JPH10302247A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH10302247A JPH10302247A JP9107563A JP10756397A JPH10302247A JP H10302247 A JPH10302247 A JP H10302247A JP 9107563 A JP9107563 A JP 9107563A JP 10756397 A JP10756397 A JP 10756397A JP H10302247 A JPH10302247 A JP H10302247A
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- magnetic
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- magnetic recording
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 微細化されたメタル系強磁性粉末に対しても
良好な塗料分散性を確保し、磁気特性に優れた磁気記録
媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 非磁性支持体1上に強磁性粉末と結合剤
とを主体とする磁性塗料が塗布されて磁性層2が形成さ
れてなり、上記磁性粉末は、イットリウムが鉄に対し
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるメタル系強磁性粉末であり、上記結合
剤は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が2.5〜3.4
mmol/g導入されてなり、極性基が0.12〜0.
21mmol/g導入されてなるポリエステルポリウレ
タン樹脂とを含有する。
良好な塗料分散性を確保し、磁気特性に優れた磁気記録
媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 非磁性支持体1上に強磁性粉末と結合剤
とを主体とする磁性塗料が塗布されて磁性層2が形成さ
れてなり、上記磁性粉末は、イットリウムが鉄に対し
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるメタル系強磁性粉末であり、上記結合
剤は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が2.5〜3.4
mmol/g導入されてなり、極性基が0.12〜0.
21mmol/g導入されてなるポリエステルポリウレ
タン樹脂とを含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオテー
プ、ビデオテープ、データカートリッジ、フロッピーデ
ィスク等に用いられる磁気記録媒体に関するものであ
る。
プ、ビデオテープ、データカートリッジ、フロッピーデ
ィスク等に用いられる磁気記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ装置、ビデオ装置、コ
ンピュータ装置等の各種の磁気記録再生装置において
は、小型軽量化、高画質化、長時間化が進められ、それ
に伴い上述した磁気記録再生装置に用いられる磁気記録
媒体に対しても高密度記録化が強く要望されるようにな
っている。
ンピュータ装置等の各種の磁気記録再生装置において
は、小型軽量化、高画質化、長時間化が進められ、それ
に伴い上述した磁気記録再生装置に用いられる磁気記録
媒体に対しても高密度記録化が強く要望されるようにな
っている。
【0003】磁気記録媒体としては、磁性粉末、結合剤
及び各種添加剤を有機溶媒に分散、混練することで調製
される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥すること
で磁性層を形成した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が
生産性及び汎用性に優れることから主流を占めている。
及び各種添加剤を有機溶媒に分散、混練することで調製
される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布乾燥すること
で磁性層を形成した、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が
生産性及び汎用性に優れることから主流を占めている。
【0004】上記塗布型の磁気記録媒体の高密度記録領
域での特性を改善するには、まず磁性粉末の選択が重要
である。すなわち、磁性粉末としては、保磁力が高く、
飽和磁束密度が大きいこと、微細粒子であることが必要
である。
域での特性を改善するには、まず磁性粉末の選択が重要
である。すなわち、磁性粉末としては、保磁力が高く、
飽和磁束密度が大きいこと、微細粒子であることが必要
である。
【0005】そこで、磁性層に含有させる磁性粉末とし
ては、従来より用いられている酸化鉄系磁性粉末の代わ
りに、鉄を主体とするメタル系強磁性粉末が使用される
ようになっている。このメタル系強磁性粉末は、例えば
鉄を主体とする針状のオキシ水酸化鉄、或いは酸化鉄を
還元性ガス中で加熱還元した後、酸化安定性を確保する
ために粒子表面に薄い酸化膜を形成させることで生成さ
れるものである。メタル系強磁性粉末は、酸化鉄系磁性
粉末に比べて高保磁力、高飽和磁束密度を得ることがで
きる。
ては、従来より用いられている酸化鉄系磁性粉末の代わ
りに、鉄を主体とするメタル系強磁性粉末が使用される
ようになっている。このメタル系強磁性粉末は、例えば
鉄を主体とする針状のオキシ水酸化鉄、或いは酸化鉄を
還元性ガス中で加熱還元した後、酸化安定性を確保する
ために粒子表面に薄い酸化膜を形成させることで生成さ
れるものである。メタル系強磁性粉末は、酸化鉄系磁性
粉末に比べて高保磁力、高飽和磁束密度を得ることがで
きる。
【0006】さらに、上記塗布型の磁気記録媒体の高密
度記録領域での特性を改善するには、磁性塗料としての
分散性を確保することも重要である。磁性塗料の分散性
が向上すると、磁気特性が向上する。すなわち、塗料分
散性の向上に伴い、粒子配向性の指標である角形比が向
上し、残留磁束密度が向上する。また、塗料分散性の向
上に伴い、塗布後の磁性層表面の平滑性が向上し、ビデ
オテープレコーダー等のヘッドとの間に生じるいわゆる
スペーシング損失が減少し、電磁変換特性が向上する。
度記録領域での特性を改善するには、磁性塗料としての
分散性を確保することも重要である。磁性塗料の分散性
が向上すると、磁気特性が向上する。すなわち、塗料分
散性の向上に伴い、粒子配向性の指標である角形比が向
上し、残留磁束密度が向上する。また、塗料分散性の向
上に伴い、塗布後の磁性層表面の平滑性が向上し、ビデ
オテープレコーダー等のヘッドとの間に生じるいわゆる
スペーシング損失が減少し、電磁変換特性が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁気記
録媒体が良好な磁気特性を発揮するために微細化された
強磁性粉末ほど、磁性塗料中均一に分散させることが困
難となり、磁場中における粒子配向性が損なわれる方向
に働く。
録媒体が良好な磁気特性を発揮するために微細化された
強磁性粉末ほど、磁性塗料中均一に分散させることが困
難となり、磁場中における粒子配向性が損なわれる方向
に働く。
【0008】本発明は、微細化されたメタル系強磁性粉
末に対しても良好な塗料分散性を確保し、磁気特性に優
れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
末に対しても良好な塗料分散性を確保し、磁気特性に優
れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気記録媒
体は、上記目的を解決するため、非磁性支持体上に強磁
性粉末と結合剤とを主体とする磁性塗料が塗布されて磁
性層が形成されてなり、上記磁性粉末は、イットリウム
が鉄に対し1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウ
ムが鉄に対し6.2〜10原子%添加されて、比表面積
が41〜62m2/gであるメタル系強磁性粉末であ
り、上記結合剤は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が
2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性基が
0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポリエ
ステルポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする
ものである。
体は、上記目的を解決するため、非磁性支持体上に強磁
性粉末と結合剤とを主体とする磁性塗料が塗布されて磁
性層が形成されてなり、上記磁性粉末は、イットリウム
が鉄に対し1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウ
ムが鉄に対し6.2〜10原子%添加されて、比表面積
が41〜62m2/gであるメタル系強磁性粉末であ
り、上記結合剤は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が
2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性基が
0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポリエ
ステルポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする
ものである。
【0010】ここで、上記ポリエステルポリウレタン樹
脂の含有量は、全結合剤樹脂に対し10〜50重量%で
あることが好ましい。また、上記塩化ビニル樹脂の含有
量は、全結合剤樹脂に対し50〜90重量%であること
が好ましい。
脂の含有量は、全結合剤樹脂に対し10〜50重量%で
あることが好ましい。また、上記塩化ビニル樹脂の含有
量は、全結合剤樹脂に対し50〜90重量%であること
が好ましい。
【0011】このように、本発明に係る磁気記録媒体
は、磁性塗料を調製する際の結合剤に、塩化ビニル樹脂
と、ウレタン基が2.5〜3.4mmol/g導入され
てなり、極性基が0.12〜0.21mmol/g導入
されてなるポリエステルポリウレタン樹脂とを含有して
なることから、磁性塗料中のメタル系強磁性粉末の分散
性を向上させることができる。その結果、均一に分散さ
れたメタル系強磁性粉末は、その特性を十分に発揮で
き、磁気特性に優れ、高密度領域においても良好な記録
再生特性を発揮することができる。
は、磁性塗料を調製する際の結合剤に、塩化ビニル樹脂
と、ウレタン基が2.5〜3.4mmol/g導入され
てなり、極性基が0.12〜0.21mmol/g導入
されてなるポリエステルポリウレタン樹脂とを含有して
なることから、磁性塗料中のメタル系強磁性粉末の分散
性を向上させることができる。その結果、均一に分散さ
れたメタル系強磁性粉末は、その特性を十分に発揮で
き、磁気特性に優れ、高密度領域においても良好な記録
再生特性を発揮することができる。
【0012】ウレタン基及び極性基の導入量が上記範囲
より少ない場合には、得られる磁性塗料の分散安定性が
十分であるとは言えず、その結果静磁気特性及び電磁変
換特性においても所定の目的が達成されない。また、ウ
レタン基及び極性基の導入量が上記範囲より多い場合に
は、磁性塗料への溶解性が低下し分散性が低下するので
好ましくない。
より少ない場合には、得られる磁性塗料の分散安定性が
十分であるとは言えず、その結果静磁気特性及び電磁変
換特性においても所定の目的が達成されない。また、ウ
レタン基及び極性基の導入量が上記範囲より多い場合に
は、磁性塗料への溶解性が低下し分散性が低下するので
好ましくない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【0014】本発明に係る磁気記録媒体は、磁性粉末と
して、イットリウムが鉄に対し1.8〜6.6原子%添
加され、アルミニウムが鉄に対し6.2〜10原子%添
加されて、比表面積が41〜62m2/gであるメタル
系強磁性粉末を用いる。
して、イットリウムが鉄に対し1.8〜6.6原子%添
加され、アルミニウムが鉄に対し6.2〜10原子%添
加されて、比表面積が41〜62m2/gであるメタル
系強磁性粉末を用いる。
【0015】このメタル系強磁性粉末は、以下のように
して得ることができる。
して得ることができる。
【0016】まず、このメタル系強磁性粉末の原材料に
は、オキシ水酸化鉄として、α−FeOOH、β−Fe
OOH、γ−FeOOH等を用いることができ、特に、
α−FeOOH、γ−FeOOHが好ましい。なお、こ
のオキシ水酸化鉄の形状は、生成される強磁性粉末の形
状にそのまま反映する。したがって、磁性粉末の微細化
と保磁力の向上等の兼ね合いから、長軸長が0.05〜
0.02μm、軸比が3〜15であって、針状、柱状、
紡錘状、棒状のものが好ましい。
は、オキシ水酸化鉄として、α−FeOOH、β−Fe
OOH、γ−FeOOH等を用いることができ、特に、
α−FeOOH、γ−FeOOHが好ましい。なお、こ
のオキシ水酸化鉄の形状は、生成される強磁性粉末の形
状にそのまま反映する。したがって、磁性粉末の微細化
と保磁力の向上等の兼ね合いから、長軸長が0.05〜
0.02μm、軸比が3〜15であって、針状、柱状、
紡錘状、棒状のものが好ましい。
【0017】なお、このオキシ水酸化鉄には、Co、N
i、Cr、Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、T
i、Mo、Ag、Cu、Na、K、Li、Al、Zr等
の金属化合物が共存していてもよい。特に、コバルト
は、鉄と合金化することのより高い飽和磁化を得ること
ができるため好ましい。コバルトの添加量は、鉄に対し
て1〜50原子%程度が好適である。
i、Cr、Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、T
i、Mo、Ag、Cu、Na、K、Li、Al、Zr等
の金属化合物が共存していてもよい。特に、コバルト
は、鉄と合金化することのより高い飽和磁化を得ること
ができるため好ましい。コバルトの添加量は、鉄に対し
て1〜50原子%程度が好適である。
【0018】そして、上述したオキシ水酸化鉄の表面
に、形状保持材であるAlとYを被着させる。すなわ
ち、オキシ水酸化鉄を水に懸濁させた懸濁液に、例えば
塩化物、硫酸塩、硝酸塩等のAl、Yの可溶性の塩を溶
解させた水溶液を添加して均一に溶解させる。そしてこ
の懸濁液のpHをアルカリ側に調製し、Al、Yをオキ
シ水酸化鉄の表面に被着させる。前述のようなpHの調
製には、一般に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等
を用いるとよい。被着を終えたオキシ水酸化鉄は、濾
過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。その
後、粉末状のオキシ水酸化鉄を、非還元性雰囲気中40
0〜750℃で加熱処理する。その結果、オキシ水酸化
鉄はFe2O3となり、被着層は酸化物層となり定着す
る。
に、形状保持材であるAlとYを被着させる。すなわ
ち、オキシ水酸化鉄を水に懸濁させた懸濁液に、例えば
塩化物、硫酸塩、硝酸塩等のAl、Yの可溶性の塩を溶
解させた水溶液を添加して均一に溶解させる。そしてこ
の懸濁液のpHをアルカリ側に調製し、Al、Yをオキ
シ水酸化鉄の表面に被着させる。前述のようなpHの調
製には、一般に、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等
を用いるとよい。被着を終えたオキシ水酸化鉄は、濾
過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。その
後、粉末状のオキシ水酸化鉄を、非還元性雰囲気中40
0〜750℃で加熱処理する。その結果、オキシ水酸化
鉄はFe2O3となり、被着層は酸化物層となり定着す
る。
【0019】次に、このAl、Yの酸化物層が被着した
酸化鉄を、還元性雰囲気中400〜600℃で加熱処理
して、還元処理を行う。還元性雰囲気としては、一般的
な水素を主体とするガスを用いるとよい。
酸化鉄を、還元性雰囲気中400〜600℃で加熱処理
して、還元処理を行う。還元性雰囲気としては、一般的
な水素を主体とするガスを用いるとよい。
【0020】次に、上述した還元工程を経た磁性粉末
に、適当な低酸素濃度のガスを接触させることで徐酸化
処理を行い、酸化被膜を形成する。ガス接触方法は、固
気相、液相のどちらでもよい。さらに、水分を含むガス
を接触させ、水分を付加する。このようにして、所望の
メタル系強磁性粉末を得ることができる。
に、適当な低酸素濃度のガスを接触させることで徐酸化
処理を行い、酸化被膜を形成する。ガス接触方法は、固
気相、液相のどちらでもよい。さらに、水分を含むガス
を接触させ、水分を付加する。このようにして、所望の
メタル系強磁性粉末を得ることができる。
【0021】また、本発明に係る磁気記録媒体は、上述
した磁性粉末と、結合剤として塩化ビニル樹脂と、ウレ
タン基を2.5〜3.4mmol/g有し、極性基を
0.12〜0.21mmol/g有するポリエステルポ
リウレタン樹脂とを含有する磁性層を有する。
した磁性粉末と、結合剤として塩化ビニル樹脂と、ウレ
タン基を2.5〜3.4mmol/g有し、極性基を
0.12〜0.21mmol/g有するポリエステルポ
リウレタン樹脂とを含有する磁性層を有する。
【0022】塩化ビニル樹脂は、磁性塗料の分散安定性
を向上させるのに好適である。この塩化ビニルの含有量
は、全結合剤樹脂に対し50〜90重量%であることが
好ましい。塩化ビニル樹脂の含有量が50重量%より少
ない場合には、分散安定性が低下し、塗料を静置した
時、或いは弱い攪拌下において溶剤分離を来す場合あ
る。また、硬化剤であるポリイソシアネートを磁性塗料
に加えた場合、それが顕著である。その結果、この磁性
塗料を塗布して得られる磁気記録媒体は、光沢度や磁気
特性が低下してしまうため好ましくない。また、塩化ビ
ニル樹脂の含有量が90重量%を越える場合には、分散
性が十分ではなく好ましくない。
を向上させるのに好適である。この塩化ビニルの含有量
は、全結合剤樹脂に対し50〜90重量%であることが
好ましい。塩化ビニル樹脂の含有量が50重量%より少
ない場合には、分散安定性が低下し、塗料を静置した
時、或いは弱い攪拌下において溶剤分離を来す場合あ
る。また、硬化剤であるポリイソシアネートを磁性塗料
に加えた場合、それが顕著である。その結果、この磁性
塗料を塗布して得られる磁気記録媒体は、光沢度や磁気
特性が低下してしまうため好ましくない。また、塩化ビ
ニル樹脂の含有量が90重量%を越える場合には、分散
性が十分ではなく好ましくない。
【0023】さらに、上記ポリエステルポリウレタン樹
脂は、分散性を向上させるために好適である。このポリ
エステルポリウレタン樹脂の含有量は、全結合剤樹脂に
対し10〜50重量%であることが好ましい。ポリエス
テルポリウレタン樹脂の含有量が50重量%より少ない
場合には、分散性の効果が得られず好ましくない。ま
た、ポリエステルポリウレタン樹脂の含有量が50重量
%を越える場合には、分散安定性が低下し好ましくな
い。
脂は、分散性を向上させるために好適である。このポリ
エステルポリウレタン樹脂の含有量は、全結合剤樹脂に
対し10〜50重量%であることが好ましい。ポリエス
テルポリウレタン樹脂の含有量が50重量%より少ない
場合には、分散性の効果が得られず好ましくない。ま
た、ポリエステルポリウレタン樹脂の含有量が50重量
%を越える場合には、分散安定性が低下し好ましくな
い。
【0024】ここで、上述のポリエステルポリウレタン
樹脂にウレタン基を導入するには、エステル結合を有す
るポリエステルジオール成分と鎖延長剤とを二官能イソ
シアネートを用いて結合させ、高分子量化することによ
って合成すればよい。
樹脂にウレタン基を導入するには、エステル結合を有す
るポリエステルジオール成分と鎖延長剤とを二官能イソ
シアネートを用いて結合させ、高分子量化することによ
って合成すればよい。
【0025】上記エステル結合を有するポリエステルジ
オール成分としては、例えば、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の
ジオールと、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸
(或いはそのジエステル)との重縮合及びエステル交換
反応によって得られるポリエステルジオール、又はポリ
カプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール等が
挙げられる。
オール成分としては、例えば、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の
ジオールと、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸
(或いはそのジエステル)との重縮合及びエステル交換
反応によって得られるポリエステルジオール、又はポリ
カプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール等が
挙げられる。
【0026】鎖延長剤としては、例えば、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等のジオール成分、エチレンジアミン、トリレンジ
アミン等のジアミン、水等が挙げられる。
コール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等のジオール成分、エチレンジアミン、トリレンジ
アミン等のジアミン、水等が挙げられる。
【0027】二官能イソシアネートとしては、例えば、
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等が挙げられる。
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート等が挙げられる。
【0028】ウレタン基量を調製するためには、高分子
量化する際に、ポリエステルジオール成分、鎖延長剤、
二官能イソシアネートの量比を調製すればよい。ウレタ
ン基を導入することにより、得られる磁性塗料の分散安
定性が上がり、結果としてその塗料を塗布して得られる
磁気記録媒体の静磁気特性及び電磁変換特性が良好なも
のとなる。ウレタン基の導入量が2.5mmol/g未
満である場合には、得られる磁性塗料の分散安定性が十
分であるとは言えず、その結果静磁気特性及び電磁変換
特性においても所定の目的が達成されない。また、ウレ
タン基の導入量が2.5mmol/gを越えた場合に
は、磁性塗料への溶解性が低下し分散性が低下するので
好ましくない。
量化する際に、ポリエステルジオール成分、鎖延長剤、
二官能イソシアネートの量比を調製すればよい。ウレタ
ン基を導入することにより、得られる磁性塗料の分散安
定性が上がり、結果としてその塗料を塗布して得られる
磁気記録媒体の静磁気特性及び電磁変換特性が良好なも
のとなる。ウレタン基の導入量が2.5mmol/g未
満である場合には、得られる磁性塗料の分散安定性が十
分であるとは言えず、その結果静磁気特性及び電磁変換
特性においても所定の目的が達成されない。また、ウレ
タン基の導入量が2.5mmol/gを越えた場合に
は、磁性塗料への溶解性が低下し分散性が低下するので
好ましくない。
【0029】次に、上述のポリエステル樹脂に極性基を
導入するには、例えば、上述したポリエステルジオール
成分中のジカルボン酸(或いはそのジエステル)の一部
に代えて極性基例えば−SO3Naで一部置換したイソ
フタル酸を所定量使用すればよい。極性基を導入するこ
とにより、得られる磁性塗料の分散性が上がり、結果と
してその塗料を塗布して得られる磁気記録媒体の静磁気
特性及び電磁変換特性が良好なものとなる。但し、極性
基の導入量が0.12mmol/g未満である場合に
は、得られる磁性塗料の分散性が十分であるとは言え
ず、その結果静磁気特性及び電磁変換特性においても所
定の目的が達成されない。また、極性基の導入量が0.
21mmol/gを越えた場合には、逆に磁性塗料への
溶解性が低下し、分散性が低下するので好ましくない。
導入するには、例えば、上述したポリエステルジオール
成分中のジカルボン酸(或いはそのジエステル)の一部
に代えて極性基例えば−SO3Naで一部置換したイソ
フタル酸を所定量使用すればよい。極性基を導入するこ
とにより、得られる磁性塗料の分散性が上がり、結果と
してその塗料を塗布して得られる磁気記録媒体の静磁気
特性及び電磁変換特性が良好なものとなる。但し、極性
基の導入量が0.12mmol/g未満である場合に
は、得られる磁性塗料の分散性が十分であるとは言え
ず、その結果静磁気特性及び電磁変換特性においても所
定の目的が達成されない。また、極性基の導入量が0.
21mmol/gを越えた場合には、逆に磁性塗料への
溶解性が低下し、分散性が低下するので好ましくない。
【0030】上記極性基としては、例えば、−SO
3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM’)
2(Mは、Na等のアルカリ金属原子であり、M’は、
同アルカリ金属原子又はアルキル基である。)が挙げら
れる。
3M、−OSO3M、−COOM、−PO(OM’)
2(Mは、Na等のアルカリ金属原子であり、M’は、
同アルカリ金属原子又はアルキル基である。)が挙げら
れる。
【0031】上述のように、合成されるポリエステルポ
リウレタン樹脂は、平均分子量が5000〜10000
0、好ましくは10000〜60000のものが利用で
きる。分子量が上記範囲より小さい場合には、磁性層の
流動化が早く起こり、耐久性が悪くなる。また、分子量
が上記範囲より大きい場合には、有機溶剤に対する溶解
性が劣って電磁変換特性が悪くなるため好ましくない。
リウレタン樹脂は、平均分子量が5000〜10000
0、好ましくは10000〜60000のものが利用で
きる。分子量が上記範囲より小さい場合には、磁性層の
流動化が早く起こり、耐久性が悪くなる。また、分子量
が上記範囲より大きい場合には、有機溶剤に対する溶解
性が劣って電磁変換特性が悪くなるため好ましくない。
【0032】本発明に用いる結合剤は、上述したよう
に、塩化ビニル樹脂とポリエステルポリウレタン樹脂と
を含有することを特徴とするが、これ以外の樹脂を混合
して利用してもよい。例えば、変性または非変性の酢酸
ビニル共重合体等のビニル系共重合体、ポリカーボネー
トポリウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂が挙げられ
る。更には、ニトロセルロース、セルロースエーテル、
セルロース無機酸エステル、セルロース有機酸エステル
等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂或いは特定の使用方
式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、
電子線照射硬化型樹脂等を併用してもよい。勿論、上述
した範囲外の量の極性基とウレタン基を有するポリエス
テルポリウレタン樹脂を併用してもよい。なお、フェノ
キシ樹脂は、機械的強度が大きく、寸法安定性に優れ、
耐熱、耐水、耐薬品性がよく、接着性がよい等の長所を
有する。
に、塩化ビニル樹脂とポリエステルポリウレタン樹脂と
を含有することを特徴とするが、これ以外の樹脂を混合
して利用してもよい。例えば、変性または非変性の酢酸
ビニル共重合体等のビニル系共重合体、ポリカーボネー
トポリウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂が挙げられ
る。更には、ニトロセルロース、セルロースエーテル、
セルロース無機酸エステル、セルロース有機酸エステル
等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂或いは特定の使用方
式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、
電子線照射硬化型樹脂等を併用してもよい。勿論、上述
した範囲外の量の極性基とウレタン基を有するポリエス
テルポリウレタン樹脂を併用してもよい。なお、フェノ
キシ樹脂は、機械的強度が大きく、寸法安定性に優れ、
耐熱、耐水、耐薬品性がよく、接着性がよい等の長所を
有する。
【0033】また、このような、結合剤に対しては、耐
久性の向上を図るために硬化剤を添加することが好まし
い。この硬化剤としては、多官能イソシアネートが使用
可能であり、特にトリレンジイソシアネート(TDI)
系が好ましい。硬化剤の添加量は、全結合剤量に対して
5〜30重量%が好ましい。
久性の向上を図るために硬化剤を添加することが好まし
い。この硬化剤としては、多官能イソシアネートが使用
可能であり、特にトリレンジイソシアネート(TDI)
系が好ましい。硬化剤の添加量は、全結合剤量に対して
5〜30重量%が好ましい。
【0034】磁性層を形成するには、上述したメタル系
強磁性粉末を、結合剤、潤滑剤、有機溶剤、各種添加剤
とともに、混練分散して磁性塗料とし、この磁性塗料を
非磁性支持体上に塗布乾燥することによって実現され
る。磁性層の乾燥膜厚は、0.2〜4.5μmが好まし
い。
強磁性粉末を、結合剤、潤滑剤、有機溶剤、各種添加剤
とともに、混練分散して磁性塗料とし、この磁性塗料を
非磁性支持体上に塗布乾燥することによって実現され
る。磁性層の乾燥膜厚は、0.2〜4.5μmが好まし
い。
【0035】磁性層に用いられる潤滑剤としては、炭素
数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の1価
〜6価アルコールのいずれか1つとのエステル、混合エ
ステル又はジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを用
いることができる。
数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の1価
〜6価アルコールのいずれか1つとのエステル、混合エ
ステル又はジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを用
いることができる。
【0036】具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン
酸、リノール酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチ
ン酸オクチル等が挙げられる。
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン
酸、リノール酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチ
ン酸オクチル等が挙げられる。
【0037】また、磁性層には、さらに必要に応じてレ
シチン或いはカルボン酸等の分散剤、アルミナ等の研磨
剤、カーボンブラック等の帯電防止剤等の添加剤が添加
されていてもよい。これら各種添加剤としては、従来公
知の材料がいずれも使用可能であり、何等限定されるも
のではない。
シチン或いはカルボン酸等の分散剤、アルミナ等の研磨
剤、カーボンブラック等の帯電防止剤等の添加剤が添加
されていてもよい。これら各種添加剤としては、従来公
知の材料がいずれも使用可能であり、何等限定されるも
のではない。
【0038】本発明で使用可能な非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチックの他、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、アルミニウム等のセラミック等が挙げられる。非
磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を
有する基板を使用する場合には、基板表面にアルマイト
処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面
を硬くするようにしてもよい。
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチックの他、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、アルミニウム等のセラミック等が挙げられる。非
磁性支持体にアルミニウム合金板やガラス板等の剛性を
有する基板を使用する場合には、基板表面にアルマイト
処理等の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面
を硬くするようにしてもよい。
【0039】なお、本発明に係る磁気記録媒体は、磁性
層の平滑化を図るために、上記磁性塗料を塗布する前
に、別の塗料を予め塗布してもよく、その塗料は磁性、
非磁性のどちらでもよい。
層の平滑化を図るために、上記磁性塗料を塗布する前
に、別の塗料を予め塗布してもよく、その塗料は磁性、
非磁性のどちらでもよい。
【0040】また、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁
性支持体と磁性層との間に、磁性層の接着を向上させる
ために、中間層或いは下引き層を設けてもよい。また、
走行耐久性を向上させるために、磁性層の表面に、オー
バーコート層を設けてもよい。
性支持体と磁性層との間に、磁性層の接着を向上させる
ために、中間層或いは下引き層を設けてもよい。また、
走行耐久性を向上させるために、磁性層の表面に、オー
バーコート層を設けてもよい。
【0041】さらに、本発明に係る磁気記録媒体は、非
磁性支持体の磁性層が形成される面とは反対側の面に、
媒体の走行性向上、帯電防止、転写防止のために、例え
ばシリカ、カーボンブラック等の非磁性粉末や、上述し
た結合剤からなるバックコート層を設けてもよい。バッ
クコート層の厚みは、0.4〜0.8μm程度が好まし
い。
磁性支持体の磁性層が形成される面とは反対側の面に、
媒体の走行性向上、帯電防止、転写防止のために、例え
ばシリカ、カーボンブラック等の非磁性粉末や、上述し
た結合剤からなるバックコート層を設けてもよい。バッ
クコート層の厚みは、0.4〜0.8μm程度が好まし
い。
【0042】以上、説明したように、本発明に係る磁気
記録媒体は、磁性粉末として、イットリウムが鉄に対し
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるメタル系強磁性粉末を用い、結合剤と
して、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が2.5〜3.4
mmol/g導入されてなり、極性基が0.12〜0.
21mmol/g導入されてなるポリエステルポリウレ
タン樹脂とを用いてなることから、磁性粉末の特性を十
分に発揮できるだけの塗料分散性を得ることができ、高
密度領域においても良好な記録再生特性を発揮すること
ができる。
記録媒体は、磁性粉末として、イットリウムが鉄に対し
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるメタル系強磁性粉末を用い、結合剤と
して、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が2.5〜3.4
mmol/g導入されてなり、極性基が0.12〜0.
21mmol/g導入されてなるポリエステルポリウレ
タン樹脂とを用いてなることから、磁性粉末の特性を十
分に発揮できるだけの塗料分散性を得ることができ、高
密度領域においても良好な記録再生特性を発揮すること
ができる。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0044】実施例1 表1にて示される特性を有する磁性粉末Aと、表2にて
示される特性を有するポリエステルポリウレタン樹脂A
と塩化ビニル樹脂とを含有する結合剤と、各種添加剤と
溶剤とを用意した。そして、下記に示す組成(1)の磁
性塗料を常法に従って混合し、2軸式エクストルーダー
により混練し、さらに溶剤を加え、ディスパーで予備分
散した後、サンドミルで6時間混合した。
示される特性を有するポリエステルポリウレタン樹脂A
と塩化ビニル樹脂とを含有する結合剤と、各種添加剤と
溶剤とを用意した。そして、下記に示す組成(1)の磁
性塗料を常法に従って混合し、2軸式エクストルーダー
により混練し、さらに溶剤を加え、ディスパーで予備分
散した後、サンドミルで6時間混合した。
【0045】 <磁性塗料組成(1)> 磁性粉末A 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂A 10重量部 塩化ビニル樹脂(商品名:MR−110、日本ゼオン社製) 10重量部 研磨剤:Al2O3 3重量部 帯電防止剤:カーボンブラック(商品名:旭カーボン#50) 2重量部 メチルエチルケトン 120重量部 トルエン 80重量部 シクロヘキサノン 50重量部 なお、この磁性塗料の組成(1)を表3に示す。表3
中、単位は重量部とする。
中、単位は重量部とする。
【0046】次に、図1に示すように、非磁性支持体1
上に磁性層2を形成した。すなわち、上記磁性塗料に硬
化剤としてポリイソシアネート化合物を添加し、この塗
料をダイコーターを用いて厚さ7μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムからなる非磁性支持体1に塗布
し、厚み3μmの磁性層2を形成した。その後、磁性層
2が形成された非磁性支持体1に対して、ソレノイドコ
イルにより配向処理した後、乾燥させ、カレンダー処
理、硬化処理を行った。
上に磁性層2を形成した。すなわち、上記磁性塗料に硬
化剤としてポリイソシアネート化合物を添加し、この塗
料をダイコーターを用いて厚さ7μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムからなる非磁性支持体1に塗布
し、厚み3μmの磁性層2を形成した。その後、磁性層
2が形成された非磁性支持体1に対して、ソレノイドコ
イルにより配向処理した後、乾燥させ、カレンダー処
理、硬化処理を行った。
【0047】さらに、下記に示す組成のバック塗料を上
記非磁性支持体1の磁性層2が形成される面とは反対側
の面に塗布し、厚み0.5μmのバックコート層3を形
成した。そして、これを8mm幅にスリットして、実施
例1の磁気テープとした。
記非磁性支持体1の磁性層2が形成される面とは反対側
の面に塗布し、厚み0.5μmのバックコート層3を形
成した。そして、これを8mm幅にスリットして、実施
例1の磁気テープとした。
【0048】バック塗料組成 カーボンブラック(商品名:旭#50) 100重量部 ポリエステルポリウレタン(商品名:ニッポランN−2304) 100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0049】
【表1】
【0050】なお、表1に示される磁性粉末の磁気特性
(飽和磁化、保磁力、角形比)は、試料振動型磁力計
(東英工業社製)を用い、印加磁界15kOe、スィー
プ速度10秒/10kOeの条件により測定した。比表
面積は、高速表面分析装置(RAPID SURFACE AREA ANALY
ZER)(マイクロメトリック社製)により求めた。平均
長軸長は、電子顕微鏡写真を撮影し、その粒径を測定し
たものである。水分は、カールフィシャー式水分計にお
いて、磁性粉末を150℃に加熱し、気化した水分量か
ら求めたものである。また、Feに対するY、Al、C
oの比(Y/Fe、Al/Fe、Co/Fe)は、蛍光
X線分析装置により測定した。
(飽和磁化、保磁力、角形比)は、試料振動型磁力計
(東英工業社製)を用い、印加磁界15kOe、スィー
プ速度10秒/10kOeの条件により測定した。比表
面積は、高速表面分析装置(RAPID SURFACE AREA ANALY
ZER)(マイクロメトリック社製)により求めた。平均
長軸長は、電子顕微鏡写真を撮影し、その粒径を測定し
たものである。水分は、カールフィシャー式水分計にお
いて、磁性粉末を150℃に加熱し、気化した水分量か
ら求めたものである。また、Feに対するY、Al、C
oの比(Y/Fe、Al/Fe、Co/Fe)は、蛍光
X線分析装置により測定した。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】実施例2〜実施例7 表1に示される特性の磁性粉末Aを用い、表2及び表3
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
【0054】比較例1〜比較例2 表1に示される特性の磁性粉末Aを用い、表2及び表3
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
【0055】実施例8〜実施例14 表1に示される特性の磁性粉末Bを用い、表2及び表3
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
【0056】比較例3〜比較例4 表1に示される特性の磁性粉末Bを用い、表2及び表3
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
【0057】実施例15〜実施例21 表1に示される特性の磁性粉末Cを用い、表2及び表3
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
【0058】比較例5〜比較例6 表1に示される特性の磁性粉末Cを用い、表2及び表3
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
【0059】実施例22〜実施例28 表1に示される特性の磁性粉末Dを用い、表2及び表3
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
【0060】比較例7〜比較例8 表1に示される特性の磁性粉末Dを用い、表2及び表3
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
【0061】実施例29〜実施例35 表1に示される特性の磁性粉末Eを用い、表2及び表3
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
にて示される組成(2)〜組成(7)の磁性塗料を用い
た。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製し、
非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テープ
をそれぞれ作製した。
【0062】比較例9〜比較例10 表1に示される特性の磁性粉末Eを用い、表2及び表3
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
にて示される組成(8)及び組成(9)の磁性塗料を用
いた。これ以外は、実施例1と同様に磁性塗料を調製
し、非磁性支持体上に塗布乾燥し、配向処理して磁気テ
ープをそれぞれ作製した。
【0063】以下、このように作製された各実施例及び
比較例の磁気テープの磁気特性を調べた。すなわち、残
留磁束密度、角形比、保磁力は、試料振動型磁力計(東
英工業社製VSM)を用い、印加磁界15kOe、スィ
ープ速度3秒/10kOeの条件により測定した。反転
磁界分布は、ヒステリシスカーブを0〜10kOeの範
囲の微分し、得られたピークの半値幅を保磁力で割った
ものである。これらの結果を、表4〜表8に示す。この
うち、角形比は、分散性の向上に伴い上昇するので、分
散性の指標として用いることができる。
比較例の磁気テープの磁気特性を調べた。すなわち、残
留磁束密度、角形比、保磁力は、試料振動型磁力計(東
英工業社製VSM)を用い、印加磁界15kOe、スィ
ープ速度3秒/10kOeの条件により測定した。反転
磁界分布は、ヒステリシスカーブを0〜10kOeの範
囲の微分し、得られたピークの半値幅を保磁力で割った
ものである。これらの結果を、表4〜表8に示す。この
うち、角形比は、分散性の向上に伴い上昇するので、分
散性の指標として用いることができる。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】表4〜表8の実施例1〜実施例35の結果
からわかるように、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が
2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性基が
0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポリエ
ステルポリウレタン樹脂とを含有してなる結合剤を用い
て磁性塗料を調製することにより、優れた塗料分散性及
び良好な磁気特性を得ることができた。これに対し、上
記条件を満たしているポリエステルポリウレタン樹脂或
いは塩化ビニル樹脂を用いていない比較例1〜比較例1
5の磁気テープは、分散性に劣っている。
からわかるように、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が
2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性基が
0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポリエ
ステルポリウレタン樹脂とを含有してなる結合剤を用い
て磁性塗料を調製することにより、優れた塗料分散性及
び良好な磁気特性を得ることができた。これに対し、上
記条件を満たしているポリエステルポリウレタン樹脂或
いは塩化ビニル樹脂を用いていない比較例1〜比較例1
5の磁気テープは、分散性に劣っている。
【0070】このことから、イットリウムが鉄に対し
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるような微細化されたメタル系強磁性粉
末に対して、上述した塩化ビニル樹脂とポリエステルポ
リウレタン樹脂とを含有する結合剤を用いることによ
り、磁性粉末を十分に分散させ、その特性を十分に発揮
させることができることがわかる。
1.8〜6.6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対
し6.2〜10原子%添加されて、比表面積が41〜6
2m2/gであるような微細化されたメタル系強磁性粉
末に対して、上述した塩化ビニル樹脂とポリエステルポ
リウレタン樹脂とを含有する結合剤を用いることによ
り、磁性粉末を十分に分散させ、その特性を十分に発揮
させることができることがわかる。
【0071】また、実験例1〜実験例5の結果から、上
述した効果を十分に発揮させるために、ポリエステルポ
リウレタン樹脂の含有量は、全結合剤樹脂に対して10
〜50重量%であることが好ましいことがわかる。ま
た、塩化ビニル樹脂の含有量は、全結合剤樹脂の対して
50〜90重量%であることが好ましいことがわかる。
述した効果を十分に発揮させるために、ポリエステルポ
リウレタン樹脂の含有量は、全結合剤樹脂に対して10
〜50重量%であることが好ましいことがわかる。ま
た、塩化ビニル樹脂の含有量は、全結合剤樹脂の対して
50〜90重量%であることが好ましいことがわかる。
【0072】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気記録媒体は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン
基が2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性
基が0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポ
リエステルポリウレタン樹脂とを含有してなる結合剤を
用いてなることから、微細化されたメタル系強磁性粉末
に対しても良好な塗料分散性を得ることができる。した
がって、本発明によれば、磁気特性に優れ、高密度記録
領域においても良好な記録再生特性を発揮する磁気記録
媒体を得ることができる。
明に係る磁気記録媒体は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン
基が2.5〜3.4mmol/g導入されてなり、極性
基が0.12〜0.21mmol/g導入されてなるポ
リエステルポリウレタン樹脂とを含有してなる結合剤を
用いてなることから、微細化されたメタル系強磁性粉末
に対しても良好な塗料分散性を得ることができる。した
がって、本発明によれば、磁気特性に優れ、高密度記録
領域においても良好な記録再生特性を発揮する磁気記録
媒体を得ることができる。
【図1】実施例で作製した磁気テープの構成を示す断面
図である。
図である。
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 バックコート層
Claims (4)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤と
を主体とする磁性塗料が塗布されて磁性層が形成されて
なる磁気記録媒体において、 上記磁性粉末は、イットリウムが鉄に対し1.8〜6.
6原子%添加され、アルミニウムが鉄に対し6.2〜1
0原子%添加されて、比表面積が41〜62m2/gで
あるメタル系強磁性粉末であり、 上記結合剤は、塩化ビニル樹脂と、ウレタン基が2.5
〜3.4mmol/g導入されてなり、極性基が0.1
2〜0.21mmol/g導入されてなるポリエステル
ポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする磁気記
録媒体。 - 【請求項2】 上記ポリエステルポリウレタン樹脂の含
有量は、全結合剤樹脂に対し10〜50重量%であるこ
とを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上記塩化ビニル樹脂の含有量は、全結合
剤樹脂に対し50〜90重量%であることを特徴とする
請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 極性基が、−SO3M(但し、Mは、ア
ルカリ金属である。)であることを特徴とする請求項1
記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9107563A JPH10302247A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9107563A JPH10302247A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10302247A true JPH10302247A (ja) | 1998-11-13 |
Family
ID=14462350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9107563A Withdrawn JPH10302247A (ja) | 1997-04-24 | 1997-04-24 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10302247A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6224967B1 (en) * | 1997-05-21 | 2001-05-01 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
-
1997
- 1997-04-24 JP JP9107563A patent/JPH10302247A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6224967B1 (en) * | 1997-05-21 | 2001-05-01 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Magnetic recording medium |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20040316 |