
モータ22aが開側へ回転し、遊び分の回転を迅速に解
消させていく。このステップ302〜304はアイドル
スイッチ18がオフになるまで続けられる。
【0039】アイドルスイッチ18がオフのときには
(ステップ301)、フラグFPIDLがオンか否かを
判定する(ステップ305)。上述のモータの遊びが解
消した直後にステップ301がNOとなり、ステップ3
05がYESとなり、ステップ306へ移行する。ステ
ップ306では、現在までに積算されたPULLINT
を遊びに対応した量IDLとして記憶する。そして、こ
のIDLにてふかし量PULLを算出し直すと共に(ス
テップ307)、フラグFPIDLをオフにする(ステ
ップ308)。
【0040】この後、ステップ304と同様に、PUL
LINTをインクリメントすると共に(ステップ30
9)、開側デューティとして高速駆動のための固定デュ
ーティを出力する(ステップ310)。以下、ふかし制
御においては、PULLINTが目標ふかし量PULL
に達するまでこのステップ309,310が実行され
(ステップ311)、スロットルバルブ26が開側へ強
制的に開かれていく。そして、PULLINT≧PUL
Lとなったらふかし制御中であることを示すフラグFP
ULLをオフにし(ステップ312)、以後はステップ
105からはステップ500の方へ進むようになる。こ
れによってふかし制御を完了する。
【0041】以上のふかし制御により、運転者が目標車
速をセットしてすぐにアクセル28を離すことによって
生じるアンダーシュートを防止することができる。次
に、制御中処理(ステップ400)の詳細について説明
する。制御中処理(ステップ400)の詳細を図7に示
す。この処理には、前述の様に、アクセル処理、コース
ト処理及びリジューム処理が含まれる。アクセル処理と
は、定速走行制御中にさらにリジュームスイッチ14b
を押すことにより実行される処理であり、リジュームス
イッチ14bが離されるまでの間、目標車速Vtを所定
の割合で増大させていく処理である。コースト処理と
は、定速走行制御中にさらにセットスイッチ14aを押
すことにより実行される処理であり、セットスイッチ1
4aが離されるまでの間、所定の割合でスロットルバル
ブを閉じる方向へモータ22aを戻していく処理であ
る。また、リジューム処理とは、リジューム開始処理に
よって開始され、前回の定速走行制御時の記憶車速Vm
になるまで目標車速Vtを増大させていく処理である。
【0042】この制御中処理では、まず、セットスイッ
チ14aがオンか否かが判定される(ステップ40
1)。これはコースト処理が意図されているかを判断す
るためである。なお、ここで肯定判定がなされても、直
ちにコースト処理を開始するのではなく、一旦セットフ
ラグFSETの状態を判定する(ステップ402)。こ
れは、運転者が意図しているのがセット処理であるかも
しれないからである。FSETがオンの場合には、セッ
ト処理が意図されている状況にあるのでそのままこのル
ーチンを抜ける。一方、FSETがオフなら運転者の意
図はコースト処理であるといえるので、ステップ412
に進んでモータ22aに対して閉側に30%の固定デュ
ーティを出力すると共に、コースト中であることを示す
フラグFCOAをオンにする。固定デューティを30%
と小さくしているのは、スロットルバルブ26をゆっく
りと閉じるようにするためである。
【0043】一方、セットスイッチ14aがオンではな
いなら、リジューム中を表すフラグFRESの状態を判
定する(ステップ403)。ここで肯定判定がされたな
らば、目標車速Vtを所定量Dだけ増大する(ステップ
404)。続いて、A/T40において4速から3速へ
のシフトダウンが実行されたか否かを判定する(ステッ
プ420)。具体的には、A/T40から取り込んでい
るS2ソレノイドの制御信号が、「ハイレベル」から
「ロウレベル」へと変化したか否かで判断する。この様
な信号の変化は1速から2速への切換の際にも生ずる
が、定速走行制御が行われている状態での上記S2ソレ
ノイドの信号変化は、シフトダウンの場合に限られるか
らである。
【0044】このステップ420で「YES」と判定さ
れた場合には、スロットル戻し量を意味するパラメータ
PUSHを算出する(ステップ421)。この戻し量P
USHは、シフトダウンによってトルクが必要以上に上
昇するのを防止するために設けられており、f(dVn
/dt,Vn)で与えられる。具体的には、図8に示す
ようなマップとなっており、加速度dVn/dtが大き
く、車速Vnが大きいほど戻し量PUSHが大きくなる
傾向で算出される。こうして戻し量PUSHが設定でき
たら、直ちに閉側ふかし制御を行うべくフラグFPUS
Hをオンにする(ステップ422)。そして、次のステ
ップ423を経て、閉側ふかし制御を実行する(ステッ
プ1000)。
【0045】この閉側ふかし制御(ステップ1000)
の詳細は、図9の様になる。まず、戻し量PUSHをデ
クリメントし(ステップ1001)、続いて閉側のデュ
ーティ出力として高速駆動用の固定デユーティ95%を
セットする(ステップ10002)。そして、戻し量P
USHが0になったか否かを判定し(ステップ100
3)、肯定判定されたらフラグFPUSHをオフにする
(ステップ1004)。この閉側ふかし制御によって、
シフトダウンが検出された直後のスロットルバルブ26
の開度は、戻し量PUSHに相当する分だけ閉じられる
ことになる。これによって、シフトダウンによって3速
に切り換えられた瞬間にトルクが上昇し過ぎるといった
ことが防止される。
【0046】この後、リジューム制御の終了条件の判断
ステップへ進む。即ち、ステップ404にてDだけ増大
された目標車速Vtが前回定速走行時の記憶車速Vmを
越えたか否かを判定する(ステップ405)。そして、
目標車速Vtが徐々に前回の記憶車速Vmへと近づいて
ステップ405が肯定判定になると、目標車速Vtに前
回の記憶車速Vmを設定し、リジューム完了を示すため
にフラグFRESをオフにする(ステップ406)。こ
の後、前回の定速走行制御時と同じ目標車速での定速走
行制御が開始されることになる。
【0047】さて、セットスイッチ14aがオフであ
り、かつリジューム中でもないときには(ステップ40
1,403共にNO)、リジュームスイッチ14bがオ
ンされているか否かを判定する(ステップ407)。リ
ジュームスイッチ14bがオンされている場合には、ア
クセル処理(ステップ800)へと移行する。一方、ス
テップ407で否定判定となった場合には、制御中パラ
メータ更新処理(ステップ900)を実行する。
【0048】まず、アクセル処理(ステップ800)に
ついて図10にて詳述する。アクセル処理では、アクセ
ル処理中であることを示すフラグFACCがオンになっ
ているか否かを判定する(ステップ801)。最初は否
定判定され、このときのモータ駆動デューティの積算値
Inをアクセル初期値Istとして記憶する(ステップ
802)。そして、フラグFACCをオンにし(ステッ
プ803)、目標車速Vtを一定車速Dだけ増加させる
(ステップ804)。次にこのアクセル処理を実行する
ときにはステップ801は肯定判定になるので、ステッ
プ802,803はパスされ、アクセル初期値Istは
そのまま保持される。このアクセル処理は、リジューム
スイッチ14bがオフにされるまで繰り返し実行され、
目標車速が徐々に増大して、車両が加速されていく。
【0049】ステップ804の次には、リジューム制御
における場合と同様に、A/T40において4速から3
速へのシフトダウンが実行されたか否かを判定する(ス
テップ810)。そして、「YES」と判定された場合
には、トルクの急上昇を防止するためのスロットル戻し
量を意味するパラメータPUSHを算出する(ステップ
811)。この戻し量PUSHは、ステップ421と全
く同じマップを用いて算出される。こうしてシフトダウ
ン時の戻し量PUSHが設定できたら、直ちに閉側ふか
し制御を行うべくフラグFPUSHをオンにし(ステッ
プ812)、ステップ813を経て、上述の閉側ふかし
制御を実行する(ステップ1000)。
【0050】次に、パラメータ更新処理(ステップ90
0)について図11にて詳述する。パラメータ更新処理
では、まず、アクセル処理中であることを示すフラグF
ACCがオンになっているか否かを判定する(ステップ
901)。肯定判定された場合には、アクセル終了時の
車速のオーバーシュートを防止するためのスロットル戻
し量を意味するパラメータPUSHを算出する(ステッ
プ902)。この戻し量PUSHは、アクセル処理の前
後におけるスロットル開度の差と、目標車速の差をパラ
メータとした関数f(In−Ist,Vt−Vm)で与
えられる。なお、Inは現在のデューティ積算値であっ
て現在のスロットル開度に対応し、Istはステップ8
02で設定された通り、アクセル前のスロットル開度に
対応する。本実施例では、これらデューティ積算値を用
いることで、スロットル開度センサを設けることなくア
クセル前後のスロットル開度の関係を把握するようにし
て部品点数の節減を図っている。また、Vtは現在の目
標車速、即ちアクセル後の目標車速を表し、Vmはアク
セル前の目標車速であるところの記憶車速を表す。ここ
で、本実施例では、f(In−Ist,Vt−Vm)で
与えられる戻し量PUSHは、In−Istよりも小さ
い値となる様に設定されている。即ち、この戻しはアク
セル前よりもスロットルを戻し過ぎない範囲内で設定さ
れるのである。
【0051】こうして戻し量PUSHが設定できたら、
次に、アクセル処理の完了を表すためにフラグFACC
をオフし、逆にアクセル後にスロットルバルブ26を戻
す閉側ふかし制御を行うべくフラグFPUSHの方をオ
ンにする(ステップ903)。そして、目標車速Vt及
び記憶車速Vmには現在の車速Vnを設定する(ステッ
プ904)。続いて、フラグFPUSHがオンであるか
否かを判定し(ステップ905)、オンならば閉側ふか
し制御(ステップ1000)を実行する。この閉側ふか
し制御(ステップ1000)の詳細は、シフトダウン時
のそれとして上述したのと全く同じで、この場合には、
アクセル完了直後の車速のオーバーシュートが抑制さ
れ、運転者に違和感を与えることなく新たな目標車速で
の定速走行状態へとスムーズに移行することができる。
【0052】一方、ステップ901で否定判定された場
合には、コースト処理中を示すフラグFCOAがオンに
なっているか否かを判定する(ステップ906)。肯定
判定された場合には、目標車速Vt及び記憶車速Vmに
は現在の車速Vnを設定すると共にFCOAをオフにす
る(ステップ907)。
【0053】これに対し、ステップ906で否定判定さ
れたならば、セット処理中であることを意味するフラグ
FSETをオフにする(ステップ908)。そして、リ
ジューム制御やアクセル制御の場合と同様に、A/T4
0において4速から3速へのシフトダウンが実行された
か否かを判定し(ステップ910)、「YES」と判定
された場合には、トルクの急上昇を防止するためのパラ
メータPUSHを算出する(ステップ911)。この場
合には、リジューム制御やアクセル制御とは異なり、実
車速Vnと目標車速Vmとをパラメータとしたマップが
用いられる。具体的には、図12に示すように、Vm−
Vnが小さいときほど、即ちそれほど実車速が落ち込ん
でいないにもかかわらずシフトダウンがあったときほ
ど、PUSHが大きい値となるような傾向で算出され
る。こうしてシフトダウン時の戻し量PUSHが設定で
きたら、直ちに閉側ふかし制御を行うべくフラグFPU
SHをオンにする(ステップ912)。これによって、
続くステップ905から閉側ふかし制御(ステップ10
00)へと進み、やはり、シフトダウン時にはスロット
ルバルブ26を閉じる制御を実行することができる。
【0054】このようにして、パラメータ更新処理(ス
テップ900)では、アクセル処理が終了した時点又は
コースト処理が終了した時点での車速Vnを目標車速V
t及び記憶車速Vmとすることによって定速走行制御の
パラメータを制御中に更新することができると共に、定
常走行中にシフトダウンがあったときにも閉側ふかし制
御を実行するようになっているのである。
【0055】最後になったが、デューティ演算処理(ス
テップ500)とキャンセル処理(ステップ600につ
いて説明する。デューティ演算処理(ステップ500)
の詳細を図13に示す。まず、進角車速であるスキップ
車速(Vsk)を、現在の車速Vnとスキップ時間Ts
kに車速微分値(実際にはVnと4制御周期前の車速V
n-4の差を4制御周期時間で割って求める)に基づき、
次の式2のように求める(ステップ501)。
【0056】
【数2】 Vsk←Vn+Tsk×(Vn−Vn-4)/4T … (式2) 即ち、Vskは、Tsk後の車速を予測した値である。
次に、ステップ502の処理に移り、図14に示すマッ
プGに従って、目標車速Vtからスキップ車速Vskを
減算した偏差(Vt−Vsk:km/h)をパラメータ
として、モータ22aを駆動するためのデューティDU
TYが算出される。このデューティDUTYが高いほど
モータ22aの回転速度は高速となり、スロットルバル
ブ26は高速に回転される。これを数式で表すと、次の
式3のごとくである。
【0057】
【数3】DUTY←G(Vt−Vsk) … (式3) 尚、スロットル開側は横軸の上部に、スロットル閉側は
横軸の下部に記載されている。その最高値は例えば共に
デューティ95%と設定されている。また不感帯が偏差
1未満から−1を越える領域までの間に設けられてい
る。この不感帯はモータ22aへの出力をデューティD
UTY0%とすることにより、スロットル開度を変更し
ない状態である。これは、アクチュエータ22のモータ
22aへの駆動出力が煩雑になるのを防ぐためである。
【0058】上述のようにマップGが設定されているこ
とにより、Vt−Vsk≧1では、偏差が大きくなるほ
ど95%を上限として開側への出力デューティが増加す
る。即ち、偏差が大きいほど、スロットル開度が速く大
きくされる。またVt−Vsk≦−1では、偏差が小さ
くなるほど95%を上限として閉側への出力デューティ
が増加する。即ち、偏差が小さいほど、スロットル開度
が速く小さくされる。
【0059】以後、条件が変更されない限り、このステ
ップ501,502,700の処理が各制御周期毎に繰
り返し実行され、車速Vnが目標車速Vtとなるように
フィードバック制御され、定速走行制御が実現される。
次にキャンセル処理(ステップ600)について説明す
る。キャンセルとは、定速走行制御中にコントロールス
イッチ14のキャンセルスイッチ14cが押されたとき
(ステップ108)、あるいはブレーキの踏み込みによ
りストップランプスイッチ16がオンされたとき(ステ
ップ109)に、定速走行制御を中止する処理(ステッ
プ600)である。
【0060】キャンセルの詳細を図15に示す。まずク
ラッチ22bをオフし(ステップ601)、目標車速V
tをゼロクリアし(ステップ602)、モータ22aに
閉側に連続通電し(ステップ603)しアクチュエータ
22自身の開度を全閉まで戻す。このとき記憶車速Vm
はゼロクリアせずそのまま保持する。
【0061】以上説明した様に、本実施例によれば、シ
フトダウン時において閉側ふかし制御(ステップ100
0)を実施することにより、図16(A)に実線で示す
如く、定常走行中の車速落込みに伴うシフトダウンの直
後のトルクの急増が抑制され、オーバーシュートをする
ことなくスムーズに元の速度へと移行することができ
る。
【0062】また、これはリジューム制御やアクセル制
御中にシフトダウンが発生した場合にも同じく作用し、
同図(B)に示すように、シフトダウン時に一旦閉側ふ
かし制御が入るので車速の増加が滑らかに行われる。そ
して、本実施例では、アクセル完了時にも閉側ふかし制
御を行っているので、目標車速への収束においてオーバ
ーシュートが発生しない。なお、このとき、従来技術で
はシフトダウンと4速復帰とが頻繁に繰り返されるハン
チング状態を生じることもある。
【0063】比較のため、図16には、これらの閉側ふ
かし制御を実施しないとした場合の車速の変化の様子を
点線で併記してある。この点線の車速から分かるよう
に、閉側ふかし制御をしない場合にはかなりのオーバー
シュートが生じてしまい、運転者に違和感を与えること
が理解できる。
【0064】なお、本実施例では、ステップ902にて
閉側ふかし制御での戻し量PUSHを算出している。こ
の算出は、アクセル処理の前後におけるスロットル開度
の関係及び目標速度の関係を考慮した関数fによる。従
って、どのような加速が行われたのかを的確に反映し、
最適な閉側ふかし制御を行わせることが可能になってい
る。
【0065】さらに、実施例のアクセル処理から閉側ふ
かし制御の間のスロットルバルブ26の動きを考える
と、ちょうどマニュアル運転で運転者が車速を増大せし
める場合と酷似した動きとなり、特に、戻し量がアクセ
ル前後のスロットル開度の中間に落ち着くように設定さ
れる点で、きわめて快適なフィーリングを与え得る。
【0066】加えて、運転者がアクセル処理を完了した
時点の車速Vnがアクセル後の目標車速Vtとなるの
で、例えば特公平3−21373号公報におけるような
熟練を要することなく意図通りの車速に加速することが
できる。以上、本発明の一実施例について説明したが、
本発明はこの実施例に限定されることなく、種々なる態
様を採ることができる。
【0067】例えば、閉側ふかし制御においては、シフ
トダウン時、アクセル完了時のいずれにおいても、固定
量として戻し量PUSHを与えるようにしても十分に効
果を発揮する。また、実施例ではA/T40のS2ソレ
ノイドの作動状況を監視してシフトダウンが行われたか
否かを判断しているが、クルーズECU1が独自にシフ
トダウン要求を行う様な場合には、その要求をECT5
0に対して出力すると共に閉側ふかし制御を実行する様
にしておいてもよい。なお、実施例の様に常にS2ソレ
ノイドを監視してその結果に基づいて閉側もどし制御を
行う様にする方が、シフトダウンが確実に行われる前に
閉側ふかし制御が実行されるおそれがない点で一層優れ
てはいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のクルーズコントロール装置の全体構
成図である。
【図2】 上記クルーズコントロール装置で実施される
定速走行制御処理のフローチャートである。
【図3】 定速走行制御処理内のデューティ出力処理の
フローチャートである。
【図4】 定速走行制御処理内の制御開始・判定処理の
フローチャートである。
【図5】 制御開始判定・処理内のセット時ふかし初期
化処理のフローチャートである。
【図6】 定速走行制御処理内のふかし制御のフローチ
ャートである。
【図7】 定速走行制御処理内の制御中処理のフローチ
ャートである。
【図8】 加速走行中のシフトダウン時のスロットル戻
し量を算出するためのマップである。
【図9】 パラメータ更新処理内の閉側ふかし制御処理
のフローチャートである。
【図10】 制御中処理内のアクセル処理のフローチャ
ートである。
【図11】 制御中処理内のパラメータ更新処理のフロ
ーチャートである。
【図12】 定常走行中のシフトダウン時のスロットル
戻し量を算出するためのマップである。
【図13】 定速走行制御処理内のデューティ演算処理
のフローチャートである。
【図14】 デューティ演算処理においてデューティを
算出するためのマップである。
【図15】 定速走行制御処理内のキャンセル処理のフ
ローチャートである。
【図16】 実施例による効果を示すタイミングチャー
トである。
【図17】 従来技術による問題点を示すタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
3・・・イグニッションスイッチ、5・・・バッテリ、
7・・・アクチュエータ駆動段、8・・・マイクロコン
ピュータ、9・・・メインリレー、11・・・メインス
イッチ、12・・・入力バッファ、14・・・コントロ
ールスイッチ、14a・・・セットスイッチ、14b・
・・リジュームスイッチ、14c・・・キャンセルスイ
ッチ、16・・・ストップランプスイッチ、18・・・
アイドルスイッチ、20・・・車速センサ、22・・・
アクチュエータ、22a・・・モータ、22b・・・ク
ラッチ、24・・・エンジン、26・・・スロットルバ
ルブ、28・・・アクセルペダル、30・・・EFI、
32・・・インジェクタ、40・・・オートマチックト
ランスミッション、50・・・ECT。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 31/00 B60K 41/04 F02D 9/02 331 F02D 29/02 301 F02D 41/14 320

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションの変速段を自動的に
    切り換える自動変速機と、 定速走行の目標車速を設定する目標車速設定手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 駆動信号に応じて、車両のスロットル機構を駆動するア
    クチュエータと、 前記車速検出手段の検出する車速と前記目標車速とを一
    致させるように前記アクチュエータに駆動信号を出力す
    る定速走行制御手段と、 前記自動変速機の変速段がシフトダウンしたとき、前記
    アクチュエータに対してスロットル機構の開度を減少す
    る方向への駆動信号を出力するシフトダウン時開度減少
    手段とを備えたクルーズコントロール装置であって、 前記シフトダウン時開度減少手段の出力する開度減少方
    向への駆動信号は、定常走行中にあっては、前記シフト
    ダウン状態になったときの目標車速と実際に検出されて
    いる車速との差が小さいほど開度減少量を大きくする様
    に決定されること を特徴とするクルーズコントロール装
    置。
  2. 【請求項2】 トランスミッションの変速段を自動的に
    切り換える自動変速機と、 定速走行の目標車速を設定する目標車速設定手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 駆動信号に応じて、車両のスロットル機構を駆動するア
    クチュエータと、 前記車速検出手段の検出する車速と前記目標車速とを一
    致させるように前記アクチュエータに駆動信号を出力す
    る定速走行制御手段と、 前記自動変速機の変速段がシフトダウンしたとき、前記
    アクチュエータに対してスロットル機構の開度を減少す
    る方向への駆動信号を出力するシフトダウン時開度減少
    手段とを備えたクルーズコントロール装置であって、 前記シフトダウン時開度減少手段の出力する開度減少方
    向への駆動信号は、加速走行中にあっては、前記シフト
    ダウン状態になったときの加速度が大きいほど 開度減少
    量を大きくし、また、前記シフトダウン状態になったと
    きの速度が大きいほど開度減少量を大きくする様に決定
    されることを特徴とするクルーズコントロール装置。
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