JP2828237B2 - アンカー体の造成方法とこれに用いる口元パッカー - Google Patents

アンカー体の造成方法とこれに用いる口元パッカー

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JP2828237B2 JP10808793A JP10808793A JP2828237B2 JP 2828237 B2 JP2828237 B2 JP 2828237B2 JP 10808793 A JP10808793 A JP 10808793A JP 10808793 A JP10808793 A JP 10808793A JP 2828237 B2 JP2828237 B2 JP 2828237B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アースアンカー施工時
の被圧水によるグラウト材の噴出を防止し乍ら地盤中に
アンカー体の造成を行うアンカー体の造成方法と、これ
に用いる口元パッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】擁壁や橋脚の転倒防止、或いはドック床
板の浮力防止や地スベリ防止等の目的で、従来、アース
アンカー工法が広く用いられている。
【0003】このアースアンカー工法は、削孔機に接続
したケーシングで地盤を削孔し、そして、そのケーシン
グ内にアンカー引張材を挿入した後、ケーシングを引き
抜き乍らモルタルやセメントミルク等のグラウト材をア
ンカー孔に加圧注入して地盤中にアンカー体を造成して
いくことにより、構造物と地盤との連結を図るものであ
る。
【0004】而して、従来、削孔機で削孔を行うには、
削孔深さに応じて約1.5メートル程の長さのケーシン
グを順次接続し、又、被圧水のある地盤では、ケーシン
グの先端に止水用ビットを装着して止水を図り乍ら削孔
を行っている。
【0005】そして、アンカー体を造成するには、所望
深さの削孔を終えたケーシングの最後端開口部に加圧用
キャップを装着した後、接続されたケーシングを1本分
引き上げてその引抜孔に例えばセメントミルクを加圧注
入し、そして、当該引抜孔へのセメントミルクの注入の
後、最後端に接続されたケーシングを外し、次のケーシ
ングの後端に加圧用キャップを再び装着して再度ケーシ
ングを1本分毎引き上げては、アンカー孔へのセメント
ミルクの加圧注入を繰り返して地盤中にアンカー体の造
成を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、被圧水のあ
る地盤では、最後端のケーシングの接続を外す度に、セ
メントミルクの加圧注入によって上昇していたケーシン
グ内の圧力が急激に低下するため、注入したセメントミ
ルクがケーシングの後端開口部から被圧水によって勢い
よく噴出してしまう現象が生じていた。そして、この現
象は、アンカー定着部のセメントミルクの濃度を薄める
こととなるため、その解決策が要望されていた。
【0007】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、アースアンカー施工時の被圧水によるグラウト材の
噴出を防止し乍ら地盤中にアンカー体の造成を行うこと
のできるアンカー体の造成方法と、この造成方法に用い
る口元パッカーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係るアンカー体の造成方法は、アンカー
孔削孔深さに応じて順次接続されたケーシング内に、ア
ンカー孔内からの被圧水圧より高い圧力で注入される圧
縮空気で膨張し、又、被圧水圧より高い圧力でアンカー
孔内に加圧注入するグラウト材の注入圧で萎むように成
形された口元パッカーを装着したアンカー引張材を挿入
し、圧縮空気の注入で口元パッカーを膨張させて最後端
のケーシングを当該口元パッカーで閉塞した後、ケーシ
ングの後端開口部に加圧用キャップを取り付け、グラウ
ト材をアンカー孔内に加圧注入してその注入圧で口元パ
ッカーを萎ませ乍ら、口元パッカーとケーシング内周と
の間に形成された隙間にグラウト材を通過させてアンカ
ー定着部にアンカー体を造成し、この注入状態でケーシ
ング全体を引き抜いて口元パッカーを最後端のケーシン
グの次に接続したケーシング内に位置させ、斯かる状態
で最後端のケーシングを外し口元パッカーをその空気圧
で瞬時に膨張させてケーシングを閉塞した後、ケーシン
グの後端開口部に加圧用キャップを取り付け、再びアン
カー孔内にグラウト材を加圧注入して地盤中にアンカー
体を造成していくことを特徴とする。
【0009】そして、請求項2に係る口元パッカーは、
削孔機のケーシングで削孔したアンカー孔内に挿入され
るアンカー引張材の後端部に取り付き、アンカー孔内か
らの被圧水圧より高い圧力で注入される圧縮空気で膨張
してケーシングの内壁に圧接しケーシング内を閉塞する
と共に、被圧水圧より高い圧力でアンカー孔内へ加圧注
入されるグラウト材の注入圧で萎むように成形したもの
である。
【0010】又、請求項3に係る発明は、所定間隔を開
けて対向配置され、ケーシングの内径よりも小径の2枚
の円形端板と、両円形端板の中央を貫通するアンカー引
張材挿入管と、当該アンカー引張材を覆って両円形端板
の外周に架け渡された筒状の軟質製ゴム膜とで口元パッ
カーを形成したものであり、請求項4に係る発明は、口
元パッカーのケーシング後端開口部側に、膨張してケー
シング内を閉塞する口元パッカーの被圧水圧による移動
を防止すると共に、当該口元パッカーとアンカー引張材
の隙間からのグラウト材の流出を防止するシール部材を
有する移動防止手段を、アンカー引張材に取り付けたも
のである。
【0011】
【作用】請求項1に係る本発明方法によれば、口元パッ
カーは、注入された圧縮空気で膨張してケーシング内を
閉塞するが、被圧水圧より高い圧力でアンカー孔内へグ
ラウト材が加圧注入されると、その注入圧で口元パッカ
ーは萎み、口元パッカーとケーシングの内周との間に形
成された隙間をセメントミルクが通過して地盤中のアン
カー定着部にアンカー体が徐々に造成されることとな
る。そして、この注入状態でケーシングを引き抜けば、
注入圧によって口元パッカーは萎んでいるので、ケーシ
ングが容易に引き抜かれる。
【0012】而して、ケーシングを地盤から引き抜い
て、口元パッカーを次のケーシング内に配置させて最後
端のケーシングの接続を外せば、次のケーシング内の口
元パッカーより後方の圧力が急激に低下するので、口元
パッカーはその空気圧で瞬時に膨張して当該ケーシング
の内周に圧接し、アンカー孔内からの被圧水によるグラ
ウト材の噴出を防止することとなる。
【0013】そして、請求項2及び請求項3に係る口元
パッカーによれば、圧縮空気で膨張してケーシングを閉
塞することにより、アンカー孔内からの被圧水によるグ
ラウト材の噴出を防止し、又、アンカー孔内へ加圧注入
されるグラウト材の注入圧で萎んでグラウト材の注入を
可能とする。
【0014】そして、請求項4に係る発明によれば、移
動防止装置がアンカー引張材に取り付けられているの
で、被圧水圧による口元パッカーの移動を防止すること
となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は削孔機による地盤の削孔を終えてアン
カーケーブルが挿入されたケーシングの最後端側の断面
図を示し、図に於て、1はケーシング、3は当該ケーシ
ング1内に挿入されたアンカーケーブルで、ケーシング
1の先端側には、削孔深さに応じた複数のケーシングが
接続されて地盤5に所望深さのアンカー孔7が削孔され
ている。又、アンカーケーブル3は例えば7本のケーブ
ルからなるPC鋼より線であって、その中央の1本のケ
ーブル3aの後端側がケーシング1の後端開口部1a側
に延長され、そして、その延長部分に、アンカー孔7か
らの被圧水によるセメントミルクの噴出を防ぐ本実施例
の口元パッカー9が取り付けられている。
【0016】口元パッカー9は、所定間隔を開けて対向
する2枚の円形端板11,13と、両円形端板11,1
3の中央を貫通する鋼製のアンカーケーブル挿入管1
5、そして、両円形端板11,13の外周に架け渡され
た筒状の軟質製のゴム膜17とによって密閉性を有する
空気室19が形成されており、ケーシング1の後端開口
部1a側に位置する円形端板13には、逆止弁が内蔵さ
れた空気取入パイプ21が空気室19に連通して挿着さ
れている。
【0017】尚、円形端板11,13はケーシング1の
内径よりも小さく成形されており、その中央を貫通する
アンカーケーブル挿入管15内に上記ケーブル3aが挿
入されて、口元パッカー9がアンカーケーブル3に装着
されている。又、アンカーケーブル挿入管15の内径は
ケーブル3aの径よりも若干大きく形成されているた
め、円形端板11にアンカーケーブル3の他のケーブル
3b,3c・・・の各端部が当接して、口元パッカー9
のアンカーケーブル挿入側への移動が規制されている。
【0018】そして、図2に示すように、上記空気取入
パイプ21にエアホース23を接続して空気室19に圧
縮空気を注入すると、口元パッカー9は膨張してゴム膜
17がケーシング1の内周1bに圧接し、その結果、口
元パッカー9によってケーシング1内が閉塞されるよう
になっている。
【0019】而して、上記口元パッカー9はアンカー孔
7からの被圧水によるセメントミルクの噴出を防止する
ものであるから、図2の如く膨張した口元パッカー9は
被圧水圧に抗してケーシング1内を確実に閉塞する必要
がある。そのため、空気室19に注入されて口元パッカ
ー9を膨張させる圧縮空気の空気圧は、被圧水圧よりも
高い圧力に設定されている。
【0020】然し、口元パッカー9が被圧水圧より高い
空気圧で膨張していても、口元パッカー9は被圧水圧で
押されてケーシング1から抜け出る虞がある。此処で、
ケーシング1の内径をr、被圧水の圧力をH、口元パッ
カー9の圧力をP、ケーシング1の内周1bと口元パッ
カー9(ゴム膜17)との接触長さをL、そして、その
摩擦係数をμとすると、H<Pに於て、r/2L・H/
P<μの状態であれば、口元パッカー9は被圧水圧によ
って移動しない。然し、本実施例は、口元パッカー9の
被圧水圧による移動を確実に防止するため、図3の如き
移動防止装置25を口元パッカー9の後部に取り付けて
いる。
【0021】斯かる移動防止装置25は、上記円形端板
13から突出するアンカーケーブル挿入管15の端部1
5aを嵌合する受け部27を一端側に設けた第一スリー
ブ29と、当該第一スリーブ29の他端側を嵌合する受
け部31を一端側に設けた第二スリーブ33と、上記第
一スリーブ29の他端側内周に設けたパッキン挿着孔3
5に圧入される楔形状のゴムリングパッキン37、そし
て、上記第二スリーブ33の他端側内周に設けた楔挿着
孔39に圧入される反力楔41と、上記ゴムリングパッ
キン37の抜止め部材43とで構成されており、第一ス
リーブ29,第二スリーブ33,ゴムリングパッキン3
7,反力楔41,抜止め部材43の中央には、夫々、上
記ケーブル3aが挿通されている。
【0022】そして、図3に示すように、ケーブル3a
を挿通させた第一スリーブ29のパッキン挿着孔35に
ゴムリングパッキン37を圧入し、そして、当該第一ス
リーブ29の受け部27にアンカーケーブル挿入管15
の端部15aを嵌合すると共に、ケーブル3aを挿通さ
せた第二スリーブ33の受け部31に第一スリーブ29
を嵌合させて、ゴムリングパッキン37と共にパッキン
挿着孔35に挿着した抜止め部材43を当該受け部31
に圧接し乍ら楔挿着孔39に反力楔41を圧入すれば、
ゴムリングパッキン37がケーブル3aの外周とパッキ
ン挿着孔35とに圧接して、ケーブル3aとアンカーケ
ーブル挿入管15の隙間45からの被圧水によるセメン
トミルクの流出を防止すると共に、被圧水圧による口元
パッカー9の矢印A方向への移動を反力楔41による反
力で阻止するようになっている。
【0023】一方、上述したように、空気室19に注入
される圧縮空気の空気圧は被圧水圧よりも高く設定され
ているが、圧縮空気の空気圧はアンカー孔7内へ加圧注
入されるセメントミルクの注入圧よりも低く設定されて
いる。即ち、一般にセメントミルクの注入圧は被圧水圧
よりも高いが、本実施例に於ける口元パッカー9の空気
圧は、被圧水圧<空気圧<注入圧の関係に設定されてい
る。
【0024】従って、図4の如くケーシング1の後端開
口部1aに加圧用キャップ47を取り付け、そして、図
示しないが加圧用キャップ47に設けたセメントミルク
注入口から注入ホースを介してセメントミルクをアンカ
ー孔7内に加圧注入すると、その注入圧で口元パッカー
9が萎んでゴム膜17とケーシング1の内周1bとの間
に形成された隙間49をセメントミルクが通過するの
で、アンカー定着部にアンカー体が造成されることとな
る。そして、この注入状態で図5の如くケーシング全体
を引き抜けば、注入圧によって口元パッカー9は萎んで
いるためケーシング1を容易に引き抜くことが可能であ
る。
【0025】そして、図6の如く最後端のケーシング1
を全て地盤5から引き抜くと、口元パッカー9はケーシ
ング1に接続された次のケーシング51内に位置するの
で、斯かる状態でケーシング1の前端開口部1cをケー
シング51の後端開口部51aから外して、ケーシング
1の後端開口部1aに取り付けていた加圧用キャップ4
7を、図7の如くケーシング51の後端開口部51aに
取り付ければよい。
【0026】而して、ケーシング1をケーシング51か
ら外す際に、ケーシング51内の口元パッカー9より後
方の圧力が急激に低下するため、口元パッカー9は瞬時
に膨張してそのゴム膜17がケーシング51の内周51
bに圧接し、ケーシング51内を完全に密閉するように
なっている。
【0027】従って、上述したように、従来、被圧水の
ある地盤でケーシングの接続を外す度に、セメントミル
クの加圧注入によって上昇していたケーシング内の圧力
が急激に低下するため、ケーシングの後端開口部からセ
メントミルクが被圧水により勢いよく噴出してしまう現
象が生じていたが、本実施例に係る口元パッカー9によ
れば、斯様にケーシング51内の圧力の急激な低下に伴
い、当該口元パッカー9が瞬時に膨張してケーシング5
1内を完全に密閉することにより、アンカー孔7内から
の被圧水によるセメントミルクの噴出が防止できるよう
になっている。
【0028】そして、再びケーシング51内にセメント
ミルクを加圧注入して同じ工程を順次繰り返すことで、
地盤7中にアンカー体が造成されることとなる。本実施
例に係る口元パッカー9はこのように構成されており、
次に、当該口元パッカー9を用いた本発明方法の一実施
例を説明する。
【0029】先ず、従来と同様、図1の如く削孔機によ
る地盤5の削孔を終えた段階で、口元パッカー9を取り
付けたアンカーケーブル3をケーシング1内に挿入す
る。そして、図2に示すように空気取入パイプ21にエ
アホース23を接続して空気室19に圧縮空気を注入
し、口元パッカー9を膨張させてケーシング1内を当該
口元パッカー9で閉塞させる。
【0030】次に、図4の如くケーシング1の後端開口
部1aに加圧用キャップ47を取り付け、加圧用キャッ
プ47のセメントミルク注入口から注入ホースを介して
セメントミルクをアンカー孔7内に加圧注入すれば、そ
の注入圧で口元パッカー9が萎み、ゴム膜17とケーシ
ング1の内周1bとの間に形成された隙間49をセメン
トミルクが通過するので、地盤5中のアンカー定着部に
アンカー体が徐々に造成されることとなる。そして、こ
の注入状態で図5の如くケーシング1を引き抜けば、注
入圧によって口元パッカー9は萎んでいるのでケーシン
グ1が容易に引き抜かれる。
【0031】而して、図6の如くケーシング1を全て地
盤5から引き抜くと、口元パッカー9はケーシング1に
接続された次のケーシング51内に位置するので、斯か
る状態でケーシング1をケーシング51から外して、ケ
ーシング1の後端開口部1aに取り付けていた加圧用キ
ャップ47を図7の如くケーシング51の後端開口部5
1aに取り付ければよく、ケーシング1をケーシング5
1から外す際に、ケーシング51内の口元パッカー9よ
り後方の圧力が急激に低下するので、口元パッカー9は
その空気圧で瞬時に膨張してゴム膜17がケーシング5
1の内周51bに圧接し、ケーシング51内を完全に密
閉することとなる。
【0032】そして、この時、空気室19に注入されて
いる圧縮空気の空気圧は被圧水圧よりも高いため、膨張
した口元パッカー9は被圧水の圧力に抗してケーシング
51内を閉塞し続けるので、アンカー孔7内からの被圧
水によるセメントミルクの噴出が当該口元パッカー9に
よって防止されると共に、上記ゴムリングパッキン37
によってケーブル3aとアンカーケーブル挿入管15と
の間の隙間45からのセメントミルクの噴出が防止され
ることとなる。そして、口元パッカー9は、ケーシング
51の内周51bとの摩擦力と上記移動防止装置25の
反力楔41による反力を得てケーシング51から抜け出
ることがない。
【0033】そして、再びケーシング51内にセメント
ミルクを加圧注入した後、これを引き抜き、削孔深さに
応じて接続していたケーシングに対して同じ作業を順次
繰り返すことにより、地盤5中のアンカー定着部にアン
カー体が造成されていくこととなる。
【0034】以上述べたように、本実施例に係る口元パ
ッカーによれば、圧縮空気で膨張してケーシング1,5
1を閉塞することにより、アンカー孔7内からの被圧水
によるグラウト材の噴出を防止すると共に、アンカー孔
7内へ加圧注入されるグラウト材の注入圧で萎んでグラ
ウト材の注入を可能とし、そして、斯かる口元パッカー
9を用いたアンカー体の造成方法によれば、被圧水のあ
る地盤5でケーシング1,51等の接続を外す度に、口
元パッカー9が瞬時に膨張してケーシング51等の内周
51bに圧接してケーシング51内を完全に密閉するの
で、当該口元パッカー9により被圧水によるセメントミ
ルクの噴出が確実に防止でき、その結果、セメントミル
クの噴出によってアンカー定着部のセメントミルクの濃
度が薄まってしまうといった従来の不具合が解決される
こととなった。
【0035】尚、口元パッカー9及び移動防止装置25
は上記実施例の構造に限定されるものではなく、又、口
元パッカー9が単独で被圧水圧に抗してケーシング1,
51内を確実に密閉できるならば移動防止装置25は省
略してもよい。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係るアン
カー体の造成方法によれば、グラウト材の注入を終えて
最後端のケーシングを取り外しても、被圧水によるグラ
ウト材の噴出が口元パッカーで確実に防止でき、因っ
て、被圧水によるグラウト材の噴出によってアンカー定
着部のグラウト材の濃度が薄まってしまうといった従来
の不具合が解決されることとなった。
【0037】そして、請求項2及び請求項3に係る口元
パッカーによれば、アンカー孔内からの被圧水によるグ
ラウト材の噴出を防止すると共に、グラウト材の注入圧
で萎んでグラウト材の注入を可能とすることにより、請
求項1に係るアンカー体の造成方法を確実に実施でき、
又、請求項4に係る発明によれば、被圧水圧による口元
パッカーの移動を確実に防止して口元パッカーによるグ
ラウト材の噴出防止作用を確実に図れる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アンカーケーブルが挿入されたケーシングの最
後端側の断面図である。
【図2】アンカーケーブルに取り付けた口元パッカーを
膨張させた状態を示すケーシングの最後端側の断面図で
ある。
【図3】移動防止装置の拡大断面図である。
【図4】セメントミルクの加圧注入により口元パッカー
が萎んだ状態を示すケーシングの最後端側の断面図であ
る。
【図5】口元パッカーが萎んだ状態でケーシングを引き
抜いている状態を示すケーシングの最後端側の断面図で
ある。
【図6】ケーシングとケーシングの接続部分の断面図で
ある。
【図7】口元パッカーが再膨張した状態を示すケーシン
グの最後端側の断面図である。
【符号の説明】
1,51 ケーシング 3 アンカーケーブル 5 地盤 7 アンカー孔 9 口元パッカー 25 移動防止装置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンカー孔削孔深さに応じて順次接続さ
    れたケーシング内に、アンカー孔内からの被圧水圧より
    高い圧力で注入される圧縮空気で膨張し、又、被圧水圧
    より高い圧力でアンカー孔内に加圧注入するグラウト材
    の注入圧で萎むように成形された口元パッカーを装着し
    たアンカー引張材を挿入し、圧縮空気の注入で口元パッ
    カーを膨張させて最後端のケーシングを当該口元パッカ
    ーで閉塞した後、ケーシングの後端開口部に加圧用キャ
    ップを取り付け、グラウト材をアンカー孔内に加圧注入
    してその注入圧で口元パッカーを萎ませ乍ら、口元パッ
    カーとケーシング内周との間に形成された隙間にグラウ
    ト材を通過させてアンカー定着部にアンカー体を造成
    し、この注入状態でケーシング全体を引き抜いて口元パ
    ッカーを最後端のケーシングの次に接続したケーシング
    内に位置させ、斯かる状態で最後端のケーシングを外し
    口元パッカーをその空気圧で瞬時に膨張させてケーシン
    グを閉塞した後、ケーシングの後端開口部に加圧用キャ
    ップを取り付け、再びアンカー孔内にグラウト材を加圧
    注入して地盤中にアンカー体を造成していくことを特徴
    とするアンカー体の造成方法。
  2. 【請求項2】 削孔機のケーシングで削孔したアンカー
    孔内に挿入されるアンカー引張材の後端部に取り付き、
    アンカー孔内からの被圧水圧より高い圧力で注入される
    圧縮空気で膨張してケーシングの内壁に圧接しケーシン
    グ内を閉塞すると共に、被圧水圧より高い圧力でアンカ
    ー孔内へ加圧注入されるグラウト材の注入圧で萎むよう
    に成形されたことを特徴とする口元パッカー。
  3. 【請求項3】 所定間隔を開けて対向配置され、ケーシ
    ングの内径よりも小径の2枚の円形端板と、両円形端板
    の中央を貫通するアンカー引張材挿入管と、当該アンカ
    ー引張材を覆って両円形端板の外周に架け渡された筒状
    の軟質製ゴム膜とからなることを特徴とする請求項2記
    載の口元パッカー。
  4. 【請求項4】 口元パッカーのケーシング後端開口部側
    には、膨張してケーシング内を閉塞する口元パッカーの
    被圧水圧による移動を防止すると共に、当該口元パッカ
    ーとアンカー引張材の隙間からのグラウト材の流出を防
    止するシール部材を有する移動防止手段が、アンカー引
    張材に取り付けられていることを特徴とする請求項2又
    は請求項3記載の口元パッカー。
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