JP2828653B2 - 接着性の改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
接着性の改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物Info
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- polyphenylene sulfide
- sulfide resin
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- improved adhesion
- epoxy resin
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、エポキシ樹脂接着剤との接着性を改良した
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものであ
る。
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関するものであ
る。
[従来の技術] ポリフェニレンスルフィド樹脂は、優れた耐熱性、機
械的特性、耐薬品性、寸法安定性を有し、この諸特性を
利用して、電気・電子機器部品及び自動車部品材料とし
て使用されている。その二次加工として接着があげられ
る。特に、エポキシ樹脂による構造材料の接合、あるい
は、電気・電子機器部品の封止においては、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂とエポキシ樹脂との接着性が問題点
となる。しかし、ポリフェニレンスルフィド樹脂の場
合、接着剤によって得られる接合力は比較的小さいこと
が知られている。
械的特性、耐薬品性、寸法安定性を有し、この諸特性を
利用して、電気・電子機器部品及び自動車部品材料とし
て使用されている。その二次加工として接着があげられ
る。特に、エポキシ樹脂による構造材料の接合、あるい
は、電気・電子機器部品の封止においては、ポリフェニ
レンスルフィド樹脂とエポキシ樹脂との接着性が問題点
となる。しかし、ポリフェニレンスルフィド樹脂の場
合、接着剤によって得られる接合力は比較的小さいこと
が知られている。
そこで、表面を機械的にまたは化学的に粗面化し、そ
のアンカー効果によって、接着強度を向上させるという
ことが報告されている。例えば、無水クロム酸と硫酸と
の混合液、フリーデル・クラフツ反応触媒を有機溶媒に
溶解せしめた液(例えば、特開昭63−89544号)、クロ
ロスルホン酸とジクロロエタンとからなる処理剤(例え
ば、特開昭61−118342号)、フィリップス石油社が開発
したフッ酸系エッチング液等による表面処理法が公知で
ある。しかし、これらは、人体に有害な劇薬を使用する
ため、安全衛生上の問題や排水処理などの公害上の問題
がある。また、コロナ放電処理またはプラズマ処理によ
る表面処理法も公知であるが、特殊な設備を必要とする
ため、実用上問題がある。
のアンカー効果によって、接着強度を向上させるという
ことが報告されている。例えば、無水クロム酸と硫酸と
の混合液、フリーデル・クラフツ反応触媒を有機溶媒に
溶解せしめた液(例えば、特開昭63−89544号)、クロ
ロスルホン酸とジクロロエタンとからなる処理剤(例え
ば、特開昭61−118342号)、フィリップス石油社が開発
したフッ酸系エッチング液等による表面処理法が公知で
ある。しかし、これらは、人体に有害な劇薬を使用する
ため、安全衛生上の問題や排水処理などの公害上の問題
がある。また、コロナ放電処理またはプラズマ処理によ
る表面処理法も公知であるが、特殊な設備を必要とする
ため、実用上問題がある。
したがって、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の
組成改良によるエポキシ樹脂接着剤との接着性改良が望
まれている。
組成改良によるエポキシ樹脂接着剤との接着性改良が望
まれている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、エポキシ樹脂接着剤との接着性を改良した
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することに
ある。
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を提供することに
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前記の如き目的を達成するため、鋭意検討
を行なった結果、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物全体に対し
て、0.05〜3重量%のカルナバワックスを含有すること
を特徴とするエポキシ樹脂接着剤との接着性が良好なポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物である。
を行なった結果、本発明に到達した。すなわち、本発明
は、ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物全体に対し
て、0.05〜3重量%のカルナバワックスを含有すること
を特徴とするエポキシ樹脂接着剤との接着性が良好なポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物である。
カルナバワックスは、カルナバヤシの葉及び葉柄から
得られた蝋を精製したもので、ワックス酸とアルコール
のエステル80〜85%、遊離のアルコール10〜12%、遊離
のワックス酸3〜4%、ラクチド2〜3%、炭化水素1.
5〜3%、樹脂分1.5〜3%から成り、その融点は80〜86
℃である。カルナバワックスは熱安定性に優れ、熱重量
分析により、空気中(空気の流速200ml/min.)、昇温速
度10℃/min.の条件で測定した350℃での重量減少率が20
%以下である。
得られた蝋を精製したもので、ワックス酸とアルコール
のエステル80〜85%、遊離のアルコール10〜12%、遊離
のワックス酸3〜4%、ラクチド2〜3%、炭化水素1.
5〜3%、樹脂分1.5〜3%から成り、その融点は80〜86
℃である。カルナバワックスは熱安定性に優れ、熱重量
分析により、空気中(空気の流速200ml/min.)、昇温速
度10℃/min.の条件で測定した350℃での重量減少率が20
%以下である。
また、本発明のエポキシ樹脂接着剤との接着性が良好
なポリフェニレンスルフィド樹脂組成物には、各種の充
填剤が添加できる。繊維状強化剤としては、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウ
ム繊維等を挙げることができる。無機充填剤としては炭
酸カルシウム、タルク、ケイ酸カルシウム、石コウ、カ
オリン、マイカ、酸化チタン、アルミナ、フェライト、
シリカ、炭素等の粉末が使用できる。
なポリフェニレンスルフィド樹脂組成物には、各種の充
填剤が添加できる。繊維状強化剤としては、ガラス繊
維、炭素繊維、金属繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウ
ム繊維等を挙げることができる。無機充填剤としては炭
酸カルシウム、タルク、ケイ酸カルシウム、石コウ、カ
オリン、マイカ、酸化チタン、アルミナ、フェライト、
シリカ、炭素等の粉末が使用できる。
繊維状強化剤及び無機充填剤の含有量は特に限定され
ないが、好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物全体に対してポリフェニレンスルフィド樹脂20〜80重
量%、繊維状強化材20〜80重量%、無機充填剤は50重量
%までである。
ないが、好ましくはポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物全体に対してポリフェニレンスルフィド樹脂20〜80重
量%、繊維状強化材20〜80重量%、無機充填剤は50重量
%までである。
本発明のエポキシ樹脂接着剤との接着性が良好なポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法としては、
従来使用されている加熱溶融方法を用いることができ
る。例えば、V−ブレンダー、ヘンシェルミキサー、な
どの各種ブレンダーで混合した後、ニーダー、ミル、一
軸または二軸の押出機で加熱溶融混合する方法が挙げら
れる。
フェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法としては、
従来使用されている加熱溶融方法を用いることができ
る。例えば、V−ブレンダー、ヘンシェルミキサー、な
どの各種ブレンダーで混合した後、ニーダー、ミル、一
軸または二軸の押出機で加熱溶融混合する方法が挙げら
れる。
さらに、得られた組成物は、射出成形機、押出成形
機、トランスファー成形機、圧縮成形機を用いて成形す
ることができる。
機、トランスファー成形機、圧縮成形機を用いて成形す
ることができる。
[実施例] 実施例1〜4,比較例1〜2 ポリフェニレンスルフィド(PPS,東ソー・サスティー
ル社製GRADE ♯160)とガラス繊維(GF,繊維長3mm)、
無機充填剤、添加剤を第1〜2表に示す割合で混合後、
2軸押出機を用いて310℃で溶融混練し、次いで射出成
形機によって試験片を射出成形した。得られた試験片
は、2液性エポキシ系接着剤で接着、硬化(125℃×1
時間)した後、引張り剪断接着強さ(JIS K6850準拠)
を測定した。また、メルトフローレート(MFR)の測定
は、ASTM D123に準じた。離型性は、円筒状成形体が金
型から離型し得る保持圧力の成形幅で評価した。この値
が大きいほど、離型性が良いことを示す。結果を第1〜
2表に示す。
ル社製GRADE ♯160)とガラス繊維(GF,繊維長3mm)、
無機充填剤、添加剤を第1〜2表に示す割合で混合後、
2軸押出機を用いて310℃で溶融混練し、次いで射出成
形機によって試験片を射出成形した。得られた試験片
は、2液性エポキシ系接着剤で接着、硬化(125℃×1
時間)した後、引張り剪断接着強さ(JIS K6850準拠)
を測定した。また、メルトフローレート(MFR)の測定
は、ASTM D123に準じた。離型性は、円筒状成形体が金
型から離型し得る保持圧力の成形幅で評価した。この値
が大きいほど、離型性が良いことを示す。結果を第1〜
2表に示す。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明のエポキシ樹
脂接着剤との接着性が良好なポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物は、カルナバワックスを含有することによ
り、エポキシ樹脂接着剤との接着性が改良されるのみな
らず、射出成形時における流動性、離型性が向上し、そ
の工業的価値は大きい。
脂接着剤との接着性が良好なポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物は、カルナバワックスを含有することによ
り、エポキシ樹脂接着剤との接着性が改良されるのみな
らず、射出成形時における流動性、離型性が向上し、そ
の工業的価値は大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物全体
に対して、0.05〜3重量%のカルナバワックスを含有す
ることを特徴とするエポキシ樹脂接着剤との接着性が良
好なポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1091854A JP2828653B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 接着性の改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1091854A JP2828653B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 接着性の改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02272063A JPH02272063A (ja) | 1990-11-06 |
JP2828653B2 true JP2828653B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=14038150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1091854A Expired - Fee Related JP2828653B2 (ja) | 1989-04-13 | 1989-04-13 | 接着性の改良されたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2828653B2 (ja) |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5945490A (en) * | 1996-04-02 | 1999-08-31 | Tonen Chemical Corporation | Polyarylene sulfide and a composition thereof |
JP4725050B2 (ja) * | 2004-08-02 | 2011-07-13 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP4802644B2 (ja) * | 2005-08-12 | 2011-10-26 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
JP2007106834A (ja) * | 2005-10-12 | 2007-04-26 | Tosoh Corp | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物 |
JP4929670B2 (ja) * | 2005-10-17 | 2012-05-09 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP4810963B2 (ja) * | 2005-10-17 | 2011-11-09 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP4747918B2 (ja) * | 2005-11-04 | 2011-08-17 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP5114879B2 (ja) * | 2006-07-04 | 2013-01-09 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP4961921B2 (ja) * | 2006-09-14 | 2012-06-27 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
JP4873149B2 (ja) * | 2006-12-08 | 2012-02-08 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド組成物 |
CN104185656B (zh) | 2012-03-23 | 2016-01-20 | Dic株式会社 | 聚亚芳基硫醚树脂组合物以及成型体 |
JP2014093176A (ja) * | 2012-11-02 | 2014-05-19 | Yazaki Corp | オートマチックトランスミッション用コネクタ |
JP6769582B2 (ja) * | 2018-04-25 | 2020-10-14 | Dic株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、成形品、複合成形品及びそれらの製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB8701022D0 (en) * | 1987-01-19 | 1987-02-18 | Beecham Group Plc | Treatment |
-
1989
- 1989-04-13 JP JP1091854A patent/JP2828653B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02272063A (ja) | 1990-11-06 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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