JP2825954B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は無機絶縁膜及び有機配向膜を用いた液晶表示
素子の製造方法に関するものである。

従来の技術 従来の液晶表示素子は第５図に示されるように、２枚
のガラス基板1bの内面に透明電極２、無機絶縁膜3a、有
機配向膜4aを形成し基板間の周辺にシール材６を印刷
し、液晶７を封入し、上面及び下面に偏光板８を貼りつ
けて、液晶表示素子とする。上記無機絶縁膜3a及び有機
配向膜4aを形成する場合、第４図に断面図を示すよう
に、ガラス基板1a上の一部に表示のための透明電極２を
形成する。無機絶縁膜3aが透明電極２の上に形成され、
さらに有機配向膜4aが無機絶縁膜3aの上に形成される。
その結果、このガラス基板上には透明電極２と無機絶縁
膜3aと有機配向膜4aを形成した膜形成部分と、それ以外
の膜未形成部分により構成されることとなる。このガラ
ス基板表面全体にラビング処理を施し、処理後、膜未形
成部は切断除去される。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述の方法ではラビング処理を施す場
合、膜形成部分と、膜未形成部分との間に膜厚による段
差が発生するとともに、膜形成部と膜未形成部のガラス
基板上の膜の構成が異なる。その結果、透明電極、無機
絶縁膜、有機配向膜の膜形成部の表面に対するラビング
処理が安定して行われず、その結果表示不良が生じると
いう課題があった。

そこで、本発明は上記課題に鑑み上記のようなラビン
グ処理による表示不良を生じない液晶表示素子を提供す
ることを目的とする。

課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために本発明は、無機絶縁膜及
び有機配向膜をガラス基板上に形成する際に、透明電極
の端子部を除く透明電極部と透明電極以外の領域とに無
機絶縁膜を形成し、その無機絶縁膜上に有機配向膜を形
成し、無機絶縁膜及び有機配向膜の積層に起因する段差
を軽減したうえで、有機配向膜をラビングし、その後透
明電極以外の領域上の無機絶縁膜及び有機配向膜を有す
るガラス基板を切断除去することを特徴とするものであ
る。

作用 本発明は上記した方法によって、有機配向膜の表面に
対するラビング処理が安定して行われることとなり、従
来のラビング処理による表示不良を確実に防止できるこ
ととなる。

実施例 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら
詳細に説明を行う。第１図は本発明に係る液晶表示素子
の製造方法の一実施例を示すものであり、ガラス基板上
での無機絶縁膜及び有機配向膜の膜形成パターンを示す
ものである。また、第２図に第１図の断面図を示す。ガ
ラス基板1a上に表示のための透明電極２を形成し、その
上に無機絶縁膜3aを形成する。このとき、透明電極２以
外の領域にも無機絶縁膜3bを形成し、この膜のパターン
を無機絶縁膜のダミーパターンとする。さらにこの無機
絶縁膜3a,3bの上に有機配向膜4a,4bを形成する。有機配
向膜4bは有機配向膜4aのダミーパターンとなる。なお、
この時透明電極の端子部５には無機絶縁膜及び有機配向
膜を形成させない。この様なパターンを形成させること
により、ガラス基板1a上の膜未形成部の面積を極端に減
少させることが可能となる。その結果ガラス基板上の膜
形成部と膜未形成部の膜厚による段差を抑えることが可
能となり、さらに両者の膜の構成も近似できる。このよ
うな表面の構成を有するガラス基板にラビング処理を施
せば、ガラス基板表面にて安定したラビング処理が可能
となり、ラビング処理による表示不良の発生を抑え、表
示品位を向上させることが可能となる。

尚、このようなダミーパターンは有機配向膜のみに形
成した場合に比べ、有機配向膜及び無機絶縁膜の両方に
形成することにより表示品位をより一層向上することが
できる。

また、ダミーパターンを形成した無機絶縁膜及び有機
配向膜を有するガラス基板は、ラビング後切断除去すれ
ばよい。

その結果を表１に示す。但し、表示不良は以下のよう
に定義する。液晶表示素子に対しラビング処理突入部と
最後部の各々のしきい値を測定し、それらの差が0.4V以
上とする。表示不良の発生率はダミーパターン無しの場
合に比べ、有機配向膜のダミーパターンを形成した場
合、さらには無機絶縁膜及び有機配向膜の両者にダミー
パターンを設けることで、液晶表示素子の表示不良発生
が低減される。それ故、安定して高表示品位の液晶素子
が提供できる極めて優れた効果が得られる。

発明の効果 以上詳細に説明したように本発明によれば、ラビング
処理による表示不良を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面図、第２図はその断
面図、第３図は従来の例を示す平面図、第４図はその断
面図、第５図は従来の液晶表示素子の断面図である。 1a……ガラス基板、3a,3b……無機絶縁膜、4a,4b……有
機配向膜。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−78318（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−161726（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−243916（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−49023（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−147430（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−124531（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透明電極を備えたガラス基板上に無機絶縁
   膜及び有機配向膜を形成して製造する液晶表示素子の製
   造方法において、上記無機絶縁膜及び有機配向膜をガラ
   ス基板上に形成する際に、上記透明電極の端子部を除く
   透明電極部と上記透明電極以外の領域とに上記無機絶縁
   膜を形成し、上記無機絶縁膜上に有機配向膜を形成し、
   上記無機絶縁膜及び有機配向膜の積層に起因する段差を
   軽減したうえで、上記有機配向膜をラビングし、その後
   上記透明電極以外の領域上の無機絶縁膜及び有機配向膜
   を有するガラス基板を切断除去することを特徴とする液
   晶表示素子の製造方法。