JP2823737B2 - 感光材料供給排出装置及び感光材料受渡し装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、傾斜状態で原板と感光
材料とを密着させて露光焼付けを行う傾斜型自動焼付装
置に感光材料を供給及び排出する自動焼付システム、感
光材料供給排出装置及び感光材料受渡し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】広い設置スペースを必要としない多面焼
付機（焼付装置の一例）として、傾斜型殖版機が知られ
ている。傾斜型殖版機は、感光材料を傾斜した起立姿勢
で保持し得る焼付テーブルと、原板を保持しかつ焼付テ
ーブル上を直交する２方向に移動可能な原板ホルダと、
原板ホルダに付随して移動する焼付用光源とを備えてい
る。

【０００３】このような傾斜型殖版機により焼付処理を
実施する場合は、原板を保持した原板ホルダを焼付テー
ブル上で移動させることにより、焼付テーブル上におい
て原板を感光材料上の所定位置に位置合わせする。そし
て、原板及び感光材料を密着させて焼付用光源を点灯す
ると、感光材料が露光され、原板の画像が感光材料に焼
付けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この種の傾斜型殖版機
では、焼付テーブルが傾斜した起立姿勢であるので、焼
付けテ−ブルが水平状態の水平型殖版機に比べて、感光
材料の供給，排出及び搬送が構造上困難である。特に、
この種の傾斜型殖版機と水平型殖版機や自動現像機等の
水平状態で感光材料を取り扱う装置とを接続する場合に
は、受渡し姿勢が異なるので、感光材料の取扱が難し
い。

【０００５】一方、殖版機と他の装置とを接続する搬送
装置は、殖版機を効率良く稼働させるために、高速で感
光材料を搬送することが求められている。また、感光材
料の受渡し時間が長くなると、焼付装置の停止時間が長
くなり、稼働率が下がるので、感光材料の受渡しも高速
で行うことが求められている。本発明の目的は、受渡し
姿勢に拘らず簡単な構成で感光材料を受渡し可能にする
ことにある。

【０００６】本発明の別の目的は、感光材料を迅速に受
渡しできるようにすることにある。

【０００７】

【０００８】

【課題を解決するための手段】 本発明に係る感光材料供
給排出装置は、焼付装置に対して感光材料を供給及び排
出するためのものである。この装置は感光材料排出部と
感光材料供給部と移動部とを備えている。感光材料排出
部は、焼付装置から排出された感光材料を載置する移動
可能なものである。感光材料供給部は、感光材料排出部
に連結され、焼付装置に供給する感光材料を載置する移
動可能なものである。移動部は、感光材料排出部と感光
材料供給部とを移動させるものである。前記焼付装置
が、傾斜状態で原板と感光材料とを密着させて露光焼付
を行うものである場合は、感光材料排出部と感光材料供
給部とは、それぞれ前記の傾斜状態に対応して傾斜する
受渡し位置と前記傾斜状態とは異なる角度の退避位置と
の間で旋回可能であるのが好ましい。

【０００９】本発明に係る感光材料受渡し装置は、傾斜
状態で原板と感光材料とを密着させて露光焼付を行う焼
付装置に対して感光材料を受け渡すものである。この装
置は、感光材料載置部と支持部とを備えている。感光材
料載置部は、感光材料を係止するための係止手段を有し
ている。支持部は、感光材料支持部を横軸回りに旋回可
能に支持する。

【００１０】

【００１１】

【００１２】

【作用】 本発明に係る感光材料供給排出装置では、焼付
装置に感光材料を供給及び排出する場合に、連結された
感光材料排出部及び感光材料供給部を移動部により焼付
装置へと移動させる。そして、焼付装置から排出された
感光材料が感光材料排出部に載置され、続いて感光材料
供給部に載置された感光材料が焼付装置に渡される。

【００１３】ここでは、感光材料の排出及び供給を連続
した工程で実施できるので、感光材料の受渡しに要する
時間を短縮でき、迅速に感光材料の受渡しを行える。ま
た、焼付装置が傾斜している場合に、感光材料排出部と
感光材料供給部とをそれぞれ傾斜する受渡し位置と前記
の傾斜状態とは異なる角度の退避位置との間で旋回可能
とすることにより、受渡し位置が異なる複数の装置が混
在したシステムであっても簡単な構成で感光材料の受渡
しが可能になる。本発明に係る感光材料受渡し装置で
は、感光材料を焼付装置に対して受渡す場合、係止手段
により係止された感光材料を感光材料載置部に載置した
状態で、支持部により感光材料載置部を横軸回りに旋回
させる。これにより、感光材料載置部を焼付装置の傾斜
状態と実質的に同一な傾斜状態にすることができる。こ
のため、感光材料を焼付装置に簡単な構成で受渡すこと
ができる。

【００１４】

【実施例】図１は本発明の一実施例による自動焼付シス
テムを示している。図において、この自動焼付システム
は、並設された４台の傾斜型自動殖版機１と、傾斜型殖
版機２と、殖版機１，２の側方に並設方向に沿って配置
された刷版搬送装置３と、刷版搬送装置３の搬送方向下
流側に配置された刷版イジェクタ４と、刷版イジェクタ
４の後方に配置された自動現像機５と、自動現像機５の
後方に配置された絵柄面積計６とから主に構成されてい
る。

【００１５】自動殖版機１は、刷版（感光材料）を傾斜
した起立姿勢で保持し得る焼付テーブル１０と、原板を
保持する原板ホルダ１２及び露光を行う光源部１３を有
する露光部１１とを備えている。露光部１１は、焼付テ
ーブル１０上を直交する２方向に移動可能である。露光
部１１の両側面には、それぞれ原板搬送ア−ム１４及び
刷版搬送ア−ム１５が設けられている。原板搬送ア−ム
１４及び刷版搬送ア−ム１５は吸盤（図示せず）を有し
ており、それぞれ吸盤により原板及び刷版を吸着搬送し
得る構成となっている。またこの吸盤は、図示しない駆
動機構により焼付テーブル１０に対して接離する方向に
移動可能になっている。これにより、焼付テーブル１０
上への刷版の装着及び装着された刷版の吸着が可能にな
っている。また露光部１１の移動により、焼付けテーブ
ル１０に沿って刷版を搬送することが可能になってい
る。

【００１６】刷版搬送装置３は、図２に示すように、殖
版機の並設方向に沿って配置された固定フレーム２０
と、固定フレーム２０上に移動可能に支持された移動フ
レーム２１とを主に備えている。固定フレーム２０上に
は、適当な間隔で前記配設方向に沿って１対のガイドレ
ール２２，２２が配置されている。また、固定フレーム
２０において、各自動殖版機１の側方には旋回機構２３
が配置されている。また、固定フレーム２０において図
２の右端には、移動フレーム２１を移動させるための移
動機構２４が配置されている。

【００１７】移動フレーム２１は、図３に示すように平
板状の部材であり、その下面には、ガイドレール２２上
を移動自在な複数個の直線軸受３３が取り付けられてい
る。また、移動フレーム２１の上面には、未露光の刷版
を載置するための刷版供給パレット２５と、露光済みの
刷版を載置するための刷版排出パレット２６とが並んで
配置されている。パレット２５，２６の図左側には、そ
れぞれ１対の位置決めピン２７が配置されている。この
位置決めピン２７は、刷版に予め形成されたパンチ孔を
貫通し、刷版をパレット２５，２６上で位置決めするた
めのものである。パレット２５，２６の下面には、図４
に示すように、適当な距離をおいてブラケット２８が取
り付けられている。ブラケット２８の外側には、移動フ
レーム２１の上面に立設された１対のブラケット３０が
配置されている。

【００１８】ブラケット３０には旋回軸２９が回転不能
に取り付けられている。この旋回軸２９は、ブラケット
２８を貫通しており、ブラケット２８を回転自在に支持
している。これにより、パレット２５，２６は、図３に
実線で示す水平位置（退避位置）と、二点鎖線で示す受
渡し位置との間で回動自在になっている。また、移動フ
レーム２１において、パレット２５，２６の左端近傍に
はストッパ３２が配置されている。

【００１９】旋回機構２３は、図３に示すように、エア
シリンダ３５を備えている。エアシリンダ３５は、たと
えばクレビス型であり、その基部が固定フレーム２０に
取り付けられた２つ山ブラケット３６に支持されてい
る。エアシリンダ３５のシリンダロッドにはフォークエ
ンド３７がねじ留めされている。フォークエンド３７に
は、レバー３８の一端が回転自在に支持されている。レ
バー３８の他端は、支軸３９の一端に回転不能に取り付
けられている。支軸３９は、固定フレーム２１に取り付
けられたフランジユニット４０に回転自在に支持されて
いる。レバー３８のエアシリンダ３５側端部には、押圧
部材４１が上方に突出する姿勢で取り付けられている。
押圧部材４１の先端は球状になっており、エアシリンダ
３５が退入した位置においてはパレット２５，２６の下
面のやや下方に位置にしている。支軸３９は、図４に示
すように固定フレーム２０を貫通して取り付けられてお
り、その他端にはレバー３８と同一位置にレバー５１が
回転不能に取り付けられている。レバー３８とレバー５
１とは固定フレーム２０を挟んで同一の姿勢となってい
る。レバー５１の先端には別の押圧部材４１が上方に突
出する姿勢で設けられている。

【００２０】移動機構２４は、図４に示すように、減速
機付のサーボモータ４５を有している。サーボモータ４
５の出力軸には継手を介して駆動軸４６の一端が接続さ
れている。駆動軸４６には、適当な間隔をおいて１対の
歯付プーリ４８が固定されている。駆動軸４６の他端は
固定フレーム２０に取り付けられたフランジユニット４
７により支持されている。また、図２に示すように固定
フレーム２０の搬送方向上流側には従動軸５１が固定さ
れている。従動軸５１には、１対の歯付プーリ４８が回
転自在に支持されている。各歯付プーリ４８間にはタイ
ミングベルト４９が巻き掛けられている。タイミングベ
ルト４９の外周面の一部は、図４に示すように、移動フ
レーム２１の下面に下方に突出して設けられた係止部材
５０に取り付けられている。これにより、サーボモータ
４５が移動フレーム２１を、ガイドレール２２に沿って
駆動できるようになっている。

【００２１】次に、上述の実施例の動作について説明す
る。ここでは、図示しない刷版供給装置によって露光焼
付すべき刷版が刷版供給パレット２５に供給される。刷
版が供給された刷版搬送装置３は、図示しないホストコ
ンピュータからの指令に従って、所定の自動殖版機１の
側方に移動する。そして、当該自動殖版機１に対し、露
光・焼付処理の済んだ刷版を受け取り、新たな刷版を供
給する。

【００２２】この刷版受渡し動作に際しては、自動殖版
機１は、刷版搬送アーム１５により焼付テーブル１０上
にセットされた露光済みの刷版を吸着し、露光部１１を
刷版搬送装置３側に移動させ、露光済み刷版の排出を行
う。排出された刷版は刷版排出パレット２６上にセット
される。一方、刷版供給パレット２５から新たな刷版を
得る場合には、刷版供給パレット２５上の未露光の刷版
を刷版搬送アーム１５により吸着し、露光部１１を移動
させて、焼付テーブル１０上の所定の位置にセットす
る。新たな刷版を受け取った殖版機１は、露光部１１等
を用いて、所定の焼付け動作を実行する。

【００２３】一方、刷版排出パレット２６で刷版を受け
た刷版搬送装置３では、移動フレーム２１が刷版イジェ
クタ４の受渡し位置まで移動する。そして刷版イジェク
タ４が、刷版排出パレット２６から露光済みの刷版を受
け取り、平網焼付けや焼きとばし等の処理を施した後に
自動現像機５へと搬送する。現像処理の済んだ刷版は、
さらに絵柄面積計６に供給される。

【００２４】次に、刷版搬送装置３と自動殖版機１との
間の刷版の受渡し時の動作について説明する。刷版排出
パレット２６へ自動殖版機１から刷版が排出される場合
には、まず、刷版を排出すべき自動殖版機１の側方に刷
版排出パレット２６が位置決めされる。次に、旋回機構
２３のエアシリンダ３５が進出してレバー３８を起立す
る方向に旋回させることにより、刷版排出パレット２６
を受渡し位置まで旋回させる。そして、自動殖版機１の
刷版搬送アーム１５により焼付テーブル１０上の露光済
み刷版が刷版搬送装置３側に移動され、排出される。排
出された刷版は刷版排出パレット２６上にセットされ
る。刷版が刷版排出パレット２６上にセットされると、
エアシリンダ３５が退入し、刷版排出パレット２６を受
渡し位置から水平位置に復帰させる。

【００２５】一方、刷版排出パレット２５から自動殖版
機１に刷版が供給される場合には、まず、刷版を供給す
べき自動殖版機１の側方に刷版供給パレット２５が位置
決めされる。次に、旋回機構２３のエアシリンダ３５が
進出してレバー３８を起立する方向に旋回させることに
より、刷版供給パレット２５を受渡し位置まで旋回させ
る。そして、自動殖版機１の刷版搬送アーム１５により
刷版供給パレット２５上の未露光刷版が焼付けテーブル
１０へと搬送される。刷版が刷版供給パレット２５から
搬出されると、エアシリンダ３５が退入し、刷版供給パ
レット２５を受渡し位置から水平位置に復帰させる。

【００２６】ここでは、自動殖版機１は刷版を傾斜姿勢
で処理するが、刷版イジェクタ４や自動現像機５は刷版
を水平姿勢で処理する。しかし、この実施例では、刷版
の搬送を移動フレーム２１上の旋回するパレット２５，
２６により行っているので、傾斜姿勢や水平姿勢等の刷
版の姿勢に拘らず刷版の受渡しが可能になる。したがっ
て、傾斜型焼付装置と、水平型焼付装置とを混在した自
動焼付システムも可能になる。また、刷版の供給と刷版
の排出とを１対のパレット２５，２６を用いて行ってい
るので、刷版の受渡しが短時間で迅速に行える。しか
も、本実施例では、パレット２５，２６の旋回機構をパ
レット２５，２６から切り離して固定部材側に設けてい
るので、旋回機構の構造を簡素化できる。

【００２７】〔他の実施例〕 （ａ） 前記実施例では、移動フレーム２１により刷版
排出パレット２６と刷版供給パレット２５とを連結する
構成としたが、それぞれのパレット２５，２６ごとに移
動フレームを設け、それらを連結する構成にしても良
い。 （ｂ） 前記実施例では、旋回機構２３を固定フレーム
２０に配置したが、移動フレーム２１に設けても良い。 （ｃ） 前記実施例では、移動フレーム２１の移動機構
として、サーボモータ４５、歯付プーリ４８及びタイミ
ングベルト４９を用いたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、たとえばチェーン，スプロケット、ボー
ルナット及びボールスクリュー等を用いた移動機構でも
良い。

【００２８】

【００２９】

【発明の効果】 本発明に係る感光材料供給排出装置で
は、感光材料の供給と感光材料の搬出とを連続して行え
るとともに、それらが連結して移動されるので、簡単な
構成で迅速に感光材料の受渡しが行える。また、感光材
料排出部と感光材料供給部とをそれぞれ傾斜する受渡し
位置とそれとは異なる角度の退避位置との間で旋回可能
とすることにより、受渡し位置が異なる複数の装置が混
在したシステムであっても簡単な構成で感光材料の受渡
しが可能になる。本発明に係る感光材料受渡し装置で
は、感光材料載置部が支持部により横軸回りに旋回自在
に支持されているので、傾斜状態で処理する焼付装置に
対して簡単な構成で感光材料を受渡すことが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による自動焼付システムの斜
視図。

【図２】その刷版搬送装置の平面図。

【図３】図２のIII矢視部分図。

【図４】図２のIV−IV線断面図。

【符号の説明】

１ 傾斜型自動殖版機 ３ 刷版搬送装置 １５ 刷版搬送アーム ２０ 固定フレーム ２１ 移動フレーム ２２ ガイドレール ２３ 旋回機構 ２４ 移動機構 ２５ 刷版供給パレット ２６ 刷版排出パレット ２７ 位置決めピン

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−61753（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−220957（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−174766（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−89355（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−205543（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G03F 7/20

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】焼付装置に対して感光材料を供給及び排出
   するための感光材料供給排出装置であって、 前記焼付装置から排出された感光材料を載置する移動可
   能な感光材料排出部と、 前記感光材料排出部に連結され、前記焼付装置に供給す
   る感光材料を載置する移動可能な感光材料供給部と、 前記感光材料排出部と前記感光材料供給部とを移動させ
   る移動部と、 を備えた感光材料供給排出装置。
2. 【請求項２】前記焼付装置は、傾斜状態で原板と感光材
   料とを密着させて露光焼付を行うものであり、 前記感
   光材料排出部と感光材料供給部とは、それぞれ前記傾斜
   状態に対応して傾斜する受渡し位置と前記傾斜状態とは
   異なる角度の退避位置との間で旋回可能である、請求項
   １に記載の感光材料供給排出装置。
3. 【請求項３】傾斜状態で原板と感光材料とを密着させて
   露光焼付を行う焼付装置に対して、 前記感光材料を受渡すための感光材料受渡し装置であっ
   て、 前記感光材料を係止するための係止手段を有する感光材
   料載置部と、 前記感光材料載置部を横軸回りに旋回可能に支持する支
   持部と、 を備えた感光材料受渡し装置。