JP2830220B2 - 情報記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は銀塩フィルム（以下フィルムという）上な
どに設けた記録媒体に情報を記録する情報記録装置（カ
メラ）に関する。

［従来の技術］ 従来、８ミリトーキーなどにおいては、フィルム上に
磁気記録媒体である磁気トラックを設け音声情報などを
磁気的な記録情報として記録する方式がある。また、一
般的なカメラにおいては、光学的写し込みによりフィル
ム上に撮影日時などの情報を光学的な記録情報として記
録する方式がある。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、フィルムに光学的な記録情報以外の情
報を記録する記録媒体を設け、この記録媒体に情報を記
録するカメラについてはその詳細がまだ提案されていな
い。

［課題を解決するための手段］ 第１図はこの発明の情報記録装置のクレーム対応図で
ある。第１図においては、10はフィルムを空送りする空
送り機構、14はフィルムを巻き戻す巻き戻し機構、12は
フィルムの空送り動作に伴い記録媒体に情報を記録する
記録手段、15は記録媒体の記録内容を消去する消去手
段、11は空送り動作が適切になされなかったときに動作
不備信号を出力する作動判定手段、13は動作不備信号が
出力され、かつ巻き戻し機構14によりフィルムの巻き戻
し動作がなされたときに消去手段15に記録媒体の記録内
容を消去させる制御手段である。

［作用］ 次に、この発明の作用について説明する。制御手段13
は空送り機構10に対して制御信号を送出するとともに、
記録手段12に記録信号を出力して記録動作を制御する。
空送り機構10による空送り動作が適切になされない場
合、作動判定手段11からの空送り動作不備信号が制御手
段13に入力され、かつ巻き戻し機構14によるフィルムの
巻き戻しがなされると、消去手段15に消去信号を出力
し、記録手段12により記録媒体に記録されていた情報を
消去する。したがって、フィルムの空送り動作が適切に
行われなかったとき、上記空送り動作時に記録媒体に対
して中途半端に記録された記録内容は消去される。

［実施例］ 次に、この発明の情報記録装置について図面を参照し
て説明する。

第２図はこの発明の情報記録装置の一実施例を示す構
成図である。第２図において、パトローネ１から引き出
されたフィルム２上には、被写体が投影されかつ記録さ
れる第１の駒F1の下部に磁気トラックTR1が設けられて
いる。なお、パトローネ１内にあるため図示されていな
いが、第２の駒以降の各駒の下部にも各駒に対応した磁
気トラックが設けられている。また、不図示のカメラの
裏蓋には磁気トラックに記録を行う記録用ヘッドHRおよ
び磁気トラック上の記録の消去を行う消去ヘッドHEがフ
ィルム２に当接するように設けられている。磁気トラッ
クTR1への記録動作は次のようにして行われる。すなわ
ち、第１の駒F1を撮影した後、フィルム２が給送される
時、記録ヘッドHRによって記録データが第１の駒F1に対
応する磁気トラックTR1上に記録される。第２の駒以降
も同様に記録される。

また、第２図に示したフィルム２上のリーダ部F0に
は、前述した各駒に対応して設けられている磁気トラッ
クとは別の磁気トラックTR0が設けられている。この磁
気トラックTR0は、フィルム２の空送り時に磁気記録さ
れるもので、前述した各駒の対応して設けられている磁
気トラックに記録される各駒に対応したデータとは異な
るデータが記録される。この異なるデータとは、当該フ
ィルムの全駒に共通なデータ，例えば、フィルムの感度
やカメラの種類などの統合的なデータである。したがっ
て、この磁気トラックTR0に記録されているデータを読
み取ることによって当該フィルムの全駒に共通なデータ
を得ることができる。

上述したフィルム２を使用して撮影を行う場合におけ
る動作を説明する。パトローネ１をカメラに装填して不
図示のレリーズボタンを操作すると、フィルム２の空送
りが実行される。すなわち、巻き上げ用モータM1がスプ
ール７を回転させ、スプール７上にその先端がセットさ
れているフィルム２を若干巻き上げ、第１の駒F1を撮影
位置（アパーチャに対向する位置）に移動させる。これ
と同時に、フィルム２全般に関わるデータを記録ヘッド
HRにより磁気トラックTR0上に記録する。

ところで、フィルム２の空送り動作を行わせる前の準
備として撮影者自身がフィルム２の先端部を所定位置に
セットする手作業が必要である。この手作業が不十分で
あった場合、フィルム２の空送り動作が適切に行われな
いので、フィルム２は中途半端に引き出された状態とな
る。この空送り動作が完全に行われたか否かの確認は、
空送り動作期間，すなわち、フィルム２を一定期間巻き
取っている間、フォトカプラPCによってフィルム２のパ
ーフォレーション３を計数し、この計数値が所定値か否
かを判定して行われる。もし、空送り動作が適切に行わ
れなかった場合には、中途半端に引き出されたフィルム
２を再度初期の位置まで巻き戻す。すなわち、巻き上げ
用モータM1を停止した後、巻き戻し用モータM2を回転さ
せてフィルム２をパトローネ１内に巻き戻す。なお、以
上の機構については公知の技術内容である。

ところで、空送り動作によるスプール７の回転中に
は、記録ヘッドHRはデータ信号による駆動が行われてい
るため、トラックTR0に対する記録動作が正常になされ
たか否かは、上記のフィルム２の空送り動作の成功，不
成功の確認時に判明する。すなわち、空送り動作が失敗
した場合、前述のようにフィルム２は初期位置に再設定
されるので、磁気トラックTR0に対する記録動作が失敗
したことが判明するが、磁気トラックTR0に中途半端に
記録されたデータはそのままであるという欠点が生じ
る。このような欠点を取り除くためには、中途半端に記
録されたデータ（情報）を消去する必要がある。

次に、上述した欠点を改善した実施例について第２図
を参照して動作の概略を説明する。

初めに、空送り動作が成功する場合について説明す
る。パトローネ１からのフィルム２は撮影者によってス
プール７の上にセットされており、空送り動作直前の状
態である。この状態で空送りシーケンスが開始される
と、巻き上げ用モータM1が回転してスプール７を回し、
フィルム２を引き出してスプール７に巻き付ける動作を
行う。以上の動作に先立って行われたデータ読み込み
（この詳細は第４図にて説明する）の結果による必要デ
ータは、空送り動作と同時に記録ヘッドHR介して磁気ト
ラックTR0上に記録される。空送り動作が成功すれば、
その後のレリーズ操作による露光動作が許可され、第１
の駒F1上に被写体像が記録されるとともに、それに続く
巻き上げと同時に磁気トラックTR1上にその駒に関する
必要データが磁気記録され、第１の駒F1に関する映像を
含む全てのデータ記録が終了する。以上の動作におい
て、フォトカプラPCがフィルム２の給送に伴うパーフォ
レーション３の検出を行うほかは、巻き戻し用モータM
2,消去用ヘッドHEは動作していない。

次に、空送り動作が失敗した場合について説明する。
巻き上げ用モータM1の回転にも関わらずフォトカプラPC
がフィルム２のパーフォレーション３を検出することが
できなかった場合には空送り失敗と判断し、巻き上げ用
モータM1の回転および記録用ヘッドHRの駆動を停止させ
る。以上の動作中に磁気トラックTR0に記録されたデー
タはフィルム２の給送が不完全であるため有効なデータ
ではない。

そして、巻き戻し用モータM2を回転させてフィルム２
をパトローネ１内に引き込ませると同時に、消去用ヘッ
ドHEを駆動して磁気トラックTR0にそれまで記録されて
いたデータを完全に消去する。

巻き戻し用モータM2の停止は不図示であるが、公知の
フィルム在否スイッチにて検出した後に行われる。フィ
ルム在否スイッチとは、例えば、図中においてフィルム
２を挟んで記録用ヘッドHRの反対側に設置され、フィル
ム２がその部位で存在か否かを検出するものである。

なお、上述の実施例においては、空送り動作の失敗後
に巻き戻し動作が自動的に行なわれるが、空送り動作の
失敗を認識した操作者が、所定の操作を行って巻き戻し
動作の実行指示を与えるようにしてもよいことはもちろ
んである。

第３図は同実施例におけるカメラ内の回路ブロック図
である。制御手段の中枢としてCPU20が備えられ、このC
PU20が各種入出力信号の整理および各種制御手段の作動
をコントロールしている。すなわち、裏蓋の開閉状態を
検出する裏蓋スイッチS1、フィルムの装填状態を検出す
るフィルム在否スイッチS2、フィルムの給送状態を検出
するフォトカプラPC、フィルムを収納するパトローネに
付与された情報番号や撮影者が任意に設定した情報番号
を読み取る情報読み取り回路INFからの各種入力情報を
認識して所定の作動方式や記録すべき情報を決定する。
そして、巻き上げ用モータM1、巻き戻し用モータM2、記
録用ヘッドHR、消去用ヘッドHE、カメラの操作者に空送
り動作の失敗を警告する警告灯LPをそれぞれ駆動するド
ライバDVR1〜DVR5、および公知の露光回路21に制御信号
を送出する。

第４図はCPU20の空送り動作時の動作フローチャート
であり、この動作はレリーズボタンを押下することなど
により不図示の電源が投入されたときに開始される。ま
ず、カメラの裏蓋の開閉状態を裏蓋スイッチS1のオン，
オフによって確認する（ステップ100）。なお、裏蓋ス
イッチS1は裏蓋が閉のときにオン、開のときオフとな
る。次に、フィルムが装填されているか否かがフィルム
在否スイッチS2のオン，オフによって確認される（ステ
ップ101）。なお、フィルム在否スイッチS2は、フィル
ムが第２図のようなセット状態であればオン、セット状
態でなければオフとなる。ステップ101の結果が「Ｙ」
であれば装填されたフィルムの感度信号やカメラの状態
などこれから撮影されるフィルム全体に関係する情報を
情報検出回路INFを介して読み取り、CPU20内にいったん
格納する（ステップ102）。次に、ドライバDVR1にオン
信号を送り（ステップ103）、巻き上げ用モータM1の回
転を開始させ、フィルムの空送り動作を始める（ステッ
プ104）。さらに、ドライバDVR3にオン信号を送り（ス
テップ105）、記録用ヘッドHRによりステップ102で読み
取った情報をフィルムの磁気トラックに記録する（ステ
ップ106）。

なお、ステップ104の次には、ステップ105のほかにス
テップ109でフォトカプラPCの動作を開始させる。これ
はフィルムのパーフォレーションの通過を検出する動作
である。すなわち、フィルムの空送り動作に伴う情報記
録と、給送確認動作とは並行して行われている。

次に、フォトカプラPCからの検出信号に基づき空送り
動作が成功したか否かを判断する（ステップ107）。
「Ｙ」，すなわち成功ならば情報検出回路INF、ドライ
バDVR1,3、巻き上げ用モータM1、およびフォトカプラPC
をすべてオフ状態にして通常の撮影ルーチンへの移行を
許可する（ステップ108）。なお、撮影ルーチンの詳細
は公知であるため、その説明を省略する。「Ｎ」，すな
わち失敗ならば、ステップ108と同一の動作を実行し
（ステップ108′）、後述する待避ルーチンへ移行す
る。

なお、空送り動作の成功、失敗の判断方法については
上記フォトカプラPCによる方法以外にも各種存在する
が、いずれの方法でもよい。少なくとも空送りが失敗し
たと判断された時点ですでに情報記録がいくらか進行し
てしまう場合，すなわち、中途半端に情報が記録されて
しまう場合であれば、この発明は有効である。

第５図は待避ルーチンの動作フローチャートである。

ドライバDVR5にオン信号を伝達し（ステップ110）、
警告灯LPを点灯させる（ステップ111）。これは撮影者
に対して空送り動作に不備があったために通常動作とは
異なるバックアップ動作に入っていることを告知する目
的でなされる。

次に、ドライバDVR2をオンして（ステップ112）、巻
き戻し用モータM2の回転を開始させる（ステップ11
3）。これで空送りに失敗して中途半端に引き出された
フィルムがパトローネ内に巻き戻される動作が開始され
る。さらに、ドライバDVR4をオンして（ステップ11
4）、消去用ヘッドHEを作動させ、第４図のステップ106
で磁気トラックに記録されたデータを完全に消去する
（ステップ115）。以上の動作はフィルム在否スイッチS
2がオフになることを確認するまで続行される（ステッ
プ116）。次に、ドライバDVR2、DVR4、およびDVR5への
駆動信号をそれぞれ停止して警告灯LP、巻き戻し用モー
タM2、および消去用ヘッドHEの動作を全て停止させ、こ
の待避ルーチンを終了する（ステップ117）。

なお、上述した実施例においては、情報を記録する記
録媒体としてフィルムに磁気トラックを設けたが、これ
に限られるものではなく、フィルムを装填するパトロー
ネに適当な記録媒体，例えば、RAMなどの半導体記憶素
子を設けてもよい。

［発明の効果］ 以上説明したようにこの発明によれば、フィルムの空
送り動作が適切に行われなかったとき、上記空送り動作
時に記録媒体に対して中途半端に記録された記録内容は
消去される。したがって、空巻き上げ動作にて失敗した
経歴がフィルムにあっても、このフィルムの記録媒体は
無記録状態に設定されるため、次の機会にはこのフィル
ムの記録媒体に情報を正常に記録することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の情報記録装置のクレーム対応図、第
２図はこの発明の情報記録装置の一実施例を示す構成
図、第３図は同実施例におけるブロック図、第４図，第
５図は動作フローチャートである。 ２……フィルム、３……パーフォレーション、７……ス
プール、20……CPU、PC……フォトカプラ、F1……第１
の駒、TR0,TR1……磁気トラック、HR……記録用ヘッ
ド、HE……消去用ヘッド、M1……巻き上げ用モータ、M2
……巻き戻し用モータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】撮影による光学的な記録情報以外の情報を
   記録する記憶媒体を含む銀塩フィルムを装填して使用す
   る情報記録装置であって、 前記銀塩フィルムを空送りする空送り機構と、 前記銀塩フィルムを巻き戻す巻き戻し機構と、 前記銀塩フィルムの空送り動作に伴い前記記録媒体に情
   報を記録する記録手段と、 前記記録媒体の記録内容を消去する消去手段と、 前記空送り動作が適切になされなかったときに動作不備
   信号を出力する作動判定手段と、 前記動作不備信号が出力され、かつ前記巻き戻し機構に
   より銀塩フィルムの巻き戻し動作がなされたときに前記
   消去手段に前記記録媒体の記録内容を消去させる制御手
   段と を有することを特徴とする情報記録装置。