JP2826228B2 - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体及びその製造方法Info
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Description
分散させてなる磁性層を有する磁気記録媒体及びその製
造方法に関するものであり、特に優れた電磁変換特性を
有する磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
要求が高まり、そのため強磁性粉末の粒子サイズを小さ
くする方法、強磁性粉末の分散性の向上、磁性層の表面
性の向上、強磁性微粉末の充填度の向上などが必要であ
る。優れた電磁変換特性を得るために混練プロセスの改
良により強磁性微粉末を高度に分散させることが知られ
ている。その1つとして強磁性粉末、結合剤、有機溶剤
の混合物を高いずり応力で混練することが知られてい
る。例えば特開昭59−165237号には磁性粉とポ
リビニルブチラール等のポリマー、充填剤及び溶媒から
なる混合物をずり応力10〜400kg/cm2 の力を加え
て混練する第1の工程、上記混練物に溶媒を徐々に加え
ながら、ずり応力を徐々に小さくしていく第2の工程、
溶媒を加えて混練する第3の工程、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂及び所定の溶媒を加えて混練する第4の工程
からなる磁性膜用塗料組成物製造方法が提案されてい
る。
よる比表面積が35m2/gである強磁性粉末とウレタン
系樹脂と有機溶剤とからなる混合物を1×106dyn/cm2
以上のずり応力で混練する第1混練工程と得られた混合
混練物を、陰性官能基を有する樹脂を含有する結合剤と
共に1×106dyn/cm2以上のずり応力で混練する第2混
練工程と得られた混合混練物を1×106dyn/cm2未満の
ずり応力で分散する分散工程とを有する磁気記録媒体の
製造方法が提案されている。しかし、高いずり応力で混
練すると混練物の粘度調整の為に有機溶剤で希釈する工
程において混練物が十分に希釈されない為に塗布液中に
微小な固まりが残存する事で、強磁性微粉末の分散性や
塗膜の平滑性が低下し、十分な電磁変換特性が得ること
ができなかった。
用いたり、結合剤のTg以上で混練することも知られて
いる。例えば特開平2−33726号には高分子結合剤
の少なくとも一種類を有機溶媒で膨潤させるか、または
加熱溶融して高粘度流動状態となし、更に強磁性体を添
加し、高ずり応力下で混練する工程を含む磁気記録媒体
の製造方法が提案されている。又特開昭63−1295
22号にはバインダーを該バインダーのガラス転移温度
以上に加熱し、その加熱溶融後前記バインダー中に強磁
性粉末を分散せしめて磁性塗料を調製するようにした磁
気記録媒体の製造方法が提案されている。しかし、加熱
することで混練物の粘度が低下するなどにより高ずり応
力が得られにくい為分散性が低下し、十分な電磁変換特
性が得られなかった。
に生じている現象を詳細に観察し、鋭意検討を行なった
結果、希釈時に生じる微小な固まりは、高いずり応力に
よって50℃前後に加熱された混練物に室温の有機溶剤
を添加するために混練物が局部的に冷却されてしまうた
めに発生することがわかり、更にこの局部的な冷却を減
少もしくは解消する方法を検討することによって本発明
に至った。
換特性が大幅に向上し、ドロップアウトが減少した磁気
記録媒体及びその製造方法を提供することであり、特に
塗布液を濾過する際のフィルターライフが長くなって製
造機の稼働率が向上する磁気記録媒体の製造方法を提供
することである。
的は強磁性粉末と結合剤を有機溶剤中で混練し(混練工
程)、混練工程において発熱した混練物を50℃以上に
保ちつつ有機溶剤を加えて希釈し(希釈工程)、分散し
(分散工程)、更に得られた磁性塗料を非磁性支持体上
に塗布すること(塗布工程)よりなることを特徴とする
磁気記録媒体の製造方法によって達成できる。又本発明
の上記目的は好ましくは前記混練工程におけるずり応力
が10〜600kg/cm2であり、かつ前記希釈工程
において下式を満足する量の有機溶剤で連続的または断
続的に希釈することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法によって達成できる。 0.003<(有機溶剤量(リットル/min)/強磁
性粉末量(kg)/(加熱温度(℃)−20)<0.0
5 又本発明の上記目的は好ましくは前記結合剤が−COO
M、−SO3M、−OSO3M(MはH又はアルカリ金
属もしくはアンモニウムを示す。)及び/又はエポキシ
環から選ばれた1種以上の極性基を少なくとも分子中に
1個以上有する塩化ビニル系共重合体及び/又はポリウ
レタンであることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
によって達成できる。又本発明の上記目的は好ましくは
前記希釈工程において加える有機溶剤はそのうちの最も
沸点の低い有機溶剤の沸点より15℃低い温度に予め加
熱して用いることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
によって達成できる。
られた磁性層を有する磁気記録媒体すなわち非磁性支持
体上に下層磁性層又は下層非磁性層を設け、その上に上
層磁性層を設けた磁気記録媒体において前記上層磁性層
の厚みは0.8μm以下であり、少なくとも前記上層磁
性層は強磁性粉末と結合剤を有機溶剤中で混練し、混練
工程において発熱した混練物を50℃以上に保ちつつ有
機溶剤を加えて希釈し、分散し、更に得られた磁性塗料
を塗布して得た磁性層であることを特徴とする磁気記録
媒体によって達成できる。
良し、電磁変換特性を改良した磁気記録媒体であるが、
その大きな特徴の1つは希釈工程において希釈溶剤を加
える時の温度にある。従来混練工程では加熱はしない
が、高シェアで混練するために発熱し混練物は一時的に
は40〜50℃まで上昇する。しかしながら従来希釈工
程で冷たい溶剤を加えることによって混練物の温度が急
激に低下するためブツが発生しやすい原因究明を行なっ
た。そこで本発明ではこの混練物の温度を50℃以上に
保ち続けることにより、希釈のための有機溶剤が加えら
れても急激な温度低下はなく、かつ多少温度低下をして
もすぐに50℃以上の温度に戻るためブツ等を発生する
ことなく均一に希釈でき、分散性に優れ良好な電磁変換
特性を示す磁気記録媒体が得られた。使用する有機溶剤
の種類によっても異なるが、50℃以上に保つことは必
要である。
10〜600kg/cm2 であることが好ましいが、これは
均一に混練が為されるために好ましいからである。又希
釈工程における有機溶剤の添加は、温度低下を生じない
ような速度で添加するのがブツの発生が完全に防止でき
るので好ましい。また本発明に用いる結合剤は混練、分
散の効率を上げるために分散性のよい極性基含有の塩化
ビニル系共重合体又はポリウレタンを用いることが好ま
しい。極性基の中でリン酸基は熱をかけると反応し架橋
するので最初に加えるのには適さない。前記希釈工程に
おいて有機溶剤を添加した時の温度低下を防止するため
には加える有機溶剤を予め、加熱しておくことが好まし
い。またこのような製造方法は特に薄層の磁性層で結晶
子サイズが300Å以下のような微粒子の強磁性合金粉
末を用いた場合、好ましい。
は強磁性粉末と結合剤を有機溶剤中で混練する混練工程
をとる。本発明の混練工程・分散工程は前述の結合剤と
溶剤を強磁性粉末とともに、グラインダー、ロールミル
もしくはニーダーなどでまず混練し、ついで分散する。
分散の時にはサンドミル、ボールミル、アトライター、
ヘンシェルミキサーなどを使用することができる。この
とき結合剤は溶剤に溶解して投入してもいいし、溶剤と
結合剤を別々に投入してもいい。混練はずり応力が10
〜600kg/cm2 の範囲で行なうのが好ましい。このよ
うな範囲にすることにより均一に混練できる。均一に混
練をするために結合剤は分散性を向上させた−COO
M、−SO3 M、−OSO3 M(MはH又はアルカリ金
属もしくはアンモニウムを示す。)から選ばれた1種以
上の極性基を少なくとも分子中に1個以上有する樹脂を
含むことが好ましい。特に分散性がすぐれ、かつ溶剤へ
の溶解性が低い骨格である塩化ビニル系共重合体が好ま
しい。強磁性粉末100重量部に対する結合剤の使用量
は10〜30重量部が好ましい。使用する溶剤はアセト
ン、MEK、MIBK、シクロヘキサノンなどのケトン
系、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、乳酸エチル
などのエステル系、トルエン、キシレンなどの芳香族
系、DMAC、DMFなどのアミド系が使用できる。こ
の有機溶剤の要件は結合剤を溶解しやすいものであるこ
とと、沸点が50℃以上であることが好ましい。
練工程で使用される溶剤の種類と同じものが使用でき
る。混練の時使用した溶剤と希釈溶剤は必ずしも同じで
なくてもよいが、同じ方が好ましい。希釈時の混練物の
温度は50℃以上が必要で70〜150℃が好ましい。
150℃を越えると結合剤が分解してくる為に磁性塗膜
の力学強度が低下し、耐久性が低下したり、有機溶剤の
蒸発が大きくなりやすい。50℃より低いと混練物の粘
度により希釈が不十分になりやすい。希釈時に加える有
機溶剤量は下記式によって最適な使用量が計算できる。 0.003<(S/M)/(T−20)<0.05 Sはリットル/min 単位の希釈時に加える有機溶剤量で
あり、Mはkg単位の強磁性粉末の量であり、Tは℃単位
の加熱温度である。上記(S/M)/(T−20)の値
は0.01〜0.03が更に好ましい。(S/M)/
(T−20)の値が0.003以下であると有機溶剤の
蒸発により十分な希釈ができない。又(S/M)/(T
−20)の値が0.05以上であると有機溶剤が混練物
に十分になじまないために希釈が不十分になりやすい。
希釈時における混練物の温度を50℃以上に保つ方法は
例えばニーダーに恒温槽を接続することにより行なうこ
とができる。熱源としては温水、蒸気、電気いずれでも
使用できる。50℃未満では混練物が溶剤により冷却さ
れやすい為、混練物が局部的に固まりとなって残る。希
釈溶剤を加える方法は滴下ロートを用いても、定量ポン
プを用いてもよい。希釈時に加えるものは希釈溶剤のみ
でもよいし、混練時加えた結合剤の残りを希釈溶剤に溶
解したものでもよい。又混練時に加えた結合剤と別異の
結合剤を希釈溶剤に溶解したものを加えてもよい。例え
ば混練時には分散性が高く、溶解性が低い塩化ビニル系
共重合体を加え、希釈時に溶解性の高いポリウレタンを
希釈溶剤に溶解して加えてもかまわない。次に分散工程
は混練、希釈において用いた装置でその延長として行な
ってもよいし、分散と希釈は立て分けないで同時に行な
ってもよいし、又は希釈とは別異の位置づけをもった工
程として行なってもよい。又希釈溶剤を加える際、連続
的又は断続的に行なうことができるが、できるだけ混練
物の温度を低下させないように希釈溶剤を加えることが
好ましい。前述の如く、冷たい希釈溶剤が急激に加えら
れると、ブツが発生しやすいからである。このような混
練物の冷却を防止する、更によい方法は希釈工程におい
て加える有機溶剤はそのうちの最も沸点の低い有機溶剤
の沸点より15℃低い温度に予め希釈溶剤を加熱して加
えることが好ましい。このように予め希釈溶剤を加熱し
て用いることにより、混練物の温度低下はなくなり、ブ
ツ等も発生しない。しかし有機溶剤であるため、沸点よ
り15℃程度低い温度の方が蒸発によって揮散すること
が防止でき好ましい。
強磁性合金粉末、強磁性酸化鉄粉末、Coドープの強磁
性酸化鉄粉末、強磁性二酸化クロム粉末、バリウムフェ
ライトなどが使用できる。強磁性合金粉末、Coドープ
の強磁性酸化鉄粉末、強磁性酸化鉄、二酸化クロムの針
状比は、2/1〜20/1程度、好ましくは5/1以上
平均長は0.2〜2.0μm程度の範囲が有効である。
本発明の強磁性粉末の結晶子サイズとしては500オン
グストローム以下であり、特に効果的なのは400オン
グストローム以下、最も効果的なのは300オングスト
ローム以下である(結晶子サイズはX線回折による)。
但し本発明の主旨によりこの結晶子サイズ以下の場合に
本発明の技術を用いることにより電磁変換特性、走行
性、耐久性などの効果が発現される。強磁性合金粉末は
金属分が75wt%以上であり、金属分の80wt%以
上が強磁性金属(即ち、Fe、Co、Ni、Fe−N
i、Co−Ni、Fe−Co−Ni)の粒子である。
OSO3 M、−COOM(MはH、アルカリ金属もしく
はアンモニウム)から選ばれた1種以上と及び/又はエ
ポキシ環とを少なくとも分子中に1個以上有する結合剤
としては、塩化ビニル系重合体、具体的には塩化ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、塩化ビ
ニル−プロピオン酸ビニル系共重合体、塩化ビニリデン
−酢酸ビニル系共重合体などの共重合体系であることが
好ましい。これらの極性基として好ましいものは、−S
O3 M、−CO2 Mであり、更に好ましくは−SO3 M
である。これらの極性基の含有量としてはポリマー1グ
ラムあたり1×10-7〜1×10-3当量程度含むものが
好ましく、更に好ましくは1×10-5〜5×10-4当量
である。この範囲を外れると強磁性粉末の分散性が不良
となり、また電磁変換特性も大幅に低下する。これらの
極性基は1種以上あればよく2種以上あってもよい。ま
た更に−OH基があると分散性の向上に有効的である。
エポキシ環の含有量としては、ポリマー1グラムあたり
1×10-4〜1×10-2モルであり、好ましくは5×1
0-4〜5×10-3モルである。重量平均分子量としては
20,000〜100,000好ましくは30,000
〜80,000である。この範囲を外れると分散性が不
良になったりあるいは耐久性が悪くなったりする。
リシジル(メタ)アクリレート系共重合体への付加反
応、あるいは塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体を鹸化
することによって生じたヒドロキシル基の一部を変性す
ることなどによって得ることができ、また特開昭60−
238306、同60−238309、同60−238
371などに記載されている方法を用いてもよい。また
電子線などの放射線照射などにより重合硬化する樹脂例
えば、特開昭61−89207号、同61−10660
5号、同57−40744号、同59−8126号、同
62−112665号、同62−112668号などに
開示されているものも使用できる。
ましい。脂肪酸は炭素数の総和が12〜26のもの、特
に14〜20のものが走行性および耐久性向上に効果的
で好ましい。これらの好ましい具体例としてはラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
エイコ酸、エライジン酸、ベヘン酸などの脂肪酸類など
である。脂肪酸を添加する工程は、分散液調製後に塗布
直前に1軸デスパ、2軸デスパ、サンドミル、ボールミ
ル、高速ミキサーなどを用いておこなう。本発明では結
合剤の一部として硬化剤を用いることができるが、硬化
剤はこれら脂肪酸と同時に添加することができる。脂肪
酸の分散液への添加時期は塗布の15時間前、好ましく
は5時間前である。脂肪酸の添加量は、強磁性微粉末に
対して0.5〜10重量%、特に好ましくは1.0〜
5.0重量%が適当である。脂肪酸の添加量がこの範囲
をこえると、磁性層表面の潤滑剤が過剰になり、デッキ
走行時に貼りつき等の故障の原因となったりすることが
あるだけでなく、磁性層の結合剤を可塑化する作用によ
りかえって耐久性が低下する等の問題がある。添加量が
この範囲を下まわると当然のことながら走行性が不十分
となり効果が得られない。
させてもよい。併用できる潤滑剤としては、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル(各種モノエステルをはじめソルビ
タン、グリセリン等多価エステルの脂肪酸エステル、多
塩基酸のエステル化物等)、金属石鹸、高級脂肪族アル
コール、モノアルキルフォスフェート、ジアルキルフォ
スフェート、トリアルキルフォスフェート、パラフィン
類、シリコーンオイル、脂肪酸変性のシリコーン化合
物、弗素系オイル、パーフロロアルキル基をもつエステ
ル、パーフロロアルキルのシリコーン化合物、動植物
油、鉱油、高級脂肪族アミン;更にグラファイト、シリ
カ、二硫化モリブデン、二硫化タングステン等の無機微
粉末等があげられる。これらの潤滑剤の中でも好ましい
のは炭素数10〜22の脂肪酸アミド類、炭素数22〜
36の脂肪酸エステル、炭素数6以上のパーフロロアル
キル基を有するエステル、炭素数6以上のパーフロロア
ルキル基を有するシリコン化合物である。
剤にその他の樹脂を加えることができる。例えば、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルとビニルアル
コール、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重
合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらのな
かでも分散性・耐久性を更に高めるために最も好ましい
ものは、分子中に、極性基(エポキシ基、及びCO
2 H、OH、NH2 、SO3 M、OSO3 M、PO
3 M′2 、OPO 3 M′2 のうちの少なくとも一種、た
だしMは水素、アルカリ金属またはアンモニウムであ
る。M′は水素、アルカリ金属、アンモニウム又はアル
キル基である。)を導入したポリウレタン樹脂である。
但し、PO3 M′2 、OPO3 M′2を含む結合剤は混
練物が加熱状態の時には使用できない。これらのウレタ
ン樹脂については、特開昭57−165464、特公昭
58−41565、特開昭62−40615、同59−
30235、等に記載されている。極性基の含有量とし
てはポリマー1グラム当り1×10-5〜1×10-3当量
が好ましい範囲であり、骨格としてはポリエステル、ポ
リエーテル、ポリエステルエーテル、ポリカーボネート
などいずれでもよい。以上列挙の高分子結合剤は単独ま
たは数種混合で使用され、しばしばイソシアネート系の
公知の架橋剤(例えばトリメチロールプロパンのトリレ
ンジイソシアネート3付加物など)を添加して硬化処理
される。また、アクリル酸エステル系のオリゴマーと、
モノマーを結合剤として用い、放射線照射によって硬化
する結合剤系も用いることができる。本発明の磁気記録
媒体の磁性層中の全結合剤の含有量は、通常は強磁性微
粉末100重量部に対して10〜100重量部であり、
好ましくは15〜30重量部である。
磨剤、分散剤、帯電防止剤、防錆剤等の添加剤を加えて
もよい。使用される研磨剤は、モース硬度が5以上、好
ましくは8以上であれば特に制限はない。モース硬度が
5以上の研磨剤の例としては、Al2 O3 (モース硬度
9)、TiO(同6)、TiO2 (同6.5)、SiO
2 (同7)、SnO2 (同6.5)、Cr2 O3 (同
9)、およびα−Fe2O3 (同5.5)を挙げること
ができ、これらを単独あるいは混合して用いることがで
きる。とくに好ましいのはモース硬度が8以上の研磨剤
である。モース硬度が5よりも低い研磨剤を用いた場合
には、磁性層から研磨剤が脱落しやすく、またヘッドを
研磨する作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発生し
やすく、また走行耐久性も乏しくなる。研磨剤の含有量
は、通常、強磁性微粉末100重量部に対して0.1〜
20重量部の範囲であり、好ましくは1〜10重量部の
範囲である。帯電防止剤としては、カーボンブラック
(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメートル;
10-9)のもの)などを含有させることが望ましい。
方法としてはエアードクターコート、ブレードコート、
ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スク
イズコート、含浸コート、リバースロールコート、トラ
ンスファーロールコート、グラビヤコート、キスコー
ト、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等
が利用でき、その他の方法も可能であり、これらの具体
的説明は朝倉書店発行の「コーティング工学」253頁
〜277頁(昭和46.3.20発行)に詳細に記載さ
れている。
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
2,6−ナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、セルロ
ーストリアセテートなどのセルロース誘導体、ポリカー
ボネート、ポリイミド、ポリアミドイミドなどプラスチ
ック、その他に用途に応じてアルミニウム、銅、錫、亜
鉛又はこれらを含む非磁性合金などの非磁性金属類、ア
ルミニウムなどの金属を蒸着したプラスチック類も使用
できる。非磁性支持体の厚みは3〜100μm、磁気テ
ープとしては好ましくは3〜20μm、磁気ディスクと
しては20〜100μmが通常使用される範囲である。
また非磁性支持体の形態はフィルム、テープ、シート、
ディスク、カード、ドラムなどいずれでもよく、形態に
応じて種々の材料が必要に応じて選択される。また本発
明の非磁性支持体は帯電防止、転写防止、ワウフラッタ
ー防止、磁気記録媒体の強度向上、バック面のマット化
等の目的で、磁性層を設けた側の反対の面(バック面)
にいわゆるバックコートがなされていてもよい。
る方法を実施例をもって具体的に説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。なお、実施例中の
「部」の表示は「重量部」を示すものとする。
i 2%、Hc 1500Oe、結晶子サイズ200
A)100部を冷却槽に20℃の水を流したオープンニ
ーダーで10分間粉砕し、次いで SO3 Na含有塩ビ系共重合体(日本ゼオン製 MR110) 10部 SO3 Na含有ポリウレタン樹脂(東洋紡製 UR8300) 5部(固形分) 研磨剤(AI203 粒子サイズ0.2μm) 1部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン(沸点156℃) 30部 を加えて60分間混練する工程を行なった。次にオープ
ンニーダーの冷却槽に70℃の水を流し、20分後に混
練物の温度が70℃に安定することを確認したのち実測
値20℃の シクロヘキサノン/メチルエチルケトン 200部 を式における値が0.01になるような有機溶剤量を徐
々に加えて希釈する工程を行なった。これをサンドミル
で120分間分散し、更に ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部(固形分) ブチルステアレート 2部 ステアリン酸(工業用) 1部 メチルエチルケトン 200部 を加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を
調製した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが2.5μ
mになるように、厚さ10μmのポリエチレンナフタレ
ート支持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾
燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行い、さ
らに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロール−金
属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み
合わせによるカレンダー処理を(速度100 m/min 、
線圧300kg/cm、温度90℃)で行なった後8mm幅に
スリットし、8mmビデオテープを作製した。 実施例2 希釈工程における混練物温度を50℃とした以外は実施
例1と同様にした。 実施例3 希釈工程における混練物の温度を150℃とした以外は
実施例1と同様にした。 実施例4 希釈工程において希釈溶剤量を式(1) より算出した0.
003とした以外は実施例1と同様にした。 実施例5 希釈工程において希釈溶剤量を式(1) より算出した0.
05とした以外は実施例1と同様にした。 実施例6 希釈工程において希釈溶剤量を式(1) より算出した0.
03とした以外は実施例1と同様にした。 実施例7 希釈有機溶剤の温度を140℃とした以外は実施例1と
同様にした。
外の組成物をサイドグラインダーを用いて3時間分散し
た。その後、ブチルステアレートとステアリン酸を加え
て15分間分散したのち1μmの平均孔径を有するフィ
ルターを用いて、濾過し、非磁性中間層用塗料を調整し
た。実施例1の磁性塗料を上層磁性層用とした。 バック層用塗料の調整 カーボンブラック(粒子サイズ 40mμ) 100部 アルミナ(粒子サイズ0.2μm) 1部 ニトロセルロース(ダイセル製 RS1/2) 50部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン製 N−2301) 45部(固形分) メチルエチルケトン/トルエン 1000部 を加えあわせてサンドミルで3時間分散し、次いで ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製 コロネート3041) 5部 メチルエチルケトン/トルエン 500部 を加え、さらに20分間攪拌混合しバック層用塗料を作
成した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが第1磁性層
2.5μm、第2磁性層0.8μmになるように厚さ
7.0μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面
に、特開平2−265672に開示されているような塗
布液通液スリットを2つ内蔵する塗布ヘッドにより、第
1磁性層、第2磁性層をほぼ同時に塗布した。磁性塗料
が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態
で3000ガウスの磁石で磁場配向を行い、乾燥後、コ
イルバーでバック層用塗料を裏面に乾燥厚みで0.7μ
mになるように塗布した。次いで金属ロール−金属ロー
ル−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール
−金属ロールの組み合わせによるカレンダー処理を(速
度100m/min 、線圧300kg/cm 、温度90℃)で行
なった後8mm幅にスリットし、8mmビデオテープを作成
した。 比較例1 希釈工程における混練物温度を40℃とした以外は実施
例1と同様にした。得られた実施例及び比較例のサンプ
ルについて以下の測定方法によって評価し、その結果を
表1、表2に示した。
し、ハイパスフィルター10KHz 、ローパスフィルター
4.2MHz でノイズレベルを測定し、S/N比を求め
た。 C S/N:シバソク製ノイズメーター(925R)を使用
し、ハイパスフィルター10KHz 、ローパスフィルター
500KHzAM でノイズレベルを測定し、S/N比を求め
た。 なお、SONY製VTR EV−S900を使用し、比
較例1の試料を0dBとした。 ドロップアウト:上記VTRを用いて−5℃の環境で
5分走行テープ長を100パス走行させた後、1分間の
5μsec のドロップアウト発生個数を調べた。 表面粗さRa:デジタルオプチカルプロフィメーター
(WYKO製)による光干渉法により、カットオフ0.
25mmの条件で中心線平均粗さRaとして求めた。 表1、表2の結果より明らかな如く混練物の温度を50
℃以上に保ち続けた本発明のサンプルはいずれも、B
m、SQ、Ra、Y S/N、C S/N、ドロップアウトのす
べての項目で良好な値を示した。一方混練物温度が40
℃の比較例1では、Bmが低く、SQが低く、Raも大
きく、Y S/N、C S/Nの値も低く、かつドロップアウト
の個数も多いことがわかった。
中で混練し、得られた混練物を50℃以上に保ちつつ有
機溶剤を加えて希釈し、分散し、更に得られた磁性塗料
を非磁性支持体上に塗布することにより電磁変換特性
(Bm、SQ、Y S/N、C S/N)が大幅に向上し、ドロ
ップアウトが減少した磁気記録媒体が得られることがわ
かった。またブツが減少し、表面性(Ra)も良化し、
塗布液を濾過する際のフィルターライフが長くなって製
造機の稼働率も向上した。
Claims (6)
- 【請求項1】 強磁性粉末と結合剤を有機溶剤中で混練
し(混練工程)、混練工程において発熱した混練物を5
0℃以上に保ちつつ有機溶剤を加えて希釈し(希釈工
程)、分散し(分散工程)、更に得られた磁性塗料を非
磁性支持体上に塗布すること(塗布工程)よりなること
を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 前記混練工程におけるずり応力が10〜
600kg/cm2 であり、かつ前記希釈工程において下式
を満足する量の有機溶剤で連続的または断続的に希釈す
ることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造
方法。 0.003<(有機溶剤量(リットル/min)/強磁性粉
末量(kg)/(加熱温度(℃)−20)<0.05 - 【請求項3】 前記結合剤が−COOM、−SO3 M、
−OSO3 M(MはH又はアルカリ金属もしくはアンモ
ニウムを示す。)及び/又はエポキシ環から選ばれた1
種以上の極性基を少なくとも分子中に1個以上有する塩
化ビニル系共重合体及び/又はポリウレタンであること
を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】 前記希釈工程において加える有機溶剤は
そのうちの最も沸点の低い有機溶剤の沸点より15℃低
い温度に予め加熱して用いることを特徴とする請求項1
記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】 非磁性支持体上に下層磁性層又は下層非
磁性層を設け、その上に上層磁性層を設けた磁気記録媒
体において前記上層磁性層の厚みは0.8μm以下であ
り、少なくとも前記上層磁性層は強磁性粉末と結合剤を
有機溶剤中で混練し、混練工程において発熱した混練物
を50℃以上に保ちつつ有機溶剤を加えて希釈し、分散
し、更に塗布して得た磁性層であることを特徴とする磁
気記録媒体。 - 【請求項6】 前記強磁性粉末が結晶子サイズが300
Å以下の強磁性合金粉末であることを特徴とする請求項
5記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4099702A JP2826228B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4099702A JP2826228B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05298690A JPH05298690A (ja) | 1993-11-12 |
JP2826228B2 true JP2826228B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=14254395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4099702A Expired - Fee Related JP2826228B2 (ja) | 1992-04-20 | 1992-04-20 | 磁気記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2826228B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5525406A (en) * | 1978-08-11 | 1980-02-23 | Hitachi Ltd | Preparation of coating composition for magnetic recording disc |
JPH03263615A (ja) * | 1990-03-13 | 1991-11-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法 |
-
1992
- 1992-04-20 JP JP4099702A patent/JP2826228B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05298690A (ja) | 1993-11-12 |
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