JP2828471B2 - 腫瘍発生予防剤 - Google Patents
腫瘍発生予防剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <技術分野> 本発明は、S−アリルシステインの新規な用途、より
詳細にはS−アリルシステインを有効成分とする腫瘍発
生予防剤、に関する。
詳細にはS−アリルシステインを有効成分とする腫瘍発
生予防剤、に関する。
<先行技術> 癌予防は、癌治療とならび癌制圧において重要な課題
である。特に、良性腫瘍等の病歴を有する人における同
一臓器の癌発生率は、そうでない人に比較して著しく高
いことが知られており、これらのいわゆるハイリスクグ
ループ(high−risk−group)の癌予防は、緊急課題と
なっている。近年、アメリカを中心に癌予防の研究が盛
んに行なわれており、化学物質による癌発生予防(Chem
oprevention)という新たな研究分野が形成されてい
る。腫瘍発生予防剤(Chemopreventive agent)とし
て、ビタミン類(ビタミンA、C、D、E)、ミネラル
類(カルシウム、セレン等)および植物由来の成分等が
研究対象となっている。植物由来の成分の1つとして、
ニンニク由来のイオウ化合物が注目されている。事実、
S.Belman(Carcinogenesis 4:1063−1065,1983)は、7,
12−ジメチルベンズアントラセンによりシニシエーショ
ンをかけた後、フォルボールミリステートアセテートに
よりプロモーションをかけたマウスの皮膚腫瘍の発生
が、種々のイオウ化合物を含むニンニクオイル画分の局
所塗布により抑制されたことを、V.L.Sparninsらは(Nu
trition and Cancer 8:211−215,1986,Carcinogenesis
9:131−134,1988)、ニンニク由来の種々の脂溶性イオ
ウ化合物の前投与によるベンゾ〔a〕ピレン誘発マウス
前胃腫瘍および肺腫瘍の発生の抑制について、報告して
いる。また、M.J.Wargovichらは、ニンニク由来の脂溶
性イオウ化合物の1つであるジアリルスルファイドの前
投与により1,2−ジメチルヒドラジン誘発マウス大腸癌
の発生抑制(Carcinogenesis 8:487−489,1987)および
N−ニトロソメチルベンジルアミン誘発ラット食道腫瘍
の発生抑制(Cancer Research 48:6872−6875,1988)に
ついて報告している。
である。特に、良性腫瘍等の病歴を有する人における同
一臓器の癌発生率は、そうでない人に比較して著しく高
いことが知られており、これらのいわゆるハイリスクグ
ループ(high−risk−group)の癌予防は、緊急課題と
なっている。近年、アメリカを中心に癌予防の研究が盛
んに行なわれており、化学物質による癌発生予防(Chem
oprevention)という新たな研究分野が形成されてい
る。腫瘍発生予防剤(Chemopreventive agent)とし
て、ビタミン類(ビタミンA、C、D、E)、ミネラル
類(カルシウム、セレン等)および植物由来の成分等が
研究対象となっている。植物由来の成分の1つとして、
ニンニク由来のイオウ化合物が注目されている。事実、
S.Belman(Carcinogenesis 4:1063−1065,1983)は、7,
12−ジメチルベンズアントラセンによりシニシエーショ
ンをかけた後、フォルボールミリステートアセテートに
よりプロモーションをかけたマウスの皮膚腫瘍の発生
が、種々のイオウ化合物を含むニンニクオイル画分の局
所塗布により抑制されたことを、V.L.Sparninsらは(Nu
trition and Cancer 8:211−215,1986,Carcinogenesis
9:131−134,1988)、ニンニク由来の種々の脂溶性イオ
ウ化合物の前投与によるベンゾ〔a〕ピレン誘発マウス
前胃腫瘍および肺腫瘍の発生の抑制について、報告して
いる。また、M.J.Wargovichらは、ニンニク由来の脂溶
性イオウ化合物の1つであるジアリルスルファイドの前
投与により1,2−ジメチルヒドラジン誘発マウス大腸癌
の発生抑制(Carcinogenesis 8:487−489,1987)および
N−ニトロソメチルベンジルアミン誘発ラット食道腫瘍
の発生抑制(Cancer Research 48:6872−6875,1988)に
ついて報告している。
一方、ニンニクに由来するイオウ化合物には、脂溶性
化合物に加えて多くの水溶性化合物が存在する。これら
のうち数種類の化合物が、肝障害抑制作用を有すること
は知られている(S.Nakagawa et al.Hiroshima Journal
of Medical Science 34:303−309,1985)。しかしなが
ら、ニンニク由来の水溶性イオウ化合物に腫瘍発生抑制
作用があることは報告されていない。
化合物に加えて多くの水溶性化合物が存在する。これら
のうち数種類の化合物が、肝障害抑制作用を有すること
は知られている(S.Nakagawa et al.Hiroshima Journal
of Medical Science 34:303−309,1985)。しかしなが
ら、ニンニク由来の水溶性イオウ化合物に腫瘍発生抑制
作用があることは報告されていない。
<要旨> 本発明はニンニク中に存在する水溶性イオウ化合物の
新規な用途を提供することを目的とするものであり、本
発明者らは、ニンニク由来の水溶性イオウ化合物につい
て腫瘍発生予防剤としての可能性に関する研究を行なっ
た結果、S−アリルシステインに著明な腫瘍発生予防効
果があることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
新規な用途を提供することを目的とするものであり、本
発明者らは、ニンニク由来の水溶性イオウ化合物につい
て腫瘍発生予防剤としての可能性に関する研究を行なっ
た結果、S−アリルシステインに著明な腫瘍発生予防効
果があることを見出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明による腫瘍発生予防剤は、S−アリ
ルシステインを有効成分とするものである。
ルシステインを有効成分とするものである。
<効果> 本発明は、公知物質であるS−アリルシステインの新
たな用途を提供するものであり、腫瘍発生予防という新
分野で多大な貢献をすることが期待出来る。
たな用途を提供するものであり、腫瘍発生予防という新
分野で多大な貢献をすることが期待出来る。
腫瘍発生予防剤は、その目的のためには長期に渡り継
続的に摂取する必要があるが、本発明による腫瘍発生予
防剤は、後述するように有効成分であるS−アリルシス
テインが極めて毒性が少ないので理想的なものである。
続的に摂取する必要があるが、本発明による腫瘍発生予
防剤は、後述するように有効成分であるS−アリルシス
テインが極めて毒性が少ないので理想的なものである。
S−アリルシステインのこれらの特長的な性質は当業
者にとって思いがけなかったことと解される。
者にとって思いがけなかったことと解される。
本発明による腫瘍発生予防剤は、S−アリルシステイ
ンを有効成分とするものである。
ンを有効成分とするものである。
<S−アリルシステイン> 本発明による腫瘍発生予防剤の有効成分であるS−ア
リルシステイン(以下、有効成分化合物ともいう)は、
下記の化学式で示されるものである。
リルシステイン(以下、有効成分化合物ともいう)は、
下記の化学式で示されるものである。
この化合物は、光学異性体が存在するが、D体、L体
はあるいはラセミ体のいずれであってもよい。
はあるいはラセミ体のいずれであってもよい。
また、この有効成分化合物は酸付加塩または塩基付加
塩の両方を形成することもできる。酸付加塩としては、
たとえば、(イ)塩酸、硫酸などの鉱酸との塩、(ロ)
ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸な
どの有機カルボン酸との塩;(ハ)メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチ
レンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスルホン
酸類との塩を、また、塩基付加塩としては、たとえば、
(イ)ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との
塩、(ロ)カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属との塩、(ハ)アンモニウム塩、(ニ)トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジ
ン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−
ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミン、
N,N′−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機
塩基との塩を挙げることができる。
塩の両方を形成することもできる。酸付加塩としては、
たとえば、(イ)塩酸、硫酸などの鉱酸との塩、(ロ)
ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸な
どの有機カルボン酸との塩;(ハ)メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチ
レンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのスルホン
酸類との塩を、また、塩基付加塩としては、たとえば、
(イ)ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との
塩、(ロ)カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土
類金属との塩、(ハ)アンモニウム塩、(ニ)トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジ
ン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−
ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミン、
N,N′−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機
塩基との塩を挙げることができる。
また、有効成分化合物は未溶媒和型のみならず、水和
物としても存在することができる。従って、本発明にお
ける有効成分化合物S−アリルシステインは、そのすべ
ての結晶型および水和物にも及ぶものである。
物としても存在することができる。従って、本発明にお
ける有効成分化合物S−アリルシステインは、そのすべ
ての結晶型および水和物にも及ぶものである。
S−アリルシステインは、ニンニクから抽出すること
によって得るか、化学合成等によって調製することがで
きる。ニンニクから得る場合は、公知の方法、たとえば
Chem−pharm.Bull.,9,251(1961)に記載の方法によっ
て得ることができる。化学合成の一般的な方法および
D、L光学異性体の分離方法については、一般的書物、
たとえば「化学大辞典」(共立出版発行)を参照するこ
とができる。
によって得るか、化学合成等によって調製することがで
きる。ニンニクから得る場合は、公知の方法、たとえば
Chem−pharm.Bull.,9,251(1961)に記載の方法によっ
て得ることができる。化学合成の一般的な方法および
D、L光学異性体の分離方法については、一般的書物、
たとえば「化学大辞典」(共立出版発行)を参照するこ
とができる。
<S−アリルシステインの用途/腫瘍発生予防剤> 本発明における有効成分化合物S−アリルシステイン
は、下記のように腫瘍発生予防効果を示すと共に非常に
毒性の低いものであり、優れた腫瘍発生予防剤として使
用することができる。
は、下記のように腫瘍発生予防効果を示すと共に非常に
毒性の低いものであり、優れた腫瘍発生予防剤として使
用することができる。
○腫瘍発生予防効果 S−アリルシステインは、後記実験例に示すように、
化学発癌物質により誘発される異常核を有する細胞の発
生を用量依存的に抑制すると共に同物質により誘発され
る腫瘍の発生を抑制するものである。
化学発癌物質により誘発される異常核を有する細胞の発
生を用量依存的に抑制すると共に同物質により誘発され
る腫瘍の発生を抑制するものである。
○毒 性 S−アリルシステインの経口投与によるLD50値は、マ
ウス雄7771mg/kg、雌6000mg/kg以上であり、極めて低毒
性である。
ウス雄7771mg/kg、雌6000mg/kg以上であり、極めて低毒
性である。
○腫瘍発生予防剤 本発明による腫瘍発生予防剤は、S−アリルシステイ
ンを有効成分とするものであり、具体的にはS−アリル
システイン単独で成るかまたは適宜製剤上許容させる賦
形剤、結合剤、希釈剤等と混合して成るものであり、必
要に応じて他の薬剤を調合させても良い。また、本発明
による腫瘍発生予防剤は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤、注射剤などの形態で経口的または非経
口的に投与することが出来る。投与量は、年令、体重等
の条件により適宜増減するが、経口的には成人1日あた
り10mg〜10g、好ましくは100mg〜5g程度である。本発明
腫瘍発生予防剤の投与は、上記1日当りの投与量を1回
で行なうかあるいは任意回数、たとえば数回に分けて行
なうことができる。
ンを有効成分とするものであり、具体的にはS−アリル
システイン単独で成るかまたは適宜製剤上許容させる賦
形剤、結合剤、希釈剤等と混合して成るものであり、必
要に応じて他の薬剤を調合させても良い。また、本発明
による腫瘍発生予防剤は、粉末、顆粒、錠剤、カプセル
剤、シロップ剤、注射剤などの形態で経口的または非経
口的に投与することが出来る。投与量は、年令、体重等
の条件により適宜増減するが、経口的には成人1日あた
り10mg〜10g、好ましくは100mg〜5g程度である。本発明
腫瘍発生予防剤の投与は、上記1日当りの投与量を1回
で行なうかあるいは任意回数、たとえば数回に分けて行
なうことができる。
<実験例> 以下は本発明の実験例を示すものであるが、これによ
って本発明は限定されるものではない。
って本発明は限定されるものではない。
1)薬理試験 (1)発癌物質誘発異常核に対する抑制効果 実験方法: 大腸腫瘍誘発物質1,2−ジメチルヒドラジン投与によ
り、大腸上皮細胞に出現する異常核を有する細胞を指標
として実験を行なった。すなわち、1群5匹の雌C57BL/
6JマウスにS−アリルシステインを0.1N塩酸に溶解した
後、中和して調製した被検体液5、10、20、40mg/ml
(またはS−アリルシステイン水溶液5、10、20、40mg
/ml)を10ml/kgの割合で経口投与してから3時間後に、
1,2−ジメチルヒドラジン20mg/kgを腹腔内投与した。対
照群には、S−アリルシステイン溶媒10ml/kg投与3時
間後、同様に1,2−ジメチルヒドラジンの投与を行なっ
た。1,2−ジメチルヒドラジン投与24時間後に全例を屠
殺して大腸を摘出し、ホルマリン固定後、パラフィン切
片を作成した。パラフィン切片をフォルゲン染色後、顕
微鏡下にて異常核を有する細胞数を計測した。異常核を
有する細胞数は、大腸陰窩当りの個数で示した。
り、大腸上皮細胞に出現する異常核を有する細胞を指標
として実験を行なった。すなわち、1群5匹の雌C57BL/
6JマウスにS−アリルシステインを0.1N塩酸に溶解した
後、中和して調製した被検体液5、10、20、40mg/ml
(またはS−アリルシステイン水溶液5、10、20、40mg
/ml)を10ml/kgの割合で経口投与してから3時間後に、
1,2−ジメチルヒドラジン20mg/kgを腹腔内投与した。対
照群には、S−アリルシステイン溶媒10ml/kg投与3時
間後、同様に1,2−ジメチルヒドラジンの投与を行なっ
た。1,2−ジメチルヒドラジン投与24時間後に全例を屠
殺して大腸を摘出し、ホルマリン固定後、パラフィン切
片を作成した。パラフィン切片をフォルゲン染色後、顕
微鏡下にて異常核を有する細胞数を計測した。異常核を
有する細胞数は、大腸陰窩当りの個数で示した。
結 果: 実験結果は、第1図に示したように、S−アリルシス
テインの投与量に依存して1,2−ジメチルヒドラジンに
よって誘発される異常核を有する細胞の発生抑制が認め
られた。
テインの投与量に依存して1,2−ジメチルヒドラジンに
よって誘発される異常核を有する細胞の発生抑制が認め
られた。
(2)発癌抑制効果 実験方法: 1,2−ジメチルヒドラジンによる誘発される大腸腫瘍
の発生を抑制するか否かを指標に検討を行った。1群30
匹のC1雌マウスに、1,2−ジメチルヒドラジン20mg/kgを
週1回、合計10回腹腔内投与した。S−アリルシステイ
ンを0.1N塩酸に溶解した後、中和して調製した被検液2
0、40mg/mlおよび対照としてこれらの溶媒をそれぞれ10
ml/kgの割合で、1,2−ジメチルヒドラジン投与3時間前
に経口投与した。なお、陰性対照群として1群10匹のマ
ウスに同様に調製したS−アリルシステイン40mg/mlお
よび対照としてその溶媒を10ml/kgの割合で経口投与し
てから3時間後に、1,2−ジメチルヒドラジンの溶解液
のみ10ml/kgを週1回、合計10回腹腔内投与した。
の発生を抑制するか否かを指標に検討を行った。1群30
匹のC1雌マウスに、1,2−ジメチルヒドラジン20mg/kgを
週1回、合計10回腹腔内投与した。S−アリルシステイ
ンを0.1N塩酸に溶解した後、中和して調製した被検液2
0、40mg/mlおよび対照としてこれらの溶媒をそれぞれ10
ml/kgの割合で、1,2−ジメチルヒドラジン投与3時間前
に経口投与した。なお、陰性対照群として1群10匹のマ
ウスに同様に調製したS−アリルシステイン40mg/mlお
よび対照としてその溶媒を10ml/kgの割合で経口投与し
てから3時間後に、1,2−ジメチルヒドラジンの溶解液
のみ10ml/kgを週1回、合計10回腹腔内投与した。
結 果: 下表1に示すように、S−アリルシステイン前投与に
より、1,2−ジメチルヒドラジンにより誘発される大腸
腫瘍の発生が顕著に抑制されることが明らかとなった。
より、1,2−ジメチルヒドラジンにより誘発される大腸
腫瘍の発生が顕著に抑制されることが明らかとなった。
(3)GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)
活性 C57BL/6J雌性マウス(1群5匹)にCySH(システイ
ン)、SAC、SPC(S−プロピルシステイン)およびSAMC
(S−アリルメルカプトシステイン)等の水溶性イオウ
化合物を0.1N塩酸に溶解した後、中和して調製した被検
液20mg/mlおよび対照としてその溶媒を10ml/kgの割合で
経口投与した後、24時間後および48時間後に肝細胞およ
び結腸細胞を摘出し、細胞中のGST活性を測定した。
活性 C57BL/6J雌性マウス(1群5匹)にCySH(システイ
ン)、SAC、SPC(S−プロピルシステイン)およびSAMC
(S−アリルメルカプトシステイン)等の水溶性イオウ
化合物を0.1N塩酸に溶解した後、中和して調製した被検
液20mg/mlおよび対照としてその溶媒を10ml/kgの割合で
経口投与した後、24時間後および48時間後に肝細胞およ
び結腸細胞を摘出し、細胞中のGST活性を測定した。
その結果は下表−2に示した通りである。特にSACは
肝および大腸細胞中のGST活性を有意に高めることよ
り、発癌性物質の解毒効果が期待される。
肝および大腸細胞中のGST活性を有意に高めることよ
り、発癌性物質の解毒効果が期待される。
2)製剤例 製剤例1: 処方 SAC 400g 乳糖(200メッシュ) 2000g デンプン 570g ゼラチン 30g あらかじめ、SACとデンプンを混合し、これにゼラチ
ンを除くほかの配合薬を加えてさらに混合する。別にゼ
ラチン30gに精製水400ml及びエタノール300mlを加え結
合剤とし、これらを常法により顆粒剤とする。
ンを除くほかの配合薬を加えてさらに混合する。別にゼ
ラチン30gに精製水400ml及びエタノール300mlを加え結
合剤とし、これらを常法により顆粒剤とする。
製剤例2: 処方 SAC 150g 乳糖 3000g ステアリン酸 5g 以上をとり、結合剤として5%デンプン糊液を使用
し、湿式法によって顆粒を製した後、打錠して、錠剤10
000個とする。
し、湿式法によって顆粒を製した後、打錠して、錠剤10
000個とする。
第1図はS−アリルシステイン(SAC)前投与による1,2
−ジメチルヒドラジン誘発マウス大腸異常核細胞の発生
抑制効果を示したものである。
−ジメチルヒドラジン誘発マウス大腸異常核細胞の発生
抑制効果を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 31/195 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】S−アリルシステインを有効成分とする腫
瘍発生予防剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26854089A JP2828471B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 腫瘍発生予防剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26854089A JP2828471B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 腫瘍発生予防剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03130223A JPH03130223A (ja) | 1991-06-04 |
JP2828471B2 true JP2828471B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=17459946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26854089A Expired - Lifetime JP2828471B2 (ja) | 1989-10-16 | 1989-10-16 | 腫瘍発生予防剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2828471B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SI22466A (sl) * | 2007-03-14 | 2008-10-31 | Romina Znoj | Kombinacija, ki vsebuje rastlinske ekstrakte, in njena uporaba za zdravljenje različnih oblik raka |
CN101467991B (zh) * | 2007-08-02 | 2012-02-01 | 复旦大学 | 烯丙基半胱氨酸及其类似物在制备治疗心肌损伤药物中的用途 |
KR101188746B1 (ko) * | 2009-09-23 | 2012-10-11 | 주식회사파마킹 | 에스-알릴-엘-시스테인을 유효성분으로 포함하는 위장질환 예방 또는 치료용 조성물 |
JP2020515520A (ja) * | 2017-01-26 | 2020-05-28 | カンバックス バイオテック,エス.エル | 植物原材料から、スルホキシドなしで、有機硫黄化合物s−アルケニル−l−システインおよびs−アルキル−l−システインが富化された抽出物を調製するプロセス、およびそれらの炎症性疾患の処置における使用 |
-
1989
- 1989-10-16 JP JP26854089A patent/JP2828471B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03130223A (ja) | 1991-06-04 |
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