JP2737357B2 - 三相電子的負荷装置 - Google Patents

三相電子的負荷装置

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JP2737357B2
JP2737357B2 JP2121932A JP12193290A JP2737357B2 JP 2737357 B2 JP2737357 B2 JP 2737357B2 JP 2121932 A JP2121932 A JP 2121932A JP 12193290 A JP12193290 A JP 12193290A JP 2737357 B2 JP2737357 B2 JP 2737357B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は三相電子的負荷装置に関し、詳しくは、三相
交流電源に接続されて抵抗負荷、誘導性負荷、容量性負
荷または定電力・定電流負荷等を単一の装置で高精度に
実現可能とした三相電子的負荷装置に関する。
(従来の技術) 従来の単相電子的負荷装置としては、例えば第3図に
示す構成のものが知らている。すなわち同図において、
1は単相電子的負荷装置、2は交流電源、3はA/Dコン
バータ,4は演算処理を行うCPU、5はD/Aコンバータ、6
は電流源としての電圧/電流変換器を示している。
このような構成の単相電子的負荷装置1において、A/
Dコンバータ3は入力電圧をサンプリングしてディジタ
ル値に変換し、このディジタル値及び負荷特性設定値に
基づいてCPU4により各種演算を行い、その演算結果をD/
Aコンバータ5及び電圧/電流変換器6にて所定の電流
設定値に変換して出力することにより、抵抗負荷、容量
性負荷、誘導性負荷または定電力・定電流負荷等を模擬
するようになっている。
すなわち、抵抗負荷の場合は、第4図に示すようにA/
Dコンバータ3により入力電圧Vaが一定時間間隔(Ts)
毎にサンプリングされ、これに基づきCPU4は下記(1)
式の演算を行って第4図に示す負荷電流(設定値)Iak
を算出する。
Iak=Vak/R ……(1) ここで、Vakは今回入力電圧、Rは抵抗値である。
また、容量性負荷の場合は、キャパシタンスをC、入
力電圧変化量をΔV、時間変化量をΔTとすると、 と表すことができるので、入力電圧として次式の正弦波
を考えると、 となるため、負荷電流Iakは、下記(5)式によって求
めることができる。
更に、誘導性負荷の場合は、インダクタンスをL、電
流変化量をΔIとすると、 と表せるため、出力電流として次式で表される正弦波を
考えると、 従って、負荷電流Iakは下記(10)式で求めることが
できる。
また、定電力負荷の場合は、有効電力設定値P、無効
電力設定値Q及び実効電圧Vにより、抵抗値R=V2/P、
リアクタンス値X=V2/Qを求め、定電流負荷の場合は、
有効電流設定値Ip、無効電流設定値Iq及び実効電圧Vに
より抵抗値R=V/Ip、リアクタンス値X=V/Iqを求め、
これらを前記(1)式、(5)式及び(10)式に代入す
ることにより、負荷電流Iakを算出することができる。
なお、リアクタンス値Xは、正の場合は誘導性の負荷を
示し、負の場合は容量性の負荷を示す。
なお、この単相電子的負荷装置1を三つ組合せて三相
交流電源に接続すると共に、各負荷装置1の中性点を非
接地にて使用することにより、零相電流回路を開放した
三相電子的負荷装置を実現することができる。
(発明が解決しようとする課題) しかるに、上述した三相電子的負荷装置においては、
三相交流電源に対して零相回路が開放されているにも関
わらず、電源電圧変動等の過渡動作において、主として
各相ごとのCPUによる演算遅れ等に起因して零相電流が
流れるおそれがあった。この零相電流は、電子的負荷装
置に対して大きな負担をかけ、また、電源側の電力系統
に対し、接続機器の誤動作等の悪影響を与えるという問
題を生じていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもの
で、その目的とするところは、単相電子的負荷装置を三
つ組合せて各負荷装置の中性点を非接地にて使用するこ
とにより零相電流回路を開放した三相電子的負荷装置に
おいて、零相電流を抑制してこれに起因する種々の不都
合を解消するようにした三相電子的負荷装置を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、第1の発明にかかる三相電
子的負荷装置は、交流電源からの入力電圧のサンプリン
グ値をディジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前
記ディジタル信号及び負荷特性設定値に基づいて負荷電
流設定値を演算するディジタル演算手段と、前記負荷電
流設定値をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、
前記交流電源に接続され、かつ前記アナログ信号に基づ
いて負荷電流を出力する電流源とからなる単相電子的負
荷装置を三相分設けると共に、各相の前記負荷電流設定
値に基づいて零相電流値に演算する例えば上位のディジ
タル演算手段を設け、前記単相電子的負荷装置内のディ
ジタル演算手段により、前記負荷電流設定値から前記零
相電流値をそれぞれ減算して前記D/Aコンバータに対す
る各相の新たな負荷電流設定値としたものである。
また、第2の発明にかかる三相電子的負荷装置は、上
記単相電子的負荷装置を三相分設けると共に、デルタ結
線された一次側が三相交流電源に接続された三相変圧器
を設け、この三相変圧器のスター結線された二次側の中
性点を中性線抵抗を介して各相の前記電流源にそれぞれ
接続し、単相電子的負荷装置内のディジタル演算手段に
より、前記中性線抵抗により検出される零相電流値をも
との各相負荷電流設定値からそれぞれ減算して前記D/A
コンバータに対する各相の新たな負荷電流設定値とした
ものである。
(作用) 第1の発明によれば、例えば単相電子的負荷装置内の
ディジタル演算手段とは別個に設けられた上位のディジ
タル演算手段により、各相負荷電流設定値に基づいて零
相電流が算出され、また、第2の発明によれば、三相交
流電源に接続された三相変圧器及びその二次側の中性線
抵抗を介して零相電流が検出される。そして、これらの
零相電流値を単相電子的負荷装置内のディジタル演算手
段により本来の各相負荷電流設定値から減算した値が新
たな負荷電流設定値として各相の電圧/電流変換器に送
られ、所定の負荷電流が出力される。
これにより、零相電流が流れない三相電子的負荷装置
を実現することができる。
(実施例) 以下、図に沿って各発明の実施例を説明する。まず、
第1図は第1の発明の一実施例を示すブロック図であ
る。同図において、1A,1B,1Cは三相の各相(a,b,c相)
ごとに設けられた単相電子的負荷装置であり、これらの
負荷装置1A,1B,1Cは実質的に第3図と同様に、三相交流
電源21からの入力電圧Va,Vb,Vcのサンプリング値をディ
ジタル信号にそれぞれ変換するA/Dコンバータ3a,3b,3c
と、前記ディジタル信号及び所定の負荷特性設定値に基
づいて負荷電流設定値をそれぞれ演算する下位のディジ
タル演算手段としてのCPU4a,4b,4cと、前記負荷電流設
定値をアナログ信号にそれぞれ変換するD/Aコンバータ5
a,5b,5cと、前記三相交流電源21に接続され、かつ前記
アナログ信号に基づいて負荷電流をそれぞれ出力する電
流源としての電圧/電流変換器6a,6b,6cとを備えてい
る。
更にこの実施例では、零相電流演算用に上位のディジ
タル演算手段としてのCPU31が設けられており、このCPU
31と前記各相のCPU4a,4b,4cとは相互に接続されてい
る。
次に、この動作を説明すると、三相交流電源21からの
入力電圧Va,Vb,VcはA/Dコンンバータ3a,3b,3cを介してC
PU4a,4b,4cにそれぞれ入力され、これらのCPU4a,4b,4c
によって抵抗負荷、容量性負荷、誘導性負荷等に対応す
る所定の負荷電流設定値Ia,Ib,Icが演算される。これら
の負荷電流設定値Ia,Ib,IcはCPU31に取り込まれ、周知
の下記(11)式に従って零相電流値I0が演算される。
I0=(Ia+Ib+Ic)/3 ……(11) この零相電流値I0は各相のCPU4a,4b,4cにフィードバ
ックされ、CPU4a,4b,4cはそれぞれIa−I0,Ib−I0,Ic−I
0を演算してこれらを新たな負荷電流設定値とし、対応
するD/Aコンバータ5a,5b,5cに出力する。これにより、
電圧/電流変換器6a,6b,6cは零相電流を除いた負荷電流
を出力することになり、零相電流が流れない三相電子的
負荷装置を実現することができる。
次に、第2図は第2の発明の一実施例を示している。
この発明は、三相交流電源に零相電流検出用の三相変圧
器を接続すると共、この三相変圧器の二次側スター結線
の中性点を各相の電子的負荷装置にそれぞれ接続し、中
性線を流れる零相電流値を各相の負荷電流設定値から減
算して各相の新たな負荷電流設定値を算出するものであ
る。
まず、第2図において、第1図と同一の構成要素には
同一の番号を付して詳述を省略し、以下、異なる部分を
中心に説明する。第2図において、22は一次側がデルタ
結線され、二次側がスター結線された零相電流検出用の
三相変圧器であり、上記一次側各端子は三相交流電源21
の各相端子にそれぞれ接続され、また、二次側の各相端
子は単相電子的負荷装置1A′,1B′,1C′に設けられた電
圧/電流変換器6a,6b,6cの一端にそれぞれ接続されてい
る。更に、二次側の中性点は中性線及び中性線抵抗41を
介して前記電圧/電流変換器6a,6b,6cの他端にそれぞれ
接続されている。
ここで、中性線抵抗41は中性線を流れる零相電流をア
ナログ信号として検出するためのものであり、このアナ
ログ信号はA/Dコンバータ42によりディジタル信号に変
換されて各負荷装置1A′,1B′,1C′内のCPU4a,4b,4cに
それぞれ入力されている。
次に、この動作を説明すると、まず、三相変圧器22か
らの入力電圧Va,Vb,VcはA/Dコンバータ3a,3b,3cを介し
てCPU4a,4b,4cにそれぞれ入力され、これらのCPU4a,4
b、4cによって抵抗負荷、容量性負荷、誘導性負荷等に
対応する所定の負荷電流設定値Ia,Ib,Icが演算される。
そして、これらの設定値Ia,Ib,Icは内部メモり(図示せ
ず)に一旦記憶される。
一方、中性線を流れる零相電流は三相変圧器22及び中
性線抵抗41により検出され、この零相電流値I0はA/Dコ
ンバータ42を介して各負荷装置1A′,1B′,1C′内のCPU4
a,4b,4cにそれぞれ入力される。CPU4a,4b,4cは前述の負
荷電流設定値Ia,Ib,Ic及び零相電流値I0に基づきそれぞ
れIa−I0,Ib−I0,Ic−I0を演算してこれらを新たな負荷
電流設定値とし、対応するD/Aコンバータ5a,5b,5cに出
力する。これにより、第1図の実施例と同様に電圧/電
流変換器6a,6b,6cは零相電流を除いた負荷電流を出力す
ることになり、零相電流が流れない三相電子的負荷装置
を実現することができるものである。
なお、上述した第1図または第2図の実施例におい
て、単相電子的負荷装置1A,1B,1Cまたは1A′,1B′,1C′
内のCPU4a,4b,4cは単一のCPUにて置き換えることが可能
である。特に第1図の実施例では、入力電圧Va,Vb,Vcを
取り込んで最終的な負荷電流設定値Ia−I0,Ib−I0,Ic−
I0を求めるまでの演算を高速に行なえるものであれば、
下位のCPU4a,4b,4cのみならず上位のCPU31をも含めて単
一のCPUを用いることができ、構成の簡略化を図ること
が可能になる。
(発明の効果) 以上説明したように第1の発明によれば、例えば上位
のディジタル演算手段により、各相本来の負荷電流設定
値に基づいて零相電流が算出され、また、第2の発明に
よれば、三相交流電源に接続された三相変圧器及びその
二次側の中性線抵抗を介して零相電流が検出される。そ
して、これらの零相電流値が各相本来の負荷電流設定値
から減算した値が新たな負荷電流設定値として各相の電
圧/電流変換器に送られ、負荷電流が出力されるもので
ある。
これにより、各相の負荷装置からは零相電流のない負
荷電流が出力されることになり、負荷装置に対する負担
を解消し、かつ交流電源側の電力系統やその接続機器等
に対する悪影響のない三相電子的負荷装置を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の一実施例を示すブロック図、第2
図は第2の発明の一実施例を示すブロック図、第3図は
従来の電子的負荷装置を示すブロック図、第4図はその
動作を説明するための波形図である。 1A,1B,1C,1A′,1B′,1C′……単相電子的負荷装置 3a,3b,3c,42……A/Dコンバータ 4a,4b,4c,31……CPU 5a,5b,5c……D/Aコンバータ 6a,6b,6c……電圧/電流変換器 21……三相交流電源、22……三相変圧器 41……中性線抵抗

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源からの入力電圧のサンプリング値
    をディジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記デ
    ィジタル信号及び負荷特性設定値に基づいて負荷電流設
    定値を演算するディジタル演算手段と、前記負荷電流設
    定値をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、前記
    交流電源に接続され、かつ前記アナログ信号に基づいて
    負荷電流を出力する電流源とからなる単相電子的負荷装
    置を三相分設けると共に、各相の前記負荷電流設定値に
    基づいて零相電流値を演算するディジタル演算手段を設
    け、前記負荷電流設定値から前記零相電流値をそれぞれ
    減算して前記D/Aコンバータに対する各相の新たな負荷
    電流設定値としたことを特徴とする三相電子的負荷装
    置。
  2. 【請求項2】交流電源からの入力電圧のサンプリング値
    をディジタル信号に変換するA/Dコンバータと、前記デ
    ィジタル信号及び負荷特性設定値に基づいて負荷電流設
    定値を演算するディジタル演算手段と、前記負荷電流設
    定値をアナログ信号に変換するD/Aコンバータと、前記
    交流電源に接続され、かつ前記アナログ信号に基づいて
    負荷電流を出力する電流源とからなる単相電子的負荷装
    置を三相分設けると共に、デルタ結線された一次側が三
    相交流電源に接続された三相変圧器を設け、この三相変
    圧器のスター結線された二次側の中性点を中性線抵抗を
    介して各相の前記電流源にそれぞれ接続し、前記中性線
    抵抗により検出される零相電流値を前記負荷電流設定値
    からそれぞれ減算して前記D/Aコンバータに対する各相
    の新たな負荷電流設定値としたことを特徴とする三相電
    子的負荷装置。
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JP4752006B2 (ja) * 2005-05-02 2011-08-17 富士電機株式会社 三相三線式負荷模擬装置
JP4787381B1 (ja) * 2011-03-15 2011-10-05 株式会社小山 ガーダ橋懸吊治具を用いたガーダ橋の懸吊方法
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