JP4597398B2 - シースタイプアンカー及びそのグラウト方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シースタイプアンカー及びそのグラウト方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シースタイプアンカーは、コルゲートシース等の被覆管の内部に緊張材及び注入パイプを配置したもので、地中に削孔したアンカー孔内に挿入し、地中部にグラウト等の固化体で定着部を形成し、緊張材に緊張力を与えて構造物等を定着するものである。
従来、定着部を形成する際、注入パイプにより被覆管の内側と外側にグラウト材を注入するに当たって2本の注入パイプを使用し、被覆管の内側と外側に夫々グラウト材を注入していた。
即ち、被覆管の中にはPC鋼より線等の緊張材の他に2本の注入パイプを配置し、2本の注入パイプは内側、外側各々の底部まで延びて開口し、グラウト材を被覆管の内側、外側の底部より上方へ向かって充填するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
<イ>しかしながら、注入パイプは比較的大径であり、被覆管の中にPC鋼より線の他に2本の注入パイプを設けることによってこれが占める断面積の割合が大きく、PC鋼より線のためのスペースを十分に確保できない。
そのため、それだけ被覆管の中に配置するPC鋼より線の本数が少なくなり、同じ引っ張り強度を持たせるためにはより太い被覆管を必要とし、アンカー孔径を更に太くする等シースタイプアンカーが大型化し、コストが高くなる問題があった。
<ロ>上記の問題を解消するため、1本の注入パイプで内部グラウト用と外部グラウト用の双方に兼用するグラウト注入技術がある(特開平9−151454)が、遠隔操作による閉塞操作手段を必要とするもので、施工条件によっては、遠隔操作が困難であったり、閉塞操作手段が円滑に作動しない場合がある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、遠隔操作手段を必要とすることなく1本の注入パイプを用いて複数の箇所へグラウトを注入することが可能なシースタイプアンカー及びそのグラウト方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明のシースタイプアンカーは、被覆管の内部に緊張材と注入パイプを配置したシースタイプアンカーにおいて、前記被覆管は先端を遮蔽する止水板と後端を遮蔽するとともにエア抜き栓を有するグラウトアダプタとを配設し、前記注入パイプは前記グラウトアダプタを貫通して前記被覆管の内部に吐出端を設け、前記止水板はこれを貫通する貫通孔を設け、あるいは更に基端を前記止水板の前記貫通孔に接続して該止水板の先端側に突出させた短尺パイプの周面に開口を穿孔し、前記貫通孔または前記開口には感圧作動する開閉弁または開放手段のいずれかを配設したことを特徴としている。また本発明に係るシースタイプアンカーのグラウト方法は、前記シースタイプアンカーをアンカー孔に挿入し、注入パイプを介して被覆管の内部に内部グラウトを注入して充填した後、エア抜き栓を閉塞し、注入パイプの内圧または注入した内部グラウトの圧力が所定の圧力になると各開口に配設した感圧作動する開閉弁または開放手段が作動して開口し、前記開口を経由して前記被覆管の外部に外部グラウトを注入して充填することで内部グラウトと外部グラウトを分離して充填するようになっている
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
【0007】
【実施例1】
図1、図2、図6を参照しながら、本発明の請求項1に係る一実施の形態を説明する。
【0008】
<イ>全体の構成
シースタイプアンカー1は、被覆管4の内部に緊張材2と注入パイプ3を配置し、被覆管4先端に止水板5を設け、被覆管4後端にグラウトアダプタ7を設けてなる。
被覆管4に配置した注入パイプ3を介してグラウトアダプタ7側からグラウト材を注入して内部グラウト41(被覆管4の内部に注入されるグラウト。以下同じ)を注入し、しかる後、外部グラウト42(被覆管4の外部に注入されるグラウト。以下同じ)を注入するものである。内部グラウト41を充填し、圧力が高まったら被覆管4先端に配置した弾性体からなる開閉弁6が開放され、外部グラウト42を注入していく方式である(図1参照)。
【0009】
<ロ>被覆管
被覆管4は、両周面に波形状の凹凸面を形成した波形管(コルゲートシート)等からなる。被覆管4の先端に止水板5を配設し、後端にグラウトアダプタ7を配設して夫々先端と後端が遮蔽されている。
被覆管4の略中央部または任意の位置に1本の注入パイプ3を配置し、注入パイプ3の周りまたは任意の位置に緊張材2を配置する(図6参照)。
被覆管4は、緊張材2及び注入パイプ3を覆って錆や腐食から保護することができるように、例えば合成樹脂など公知の素材で構成するのが好ましい。
また被覆管4は、後述するように被覆管4の内外にグラウト等を注入・充填して定着部を形成し、これによって緊張材2に作用する緊張力を確実に地盤に伝達することができるようになっている。
【0010】
<ハ>緊張材
緊張材2は、構造物等からの力を引張り力として伝達するもので、PC鋼線、PC鋼線をよったPC鋼より線、PC鋼棒等からなる。実施例では、5本のPC鋼より線を注入パイプ3の周りに同心円上に配置して緊張材2を構成している(図6参照)。
緊張材2の一部には、図示していないが公知の如くアンボンドチューブ等で被覆して自由長部を構成し、アンボンドチューブ等で被覆していない裸線部分が定着長部を構成する。
また、このように構成した緊張材2は、スペーサ(図示せず)等によって整列・保持され、結束バンド(図示せず)等によって束ねられ、束ねられた緊張材2が前記した被覆管4によって全体的に被覆されている。
【0011】
<ニ>注入パイプ
注入パイプ3は、被覆管4の内側と外側にグラウトを注入するためのものである。
グラウトは公知のセメントペースト、セメントモルタル等のセメント系グラウトやレジンモルタル等の合成樹脂系グラウトを使用することができる。
注入パイプ3は止水板5とグラウトアダプタ7との間の周面に第1の開口31を穿孔し、止水板5より前方へ突出した部分の周面に第2の開口32を穿孔している。即ち、第1の開口31は被覆管4の内部に位置し、第2の開口32は被覆管4の外部に位置して1本の注入パイプ3で内部グラウト用と外部グラウト用の双方に兼用している。
1本の注入パイプ3で内部グラウト用と外部グラウト用の双方に兼用するためには、グラウトの流出経路として第1の開口31から、第2の開口32へ切り換える必要がある。この切換手段として本発明では注入パイプ3の内圧(注入パイプ3を流れるグラウトの圧力)が所定の値に達すると、該内圧によって感圧作動して開放する開閉弁6を第2の開口32に取り付けたことが大きな特徴である。
【0012】
開閉弁6は、例えばゴム、高分子材料、布等からなる伸縮性を有する筒状膜体6a等を注入パイプ3の先端付近の外周に第2の開口32を塞ぐように緊張装着して構成する。筒状膜体6aは外側から内側には水や泥等が入ることなく、内側からはグラウトが流出できる構造となっている。
グラウトは先ず手前の第1の開口31から内部グラウト41として注入されつづけ、注入パイプ3の内圧が所定の値、即ち注入パイプ3の内圧が筒状膜体6aの緊張力を上回った値に達すると、該内圧によって筒状膜体6aを膨張拡径させて注入パイプ3との間に隙間をつくり、第2の開口32を開放するものである。
したがって、第1の開口31から内部グラウト41が注入充填されてから、次に第2の開口32から外部グラウト42が注入され始めるのである。
また、注入パイプ3を止水板5の箇所で分割し、開閉弁6(筒状膜体6a)を緊張装着した注入パイプ35を止水板5側から簡単に取り付けることができるようにしてもよい(図2(b)参照)。
また、注入パイプ3先端部にばね61を取り付けたコマ(弁体)60を嵌挿して開閉弁6bを構成してもよい(図2(c)参照)。開閉弁6bは、注入パイプ3の内圧がばね61のばね力を上回ることによって、コマ60がばね61を押し縮めて第2の開口32を開放するものである。
更に注入パイプ3の先端に後述する開放手段(6c、6d、6e)を取り付けてもよい。
【0013】
<ホ>止水板
止水板5は被覆管4の先端に取り付けて先端部の止水処理を行うとともに、被覆管4の内外を区画し、内部グラウト41と外部グラウト42とを分離している。
止水板5の先にエンドキャップ8を嵌め込み、アンカー孔10への挿入を容易にするとともに注入パイプ3先端を保護している。エンドキャップ8の周囲に放出口81を複数開設し、エンドキャップ8の内側が被覆管4の外側(アンカー孔10の内部)へ通じるようになっている。
このため、前述の開閉弁6を開放することによって第2の開口32からグラウトが放出し、更に放出口81から被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入・充填していく。
【0014】
<ヘ>グラウトアダプタ
グラウトアダプタ7にエア抜き栓71を取り付けている。
エア抜き栓71は開閉可能なように、例えばグラウトアダプタ7に設けた雌ねじ70に螺合する切欠き72付きボルト等を用いて構成する。ボルトをねじ込むことによって切欠き72を塞いでエア抜き栓71を閉塞し、ボルトをねじ戻すことによって切欠き72を開放して被覆管5内のエアが抜けるようになっている。
グラウトアダプタ7と注入パイプ3との隙間にはシール部材73を取り付けている。
内部グラウト41の充填状況はエア抜き栓71からエアが抜け、更にグラウトが流出することによって確認することができる。グラウトの流出を確認したらエア抜き栓71を閉塞するものである。
【0015】
<ト>作用
本発明では、注入パイプ3の内圧が所定の値に達することにより開放する開閉弁(6a、6b)または開放手段(6c、6d、6e)を設けているので、1本の注入パイプ3を被覆管4内に配置することができ、被覆管4の断面積中での注入パイプ3の占める割合を抑制することができる。
したがって同数の緊張材(PC鋼より線)2を配設する場合は、被覆管4を小径化を可能にしてコストを低減することができ、同径の被覆管4を使用する場合は、PC鋼より線2の本数を増やしてより大きな荷重に耐えることができる。
【0016】
次にグラウト方法について説明する。
<イ>アンカー孔の削孔
削孔機によって所定寸法のアンカー孔10を削孔する。
アンカー孔10の削孔に際しては、設計図書等に示された位置、削孔径、長さ、方向を満足し、かつ直線性を保つように配慮して行う。
【0017】
<ロ>シースタイプアンカーの設置(図1)
シースタイプアンカー1を先端のエンドキャップ8が孔奥に位置するように、エンドキャップ8を先にしてアンカー孔10内に挿入して設置する。
【0018】
<ハ>内部グラウトの注入
グラウトアダプタ7のエア抜き栓71を緩めて(ボルトをねじ戻して切欠き72を開放)被覆管5内のエアが抜けるようにしておく。
注入パイプ3の口元に注入ホース(図示せず)を接続し、ポンプ(図示せず)により注入パイプ3を介してグラウトを圧送する。注入パイプ3内を圧送されていくグラウトは、開閉弁6に遮られて先ず第1の開口31から放出され、被覆管4の内部に注入される。
このようにして内部グラウト41の注入を孔奥から順次地表に向けて行い、内部グラウト41を充填していく。
エア抜き栓71からエアが抜け、更に内部グラウト41が流出したらエア抜き栓71を閉塞する(ボルトをねじ込んで切欠き72を塞ぐ)。
【0019】
<ニ>外部グラウトの注入
エア抜き栓71を閉塞したままで、更にグラウトを圧送すると注入パイプ3の内圧が筒状膜体6aの緊張力を上回った値に達すると、該内圧によって筒状膜体6aを膨張拡径させて注入パイプ3との間に隙間をつくり、第2の開口32を開放する。
これによって筒状膜体6aで覆った第2の開口32からグラウトが放出され、更に放出口81から放出されて被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入する。
即ち、内部グラウト41が充填されてから第2の開口32を開放し、被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入・充填することで内部グラウト41と外部グラウト42を分離して充填する。
【0020】
ばね61を取り付けたコマ(弁体)60を嵌挿して構成した開閉弁6b(図2(c)参照)の場合も、注入パイプ3の内圧がばね61のばね力を上回ることによってコマ60がばね61を押し縮めて第2の開口32を開放するので、グラウトが放出口81から放出され、被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入することができる。
このようにして外部グラウト42の注入を孔奥から順次地表に向けて行い、外部グラウト42を充填していく。そして、シースタイプアンカー1とアンカー孔10の間隙が地表部に開口しているので、アンカー孔10からグラウトが流出したら外部グラウト42の充填が完了する。
【0021】
なお、内部グラウト41は固化するまで流動性を有するので、第1の開口31から注入パイプ3内に引き込まれることがないように例えば筒状膜体6aより更に伸縮性の富んだ柔らかい膜34で第1の開口31を被覆することができる(図2(a)参照)。この構造でもグラウト注入開始後、当初は第1の開口31からグラウトが注入され、その後遅れて第2の開口32から被覆管4の外部へグラウトが注入される。
また上記のように膜34で第1の開口31を被覆した場合、万一注入完了後に地盤にグラウトが浸透して無くなったとしても、被覆管4内側の内部グラウト41のみは膜34により被覆管4の外部へ漏れ出るのを防ぐことができる。
したがって被覆管4外側の外部グラウト42の追加注入だけで済ませることができる。
【0022】
次に他の実施形態について説明する。前述した部材と同じ機能を有するものは同じ符号を付した。
【0023】
【実施例2】
<イ>全体の構成
図3及び図4に基づいて請求項2に係るシースタイプアンカー1を説明する。
シースタイプアンカー1は、コルゲートシース等の被覆管4の内部に多数の緊張材2を配置し、被覆管4先端に止水板5を設け、被覆管4後端にグラウトアダプタ7を設けてなる。
止水板5はこれを貫通する貫通孔51を設け、グラウトアダプタ7に注入パイプ3を取り付ける。注入パイプ3はグラウトアダプタ7を貫通して被覆管4の内部に吐出端30を設け、被覆管4内部を注入パイプ3が貫通しない構造である。
【0024】
<ロ>短尺パイプを使用する場合
短尺パイプ36を使用する場合を図3(a)に基づき説明する。
感圧作動する開閉弁6を設けた短尺パイプ36を、該開閉弁6が被覆管4の外側に位置するようにして止水板5の貫通孔51に接続する。
開閉弁6は伸縮性を有する筒状膜体6a等で形成し、短尺パイプ36の周面に開設した開口32aを塞ぐように緊張装着して構成する。
短尺パイプ36の内圧が所定の値に達すると該内圧によって筒状膜体6aは感圧作動して開放する。
即ち、グラウトは先ず注入パイプ3の吐出端30から内部グラウト41として注入・充填され、更に短尺パイプ36の内圧が筒状膜体6aの緊張力を上回った値に達すると該内圧によって筒状膜体6aが膨張拡径し、短尺パイプ36との間に隙間をつくり、開口32aを開放するものである。
【0025】
<ハ>短尺パイプを使用しない場合
次に止水板5の貫通孔51に感圧作動する開閉弁または開放手段のいずれかを配設する場合を図3(b)、図3(c)及び図4に基づき説明する。
止水板5の貫通孔51を直接塞ぐように感圧作動する開放手段6cを取り付けてもよい(図3(b)参照)。即ち、貫通孔51の周囲に弁座62を取り付け、高分子材料等の弾力性を有する材料で構成した膜体63を、その一端を弁座62に固定して、該一端をヒンジとしてエンドキャップ8側へ感圧して開くように形成している。
開放手段6cは内部グラウト圧が一定圧以上になると、内部グラウト41が膜体63を押し開けて貫通孔51からグラウトが放出し、更に放出口81から被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入・充填していくものである。
【0026】
また、貫通孔51にゴム等の弾力性を有する材料で構成した気密性の袋64を硬い箱65の中に配置し、袋64と外部とを細いチューブ66で繋ぎ、エアまたは水を注入するようにして開閉弁6dを取り付けてもよい(図3(c)参照)。グラウトの注入前に袋64にエアまたは水を十分に入れて袋64で貫通孔51を塞いでおく。
グラウトが注入パイプ3の吐出端30から内部グラウト41として注入・充填され、内部グラウト41の充填終了後、外部からの操作で袋64内のエアまたは水を排出して袋64を収縮させることによって、貫通孔51からグラウトがエンドキャップ8内に流出し、更に放出口81から被覆管4の外側へ外部グラウト42として注入・充填していくものである。この場合、内部グラウト圧によって袋64を感圧収縮させるようにしてもよい。
【0027】
止水板5の貫通孔51に感圧作動する開放手段6eを直接取り付け、注入パイプ3の吐出端30が貫通孔51の近傍に位置するように構成してもよい(図4参照)。
図4の開放手段6eは、ゴム等の弾力性を有する材料からなる止栓67を支持板68の孔69に離脱可能に嵌め込んで構成する。このように構成した開放手段6eを被覆管4の外側に位置するように、かつ貫通孔51を塞ぐように止水板5に取り付ける。
これにより、内部グラウト圧によって止栓67を孔69から離脱して開放手段6eを開放することができる。更に注入パイプ3が被覆管4の内部に長く延びているので、グラウトを速やかに送り込むことができる。
【0028】
<ニ>グラウト方法
削孔機によって所定寸法のアンカー孔10を削孔し、シースタイプアンカー1をアンカー孔10内に挿入して設置する。
エア抜き栓71を緩めて被覆管4内のエアが抜けるようにしておく。
ポンプ(図示せず)により注入パイプ3の吐出端30からグラウトを被覆管4の内部に内部グラウト41として注入する。内部グラウト41は孔奥から順次地表に向けて充填していく。
エア抜き栓71からエアが抜け、更に内部グラウト41が流出したらエア抜き栓71を閉塞する。
これによって内部グラウト圧が所定圧に高まり、感圧作動する開閉弁(6a、6b)または開放手段(6c、6d、6e)を開放し、貫通孔51または開口32aからグラウトが放出され、更に放出口81から放出されて被覆管4の外側へ外部グラウト42を注入する。
アンカー孔10からグラウトが流出したら外部グラウト42の充填が完了する。
【0029】
本実施例2では、被覆管4内を注入パイプ3が貫通していないので、被覆管4の断面積を有効に緊張材2を配設することができる。
したがって同数の緊張材2を配設する場合は、被覆管4をより小径化してコストを低減することができ、同径の被覆管4を使用する場合は、緊張材2の本数を増やしてより大きな荷重に耐えることができる。
【0030】
【実施例3】
<イ>全体の構成
図5に基づいて請求項3に係るシースタイプアンカー1を説明する。
シースタイプアンカー1は、コルゲートシース等の被覆管4の内部に緊張材2と注入パイプ3を配置し、被覆管4先端に止水板5を設けてなる。
注入パイプ3を弾力性に富んだ可撓性パイプで形成し、止水板5の第1の貫通孔51を貫通してU字形状に曲げて再び止水板5の第2の貫通孔52を貫通して先端開口33を被覆管4内部に向けている。
また注入パイプ3は、止水板5の第1の貫通孔51を貫通してU字形状に曲げて再び止水板5の第2の貫通孔52を貫通する部分を可撓性を有する材料で形成してもよい。
なお、図5ではU字状に曲げた注入パイプ3と止水板5との間に反力体37を圧縮して配設している。このように構成した場合は、注入パイプ3の先端を止水板5の第2の貫通孔52から引き抜く際に注入パイプ3がより反転し易くなる効果がある。
内部グラウト41を充填した後、注入パイプ3の先端を止水板5の第2の貫通孔52から引き抜いて先端開口33を被覆管4の外部に向けて外部グラウト42を注入・充填していくものである。なお、引き抜きの操作はアンカー孔10の外部から人力等で行う。
本実施例3では、先端開口33が実施例1及び実施例2における第1の開口31と第2の開口32を兼ねるものである。
【0031】
<ロ>逆止弁
注入パイプ3の先端が止水板5の第2の貫通孔52から引き抜かれたとき、内部グラウト41が止水板5の第2の貫通孔52から流出することがないように、ゴム状等からなる開閉自在の逆止弁9を止水板5の第2の貫通孔52に取り付ける。
この逆止弁9が注入パイプ3の先端を第2の貫通孔52から引き抜いた場合に、該第2の貫通孔52を閉鎖することで内部グラウト41と外部グラウト42とを分離する。
【0032】
<ハ>グラウト方法
削孔機によって所定寸法のアンカー孔10を削孔し、先端開口33を被覆管4内部に向けた状態でシースタイプアンカー1をアンカー孔10内に挿入して設置する。
ポンプ(図示せず)により注入パイプ3の先端開口33からグラウトを被覆管4の内部に内部グラウト41として注入する。
内部グラウト41を充填したら、注入パイプ3の先端を止水板5の第2の貫通孔52から引き抜いて先端開口33を被覆管4の外部に向けて外部グラウト42を注入・充填する。
被覆管4の外側上方の開口部からグラウトが流出したら外部グラウト42の充填が完了する。
【0033】
【本発明の効果】
本発明のシースタイプアンカー及びグラウト方法は、以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>注入パイプの内圧が所定の値に達し、あるいは内部グラウト圧が所定圧となることにより感圧して開放する開閉弁または開放手段を設けているので、従来、被覆管内に2本配置していた注入パイプを1本に減らしたり、または無くすことができ、被覆管の断面積中での注入パイプの占める割合を大幅に抑制することができる。
したがって同数の緊張材を配設する場合は、被覆管の小径化を可能にしてコストを低減することができ、同径の被覆管を使用する場合は、緊張材の本数を増やしてより大きな荷重に耐えることができる。
<ロ>感圧作動する開閉弁または開放手段を使用することで、遠隔操作による閉塞操作手段を必要とすることなく、注入パイプの内圧が所定の値に達し、あるいは内部グラウト圧が所定圧となることにより確実に開放するので、各種の施工条件で使用することができる。
<ハ>開閉弁は、伸縮性を有する膜等を注入パイプの先端開口部を被覆するなどして構成するため、アンカー孔内の地下水、削孔水や泥が注入パイプ内に入り込むのを防止する。このため注入パイプが泥等で詰まることがなく、グラウトを確実に注入することができる。
<ニ>被覆管内への内部グラウト注入を先行するため、被覆管の浮き上がりを防止でき、更に外部グラウトの圧力による被覆管の潰れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係るシースタイプアンカーを示す説明図。
【図2】(a)は請求項1に係るシースタイプアンカーを示す説明図。(b)は請求項1に係る開閉弁を示す説明図。(c)は請求項1に係る他の開閉弁を示す説明図。
【図3】(a)は請求項2に係るシースタイプアンカーを示す説明図。(b)は請求項2に係る他の開閉弁を示す説明図。(c)は請求項2に係る更に他の開閉弁を示す説明図。
【図4】請求項2に係る他のシースタイプアンカーを示す説明図。
【図5】請求項3に係るシースタイプアンカーを示す説明図。
【図6】シースタイプアンカーの断面図。
【符号の説明】
1・・・シースタイプアンカー
2・・・緊張材
3・・・注入パイプ
31・・第1の開口
32・・第2の開口
4・・・被覆管
41・・内部グラウト
42・・外部グラウト
5・・・止水板
6・・・開閉弁
7・・・グラウトアダプタ
71・・エア抜き栓

Claims (2)

  1. 被覆管の内部に緊張材と注入パイプを配置したシースタイプアンカーにおいて、
    前記被覆管は先端を遮蔽する止水板と後端を遮蔽するとともにエア抜き栓を有するグラウトアダプタとを配設し、
    前記注入パイプは前記グラウトアダプタを貫通して前記被覆管の内部に吐出端を設け、
    前記止水板はこれを貫通する貫通孔を設け、
    あるいは更に基端を前記止水板の前記貫通孔に接続して該止水板の先端側に突出させた短尺パイプの周面に開口を穿孔し、
    前記貫通孔または前記開口には感圧作動する開閉弁または開放手段のいずれかを配設したことを特徴とする、
    シースタイプアンカー。
  2. 請求項1に記載するシースタイプアンカーをアンカー孔に挿入し、
    注入パイプを介して被覆管の内部に内部グラウトを注入して充填した後、
    エア抜き栓を閉塞し、
    注入パイプの内圧または注入した内部グラウトの圧力が所定の圧力になると各開口に配設した感圧作動する開閉弁または開放手段が作動して開口し、
    前記開口を経由して前記被覆管の外部に外部グラウトを注入して充填することで内部グラウトと外部グラウトを分離して充填する、
    シースタイプアンカーのグラウト方法。
JP2001044596A 2001-02-21 2001-02-21 シースタイプアンカー及びそのグラウト方法 Expired - Lifetime JP4597398B2 (ja)

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