JP2826074B2 - ディジタル保護継電器 - Google Patents

ディジタル保護継電器

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JP2826074B2 JP6298521A JP29852194A JP2826074B2 JP 2826074 B2 JP2826074 B2 JP 2826074B2 JP 6298521 A JP6298521 A JP 6298521A JP 29852194 A JP29852194 A JP 29852194A JP 2826074 B2 JP2826074 B2 JP 2826074B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力系統を保護するデ
ィジタル保護継電器、特に電気量の検出に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ディジタル保護継電器における電気量の
演算方法は、例えば、電気学会大学講座「保護継電器」
(出版:オーム社)第6章の第6.2表に示される振幅
値演算方法である。これらの積加算法や整流加算法等の
演算手段により電気量の振幅値の演算をして、その結果
によってディジタル保護継電器を動作させ電力系統の保
護をしてきた。図10は、この演算方法における積加算
法として振幅値二乗和法による振幅値演算結果を、基本
波(正弦波)入力に対応した図であり、横軸に時間をと
り縦軸(図示しない)にその時間に対応する電気量の演
算結果を示す。なお、本文中の図において入力波の振幅
は説明を簡単にするため正規化して示す。図11、図1
2は同じく台形波が入力波の場合に対応する電気量の振
幅値の演算結果を示した図であり、それぞれ基本波に対
して振幅値が1.05,1.2倍の例である。ここで、
台形波とは図に示すように基本波の頂部がほぼ水平に切
り取られた波形をいう。このような台形波は、例えば、
送電線において負荷遮断されたときに、電源側の電圧が
上昇して半導体アレスタにより電力量が一定値以上でカ
ットされるために頂部のカットされた波形が生じる。こ
のような台形波の場合にも、上述のような基本波の場合
にも電気量の振幅値二乗和(演算値)により、即ちその
最大値を基準としてディジタル保護継電器を動作させて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気量の演算方
法では、上記のような基本波が入力波の場合は、期待す
る電気量のピーク値の演算値が得られる。しかし、台形
波が入力波の場合には、図11,図12に示すように、
振幅値二乗和である演算値が大きく脈動して、この振幅
値二乗和の最大値をピーク値として検出していたので実
際の電気量のピーク値より大きく検出してしまうという
問題点があった。また、サンプリングデータを直接ピー
ク値とする場合には、全てのサンプリングデータの中の
最大値をピーク値としていたので演算効率が良くないこ
とがあった。ここで、ピーク値とは電気量のサンプリン
グ値及びサンプリング値により演算した演算値の最大値
を意味しており、これらの値によりディジタル保護継電
器が動作する。
【0004】さらにつけ加えれば、一般の保護継電器の
動作値として基本波の実効値をとるケースが多い。振幅
値二乗和は実質的に電気角90度内の2点により実効値
そのものを求めていることになる。しかし、入力波が台
形波の場合には、これを用いて電気角90度内の全ての
サンプリング点により実効値を求めることは可能である
が、このことは実効値の更なる平均化をすることとなっ
て意味がなく、有用な実効値を検出することが困難にな
るという問題があった。
【0005】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたもので、入力波が台形波の場合にも、電気
量の正確なピーク値を検出すること、即ち誤動作や不動
作のないディジタル保護継電器を得ることを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係るディジタ
ル保護継電器は、演算手段によりサンプリングデータを
積加算法により演算して、電気量が時間軸をクロスした
時点を0点検出手段により検出して、この0点検出手段
の出力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時点
の演算手段により得られた演算値により電気量のピーク
値をピーク値検出手段により検出するものである。
【0007】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内の演算手段により得られた演
算値の最小値を電気量のピーク値とするものである。
【0008】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内の演算値手段により得られた
演算した演算値の平均値を電気量のピーク値とするもの
である。
【0009】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点より電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内に演算手段により得られた演
算値の増加・減少傾向を検出して、上記演算値が単峰的
な場合には上記演算値の最小値を、また上記演算値がこ
の演算値の最小値付近で増減を繰り返す場合には上記演
算値の平均値をそれぞれ電気量のピーク値を検出するも
のである。
【0010】さらに、電気量が時間軸をクロスした時点
を0点検出手段により検出して、この0点検出手段の出
力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時点を中
心とする所定時間内のサンプリング手段により得られる
サンプリングデータの最大値を電気量のピーク値として
ピーク値検出手段により検出するものである。
【0011】さらに、0点検出手段は、入力電気量の正
負が反転した時点を中心とする前後のサンプリングデー
タとそのサンプリング時点とサンプリング周期により、
上記電気量が時間軸をクロスした時点を推定するもので
ある。
【0012】さらにまた、0点検出手段は、入力電気量
の正負が反転した時点を中心とする前後の電気角30度
以内のサンプリングデータを用いるので、正弦波とその
サンプリング時点とサンプリング周期により、上記正の
サンプリングデータの1つと負のサンプリングデータの
1つを一組として、上記電気量が時間軸をクロスした時
点を各組について推定してその平均値を算出するもので
ある。
【0013】
【作用】この発明に係るディジタル保護継電器は、0点
検出手段の出力時点から電気角90度相当分の整数倍と
なる時点の演算手段により得られた演算値により、入力
波が台形波の場合にも電気量のピーク値の検出が可能と
なる。
【0014】さらに、所定時間内の演算手段により得ら
れた演算値の最小値は、所定時間内の上記演算値が単峰
的なとき電気量の振幅値の最大値を示す。
【0015】さらに、所定時間内の演算手段により得ら
れた演算値の平均値は、所定時間内の上記演算値が増減
するとき電気量の振幅値の適切な値を示す。
【0016】さらに、所定時間内の演算手段により得ら
れた演算値の増加・減少傾向を検出して、所定時間内の
上記演算値が単峰的なときと所定時間内の上記演算値が
増減するときの電気量のピーク値を選択可能とした。
【0017】さらに、0点検出手段の出力時点から電気
角90度相当分の整数倍となる時点を中心とする所定時
間内のサンプリングデータにより、入力波が台形波の場
合にも電気量のピーク値の検出が可能となる。
【0018】さらに、0点検出手段は、正弦波上の2点
のサンプリングデータを直線近似することにより、電気
量が時間軸をクロスした時点を推定できる。
【0019】さらにまた、0点検出手段は、正弦波上の
入力電気量の正負が反転した時点にを中心とする前後の
電気角30度以内のサンプリングデータを直線近似する
ことにより、電気量が時間軸をクロスした時点を推定が
できる。
【0020】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例について説明す
る。図1はディジタル保護継電器の構成を示すブロック
図であり、1は保護対象としての電力系統、2は計器用
変成器中の変流器、3は計器用変成器中の変圧器、4は
ディジタル保護継電器である。このディジタル保護継電
器4は電流用入力変換器5と電圧用入力変換器6とアナ
ログフィルタ回路7,8とサンプルホールド回路9,1
0とマルチプレクサ回路11とアナログ・ディジタル変
換回路12と中央演算処理装置(以下、CPUと称す
る)13とランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称
する)14とリードオンリメモリ(以下、ROMと称す
る)15及びディジタル入出力回路16を備えている。
上記電流用入力変換器5と電圧用入力変換器6としては
一般に3相分または4相分の変換器を備えているが、図
1では1相分を代表として図示してある。17はディジ
タル入出力回路16から出力されるディジタル保護継電
器4としての出力である。上記アナログ・ディジタル変
換回路12とCPU13とRAM14とROM15及び
ディジタル入出力回路16によってコンピュータが構成
され、このコンピュータによって演算手段が構成されて
いることから、ROM15にはCPU13を動作するた
めのプログラムがあらかじめ記憶されている。
【0021】次に、この実施例の動作を説明する。変流
器2と変圧器3が電力系統1における各相分の電気量を
検出してディジタル保護継電器4に出力すると、電流用
入力変換器5と電圧用入力変換器6が上記検出された電
気量に相当する大きさの電圧値に変換し、アナログフィ
ルタ回路7,8が上記変換された電気量としての電圧値
から電力系統1の高周波成分を除去し、サンプルホール
ド回路9,10が上記高周波成分を除去された電気量と
しての電圧値を全チャンネル同時にサンプルホールド
し、マルチプレクサ回路11が上記サンプルホールドさ
れた電圧値を電力系統1の各1チャンネルずつに分割し
つつアナログ・ディジタル変換回路12に供給し、アナ
ログ・ディジタル変換回路12が上記各チャンネルごと
の電圧値をアナログ・ディジタル変換する。これはサン
プリング手段によりサンプリングデータを得る過程であ
る。つぎに、CPU13がROM15に格納されたプロ
グラムによる機能によって上記アナログ値からディジタ
ル値に変換された値(データ)をRAM14に格納する
とともに所定の演算を行い、その結果としての判定出力
をディジタル入出力回路16に出力することにより外部
信号17となる。
【0022】図2は、電気量の検出にかかる部分のフロ
ーチャートであり、18はサンプリングデータが時間軸
をクロスする時点である0点を検出する0点検出手段、
19は電気量のピーク値を検出するピーク値検出手段で
あり、0点検出手段18により0点を検出して、ピーク
値検出手段19により0点より電気角90度前の演算手
段により得られた演算値を電気量のピーク値としてディ
ジタル保護継電器を動作させる。つぎに、ピーク値検出
手段19の演算方法である積加算法の一種である振幅値
二乗法について、図3の振幅値二乗法の原理を示すブロ
ック図により説明する。21は0点のサンプリングデー
タである0点サンプリングデータXtを二乗する第1の
二乗手段、22は0点よりも電気角で90度前のサンプ
リングデータである90度前サンプリングデータXt-90
を二乗する第2の二乗手段、23は第1の二乗手段21
と第2の二乗手段の和をとる演算値である振幅値二乗和
である。ここで、0点サンプリングデータをXt、90
度前サンプリングデータをXt-90、Aを振幅、ωを角周
波数、αを初期位相とすれば、
【0023】
【数1】
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】となり振幅値二乗和23が求められる。基
本波が入力波の時には、図10に示すようになり振幅値
二乗和23は一定値となり、面積法(半サイクル整流積
分とも称す)のようなリプルはない。
【0027】図4は入力波の振幅が基本波の1.2倍で
ある台形波の場合の振幅二乗法を示す説明図であり、入
力波形の0点から電気角90度手前における振幅値二乗
和23が電気量のピーク値を示していることがわかる。
また、0点の振幅値二乗和23はXt 2+Xt-90 2、0点
の電気角90度手前の振幅値二乗和23はXt-90 2+X
t-180 2、である。ここで、Xt 2=Xt-180 2、であること
は明らかであるので、入力波形の0点及び0点から電気
角90度手前における振幅値二乗和23が入力波形のピ
ーク値を示し、同様に0点から前後に90度の整数倍し
た位置での振幅値二乗和23が入力波形のピーク値を示
す。また、この演算値のピーク値は図からも明らかなよ
うに、演算値の最小値1をとり入力波形の振幅値の最大
値1となる。
【0028】以上のことから、0点検出手段18の出力
時点から電気角90度相当分の整数倍となる時点の演算
値により電気量のピーク値をピーク値検出手段19によ
り検出するので、入力波が台形波の場合にも正確なピー
ク値を検出でき、正常動作するディジタル保護継電器を
得ることができる。なお、実施例1では積加算法として
2点のサンプリングデータによる振幅値二乗和法につい
て説明したが、例えば特開平1ー173877号公報に
示すように数点のサンプリングデータによる積加算法で
あっても良いのは言うまでもない。
【0029】実施例2.次に、この発明の別の実施例に
ついて説明する。入力波が台形波の場合について、実施
例1ではピーク値検出手段として振幅値二乗法により演
算を行っている。ここで図4から、0点検出手段18に
より0点が正確に求まれば、0点から電気角90度手前
のサンプリングデータそのものを電気量のピーク値とし
てもよいことは明らかである。この場合、図4のとおり
入力波が台形波であるので振幅値のピーク値付近はフラ
ットであるため、このフラット部分の最大値をもって電
気量のピーク値とすることが可能である。
【0030】つぎに、電気量の最大値であるピーク値を
求める所定の時刻として、この設計裕度が例えば1%で
あるときには、sinθの最大値が1であるのでその範
囲は0.99〜1であればよい。つまり電気角θの所定
の電気角は82度〜98度のサンプリングデータを対象
とすればよい。ここで、時刻と電気角とは等価であり説
明の完簡略化のため電気角で表現する。このように、所
定の電気角内のサンプリングデータによりピーク値を決
定するので、サンプリングデータ一点のみによる決定よ
りも誤差が減少できる。以上のことから、所定電気角内
のサンプリングデータの最大値を電気量のピーク値とし
て検出するので、入力波が台形波の場合にも正確なピー
ク値を検出でき、正常動作するディジタル保護継電器を
得ることができる。さらに、全サンプリングデータを比
較する必要がないので演算効率がよい。
【0031】実施例3.次に、この発明の別の実施例に
ついて説明する。積加算法により電気量のピーク値を検
出する場合において、実施例2で説明したのと同様の理
由から、設計裕度を1%として所定の電気角82度〜9
8度のサンプルデータを対象とする場合について説明す
る。図5は、例えば図4の振幅値二乗和23の最小値付
近の拡大図であり、振幅値二乗和23は単調減少から単
調増加つまり単峰的である。このような場合には、振幅
値二乗和23の最小値に対応する振幅値が最大値となる
ことは明らかであるので、この振幅値二乗和23を電気
量のピーク値とすることができる。したがって、所定の
電気角内の演算値が単峰的なとき正確なピーク値を検出
できる。
【0032】同様に、図6は、例えば図4の振幅値二乗
和23の最小値付近の拡大図であり、振幅値二乗和23
は所定の電気角内で増減している。このような場合に
は、振幅値二乗和23の演算前のサンプリングデータに
ばらつきがあり、どの振幅値二乗和23に対応する振幅
値が最大値となるかは明らかではない。そこで、この振
幅値二乗和23の所定の電気角内の値の平均値を電気量
のピーク値とするれば、サンプリングデータのばらつき
の影響を除去できる。したがって、所定の電気角内の演
算値が増減するとき正確なピーク値を検出できる。
【0033】実施例4.次に、この発明の別の実施例に
ついて説明する。図7は、ピーク値検出手段の一例を示
すフローチャートであり、30は所定の電気角度内の振
幅値二乗和23を入力する振幅値二乗和入力手段、31
は振幅値二乗和入力手段30からの振幅値二乗和23が
単峰であるか否かを判定する単峰判定手段、32は単峰
判定手段により単峰であると判断されたときには振幅値
二乗和23の最小値を電気量のピーク値とする第1のピ
ーク値検出手段、33は単峰判定手段により単峰でない
と判断されたときには平均値を電気量のピーク値とする
第2のピーク値検出手段である。
【0034】ここで、設計裕度を1%として、所定の電
気角θの範囲が82度〜98度内にある振幅値二乗和2
3について説明する。これらの振幅値二乗和23のばら
つきが少なくそれらの振幅値二乗和23が単峰的であれ
ば、実施例3で説明したようにピーク値付近の最小値
を、振幅値二乗和23のばらつきが大きく一義的に最大
値あるいは最小値が定まらない場合にはピーク値付近の
平均値をそれぞれ電気量のピーク値とすることが好まし
いことは自明である。したがって、ピーク値付近の振幅
値二乗和23が単峰的であるか否かを判定してより適切
な電気量のピーク値検出手段により検出することによっ
て、高精度に電気量のピーク値を検出することが可能と
なる。
【0035】実施例5.次に、この発明の別の実施例で
あり0点を検出する0点検出手段について説明する。図
8は入力波形の0点付近を直線近似した拡大図であり、
横軸tはサンプリング時点、縦軸(図示していない)は
電気量、白丸はサンプリング点である。x,yはサンプ
リングデータの正負が反転した2点のサンプリングデー
タであり、X,Yはそれぞれのサンプリングデータx,
yのサンプリング時点から電気量が横軸tをクロスした
時点(0点)と推定される時点までの時間である。ま
た、ΔTはサンプリング周期であり、サンプリング周期
ΔTと0点までの時間X,Yの間にはΔT=X+Yの関
係がある。
【0036】ここで、サンプリングデータの正負が反転
した2点間を電気量は正弦波であるので直線に近似し
て、0点までの時間Xはサンプリングデータx,yとサ
ンプリング周期ΔTにより、 X=x・ΔT/(x+y) と求められる。この0点までの時間Xと電気量のサンプ
リングデータxのサンプリング時点の和をとることによ
り、電気量が横軸をクロスした時点言い換えれば0点を
推定することができる。
【0037】実施例6.次に、この発明の別の実施例で
あり0点を検出する0点検出手段について説明する。図
9は入力波形の0点付近の拡大図であり、横軸tはサン
プリング時点、縦軸(図示していない)は電気量、白丸
はサンプリング点である。x1,y1はサンプリングデ
ータの正負が反転した2点のサンプリングデータであ
り、x2,x3はx1よりもそれぞれ1周期(T)前,
2周期(2T)前のサンプリングデータである。X1,
Y1は、サンプリングデータx1,y1のサンプリング
時点から電気量が横軸tをクロスした時点(0点)と推
定される時点までの時間であり、X2,X3はX1より
もそれぞれ1周期(T)前,2周期(2T)前における
それぞれのサンプリング時点から0点までの時間であ
る。y2,Y2はy1,Y1よりも1周期(T)後、y
3,Y3はy1,Y1よりも2周期(2T)後のサンプ
リングデータと0点までの時間である。また、ΔTはサ
ンプリング周期であり、サンプリング周期ΔTと0点ま
での時間X1,X2,X3の間には、ΔT=X1+Y1
=X2−X1=X3−X2の関係がある。
【0038】ここで、サンプリングデータの正負が反転
した2点のサンプリング点を中心とする電気角30度以
内を直線に近似すれば、0点までの時間X1,X2,X
3はサンプリングデータx1,x2,x3とサンプリン
グ周期ΔTにより、 X1=x1・ ΔT/(x1+y1), X2=x2・2ΔT/(x2+y2), X3=x3・3ΔT/(x3+y3) と求められる。複数のサンプリング点による平均値は、
0点をX0、nを整数として、それぞれの0点までの時
間X1,X2,X3とサンプリングデータx1,x2,
x3のサンプリング時点から、 X0={X1+X2−ΔT+X3−2ΔT・・・・・・・・+X
n−(n−1)ΔT}/n と求められる。ここで、正弦波が直線近似できる範囲と
して30度付近まで考えられるため、(n−1)ΔTは
30度程度までと考えられる。このように、サンプリン
グ点を複数点用いてその平均値を使用しているので、サ
ンプリングデータにばらつきがある場合にも0点の検出
が可能であり、0点検出の精度がより良くなる。
【0039】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、演算手
段によりサンプリングデータを積加算法により演算し
て、電気量が時間軸をクロスした時点を0点検出手段に
より検出して、この0点検出手段の出力時点から電気角
90度相当分の整数倍となる時点の演算手段により得ら
れた演算値により電気量のピーク値をピーク値検出手段
により検出するので、入力波が台形波の場合にも正確な
ピーク値を検出でき、正常動作するディジタル保護継電
器を得ることができる。
【0040】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内の演算手段により得られた演
算値の最小値を電気量のピーク値とするので、所定時間
内のサンプリングデータの演算値が単峰的なとき正確な
ピーク値を検出でき、正常動作するディジタル保護継電
器を得ることができる。
【0041】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内の演算値手段により得られた
演算した演算値の平均値を電気量のピーク値とするの
で、所定時間内のサンプリングデータの演算値が増減す
るとき正確なピーク値を検出でき、正常動作するディジ
タル保護継電器を得ることができる。
【0042】さらに、ピーク値検出手段は、0点検出手
段の出力時点より電気角90度相当分の整数倍となる時
点を中心とする所定時間内に演算手段により得られた演
算値の増加・減少傾向を検出して、上記演算値が単峰的
な場合には上記演算値の最小値を、また上記演算値がこ
の演算値の最小値付近で増減を繰り返す場合には上記演
算値の平均値をそれぞれ電気量のピーク値を検出するの
で、所定時間内のサンプリングデータが単峰的なときと
所定時間内のサンプリングデータが増減するときの電気
量の正常なピーク値を検出でき、正常動作するディジタ
ル保護継電器を得ることができる。
【0043】さらに、電気量が時間軸をクロスした時点
を0点検出手段により検出して、この0点検出手段の出
力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時点を中
心とする所定時間内のサンプリング手段により得られる
サンプリングデータの最大値を電気量のピーク値として
ピーク値検出手段により検出するので、入力波が台形波
の場合にも正確なピーク値を検出でき、正常動作するデ
ィジタル保護継電器を得ることができる。さらに、全サ
ンプリングデータを比較する必要がないので演算効率が
よい。
【0044】さらに、電気量が時間軸をクロスした時点
を0点検出手段により検出して、この0点検出手段の出
力時点から電気角90度相当分の整数倍となる時点を中
心とする所定時間内のサンプリング手段により得られる
サンプリングデータの最大値を電気量のピーク値として
ピーク値検出手段により検出するので、簡単な装置構成
のディジタル保護継電器を得ることができる。
【0045】さらにまた、0点検出手段は、入力電気量
の正負が反転した時点を中心とする前後の電気角30度
以内のサンプリングデータを用いるので、正弦波とその
サンプリング時点とサンプリング周期により、上記正の
サンプリングデータの1つと負のサンプリングデータの
1つを一組として、上記電気量が時間軸をクロスした時
点を各組について推定してその平均値を算出するので、
0点検出の精度が高いディジタル保護継電器を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるディジタル保護継電
器の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例による電気量検出にかかる
部分のフローチャートである。
【図3】 本発明の一実施例による振幅値二乗法の原理
を示すブロック図である。
【図4】 本発明の一実施例による入力波の振幅が基本
波の1.2倍である台形波の場合の振幅二乗和の演算結
果を示す図である。
【図5】 本発明の別の実施例による入力波が台形波の
場合の振幅二乗和の最小値付近の拡大図である。
【図6】 本発明の別の実施例による入力波が台形波の
場合の振幅二乗和の最小値付近の拡大図である。
【図7】 本発明の別の実施例によるピーク値検出手段
の一例を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の別の実施例による入力波形の0点付
近を直線近似した拡大図である。
【図9】 本発明の別の実施例による入力波形の0点付
近の拡大図である。
【図10】 従来の基本波入力に対する振幅値二乗和に
よる演算結果を示す図である。
【図11】 従来の台形波入力に対する振幅値二乗和に
よる演算結果を示す図である。
【図12】 従来の台形波入力に対する振幅値二乗和に
よる演算結果を示す図である。
【符号の説明】
1:電力系統 4:ディジタル保護継電器 5:電
流用入力変換器 6:電圧用入力変換器 12:アナログ・ディジタル
変換回路 13:中央演算処理装置 14:ROM 15:R
AM 18:0点検出手段 19:ピーク値検出手段 x,y:電気量のサンプリングデータ X,Y:サンプリング時点から0点までの時間 Δ
T:サンプリング周期
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−72237(JP,A) 特開 平2−13220(JP,A) 特開 昭62−200268(JP,A) 特開 平1−173877(JP,A) 特開 平1−311286(JP,A) 特開 昭58−143277(JP,A) 特開 平2−101920(JP,A) 特開 平4−168910(JP,A) 実開 昭59−183140(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02H 1/00 - 3/07 G01R 19/00 - 19/32

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保護対象としての電力系統から電気量を
    検出する電気量検出手段と、この電気量検出手段により
    検出された電気量をアナログ・ディジタル変換する変換
    手段と、この変換手段により変換した値をサンプリング
    するサンプリング手段、このサンプリング手段により得
    られたサンプリングデータを積加算法により演算する演
    算手段と、上記電気量が時間軸をクロスした時点を検出
    する0点検出手段と、この0点検出手段により得られる
    0点から電気角90度相当分の整数倍となる時点の上記
    演算手段により得られた演算値により電気量のピーク値
    を検出するピーク値検出手段とを備えたことを特徴とす
    るディジタル保護継電器。
  2. 【請求項2】 ピーク値検出手段は、0点検出手段によ
    り得られる0点から電気角90度相当分の整数倍となる
    時点を中心とする所定時間内の演算手段により得られた
    演算値の最小値を電気量のピーク値とすることを特徴と
    する請求項1記載のディジタル保護継電器。
  3. 【請求項3】 ピーク値検出手段は、0点検出手段によ
    り得られる0点から電気角90度相当分の整数倍となる
    時点を中心とする所定時間内の演算手段により得られた
    演算値の平均値を電気量のピーク値とすることを特徴と
    する請求項1記載のディジタル保護継電器。
  4. 【請求項4】 ピーク値検出手段は、0点検出手段によ
    り得られる0点から電気角90度相当分の整数倍となる
    時点を中心とする所定時間内の演算手段により得られた
    演算値の増加・減少傾向を検出して、上記演算手段によ
    り得られた演算値が単峰的な場合には上記演算値の最小
    値を、上記演算手段により得られた演算値がこの演算値
    の最小値付近で増減を繰り返す場合には上記演算値の平
    均値をそれぞれ電気量のピーク値とすることを特徴とす
    る請求項1記載のディジタル保護継電器。
  5. 【請求項5】 保護対象としての電力系統から電気量を
    検出する電気量検出手段と、この電気量検出手段により
    検出された電気量をアナログ・ディジタル変換する変換
    手段と、この変換手段により変換した値をサンプリング
    するサンプリング手段、上記電気量が時間軸をクロスし
    た時点を検出する0点検出手段と、この0点検出手段に
    より得られる0点から電気角90度相当分の整数倍とな
    る時点を中心とする所定時間内の上記サンプリング手段
    により得られるサンプリングデータの最大値を電気量の
    ピーク値とするピーク値検出手段とを備えたことを特徴
    とするディジタル保護継電器。
  6. 【請求項6】 0点検出手段は、入力電気量の正負が反
    転した時点を中心とする前後のサンプリングデータとこ
    れらのサンプリング時点とサンプリング周期により、上
    記電気量が時間軸をクロスした時点を推定し、その時点
    を0点とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のい
    ずれか一項記載のディジタル保護継電器。
  7. 【請求項7】 0点検出手段は、入力電気量の正負が反
    転した時点を中心とする前後の電気角30度以内のサン
    プリングデータとそのサンプリング時点とサンプリング
    周期により、上記正のサンプリングデータの1つと負の
    サンプリングデータの1つを一組として、上記電気量が
    時間軸をクロスした時点を各組について推定してその平
    均値を算出し、その時点を0点とすることを特徴とする
    請求項1〜請求項5のいずれか一項記載のディジタル保
    護継電器。
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