JP2822422B2 - 易溶出性高収縮ポリエステル糸およびその製造方法 - Google Patents

易溶出性高収縮ポリエステル糸およびその製造方法

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JP2822422B2 JP1034250A JP3425089A JP2822422B2 JP 2822422 B2 JP2822422 B2 JP 2822422B2 JP 1034250 A JP1034250 A JP 1034250A JP 3425089 A JP3425089 A JP 3425089A JP 2822422 B2 JP2822422 B2 JP 2822422B2
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polyester yarn
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、易溶出性と高収縮性を具備したポリエステ
ル糸と他の低収縮繊維糸とを混合してなる易溶出性高収
縮ポリエステル糸を用いた混合糸およびその製造方法に
関する。
[従来の技術] 従来、織物のクリンプを向上させ、織物にハリ腰、嵩
高を付与する方法としてはレギュラー糸と高収縮糸を混
合使用した織物を作り、熱処理することにより、高収縮
糸を収縮させ、織物のクリンプを向上させる方法が一般
的に知られている。
しかしこの手法においては、高収縮糸が織物中で梁状
に存在するため、織物が粗硬となり、ソフト感に欠ける
とともに、ストレッチ性にも欠けるといった欠点を有し
ている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上記の如き従来の問題点を解消し、
織クリンプを向上させたハリ腰、嵩高、ストレッチ性に
富んだ織物を得るための易溶出性でしかも高収縮特性を
有するポリエステル糸と他の低収縮繊維糸とを混合して
なる易溶出性高収縮ポリエステル糸を用いた混合糸およ
びその製造方法を提供せんとするものである。
[課題を解決すめための手段] 上記の目的を達成する本発明の構成は次の通りであ
る。すなわち、 ポリエチレンテレフタレートのアルカリ溶解速度より
も10倍以上の溶解速度を有するポリエステルからなる沸
騰水収縮率が50%以上、沸騰水収縮応力が0.05g/d以上
である易溶出性高収縮ポリエステル糸と他の低収縮繊維
糸とを混合してなることを特徴とする易溶出性高収縮ポ
リエステル糸を用いた混合糸である。
以下さらに詳しく本発明の易溶出性高収縮ポリエステ
ル糸を用いた混合糸について説明する。
本発明に適用する易溶出性高収縮ポリエステル糸は、
第3成分共重合ポリエステルポリマーを高速紡糸して得
られる高配向未延伸糸をTg以下の温度で延伸することに
よって得られる。
ここで、第3成分とは、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチル、イソフタル酸、ポリエチレングライコ
ールなどが適用できる。
また、1500〜4000m/minの範囲で高速紡糸して得られ
る高配向未延伸糸が好ましく適用される。
さらに、上記高配向未延伸糸の延伸倍率の範囲は、通
常の延伸仮ヨリ条件と同等であればよい。
上記の糸の沸騰水収縮率は、50%以上、好ましくは70
%以上であるが、収縮率が大きいだけでは織物の拘束力
に打ちかって織クリンプを向上させることはできない。
つまり、収縮率と収縮応力が共に大きいことが必要であ
り、収縮応力は0.05g/d以上、好ましくは0.1g/d以上で
ある。この2要素を具備することにより、はじめて希望
する織クリンプを得ることができる。
さらに、上記の糸は易溶出性であることが不可欠であ
る。なお、易溶出性とは、アルカリ水溶液中での溶解速
度の早いことを意味するものであり、レギュラーのポリ
エチレンテレフタレート(共重合成分を含まない)のア
ルカリ溶解速度よりも10倍以上、好ましくは15倍以上早
いものである。例えば、苛性ソーダ溶液中にレギュラー
のポリエチレンテレフタレート(A)と、本発明の易溶
出性糸(B)を一定時間浸漬し、その時の減量率を
A′、B′とすると、10A′<B′の関係式を満足する
ものであり、好ましくは15A′<B′の関係式を満足す
るものである。
さらに本発明に適用する易溶出性高収縮ポリエステル
糸は、ハリ腰、嵩高性、ストレッチ性に富んだ織物を製
造するのに好適である。すなわち、本発明の易溶出性高
収縮ポリエステル糸は、他の糸と混合使用した織物に収
縮処理を施し、さらに上記易溶出性高収縮ポリエステル
糸を溶出するのである。
すなわち、本発明においては、易溶出性高収縮ポリエ
ステル糸は他の低収縮繊維糸と混合して使用され、その
混合は、他素材との合撚、混繊、交絡、引揃え、または
交織などがあるが、織クリンプを効率良く形成するため
には、合撚が最も望ましい。しかも収縮処理後溶出する
ので、易溶出性高収縮糸が糸層中央部に位置するような
合撚形態が望ましい。さらに合撚のヨリ数は、易溶出性
高収縮糸が溶出しやすいこと、また製品の風合とのかね
あいで設定すればよい。このようにして得られた易溶出
性高収縮糸との複合糸の織物への展開については、タテ
糸、またはヨコ糸への使用、さらにはタテ糸、ヨコ糸へ
の同時使用も可能であり、目的に応じた展開ができる。
このようにして得られた織物は、まず熱処理をするこ
とにより収縮させ、織クリンプを形成固定し、その後易
溶出性高収縮糸を溶出することによって、ハリ腰、嵩
高、ストレッチ性に富んだ織物が得られる。なお、織ク
リンプを充分発現させるためには、前記した沸騰水収縮
率、沸騰水収縮応力とする必要があり、また、アルカリ
溶解速度についてもレギュラーのポリエチレンテレフタ
レートの溶解速度より10倍以上の溶解速度を有すること
が必要である。もし、易溶出性高収縮糸の溶解速度が10
倍以下であれば、易溶出性高収縮糸の溶解時に混合使用
している他の糸がポリエステルであれば、該他の糸の溶
出が進行しすぎ、やせた布帛しか得られない。しかし、
易溶出性高収縮糸の溶解速度が10倍以上であれば易溶出
性高収縮糸の完全溶出とともに、混合使用している他の
糸の適度の溶出が可能となる。
第1図〜第3図は、各工程での本発明に係る織物断面
の一実施例を示すモデル図であり、第1図は、生機の断
面図、第2図は、熱処理後の断面図、第3図は、熱処理
後、易溶出性高収縮糸を溶出した後の断面図を示す。な
お、図面中1は本発明に係る易溶出性高収縮ポリエステ
ル糸を示す。
以下、実施例により本発明を説明する。
なお、本発明における易溶出性高収縮糸の沸騰水収縮
率、沸騰水収縮応力は、東レエンジニアリング株式会社
製のFTA−500を用いて測定した。
実施例 紡速3000m/minで紡糸された125D−36Fの5−ナトリウ
ムスルホイソフタール酸ジメチル共重合ポリエステル糸
を下記条件でピン延伸を実施した。
加工速度:200m/min 延伸倍率:1.67倍 ピン温度:60℃ 得られた糸の沸騰水収縮率は66%、沸騰水収縮応力は
7.5g/本(0.06g/d)であった。該糸とポリエチレンテレ
フタレート75D−36Fの溶解速度を3%苛性ソーダ溶液中
で比較したところ、該糸はポリエチレンテレフタレート
よりも50倍の溶解速度であった。
上記方法によって得られた糸と、ポリエチレンテレフ
タレートを通常の紡糸延伸して得た250D−84Fと75D−12
Fとを、600T/mで合撚した糸をタテ、ヨコに用い、織物
を作成した。該織物に収縮処理を施した後、溶出処理、
染色仕上げ加工したところ、ハリ腰、嵩高、ストレッチ
性に富んだ織物が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、各工程での本発明に係る織物断面の
一実施例を示すモデル図であり、第1図は、生機の断面
図、第2図は、熱処理後の断面図、第3図は、熱処理
後、易溶出性高収縮糸を溶出した後の断面図を示す。 1:易溶出性高収縮ポリエステル糸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレートのアルカリ溶
    解速度よりも10倍以上の溶解速度を有するポリエステル
    からなる沸騰水収縮率が50%以上、沸騰水収縮応力が0.
    05g/d以上である易溶出性高収縮ポリエステル糸と他の
    低収縮繊維糸とを混合してなることを特徴とする易溶出
    性高収縮ポリエステル糸を用いた混合糸。
  2. 【請求項2】第3成分共重合ポリエステル高配向未延伸
    糸をTg温度以下で延伸して、ポリエチレンテレフタレー
    トのアルカリ溶解速度よりも10倍以上の溶解速度を有す
    るポリエステルからなる沸騰水収縮率が50%以上、沸騰
    水収縮応力が0.05g/d以上である易溶出性高収縮ポリエ
    ステル糸とした後、他の低収縮繊維糸とを混合すること
    を特徴とする易溶出性高収縮ポリエステル糸を用いた混
    合糸の製造方法。
JP1034250A 1989-02-14 1989-02-14 易溶出性高収縮ポリエステル糸およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2822422B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS55132730A (en) * 1979-03-28 1980-10-15 Kuraray Co Production of composite yarn having latent bulkiness
JPS5976917A (ja) * 1982-10-20 1984-05-02 Nippon Ester Co Ltd 高熱収縮応力糸の製造方法
JPS62199815A (ja) * 1986-02-26 1987-09-03 Toray Ind Inc ポリエステル繊維の製造方法

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