JP2830192B2 - 光熱磁気記録媒体 - Google Patents
光熱磁気記録媒体Info
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- JP2830192B2 JP2830192B2 JP1275735A JP27573589A JP2830192B2 JP 2830192 B2 JP2830192 B2 JP 2830192B2 JP 1275735 A JP1275735 A JP 1275735A JP 27573589 A JP27573589 A JP 27573589A JP 2830192 B2 JP2830192 B2 JP 2830192B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は記録層とカー回転角を増大させるためのエ
ンハンス層とを有する光熱磁気記録媒体に関する。
ンハンス層とを有する光熱磁気記録媒体に関する。
[従来の技術] 光熱磁気記録媒体においては、記録層にレーザビーム
を照射してその照射部分の磁化を外部磁界により反転さ
せて情報を記録し、記録層の磁気光学効果に基く情報記
録部と非記録部とでのカー回転角又はファラデー回転角
の相違を光電変換素子を介して電気信号に変換すること
により情報を再生している。しかし、従来このような記
録層として使用されている一般的な磁性薄膜、例えば希
土類・遷移金属合金の磁性薄膜は、カー回転角等が小さ
いためS/N比が小さいという欠点を有している。
を照射してその照射部分の磁化を外部磁界により反転さ
せて情報を記録し、記録層の磁気光学効果に基く情報記
録部と非記録部とでのカー回転角又はファラデー回転角
の相違を光電変換素子を介して電気信号に変換すること
により情報を再生している。しかし、従来このような記
録層として使用されている一般的な磁性薄膜、例えば希
土類・遷移金属合金の磁性薄膜は、カー回転角等が小さ
いためS/N比が小さいという欠点を有している。
このような欠点を解消する方法として、光熱記録媒体
を多層構造にすることが試みられている。すなわち、基
板上に、記録層の他にカー回転角をエンハンスする層、
例えばZnS層を設けて上述の欠点を解消しようとしてい
る。
を多層構造にすることが試みられている。すなわち、基
板上に、記録層の他にカー回転角をエンハンスする層、
例えばZnS層を設けて上述の欠点を解消しようとしてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかし、このようなエンハンス層によりカー回転角を
有効にエンハンスするためには、積層数を増加させる
か、又はエンハンス層の厚みを大きくする必要があり、
構造が複雑になると共に薄型化に反する。また、このよ
うなエンハンス層を設けたとしてもカー回転角が高々1
゜程度であり、更に高い値が望まれている。
有効にエンハンスするためには、積層数を増加させる
か、又はエンハンス層の厚みを大きくする必要があり、
構造が複雑になると共に薄型化に反する。また、このよ
うなエンハンス層を設けたとしてもカー回転角が高々1
゜程度であり、更に高い値が望まれている。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであ
って、カーエンハンス層が極めて薄く且つ一層であって
もカー回転角を大きくすることができ、結果として再生
特性が良好な光熱磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
って、カーエンハンス層が極めて薄く且つ一層であって
もカー回転角を大きくすることができ、結果として再生
特性が良好な光熱磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] この発明に係る光熱磁気記録媒体は、磁性薄膜で形成
された記録層と、Zn、S、O及びNからなるエンハンス
層とを有することを特徴とする。この場合に、記録層を
基板上に形成し、その上にエンハンス層を形成すること
ができ、また、エンハンス層を基板上に形成し、その上
に記録層を形成してもよい。この場合には、記録層の上
に更にエンハンス層を形成して記録層がエンハンス層で
挟まれるように構成することもできる。また、記録層と
エンハンス層とを交互に積層した多層構造にしてもよ
い。更に、記録層及びエンハンス層は積層され、このう
ちの一方は基板上に形成され、記録層及びエンハンス層
における基板に接している面と反対の面側に表面保護層
が形成されていることが好ましい。記録層を形成する磁
性薄膜は、希土類−遷移金属非晶質合金、特にFe−Tb−
Co系合金であることが好ましい。前記基板は、ガラス又
は高分子体で形成することができる。保護層は透明で且
つ屈折率がエンハンス層よりも小さい酸化物、窒化物、
弗化物、又は硫化物で形成することが好ましい。更に、
前記エンハンス層はアニールされた薄膜であることが好
ましい。
された記録層と、Zn、S、O及びNからなるエンハンス
層とを有することを特徴とする。この場合に、記録層を
基板上に形成し、その上にエンハンス層を形成すること
ができ、また、エンハンス層を基板上に形成し、その上
に記録層を形成してもよい。この場合には、記録層の上
に更にエンハンス層を形成して記録層がエンハンス層で
挟まれるように構成することもできる。また、記録層と
エンハンス層とを交互に積層した多層構造にしてもよ
い。更に、記録層及びエンハンス層は積層され、このう
ちの一方は基板上に形成され、記録層及びエンハンス層
における基板に接している面と反対の面側に表面保護層
が形成されていることが好ましい。記録層を形成する磁
性薄膜は、希土類−遷移金属非晶質合金、特にFe−Tb−
Co系合金であることが好ましい。前記基板は、ガラス又
は高分子体で形成することができる。保護層は透明で且
つ屈折率がエンハンス層よりも小さい酸化物、窒化物、
弗化物、又は硫化物で形成することが好ましい。更に、
前記エンハンス層はアニールされた薄膜であることが好
ましい。
[作用] この発明においては、カー回転角をエンハンスする層
としてZn、S、O及びNからなる層を用いた。このよう
なエンハンス層は高透過率であるので光磁気記録媒体の
エンハンス層として適しており、また、極めて屈折率が
高いので、記録層の材料に応じてその厚みと照射光の波
長とを調節することによりカー回転角をエンハンスする
効果を著しく大きくすることができ、更に、性能指数
(カー回転角×反射率)を大きくすることもできる。従
って、極めて良好な再生特性を得ることができる。ま
た、このようなエンハンス層は、特に可視光領域から紫
外領域にかけての短波長側の光の透過率が従来のZnS薄
膜で構成されたエンハンス層よりも高いので、情報の記
録に従来よりも短波長のレーザビームを用いることがで
き、記録密度を上昇させることができる。このエンハン
ス層がアニールされた薄膜である場合には、短波長側の
光の透過率を一層向上させることができる。
としてZn、S、O及びNからなる層を用いた。このよう
なエンハンス層は高透過率であるので光磁気記録媒体の
エンハンス層として適しており、また、極めて屈折率が
高いので、記録層の材料に応じてその厚みと照射光の波
長とを調節することによりカー回転角をエンハンスする
効果を著しく大きくすることができ、更に、性能指数
(カー回転角×反射率)を大きくすることもできる。従
って、極めて良好な再生特性を得ることができる。ま
た、このようなエンハンス層は、特に可視光領域から紫
外領域にかけての短波長側の光の透過率が従来のZnS薄
膜で構成されたエンハンス層よりも高いので、情報の記
録に従来よりも短波長のレーザビームを用いることがで
き、記録密度を上昇させることができる。このエンハン
ス層がアニールされた薄膜である場合には、短波長側の
光の透過率を一層向上させることができる。
[実施例] 以下、添付図面を参照して、この発明の実施例につい
て具体的に説明する。第1図は、この発明の一実施例に
係る光熱磁気記録媒体を示す断面図である。この実施例
において、光熱磁気記録媒体は、基板1と、基板1上に
形成された記録層2と、その上に形成され、Zn,S,O及び
Nからなるエンハンス層3とを具備している。
て具体的に説明する。第1図は、この発明の一実施例に
係る光熱磁気記録媒体を示す断面図である。この実施例
において、光熱磁気記録媒体は、基板1と、基板1上に
形成された記録層2と、その上に形成され、Zn,S,O及び
Nからなるエンハンス層3とを具備している。
基板1は透明で安定な材料、例えばガラス又はポリカ
ーボネート等の高分子体で形成されている。記録層2は
希土類−遷移金属非晶質合金で形成されている。この記
録層2は、層面に垂直な磁化容易軸を有していることが
好ましく、例えばFeTbCo合金で形成されている。この記
録層の厚みは、本実施例の場合、情報の再生にカー効果
のみを利用するので500乃至2000Åであることが好まし
い。エンハンス層3は記録層2のカー回転角をエンハン
スすることを目的として形成された層であり、Zn,S,O,
及びNからなっている。この層は、ZnS焼結体からなる
ターゲットを用い、ArガスとN2ガスとの混合ガス雰囲気
中でのスパッタリングにより好適に形成することができ
る。通常ターゲットとして用いられるZnS焼結体には不
純物として若干のOが含まれており、このターゲットを
上述の窒素含有雰囲気でスパッタリングすれはZn,S,O,
及びNからなる層が形成される。なお、ターゲットはZn
Sに積極的にOを含有させたものであってもよい。ま
た、ZnS焼結体ターゲットのスパッタリング時、Arガス
及びN2ガスの他に、微量のO2ガスを流し込み、これによ
りZnSON層を形成しても良い。
ーボネート等の高分子体で形成されている。記録層2は
希土類−遷移金属非晶質合金で形成されている。この記
録層2は、層面に垂直な磁化容易軸を有していることが
好ましく、例えばFeTbCo合金で形成されている。この記
録層の厚みは、本実施例の場合、情報の再生にカー効果
のみを利用するので500乃至2000Åであることが好まし
い。エンハンス層3は記録層2のカー回転角をエンハン
スすることを目的として形成された層であり、Zn,S,O,
及びNからなっている。この層は、ZnS焼結体からなる
ターゲットを用い、ArガスとN2ガスとの混合ガス雰囲気
中でのスパッタリングにより好適に形成することができ
る。通常ターゲットとして用いられるZnS焼結体には不
純物として若干のOが含まれており、このターゲットを
上述の窒素含有雰囲気でスパッタリングすれはZn,S,O,
及びNからなる層が形成される。なお、ターゲットはZn
Sに積極的にOを含有させたものであってもよい。ま
た、ZnS焼結体ターゲットのスパッタリング時、Arガス
及びN2ガスの他に、微量のO2ガスを流し込み、これによ
りZnSON層を形成しても良い。
Zn,S,O,及びNからなるエンハンス層3は、組成を調
節することにより透明領域の光、例えば波長633nmの光
の屈折率を、高透過率材料として最も屈折率が大きいダ
イヤモンドの屈折率2.41よりも大きくすることができ
る。カー回転角を増大させる効果は、屈折率が大きい程
大きいので、このような材料で構成されたエンハンス層
はカー回転角を著しく増大させることができる。このよ
うに大きな高屈折率は例えば後述するような対向ターゲ
ットスパッタリングにより達成することができる。
節することにより透明領域の光、例えば波長633nmの光
の屈折率を、高透過率材料として最も屈折率が大きいダ
イヤモンドの屈折率2.41よりも大きくすることができ
る。カー回転角を増大させる効果は、屈折率が大きい程
大きいので、このような材料で構成されたエンハンス層
はカー回転角を著しく増大させることができる。このよ
うに大きな高屈折率は例えば後述するような対向ターゲ
ットスパッタリングにより達成することができる。
また、このようなエンハンス層は高い透過率が要求さ
れるが、Zn,S,O,及びNからなるエンハンス層3は、こ
の分野に用いられるレーザービームの波長において十分
に高い透過率得ることができる。特に、可視光領域から
紫外領域にかけての短波長側において従来のZnSエンハ
ンス層よりも透過率を高くすることができる。従って、
記録用のレーザビームの波長を短くすることができ、記
録密度を高くすることができる。
れるが、Zn,S,O,及びNからなるエンハンス層3は、こ
の分野に用いられるレーザービームの波長において十分
に高い透過率得ることができる。特に、可視光領域から
紫外領域にかけての短波長側において従来のZnSエンハ
ンス層よりも透過率を高くすることができる。従って、
記録用のレーザビームの波長を短くすることができ、記
録密度を高くすることができる。
なお、スパッタリングにより形成した後にアニール処
理してエンハンス層3を形成することにより、透過率が
一層向上し、特に短波長側の透過率の向上が顕著になる
ので、エンハンス層として一層好ましいものとなる。
理してエンハンス層3を形成することにより、透過率が
一層向上し、特に短波長側の透過率の向上が顕著になる
ので、エンハンス層として一層好ましいものとなる。
なお、エンハンス層3の組成としては、ZnSを基本組
成とし、Oを30原子%以下、Nを10原子%以下含有する
組成であることが好ましい。この組成の範囲において、
透過率及び屈折率を十分に高くすることができる。
成とし、Oを30原子%以下、Nを10原子%以下含有する
組成であることが好ましい。この組成の範囲において、
透過率及び屈折率を十分に高くすることができる。
このエンハンス層3の厚みは50乃至4500Åであること
が好ましく、180乃至900Åであることが一層好ましい。
が好ましく、180乃至900Åであることが一層好ましい。
このような光熱磁気記録媒体に情報を記録する場合に
は、エンハンス層側から記録層2に所定波長のレーザビ
ームを照射してその部位の温度をキュリー温度近傍まで
上昇させ、外部磁界によりこの部位の磁化を反転させて
記録ビットを形成する。情報の再生は、記録層に比較的
低出力のレーザビームを照射し、その反射光を検光子を
介して光電変換素子で受けて電気信号に変換することに
よってなされる。つまり、記録層の記録ビットと非記録
部分とでカー回転角の向きが逆になるから検光子を通過
する反射光の光量が異なり、これを光電変換することに
より記録した情報を再生することができる。再生信号の
S/N比は、カー回転角と反射率との積に比例するので、
カー回転角が大きいほうがより再生信号のS/N比が大き
くなる。情報の消去は、記録ビットにレーザビームを照
射しつつ外部磁界を印加することにより磁化反転を生じ
さることによりなされる。
は、エンハンス層側から記録層2に所定波長のレーザビ
ームを照射してその部位の温度をキュリー温度近傍まで
上昇させ、外部磁界によりこの部位の磁化を反転させて
記録ビットを形成する。情報の再生は、記録層に比較的
低出力のレーザビームを照射し、その反射光を検光子を
介して光電変換素子で受けて電気信号に変換することに
よってなされる。つまり、記録層の記録ビットと非記録
部分とでカー回転角の向きが逆になるから検光子を通過
する反射光の光量が異なり、これを光電変換することに
より記録した情報を再生することができる。再生信号の
S/N比は、カー回転角と反射率との積に比例するので、
カー回転角が大きいほうがより再生信号のS/N比が大き
くなる。情報の消去は、記録ビットにレーザビームを照
射しつつ外部磁界を印加することにより磁化反転を生じ
さることによりなされる。
このような光熱磁気記録媒体においては、記録層の材
料に応じてエンハンス層の厚み及び照射光の波長を適切
にすることにより、カー回転角を著しく増大することが
できる。例えば、記録層2として例えばFeTbCo合金(Fe
69Tb21Co10)を用いた場合、エンハンス層の厚みを200
Å程度にし、照射光(レーザビーム)の波長を従来の半
導体レーザーの830nmよりも短い370nm付近にすることに
より極めて大きいカー回転角が得られる。
料に応じてエンハンス層の厚み及び照射光の波長を適切
にすることにより、カー回転角を著しく増大することが
できる。例えば、記録層2として例えばFeTbCo合金(Fe
69Tb21Co10)を用いた場合、エンハンス層の厚みを200
Å程度にし、照射光(レーザビーム)の波長を従来の半
導体レーザーの830nmよりも短い370nm付近にすることに
より極めて大きいカー回転角が得られる。
この実施例においては、S/N比の目安となる性能指数
(カー回転角×反射率)についても極めて大きくするこ
とができる。
(カー回転角×反射率)についても極めて大きくするこ
とができる。
次に、この実施例に係る光熱磁気記録媒体を対向スパ
ッタリング装置で製造する方法について具体的に説明す
る。第5図はこの実施例の光熱磁気記録媒体を製造する
ための対向スパッタリング装置を示す概略構成図であ
る。図示しないチャンバー10内に、二対の対向ターゲッ
トが並設されている(一対のみ図示)。即ち、FeCo合金
(Fe90Co10)とTbとからなる一対の複合ターゲット12及
びZnS焼結体からなる一対のZnSターゲット12′が夫々相
対向するようにして配設されている。なお、ZnS焼結体
ターゲットとしては若干酸素(O)が含まれているもの
を使用する。
ッタリング装置で製造する方法について具体的に説明す
る。第5図はこの実施例の光熱磁気記録媒体を製造する
ための対向スパッタリング装置を示す概略構成図であ
る。図示しないチャンバー10内に、二対の対向ターゲッ
トが並設されている(一対のみ図示)。即ち、FeCo合金
(Fe90Co10)とTbとからなる一対の複合ターゲット12及
びZnS焼結体からなる一対のZnSターゲット12′が夫々相
対向するようにして配設されている。なお、ZnS焼結体
ターゲットとしては若干酸素(O)が含まれているもの
を使用する。
ターゲット12または12′間の上方には、基板11が図示
しない回転支持部材によっていずれの位置にも移動でき
るように、かつ回転可能に支持されている。各ターゲッ
トの裏面側外縁部には、全周に亘ってマグネット14が設
けられており、ターゲット間に磁場Hが存在している。
各ターゲットには交流電源16が接続されており、この電
源16からターゲット12又は12′に電力が投入されるよう
になっている。なお、各ターゲット12の外縁部は円筒状
のターゲットカバー15で覆われている。
しない回転支持部材によっていずれの位置にも移動でき
るように、かつ回転可能に支持されている。各ターゲッ
トの裏面側外縁部には、全周に亘ってマグネット14が設
けられており、ターゲット間に磁場Hが存在している。
各ターゲットには交流電源16が接続されており、この電
源16からターゲット12又は12′に電力が投入されるよう
になっている。なお、各ターゲット12の外縁部は円筒状
のターゲットカバー15で覆われている。
チャンバー10には、ガス導入口17及びガス排出口18が
形成されている。ガス導入口17には、Arガス供給源及び
N2ガス供給源(いずれも図示せず)が接続されており、
これらガス供給源からチャンバー10内にArガスとN2ガス
との混合ガスが供給されるようになっている。また、ガ
ス排出口18には真空ポンプ(図示せず)が接続されてお
り、これを作動させることによりチャンバー内を所定の
ガス圧に調節するようになっている。
形成されている。ガス導入口17には、Arガス供給源及び
N2ガス供給源(いずれも図示せず)が接続されており、
これらガス供給源からチャンバー10内にArガスとN2ガス
との混合ガスが供給されるようになっている。また、ガ
ス排出口18には真空ポンプ(図示せず)が接続されてお
り、これを作動させることによりチャンバー内を所定の
ガス圧に調節するようになっている。
このような装置においては、チャンバー10内にをArガ
スとN2ガスとの混合ガスを導入して、チャンバー10内を
これらの混合ガス雰囲気の所定の減圧状態に保持しつ
つ、各ターゲット12に電力を投入して、リアクティブプ
ラズマ中のスパッタリングを実施する。この際に、マグ
ネット14によりターゲット面に対し垂直に磁場を印加し
ているので、この磁場によりAr+の発生率が高まり、ス
パッタリング速度を上昇させることができる。
スとN2ガスとの混合ガスを導入して、チャンバー10内を
これらの混合ガス雰囲気の所定の減圧状態に保持しつ
つ、各ターゲット12に電力を投入して、リアクティブプ
ラズマ中のスパッタリングを実施する。この際に、マグ
ネット14によりターゲット面に対し垂直に磁場を印加し
ているので、この磁場によりAr+の発生率が高まり、ス
パッタリング速度を上昇させることができる。
先ず、チャンバー10内をArガス雰囲気にし、複合ター
ゲット12を用いてFeTbCo合金のスパッタリングを行う。
この際に、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子が
プラズマから離隔したガラス基板11上で急冷され、非晶
質のFeTbCo合金(Fe69Tb21Co10)からなる記録層が形成
される。次いで、チャンバー10内をArガスとN2ガスとの
混合ガスに切替えたうえで、回転支持部材を180゜回転
させて、FeTbCo合金がスパッタリング蒸着された基板11
をZnSターゲット12′間の上方に位置させ、しかる後にZ
nSターゲットをスパッタリングする。これにより、記録
層上にエンハンス層が形成される。この際に、スパッタ
リングガス中にN2ガスが含まれているので、Nが薄膜中
に取り込まれる。またターゲット中には若干のOが存在
している。従って、エンハンス層はZn,S,O,及びNで構
成される。なお、基板11は磁場によりプラズマフリーの
状態であるから、基板は室温付近に保持される。
ゲット12を用いてFeTbCo合金のスパッタリングを行う。
この際に、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子が
プラズマから離隔したガラス基板11上で急冷され、非晶
質のFeTbCo合金(Fe69Tb21Co10)からなる記録層が形成
される。次いで、チャンバー10内をArガスとN2ガスとの
混合ガスに切替えたうえで、回転支持部材を180゜回転
させて、FeTbCo合金がスパッタリング蒸着された基板11
をZnSターゲット12′間の上方に位置させ、しかる後にZ
nSターゲットをスパッタリングする。これにより、記録
層上にエンハンス層が形成される。この際に、スパッタ
リングガス中にN2ガスが含まれているので、Nが薄膜中
に取り込まれる。またターゲット中には若干のOが存在
している。従って、エンハンス層はZn,S,O,及びNで構
成される。なお、基板11は磁場によりプラズマフリーの
状態であるから、基板は室温付近に保持される。
なお、この発明に係る光熱磁気記録媒体は以上のよう
な構造に限るものではない。例えば、第2図に示すよう
に、基板1上にZnSONからなるエンハンス層3を形成
し、その上に記録層2を形成することもできる。この場
合には、基板側からレーザビームを照射する。この場合
に、媒体の寿命向上を目的として、SiO、Al2O3、AlN、S
i3N4、Y2O3、ZnS、ZnSO、ZnSON等で形成された保護層4
を設けてもよい。なお、この保護層4をエンハンス層3
と同じ材料系すなわちZnS、ZnSO、ZnSONで構成すること
により、成膜を容易且するとができる。
な構造に限るものではない。例えば、第2図に示すよう
に、基板1上にZnSONからなるエンハンス層3を形成
し、その上に記録層2を形成することもできる。この場
合には、基板側からレーザビームを照射する。この場合
に、媒体の寿命向上を目的として、SiO、Al2O3、AlN、S
i3N4、Y2O3、ZnS、ZnSO、ZnSON等で形成された保護層4
を設けてもよい。なお、この保護層4をエンハンス層3
と同じ材料系すなわちZnS、ZnSO、ZnSONで構成すること
により、成膜を容易且するとができる。
また、光熱磁気記録媒体を第3図のように構成するこ
ともできる。この場合には、記録層2を光が透過する程
度の厚みすなわち200乃至500Åにして記録層2の両側を
エンハンス層3で挟んでいる。このようにすることによ
り、カー効果とファラデー効果とが重畳して一層再生特
性が良好になる。この場合にも外側に保護層4を設ける
ことが好ましい。この例において、レーザビームの照射
は基板側からでも保護層側からでもよいが、基板側から
行なう場合には、保護層4を反射機能を有する膜にする
か、あるいは保護層4の内側に反射層を設け、また保護
層4側から行なう場合には、基板を反射機能を有する部
材にするか、基板1の内側に反射層を設けることが望ま
しい。
ともできる。この場合には、記録層2を光が透過する程
度の厚みすなわち200乃至500Åにして記録層2の両側を
エンハンス層3で挟んでいる。このようにすることによ
り、カー効果とファラデー効果とが重畳して一層再生特
性が良好になる。この場合にも外側に保護層4を設ける
ことが好ましい。この例において、レーザビームの照射
は基板側からでも保護層側からでもよいが、基板側から
行なう場合には、保護層4を反射機能を有する膜にする
か、あるいは保護層4の内側に反射層を設け、また保護
層4側から行なう場合には、基板を反射機能を有する部
材にするか、基板1の内側に反射層を設けることが望ま
しい。
更に、第4図に示すように構成することもできる。こ
こでは、基板1上に記録層2とエンハンス層3とを交互
に複数回積層して光熱磁気記録媒体を構成している。こ
れにより、更に一層大きなカーエンハスメント効果を得
ることができる。この場合にも表面に保護層4を形成す
ることが好ましい。
こでは、基板1上に記録層2とエンハンス層3とを交互
に複数回積層して光熱磁気記録媒体を構成している。こ
れにより、更に一層大きなカーエンハスメント効果を得
ることができる。この場合にも表面に保護層4を形成す
ることが好ましい。
なお、第1図には、保護層4が図示されていないが、
この場合にも保護層を設けることにより媒体寿命を向上
させることができることは勿論である。
この場合にも保護層を設けることにより媒体寿命を向上
させることができることは勿論である。
次に、この発明の特徴部分であるZn,S,O,及びNから
なるエンハンス層(以下、ZnSON膜と記す)について実
験した結果について説明する。
なるエンハンス層(以下、ZnSON膜と記す)について実
験した結果について説明する。
第5図に示した対向ターゲットスパッタリング装置を
用い、ターゲットとしてZnS焼結体(若干のOを含む)
を用いてスパッタリングを行い、薄膜サンプルの作製を
行った。この際に、チャンバー内に供給する混合ガスの
うち、Arガスの量を27cc/分に固定し、N2ガスの流量を
夫々0.3cc/分、1.0cc/分、3.0cc/分、8.0cc/分、20.0cc
/分にした5種類のサンプルを作製した(N2ガス流量の
順に実施例1〜5とする)。なお、比較のため、Arガス
のみでN2ガスを導入せずにスパッタリングして作製した
サンプルも準備した(比較例1とする)。また、スパッ
タリング中のチャンバー内ガス圧は、1.1〜1.5×10-3To
rrとした。スパッタリング中、基板はプラズマから隔て
られているため、基板温度は室温から数度上昇した程度
であった。
用い、ターゲットとしてZnS焼結体(若干のOを含む)
を用いてスパッタリングを行い、薄膜サンプルの作製を
行った。この際に、チャンバー内に供給する混合ガスの
うち、Arガスの量を27cc/分に固定し、N2ガスの流量を
夫々0.3cc/分、1.0cc/分、3.0cc/分、8.0cc/分、20.0cc
/分にした5種類のサンプルを作製した(N2ガス流量の
順に実施例1〜5とする)。なお、比較のため、Arガス
のみでN2ガスを導入せずにスパッタリングして作製した
サンプルも準備した(比較例1とする)。また、スパッ
タリング中のチャンバー内ガス圧は、1.1〜1.5×10-3To
rrとした。スパッタリング中、基板はプラズマから隔て
られているため、基板温度は室温から数度上昇した程度
であった。
なお、以下に示す元素分析、X線回折、屈折率測定に
は、基板が石英ガラスで、膜の堆積速度を3.5乃至4.5nm
/分とし、膜厚を260乃至430nmにしたサンプルを用い、
透過率の測定には、基板がパイレックス無アルカリガラ
スで、膜の堆積速度を0.4nm/分以下とし、膜厚を18乃至
40nmにしたサンプルを用いた。
は、基板が石英ガラスで、膜の堆積速度を3.5乃至4.5nm
/分とし、膜厚を260乃至430nmにしたサンプルを用い、
透過率の測定には、基板がパイレックス無アルカリガラ
スで、膜の堆積速度を0.4nm/分以下とし、膜厚を18乃至
40nmにしたサンプルを用いた。
これらサンプルのうち実施例1、3、5および比較例
1をエスカ(ESCA;Electrum Spectroscopy for Chemica
l Analysis)によって組成分析した結果、第1表のよう
な結果が得られた。なお、参考のため、ZnS標準試料の
分析値も記載した。
1をエスカ(ESCA;Electrum Spectroscopy for Chemica
l Analysis)によって組成分析した結果、第1表のよう
な結果が得られた。なお、参考のため、ZnS標準試料の
分析値も記載した。
第1表中、trとあるのは、エスカにより検出されなか
ったことを示す。この表に示すように、N2ガス流量が多
いほど薄膜中のN量が増加し、かつZnに対するSの組成
比(S/Zn)が減少しており、N2ガス流量が20cc/分にお
いて、N含有量が9.4原子%、S/Znが0.66となった。ま
た、いずれの薄膜も7乃至8原子%のOが含まれてい
る。なお、ZnSの標準試料にも不純物としてOが含まれ
ていることが確認された。
ったことを示す。この表に示すように、N2ガス流量が多
いほど薄膜中のN量が増加し、かつZnに対するSの組成
比(S/Zn)が減少しており、N2ガス流量が20cc/分にお
いて、N含有量が9.4原子%、S/Znが0.66となった。ま
た、いずれの薄膜も7乃至8原子%のOが含まれてい
る。なお、ZnSの標準試料にも不純物としてOが含まれ
ていることが確認された。
第6図(a)乃至(f)は、上述のようにN2ガス流量
を変化させて薄膜を形成した各サンプルをX線回折パタ
ーンを示す図である。なお、回折角20゜付近の大きなピ
ークは基板に基づくものである。N2ガス流量が0〜0.3c
c/分の(a),(b)では、回折角27゜付近に六方晶の
回折ピークが確認され、また、夫々回折角29゜、47.5
゜、56.5゜の付近に、六方晶又は立方晶の回折ピークが
確認された。従って、薄膜には六方晶又は六方晶と立方
晶との混晶からなる多結晶体が存在していることがわか
る。また、N2ガス流量が1.0cc/分の(c)においても回
折角47.5゜付近に大きな回折ピークが確認され、薄膜に
多結晶体が存在していることがわかる。このピークは立
方晶の(220)面又は六方晶の(110)面と考えられる結
晶面が優先配向していることを示すもの推測される。
を変化させて薄膜を形成した各サンプルをX線回折パタ
ーンを示す図である。なお、回折角20゜付近の大きなピ
ークは基板に基づくものである。N2ガス流量が0〜0.3c
c/分の(a),(b)では、回折角27゜付近に六方晶の
回折ピークが確認され、また、夫々回折角29゜、47.5
゜、56.5゜の付近に、六方晶又は立方晶の回折ピークが
確認された。従って、薄膜には六方晶又は六方晶と立方
晶との混晶からなる多結晶体が存在していることがわか
る。また、N2ガス流量が1.0cc/分の(c)においても回
折角47.5゜付近に大きな回折ピークが確認され、薄膜に
多結晶体が存在していることがわかる。このピークは立
方晶の(220)面又は六方晶の(110)面と考えられる結
晶面が優先配向していることを示すもの推測される。
これに対し、N2ガス流量が3.0〜20.0cc/分の(d)乃
至(f)では、基板に基づく回折ピーク以外は回折ピー
クが確認されず、薄膜がアモルファス状態であることが
わかる。すなわち、スパッタリングの際のN2ガス流量に
より、薄膜が結晶とアモルファスとの間で変化し得るこ
とが確認された。これらX線回折パターンと上記薄膜組
成とから、N含有量が多く、かつS/Znが1より小さけれ
ばアモルファス化する傾向にあることが確認された。
至(f)では、基板に基づく回折ピーク以外は回折ピー
クが確認されず、薄膜がアモルファス状態であることが
わかる。すなわち、スパッタリングの際のN2ガス流量に
より、薄膜が結晶とアモルファスとの間で変化し得るこ
とが確認された。これらX線回折パターンと上記薄膜組
成とから、N含有量が多く、かつS/Znが1より小さけれ
ばアモルファス化する傾向にあることが確認された。
第7図は、薄膜形成時のN2ガス流量と薄膜の照射光の
波長633nmの際の屈折率との関係を示す図である。この
図に示すように、いずれのサンプルにおいても比較的屈
折率が高く、N2ガス流量が0.3cc/分及び1.0cc/分のサン
プルは、従来の高透過率材料で屈折率が最大のダイヤモ
ンドの屈折率n=2.41(λ=633nm)よりも大きい屈折
率を示すことが確認された。特に、N2ガス流量0.3cc/分
において、2.55という極めて大きな屈折率が得られた。
波長633nmの際の屈折率との関係を示す図である。この
図に示すように、いずれのサンプルにおいても比較的屈
折率が高く、N2ガス流量が0.3cc/分及び1.0cc/分のサン
プルは、従来の高透過率材料で屈折率が最大のダイヤモ
ンドの屈折率n=2.41(λ=633nm)よりも大きい屈折
率を示すことが確認された。特に、N2ガス流量0.3cc/分
において、2.55という極めて大きな屈折率が得られた。
第8図は、照射光の波長と透過率との関係を、薄膜形
成時のN2ガス流量毎に示す図である。この図に示すよう
に、いずれのサンプルも可視光領域の波長である500nm
付近から短波長になるにつれて透過率が低下する傾向に
あるが、N2ガスの流量が多いサンプルほど、透過率が高
く、かつ吸収端が短波長側へシフトし、高透過率を示す
波長領域が短波長側に拡大していることが認められた。
すなわち、N2ガス流量が増加するに従って、透過率、特
に短波長側の透過率が高くなることが確認された。
成時のN2ガス流量毎に示す図である。この図に示すよう
に、いずれのサンプルも可視光領域の波長である500nm
付近から短波長になるにつれて透過率が低下する傾向に
あるが、N2ガスの流量が多いサンプルほど、透過率が高
く、かつ吸収端が短波長側へシフトし、高透過率を示す
波長領域が短波長側に拡大していることが認められた。
すなわち、N2ガス流量が増加するに従って、透過率、特
に短波長側の透過率が高くなることが確認された。
次に、スパッタリングにより作製した薄膜にアニール
処理を施した結果について説明する。アニールは乾燥大
気雰囲気中150℃の条件で最長440時間行った。そして、
このアニール処理を施したサンプルの透過率を測定し
た。
処理を施した結果について説明する。アニールは乾燥大
気雰囲気中150℃の条件で最長440時間行った。そして、
このアニール処理を施したサンプルの透過率を測定し
た。
その結果、N2ガスを供給しない比較例のサンプルはア
ニール処理をしてもほとんど透過率の変化は確認されな
かった。また、N2ガスを供給した実施例のサンプルで
も、N2ガス流量が1cc/分までのサンプルについては、透
過率の向上はがわずかであった。
ニール処理をしてもほとんど透過率の変化は確認されな
かった。また、N2ガスを供給した実施例のサンプルで
も、N2ガス流量が1cc/分までのサンプルについては、透
過率の向上はがわずかであった。
N2ガス流量が3cc/分のサンプルについては、第9図に
示すように、照射光波長470乃至250nmの短波長側ではっ
きりとした透過率の向上がみられた。また、N2ガス流量
が8cc/分のサンプルについては、第10図に示すように、
同様の短波長側で、更に著しい透過率の向上が確認さ
れ、その効果は130時間アニールのものよりも、440時間
アニールのもののほうが大きいことが認められた。更
に、N2ガス流量が20cc/分のサンプルについては、第11
図に示すように、一層透過率が向上し、特に440時間ア
ニールのものは波長300nm程度の紫外領域においても90
%以上という高い透過率が得られた。なお、図示してい
ないが、アニールによる透過率の変化は、アニール時間
300時間までは大きいが、それ以降440時間までは少な
く、約300時間で飽和することが認められた。
示すように、照射光波長470乃至250nmの短波長側ではっ
きりとした透過率の向上がみられた。また、N2ガス流量
が8cc/分のサンプルについては、第10図に示すように、
同様の短波長側で、更に著しい透過率の向上が確認さ
れ、その効果は130時間アニールのものよりも、440時間
アニールのもののほうが大きいことが認められた。更
に、N2ガス流量が20cc/分のサンプルについては、第11
図に示すように、一層透過率が向上し、特に440時間ア
ニールのものは波長300nm程度の紫外領域においても90
%以上という高い透過率が得られた。なお、図示してい
ないが、アニールによる透過率の変化は、アニール時間
300時間までは大きいが、それ以降440時間までは少な
く、約300時間で飽和することが認められた。
第12図は、各N2ガス流量のサンプルにおける照射光波
長によるアニールの効果を示す図である。なお、縦軸の
ΔTは、440時間アニール後のサンプルの透過率から、
未アニール処理のサンプルの透過率を引いた値を示す。
長によるアニールの効果を示す図である。なお、縦軸の
ΔTは、440時間アニール後のサンプルの透過率から、
未アニール処理のサンプルの透過率を引いた値を示す。
この図に示すように、N2ガス流量が3cc/分以上のサン
プルはアニールによる透過率向上が認められ、特に波長
350乃至200nmという短波長の紫外領域で透過率向上の効
果が大きく、かつその透過率が向上する量はN2流量が大
になるほど大きいことが確認された。
プルはアニールによる透過率向上が認められ、特に波長
350乃至200nmという短波長の紫外領域で透過率向上の効
果が大きく、かつその透過率が向上する量はN2流量が大
になるほど大きいことが確認された。
このように、Zn,S,O,及びNからなる層は光熱磁気記
録媒体のエンハンス層として有効なことが確認された。
録媒体のエンハンス層として有効なことが確認された。
[発明の効果] この発明によれば、高透過率及び高屈折率を示すZn,
S,O,及びNからなる材料でエンハンス層を構成したの
で、記録層の材料に応じてその厚みと照射光の波長を調
節することによりカー回転角をエンハンスする効果を著
しく大きくすることができ、また、性能指数(カー回転
角×反射率)を大きくすることもできる。従って、極め
て良好な再生特性を得ることができる。特に、短波長側
で従来のエンハンス層より透過率が向上するので、記録
用のレーザビームを短波長化することができ、記録密度
を高くすることができる。更に、Zn,S,O,及びNからな
るエンハンス層がアニール処理されたものであれば、短
波長側での透過率を一層高くすることができる。
S,O,及びNからなる材料でエンハンス層を構成したの
で、記録層の材料に応じてその厚みと照射光の波長を調
節することによりカー回転角をエンハンスする効果を著
しく大きくすることができ、また、性能指数(カー回転
角×反射率)を大きくすることもできる。従って、極め
て良好な再生特性を得ることができる。特に、短波長側
で従来のエンハンス層より透過率が向上するので、記録
用のレーザビームを短波長化することができ、記録密度
を高くすることができる。更に、Zn,S,O,及びNからな
るエンハンス層がアニール処理されたものであれば、短
波長側での透過率を一層高くすることができる。
第1図乃至第4図はこの発明の実施例に係る光熱磁気記
録媒体を示す断面図、第5図はこの発明に係る光熱磁気
記録媒体を製造するための対向スパッタリング装置を示
す概略構成図、第6図はスパッタリングの際に供給する
N2ガス流量を種々変化させた際のZnSON薄膜サンプルの
X線回折図、第7図はZnSON薄膜サンプルのスパッタリ
ングの際に供給するN2ガス流量と屈折率との関係を示す
図、第8図はZnSON薄膜サンプルのスパッタリングの際
に供給するN2ガス流量種々変化させた際の照射光波長と
薄膜の透過率との関係を示す図、第9図乃至第11図はZn
SON薄膜サンプルのスパッタリングの際のN2ガス流量を
特定の値にした場合のアニールの透過率に及ぼす影響を
示す図、第12図はZnSON薄膜サンプルの照射光波長によ
る透過率変化を示す図である。 1;基板、2;記録層、3;ZnSON層、4;保護層。
録媒体を示す断面図、第5図はこの発明に係る光熱磁気
記録媒体を製造するための対向スパッタリング装置を示
す概略構成図、第6図はスパッタリングの際に供給する
N2ガス流量を種々変化させた際のZnSON薄膜サンプルの
X線回折図、第7図はZnSON薄膜サンプルのスパッタリ
ングの際に供給するN2ガス流量と屈折率との関係を示す
図、第8図はZnSON薄膜サンプルのスパッタリングの際
に供給するN2ガス流量種々変化させた際の照射光波長と
薄膜の透過率との関係を示す図、第9図乃至第11図はZn
SON薄膜サンプルのスパッタリングの際のN2ガス流量を
特定の値にした場合のアニールの透過率に及ぼす影響を
示す図、第12図はZnSON薄膜サンプルの照射光波長によ
る透過率変化を示す図である。 1;基板、2;記録層、3;ZnSON層、4;保護層。
Claims (11)
- 【請求項1】磁性薄膜で形成された記録層と、Zn、S、
O及びNからなるエンハンス層とを有することを特徴と
する光熱磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記記録層は基板上に形成され、前記エン
ハンス膜は記録層の上に形成されていることを特徴とす
る請求項1に記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記エンハンス層は基板上に形成され、前
記記録層はエンハンス層の上に形成されていることを特
徴とする請求項1に記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項4】前記記録層の上に更にエンハンス層が形成
されていることを特徴とする請求項3に記載の光熱磁気
記録媒体。 - 【請求項5】前記記録層と前記エンハンス層とを交互に
積層した多層構造を有することを特徴とする請求項1に
記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項6】前記記録層及び前記エンハンス層は積層さ
れ、このうちの一方は基板上に形成され、前記記録層及
び前記エンハンス層における前記基板に接している面と
反対の面側に表面保護層が形成されていることを特徴と
する請求項1乃至5いずれか1項に記載の光熱磁気記録
媒体。 - 【請求項7】前記記録層を形成する磁性薄膜は、希土類
−遷移金属非晶質合金であることを特徴とする請求項1
乃至6いずれか1項に記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項8】前記希土類−遷移金属非晶質合金はFe−Tb
−Co系合金であることを特徴とする請求項7に記載の光
熱磁気記録媒体。 - 【請求項9】前記基板は、ガラス又は高分子体で形成さ
れていることを特徴とする請求項1乃至8項いずれか1
項に記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項10】前記表面保護層は、透明で且つ屈折率が
前記エンハンス層よりも小さい酸化物、窒化物、弗化
物、又は硫化物で形成されていることを特徴とする請求
項6に記載の光熱磁気記録媒体。 - 【請求項11】前記エンハンス層は、アニールされた薄
膜であることを特徴とする請求項1乃至10項いずれか1
項に記載の光熱磁気記録媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1275735A JP2830192B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | 光熱磁気記録媒体 |
US08/296,872 US5635310A (en) | 1989-10-20 | 1994-08-26 | ZnS dielectric thin film and magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1275735A JP2830192B2 (ja) | 1989-10-23 | 1989-10-23 | 光熱磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03137839A JPH03137839A (ja) | 1991-06-12 |
JP2830192B2 true JP2830192B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=17559659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1275735A Expired - Fee Related JP2830192B2 (ja) | 1989-10-20 | 1989-10-23 | 光熱磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2830192B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02134741A (ja) * | 1988-11-15 | 1990-05-23 | Sekisui Chem Co Ltd | 光情報記録媒体 |
-
1989
- 1989-10-23 JP JP1275735A patent/JP2830192B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03137839A (ja) | 1991-06-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |