JPH09194361A - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

Info

Publication number
JPH09194361A
JPH09194361A JP717196A JP717196A JPH09194361A JP H09194361 A JPH09194361 A JP H09194361A JP 717196 A JP717196 A JP 717196A JP 717196 A JP717196 A JP 717196A JP H09194361 A JPH09194361 A JP H09194361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cysteine
antitumor agent
methylcysteine
administration
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP717196A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Fukushima
昭治 福島
Nobuyasu Takada
信康 高田
Yoshihisa Yano
善久 矢野
Takaaki Hori
高明 堀
Shuji Hayashi
修次 林
Shuzo Otani
周造 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP717196A priority Critical patent/JPH09194361A/ja
Publication of JPH09194361A publication Critical patent/JPH09194361A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 システイン、S−メチルシステイン又は
それらの塩を有効成分とする抗腫瘍剤。 【効果】 発癌のイニシエーション期及びプロモーショ
ン期に作用し、癌の発生を抑制するととにも、安全性が
高く特に腫瘍発生予防剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌を制圧するには、既に生じてしまった
癌を治療することも重要であるが、発癌を防止し新たな
癌患者の発生及び癌の再発を防止することも重要であ
る。特に、腫瘍等の病歴を有する人における同一臓器の
癌発生率は、そうでない人に比較して著しく高いことが
知られており、これらのいわゆるハイリスクグループ
(high-risk-group)の癌予防は、緊急課題となってい
る。近年、アメリカを中心に癌予防の研究が盛んに行わ
れており、化学物質による癌発生予防(Chemopreventio
n)という新たな研究分野が形成されている。腫瘍発生
予防剤(Chemopreventive agent)として、ビタミン類
(ビタミンA、C、D、E)、ミネラル類(カルシウ
ム、セレン等)及び植物由来の成分等が研究対象となっ
ている。事実、S.Belman(Carcinogenesis 4:1063
−1065,1983)は、7,12−ジメチルベンズ
アントラセンによりイニシエーションをかけた後、フォ
ルボールミリステートアセテートによりプロモーション
をかけたマウスの皮膚腫瘍の発生が、種々のイオウ化合
物を含むニンニクオイル画分の局所塗布により抑制され
たことを、V.L.Sparninsら(Nutrition and Cancer8:
211−215,1986,Carcinogenesis9:131
−134,1988)は、ニンニク由来の種々の脂溶性
イオウ化合物の前投与によるベンゾ〔a〕ピレン誘発マ
ウス前胃腫瘍及び肺腫瘍の発生の抑制について報告して
いる。また、M.J.Wargovichらは、ニンニク由来の脂溶
性イオウ化合物の1つであるジアリルスルファイドの前
投与により1,2−ジメチルヒドラジン誘発マウス大腸
癌の発生抑制(Carcinogenesis8:487−489,1
987)及びN−ニトロソメチルベンジルアミン誘発ラ
ット食道腫瘍の発生抑制(Cancer Research48:68
72−6875,1988)について報告している。
【0003】一方、ニンニクに由来するイオウ化合物に
は、脂溶性化合物に加えて多くの水溶性化合物が存在す
る。H.Sumiyoshiら(Cancer Research50:5084−
5087,1990)はS−アリルシステイン及びS−
アリルメルカプトシステインの前投与による1,2−ジ
メチルヒドラジン誘発マウス大腸癌の発生抑制について
報告しているが、その他の水溶性イオウ化合物の抗腫瘍
作用については報告されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は安全性
の高い食用植物由来の成分の中から新たな抗腫瘍剤を見
出すことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者はニンニ
クに着目し、新たなニンニク由来の水溶性イオウ化合物
についての抗腫瘍作用を検討してきた結果、システイン
及びS−メチルシステインが他のS−アルキルシステイ
ンに比べて優れた抗腫瘍作用を有することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明はシステイン、S−メチ
ルシステイン又はそれらの塩を有効成分とする抗腫瘍剤
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明抗腫瘍剤の有効成分である
システイン及びS−メチルシステインには、光学異性体
が存在するが、D体、L体あるいはラセミ体のいずれで
あってもよい。また、この有効成分化合物は酸付加塩又
は塩基付加塩の両方を形成することができ、本発明にお
いてはこれらを用いることもできる。酸付加塩として
は、たとえば、(イ)塩酸、硫酸などの鉱酸との塩、
(ロ)ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸などの有機カルボン酸との塩、(ハ)メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
メシチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などのス
ルホン酸類との塩を、また、塩基付加塩としては、たと
えば、(イ)ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属
との塩、(ロ)カルシウム、マグネシウムなどのアルカ
リ土類金属との塩、(ハ)アンモニウム塩、(ニ)トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペ
リジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシ
クロヘキシルアミン、プロカイン、ベンジルアミン、N
−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミ
ン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒
素有機塩基との塩を挙げることができる。
【0008】また、システイン、S−メチルシステイン
又はそれらの塩は未溶媒和型のみならず、水和物として
も存在することができる。したがって、本発明抗腫瘍剤
においては、システイン、S−メチルシステイン又はそ
れらの塩は、そのすべての結晶型及び水和物も用いるこ
とができる。
【0009】システイン及びS−メチルシステインは、
ニンニク(Chem.Pharm.Bull.11,135−136(1
963))、インゲンマメの種子(Nature 178,5
93(1956))等の含有成分として公知である。ま
た、S−メチルシステインは公知の方法、例えばシステ
インとハロゲン化メチルの反応により得ることができる
(Phytochemistry24,1593−1594(198
5)等)。
【0010】システイン、S−メチルシステイン又はそ
れらの塩は、後記実施例に示すように優れた抗腫瘍作
用、特に種々の発癌物質により誘発される腫瘍の発生予
防作用を有する。また、S−メチルシステインの腹腔内
投与によるLD50値は、500mg/kgであり、またシス
テインは必須アミノ酸であり、極めて低毒性である。
【0011】本発明抗腫瘍剤は、システイン、S−メチ
ルシステイン又はそれらの塩を有効成分とするものであ
り、具体的にはこれらの有効成分単独で成るか又は適宜
製剤上許容される賦型剤、結合剤、希釈剤等と混合して
成るものであり、必要に応じて他の薬剤を調合させても
良い。また、本発明抗腫瘍剤は、粉末、顆粒、錠剤、カ
プセル剤、シロップ剤、注射剤などの形態で経口的又は
非経口的に投与することができる。投与量は、年齢、体
重等の条件により適宜増減するが、経口的には成人1日
あたり10mg〜10g、好ましくは100mg〜5g程度
である。本発明抗腫瘍剤の投与は、上記1日当たりの投
与量を1回で行うかあるいは任意回数、たとえば数回に
分けて行うことができる。
【0012】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、これによって本発明は限定されるものではな
い。
【0013】実施例1(プロモーション期投与における
肝前癌病変の発生抑制効果) 実験方法:肝発癌物質であるジエチルニトロサミンをイ
ミシエーターとして、中期肝発癌試験法により実験を行
った。すなわち、1群8〜10匹のF344雄性ラット
に、生理食塩水に溶解したジエチルニトロサミン50mg
/mlを4mg/kg体重の割合でイニシエーターとして1回
腹腔内投与し、その2週間後から、生理食塩水に溶解し
た被検体溶液を100mg/kgの用量で週5回、6週間に
わたり経口投与した。対照群には生理食塩水を同様に投
与した。被検体投与開始1週目に肝臓の3分の2を切除
した。ジエチルニトロサミン投与後8週後に動物を屠殺
し、肝臓をアセトン固定後、パラフィン切片を作製し
た。パラフィン切片をグルタチオンS−トランスフェラ
ーゼ胎盤型抗体で染色した後、反応陽性細胞巣の単位面
積当たりの個数及び面積を定量的に測定した。
【0014】結果:図1に示すように、システイン及び
S−メチルシステイン(SMC)はプロモーション期に
おける投与により、ジエチルニトロサミン(DEN)に
よるグルタチオンS−トランスフェラーゼ胎盤型(GS
T−P)陽性細胞巣の発生個数と面積を抑制した。また
同時に試験したS−アリルシステイン(SAC)、S−
プロピルシステイン(SPC)及びS−エチルシステイ
ン(SEC)の効果は、システイン及びS−メチルシス
テインに比べて弱かった。
【0015】また表1に示すように、システイン、S−
メチルシステインをはじめいずれの被検体の投与による
最終体重ならびに相対肝重量に対しては変化はなく、そ
れらの6週間投与による毒性は認められなかった。
【0016】
【表1】
【0017】実施例2(イニシエーション期投与におけ
る肝前癌病変の発生抑制効果) 実験方法:生理食塩水に溶解したジエチルニトロサミン
50mg/mlを4ml/kg体重の割合でラットに1回腹腔内
投与し、その5日前から1日後まで計7回、システイン
又はS−メチルシステインを100mg/kgの用量で経口
投与した。対照群には生理食塩水を同様に投与した。ジ
エチルニトロサミン投与の2週後より2週間プロモータ
ーとして2−アセトアミノフルオレインを0.01%の
割合で混合した飼料による混餌投与し、3週目に肝臓の
3分の2を切除し、5週目に動物を屠殺した。肝臓をア
セトン固定後、パラフィン切片を作製し、パラフィン切
片をグルタチオンS−トランスフェラーゼ胎盤型抗体で
染色した後、反応陽性細胞巣の単位面積当たりの個数及
び面積を定量的に測定した。
【0018】結果:図2に示したように、システイン及
びS−メチルシステイン(SMC)はイニシエーション
期における投与により、ジエチルニトロサミンによるグ
ルタチオンS−トランスフェラーゼ胎盤型(GST−
P)陽性細胞巣の発生個数と面積を抑制した。
【0019】実施例3(ポリアミン代謝に対する抑制作
用) 実験方法:システイン又はS−メチルシステインを1日
1回、3日間経口投与し、3回目の投与直後に3分の2
肝部分切除を行い、その4時間後に屠殺した。肝臓中の
ポリアミン代謝の律速酵素であるオルニチンデカルボキ
シラーゼとスペルミジン・スペルミン−N−アセチルト
ランスフェラーゼの活性を測定した。
【0020】結果:表2に示すように、オルニチンデカ
ルボキシラーゼ活性は対照群の2分の1にまで抑制さ
れ、スペルミジン・スペルミジン−N−アセチルトラン
スフェラーゼの活性も抑制傾向が認められ、システイン
及びS−メチルシステインはポリアミン代謝を抑制する
ことにより、発癌を予防するものと考えられる。
【0021】
【表2】
【0022】製剤例1 処方 S−メチルシステイン 400g 乳糖(200メッシュ) 2000g デンプン 570g ゼラチン 30g あらかじめ、S−メチルシステインとデンプンを混合
し、これにゼラチンを除くほかの配合薬を加えて更に混
合する。別にゼラチン30gに精製水400ml及びエタ
ノール300mlを加え結合剤とし、これらを常法により
顆粒剤とする。
【0023】製剤例2 処方 S−メチルシステイン 150g 乳糖 3000g ステアリン酸 5g 以上をとり、結合剤として5%デンプン糊液を使用し、
湿式法によって顆粒を作製した後、打錠して、錠剤10
000個とする。
【0024】
【発明の効果】本発明の抗腫瘍剤は発癌のイニシエーシ
ョン期及びプロモーション期に作用し、癌の発生を抑制
するとともに、安全性が高く特に腫瘍発生予防剤として
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プロモーション期投与における肝前癌病変の発
生抑制作用を示す図である。
【図2】イニシエーション期投与における肝前癌病変の
発生抑制作用を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 修次 徳島県鳴門市撫養町小桑島字前浜222−1 サンロイヤル鳴門302 (72)発明者 大谷 周造 大阪府豊中市寺内2−6−1−602

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 システイン、S−メチルシステイン又は
    それらの塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
JP717196A 1996-01-19 1996-01-19 抗腫瘍剤 Pending JPH09194361A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP717196A JPH09194361A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 抗腫瘍剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP717196A JPH09194361A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 抗腫瘍剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09194361A true JPH09194361A (ja) 1997-07-29

Family

ID=11658644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP717196A Pending JPH09194361A (ja) 1996-01-19 1996-01-19 抗腫瘍剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09194361A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003053424A1 (en) * 2001-12-11 2003-07-03 2458781 Canada Inc. Use of a cysteine-containing substance to increase the ventilatory activity and erythropoietin production
JP2004512353A (ja) * 2000-10-30 2004-04-22 ライセンティア・リミテッド 唾液、胃、大腸におけるアセトアルデヒドを結合するための方法および製剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004512353A (ja) * 2000-10-30 2004-04-22 ライセンティア・リミテッド 唾液、胃、大腸におけるアセトアルデヒドを結合するための方法および製剤
WO2003053424A1 (en) * 2001-12-11 2003-07-03 2458781 Canada Inc. Use of a cysteine-containing substance to increase the ventilatory activity and erythropoietin production

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5789401A (en) High-dose chromium/biotin treatment of type II diabetes
CA2234954A1 (en) Multiple vitamin supplement composition
JP2010059175A (ja) 6−フルオロウルソデオキシコール酸(6−fudca)を含む結腸腺腫または結腸微小腺腫の処置または進行の遅延用医薬組成物
JP2003526622A5 (ja)
JP3041232B2 (ja) 癌転移抑制剤
AU751431B2 (en) Chromium/biotin treatment of type II diabetes
JPH07116048B2 (ja) パーキンソン症候群の治療用薬剤
JPH09194361A (ja) 抗腫瘍剤
KR100304312B1 (ko) 아연이보충된전립선추출물
JP2828471B2 (ja) 腫瘍発生予防剤
EP2870964A2 (en) Composition for preventing or treating colitis comprising s-allyl-l-cysteine as active ingredient, and medical preparation comprising same
JP2000212080A (ja) 勃起機能不全改善剤
JP3441411B2 (ja) コレステロール低減化ペプチド
KR101962518B1 (ko) 일산화탄소 또는 일산화탄소 공급체를 유효성분으로 함유하는 아세트아미노펜 유도 간 독성 예방 또는 치료용 조성물
US5010107A (en) Method and composition for achieving anticarcinogenic activity
JPS59175425A (ja) 脳卒中予防剤
JP3815736B2 (ja) 腫瘍転移抑制剤
US20190365697A1 (en) Method for Treating Liver Dysfunction
JP3209375B2 (ja) アルコール性肝障害軽減剤
JPH05294833A (ja) ビタミン含有保健剤
JPWO2008136173A1 (ja) スチルベン誘導体を有効成分とする脂肪細胞分化抑制剤
Bravo et al. The effect of sulphamethoxypyridazine on liver and plasma levels of vitamin A in rats.
JP3523248B2 (ja) コレステロール低減化ペプチド
JP2003335665A (ja) 生体内ビタミンcレベル調節用組成物
JPS6050165B2 (ja) 脳卒中の予防剤