JP2825116B2 - 断熱耐火パネル - Google Patents

断熱耐火パネル

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JP2825116B2 JP5015144A JP1514493A JP2825116B2 JP 2825116 B2 JP2825116 B2 JP 2825116B2 JP 5015144 A JP5015144 A JP 5015144A JP 1514493 A JP1514493 A JP 1514493A JP 2825116 B2 JP2825116 B2 JP 2825116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱性と耐火性を具備
したパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の耐火パネルは窯業系の材料がほと
んどであり、重いだけでなく、パネル長さが短く、しか
も断熱性が低いものである。又、断熱パネルとしては金
属製の外皮間に樹脂発泡体が充填されたサンドイッチパ
ネルが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
パネル単体では耐火性能の試験には合格できないもので
ある。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、断熱性及び耐火性を具備して
おり、特に、二枚の金属製の外皮間に介装する無機質繊
維結合体の繊維軸の方向を特定し、これを有効に利用す
ることで、パネルの厚さ方向の圧縮強度を高め、パネル
の寸法精度を高めることができる断熱耐火パネルを提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1においては、
枚の金属製の外皮1,2間に、無機質の芯材5を介装さ
せた断熱耐火パネルであって、パネルの一側縁に嵌合凸
部6が、他側縁部に嵌合凸部6が挿入される嵌合凹部7
が上記外皮1,2にて囲繞されて形成され、嵌合凸部6
と嵌合凹部7部分に無機質材が充填されて不燃部9が構
成され、これら対向する無機質材の間には、無機繊維を
一定の方向に沿って無機バインダーで結合させて無機繊
維の繊維軸が一定の方向となった無機繊維結合体8をそ
繊維軸の方向をパネルの厚さ方向に向けた無機質繊維
結合体8が介装されて成ることを特徴とする断熱耐火パ
ネル。請求項においては、無機質繊維結合体8は、短
冊状の分割体8aの複数本を結合させて成ることを特徴
とするものである。
【0005】
【作用】請求項1においては、無機繊維を一定の方向に
沿って無機バインダーで結合させて無機繊維の繊維軸が
一定の方向となった無機繊維結合体8をその繊維軸の方
向をパネルの厚さ方向に向けた無機質繊維結合体8が介
装され、無機繊維結合体8の繊維軸の方向を有効に利用
して、無機繊維結合体8の座屈強度を高めることがで
き、このことで、パネルの圧縮強度を充分に高めること
ができ、また、パネルの寸法精度も高めるのである。請
求項2においては、無機繊維結合体8は一枚物ではな
く、短冊状の分割体8a…を並置することで、無機繊維
結合体8の繊維軸の方向の管理が容易となり、繊維軸を
パネルの厚さ方向に向ける断熱耐火パネルの品質を向上
させやすくなる。また、断熱耐火パネルの生産性を高め
る。
【0006】以下、本発明を添付の図面を参照して詳細
に説明する。金属製の外皮1、2としては亜鉛めっき鋼
板、アルミニウム板、アルミニウム亜鉛合金めっき鋼
板、ステンレス鋼板、チタン鋼板、あるいはこれら金属
板に一般の塗料で着色したものとか、塩ビ樹脂、アクリ
ルフィルム、フッ素樹脂などを被覆したものが採用され
る。
【0007】
【0008】図1に示す断熱耐火パネルAにあっては、
無機繊維4を一定の方向に沿って無機バインダーで結合
させて図2(a)に示すように無機繊維4の繊維軸cが
一定の方向となった無機質繊維結合体8を繊維軸と直交
する方向に沿って分割切断すると共に分割体8aを無機
バインダーにより結合させて芯材5を構成している。芯
材5はその繊維軸Cを外皮1、2間の方向に沿わせて介
装させることにより接着性を向上させると共に外皮1、
2に加わる外力に対して耐抵抗性を確保している。又、
図2(b)に示すように芯材5を二層で形成し、上下の
層5a、5bの分割体8aをクロスさせることにより芯
材5の厚み方向での繊維軸の連続性を遮断させてより高
い断熱性を確保するようにしてもよい。
【0009】更に、図3に示すように断熱耐火パネルA
の端部の嵌合凸部6と嵌合凹部7は複雑な形状となって
いるので、例えば軽量押出セメントなどのような無機質
材を充填して不燃部9を形成してもよい。この場合、無
機質材として、ケイ酸カルシウムを使用すれば、その結
晶水により嵌合部での温度上昇を抑えることができ、耐
火性を向上させることができる。
【0010】又、図4に示すように、嵌合凹部7の釘打
ち部側の側片7aの形状を上下辺が略平行となるように
形成しておけば、無機質材の充填がし易く、空隙が生じ
ないように確実な充填ができ、嵌合部での耐火性を向上
させることができる。この実施例では、長手方向両端部
には外皮1、2が折り曲げられて、上下に端部折り曲げ
片15が設けられている。この端部折り曲げ片15は、
例えば断熱耐火パネルAの厚み50mmに対して10m
m程度である。図4(b)に示すように、外皮1,2間
には両者間の熱伝導を回避するための隙間dが形成され
ている。
【0011】又、図5に示す断熱耐火パネルAのように
無機繊維結合体8の分割体8aをその長手方向がパネル
Aの巾方向となるように充填してもよい。更に、図6乃
至9に示すように断熱耐火パネルAの嵌合凸部6と嵌合
凹部7として種々の形状のものが採用できる。そして、
これら嵌合凸部6と嵌合凹部7の形状に応じて嵌合部に
パッキン10(図7(b)等)を介装し、嵌合部にコー
キング材11(図7(b)等)を充填したり、キャップ
12(図8(b)を取付けたりする。又、図10に示す
ように両端部に嵌合凹部13を設け、突き合わせ嵌合凹
部13間に無機成形品14を介装してもよい。
【0012】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。 (実施例1)厚み0.5mmの厚紙から形成され、ハニ
カムが正方形で一辺が7cmのペーパーハニカムに水ガ
ラス(JIS K 1 号品)を36重量%含浸させ、次いでセ
ラミックファイバーの綿状物(商品名「SCバルク12
60」新日鉄化学(株)製、密度100kg/m3 、嵩
比重0.1)をハニカムに充填して芯材を形成した。
【0013】次いで、芯材を厚みが0.8mmの二枚の
着色亜鉛鉄板間にウレタン系接着剤(商品名「ボンド K
U661/662」コニシ(株)製)を介して介装させた。ウレ
タン系接着剤の塗布量は200g/m2 であった。この
後、加圧して厚みが35mmの断熱耐火パネルを製造し
た。このパネルの重量は16.7kg/m2 であった。
【0014】この断熱耐火パネルについてJIS A
1304に基づいて耐火試験を行った。第1表及び図1
にその結果を示す(図中、黒点は加熱温度、白点は裏
面温度)。又、JIS A 1421に基づいて熱伝導
率を測定したところ、0.040kcal/m.h.゜
Cであった。 第1表の結果より充分な耐火性を有することが判る。 (実施例2) ロックウールをコロイダルシリカバインダー(商品名
「PC500」日産化学工業(株)製)により繊維軸を
一定の方向に揃えて厚さ100mmの無機繊維結合体を
形成した(密度100kg/m、嵩比重0.1)。そ
してこの無機繊維結合体を繊維軸に沿って5分割し、分
割体をコロイダルシリカバインダーにより繊維軸を一定
の方向にして結合し、芯材を形成した。
【0015】次いで、芯材を厚みが0.8mmの二枚の
着色亜鉛鉄板間に繊維軸が長手方向となるようにウレタ
ン系接着剤(商品名「ボンド KU661/662」コニシ(株)
製)を介して介装させた。ウレタン系接着剤の塗布量は
200g/m2 であった。この後、加圧して厚みが35
mmの断熱耐火パネルを製造した。このパネルの重量は
16.7kg/m2 であった。
【0016】この断熱耐火パネルについてJIS A
1304 に基づいて耐火試験を行った。第2表及び
12にその結果を示す(図中、黒点は加熱温度、白点は
裏面温度)。又、JIS A 1412 に基づいて熱
伝導率を測定したところ0.040kcal/m.h.
゜Cであった。
【0017】 第2表 時間(分) 加熱温度(℃) 裏面温度(℃) 0 − − 5 540 21.1 10 705 38.0 15 760 80.1 20 795 130.5 25 820 153.2 30 840 177.3 35 860 184.5 40 880 185.0 45 895 190.3 50 905 196.2 55 915 201.6 60 925 202.5 65 − 207.5 第2表の結果より充分な耐火性を有することが判る。 (比較例1)硬質ウレタンフォームからなる芯材を厚み
が0.8mmの二枚の着色亜鉛鉄板間に充填させた厚み
35mm、重さ11.0kg/m2 のサンドイッチパネ
ル(「イソバンド」(商標)大同鋼板株式会社製)につ
いてJIS A 1304 に基づいて耐火試験を行ったところ、
一時間加熱で裏面温度が300℃以上になった。
【0018】又、JIS A 1412 に基づいて熱伝導率を測
定したところ0.0185kcal/m.h.℃であっ
た。 (比較例2)厚み100mm、嵩比重0.55の発泡コ
ンクリート(商品名「イトンパネル」日本イトン工業
(株)製)ついてJIS A 1304に基づいて耐火試験を行っ
た。
【0019】結果を図10に示す。図中、実線は発泡コ
ンクリートの鉄筋温度を示し、一点鎖線は裏面温度を示
す。又、JIS A 1412 に基づいて熱伝導率を
測定したところ、0.15kcal/m.h.゜Cであ
った。
【0020】
【発明の効果】請求項1においては、二枚の金属製の外
皮間に、無機質の芯材を介装させた断熱耐火パネルであ
って、パネルの一側縁に嵌合凸部が、他側縁部に嵌合凸
部が挿入される嵌合凹部が上記外皮にて囲繞されて形成
され、嵌合凸部と嵌合凹部部分に無機質材が充填されて
不燃部9が構成され、これら対向する無機質材の間に
は、無機繊維を一定の方向に沿って無機バインダーで結
合させて無機繊維の繊維軸が一定の方向となった無機繊
維結合体をその繊維軸の方向をパネルの厚さ方向に向け
て介装されているから、嵌合凸部と嵌合凹部のような複
雑な形状の箇所には無機質材を充填し、対向する無機質
材間に無機繊維結合体を容易に装填できながら、繊維軸
をパネルの厚み方向に向けた無機繊維結合体が二枚の外
皮間に介装され、無機繊維結合体の繊維軸の方向を有効
に利用して、無機繊維結合体の座屈強度を高めることが
でき、このことで、パネルの圧縮強度を充分に高めるこ
とができ、また、パネルの寸法精度も高めることができ
るという利点がある。即ち、請求項1においては、二枚
の金属製の外皮間に、繊維軸の方向をパネルの厚さ方向
に向けて無機繊維結合体を介装することで、無機繊維結
合体の繊維軸の方向を有効に利用し、パネルの圧縮強度
を高め、パネルの寸法精度を高める点に発明性を見出す
ものである。請求項においては、無機質繊維結合体
は、短冊状の分割体の複数本を結合させてあるから、無
機繊維結合体は一枚物ではなく、短冊状の分割体を並置
することで、無機繊維結合体の繊維軸の方向の管理が容
易となり、繊維軸をパネルの厚さ方向に向ける断熱耐火
パネルの品質を向上させやすくなり、また、断熱耐火パ
ネルの生産性を向上させることができるという利点が
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部省略した断面図で
ある。
【図2】(a)は同上における芯材を示す概略斜視図、
(b)は他例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は断面図、(c)は嵌合の構造を示す断面図
である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す斜視図である。
【図6】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は嵌合部の構造を示す断面図である。
【図7】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は嵌合部の構造を示す断面図である。
【図8】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は嵌合部の構造を示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は嵌合部の構造を示す断面図である。
【図10】(a)は本発明の更に他の実施例を示す断面
図、(b)は嵌合部の構造を示す断面図である。
【図11】加熱温度と加熱時間を示すグラフである。
【図12】加熱温度と加熱時間を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 満喜雄 兵庫県尼崎市杭瀬南新町3丁目2番1号 大同鋼板株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−139433(JP,A) 実開 昭56−16715(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚の金属製の外皮間に、無機質の芯材
    を介装させた断熱耐火パネルであって、パネルの一側縁
    に嵌合凸部が、他側縁部に嵌合凸部が挿入される嵌合凹
    部が上記外皮にて囲繞されて形成され、嵌合凸部と嵌合
    凹部部分に無機質材が充填されて不燃部が構成され、こ
    れら対向する無機質材の間には、無機繊維を一定の方向
    に沿って無機バインダーで結合させて無機繊維の繊維軸
    が一定の方向となった無機繊維結合体をその繊維軸の方
    向をパネルの厚さ方向に向けて介装されて成ることを特
    徴とする断熱耐火パネル。
  2. 【請求項2】 無機質繊維結合体は、短冊状の分割体の
    複数本を結合させて成ることを特徴とする請求項1記載
    の断熱耐火パネル。
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