JP2824295B2 - 加飾シートで被覆された合成樹脂製品の成形方法及びその装置 - Google Patents

加飾シートで被覆された合成樹脂製品の成形方法及びその装置

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JP2824295B2 JP1299710A JP29971089A JP2824295B2 JP 2824295 B2 JP2824295 B2 JP 2824295B2 JP 1299710 A JP1299710 A JP 1299710A JP 29971089 A JP29971089 A JP 29971089A JP 2824295 B2 JP2824295 B2 JP 2824295B2
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/14Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor incorporating preformed parts or layers, e.g. injection moulding around inserts or for coating articles
    • B29C45/14008Inserting articles into the mould
    • B29C45/14016Intermittently feeding endless articles, e.g. transfer films, to the mould
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は成形品表面に成形と同時にシート材で被覆し
て装飾性等を向上させた加飾シートで被覆された合成樹
脂製品の成形方法及びその装置に関するものである。
〈従来の技術〉 合成樹脂製成形品を射出成形すると同時に表面をシー
ト材で被覆する成形方法として、例えば特公昭55−2597
2号公報に開示されたものが知られている。
この方法では、予備加熱されたシート材を第1金型部
片と第2金型部片によって成形品製造可能面積だけを打
ち抜くと同時に、打ち抜いた部分を第1金型部片と第2
金型部片とで固定し、次いで打ち抜いた部分を第1金型
部片のキャビティの形状に応じて真空成形し、次いで第
1金型部片と第2金型部片を第3金型部片と型締めして
から溶融樹脂を射出し、表面をシート材で被覆した合成
樹脂製成形品を製造する。
また、別の成形方法として例えば特開昭63−128917号
公報に開示された方法が知られている。
この方法では、雌金型のキャビティを覆う位置に絵柄
付きシート材を位置決めした後、加熱板を該雌金型と対
向する位置に移動し、次いで該加熱板を雌金型に押し付
けて、絵柄付きシート材を加熱板と雌金型とで挟持固定
し、次いで加熱板により絵柄付きシート材を加熱軟化さ
せて、加熱板から圧空を供給して絵柄付きシート材を雌
金型のキャビティの内面に沿わせて圧空成形し、次いで
加熱板を待機位置に退避させ、次いで雌金型を雄金型と
合体させて溶融樹脂を射出し、この後雄型又は雌型に設
けた刃部により絵柄付きシート材から合成樹脂製成形品
と一体化した部分を打ち抜く。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、前者の成形方法(特公昭55−25972号公報)
では、第2金型部片を第1金型部片側に移動して成形品
製造可能面積だけをシート材から打ち抜くが、この打ち
抜きに際しては、第1金型部片のキャビティの周辺部の
外に設けた凹状溝部と第2金型部片に設けた凸状部のエ
ッジ部を利用して行っており、打ち抜かれたシート材の
周縁部は第1金型部片のキャビティの外の周辺部分に位
置している。このため打ち抜き後にシート材の周縁部が
第1金型部片と第2金型部片とによって挟持固定され
て、真空成形時に位置ズレを起こさないようになるが、
射出成形後、該周縁部がバリのように合成樹脂製成形品
から突出してしまい、外観が劣る他に、成形後に削り取
る等の作業が必要となる等の欠点があった。
またシート材を予備加熱してから第1金型部片に位置
決めするために、シート材の位置決め精度を上げること
が難しく、絵柄付きシート材を使用した場合には成形品
表面の所定位置に正確に絵柄等を設けることが難しく、
位置ずれを生じるおそれもあった。
一方、後者の成形方法(特開昭63−128917号公報)で
は、シート材を雌型に対して位置決めをしてから加熱板
で加熱するために前者のような問題はないものの、シー
ト材の加熱時に加熱板を待機位置から雌型と対向する位
置まで移動させるため、時間がかかる欠点があった。
また射出成形後に雄型又は雌型に設けた刃部によって
絵柄付きシート材から合成樹脂製成形品と一体化したシ
ート材部分を打ち抜くために、シート材の一部が合成樹
脂成形品からバリのようになって突出するおそれがあ
り、前者の場合と同様に外観が劣る他に、成形後に削り
取る等の作業が必要となる等の欠点があった。
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、シート材がバリの
ように成形品から突出するおそれがなく、また効率良く
成形作業が行なえる加飾シートで被覆された合成樹脂製
品の成形方法及びその装置を提供することである。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するため本発明の加飾シートで被覆さ
れた合成樹脂製品の成形方法では、キャビティを有した
一方の金型部材と該キャビティに挿入されるコアーを有
した他方の金型部材を開いて、一方の金型部材にシート
材を固定するシート材固定工程と、前記シート材固定工
程で固定されたシート材を加熱する加熱工程と、前記加
熱工程で加熱されたシート材を一方の金型部材によって
成形するシート材成形工程と、前記一方の金型部材のキ
ャビティ内に前記他方の金型部材のコアーを挿入する
際、該キャビティの開口縁と該コアーとによって前記シ
ート材を打ち抜くと共に打ち抜かれたシート材をキャビ
ティとコアーとによって形成された空隙内に固定する打
ち抜き工程と、前記空隙内で合成樹脂を成形する成形工
程とを具備してなることを特徴としている。
また前記加熱工程を、成形品を金型から取り出す取り
出し工程と同時に行うことを特徴としている。
また本発明の加飾シートで被覆された合成樹脂製品の
成形装置では、シート材を成形する成形手段を設けた一
方の金型部材と、該キャビティ内に挿入するコアーを有
した他方の金型部材とからなる金型と、前記一方の金型
部材にシート材を固定する固定手段と、前記固定手段で
固定されたシート材を加熱する加熱手段とを具備し、か
つ前記一方の金型部材のキャビティの開口縁と該キャビ
ティに挿入する前記他方の金型部材のコアーに前記シー
ト材を打ち抜く刃部を設けて、キャビティ内にコアーを
挿入する際に該刃部で前記シート材を打ち抜くと共に打
ち抜かれたシート材を前記キャビティとコアーとによっ
て形成された空隙内に固定するように構成したことを特
徴としている。
また前記加熱手段を、成形品を金型から取り出す取り
出し手段に設けたことを特徴としている。
〈作用〉 上記手段によれば、一方の金型部材にシート材をセッ
トした状態で加熱することからシート材の位置決めが精
度良く出来、シート材に絵柄等を付した場合でも絵柄等
の位置精度が良い。
また一方の金型部材のキャビティ内に他方の金型部材
のコアーを挿入する際、該キャビティの開口縁とコアー
とによってシート材を打ち抜くようにしているため、打
ち抜き後のシート材は、その周縁部が従来のようにキャ
ビティの開口縁から外に突出することがなく、またコア
ーとキャビティとの間の空隙部に固定される。このため
シート材が成形品表面の所定位置に正確に被覆され、ま
たシート材がバリのように成形品から突出することがな
い。
さらに成形品を金型から取り出す際、次に成形される
シート材を加熱するため、効率良く成形作業を行うこと
が出来る。
〈実施例〉 以下、本発明の好適な一実施例について図面を参照し
て説明する。
〔第1実施例〕 第1図乃至第8図は本発明の第1実施例を示してい
る。
まず本発明の成形装置の実施例について説明する。第
1図乃至第8図中符号10は可動側の第1金型部材、20は
固定側の第2金型部材、30は固定ガイドコア、40は製品
取り出しロボットである。
第1金型部材10は図示しない可動盤に固定されてい
て、第2金型部材20側に移動されられるようになってい
る。そしてこの第1金型部材10には底面側の内径が小さ
くなるようにテーパー状になったキャビティ11が形成さ
れていて、該キャビティ11の底面にはエアー吸引用入子
12が設けられている。
エアー吸引用入子12は第1金型部材10に設けたエアー
吸引口13に連通し、また該エアー吸引口13は図示しない
排気ポンプに接続されており、エアー吸引用入子12の通
気孔12aによってキャビティ11内の空気を排気すると共
に、ポリ塩化ビニール等の熱可塑性樹脂からなる加飾シ
ート材Aを該キャビティ11の内面に沿わせて吸引して成
形出来るようになっている。
ここで加飾シート材Aは絵柄等を付したものに限られ
ず、無地のものでもよく、また無地のものでもエンボス
加工等で立体的な模様を形成したものでもよい。すなわ
ち加飾シート材Aは合成樹脂製品の表面を飾るものであ
ればよい。
また第1金型部材10の外周部には固定ガイドコア30が
軸方向移動可能に挿入している。この固定ガイドコア30
は、加飾シート材Aを第1金型部材10に固定するシート
材固定手段として作用すると共に、第2金型部材20をガ
イドするガイド手段として作用するもので、加飾シート
材Aを第1金型部材10のキャビティ11の開口面周辺部14
に固定する固定面31と第2金型部材20をガイドするガイ
ド孔32が設けられている。
そして固定ガイド部材30の一端部の端面には突出ピン
33が立設しされており、該突出ピン33が第1金型部材10
の鍔部15の一端部に設けた孔15aを貫通している。また
第1金型部材10の鍔部15の他端部にはストップピン16が
立設されており、該ストップピン16がガイド部材30の他
端部に設けた凹部34内に挿入されている。
ここで前記ストップピン16の先端には止めナット17が
設けられ、この止めナット17と前記凹部34の底面との間
にはスプリング18が介在されていて、該スプリング18の
弾発力によって固定ガイド部材30を第1金型部材10側に
付勢している。また前記突出ピン33はスプリング18の弾
発力に抗して固定ガイド部材30を第1金型部材10から離
して固定ガイド部材30と第1金型部材30間に隙間Bを設
けるものである。
また第2金型部材20には、その基板部21に前記キャビ
ティ11の内径よりも小径のコアー22が設けられていて、
該コアー22をキャビティ11内に挿入したとき(第1金型
部材10と第2金型部材20を型締めしたとき)にキャビテ
ィ11とコアー22との間に成形品形状の空隙C(第4図参
照)を形成するようになっている。また基板部21からコ
アー22にかけて溶融した合成樹脂を射出するためのスプ
ルー23が設けられ、またコアー22の端面に該スプール23
に連通するゲート24が設けられている。
ここでコアー22はキャビティ11に合わせてテーパー状
に形成されている。このコアー22の基部にはキャビティ
11に嵌まり込む段部22aが形成されている。
そして第8図に示すように、キャビティ11の開口縁に
は刃部11aが形成され、また段部22aの外縁(角部)にも
刃部22a1が形成されていて、これら刃部11a、22a1との
協働作用で加飾シート材AAを打ち抜くようになってい
る。
また段部22aの端面22a2は打ち抜かれた加飾シート材
Aの切断端面を押さえ付けるようになっている。段部22
aの端面22a2がキャビティ11の開口部に入り込む深さD
(第8図参照)は打ち抜く加飾シート材Aの材質、厚さ
等により異なるが、本実施例ではキャビティ11の開口面
から0.1mm〜1.0mm程度、好ましくは0.3mm〜0.8mmに設定
されている。深さDが0.1mmよりも浅いと加飾シート材
Aを打ち抜き難く、また1.0mmよりも深くなると加飾シ
ート材Aにシワが発生するためであり、特に0.3mm〜0.8
mmの範囲内ではシワが発生することなく加飾シート材A
を良好に打ち抜くことが出来る。
また段部22aの側面22a3は、第8図に示すようにキャ
ビティ11と同じテーパーが形成された前記固定ガイド部
材30のガイド孔32の内面32aに案内されるもので、型締
め時に段部22aの刃部22a1がキャビティ11の開口縁の刃
部11aに衝突して破損しないようになっている。
製品取り出しロボット40は、1サイクルの成形加工が
終了して第1金型部材10が第2金型部材20から離れて開
いたときに、加飾シート材Aの送り側から第1金型部材
10寄り位置に移動してくるものである。そして製品取り
出しロボット40の第2金型部材20と対向する面部側には
製品取り出し手段としての吸盤41が設けられ、また固定
ガイドコア30によって固定された加飾シート材Aと対向
する面部側には加熱手段としてのヒーター42が設けられ
ていて、合成樹脂製成形品の取り出し工程において加飾
シート材Aを成形可能な状態に加熱軟化するように構成
されている。すなわち製品取り出しロボット40は第2金
型部材20側から成形品を取り出した後、第1金型部材10
側に戻り、ヒーター42で加飾シート材Aを加熱してから
加飾シート材Aの送り側に退避するようになっている。
次に本発明の成形方法の実施例を説明する。
まず第1図に示すように第1金型部材10が第2金型部
材20から離れて開いている状態において、突出ピン33に
より固定ガイドコア30の固定面31を第1金型部材10のキ
ャビティ11の開口面周辺部14から離して隙間Bを作り、
そしてこの隙間Bに図示しない公知のシート材送り装置
から加飾シート材Aを送って、加飾シート材Aをキャビ
ティ11の開口面上に位置決めする。
次いで第2図に示すように突出ピン33を下げると(同
図の右側に移動させると)、スプリング18の弾発力で固
定ガイドコア30が第1金型部材10側に付勢されて、固定
面31とキャビティ11の開口面周辺部14とで加飾シート材
Aを挟持して固定する。そして製品取り出しロボット40
が加飾シート材Aの送り側から移動してきて、ヒーター
42により加飾シート材Aを加熱し、軟化状態にする。
この加熱工程は加飾シート材Aを位置決めして固定し
た後に行うことから、金型の外で予め加熱する場合のよ
うに絵柄の位置決めが困難になるおそれがない。
尚、ここでは取り出すべき成形品がないことから加飾
シート材Aの加熱のみを行う。
次いで第3図に示すようにエアー吸引口13よりエアー
吸引用入子12の通気孔12aよりキャビティ11内から排気
し、加飾シート材Aを該キャビティ11の内面に沿わせて
密着させて成形する。このときキャビティ11の内面に凹
凸模様を設けておけば、加飾シート材Aの外面に該凹凸
模様を形成することが出来る。
次いで第4図に示すように加飾シート材Aが吸引密着
した状態で第1金型部材10、固定ガイドコア30を第2金
型部材20側に移動させて型締めを行う。
この型締めに際し、コアー22が第1金型部材10のキャ
ビティ11内に入ると、第8図に示すように段部22aの刃
部22a1がキャビティ11の開口縁の刃部11aとの協働作用
で加飾シート材Aを打ち抜き、該段部22aの端面22a2
加飾シート材Aの切断端面をキャビティ11の開口面より
0.1mm〜1.0mm程度中に押し込んで固定する。
ここで、打ち抜き過程では端面22a2がキャビティ11の
開口面より0.1mm〜1.0mm程度中に入り込むので、打ち抜
きが良好に行われると共に、打ち抜かれた加飾シート材
Aにシワが発生しない。
また段部22の側面22a3が固定ガイドコア30のガイド孔
32のガイド面32aに案内されることから、刃部22a1がキ
ャビティ11の開口縁に衝突して破損するおそれもない。
さらに加飾シート材Aは固定面31と開口面周辺部14と
で固定されているため、打ち抜きに際し加飾シート材A
のズレによる打ち抜き不良、絵柄部分の位置ズレ等の問
題もない。
打ち抜きと型締めが完了すると、コアー22とキャビテ
ィ11との間に成形品形状の空隙Cが出来る。
次いで第5図に示すように溶融された合成樹脂Pがス
プルー23からゲート24を通って空隙C内に射出充填され
る。
これにより加飾シート材Aの裏面に予め塗布された接
着剤と溶融された合成樹脂とが溶着状態となって加飾シ
ート材Aが合成樹脂Pと一体化する。加飾シート材Aと
合成樹脂Pが同材質の場合には接着剤は不要である。
そして射出された合成樹脂Pが冷却固化したら、第6
図に示すように第1金型部材10、固定ガイドコア30を第
1図に示す位置に復帰させる。そして突出ピン33により
第1金型部材10と固定ガイドコア30との間に隙間Bを作
り、打ち抜かれた残りの加飾シート材Aを該隙間Bから
図示しないシート材送り装置により第1金型部材10から
送り出す一方、新たな加飾シート材Aをキャビティ11の
開口面上に送り込み位置決めする。
そして製品取り出しロボット40がヒーター42を加飾シ
ート材A側に向けて第1金型部材寄り位置に移動してく
る。
次いで第7図に示すように製品取り出しロボット40が
第2金型部材20側に移動して、吸盤41によりコアー22か
ら合成樹脂製成形品P′を吸着して離型する。このとき
突出ピン33が下がり(同図の右側に移動し)、スプリン
グ18の弾発力で固定ガイドコア30が第1金型部材10側に
付勢されて、固定面31とキャビティ11の開口面周辺部14
とで加飾シート材Aを挟持して固定する。
そして移動してきた製品取り出しロボット40のヒータ
ー42により加飾シート材Aが加熱軟化される。
この加熱工程は製品取り出し工程と同時に行われるこ
とから、従来のように加熱工程のみを単独で行う場合に
比して成形作業能率を向上させることが出来る。
この後、第3図に示すように加飾シート材Aがキャビ
ティ11の内面に沿った形状に成形され、次いで第4図に
示すように加飾シート材Aが打ち抜かれ、次いで第5図
に示すように溶融した合成樹脂が射出されて、同様の操
作が繰り返される。
〔第2実施例〕 第9図乃至第13図は本発明の第2実施例を示してい
る。この第2実施例では合成樹脂成形品P′の一部に孔
開き部Paを設けて、該孔開き部Paの内周面にも加飾シー
ト材Aを被覆する場合を示している。
なお、第1図乃至第8図に示す部分と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略する。
第1金型部材10のエアー吸引用入子12はキャビティ11
の底面において合成樹脂製成形品P′の孔開き部Paに対
応する位置に配置されていると共に、該キャビティ11の
底面から一部突出している。またコアー22の端面にはエ
アー吸引用入子12の凸部12aが挿入する凹部22bが設けら
れている。この凹部22bの深さは、凸部12aが凹部22b内
に挿入しても該凸部12aの先端面が凹部22bの底面に当接
しないように凸部12aの高さよりも若干大きく形成され
ている。
第9図は前記第1実施例の第2図に示す状態に対応し
ており、加飾シート材Aが固定ガイドコア30の固定面31
と第1金型部材10のキャビティ11の開口面周辺部14との
間に挟持固定されている。
この第9図に示す状態から前記製品取り出しロボット
40のヒーター42で加飾シート材Aを加熱軟化した後、エ
アー吸引用入子12の通気孔12aから排気すると、第10図
に示すように加飾シート材Aがキャビティ11の内面形状
に沿って成形される。
次いで第11図に示すように型締めを行う。このとき段
部22aに設けた刃部22a1とキャビティ11の開口縁に設け
た刃部11aとの協働作用で加飾シート材Aを打ち抜く。
また第12図に示すように、エアー吸引用入子12の凸部12
aがコアー22の端面の凹部22bに嵌入して、該凹部22bの
開口縁の刃部22b1により加飾シート材Aを打ち抜く。こ
こで凸部12aの嵌入量D′は例えば0.1mm〜1.0mmに設定
されている。
この後、溶融した合成樹脂を空隙C内に射出充填する
と、第13図に示すような合成樹脂製成形品P′が成形さ
れる。そして孔開き部Paの内周面にも加飾シート材Aが
被覆される。
第14図(a)、(b)は第2実施例における変形例
で、加飾シート材Aが薄い場合に何ら支障なく凹部22b
の刃部22b1で加飾シート材Aを打ち抜くことが出来るよ
うにしている。
すなわち加飾シート材Aが薄いと打ち抜きがし難くな
る。特に第2実施例のようにエアー吸引用入子12に凸部
12aが設けられている場合には、第14図(b)に示すよ
うに、凸部12aの先端面に当接している部分の加飾シー
ト材A1は厚さが変わらないのに該凸部12aの周面に当接
している部分の加飾シート材A2は引き延ばされて厚さが
薄くなり、凹部22bの刃部22b1で打ち抜き難くなる。こ
のため凹部22bが設けられたコアー22側に、該凹部22bの
周縁から盛り上がった盛り上がり部22b2を設けて実質的
に凸部12aの高さを減じている。ここで盛り上がり部22b
2の高さは合成樹脂製成形品の厚さの1/2〜1/3に設定さ
れている。
このようにすると、加飾シート材Aをキャビティ11の
内面に沿って成形しても、該加飾シート材Aの凸部12a
の周面に当接する部分A2は余り引き延ばされず、凸部12
aの先端面に当接する部分A1の厚さとほとんど変わらな
くなり、刃部22b1による打ち抜きが容易になる。
〔第3実施例〕 第15図及び第16図は本発明の第3実施例を示してい
る。この第3実施例では合成樹脂成形品P′の一部に孔
開き部Paを設けているが、前記第2実施例のように孔開
き部Paの内周面に加飾シート材Aを被覆しない場合を示
している。
なお、第1図乃至第14図に示す部分と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略する。
第1金型部材10のエアー吸引用入子12の先端面12bは
第1実施例の場合と同様にキャビティ11の内面と同一高
さになっており、そして該先端面12bに凹部12cを形成し
ている。またコアー22の端面には該凹部12cに挿入する
凸部22cが設けられている。ここで凸部22cは凹部12cの
底面に当接しない高さに設定され、かつその先端面は傾
斜している。
このようにすると、型締めに際し段部22aに設けた刃
部22a1とキャビティ11の開口縁に設けた刃部11aとの協
働作用で加飾シート材Aを打ち抜く他に、第15図に示す
ように凸部22cが凹部12cに挿入し、この挿入時に凸部22
cの先端面の縁部に設けられた刃22c1と凹部12cの開口縁
に設けられた刃12c1との協働作用によって加飾シート材
Aの所定部位を打ち抜くことが出来る。
この後溶融した合成樹脂を射出充填することにより、
第16図に示すような内周面に加飾シート材Aが被覆され
ない孔開き部Paを有した合成樹脂製成形品P′が成形さ
れる。
なお、凸部22cの先端を傾斜面とした場合を示した
が、平面状や凹状やほぼM字状に形成してもよい。
〔第4実施例〕 第17図(a)、(b)は第4実施例を示している。
前記第1、2、3実施例では加飾シート材Aを第1金
型部材10と固定ガイドコア30とで挟持固定している。こ
の場合は、加飾シート材Aに施された文字、模様等と合
成樹脂製成形品との位置合わせが必要なときに適してい
る。しかし、単一色の加飾シート材Aの場合には文字、
模様等と合成樹脂製成形品との位置合わせの必要がな
い。
この第4実施例ではこのように加飾シート材Aに施し
た文字、模様等と合成樹脂製成形品との位置合わせの必
要がない場合に適している。
すなわち、第1金型部材10に第14図(a)に示すよう
に通し孔19を設けて、該通し孔19内に挿通した加飾シー
ト材Aを図示しない公知のシート材送り装置を利用して
テンション状態にして位置決めすることにより固定して
いる。
換言すれば、シート材送り装置をシート材固定手段と
して利用している。
したがって、第1金型部材10からストップピン16、ス
プリング18等を省略することも出来て、第1金型部材10
の構成が簡単となる。
なお、シート材送り装置を利用する代わりに、第14図
(b)に示すように、エアーシリンダ50により動作する
押さえ板51を上下位置に設けて、該押さえ板51と第1金
型部材10とで通し孔19内の加飾シート材Aを挟持固定す
るようにしてもよい。
〈発明の効果〉 以上説明したように本発明によれば、第1金型部材に
設けたキャビティの開口縁と第2金型部材に設けたコア
ーとでシート材を打ち抜くようにしているため、合成樹
脂成形加工後にシート材の周縁が合成樹脂製品から突出
することがなく、外観を損ねるおそれがない。
またシート材を位置決めしてから加熱するためシート
材に絵柄等を付けた場合、該絵柄等を成形品の所定位置
に正確に位置決めすることが出来る。
さらに成形品取り出し工程と同時にシート材を加熱す
る場合には、成形作業能率を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第8図は本発明の第1実施例を示すもので、
第1図乃至第7図は工程説明図、第8図は加飾シート材
の打ち抜き時の部分拡大説明図であり、また第9図乃至
第14図(a)、(b)は第2実施例を示すもので、第9
図乃至第10図は工程説明図、第12図は加飾シート材の打
ち抜き時の部分拡大説明図、第13図は合成樹脂成形品の
断面図、第14図(a)、(b)は第2実施例の変形例を
示す説明断面図であり、また第15図及び第16図は第3実
施例を示す説明断面図であり、また第17図(a)、
(b)は第4実施例を示す説明図である。 10は第1金型部材、11はキャビティ、11aは刃部、12は
エアー吸引用入子、13はエアー吸引口、14は開口面周辺
部、20は第2金型部材、21は基板部、22はコアー、22a
は段部、22a1は刃部、22a2は端面、22a3は周面、23はス
プルー、24はゲート、30は固定ガイドコア、31は固定面
である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティを有した一方の金型部材と該キ
    ャビティに挿入されるコアーを有した他方の金型部材を
    開いて、一方の金型部材にシート材を固定するシート材
    固定工程と、 前記シート材固定工程で固定されたシート材を加熱する
    加熱工程と、 前記加熱工程で加熱されたシート材を一方の金型部材に
    よって成形するシート材成形工程と、 前記一方の金型部材のキャビティ内に前記他方の金型部
    材のコアーを挿入する際、該キャビティの開口縁と該コ
    アーとによって前記シート材を打ち抜くと共に打ち抜か
    れたシート材をキャビティとコアーとによって形成され
    た空隙内に固定する打ち抜き工程と、 前記空隙内で合成樹脂を成形する成形工程とを具備して
    なることを特徴とする加飾シートで被覆された合成樹脂
    製品の成形方法。
  2. 【請求項2】前記加熱工程を、成形品を金型から取り出
    す取り出し工程と同時に行うことを特徴とする請求項
    (1)記載の加飾シートで被覆された合成樹脂製品の成
    形方法。
  3. 【請求項3】シート材を成形する成形手段を設けた一方
    の金型部材と、該キャビティ内に挿入するコアーを有し
    た他方の金型部材とからなる金型と、 前記一方の金型部材にシート材を固定する固定手段と、 前記固定手段で固定されたシート材を加熱する加熱手段
    とを具備し、 かつ前記一方の金型部材のキャビティの開口縁と該キャ
    ビティに挿入する前記他方の金型部材のコアーに前記シ
    ート材を打ち抜く刃部を設けて、キャビティ内にコアー
    を挿入する際に該刃部で前記シート材を打ち抜くと共に
    打ち抜かれたシート材を前記キャビティとコアーとによ
    って形成された空隙内に固定するように構成したことを
    特徴とする加飾シートで被覆された合成樹脂製品の成形
    装置。
  4. 【請求項4】前記加熱手段を、成形品を金型から取り出
    す取り出し手段に設けたことを特徴とする請求項(3)
    記載の加飾シートで被覆された合成樹脂製品の成形装
    置。
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